JP6859845B2 - 搬送装置および吸収性物品の製造装置 - Google Patents
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Description
このような積層構造をもつ複合体は吸収性物品の半製品(中間体)であり、この複合体を搬送しながら吸収性物品が製造される(たとえば特許文献1,2参照)。
(2)ここで開示する吸収性物品の製造装置は、上記した搬送装置と、前記第二部材の下面に接着剤を塗布する塗布部と、前記塗布部によって接着剤が塗布された前記第二部材を前記第一部材の上方に積層する積層部とを備える。
紙おむつについて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、紙おむつが着用者に装着された状態(以下「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(装着された状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着された状態で外側)を非肌面(外面)側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向および厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。
[1.構成]
以下、搬送装置の設けられた製造装置を説明する前提として、紙おむつの構成を説明する。その後に、製造装置の構成を説明する。
まず、図1および図2を参照して、紙おむつ1の基本構成を説明する。
紙おむつ1は、長手方向に沿って前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cの三つの領域に大別される。
この紙おむつ1は、前身頃1Aの幅方向端縁部と後身頃1Cの幅方向端縁部とが互いに貼り付けられ(いわゆる「サイドシール」)、前身頃1Aと後身頃1Cとが連設される。このようにして、着用者の腰回りで周状に連続するパンツ型の紙おむつ1が構成される。
紙おむつ1には、前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cに亘って長手方向に延びる吸収体10が内蔵されている。
吸収体10は、水分を吸収して保持するマット状の部材である。この吸収体10では、粉砕あるいは解繊されたパルプ(いわゆる「フラッフパルプ」)に高吸水性樹脂(「SAP〈Super Absorbent Polymer〉」とも称される)の混合したマットが親水性の不織布やティシュなどのコアラップシートで被包(ラップ)されている。
上記した吸収体10に対して肌面側および非肌面側には、以下に述べる種々のシート11,12,13,14が設けられている。
吸収体10に対して、肌面側にはセンターシート11が積層され、非肌面側にはバックシート12が積層される。これらのシート11,12の幅方向側方には、サイドシート13が配置される。このサイドシート13は、センターシート11の幅方向側部において肌面側に積層されるとともに、バックシート12の幅方向側部において非肌面側に積層される。ここでは、バックシート12の幅方向側部において、サイドシート13を介してカバーシート14が重ねられる。このカバーシート14は、バックシート12の非肌面側に積層される。
また、センターシート11は、紙おむつ1において最も肌面側に配置される(このことから「トップシート」とも称される)。このセンターシート11は、吸収体10よりも幅方向寸法が大きく、肌面側から吸収体10を被覆する。
カバーシート14は、上記した吸収体10およびシート11,12,13を非肌面側から被覆する。このカバーシート14は、バックシート12を補強するとともに触感(たとえば手触り)を向上させるために設けられ、バックシート12を非肌面側から被覆する。
上記したサイドシート13およびカバーシート14としては、スパンボンド不織布を用いることができる。
さらに、吸収体10およびセンターシート11には、凹部19が設けられている。ここでは、溝状に延びる凹部19が成形されている。具体的には、長手方向および幅方向の双方に対して傾斜する二種の凹部19A,19Bどうしが交差した格子状(グリッド状)のパターンで圧搾成形されている。この凹部19によって、着用者に対する紙おむつ1のフィット性,***された液体の拡散性,通気性などが高められる。
そのほか、紙おむつ1には、幅方向側方への***物の漏出を防ぐための立体ギャザー9Aや着用者の脚部への追従性を向上させるためのレッグギャザー9Bといったギャザー9が設けられている。立体ギャザー9Aは、吸収体10に対して肌面側の各側縁に沿って立設され、レッグギャザー9Bは、股下部1Bの幅方向端部に延設されている。これらのギャザー9A,9Bでは、糸ゴム、天然ゴムあるいは伸縮フィルムといった弾性部材によってサイドシート13やカバーシート14などが皺寄せられる。
つぎに、図3〜図5を参照して、紙おむつ1の製造装置2に関する構成を詳述する。
製造装置2では、シート状の部材やマット状の部材の積層,搬送,貼合(接着)といったさまざまな工程が実施される。
上述したセンターシート11あるいはサイドシート13となるシート状の部材は、搬送方向に連続する部材(以下「シート連続体」という)7であり、製造装置2において搬送されながら他の部材と積層される。
本実施形態では、製造装置2について、シート連続体7とマット体8とが積層された複合体78に着目して説明する。ここで着目する複合体78では、マット体8よりもシート連続体7の幅方向寸法が大きく設定されている。
図3に示すように、製造装置2では、接着剤の塗布されたシート連続体7がマット体8に対して上方から重ね合わせられる。このとき、シート連続体7の下面7dとマット体8の上面8uとが接着剤で貼り合わせられる。その後に、複合体78が搬送され、複合体78に上述した凹部19が成形される。そして、バックシート12となる第二シート連続体29が下方から重ね合わせられる。
また、塗布パート3で接着材の塗布されたシート連続体7をマット体8の上方に積層する積層パート4(積層部)が設けられる。シート連続体7には、マット体8に積層される前に幅方向両脇に弾性部材99(たとえば糸ゴム)が貼り付けられる。さらに、積層パート4で形成された複合体78を搬送する搬送装置5が設けられる。そのうえ、搬送装置5で搬送された複合体78に凹部19を成形する成形パート6(成形部)も設けられる。
そのほか、成形パート6で凹部19の成形された複合体78には、下方に第二シート連続体29を積層する第二積層パート39が設けられる。
塗布パート3には、シート連続体7に対して接着剤を塗布する塗布機構30が設けられる。この塗布機構30は、搬送されるシート連続体7に対して、搬送装置5で下方を向く面(すなわち下面7d)の全域に接着剤を塗布する機構である。図3には、塗布機構30として、接着剤のロールコータを例示する。ただし、スプレーコータやダイコータといった公知の方式で接着剤を塗布する機構を塗布機構30に用いてもよい。
塗布パート3で接着剤の塗布されたシート連続体7は、つぎに説明する積層パート4に搬送される。
積層パート4には、シート連続体7をマット体8の上方に案内する積層ロール40が設けられている。搬送されるシート連続体7が積層ロール40でマット体8の上方に案内されると、マット体8の上方にシート連続体7が積層される。
このシート連続体7が上方に積層されるマット体8は、搬送ベルト46で搬送される。具体的には、搬送ベルト46に載置された状態でマット体8が積層ロール40の下方に送給される。そして、マット体8の上方にシート連続体7が積層された状態の複合体78が搬送ベルト46で搬送される。
また、マット体8よりもシート連続体7の幅方向寸法が大きいことから、マット体8の側縁8s(図4では左右端縁)から幅方向(側方)にシート連続体7が庇状に延出する。
積層領域7Aでは、マット体8の全域に対してシート連続体7の幅方向中央領域が積層されている。非積層領域7Bは、シート連続体7から積層領域7Aを除いた領域である。ここでは、シート連続体7のうち幅方向端部のそれぞれに非積層領域7Bが形成される。搬送装置5で搬送される複合体78は、各非積層領域7Bの下面7dに接着剤の塗布された接着層89が露出した状態である。非積層領域7Bには、シート連続体7の幅方向端縁に沿って弾性部材99が貼り付けられている。
そこで、搬送ベルト46で複合体78が搬送される搬送装置50には、非積層領域7Bの垂れ下がり(不適切な姿勢)を抑えるための機構が設けられている。
搬送装置5には、搬送ベルト46で搬送される複合体78を適切な姿勢で搬送するために、非積層領域7Bを上方へ付勢する吸気機構51(付勢機構)が設けられている。
吸気機構51は、非積層領域7Bを吸排気によって付勢する機構である。ここでは、吸気によって非積層領域7Bを付勢する吸気機構51を例示する。
ここでは、プレート52における吸引口53が幅方向に対称にそれぞれ配置された構造を例示する。そこで、プレート52の幅方向一方(図5では左方)に着目して吸引口53を説明し、幅方向他方の吸引口53の説明は省略する。
さらに、吸引口53は、搬送方向に並んで配置されている。すなわち、搬送方向に沿って断続的に複数の吸引口53が設けられる。このように断続的な列をなす複数の吸引口53は、幅方向にも並んで配置される。図5では、二列に並ぶ吸引口53を例示する。
これらの吸引口53I,53Oは、搬送方向位置の少なくとも一部が互いに相違するように配置されている。具体的には、内側吸引口53Iと外側吸引口53Oとでは、配置箇所が半ピッチだけ相違するように配置されている。
上記した搬送装置5で搬送された複合体78は、つぎに説明する成形パート6に搬送される。
成形パート6には、複合体78に凹部19を成形するロール(以下「成形ロール」という)60が設けられている。この成形ロール60は、複合体78の搬送速度に応じた速度で回転する。また、成形ロール60に対向してバックアップロール69が設けられている。
上記した成形パート6で凹部19が成形された複合体78は、つぎに説明する第二積層パート39に搬送される。
第二積層パート39には、第二シート連続体29を複合体78の下方に案内する第二積層ロール79が設けられている。第二シート連続体29が第二積層ロール79で複合体78の下方に案内されると、複合体78の下方に第二シート連続体29が積層される。そして、シート連続体7の非積層領域7Bがこれと対面する箇所の第二積層ロール79に接着される。
本実施形態の製造装置2は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
まず、製造装置2のうち、搬送装置5に関する作用および効果を述べる。
(1)搬送装置5では、複合体78のうちのシート連続体7の非積層領域7Bが吸気機構51による吸気によって上方へ吸引される。このように付勢された非積層領域7Bは、搬送中の垂れ下がりが抑えられる。そのため、非積層領域7Bの垂れ下がりによるシート連続体7の折れや曲がりを抑えることができる。このようにして、複合体78を適切な姿勢で搬送することができ、複合体78の破損を抑えることができる。
このように、プレート52の吸引口53とサクションポンプ54とを既存の製造装置2に追加するだけで、非積層領域7Bを上方へ付勢可能な機構を設けることができる。そのため、搬送装置5の複雑化を抑えることができる。
搬送装置5で搬送される複合体78の非積層領域7Bは、下面7dに接着層89が露出した状態であることから、非積層領域7Bを下方から構造的に支持した場合には、その支持構造に対して接着層89の接着剤が貼り付いてしまう。これに対し、複合体78の搬送経路に対して上方に配置されたプレート52によれば、接着層89への貼り付きを回避したうえで、吸引される非積層領域7Bを構造的に支持することができる。
(4)また、吸引口53が幅方向に並んで配置されることから、理想的な搬送経路に対して実際に搬送される複合体78の経路が幅方向に逸脱したとしても、その非積層領域7Bを吸引することができる。この点からも、複合体78を適切な姿勢で搬送することができる。
製造装置2では、塗布パート3で下面7dに接着剤が塗布されたシート連続体7が積層パート4でマット体8の上方に積層されることから、積層されたシート連続体7およびマット体8が互いに接着された複合体78を形成することができる。
そのほか、複合体78に第二シート連続体29に積層されるまでは、弾性部材99の貼付された非積層領域7Bに他の部材が積層されず、接着層89が露出した状態のままである。そのため、上述した成形パート6のように非積層領域7Bに他の部材が積層されていない期間に他の工程が実施される製造装置2においては、非積層領域7Bを上方に付勢して搬送する搬送装置5を適用することが好適である。
また、弾性部材が貼付されていない非積層領域と比較して、非積層領域7Bには、弾性部材99の質量分だけ垂れ下がり方向の荷重が大きく印加されるため、弾性部材99の貼付された非積層領域7Bを上方に付勢して搬送する搬送装置5を用いるのが好適である。
最後に、本実施形態のその他の変形例について述べる。
たとえば、上述した吸引口53に替えてまたは加えて図6に示すように、搬送方向および幅方向の双方に傾斜して延びる吸引口53′を用いてもよい。この場合には、搬送方向に隣接する吸引口53′のうち、上流側に配置された吸引口53A’の下流部53d′と、下流側に配置された吸引口53B′の上流部53u′との搬送方向に重複するように配置されることが好ましい。すなわち、吸引口53A′,53B′のそれぞれが互いに搬送方向領域で重複する部位53u′,53d′を有することが好ましい。
このような吸引口53′によれば、複合体の非積層領域を搬送方向および幅方向の双方に沿って連続的に吸引することができる。
そのほか、搬送ベルトを下流側に延長して、成形ロールとバックアップロールとの間に複合体のほか搬送ベルトを挟んで配置してもよい。
2 製造装置
3 塗布パート(塗布部)
4 積層パート(積層部)
5 搬送装置
6 成形パート(成形部)
7 シート連続体(第二部材)
7d 下面
7s 側縁
7A 積層領域
7B 非積層領域
8 マット体(第一部材)
8u 上面
8s 側縁
10 吸収体
11 センターシート(トップシート)
12 バックシート
13 サイドシート(サイドシート)
14 カバーシート
19,19A,19B 凹部
29 第二シート連続体
30 塗布機構
39 第二積層パート
40 積層ロール
46 搬送ベルト(搬送機構)
51 吸気機構(付勢機構)
52 プレート
53,53′,53A′,53B′ 吸引口
53I 内側吸引口
53O 外側吸引口
53u,53u′ 上流部
53d,53d′ 下流部
54 サクションポンプ
59 ガイドベルト
60 成形ロール
78 複合体
89 接着層
Claims (9)
- マット状の第一部材の上方に、前記第一部材に対して一部が側方へ延出した状態でシート状の第二部材が積層された複合体を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構で搬送される前記複合体のうち前記第一部材に積層されていない前記第二部材の非積層領域のみを吸排気によって上方へ付勢する付勢機構と
を備えた搬送装置。 - 前記付勢機構は、前記非積層領域を吸気によって上方に付勢する吸気機構であり、
前記吸気機構は、空気を吸い込むサクションポンプと、前記複合体の搬送経路に沿って前記搬送経路の上方に配置されたプレートの前記非積層領域に対向する領域に設けられ、前記サクションポンプに吸い込まれる空気が流入する吸引口とを有する
請求項1に記載された搬送装置。 - 前記吸引口は、搬送方向に並んで配置された
請求項2に記載された搬送装置。 - 前記吸引口は、幅方向に並んで配置された
請求項2または3に記載された搬送装置。 - 前記吸引口は、搬送方向および幅方向の双方に傾斜して延びる
請求項2〜4の何れか1項に記載された搬送装置。 - 前記吸引口は、搬送方向に重複する部位をそれぞれに有して異なる位置に配置された複数口が設けられる
請求項2〜5の何れか1項に記載された搬送装置。 - 前記付勢機構は、前記非積層領域を排気によって上方に付勢する排気機構であり、
前記排気機構は、空気を吹き出すブローポンプと、前記ブローポンプで吹き出された空気が流出する吹付部とを有する
請求項1〜6の何れか1項に記載された搬送装置。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載された搬送装置と、
前記第二部材の下面に接着剤を塗布する塗布部と、
前記塗布部によって接着剤が塗布された前記第二部材を前記第一部材の上方に積層する積層部と
を備えた吸収性物品の製造装置。 - 前記付勢機構に対して幅方向に並んで設けられ、前記複合体に凹部を成形する成形部を備えた
請求項8に記載された吸収性物品の製造装置。
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