以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの斜視図が示されている。図2は、図1に示すおむつを、そのサイドシール部で開き、平面に展開した状態を表面シート側から見た平面図である。図1及び図2に示すおむつ10は、いわゆるパンツ型のおむつである。おむつ10は、長手方向Y及びそれに直交する幅方向Xを有する。おむつ10は、吸収性本体20と、該吸収性本体20の非肌当接面側に位置する外装体30とを具備する。おむつ10は、長手方向Xの中央域に位置する股下部C及び該股下部Cから長手方向前方及び後方にそれぞれ延出する腹側部A及び背側部Bを有する。腹側部Aは、おむつ10の着用時に着用者の腹側に配される。背側部Bは、おむつ10の着用時に着用者の背側に配される。股下部Cは、おむつ10の着用時に着用者の股下に配される。
以下の説明において「非肌当接面側」とは、吸収性本体20などの各部材の表裏両側(面)のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に配される側(面)である。「肌当接面側」とれは、各部材の表裏両側(面)のうち、着用時に着用者の肌側に配される側(面)である。また、おむつ10の長手方向に関し、腹側部A側のことを「前側」ともいい、背側部A側のことを「後側」とも言う。
吸収性本体20は縦長矩形形状をなし、その長手方向を、おむつ10の長手方向に一致させて、腹側部Aから背側部Bまでにわたるように、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により外装体30の幅方向中央部に接合されている。吸収性本体20と外装体30との接合の詳細については後述する。
外装体30は、腹側部Aに位置する部分の両側縁部と背側部Bに位置する部分の両側縁部とが、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段により互いに接合されている。これによりおむつ10には一対のサイドシール部Sが形成されている。また、その接合によって、おむつ10に、ウエスト開口部11及び一対のレッグ開口部12,12が形成されて、外装体30はパンツ型の立体形状となる。
吸収性本体20は、表面シート21と、裏面シート(図示せず)と、両シート間に介在配置された吸収体とを備えている。該吸収体は、液透過性のシートによって被覆された吸収性コア22を備えている。表面シート21は液透過性のシートからなり、おむつ10の着用状態において着用者の肌に対向する。裏面シートは液不透過性ないし撥水性のシートからなり、外装体30と対向している。
表面シート21及び裏面シートとしては、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、液透過性を有する不織布や、穿孔フィルムを用いることができる。裏面シートとしては、合成樹脂製の液不透過性フィルムや、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布等の耐水圧が高い撥水性の不織布を用いることができる。裏面シートが液不透過性である場合、該裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。防漏性及び通気性の観点から、裏面シートは、水蒸気透過性を有する合成樹脂製の液不透過性フィルムが好ましい。
図3には、外装体30をその肌当接面側から見た平面図が示されている。外装体30は、内層シート31及び外層シート32と、これら2枚のシート間に固定された各部の弾性部材とからなる。各部の弾性部材については後述する。外装体30の外縁は、展開状態のおむつ10の輪郭をなしている。内層シート31と外層シート32とは同形である。ただし、外層シート32は、内層シート31の前端縁及び後端縁(この端縁は、ウエスト開口縁Wと一致している。)から長手方向外方に延出する延出部を有する。この延出部は、内層シート31の前端縁及び後端縁から肌当接面側に折り返され、吸収性本体20の長手方向前端域及び後端域を被覆している(後述する図9参照。)。内層シート31及び外層シート32は、好適には同一の又は異なる通気性シート、例えば各種の方法で製造された不織布から構成されている。
外装体30におけるウエスト開口縁Wには、該開口縁Wに沿っておむつ10の幅方向に延びる複数のウエスト弾性部材33が伸長状態で配されている。また、外装体30におけるレッグ開口縁Lには、該開口縁Lに沿って複数のレッグ弾性部材34が伸長状態で配されている。詳細には、レッグ弾性部材34は、その一端が腹側部Aと股下部Cとの境界近傍、及び背側部Bと股下部Cとの境界近傍に位置し、そこからレッグ開口縁Lに沿って股下部Cの長手方向中央域まで延びており、かつ股下部Cの長手方向中央域において幅方向の内方に向きを変え、股下部Cの幅方向中央域に達する前で終端している。したがって、股下部Cの幅方向中央域には、レッグ弾性部材34が非配置の状態になっている。
背側部A及び腹側部Bに双方において、着用者の腰回りに配されるウエスト部と、股下部Cとの間に位置する胴回り部には、おむつ10の幅方向に延びる複数の胴回り弾性部材35a,35bが伸長状態で配されている。胴回り弾性部材35a,35bは、ウエスト弾性部材33とレッグ弾性部材34との間に配置されている。胴回り弾性部材35a及び胴回り弾性部材35bのうち、胴回り弾性部材35aは、ウエスト弾性部材33寄りに位置しており、胴回り弾性部材35bはレッグ弾性部材34寄りに位置している。したがって胴回り弾性部材35aは、ウエスト弾性部材33と胴回り弾性部材35bとの間に位置しており、胴回り弾性部材35bは胴回り弾性部材35aとレッグ弾性部材34との間に位置している。
胴回り弾性部材35aは1本又は複数本配されており、外装体30の一方の側部の近傍から他方の側部の近傍にまでわたって連続して延びている。一方、胴回り弾性部材35bは1本又は複数本配されており、その一端が外装体30の側部の近傍、例えばサイドシール部Sの近傍に位置し、他端がおむつ10の幅方向中央域に達する前で終端している。
図4には、吸収性本体20における吸収性コア22の分解斜視図が示されている。同図に示すとおり、吸収性コア22は、第1吸収性コア210と第2吸収性コア220とから構成されている。第1吸収性コア210は非肌当接面側に配置され、第2吸収性コア220は肌当接面側に配置される。なお図示していないが、第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220はその全体が液透過性のシートによって被覆され、それによって吸収性コア22が構成されている。
図5(a)には第2吸収性コア220の平面図が示されている。図5(b)及び(c)はそれぞれ図5(a)におけるb−b線断面図及びc−c線断面図である。第2吸収性コア220は平面視において、おむつ10の長手方向と同方向に延びる縦長の形状をしており、長手方向中心線CLに対して対称形をしている。第2吸収性コア220は、前端縁221a及び後端縁221bを有する。前端縁221aは、腹側部A寄りに位置し、かつ幅方向に向けて直線状に延びている。後端縁221bは、背側部B寄りに位置し、かつ幅方向に向けて直線状に延びている。前端縁221aと後端縁221bとは略平行になっている。また、後端縁221bは、前端縁221aよりも長くなっている。
更に第2吸収性コア220は、長手方向に延びる一対の側縁222を有している。側縁222の形状は、長手方向中心線CLに対して対称になっている。側縁222は、前端縁221a寄りに位置する第1直線部222aと、後端縁221b寄りに位置する第2直線部222bと、第1直線部222aと第2直線部222bとを連結する曲線部222cとを有する。一対の第1直線部222aは互いに平行であり、その延びる方向は第2吸収性コア220の長手方向と一致している。同様に、一対の第2直線部222bも互いに平行であり、その延びる方向は第2吸収性コア220の長手方向と一致している。一対の第2直線部222aの間の距離は、一対の第1直線部222b間の距離よりも大きくなっている。また、一対の第2直線部222bの間の距離は、後端縁221bの長さとほぼ一致している。一方、一対の第1直線部222aの間の距離は、前端縁221aの長さとほぼ一致している。第1直線部222aの延びる長さは、第2直線部222bの延びる長さよりも短くなっている。第1直線部222aと第2直線部222bとを連結する曲線部222cは、第2吸収性コア220の幅方向内方に向けて若干湾曲した曲線をなしており、第1直線部222aと第2直線部222bとを滑らかに連結している。
図5(b)及び図5(c)に示すとおり、第2吸収性コア220は、第1面223a及び第2面223bを有している。第1面223aは肌当接面であり、表面シート21又は必要に応じて用いられる中間シート(図示せず)側を向いている。第2面223bは非肌当接面側であり、第1吸収性コア210側を向いている。
第2吸収性コア220は、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部224aと、高坪量部224aに隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部224bとを有している。高坪量部224aと低坪量部224bとは一体成形されている。第2吸収性コア220は、その非肌当接面側が凹凸構造となっており、かつ肌当接面側が平坦となっている。
図5(a)に示すとおり、低坪量部224bは、その複数本が第2吸収性コア220の長手方向と平行に延びている。また低坪量部224bは、その複数本が第2吸収性コア220の幅方向にも延びている。その結果、低坪量部224bは、第2吸収性コア220の長手方向及び幅方向に延びる直交した格子状の形状をしている。そして、低坪量部224bによって形成される格子内に高坪量部224aが位置している。したがって個々の高坪量部224aは低坪量部224bによって区画されており、個々に独立している。各高坪量部224aの形状はほぼ同じであり、平面視して矩形をしており、長手方向の長さが、幅方向の長さよりも大きくなっている。一方、低坪量部224bに関しては、該低坪量部224bが第2吸収性コア220の長手方向及び幅方向に延びて互いに連結しており連続体となっている。第2吸収性コア220の長手方向に延びる低坪量部224bの幅と、第2吸収性コア220の幅方向に延びる低坪量部224bの幅とは同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。
以上のとおり、第2吸収性コア220は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部224aと、坪量が相対的に低い低坪量部224bとからなるブロック構造を有しており、かつ各高坪量部224aの周囲がその全域にわたって低坪量部224bによって囲まれて個々に独立しているブロック領域を備えている。ブロック構造の最外周は、低坪量部224bによって囲まれている。
低坪量部224bの坪量は、高坪量部224aの坪量に対しての割合が、下限値が好ましくは1%であり、更に好ましくは3%である。低坪量部224bの坪量は、高坪量部224aの坪量に対する上限値が好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である。高坪量部224a自体の坪量は、その下限値が好ましくは80g/m2であり、更に好ましくは150g/m2である。上限値は好ましくは500g/m2であり、更に好ましくは400g/m2である。低坪量部224bの坪量の下限値が好ましくは10g/m2であり、更に好ましくは20g/m2である。上限値は好ましくは300g/m2であり、更に好ましくは200g/m2である。坪量は、次のようにして測定される。
高坪量部224aと低坪量部224bの境界線に沿ってフェザー社製の片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高坪量部214aの小片について、重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を高坪量部224aの小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を高坪量部224aの坪量とする。
次いで、高坪量部224aと低坪量部224bの縦方向(Y方向)に延びた境界線に沿って、長さ50mm、幅は低坪量部224bの幅の設計寸法に合わせて、フェザー社製の片刃剃刀を用いて、細いストライプ状の低坪量部224bの小片を切り出す。得られた小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を低坪量部224bの小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を低坪量224bの坪量とする。
高坪量部224aは、低坪量部224bよりも坪量が大きいだけでなく、厚みも大きくなっている。低坪量部224bの厚みは、高坪量部224aの厚みに対しての割合が、その下限値が好ましくは2%であり、更に好ましくは3%である。上限値は好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である。高坪量部224a自体の厚みは、その下限値が好ましくは1.5mmであり、更に好ましくは2.5mmである。上限値は好ましくは8mmであり、更に好ましくは6mmである。低坪量部224bに関しては、その厚みの下限値が好ましくは0.5mmであり、更に好ましくは1.0mmである。上限値は好ましくは5.0mmであり、更に好ましくは4.0mmである。厚みは、次のようにして測定される。
所定のサイズにサンプルをカットし、測定部位を5kPaで10分間加圧し、除重後すぐに以下の方法で測定を行う。測定箇所は、1枚あたり3点以上とし、おむつサンプル2枚の(測定箇所6点以上)の平均で厚みを求める。例えばおむつ10を、フェザー社製刃剃刀で、図2に示す縦方向(Y方向)、又は横方向(X方向)に切断し、この切断されたサンプルの断面を測定する。肉眼にて測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察し、測定してもよい。
ブロック領域は、第2吸収性コア220の腹側部Aから股下部Cまでにわたって配置されている。そしてブロック領域は、股下部Cに対応する位置に設けられた股下部高坪量部群227Cと、腹側部Aに対応する位置に設けられた腹側部高坪量部群227Aとを有している。各高坪量部群は連結している。各高坪量部群においては、幅方向に沿って配置された高坪量部224aの数が異なっている。詳細には、腹側部高坪量部群227Aにおける高坪量部214aの配置の数は、股下部高坪量部群227Cにおける高坪量部224aの配置の数よりも多くなっている。例えば図5(a)に示すとおり、腹側部高坪量部群227Aにおいては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が6個又は4個であるのに対して、股下部高坪量部群217Cにおいては、幅方向に沿って配置された高坪量部224aの数が2個である。このように、ブロック領域の幅は、第2吸収性コア220の幅に応じて変化しており、第2吸収性コア220の幅が大きい部位ほど、ブロック領域の幅も大きくなっている。本実施形態においては、高坪量部224aの寸法は各高坪量部群において同じであるから、腹側部高坪量部群227Aにおける高坪量部224aの配置の数が、股下部高坪量部群227Cにおける高坪量部224aの配置の数よりも多いことは、すなわち股下部Cにおけるブロック領域の幅よりも、腹側部Aにおけるブロック領域の幅の方が大きくなっていることを意味している。
ブロック領域内には、第2吸収性コア220の長手方向中心線CL上の位置に、該長手方向中心線CLに沿って、縦長の中央開口部225が形成されている。中央開口部225は、第2吸収性コア220の厚み方向全域を貫通している。中央開口部225は、第2直線部222b及び曲線部222cの位置に形成されている。第1直線部222aの位置には中央開口部225は形成されていない。また中央開口部225は、その長手方向の一端が前端縁221aまで達しておらず、前端縁221aよりも後端縁221b寄りの位置で終端している。中央開口部225の幅方向両側には、一対の高坪量部224aが位置している。
第2吸収性コア220におけるブロック領域の長手方向外方及び幅方向外方には、非ブロック領域226が配置されている。つまり、第2吸収性コア220は、高坪量部224a及び低坪量部224bからなるブロック領域と、非ブロック領域226とから構成されている。非ブロック領域226は、ブロック領域の周囲をその全域にわたって囲んでいる。ブロック領域と非ブロック領域226とは、ブロック領域の最外周に位置する低坪量部224bによって区画されている。非ブロック領域226においては、その任意の位置における厚み及び坪量が一定になっている。
図5(b)及び(c)に示すとおり、本実施形態においては、非ブロック領域226の厚みは、ブロック領域の高坪量部224aの厚みとほぼ同じになっている。尤も、非ブロック領域226の厚みと高坪量部224aの厚みとの関係はこれに限られず、非ブロック領域226の厚みの方が大きくてもよく、逆に高坪量部224aの厚みの方が大きくてもよい。具体的には、非ブロック領域226の厚みは、その下限値が好ましくは1.5mmであり、更に好ましくは2.5mmである。上限値は好ましくは8mmであり、更に好ましくは6mmである。厚みの測定方法は上述したとおりである。
非ブロック領域226の坪量に関しては、ブロック領域の高坪量部224aの坪量と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。また、ブロック領域の低坪量部224bの坪量と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。具体的には、非ブロック領域226の坪量は、その下限値が好ましくは80g/m2であり、更に好ましくは150g/m2である。上限値は好ましくは500g/m2であり、更に好ましくは400g/m2である。坪量の測定方法は上述したとおりである。
先に述べたとおり、高坪量部224a及び低坪量部224bは一体成形されている。また、高坪量部224a及び低坪量部224bからなるブロック領域と、その外周に位置する非ブロック領域226とも一体成形されている。「一体成形されている」とは、これらの部位が、接着剤や熱融着等の接合手段を介さずに互いに分離不可能に一体化されており、同一の材料から一体的に形成されていることを意味する。これらの部位が一体成形されていると、体液がスムーズに移動し得る連続性を有するようになる。このような構造の吸収性コア22の製造方法については後で説明する。
以上は吸収性コア22における第2吸収性コア220の説明であったところ、この第2吸収性コア220の非肌当接面側に配置される第1吸収性コア210の構成に関しては以下のとおりである。
図4に示すとおり、第1吸収性コア210は、第2吸収性コア220の周縁から外方に延出しており、第2吸収性コア220よりもその外形が大きくなっている。したがって、第1吸収性コア210の上に第2吸収性コア220を配置して吸収性コア22を形成した状態においては、該吸収性コア22は、肌当接面側に向けて突出した山型の形状となる。
図6(a)には第1吸収性コア210の平面図が示されている。図6(b)及び(c)はそれぞれ図6(a)におけるb−b線断面図及びc−c線断面図である。第1吸収性コア210は平面視において、おむつ10の長手方向と同方向に延びる縦長の形状をしており、長手方向中心線CLに対して対称形をしている。第1吸収性コア210は、前端縁211a及び後端縁211bを有する。前端縁211aは、腹側部A寄りに位置し、かつ幅方向に向けて直線状に延びている。後端縁211bは、背側部B寄りに位置し、かつ幅方向に向けて直線状に延びている。前端縁211aと後端縁211bとは略平行になっている。また、前端縁211aと後端縁211bとはほぼ同じ長さになっている。更に第1吸収性コア210は、長手方向に延びる一対の側縁212を有している。一対の側縁212は略平行になっており、長手方向に向けて直線状に延びている。このように、第1吸収性コア210は、平面視して長手方向に長辺を有する矩形の形状をしている。
図6(b)及び図6(c)に示すとおり、第1吸収性コア210は、第1面213a及び第2面213bを有している。第1面213aは肌当接面であり、表面シート21又は必要に応じて用いられる中間シート(図示せず)側を向いている。第2面213bは非肌当接面側であり、裏面シート側を向いている。
第1吸収性コア210は、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部214aと、高坪量部214aに隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部214bとを有している。高坪量部214aと低坪量部214bとは一体成形されている。第1吸収性コア210は、その非肌当接面側が凹凸構造となっており、かつ肌当接面側が平坦となっている。
図6(a)に示すとおり、低坪量部214bは、その複数本が第1吸収性コア210の長手方向と平行に延びている。また低坪量部214bは、その複数本が第1吸収性コア210の幅方向にも延びている。その結果、低坪量部214bは、第1吸収性コア210の長手方向及び幅方向に延びる直交した格子状の形状をしている。そして、低坪量部214bによって形成される格子内に高坪量部214aが位置している。したがって個々の高坪量部214aは低坪量部214bによって区画されており、個々に独立している。各高坪量部214aの形状はほぼ同じであり、平面視して矩形をしており、長手方向の長さが、幅方向の長さよりも大きくなっている。一方、低坪量部214bに関しては、該低坪量部214bが第1吸収性コア210の長手方向及び幅方向に延びて互いに連結しており連続体となっている。第1吸収性コア210の長手方向に延びる低坪量部214bの幅と、第1吸収性コア210の幅方向に延びる低坪量部214bの幅とは同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。
以上のとおり、第1吸収性コア210は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部214aと、坪量が相対的に低い低坪量部214bとからなるブロック構造を有しており、かつ各高坪量部214aの周囲はその全域にわたって低坪量部214bによって囲まれて個々に独立しているブロック領域を備えている。更に、ブロック構造の最外周は、低坪量部214bによって囲まれている。各高坪量部214aが低坪量部214bによって囲まれていること、及びブロック構造の最外周が低坪量部214bによって囲まれていることによって、ブロック領域の幅方向外方に配されたレッグ弾性部材34及び胴回り弾性部材35の収縮に起因する応力が、ブロック領域の幅方向の側部に均等に加わるようになるので、第1吸収性コア210のブロック構造が破壊されることが効果的に防止される。特に、ブロック構造の最外周に位置している低坪量部214bの角部が外方に向けて凸の曲線を描く丸みを帯びていると、該角部にレッグ弾性部材34及び胴回り弾性部材35の収縮に起因する応力が集中しにくくなるので、第1吸収性コア210のブロック構造が破壊されることが一層効果的に防止される。
低坪量部214bの坪量は、高坪量部214aの坪量に対しての割合が、その下限値が好ましくは1%であり、更に好ましくは3%である。上限値は好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である。高坪量部214a自体の坪量は、その下限値が好ましくは80g/m2であり、更に好ましくは150g/m2である。上限値は好ましくは500g/m2であり、更に好ましくは400g/m2である。低坪量部214bに関しては、その坪量の下限値が好ましくは10g/m2であり、更に好ましくは20g/m2である。上限値は好ましくは300g/m2であり、更に好ましくは200g/m2である。坪量の測定方法は、上述したとおりである。
高坪量部214aは、低坪量部214bよりも坪量が大きいだけでなく、厚みも大きくなっている。低坪量部214bの厚みは、高坪量部214aの厚みに対しての割合が、その下限値が好ましくは1%であり、更に好ましくは3%である。上限値は好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である。高坪量部214a自体の厚みは、その下限値が好ましくは1.5mmであり、更に好ましくは2.5mmである。上限値は好ましくは8.0mmであり、更に好ましくは6.0mmである。低坪量部214bに関しては、その厚みの下限値が好ましくは0.5mmであり、更に好ましくは1.0mmである。上限値は好ましくは5.0mmであり、更に好ましくは4.0mmである。厚みの測定方法は、上述したとおりである。
ブロック領域は、第1吸収性コア210の腹側部Aから背側部Bまでにわたって配置されている。そしてブロック領域は、腹側部Aに対応する位置に設けられた腹側部高坪量部群217Aと、背側部Bに対応する位置に設けられた背側部高坪量部群217Bと、股下部Cに対応する位置に設けられた股下部高坪量部群217Cとを有している。各高坪量部群は連結している。各高坪量部群においては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が異なっている。詳細には、腹側部高坪量部群217A及び背側部高坪量部群217Bにおける高坪量部214aの配置の数は、股下部高坪量部群217Cにおける高坪量部214aの配置の数よりも多くなっている。例えば図6(a)に示すとおり、腹側部高坪量部群217Aにおいては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が8個であり、背側部高坪量部群217Bにおいては、8個又は4個であるのに対して、股下部高坪量部群217Cにおいては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が2個である。本実施形態においては、高坪量部214aの寸法は各高坪量部群において同じであるから、腹側部高坪量部群217A及び背側部高坪量部群217Bにおける高坪量部214aの配置の数が、股下部高坪量部群217Cにおける高坪量部214aの配置の数よりも多いことは、すなわち股下部Cにおけるブロック領域の幅よりも、腹側部A及び背側部Bにおけるブロック領域の幅の方が大きくなっていることを意味している。このような構成を採用することで、排尿部に対応する部位である股下部Cから腹側部A又は背側部Bへ向けての液の拡散を効率よく行うことができ、股下部Cから距離のある腹側部A又は背側部Bの吸収域を有効に利用できるようなる。
ブロック領域内には、第1吸収性コア210の長手方向中心線CL上の位置に、該長手方向中心線CLに沿って、縦長の中央開口部215aが形成されている。中央開口部215aは、第1吸収性コア210の厚み方向全域を貫通している。中央開口部215aは、股下部高坪量部群217Cの形成位置に形成されている。腹側部高坪量部群217A及び背側部高坪量部群217Bの位置には中央開口部215aは形成されていない。中央開口部215aの幅方向両側には、股下部高坪量部群217Cの一部をなす一対の高坪量部214aが位置している。第1吸収性コア210に形成された中央開口部215aの長さ及び幅は、先に述べた第2吸収性コア220に形成された中央開口部225の長さ及び幅と概ね一致している。
第1吸収性コア210におけるブロック領域の幅方向外方には、非ブロック領域216が配置されている。つまり、第1吸収性コア210は、高坪量部214a及び低坪量部214bからなるブロック領域と、非ブロック領域216とから構成されている。非ブロック領域216は、ブロック領域の左右両側部の位置に、長手方向の全域にわたって配置されている。ブロック領域と非ブロック領域216とは、ブロック領域の最外周に位置する低坪量部214bによって区画されている。非ブロック領域216においては、その任意の位置における厚み及び坪量が一定になっている。
図6(b)及び(c)に示すとおり、本実施形態においては、第1吸収性コア210における非ブロック領域216の厚みは、ブロック領域の高坪量部214aの厚みとほぼ同じになっている。尤も、非ブロック領域216の厚みと高坪量部214aの厚みとの関係はこれに限られず、非ブロック領域216の厚みの方が大きくてもよく、逆に高坪量部214aの厚みの方が大きくてもよい。具体的には、非ブロック領域216の厚みは、その下限値が好ましくは1.5mmであり、更に好ましくは2.5mmである。上限値は好ましくは8.0mmであり、更に好ましくは6.0mmである。厚みの測定方法は上述したとおりである。
非ブロック領域216の坪量に関しては、ブロック領域の高坪量部214aの坪量と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。また、ブロック領域の低坪量部214bの坪量と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。具体的には、非ブロック領域216の坪量は、その下限値が好ましくは80g/m2であり、更に好ましくは150g/m2である。上限値は好ましくは500g/m2であり、更に好ましくは400g/m2である。坪量の測定方法は上述したとおりである。
第1吸収性コア210におけるブロック領域の高坪量部214a及び低坪量部214bは一体成形されている。また、高坪量部214a及び低坪量部214bからなるブロック領域と、その外周に位置する非ブロック領域216とも一体成形されている。
第1吸収性コア210は、股下部Cにおけるブロック領域の幅方向外方に位置する非ブロック領域216には、第1吸収性コア210の長手方向に延びる側部開口部215bが形成されている。側部開口部215bは、第1吸収性コア210の厚み方向全域を貫通している。側部開口部215bは、先に述べた股下部高坪量部群217Cの形成位置の幅方向外方に形成されている。側部開口部215bは、長手方向中心線CLに対して対称の位置に、一対形成されている。また側部開口部215bは、長手方向中心線CLに対して対称形になっている。側部開口部215bは、長手方向に直線状に延び、かつ互いに平行な内側辺218a及び外側辺218bを有する扁平な略台形の形状をしている。内側辺218aは外側辺218bよりも短くなっている。一対の内側辺218a間の距離は、先に述べた第2吸収性コア220における一対の第1直線部222a間の距離よりも大きくなっている。側部開口部215bは、その長さが中央開口部215aと同程度であるか、又はそれよりも長くなっている。また、側部開口部215bは、その幅が中央開口部215aと同程度であるか、又はそれよりも広くなっている。
以上の構成を有する第1吸収性コア210の上に、先に述べた第2吸収性コア220を配置した状態においては、図4に示すとおり、第1吸収性コア210の股下部高坪量部群217Cと第2吸収性コア220の股下部高坪量部群227Cとの形成位置を一致させる。また、第1吸収性コア210の腹側部高坪量部群217Aと第2吸収性コア220の腹側部高坪量部群227Aとの形成位置も一致させる。更に、第1吸収性コア210に形成された中央開口部215aと、第2吸収性コア220の形成された中央開口部225との位置を一致させて、吸収性コア22をその厚み方向全域にわたって貫通する開口部が形成されるようにする。かかる開口部を形成することで、該開口部の周囲に形成されたブロック領域との相乗効果によって、***された液が、吸収性コア22の長手方向及び幅方向の双方に一層拡散しやすくなる。このようにして、得られた吸収性コア22においては、図4に示すとおり、第2吸収性コア220における股下部高坪量部群227Cの幅方向外方の位置において、第1吸収性コア2210に形成された一対の側部開口部215bが露出するようになる。
第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220は、いずれも吸液性材料から構成されている。吸液性材料としては、吸収性物品の技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えば解繊パルプや、ヒドロゲル材料からなる高吸収性ポリマーを用いることができる。第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220における吸液性材料の組成は同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220はそれぞれティッシュペーパーや不織布等からなる液透過性シートで被覆されていてもよく、あるいは第1吸収性コア210と第2吸収性コア220との積層体が、該液透過性シートで被覆されていてもよい。
図7には、外装体30の肌当接面に吸収性コア22が配置された状態における該吸収性コア22と胴回り弾性部材35a,35bとの位置関係が示されている。同図に示すとおり、腹側部A及び背側部Bの双方において、吸収性コア22は、その平面視において該吸収性コア22の一部が胴回り弾性部材35a,35bと重なるように配置されている。そして、吸収性コア22は、胴回り弾性部材35a,35bと重なる位置にブロック領域を有している。
詳細には、胴回り弾性部材35a,35bのうち、胴回り弾性部材35aは、吸収性コア22のうち、長手方向の前後端部域に位置するブロック領域24aを、その幅方向の全域にわたって横切っている。このブロック領域24aは、第1吸収性コア210に設けられているブロック領域と、第2吸収性コア220に設けられているブロック領域の双方である。横切る胴回り弾性部材35aの本数は1本でもよく、あるいは図7に示すとおり複数本でもよい。
一方、胴回り弾性部材35bに関しては、該胴回り弾性部材35bの2つの端部のうち、幅方向内方寄りに位置する端部の近傍が、前記ブロック領域24aに隣接し、かつ該ブロック領域24aよりも股下部C寄りに位置するブロック領域24bと重なっている。詳細には、胴回り弾性部材35bの幅方向内方寄りに位置する端部の近傍が、ブロック領域24bのうち、幅方向の最外方に位置する部位と重なっている。
胴回り弾性部材35a,35bが吸収性コア22のブロック領域を横切ることで、特に胴回り弾性部材35aが吸収性コア22の長手方向の前後端部域に位置するブロック領域24aをその幅方向全域にわたって横切ることで、おむつ10の装着状態において胴回り弾性部材35a,35bが収縮したときに、ブロック領域における長手方向に延びる低坪量部214b,224b(図5及び図6参照。)が縮められ、高坪量部214a,224a(図5及び図6参照。)どうしが幅方向に沿って密着するようになる。その結果、胴回り弾性部材35a,35bが収縮したときに吸収性コア22に皺が発生しづらくなり、着用者の胴回りに吸収性コア22を密着させやすくなる。これらのことに起因して液漏れが効果的に防止される。
図8(a)ないし(c)には、吸収性コア22におけるブロック領域24aの態様と、該ブロック領域24aを横切る胴回り弾性部材35aとの様々な配置関係が示されている。これらの図においては、簡便のため、第1吸収性コア210のみが示されている。図8(a)においては、平面視において長手方向に長辺を有する矩形をしている高坪量部214aと、該高坪量部214aを囲む低坪量部214bとによってブロック領域24aが形成されている。長手方向の端部域には、幅方向に延びる非ブロック領域216が形成されていない。胴回り弾性部材35aは、ブロック領域24aをその幅方向の全域にわたって横断している。
また図8(a)に示す形態では、吸収性コア22のうち、腹側部A及び背側部Bに位置する部位においては、幅方向の左右両側部にも非ブロック領域216が形成されていない。したがって、吸収性コア22のうち、腹側部A及び背側部Bに位置する部位はブロック領域のみからなる。一方、吸収性コア22のうち、股下部Cに位置する部位においては、幅方向の中央域の位置にのみ、長手方向に延びるブロック領域(図示せず)が形成されている。このブロック領域の左右両側部には、非ブロック部(図示せず)が形成されている。
図8(b)においては、吸収性コア22におけるブロック領域24aは、長手方向の端部域(前端縁211a及び後端縁211b)おける幅方向の左右の最側部に位置する高坪量部214a’が、他の高坪量部214aよりも長手方向の長さが長い矩形状をしている。高坪量部214a’の幅は、他の高坪量部214aの幅と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。胴回り弾性部材35aは、高坪量部214a’及び高坪量部214aの双方を横切っている。また、胴回り弾性部材35aは、非ブロック領域216を横切っている。図8(b)に示す形態では、図8(a)に示す態様と同様に、吸収性コア22の長手方向の端部域に、幅方向に延びる非ブロック領域216が配置されていない。
図8(c)では、吸収性コア22のうち、腹側部A及び背側部Bに位置する部位においては、高坪量部214a及び低坪量部214bからなるブロック領域24aと、該ブロック領域24aを囲む非ブロック領域216とが形成されている。非ブロック領域216は、ブロック領域24aの左右両側部及び長手方向端部を囲んでいる。一部の胴回り弾性部材35aは、ブロック領域24a及び非ブロック領域216の双方を横切っている。また長手方向の端部側(前端縁211a及び後端縁211b)における一部の胴回り弾性部材35aは、非ブロック領域216をその幅方向の全域にわたって横断している。
本実施形態のおむつ10においては、吸収性コア22の固定態様を工夫することで、吸収性コア22を着用者の胴回りに一層させやすくなる。詳細には、吸収性コア22を、その長手方向の前後端部域の位置において、外装体30に対して固定状態にするとともに、前後端部域間のいずれかの位置においては、吸収性コア22を外装体30に対して非固定状態にする。要するに吸収性コア22は、その長手方向の前後端部域間の部位においては、外装体30に対して極力非固定状態とすることが望ましい。図7において、吸収性コア22の長手方向の前後端部域にハッチングを施した箇所K1,K2が、吸収性コア22と外装体30とが固定されている部位である。符号K1で示す箇所は、吸収性コア22の長手方向の前端部域と、外装体30とが固定されている箇所(腹側固定部)である。符号K2で示す箇所は、吸収性コア22の長手方向の後端部域と、外装体30とが固定されている箇所(背側固定部)である。要するに、吸収性コア22と外装体30とは、吸収性コア22の長手方向の前端部域において、幅方向に延びる腹側固定部K1によって固定されているとともに、吸収性コア22の長手方向の後端部域において、幅方向に延びる背側固定部K2によって固定されている。このような固定態様を採用した理由は次のとおりである。ブロック領域が形成されている吸収性コア22は、低坪量部214b,224bによって高坪量部214a,224aが個々に区画されて独立しているので、吸収性コア22のある部位に生じた変形が、他の部位に伝播しづらい。例えば、吸収性コア22がその前後端部域において外装体30に接合されている状態下では、該前後端部域に位置する弾性部材(この弾性部材は一般に胴回り弾性部材35a,35bである。)の収縮によって該前後端部域が変形する(このことは先に述べたとおりである。)。この場合、吸収性コア22は、該前後端部域以外の部位においても吸収性コア22が外装体30と接合状態になっていると、該前後端部域における吸収性コア22の変形が他の部位にも伝播しやすく、そのことに起因して吸収性コア22が着用者の身体に十分にフィットしない場合が生じる。これに対して、吸収性コア22と外装体30との接合を、該吸収性コア22の前後端部域において行い、該前後端部域間では両者を極力非固定状態にすると、吸収性コア22は、該前後端部域における変形が他の部位に伝播しづらくなる。その結果、吸収性コア22の前後端部域間においてもフィット性を十分に高めることができる。なお、ブロック構造を有さない通常の吸収性コアは、ブロック構造を有する吸収性コアと異なり、吸収性コアのある部位に生じた変形が、他の部位に伝播しやすいので、通常の吸収性コアを用いて上述の固定態様を採用しても、吸収性コアのフィット性の向上効果は期待できない。
吸収性コア22を、その長手方向の前後端部域間で外装体30と接合させる場合には、おむつ10内に、該おむつ10の長手方向に延びる吸収性コア22の固定部を形成することが好ましい。例えば吸収性コア22の長手方向の前後端部域間の部位において、吸収性コア22の幅方向の中央域を、長手方向に沿って外装体30に対して固定状態にするとともに、該前後端部域間のそれ以外の部位を、外装体30に対して非固定状態にすることが好ましい。図7おいては、この長手方向に延びる固定部K3にハッチングが施されている。要するに、吸収性コア22と外装体30とは、吸収性コア22の幅方向の中央域において、長手方向に延びる股下固定部K3によって固定されている。
吸収性コア22と外装体30との固定には種々の態様が挙げられる。例えば吸収性本体20における裏面シート23とそれに対向する外装体30とをそれらの対向面の全域において接合し、かつ裏面シート23と吸収性コア22とを、該吸収性コアの前後端部域等において接合することができる。吸収性コア22が液透過性のシート(図示せず)で包まれている場合には、吸収性コア22と液透過性のシートとをそれらの対向面の全域で接合した上で、液透過性シートと裏面シート23とを接合することができる。この逆に、吸収性コア22(又はそれを包む液透過性のシート)と裏面シート23とをそれらの対向面の全域で接合した上で、裏面シート23と外装体30とを、吸収性コアの前後端部域等の位置において接合してもよい。
本実施形態においては、吸収性コア22のブロック領域24aと重なる弾性部材である胴回り弾性部材35aの収縮力を調整することでも、吸収性コア22を着用者の胴回りに一層させやすくなる。詳細には、胴回り弾性部材35aの収縮力を、該胴回り弾性部材35aに隣接し、かつウエスト開口縁W寄りに位置する弾性部材であるウエスト弾性部材33の収縮力よりも高くすることが好ましい。このように収縮力を調整することで、吸収性コア22のブロック領域24aにおける高坪量部214a,224a間を更に一層隙間なく縮めることができ、液漏れの発生を一層効果的に抑制できる。胴回り弾性部材35aの収縮力及びウエスト弾性部材33の収縮力は、次のようにして測定することができる。
おむつを図2に示すように展開して平面状に拡げ、該おむつを、おむつ幅方向と平行な直線に沿って切断して、測定領域を切り出す。この切り出しの際には、外包材30のみならず、吸収性本体20等を含むおむつ全体を切断する。切り出した各領域(測定サンプル)の幅方向の両側(サイドシール部を形成していた部分のすぐ内側どうし結ぶ方向を測定サンプルの長手方向とする)を、テンシロン引張試験機(ORIENTEC社製「RTC−1210A」)のチャックに挟み、該測定サンプルを300mm/minの速度でおむつの幅方向(測定サンプルの長手方向)に伸長させる。そして、外装体30の内寸〔弾性部材によって外装体のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに外装体のみを伸展させた状態)で測定した外装体30のサイドシール部間の長さ〕を100(例えば350mm)としたとき、80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させたときの引張荷重(cN)を収縮力とする。外装体30の内寸を100としたときの71相当の長さにおける戻りの力を規定した理由は、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ10を着用する主たる対象者である幼児の腹回りの長さが、おむつ内寸と比して71%程度となるからである。なお、ここで言う腹回りの長さは、幼児の姿勢が変化したときの腹回りの周長の変化を考慮し、立位及び座位で測定した腹回りの平均値である。
液漏れ発生の防止は、吸収性コア22のブロック領域24aが位置する部位におけるおむつ10の肌当接面側の構成を工夫することによって一層顕著なものとなる。例えば図9に示すとおり、内層シート31及び外層シート32からなる外装体30において、外層シート32をウエスト開口縁Wからおむつ10の肌当接面側に折り返して折り返し部32aを形成する。なお図9においては、簡便のため、吸収性コア22のうち第1吸収性コア210のみが示されている。外層シート32の折り返しは、折り返しによって形成された折り返し部32aが、平面視において、吸収性コア22の長手方向端部域に位置するブロック領域24aと重なるように行われる。折り返し部32aは、その折り返しの先端域32a’が、おむつ10の肌当接面を構成するシートである表面シート21と非固定状態になっている。そして、先端域32a’よりもウエスト部の端縁寄りの部位が、おむつ10の肌当接面を構成するシートである表面シート21と接合状態になっている。このような構成を採用することによって、折り返し部32aの先端域32a’と表面シート21との間には、おむつ10の長手方向に深さ方向を有するポケット部Pが、おむつ10の幅方向に沿って形成される。そして、おむつ10の着用状態において胴回り弾性部材35aが収縮すると、吸収性コア22のブロック領域24aが着用者の身体Hに向けて押しつけられ、図9に示すとおり低坪量部214bを支点として鉛直方向に対して傾斜する。この傾斜によって上述したポケット部Pの開口部が一層拡開する。拡開したポケット部Pは、表面シート21の表面を伝って流れる液を効果的に堰き止める。その結果、吸収性コア22の前後端からの液漏れが効果的に防止される。
次に、上述したおむつ10の吸収体における第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220の好適な製造方法を説明する。図10には、第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220の製造方法の一実施態様及びそれに用いる製造装置が示されている。以下、両吸収性コアを総称して、単に「吸収性コア」と呼ぶことがある。また、両吸収性コアの総称としての吸収性コアを符号41で示す。吸収性コア41の製造装置は、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム50と、回転ドラム50の外周面に吸収性コア41の原料である吸収ポリマーを含む吸収性材料45を供給するダクト60と、回転ドラム50の下流側の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール70と、回転ドラム50の周方向におけるダクト60とトランスファーロール70との間に配置されたバキュームボックス65と、バキュームボックス65と回転ドラム50との間及びトランスファーロール70と回転ドラム50との間を通るように配された、シート状の通気性部材であるメッシュベルト75と、トランスファーロール70の下方に配されたバキュームコンベア80とを備えている。
回転ドラム50は、図10に示すとおり円筒状をなし、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周面を形成する部材が水平軸回りを回転する。回転ドラム50の内側(回転軸側)の非回転部分には内部を減圧可能な空間56が形成されている。空間56には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間56内を負圧に維持可能である。他方、回転ドラム50の内側(回転軸側)の空間57及び58には、装置外の空気を取り込み可能な配管(図示せず)が接続されている。
図10に示すとおり、回転ドラム50の外周面には、製造する吸収性コア41の形状に対応する形状のドラム凹部51が複数個、R1方向に等間隔を空けて形成されている。各ドラム凹部51の底面部には、図11に示すとおり、多数の細孔が形成されたメッシュプレート52と、金属製又は樹脂製の難通気性部材53とが配されている。ここで、難通気性部材53は、メッシュプレート52上に突出するように設けられており、上述した低坪量部214b,224bの形状及び位置に対応するように配されている。図11に示すとおり、このように配された難通気性部材53により区画されたメッシュプレート52のみからなる領域54が、高坪量部214a,224aに対応する部分となり、難通気性部材53により区画された部分の外周全域におけるメッシュプレート52のみからなる領域55が、非ブロック部216,226に対応する部分となる。また、ドラム凹部51が形成されていない、回転ドラム50の外周面の部分は、金属製の剛体からなる回転ドラム50のフレーム体からなり、非通気性である。
ダクト60は、図10に示すとおり、その一端側が、負圧に維持される空間56上に位置する回転ドラム50の外周面を覆っており、図示しない他端側には、繊維材料導入装置を有している。繊維材料導入装置は、例えば、シート状の木材パルプを粉砕して解繊パルプとし、その解繊パルプ(繊維材料)をダクト内に送り込む粉砕器を備え、ダクト60の途中に吸収ポリマーを導入する高吸収性ポリマー導入部を備えている。
トランスファーロール70は、通気性を有する円筒状の外周部を有しており、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周部がR2方向に回転する。トランスファーロール70の内側(回転軸側)の非回転部分には、内部を減圧可能な空間71が形成されている。空間71には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間71内を負圧に維持可能である。
バキュームボックス65は、回転ドラム50の回転方向R1において、ダクト60の下流側端部61と、トランスファーロール70との間に配置されている。バキュームボックス65は、箱状の形状を有し、回転ドラム50に対向する部位に、回転ドラム50方向に向かって開口する開口部を有している。バキュームボックス65は、排気管67を介して、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置の作動により、バキュームボックス65内を負圧に維持可能である。
メッシュベルト75は、網目を有する帯状の通気性ベルトが無端状に連結されたものであり、複数のフリーロール及びトランスファーロール70に案内されて所定の経路を連続的に移動する。メッシュベルト75は、トランスファーロール70の回転によって駆動される。メッシュベルト75は、バキュームボックス65の前記開口部の前を通過している間は、回転ドラム50の外周面に接触しており、トランスファーロール70と回転ドラム50とが最も接近している最接近部付近で、回転ドラム50の外周面から離れてトランスファーロール70上へと移行する。
バキュームコンベア80は、駆動ロール81及び従動ロール82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んでトランスファーロール70と対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。
次に、上述した吸収体の製造装置を用いて吸収性コアを連続的に製造する方法について説明する。先ず、回転ドラム50内の空間56、及びバキュームボックス65内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。空間56内をこのような負圧にすることで、ダクト60内に、吸液性材料45を回転ドラム50の外周面に搬送させる空気流が生じるからである。次に、回転ドラム50及びトランスファーロール70を回転させ、また、バキュームコンベア80を作動させる。そして前記繊維材料導入装置を作動させて、ダクト60内に繊維材料を供給し、更に高吸収性ポリマーを供給すると、これらの吸液性材料45は、ダクト60内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム50の外周面に向けて供給される。
ダクト60に覆われた部分を搬送されている間に、回転ドラム50のドラム凹部51には、吸液性材料(繊維材料と高吸収性ポリマーとの混合物)45が吸引される。吸液性材料45は、図12に示すとおり、ドラム凹部51の各領域54及び領域55のメッシュプレート52上に徐々に堆積する。こうして得られた堆積物46においては、難通気性部材53上に吸液性材料45が堆積してなる部位(難通気性部材53対応部)46aが、相対的に吸液性材料45の堆積量が少なく、その他の部位(領域54対応部)46b及び部位(領域55対応部)46cが、相対的に吸液性材料45の堆積量が多くなっており、堆積物46全体として凹凸構造を有するようになる。
そして、回転ドラム50が回転して、ドラム凹部51がバキュームボックス65の対向位置にくると、ドラム凹部51内の堆積物46がバキュームボックス65からの吸引によって、メッシュベルト75に吸い付けられた状態となる。ドラム凹部51内の堆積物46は、その状態で、トランスファーロール70と回転ドラム50との最接近部の直前まで搬送され、該最接近部付近で、トランスファーロール70側からの吸引により、メッシュベルト75に吸い付けられた状態のままドラム凹部51より離型し、トランスファーロール70上へと移行する。
こうして、メッシュベルト75とともにトランスファーロール70上に移行した凹凸構造を有する堆積物46は、トランスファーロール70上のメッシュベルト75に吸着されたまま、バキュームコンベア80との受け渡し部(トランスファーロール70の最下端部)まで搬送され、該受け渡し部において、バキュームボックス84による吸引によりバキュームコンベア80上へと移行する。
このようにして得られた長尺状の堆積物46を所定の間隔で切断して、吸収体前駆体49を連続的に製造する。次いで吸収体前駆体49を加圧手段90によって圧縮し、吸収体前駆体49を構成する堆積物46の厚みを積極的に減少させて、目的とする吸収性コア41を得る。加圧手段90は図10に示すとおり、一対のロール91,92を備え、ロール91,92間に導入された被加圧物を上下面から加圧して厚み方向に圧縮可能に構成されている。
加圧手段90によって吸収体前駆体49を圧縮すると、吸液性材料が相対的に多く厚みの大きい部位(領域54対応部)46b及び部位(領域55対応部)46cは、吸液性材料45が相対的に少なく厚みの小さい部位(難通気性部材53対応部)46aよりも強く圧縮される。その結果、上述した製造装置を用いて製造された吸収性コア41においては、堆積物46における部位(領域54対応部)46b(凸部)及び部位(領域55対応部)46cが、吸収性コア41において相対的に密度の高い高坪量部214a,224a及び非ブロック領域216,226となり、堆積物46における部位(難通気性部材53対応部)46a(凹部)が、吸収性コア41において相対的に密度の低い低坪量部214b,224bとなる。
図13には、本発明の吸収性物品の別の実施形態の使い捨ておむつが示されている。本実施形態は、先に述べた実施形態とは異なる形状を有するパンツ型使い捨ておむつ10に係るものである。なお、図13に示す実施形態に関し特に説明しない点については、先に述べた実施形態に関する説明が適宜適用される。また図13において、図1ないし9と同じ部材には同じ符号を付してある。
おむつ10は、着用状態において着用者の腹側に配される矩形のシート状の腹側外装体2Aと、着用者の背側に配される矩形のシート状の背側外装体2Bと、腹側外装体2A及び背側外装体2Bに架け渡して固定された吸収性本体20とを具備する。またおむつ10は、着用状態において着用者の腹側に配される腹側部A(腹側外装体2A)と、着用者の背側に配される背側部B(背側外装体2B)と、腹側部A(腹側外装体2A)と背側部B(背側外装体2B)との間に位置し着用者の股間部に配される股下部Cとを有している。腹側外装体2Aの両側縁部2a,2aと背側外装体2Bの両側縁部2b,2bとは接合されて、それによって一対のサイドシール部(図示せず)が形成される。その結果、腹側外装体2A及び背側外装体2Bから構成される環状外装部(図示せず)が形成される。
腹側外装体2Aは、おむつ10の展開かつ伸長状態において横長の矩形状をなしており、長手方向に沿う左右一対の側縁部2a,2aと、幅方向に沿う上下一対の端縁部2c,2d(上側端縁部2c、下側端縁部2d)とを有している。背側外装体2Bも同様に、おむつ10の展開かつ伸長状態において横長の矩形状をなしており、長手方向に沿う左右一対の側縁部2b,2bと、幅方向に沿う上下一対の端縁部2c,2d(上側端縁部2c、下側端縁部2d)とを有している。腹側外装体2Aと背側外装体2Bは、長手方向の長さが幅方向において均一である。しかしながら、腹側外装体2Aと背側外装体2Bのいずれか一方の縦方向長さが、当該外装体の一部において他方の外装体より長くなされていてもよい。
そして、腹側外装体2Aの側縁部2aと背側外装体2Bの側縁部2bとが合掌状に接合されていることによって、おむつ10に前述した一対のサイドシール部(図示せず)が形成される。この接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等の公知の接合手段が用いられる。またこの接合によって、サイドシール部(図示せず)とともに、ウエスト開口部(図示せず)及び一対のレッグ開口部(図示せず)が形成される。
おむつ10における腹側外装体2A及び背側外装体2Bはいずれも、内層シート31及び外層シート32を備えている。外層シート32は腹側外装体2A及び背側外装体2Bの最外面をなしている。内層シート31は、外層シート22に隣接させて該外層シート22の肌当接面側に配されている。腹側外装体2A及び背側外装体2Bにおいては、内層シート31と外層シート32との間に、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの幅方向(おむつの幅方向)に延びる複数本の弾性部材が伸長状態で固定されている。この弾性部材は、上側端縁部2cから下側端縁部2dに向けて、ウエスト弾性部材33、胴回り弾性部材35及びレッグ弾性部材34からなる。ウエスト弾性部材33は、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの一方の側部域から他方の側部域にわたって連続して延びている。レッグ弾性部材34は、その一端が、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの側部の近傍に位置し、他端が腹側外装体2A及び背側外装体2Bの幅方向中央域に達する前で終端している。胴回り弾性部材35は、ウエスト弾性部材33寄りに位置している胴回り弾性部材35aと、レッグ弾性部材34寄りに位置している胴回り弾性部材35bとからなる。胴回り弾性部材35aは、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの一方の側部域から他方の側部域にわたって連続して延びている。胴回り弾性部材35bは、その一端が、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの側部の近傍に位置し、他端が腹側外装体2A及び背側外装体2Bの幅方向中央域に達する前で終端している。
吸収性本体20の構造については、本実施形態のおむつ10は、先に述べた実施形態のおむつの吸収性本体20と同様の構造をしている。そして本実施形態のおむつ10においては、先に述べた実施形態と同様に、腹側外装体2A及び背側外装体2Bに位置する吸収性コア22は、平面視において該吸収性コア22の一部が胴回り弾性部材35a,35bと重なるように配置されている。吸収性コア22は、胴回り弾性部材35aと重なる位置にブロック領域24aを有している。その結果、胴回り弾性部材35aが収縮したときに、ブロック領域における長手方向に延びる低坪量部が縮められ、高坪量部どうしが幅方向に沿って密着するようになり、吸収性コア22のフィット性が高まる。
また、本実施形態のおむつ10においては、吸収性コア22の長手方向の前後端部域の位置において、吸収性コア22と腹側外装体2A及び背側外装体2Bとが固定状態になっている。図13において、吸収性コア22の長手方向の前後端部域にハッチングを施した箇所K4,K6が、吸収性コア22と腹側外装体2A及び背側外装体2Bとが固定されている部位である。これに加えて、吸収性コア22と腹側外装体2A及び背側外装体2Bとは、これらの外装体2A,2Bにおける下側端縁部2dに沿った部位においても固定状態になっている。図13において、腹側外装体2A及び背側外装体2Bにおける下側端縁部2dに沿って幅方向に延びるハッチングを施した箇所K5,K7が、吸収性コア22と腹側外装体2A及び背側外装体2Bとが固定状態になっている部位である。要するに、吸収性コア22と腹側外装体2Aとは、吸収性コア22の長手方向の前端部域において、幅方向に延びる腹側第1固定部K4によって固定されているとともに、腹側外装体2Aにおける下側端縁部2dにおいて、幅方向に延びる腹側第2固定部K5によって固定されている。また吸収性コア22と背側外装体2Bとは、吸収性コア22の長手方向の後端部域において、幅方向に延びる背側第1固定部K6によって固定されているとともに、背側外装体2Bにおける下側端縁部2dにおいて、幅方向に延びる背側第2固定部K7によって固定されている。そして、腹側第1固定部K4と腹側第2固定部K5との間においては、吸収性コア22と腹側外装体2Aとは非固定状態になっている。同様に、背側第1固定部K6と背側第2固定部K7との間においては、吸収性コア22と背側外装体2Bとは非固定状態になっている。このような態様で吸収性コア22を腹側外装体2A及び背側外装体2Bに固定することで、吸収性コア22のフィット性を十分に高めることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各実施形態においては、腹側部A及び背側部Bの双方において、胴回り弾性部材35aが、吸収性コア22のうち、長手方向の前後端部域に位置するブロック領域24aを、その幅方向の全域にわたって横切っていたが、これに代えて、腹側部A及び背側部Bのうちのいずれか一方においてのみ、胴回り弾性部材35aがブロック領域24aをその幅方向の全域にわたって横切っていてもよい。この場合、背側部Bよりも腹側部Aにおいて、胴回り弾性部材35aがブロック領域24aをその幅方向の全域にわたって横切っていることが、本発明の効果が顕著に奏されるので好ましい。また、前記実施形態においては、吸収性コア22として2枚の吸収性コア210,220を積層したものを用いていたが、これに代えて1枚(1層)のみからなる吸収性コアを用いてもよい。
また前記の各実施形態においては、第1吸収性コア210及び第2吸収性コア220におけるブロック領域は、肌当接面側が平坦になっており、かつその非肌当接面側が凹凸になっていたが、これに代えて、非肌当接面側を平坦となし、かつその肌当接面側を凹凸にしてもよい。また、第1吸収性コア210に関しては、肌当接面側を平坦にするとともに、非肌当接面側を凹凸にし、かつ第2吸収性コア220に関しては、非肌当接面側を平坦にするとともに、肌当接面側を凹凸にしてもよい。更にこの構成の逆の構成を採用してもよい。特に、前記吸収性コアの前記ブロック領域の非肌当接面側を、該非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する前記高坪量部と肌当接面側に向けて凹んだ前記低坪量部の凹凸構造を有する面とすることで、吸収性コアの外側に配された胴回り弾性部材35aの収縮を伝えやすくすることができる。それによって、高坪量部間を幅方向に沿っていち早く縮めることができ、吸収性コアを着用者に密着させやすくすることができる。更に、前記ブロック領域の肌当接面側を平坦とすることによって、吸収性コアが胴回り弾性部材35aで収縮させられる度合いによらず、吸収性コアの端部を全体的に着用者の身体に密着できるので、漏れなどを発生しにくくすることができる。特に、非肌当接面側に配置される第1吸収性コア210の腹側端縁が、第2吸収性コア220の腹側端縁を越えて、腹側部の端部側に位置していると、第2吸収性コア220の端縁を第1吸収性コア210の端縁が取り囲みながら、第2吸収性コア220に皺を寄せることなく、第2吸収性コア220の端部が着用者に密着するので、漏れを防止するのに有効である。
また前記の各実施形態においては、吸収性コア22の長手方向前後端部域間における該吸収性コア22と外装体30との固定位置は、幅方向の中央域における長手方向に延びる一条の部位であったが、これに代えて、吸収性コア22と外装体30との固定位置を、長手方向に延びる二条以上の部位とすることもできる。
また前記の各実施形態は、本発明の吸収性物品をパンツ型使い捨ておむつに適用した例であるが、本発明はパンツ型使い捨ておむつ以外の吸収性物品、例えば展開型の吸収性物品等にも同様に適用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
表面シート、裏面シート及び該表面シートと該裏面シートとの間に配置された吸収性コアを含む吸収性本体と、該吸収性本体における非肌当接面側に位置する外装体とを具備する吸収性物品であって、
前記外装体は、着用者の腰回りに配されるウエスト部と、股下に配される股下部と、該ウエスト部と該股下部との間に位置する胴回り部とを有し、
前記胴回り部に、幅方向に延びる胴回り弾性部材が伸長状態で配されており、
前記吸収性コアは、平面視において該吸収性コアの一部が前記胴回り弾性部材と重なるように配置されており、
前記吸収性コアは、前記胴回り弾性部材と重なる位置にブロック領域を有し、
前記ブロック領域は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有し、各高坪量部の周囲はその全域にわたって該低坪量部によって囲まれて個々に独立しており、
前記吸収性コアは、その長手方向の前後端部域の位置において、前記外装体に対して固定状態になっているとともに、該前後端部域間のいずれかの位置において該外装体に対して非固定状態になっている吸収性物品。
<2>
前記外装体は、前記股下部、並びに該股下部から長手方向前方及び後方にそれぞれ延出する腹側部及び背側部を有し、
前記胴回り弾性部材が前記背腹側部に配されており、前記吸収性コアの前記ブロック領域が、該胴回り弾性部材と重なるように配置されている<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記外装体が、前記物品の最外面をなす外層シートと、該外層シートに隣接して該外層シートの内側に位置する内層シートとを有し、
前記ウエスト部の開口縁において、前記外層シートが、前記物品の肌当接面側に折り返されており、
前記外層シートの折り返しは、折り返された該外層シートが、平面視において、前記吸収性コアの長手方向端部域に位置する前記ブロック領域と重なるように行われ、
折り返された前記外層シートは、その折り返しの先端域が、前記物品の肌当接面を構成するシートと非接合状態になっているとともに、該先端域よりも前記ウエスト部の端縁寄りの部位が、前記物品の肌当接面を構成するシートと接合状態になっている<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記吸収性コアは、その長手方向の前後端部域間の部位において、幅方向の中央域が、長手方向に沿って前記外装体に対して固定状態になっているとともに、該前後端部域間のそれ以外の部位は、前記外装体に対して非固定状態になっている<1>ないし<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記外装体におけるレッグ開口縁に、該開口縁に沿って複数のレッグ弾性部材が伸長状態で配されている<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記外装体は、内層シート及び外層シートと、これら2枚のシート間に固定された各部の弾性部材とからなる<1>ないし<5>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<7>
着用者の腹側に配される矩形のシート状の腹側外装体と、着用者の背側に配される矩形のシート状の背側外装体と、該腹側外装体及び該背側外装体に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、該吸収性本体が、表面シート、裏面シート及び該表面シートと該裏面シートとの間に配置された吸収性コアを含む吸収性物品であって、
前記腹側外装体及び前記背側外装体はそれぞれ、横長の矩形状をなしており、左右一対の側縁部と、上下一対の上側端縁部及び下側端縁部とを有しており、
前記腹側外装体の両側縁部と前記背側外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部が形成され、この接合によって、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成され、
前記腹側外装体と前記背側外装体との間に股下部を有しており、
前記腹側外装体及び前記背側外装体には、前記吸収性物品の幅方向に延びる複数本の弾性部材が伸長状態で固定されており、
前記弾性部材は、前記上側端縁部から前記下側端縁部に向けて、ウエスト弾性部材、胴回り弾性部材及びレッグ弾性部材からなり、
前記吸収性コアは、平面視において該吸収性コアの一部が前記胴回り弾性部材と重なるように配置されており、
前記吸収性コアは、前記胴回り弾性部材と重なる位置にブロック領域を有し、
前記ブロック領域は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有し、各高坪量部は、その周囲が全域にわたって該低坪量部によって囲まれて個々に独立しており、
前記吸収性コアと前記腹側外装体とは、該吸収性コアの長手方向の前端部域において、幅方向に延びる腹側第1固定部によって固定されているとともに、該腹側外装体における下側端縁部において、幅方向に延びる腹側第2固定部によって固定されており、
前記吸収性コアと前記背側外装体とは、該吸収性コアの長手方向の後端部域において、幅方向に延びる背側第1固定部によって固定されているとともに、該背側外装体における下側端縁部において、幅方向に延びる背側第2固定部によって固定されており、
前記腹側第1固定部と前記腹側第2固定部との間においては、前記吸収性コアと前記腹側外装体とが非固定状態になっており、前記背側第1固定部と前記背側第2固定部との間においては、前記吸収性コアと前記背側外装体とが非固定状態になっている、吸収性物品。
<8>
前記腹側外装体及び前記背側外装体はいずれも、内層シート及び外層シートを備えており、
前記内層シートと前記外層シートとの間に弾性部材が伸長状態で固定されている<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記内層シート及び前記外層シートが不織布から構成されている<1>ないし<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記高坪量部と前記低坪量部とが一体成形されている<1>ないし<9>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<11>
各高坪量部の形状は、平面視して矩形をしており、長手方向の長さが、幅方向の長さよりも大きくなっている<1>ないし<10>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記低坪量部は、その複数本が吸収性コアの長手方向と平行に延びている<1>ないし<11>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記低坪量部は、その複数本が吸収性コアの幅方向に延びている<1>ないし<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記低坪量部は、前記吸収性コアの長手方向及び幅方向に延びる直交した格子状の形状をしている<1>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記ブロック構造の最外周が、前記低坪量部によって囲まれている<1>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸収性コアにおける前記ブロック領域は、該吸収性コアの長手方向の端部域おける幅方向の左右の最側部に位置する高坪量部が、他の高坪量部よりも長手方向の長さが長い矩形状をしている<1>ないし<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記ウエスト部に、幅方向に延びるウエスト弾性部材が伸長状態で配されており、
前記吸収性コアの前記ブロック領域と重なるように配置されている前記胴回り弾性部材は、その収縮力が、前記ウエスト弾性部材の収縮力よりも高くなっている<1>ないし<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記胴回り弾性部材が、前記外装体の一方の側部の近傍から他方の側部の近傍にまでわたって連続して延びており、それによって該胴回り弾性部材は、前記吸収性コアの前記ブロック領域をその幅方向の全域にわたって横切っている<1>ないし<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記ブロック領域は、その肌当接面側が平坦になっており、かつその非肌当接面側が、該非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する前記高坪量部と肌当接面側に向けて凹んだ前記低坪量部とを有している<1>ないし<18>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記吸収性コアが、第1吸収性コアと第2吸収性コアとから構成されており、
前記第1吸収性コアが非肌当接面側に配置され、前記第2吸収性コアが肌当接面側に配置されている<1>ないし<19>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<21>
前記第1吸収性コアは、前記第2吸収性コアの周縁から外方に延出しており、該第2吸収性コアよりもその外形が大きくなっている<20>に記載の吸収性物品。
<22>
前記第1吸収性コア及び前記第2吸収性コアから構成される前記吸収性コアはその全体が液透過性のシートによって被覆されている<20>又は<21>に記載の吸収性物品。
<23>
前記第2吸収性コアは、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部と、該高坪量部に隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部とを有している<20>ないし<22>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記第2吸収性コアは、その非肌当接面側が凹凸構造となっており、かつ肌当接面側が平坦となっている<20>ないし<23>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記第2吸収性コアには、その長手方向中心線上の位置に、該長手方向中心線に沿って、縦長の中央開口部が形成されている<20>ないし<24>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記中央開口部が、前記第2吸収性コアの厚み方向全域を貫通している<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記第2吸収性コアは、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部と、該高坪量部に隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部とからなるブロック領域と、非ブロック領域とから構成されている<20>ないし<26>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<28>
前記第2吸収性コアにおける前記ブロック領域の長手方向外方及び幅方向外方に、前記非ブロック領域が配置されている<27>に記載の吸収性物品。
<29>
前記第1吸収性コアは、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部と、該高坪量部に隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部とを有している<20>ないし<28>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<30>
前記第1吸収性コアは、その非肌当接面側が凹凸構造となっており、かつ肌当接面側が平坦となっている<20>ないし<29>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<31>
前記第1吸収性コアには、その長手方向中心線上の位置に、該長手方向中心線に沿って、縦長の中央開口部が形成されている<20>ないし<30>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<32>
前記中央開口部は、前記第1吸収性コアの厚み方向全域を貫通している<31>に記載の吸収性物品。
<33>
前記第1吸収性コアは、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部と、該高坪量部に隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部からなるブロック領域と、非ブロック領域とから構成されている<20>ないし<32>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<34>
前記第1吸収性コアにおける前記ブロック領域の幅方向外方に、前記非ブロック領域が配置されている<33>に記載の吸収性物品。
<35>
前記第1吸収性コアには、前記股下部における前記ブロック領域の幅方向外方に位置する前記非ブロック領域216に、該第1吸収性コアの長手方向に延びる側部開口部が形成されている<33>又は<34>に記載の吸収性物品。
<36>
前記第2吸収性コアには、その長手方向中心線上の位置に、該長手方向中心線に沿って、縦長の中央開口部が形成されており、
前記第1吸収性コアには、その長手方向中心線上の位置に、該長手方向中心線に沿って、縦長の中央開口部が形成されており、
前記第1吸収性コアに形成された前記中央開口部と、前記第2吸収性コアの形成された前記中央開口部との位置を一致させて、前記吸収性コアをその厚み方向全域にわたって貫通する開口部が形成されるようにした<20>ないし<35>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<37>
前記表面シートが液透過性のシートからなり、前記裏面シートが液不透過性ないし撥水性のシートからなる<1>ないし<36>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<38>
前記吸収性本体が縦長矩形形状をしている<1>ないし<37>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<39>
パンツ型使い捨ておむつである<1>ないし<38>のいずれか1に記載の吸収性物品。