以下に、実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明に使用される図面は模式的なものである。尚、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については同一符号を付し、重複説明を避ける。参照符号を構成する数字の後の文字は、同じ数字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために用いられている。同じ数字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素は同じ数字のみを含んだ参照符号により参照される。
[1]第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る判定システムについて説明する。
[1−1]構成
[1−1−1]判定システムの構成
図1は、第1実施形態に係る判定システムの使用例を示す図である。図1に示すように第1実施形態に係る判定システムは、判定装置10、並びに測定装置20L及び20Rを含んでいる。
判定装置10は、例えばスマートフォン、タブレットPC等の携帯型の端末であり、測定装置20から被験者URの歩行データを受信する。そして判定装置10は、受信した歩行データに基づいて、被験者URが履いている履物と被験者URとの間の適合度を判定する。判定システムの使用時に判定装置10は、例えば被験者URによって保持及び操作される。判定システムの使用時における判定装置10の配置及び操作者はこれに限定されず、判定装置10は、被験者UR以外の人物に保持及び操作されていても良いし、人物に保持されていなくても良い。判定装置10の構成については後述する。
測定装置20L及び20Rは、加速度センサ22及び角速度センサ23を用いて、図1に示すように互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向における加速度及び角速度を測定し、送信することが可能なセンサ装置であり、例えば被験者URの左足及び右足の履物にそれぞれ固定される。そして測定装置20L及び20Rは、加速度センサ22及び角速度センサ23によって被験者URの歩行時における両足の加速度及び角速度を測定すると、測定された両足の加速度及び角速度の時系列データを通信部25が歩行データとして判定装置10に送信する。尚、判定システムの使用時における測定装置20L及び20Rの固定箇所は、履物に限定されない。測定装置20L及び20Rは、被験者URの下肢、好ましくは下肢端部に固定されていれば良く、例えば被験者URの左足首及び右足首にそれぞれ固定されても良い。
図2は、第1実施形態に係る判定システムに含まれる測定装置20の構成例を示すブロック図である。図2に示すように測定装置20は、制御部21、加速度センサ22、角速度センサ23、記憶部24、及び通信部25を備えている。
制御部21は、測定装置20全体の動作を制御する。加速度センサ22は、具体的には測定装置20の固定箇所において生じる加速度を3軸成分の組で測定する。角速度センサ23は、具体的には測定装置20の固定箇所において生じる角速度を3軸成分の組で測定する。記憶部24は、加速度センサ22によって測定された加速度の時系列データと、角速度センサ23によって測定された角速度の時系列データとを一時的に記憶する。通信部25は、判定装置10との通信を司り、記憶部24に記憶された加速度及び角速度の時系列データを歩行データとして判定装置10に送信する。通信部25と判定装置10との間の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)が使用される。通信部25と判定装置10との間の通信方式はこれに限定されず、その他の無線通信又は有線通信が使用されても良い。
[1−1−2]判定装置10の構成
次に、図3を用いて判定装置10の構成例について説明する。図3は、第1実施形態に係る判定システムに含まれる判定装置10の構成例を示すブロック図である。図3に示すように判定装置10は、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、通信部14、操作部15、表示部16、及びスピーカ17を備えている。
プロセッサ11は、種々のプログラムに基づいた処理を実行し、判定装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11としては、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等が使用される。
RAM12は、プロセッサ11の作業領域として使用されるメモリである。RAM12としては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリが使用される。
記憶部13は、判定装置10の制御用プログラムや、様々なデータを記憶することが可能なメモリである。記憶部13としては、例えばeMMC(Embedded Multi Media Card)(登録商標)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶媒体が使用される。第1実施形態に係る判定システムに含まれる判定装置10において記憶部13は、判定プログラム13A、被験者情報13B、及び履物情報13Cを記憶している。判定プログラム13Aは、判定システムの判定動作に使用されるプログラムである。判定動作は、被験者URの歩行データに基づいて、被験者URと、被験者URが履いている履物との間の適合度を判定する動作に相当する。被験者情報13Bは、例えば被験者URの被験者ID、性別、年齢、身長、体重、リファレンスデータ等の情報を含んでいる。リファレンスデータは、被験者UR毎に予め用意され、判定動作において基準として使用されるデータである。履物情報13Cは、例えば履物の履物ID、製造会社、種類、サイズ、靴幅、ヒールの高さ等の情報を含んでいる。
通信部14は、測定装置20の通信部25と同様の通信方式を使用可能であり、測定装置20との通信を司る。例えば通信部14は、測定装置20から送信された加速度及び角速度の時系列データを受信する。そして通信部14が受信した各種データは、プロセッサ11の制御に基づいて記憶部13に記憶される。尚、通信部14は、通信ネットワークとの間で通信することが可能なモジュールをさらに備えていても良い。
操作部15は、例えばタッチパネルや操作ボタン等のユーザインタフェースを含んでいる。例えば操作部15は、当該ユーザインタフェースを介して被験者URによる操作を検出し、当該操作の内容を示す信号をプロセッサ11に出力する。
表示部16は、プロセッサ11の制御に基づいて種々の情報を表示する。表示部16としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electroluminescence)ディスプレイ等が使用される。例えば表示部16は、判定プログラム13Aに関連するGUI(Graphical User Interface)を表示する。
スピーカ17は、プロセッサ11の制御に基づいて種々の情報を音声で伝達する。例えばスピーカ17は、判定動作における判定結果を被験者URに通知する際に使用される。
以上で説明した判定装置10においてプロセッサ11は、記憶部13に記憶された判定プログラム13AをRAM12に展開して、当該プログラムを実行する。
図4は、判定プログラム13Aが実行された場合におけるプロセッサ11の機能構成の一例を示す図である。図4に示すようにプロセッサ11は、判定プログラム13Aを実行すると、歩行期間抽出部30、歩行データ分析部31、適合度計算部32、適合度判定部33、及び結果出力部34として機能する。尚、本実施形態ではプロセッサ11の処理毎に名称を変更して説明するが、プロセッサ11は同時に複数の処理を実行することも可能である。
歩行期間抽出部30は、測定装置20から判定装置10へ送信された加速度データ13D及び角速度データ13E(以降、これらをまとめて「歩行データ」とも称する)から、被験者URが歩行している期間を抽出する。以下では、この被験者URの歩行時に対応する期間のことを歩行期間と呼ぶ。歩行データ分析部31は、抽出された歩行期間における歩行データの波形から、被験者URの歩行時における蹴り出しと着地との繰り返しを検出する。本実施形態では、「蹴り出し」を、歩行時に被験者URの足が地面を蹴って地面から離れる動作と定義し、「着地」は、歩行時に被験者URの蹴り出した足が再び地面に着地する動作と定義している。適合度計算部32は、検出された着地から蹴り出しまでの期間における歩行データの波形に基づいて、適合度スコアを計算する。「適合度スコア」は、被験者URが装着している履物と被験者URとの間の適合度を示すスコアに対応している。適合度判定部33は、計算された適合度スコアに基づいて、被験者URが装着している履物と被験者URとの間の適合度を判定する。結果出力部34は、判定結果を記憶部13に転送して記憶部13に判定結果13Fを記憶させるとともに、判定結果13Fに基づいて、被験者URに対する所定の通知処理を実行する。
[1−2]動作
次に、判定システムの判定動作について説明する。判定システムを使用する際には、判定動作に先立って被験者URが所定の準備をする。例えば、判定動作を実行する前に被験者URは、測定装置20L及び20Rを自身の左足及び右足にそれぞれ固定する。この際に被験者URは、例えばセンサのX方向が被験者URの歩行時における進行方向に、センサのY方向が被験者URの上下方向に、センサのZ方向が被験者URの左右方向にそれぞれ合うように調整する。そして被験者URは、測定装置20L及び20Rを動作状態にして、判定装置10の通信部14と測定装置20L及び20Rとの間を通信可能な状態にする。
また、被験者URは、判定装置10を操作して判定プログラム13Aを含むアプリケーションを起動し、判定動作の対象とする被験者情報13Bと履物情報13Cとの組み合わせを設定する。被験者情報13B及び履物情報13Cの内容は、判定装置10の記憶部13に予め記憶されていても良いし、被験者URによって判定動作の実行前に入力又は更新されても良い。尚、第1実施形態に係る判定システムの判定動作において、被験者情報13Bは少なくとも被験者IDを含んでいれば良く、履物情報13Cは少なくとも履物IDを含んでいれば良い。
以上で説明した準備が完了した後に、判定動作が実行される。以下に、図5を用いて判定システムの判定動作について説明する。図5は、第1実施形態に係る判定システムにおける判定動作のフローチャートである。
図5に示すように、まず測定装置20は、被験者URの歩行データを測定する(ステップS10)。具体的には、測定装置20Lは、被験者URの左足の加速度及び角速度を測定して、測定した加速度及び角速度の時系列データを測定装置20Lの記憶部24に記憶し、測定装置20Rは、被験者URの右足の加速度及び角速度を測定して、測定した加速度及び角速度の時系列データを測定装置20Rの記憶部24に記憶する。
次に、測定装置20は、測定した被験者URの歩行データを判定装置10に送信する(ステップS11)。具体的には、測定装置20L及び20Rの制御部21は、各記憶部24に記憶された加速度及び角速度の時系列データを、各通信部25を介して判定装置10に送信する。そして、判定装置10の通信部14は、測定装置20L及び20Rから受信した加速度及び角速度の時系列データを記憶部13に転送し、記憶部13は、転送された加速度及び角速度の時系列データを記憶する。
次に、判定装置10の歩行期間抽出部30は、記憶部13に記憶された加速度及び角速度の時系列データから歩行期間を抽出する(ステップS12)。
ここで、図6及び図7を用いて、ステップS12における歩行期間抽出部30の詳細な処理について説明する。図6及び図7はそれぞれ、被験者URが所定の期間歩行し、歩行途中に1回Uターンした場合における加速度及び角速度の波形の一例である。図6及び図7の縦軸はそれぞれ加速度及び角速度を示し、横軸は時間を示している。また、図6及び図7にはそれぞれ、3方向(X方向、Y方向、及びZ方向)における加速度及び角速度の波形が示されている。尚、図6の縦軸における−a3〜−a1及びa1は、加速度0から所定量毎に増減した加速度であることを示し、図7の縦軸における−b2、−b1及びb1は、角速度0から所定量毎に増減した角速度であることを示している。また、図6の横軸に示された時刻t0〜t3と、図7の横軸に示された時刻t0〜t3とは、それぞれ同じ時刻を示している。
歩行時における加速度及び角速度の時系列データは、1歩毎に同様の動作が繰り返されることから、周期的な波形を形成する。つまり、加速度及び角速度の時系列データにおける周期的な波形の1周期が、被験者URの1歩に相当する。一方で、Uターン時における加速度及び角速度の時系列データは、Uターンが不規則な動作であることから、波形の周期性を形成しない。そこで歩行期間抽出部30は、加速度及び角速度の波形から、周期性を有する期間を見つけることにより、歩行期間を抽出する。
図6及び図7に示すように、本例における加速度及び角速度の波形には、周期的な期間と、不規則な期間とが含まれている。上述したように歩行期間抽出部30は、周期的な期間を歩行期間とみなし、不規則な期間を歩行以外の期間とみなす。つまり、本例において歩行期間抽出部30は、被験者URが、周期的な期間である時刻t0から時刻t1にかけて歩行、不規則な期間である時刻t1から時刻t2にかけて歩行以外の動作(例えばUターン)、及び、周期的な期間である時刻t2から時刻t3にかけて歩行していると判定する。尚、歩行期間抽出部30が歩行期間を抽出する方法には、様々な方法を適用することが可能である。例えば、歩行期間と歩行以外の期間とを区別するために、加速度及び角速度の振幅の大きさに対して閾値を設定しても良いし、加速度及び角速度の1周期の間隔に対して閾値を設定しても良い。また、歩行以外の期間は、振幅の中心が規定の範囲内にあるかどうかによって判別することも可能である。
図5に戻り、次に判定装置10の歩行データ分析部31は、ステップS12において抽出された歩行データを分析する(ステップS13)。具体的には、歩行データ分析部31は、歩行期間における加速度及び角速度の波形から、被験者URの歩行時における蹴り出しの時刻と着地の時刻とを決定する。
ここで、図8及び図9を用いて、ステップS13における歩行データ分析部31の詳細な処理について説明する。図8は、第1実施形態に係る判定システムにおける加速度の時系列データの解析方法の一例を説明する波形図であり、図9は、角速度の時系列データの解析方法の一例を説明する波形図である。図8には、図6の時刻t0及びt1間における波形の一部が時間軸方向に拡大されて示され、図9には、図7の時刻t0及びt1間における波形の一部が時間軸方向に拡大されて示されている。尚、図8の横軸に示された時刻t0〜t4と、図9の横軸に示された時刻t0〜t4とは、それぞれ同じ時刻を示している。
歩行データ分析部31は、例えばY方向の角速度において、図9に示すように角速度が急峻に上昇している期間で角速度がゼロとなる時刻を蹴り出しの時刻とみなし、角速度が緩やかに下降している期間で角速度がゼロとなる時刻を着地の時刻とみなす。尚、着地及び蹴り出しの時刻の定義は、これに限定されない。例えば、歩行データ分析部31は、Z方向の角速度において、角速度が減少している期間で角速度がゼロとなる時刻を蹴り出しの時刻として定義しても良いし、角速度が上昇している期間で角速度がゼロとなる時刻を着地の時刻として定義しても良い。
そして、定義された着地及び蹴り出しの時刻は、加速度及び角速度の波形間で共有され、例えば蹴り出し、着地、蹴り出しの1サイクルが1歩分の波形に相当すると定義される。尚、1歩分の波形の定義はこれに限定されず、着地、蹴り出し、着地の1サイクルを1歩分の波形に相当すると定義しても良い。
図5に戻り、次に判定装置10の適合度計算部32は、ステップS13において分析された歩行データに基づいて、左足及び右足にそれぞれ対応する適合度スコアを計算する(ステップS14)。具体的には、図8に示すように、適合度計算部32は、例えばZ方向の加速度において、1歩毎に蹴り出しから着地に至るまでの期間の波形を参照する。図8には、この参照される波形の領域が適合度計算領域Rとして示されている。そして適合度計算部32は、例えばZ方向の加速度における、蹴り出した時点の加速度と蹴り出してから加速度の値が最も小さくなった時点の加速度との差に基づいて、適合度スコアを算出する。尚、適合度計算部32による適合度スコアの算出方法は、これに限定されない。例えば適合度計算部32は、Z方向の加速度における、蹴り出してから最も加速度の値が小さくなった時点の値と所定のリファレンス値との差に基づいて、適合度スコアを算出しても良い。このリファレンス値は、例えば被験者情報13Bに含まれたリファレンスデータに基づいて生成される。また、適合度計算部32は、図9に示すように、X方向の角速度において、蹴り出した時点の角速度と、蹴り出してから角速度の値が最も小さくなった時点の角速度との差に基づいて適合度スコアを算出しても良い。図9には、この参照される波形の領域が適合度計算領域Rとして示されている。このように、適合度計算部32は、参照する加速度及び角速度の波形の種類、期間、リファレンス値等をそれぞれ任意に設定して適合度スコアを算出することが出来る。また、適合度計算部32は、歩行期間の1歩毎に適合度スコアを算出して、その平均値を適合度スコアとして出力しても良いし、1歩毎に算出された適合度スコアの分散に基づいた値を適合度スコアとして出力しても良い。適合度スコアの算出に1歩毎に算出された適合度スコアの分散を利用する場合、例えば分散の値が小さい程、適合度スコアが高くなるような計算式が使用される。また、適合度計算部32は、異なるセンサ及び異なる測定方向に対応する複数の波形を参照してそれぞれ適合度スコアを算出しても良いし、当該複数の波形で算出された適合度スコアを用いて総合的な適合度スコアを算出しても良い。
次に、判定装置10の適合度判定部33は、ステップS14において算出された適合スコアに基づいて、被験者URが履いている履物と被験者URとの間の適合度を判定する(ステップS15)。具体的には、例えば適合度スコアが所定の閾値を超えている場合に、当該被験者URと履物との組み合わせは「良い」と判定し、適合度スコアが所定の閾値以下である場合に、当該被験者URと履物との組み合わせは「悪い」と判定する。また、適合度判定部33は、適合度スコアの左右差を判定しても良い。この場合に適合度判定部33は、左足に対応する適合度スコアと右足に対応する適合度スコアとの差が所定の閾値を超えているかどうかを確認する。そして、適合度判定部33は、左右の適合度スコアの差が所定の閾値以下である場合に「左右差問題無し」と判定し、左右の適合度スコアの差が所定の閾値より大きい場合に「左右差大」と判定する。
次に、判定装置10の結果出力部34は、上記処理により得られた適合度スコア及び判定結果を記憶部13に記憶し(ステップS16)、判定結果を所定の方法を用いて被験者URに通知する(ステップS17)。判定結果を被験者URに通知する方法としては、例えば判定結果に基づいた情報を、表示部16に画像として表示する、スピーカ17を用いて音声として通知する、通信部14を介して外部のプリンタからレポートを出力する等の方法が挙げられる。このステップS17における通知処理は、実施されなくても良いし、上述した複数の通知方法のうち1つ又は複数を選択的に実施するようにしても良い。
尚、判定動作後に被験者URは、判定結果に対して主観的な情報を追加しても良い。この際に被験者URが入力する情報としては、例えば「履き心地が良い」、「丁度良い」、「履き心地が悪い」、「きつい」等のコメントや、主観により履き心地が数値化された被験者スコア等が挙げられる。また、判定動作後に被験者UR以外の第三者(例えば観察者)が、判定結果に対して客観的な情報を追加しても良い。被験者UR以外の第三者が入力する情報としては、例えば「かかとに隙間が空いている」、「サイズ感が合っている」等のコメントや、第三者が被験者URの歩行姿勢等を見て客観的な履き心地を数値化した観察者スコア等が挙げられる。結果出力部34は、判定結果に対して上記コメントが追加された場合に、コメントの内容に基づいて適切なスコアを割り当てることも可能である。
尚、以上で説明した判定システムの判定動作では、判定装置10が測定装置20の計測結果を一括で受信して歩行データの解析及び判定処理を行う場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、判定システムは、計測開始から判定結果の通知までの一連の手順を、任意の時間間隔で行うことが可能である。
以上で説明した判定システムの判定動作により得られた各種スコアは、例えば図10に示すようなテーブルによって管理される。図10は、同じ被験者URが履物A、履物B、及び履物Cを用いてそれぞれ判定動作を実行した場合における各種スコアを記憶するテーブルの一例である。また、図10では、適合度スコアが100段階のスコア、被験者スコア及び観察者スコアが10段階のスコアで示されている。
図10に示す例では、適合度スコア、被験者スコア、観察者スコア、及び総合スコアが表示され、左足に対応するスコアと右足に対応するスコアとが別々に表示されている。総合スコアは、適合度スコア、被験者スコア、観察者スコアのうち少なくとも一つに基づいたスコアであり、適合度計算部32が各スコアを総合的に考慮して算出するスコアである。尚、総合スコアは算出されなくても良く、判定システムの判定結果としては少なくとも適合度スコアが含まれていれば良い。
[1−3]第1実施形態の効果
以上で説明した第1実施形態に係る判定システムによれば、被験者URの履いている履物と被験者URとの間の適合度を示す情報を被験者URに提供することが出来る。以下に、第1実施形態に係る判定システムにおける効果の詳細について説明する。
第1実施形態に係る判定システムは、被験者URの両足に簡易なセンサを固定して歩行データを取得及び解析することによって、履物と被験者URとの間の適合度を数値化する。具体的には、測定装置20L及び20Rによって測定された加速度及び角速度の時系列データを、判定装置10が解析することによって、被験者URが履いている履物と被験者URとの間の適合度を示す適合度スコアを算出する。
適合度スコアは、履物の違いによって加速度及び角速度の波形に差異がでる箇所に着目して算出される。ここで、図11及び図12を用いて履き心地の違いによる加速度及び角速度の波形の違いの一例について説明する。図11は、複数条件における加速度の時系列データの一例を示す波形図である。図12は、複数条件における角速度の時系列データの一例を示す波形図である。図11及び図12にはそれぞれ、図10に示された履物A、履物B、及び履物Cにおける歩行データの波形の一部が抽出して示されている。図11はZ方向の加速度の波形に対応し、図12はX方向の角速度の波形に対応している。尚、図11及び図12では、被験者URの一方の足における歩行データの波形が示されている。
図11及び図12に示すように、複数種類の履物における歩行データの波形では、例えば蹴り出してから着地するまでの波形に差異が生じている。履物のフィット感と足の動きとの関係については、以下に示すような仮説が立てられる。
例えば、足の先端側に荷重がかかる蹴り出し時において、履物が足にフィットしている場合、荷重のかかり方が安定し、履物が足にフィットしていない場合、ズレ等により足の動きが安定しない。この特徴が、歩行の進行方向に対して左右方向の動きを表すZ方向の加速度の波形、X方向の角速度の波形に表れてると考えられる。具体的には、履物がフィットしている場合、Z方向の加速度の振幅が大きくなり、且つX方向の角速度の振幅が大きくなると考えられる。
このため、判定装置10の適合度計算部32は、図中に示された適合度計算領域Rを参照し、例えば蹴り出した時点の加速度と蹴り出してから加速度が最も小さくなった時点における加速度との差が大きい場合に、適合度スコアが高くなるような計算式を使用する。この場合、図11及び図12に示す一例では、履物A及び履物Bにおける蹴り出し後の振幅が履物Cにおける蹴り出し後の振幅よりも大きいため、図10に示すように、履物A及び履物Bにおける適合度スコアが履物Cにおける適合度スコアよりも高く算出される。そして、適合度スコアが算出されると、判定装置10の適合度判定部33が算出された適合スコアに基づいて被験者URと履物との適合度を判定し、結果出力部34が判定結果を所定の方法で被験者URに通知する。
以上のように、第1実施形態に係る判定システムは、被験者URが履いている履物と被験者URとの間の適合度を数値化し、履物毎の履き心地を示す客観的なデータをユーザに提供することが出来る。これにより、第1実施形態に係る判定システムを利用した被験者URは、履物のサイズや内部形状等の違いによる履き心地の変化を数値等で確認することが出来るようになり、例えば履物を購入する場合の判断基準として活用することが出来る。
尚、以上で説明した第1実施形態に係る判定システムは、左右の足における適合度スコアの違いから、被験者URの身体の左右バランスを判定することも出来る。これにより、被験者URは、左右差に基づいて左右の履物のサイズを変更したり、インソールによって左右差を調整したりすることが出来る。また、算出された左右差の情報は、被験者URが履物をオーダーメイドする場合に利用することも可能である。これにより、被験者URとの適合度の高い履物の製造のために活用することが可能となる。
また、第1実施形態に係る判定システムは、被験者URによる履物の感想と、判定装置10が算出した適合度スコアとを関連付けることも可能である。この場合に判定装置10は、適合度スコアに被験者URの感想に基づく補正値を反映することが出来る。これにより、被験者URの好みが適合度スコアに反映されるため、判定システムは、より適切な判定結果を被験者URに提供することが可能となる。
また、第1実施形態に係る判定システムは、被験者URや履物に後付けすることが可能な簡易な加速度センサ及び角速度センサにより判定動作を実行することが出来る。つまり、被験者URは、オーダーメイドする等の手間を介することなく、既製品の履物の中から比較的履き心地の良いものを容易に選択することが出来る。これにより、判定システムを利用する被験者URは、例えばフィットする履物を探す際における時間や費用等を削減することが出来る。
[2]第2実施形態
次に、第2実施形態に係る判定システムについて説明する。第2実施形態に係る判定システムの構成は、第1実施形態に係る判定システムの構成と同様である。そして、第2実施形態に係る判定システムは、被験者URが定期的に履物との適合度を測定し、判定装置10が適合度の経時変化に基づいた判定結果を被験者URに通知する。尚、以下の説明では、第1実施形態と同一箇所には同一符号を付し、重複説明を避ける。
[2−1]動作
以下に、図13を用いて第2実施形態に係る判定システムの判定動作について説明する。図13は、第2実施形態に係る判定システムにおける判定動作の一例を示すフローチャートである。尚、以下で説明される判定動作では、定期的に実施された過去の判定結果のデータが事前に蓄積されているものとする。また、第2実施形態において判定装置10は、内部のクロックを使用して、判定結果を判定動作が実施された日と関連付けているものとする。
図13に示すように、まず測定装置20は、被験者URの歩行データを測定し、判定装置10に送信する(ステップS20)。ステップS20における動作は、例えば第1実施形態で図5を用いて説明したステップS10及びS11の動作と同様である。
次に、判定装置10は、測定装置20が測定した歩行データを受信して、受信した歩行データを解析する(ステップS21)。ステップS21における動作は、例えば図5を用いて説明したステップS12〜S16の動作と同様である。
次に、判定装置10の適合度判定部33は、適合度スコアの経時変化を確認する(ステップS22)。具体的には、適合度判定部33は、例えば当該組み合わせにおいて、最初の判定動作により算出された適合度スコアと、2回目以降の判定動作により算出された適合度スコアとの差を算出する。つまり、適合度判定部33は、適合度スコアの初期値からの変化量を算出する。そして、適合度判定部33は、初期値からの変化量が所定の値未満の場合に「問題無し」と判定し、所定の値以上の場合に「経時変化有り」と判定する。尚、適合度判定部33は、左右の足に対応する適合度スコアに対してそれぞれ経時変化を判定しても良いし、左右の足に対応する適合度スコアの変化量が共に所定の値以上になった場合に「経時変化有り」と判定するようにしても良い。また、経時変化の判定は、左右の足に対応する適合度スコアの平均値に対して行われても良い。
次に、判定装置10の結果出力部34は、上記処理により得られた判定結果を、所定の方法を用いて被験者URに通知する(ステップS23)。判定結果を被験者URに通知する方法は、例えば図5を用いて説明したステップS17と同様の方法が使用される。
以上で説明した判定システムの判定動作により得られた判定結果は、例えば図14に示すようなテーブルによって管理される。図14は、同じ被験者URが履物Aを使用して定期的に判定システムを利用した場合における適合度スコア等のデータを記憶するテーブルの一例である。図14に示す例では、左右の適合度スコアの初期値からの変化量の閾値が「10」に設定されている。図14の適合度スコアの括弧内に示すように、当該組み合わせにおいて最初に取得された判定結果を基準として履物Aの経時変化が確認され、測定日毎に経時変化の判定結果が記録されても良い。
[2−2]第2実施形態の効果
以上で説明した第2実施形態に係る判定システムによれば、被験者URに履物の劣化を通知することが出来る。以下に、第2実施形態に係る判定システムにおける効果の詳細について説明する。
履物は、長期間に渡って使用されると形状等の変化が生じる可能性がある。履物の状態が変化すると、被験者URと履物との間の適合度は随時変化していく。例えば、新しい履物の使用を始めてから暫くの期間は、履物が被験者URの足の形状に馴染むことによって、履物の履き心地が良くなっていくことが多い。
しかし、履物がさらに長期間に渡って使用されると、形状の変化や、靴底のすり減りや、素材の劣化等が生じる可能性がある。そして、このような劣化が生じ始めると、被験者URと履物との間の適合度は徐々に悪化していくことが考えられる。
そこで、第2実施形態に係る判定システムでは、被験者URに対して定期的な判定システムの利用を提案し、定期的に適合度の判定結果を取得する。そして、第2実施形態に係る判定装置10は、最初に取得された適合度スコアと最新の適合度スコアとの差分から適合度スコアの経時変化量を確認し、経時変化量に基づいて被験者URに履物の状態を通知する。
これにより、第2実施形態に係る判定システムは、被験者URが履いている履物の経時変化状況を示す客観的なデータを被験者URに提供することが出来る。従って、第2実施形態に係る判定システムを利用した被験者URは、履物の経時変化を客観的に判断することが出来るようになり、例えば履物のメンテナンスが必要なタイミングや、履物の寿命等の判断基準として活用することが出来る。
[3]第3実施形態
次に、第3実施形態に係る判定システムについて説明する。第3実施形態に係る判定システムは、判定装置10が歩行データから被験者URの歩行時における歩幅、歩行速度、及び姿勢をさらに判定し、これらの情報を適合度の判定に利用するものである。尚、以下の説明では、第1及び第2実施形態と同一箇所には同一符号を付し、重複説明を避ける。
[3−1]構成
まず、第3実施形態に係る判定システムにおけるプロセッサ11の機能構成について説明する。第3実施形態に係る判定システムでは、プロセッサ11が実行する判定プログラム13Aが、加速度及び角速度の時系列データから被験者URの歩行時における歩幅、速度、及び姿勢を判定するコードをさらに含んでいる。
図15は、第3実施形態における判定装置におけるプロセッサ及び記憶部の詳細な構成例を示すブロック図である。図15に示すように第3実施形態においてプロセッサ11は、判定プログラム13Aを実行すると、歩幅算出部35、速度算出部36、及び姿勢判定部37としてさらに機能する。
歩幅算出部35は、記憶部13に記憶された加速度データ13D及び角速度データ13Eから、被験者URの歩行時における歩幅を算出する。速度算出部36は、記憶部13に記憶された加速度データ13D及び角速度データ13Eから、被験者URの歩行時における歩行速度を算出する。姿勢判定部37は、記憶部13に記憶された加速度データ13D及び角速度データ13Eから、被験者URの歩行時における姿勢を判定する。そして、第3実施形態において適合度判定部33は、例えば記憶部13に記憶された被験者情報13Bに基づいて、歩幅算出部35により算出された歩幅と、速度算出部36により算出された歩行速度と、姿勢判定部37により判定された姿勢とがそれぞれ適切な状態であるかどうかをさらに判定することが出来る。第3実施形態に係る判定システムのその他の構成は、第1実施形態に係る判定システムと同様のため、説明を省略する。
[3−2]動作
次に、図16を用いて第3実施形態に係る判定システムの判定動作について説明する。図16は、第3実施形態に係る判定システムにおける判定動作のフローチャートである。
図16に示すように、まず測定装置20は、被験者URの歩行データを測定する(ステップS30)。ステップS30における動作は、例えば第1実施形態で図5を用いて説明したステップS10及びS11の動作と同様である。
次に、判定装置10は、測定装置20が測定した歩行データを受信して、受信した歩行データを解析する(ステップS31)。ステップS31における動作は、例えば図5を用いて説明したステップS12〜S14の動作と同様である。
次に、判定装置10の歩幅算出部35は、解析された歩行データに基づいて被験者URの歩幅を算出する(ステップS32)。具体的には、歩幅算出部35は、例えば測定された歩行データのうち加速度の値を2回積分し、計測開始時点を原点とした各経過時間における歩行動作中のセンサの座標を算出する。そして歩幅算出部35は、左右の足の運びの軌跡を空間座標系中にプロットして、プロットされた軌跡に基づいて歩幅を算出する。
次に、判定装置10の速度算出部36は、解析された歩行データに基づいて被験者URの歩行速度を算出する(ステップS33)。具体的には、速度算出部36は、例えばステップS32と同様の方法により左右の足運びの軌跡をプロットし、プロットされた軌跡と経過時間とに基づいて歩行速度を算出する。
次に、判定装置10の姿勢判定部37は、解析された歩行データに基づいて被験者URの姿勢を判定する(ステップS34)。具体的には、測定装置20が装着された位置と全身姿勢との相関関係と、測定された歩行データとに基づいて、被験者URの歩行姿勢を判定する。判定することが可能な姿勢の種類としては、例えば前面姿勢、側面姿勢、足角等が挙げられる。「前面姿勢」は、例えば被験者URの進行方向から見た上半身の左右の傾き具合を表している。「側面姿勢」は、被験者URの側面から見た姿勢であり、例えば上半身の猫背の具合やそり腰の具合を表している。「足角」は、例えば被験者URの内股の具合や蟹股の具合を表している。
次に、判定装置10の適合度判定部33は、ステップS31〜S34における処理結果と、被験者情報13Bとに基づいて被験者URと履物との間の適合度を判定する(ステップS35)。具体的には、適合度判定部33は、各歩行状態の理想値と被験者URの歩行状態の現状値との差分を算出することにより、被験者URと履物との間の適合度を判定する。例えば、適合度判定部33は、被験者情報13Bから身長等の身体情報を参照して、被験者UR毎に適切な歩幅、歩行速度、及び姿勢のパラメータの範囲を設定する。そして、適合度判定部33は、算出された歩幅が、例えば被験者URに対して適切な歩幅の範囲内である場合に「適切な歩幅」と判定し、被験者URに対して適切な歩幅の範囲外である場合に「歩幅が短い」又は「歩幅が長い」と判定する。また、適合度判定部33は、算出された歩行速度が、例えば被験者URに対して適切な歩行速度の範囲内である場合に「適切な歩行速度」と判定し、被験者に対して適切な歩行速度の範囲外である場合に「歩行速度が速い」又は「歩行速度が遅い」と判定する。さらに、適合度判定部33は、判定可能な姿勢のうち足角が、例えば所定の範囲内である場合に「歩行姿勢問題無し」と判定し、所定の範囲外である場合に「蟹股」や「内股」等と判定する。
次に、判定装置10の結果出力部34は、上記処理により得られた歩幅、歩行速度、姿勢情報、及び判定結果を記憶部13に記憶し、所定の方法を用いて被験者URに通知する(ステップS36)。判定結果を被験者URに通知する方法は、例えば図5を用いて説明したステップS17と同様の方法が使用される。
以上で説明した判定システムの判定動作により得られた判定結果は、例えば図17に示すようなテーブルによって管理される。図17は、同じ被験者URが履物A、履物B、履物Cをそれぞれ履いて判定システムを利用した場合における歩幅、歩行速度、及び姿勢情報のデータを記憶するテーブルの一例である。図17に示す例では、歩幅、歩行速度、及び姿勢情報からそれぞれ1つずつ情報が示されている。図17に示すように判定結果を記憶するテーブルでは、適合度に関する判定結果を省略しても良い。また、姿勢情報として複数の姿勢が判定された場合、姿勢の分類毎に情報を記憶するようにしても良い。
尚、以上の説明では、適合度判定部33が、被験者情報13Bに基づいて被験者UR毎に適切な歩幅、歩行速度、及び姿勢のパラメータの範囲を設定する場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、判定装置10は、記憶部13に身体情報に関連付けられた最適値のテーブルを予め記憶していても良い。この場合に適合度判定部33は、被験者情報13Bと、最適値のテーブルとに基づいて、当該被験者URにおける歩幅、歩行速度、及び姿勢のパラメータを決定する。
[3−3]第3実施形態の効果
以上で説明した第3実施形態に係る判定システムによれば、履物の違いによる歩幅、歩行速度、及び姿勢の変化を被験者URに通知することが出来る。以下に、第3実施形態に係る判定システムにおける効果の詳細について説明する。
被験者の歩幅や歩行周期は、例えば性別、年齢、身長等によって異なってくる。また、同一人物の場合においても、履いている履物の種類や疲れ等の影響に受けて脚の出し方が変化するため、歩幅や歩行速度等が異なることがある。
そこで、第3実施形態に係る判定システムにおいて判定装置10は、被験者URの歩幅、歩行速度、及び姿勢をさらに判定する。そして、判定装置10の適合度判定部33が、上述した歩行データの解析結果と、被験者URの被験者情報13Bに基づいた最適値とを参照して、被験者URの歩幅、歩行速度、及び姿勢が好ましい範囲に収まっているかどうかを判定する。それから、判定装置10の結果出力部34が、歩幅、歩行速度、及び姿勢の情報と、これらのパラメータが適切かどうかの情報とを被験者URに通知する。
これにより、第3実施形態に係る判定システムは、履物毎の被験者URの歩行状態を示す追加データを被験者URに提供することが出来る。従って、第3実施形態に係る判定システムを利用した被験者URは、履物の違いによる歩行姿勢等の変化を客観的に把握することが出来、例えば既製品の履物の中から歩行状態が改善するような履物を選択する判断基準として活用することが出来る。
尚、第3実施形態で説明した判定動作では、判定結果をリアルタイムで判定装置10の表示部16に表示させたり、スピーカ17を用いて音声で通知したりしても良い。また、第3実施形態に係る判定装置10は、歩行データの解析結果とこれに対応する最適値との差分に基づいて、被験者URの歩行姿勢を理想状態へ近づけるための改善点を分析し、この分析結果を改善指導として被験者URに通知しても良い。これにより、判定システムを利用する被験者URは、歩行姿勢の状態および姿勢の変化をリアルタイムで把握することが出来、歩行姿勢の改善を試みることが出来る。
[4]第4実施形態
次に、第4実施形態に係る判定システムについて説明する。第4実施形態に係る判定システムは、ネットワーク上に展開されたクラウドサービスを利用して、被験者URと履物との間の適合度の変化を予測するものである。尚、以下の説明では、第1〜第3実施形態と同一箇所には同一符号を付し、重複説明を避ける。
[4−1]構成
図18は、第4実施形態に係る判定システムにおいて使用されるクラウドサービスの概念図である。図18に示すように第4実施形態に係る判定システムでは、判定装置10が通信ネットワークNWと接続されている。通信ネットワークNWは、サーバ(情報処理端末)SVと接続されている。サーバSVは、クラウドサービスを展開するために必要な種々の構成を含んでいる。このように、判定装置10とサーバSVとの間は、通信ネットワークNWを介して相互に通信することが可能なように構成されている。第4実施形態に係る判定システムのその他の構成は、第1実施形態に係る判定システムと同様のため、説明を省略する。
[4−2]動作
以下に、第4実施形態に係る判定システムの動作について説明する。第4実施形態に係る判定システムでは、クラウドサービスを利用して、学習動作と予測動作とを実行する。学習動作は、上記実施形態における判定動作の判定結果を学習し、予測動作で使用する予測関数を生成する動作である。予測関数は、判定動作を行った時点における判定結果から、時間経過によりこれから先どのように判定結果が変化するのかを予測するための関数である。予測動作は、学習動作によって生成された予測関数に基づいて、被験者URと履物との間の適合度の変化を予測する動作である。
まず、図19を用いて判定システムの学習動作について説明する。図19は、第4実施形態に係る判定システムにおける学習動作の一例を示すフローチャートである。
図19に示すように、まず判定システムは、例えば第1実施形態で説明した判定動作におけるステップS10〜S16を実行する。
次に、判定装置10は、上述したステップS10〜S16の動作により得られた歩行データの判定結果をサーバSVに転送し、サーバSVは、転送された判定結果を内部の記憶媒体に記憶する(ステップS40)。尚、以下の説明においてサーバSVは、被験者IDと履物IDとが同じ組み合わせである判定結果のデータを複数回分蓄積しているものとする。
次に、サーバSVは、蓄積された判定結果のデータを機械学習する(ステップS41)。機械学習される判定結果のデータの一例が、図20に示されている。図20に示すように、機械学習に用いる判定結果のデータとしては、例えば履物ID、経過日数、適合度スコアが含まれている。尚、サーバSVが機械学習する判定結果のデータの種類はこれに限定されず、その他のデータも機械学習の対象としても良い。
機械学習の方法としては、例えばディープラーニング等、人工知能を利用した手法が利用される。サーバSが機械学習に利用する方法はこれに限定されず、サーバSVはあらゆる方法を利用いて判定結果のデータを学習することが出来る。そしてサーバSVは、機械学習されたデータに基づいて、被験者UR毎の予測関数を作成する(ステップS42)。予測関数の作成後にサーバSVは、予測関数を用いて予測動作を実行する。
ここで、図21を用いて判定システムの予測動作について説明する。図21は、第4実施形態に係る判定システムにおける予測動作の一例を示すフローチャートである。
図21に示すように、まず判定システムは、例えば第1実施形態で説明した判定動作におけるステップS10〜S16を実行する。そして判定装置10は、判定結果をサーバSVに転送し、サーバSVは、転送された判定結果を内部の記憶媒体に記憶する。
次に、サーバSVは、サーバSVから転送された判定結果を予測関数に入力し、被験者URと履物との間の適合度の変化を予測する(ステップS50)。そしてサーバSVは、通信ネットワークNWを介して、算出した予測結果を判定装置10に転送する。
次に、判定装置10は、転送された予測結果を記憶部13に記憶し、この予測結果を所定の方法により被験者URに通知する(ステップS51)。
尚、以上の説明において、学習動作と予測動作とを分けて説明したが、これらの動作は並行して実行することが可能である。例えば、サーバSVは、予測動作時における判定結果を再学習に使用しても良い。また、以上の説明において、予測関数をサーバSVが記憶している場合を例に説明したが、これに限定されない。サーバSVは、生成した予測関数を判定装置10に転送することが可能であり、判定装置10が予測関数に基づいた演算処理を実行し、被験者URと履物との間の適合度の変化を予測しても良い。
[4−3]第4実施形態の効果
以上で説明した第4実施形態に係る判定システムによれば、被験者URに履き心地の変化の予測結果を通知することが出来る。以下に、第4実施形態に係る判定システムにおける効果の詳細について説明する。
第2実施形態で説明したように、履物は、長期間に渡って使用されると形状等の変化が生じる可能性がある。このような履物における馴染みの変化は、履物の種類等によって傾向が異なり、また被験者UR毎にも異なっている。
そこで、第4実施形態に係る判定システムでは、クラウドサービスを利用して判定結果を機械学習し、被験者URと履物との間における適合度の変化を予測する。具体的には、クラウドサービス上に蓄積された判定結果に基づいて、被験者URと履物との間の適合度の変化が予測可能な予測関数が生成される。そして、この予測関数と、判定システム利用時の判定結果とに基づいて、判定装置10が予測結果を被験者URに通知する。
これにより、第4実施形態に係る判定システムは、被験者URが履いている履物と被験者URとの適合度の経時変化を予測して、履物の経時変化の予測を含む客観的なデータを被験者URに提供することが出来る。従って、第4実施形態に係る判定システムを利用した被験者URは、例えば予測結果から履物の利用計画を立てることが出来、履物のメンテナンスが必要なタイミングや、履物の寿命等の判断基準として活用することが出来る。
以上のように、第4実施形態に係る判定システムでは、判定装置10がクラウドサービスを利用したアプリケーションを用いることにより、判定装置10単体の処理能力では不可能なサービスを提供することが出来る。
ここで、図22を用いてクラウドサービスを利用したビジネスモデルの一例について説明する。図22は、第4実施形態に係る判定システムの適用例を示す図である。クラウドサービスを利用したビジネスモデルでは、例えば図22に示すように判定システムの利用者40、事業者41、及び電子商取引(以降、「EC」と称する)サイト42間で情報がやりとりされる。
利用者40は、例えば被験者URや履物の販売者等であり、第1〜第4実施形態で説明した判定システムの判定動作を実行する。そして利用者40は、例えばコンピュータPCを用いて、管理者用WEBサイトから通信ネットワークNWを介してクラウドサービスCLにアクセスすることが出来る。例えば利用者40は、クラウドサービスCLに蓄積されて被験者IDに関連付けられた歩行データDTや、サーバSVが記憶する予測関数などのアルゴリズム等に基づいた予測結果を参照することが出来る。事業者41としては、例えばクレジットカード等のカード会社や、販売業者や、情報サービス業者等が挙げられる。被験者URは、これらの事業者41が提供するサービスに登録しており、サービスを提供する事業者のシステムは、例えば被験者URが登録しているカード会社の会員IDや、履物の情報を提供するコミュニティサイトのコミュニティID等を有している。ECサイト42は、各事業者41が運営するWEBサイトであり、例えば履物のデータベースを有している。
本ビジネスモデルにおいては、クラウドサービスCL上の被験者IDと、事業者41のシステム上の例えば会員IDやコミュニティID等とが関連付けられる。つまり、被験者URに関連する、クラウドサービスCL上のシステムで管理されているIDと事業者41のシステムで管理されているIDとが紐付けられる。そして、ECサイト42は、会員IDやコミュニティIDに基づいてクラウドサービスCL上の情報にアクセスすることが出来、クラウドサービスCL上に蓄積された被験者URと履物との適合度に関連する情報を参照することが出来る。
これにより、ECサイト42は、例えば被験者URが店頭で試した靴の木型や歩行測定結果に基づいた商品を、被験者URに推薦することが出来る。また、ECサイト42は、被験者URの履物の嗜好情報に基づいて、販売している履物のデータベースのうち被験者URに最も適した履物を選択し、被験者URに推薦することが出来る。その他には、ECサイト42は、例えば履物の適合度の変化を見越して履物を推薦したり、クラウドサービスCL上に蓄積された予測結果から靴メーカへの顧客需要の調査結果や予測結果等を提示したりすることが出来る。尚、以上で説明したECサイト42の機能は、判定装置10に持たせても良い。
このように、第4実施形態に係る判定システムを利用したサービスとしては、インターネット上のショップとの連携サービスにより、判定結果に応じた商品・サービスをユーザに紹介し提案することが考えられる。その他に判定結果に基づいて提供される情報としては、例えばユーザの歩行姿勢に応じたエクササイズ情報、食事情報、被服情報等が挙げられる。エクササイズ情報は、トレーニングDVD、フィットネスクラブ等の情報を含む。食事情報は、サプリメント情報の他、ダイエットレシピやレストラン等の情報を含む。被服情報は、スポーツウェアやシューズ、ソックス、アンダーウェア等の情報を含む。
尚、以上の説明では、被験者UR毎に判定情報を機械学習する場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、判定システムは、多数の被験者の判定結果をクラウドサービス上に蓄積し、被験者情報13Bの似た被験者の情報に基づいた情報を被験者の予測関数に反映させても良い。具体的には、判定システムが利用するクラウドサービス上で、例えば被験者情報13B内の年齢、性別、身長等の情報に基づいた属性が分類され、分類された属性毎に基準となる予測関数が生成されても良い。これにより、判定システムは、予測結果の機械学習量が足りていない被験者に対しても精度の高い予測関数を適用することが出来、精度の高い予測結果を通知することが出来る。
[5]変形例等
上記各実施形態における判定装置<10、図1>は、履物を履いた被験者<UR、図1>の歩行時に被験者の下肢に固定されたセンサ<20、図1>によって測定された加速度及び角速度のうち少なくとも一方の時系列データを記憶する記憶部<13、図3>と、時系列データから被験者の歩行に関する特徴量<適合度スコア、図10>を算出し、特徴量に基づいて、被験者と履物との間の適合度を判定するプロセッサ<11、図3>と、を備える。これにより、被験者と履物との適合度を判定することが可能となる。
尚、上記実施形態では、判定装置10が携帯型の端末である場合を例に説明したが、これに限定されない。判定装置10は据え置き型の端末でも良いし、ウェアラブル型の端末でも良い。据え置き型の判定装置10としては、例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等が使用される。また、上記実施形態で説明した判定装置10の構成はあくまで一例であり、その他の構成であっても良い。例えば、判定装置10が記憶部13、通信部14、操作部15、表示部16、及びスピーカ17を備えていなくても良い。この場合に判定装置10には、記憶部13、通信部14、操作部15、表示部16、及びスピーカ17がそれぞれ外部接続される。
尚、上記実施形態では、測定装置20が備える加速度センサ22及び角速度センサ23を別々に備えている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、測定装置20は、1つのセンサを用いて加速度及び角速度を測定するような構成であっても良い。
尚、上記実施形態では、判定プログラム13Aが記憶部13に記憶されている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば判定装置10は、プロセッサ11が実行するプログラムを図示しない通信ネットワーク上のサーバに記憶させても良い。この場合にプロセッサ11は、通信ネットワーク上のサーバから配信されたプログラムをRAM12に展開して、当該プログラムを実行する。プログラムを頒布する方法はこれに限定されず、プログラムは、例えば磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ、ハードディスク等の記憶媒体に記憶して、コンピュータに読み込ませることにより実行されても良い。また、プログラムは、暗号化、変調、圧縮等が施された状態で頒布されても良い。
尚、上記実施形態において、各種映像処理がソフトウェアで実行される場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、一部の処理を専用のハードウェアにより実現しても良いし、全ての処理を専用のハードウェアにより実現しても良い。例えば、判定処理において、歩行期間抽出部30として機能する回路や、歩行データ分析部31として機能する回路を利用することが可能である。その他の処理についても同様である。これらのハードウェアは、判定装置10に内蔵されていても良いし、外部接続されていても良い。
尚、上記実施形態において、判定装置10のプロセッサ11が判定プログラム13Aを実行する場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、判定プログラム13Aに基づく各種処理は、図18及び図22を用いて説明したクラウドサービスにより実行されても良い。この場合に通信ネットワークNW上のサーバSVは、判定プログラム13Aを記憶し、判定処理時において判定プログラム13Aを実行すると、上記実施形態で説明した判定装置10のプロセッサ11と同様の機能構成を備える。そしてサーバSVは、測定装置20が測定した歩行データを判定装置10及び通信ネットワークNWを介して受信すると、上記実施形態で説明した判定装置10と同様の処理を実行する。サーバSVの処理によって得られた測定結果は、サーバSVから通信ネットワークNWを介して判定装置10に送信される。このとき判定装置10は、サーバSVから受信した判定結果を記憶部13に記憶しても良いし、判定結果を表示部16やスピーカ17を用いて被験者URに通知するようにしても良い。クラウドサービスの利用方法はこれに限定されず、種々の利用方法が考えられる。例えば、判定処理において、判定プログラム13Aの処理内容を判定装置10とサーバSVとで分担して処理するようにしても良い。
尚、上記実施形態において、判定動作の説明に用いたフローチャートは一例であり、これに限定されない。例えば、各フローチャートにおける処理は、可能な限り処理の順番を入れ替えることが可能である。例えば、図16を用いて説明したステップS32〜S34の処理順番は入れ替えることが可能である。
尚、上記実施形態において、判定プログラム13Aに基づいたプロセッサ11の各種処理は、可能な限り並行して実行することが可能である。また、各種処理が共通の情報を利用する必要がある場合、当該情報をプログラム間で共有することも出来る。
尚、上記実施形態では判定動作において、測定装置20から転送され、判定装置10の記憶部13に記憶された加速度及び角速度の時系列データを用いて各種処理を実行した場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、判定動作においてプロセッサ11は、各種処理を実行する前に、取得した加速度及び角速度の時系列データに対するノイズ除去の処理を実行しても良い。例えば、歩行データの波形には、歩行時において着地する際の衝撃によって、特有の高周波成分が発生することがある。この場合にプロセッサ11は、歩行データにおける周波数成分を分析し、着地時の衝撃に基づいた高周波成分をフィルタリングすることによって、歩行データにおけるノイズ成分を除去することが出来る。フィルタリングによりノイズ成分が除去された時系列データは、記憶部13に記憶しても良いし、そのままRAM12等に展開して後続の処理に利用されても良い。
また、上記実施形態において、上記ノイズ除去等の処理の他にも、可能な範囲で補正処理を行っても良い。例えば、歩行中の路面状況を考慮した補正処理や、被験者URが保持している判定装置10に内蔵されているセンサを用いて、判定装置10自身の運動を考慮した補正処理を行っても良い。
尚、上記実施形態では、判定動作における歩行データとして、加速度の時系列データと角速度データの時系列データの両方を使用した場合を例に説明したが、これに限定されない。上記実施形態で説明した動作は、加速度の時系列データと、角速度の時系列データとの少なくとも1つを用いることにより実現することも可能である。
尚、上記実施形態において、判定プログラム13Aに基づいたプロセッサ11の各種処理の対象を、測定装置20が測定した歩行データの全期間とした場合を例に説明したが、これに限定されない。例えばプロセッサ11は、被験者URによって指定された任意の期間を対象として、上記実施形態で説明した各種処理を実行しても良い。
尚、上記実施形態では、測定装置20が測定した歩行データに、歩行時以外の時系列データが含まれている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば判定装置10は、測定装置20が測定した歩行データが歩行以外の状態であることを検知して、歩行データの測定を一時的に停止しても良い。この場合に測定装置20は、例えば低消費電力状態で動作する。低消費電力状態となっている測定装置20は、内蔵しているセンサが検知した加速度又は角速度のデータが所定の値を超えた際に、歩行データの測定及び判定装置10への歩行データの転送を再開する。これにより上記実施形態に係る判定システムは、被験者URが歩行を停止している場合における、無駄なデータ通信及びデータ処理が不要になるので、低消費電力で動作することが出来る。
尚、上記実施形態において、プロセッサ11によって算出又は判定された適合度スコア、歩幅、歩行速度、姿勢等のデータを記憶部13に記憶するタイミングが、判定動作の後半で結果出力部34が動作するタイミングに基づいている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、プロセッサ11は、算出及び判定した各情報を任意のタイミングで記憶部13に転送し、記憶部13に記憶させることが可能である。
尚、上記実施形態において、測定装置20L及び20Rの固定方法によっては、歩行データの測定時における測定装置20L及び20Rのセンサ方向が異なっていることがある。例えば、測定装置20L及び20RにおけるセンサのX方向を揃えた場合に、測定装置20Lと測定装置20RとでY方向及び/又はZ方向の時系列データが反転している場合がある。この場合に、判定装置10のプロセッサ11は、各種処理を実行する前に、測定装置20Lにより測定された歩行データと、測定装置20Rにより測定された歩行データとで、一方のデータを反転するようなデータの補正処理を行っても良い。
尚、上記実施形態において、判定装置10は、例えば左右の足の間の重心ずれ量、足挙げの高さ、左右の足の間における足運びの速度差等、その他のパラメータを算出しても良い。これらのパラメータは、例えば第3実施形態で説明したステップS32と同様の方法によりプロットされた足運びの軌跡データに基づいて算出される。
尚、上記実施形態において、判定装置10は、適合度スコアを算出する際に使用されるリファレンスデータに対して判定結果に基づいた補正値をフィードバックしても良い。これにより判定装置10は、適合度スコアを算出する際の精度を向上することが出来る。
尚、上記実施形態では、測定装置20が測定した歩行データを、通信部25を介して判定装置10に送信した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、測定装置20が可搬記憶媒体を使用可能であり、測定した歩行データを可搬記憶媒体に記憶する。そして判定装置10が、測定装置20から取り外された当該可搬記憶媒体を読み込むことによって、被験者URの歩行データを転送しても良い。このような場合においても判定装置10は、上記実施形態で説明した判定動作等を実行することが可能である。
尚、上記実施形態において、「履物」とは、靴、サンダル、スリッパ等、あらゆる形状の履物を指す。上記実施形態で説明した判定システムによる各種判定動作は、被験者URがどのような履物を利用した場合においても使用することが可能である。
尚、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。