JP6857353B2 - 生体分子センサー - Google Patents

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本発明は、生体分子センサーに関する。
体内に微量に存在する物質である生体分子の検出は病気の診断に欠かせないものである。例えば、脳内物質であるドーパミンなどの生体分子の検出は脳の診断に欠かせない。しかしながら、濃度が極端に小さいこと、また類似の化学物質が脳内に存在することから、それらの中から、対象の生体分子を精確に選択して検出することは既存の装置では困難である。従って、高位置分解能、高検出感度、及び優れた化学種選択性を満たすドーパミンを検出する生体分子センサーの開発が望まれている。
分子検出を目論む半導体センサーにおいて、ターゲット分子に対する選択性を高めることについては多くの試みがなされてきた。従来、電界効果トランジスタ(FET)のゲート部分にターゲット分子を選択的に捕獲する分子を事前に吸着させることによって選択性を改善する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、pH−電界効果トランジスタのゲート上にドーパミンと反応してpHを変えるフラビン含有のドーパミンモノアミンオキシダーゼを固定化した膜で被覆した測定pH−電界効果トランジスタと、被覆しない参照pH−電界効果トランジスタとを用意し、両者のpH−電界効果トランジスタの差分を取る差動手段とを設けたドーパミン検出センサーが開示されている。
特開平2−309243号公報
上述の特許文献1に記載のように、従来、FETのゲート部分にターゲット分子を選択的に捕獲する分子を事前に吸着させる技術は、それらの分子の開発が容易ではなく、感度を高めることは難しい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、生体分子内部の電子励起・振動励起で変化するFETにおける電流を検出し、生体分子を識別することができ、また、ターゲット分子を選択的に捕獲する分子を事前に吸着させる必要がなく、検出工程が簡略化され、高感度で多くの分子に適用可能などの特性を備える生体分子センサーを提供することを目的としている。
本発明者らは、FETにおいて、層状化合物を用いることで、チャンネル層に吸着した生体分子への高い感度が得られ、また分子内部の電子励起・振動励起を用いることで化学選択性を高めていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1] 層状化合物からなるチャンネル層を有する電界効果トランジスタ構造と、ソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性を利用して、前記チャンネル層の表面に吸着した生体分子の種類を識別する生体分子種識別手段と、を備える生体分子センサー。
[2] 前記チャンネル層に吸着した生体分子に光を照射する光照射手段を備える、[1]に記載の生体分子センサー。
[3] 前記電界効果トランジスタ構造は、ゲート電極として機能する導電性基板を備える[1]又は[2]に記載の生体分子センサー。
[4] 前記層状化合物が窒化ホウ素、窒化ケイ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、二硫化ニオブ及びセレン化タングステンからなる群から選択された一つである、[1]〜[3]のいずれかに記載の生体分子センサー。
[5] 前記生体分子がセロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミン、カテコールアミン、DNA、RNA及びプロテインからなる群から選択された一つである、[1]〜[4]のいずれかに記載の生体分子センサー。
本発明の上記態様にかかる生体分子センサーは、層状化合物を用いることで、従来のMOS−FETに比較して圧倒的な面積・体積比に起因する、チャンネル層に吸着した生体分子への高い感度を利用する。生体分子センサーは、電場によって励起される、分子内部の電子励起・振動励起を用いることで化学選択性をさらに高めている。これらのことより、高検出感度、高検出選択性で生体分子を検出することができる。また、その他の態様にかかる生体分子センサーは、光によって励起される、分子内部の電子励起・振動励起を用いることで化学選択性をさらに高めている。これらのことより、高検出感度、高検出選択性で生体分子を検出することができる。
第1実施形態にかかる分子センサーの断面模式図である。 第1実施形態(実施例1)にかかる分子センサーの測定結果(生体分子を吸着する後)である。 第1実施形態(実施例1)にかかる分子センサーの測定結果(生体分子を吸着する前)である。 第2実施形態にかかる分子センサーの断面模式図である。 第2実施形態(実施例2)にかかる分子センサーの測定結果である。 第3実施形態にかかる分子センサーの断面模式図である。 第3実施形態にかかる生体分子センサーの測定原理を示す斜視図である。 実施例1の生体分子センサーを示す斜視図である(生体分子種識別手段を図示せず)。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本実施形態の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。
以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本実施形態はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第1実施形態」
[生体分子センサー]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる生体分子センサー100の断面模式図である。図1に示す生体分子センサー100は、層状化合物からなるチャンネル層を有する電界効果トランジスタ構造10と、ソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性を利用して、前記チャンネル層の表面に吸着した生体分子の種類を識別する生体分子種識別手段20とを備える。
(電界効果トランジスタ構造)
電界効果トランジスタ構造10は、図1に示すように、ゲート電極として機能する導電性基板11と、該導電性基板11上に配置するゲート絶縁膜13と、該ゲート絶縁膜13上に配置するチャンネル層14と、該チャンネル層14の両端にチャンネル層を挟むように配置するソース電極15及びドレイン電極16とからなる。
図1に示す電界効果トランジスタ構造10では、ゲート電極として機能する導電性基板11を用いているが、絶縁基板上にゲート電極を形成した構成としてもよい。
電界効果トランジスタ(Field effect transistor;FET)とは、電圧入力によって発生させた電界により電流を制御するトランジスタのことである。電界効果トランジスタには、ソース電極とドレイン電極のほかにゲート電極と呼ばれる電極が設けられている。ゲート電極に電圧をかけると電界が生じ、ソース電極とドレイン電極の間を流れる電子(あるいは正孔)の流れを任意にせき止めて電流を制御することができる。
本発明における「電界効果トランジスタ構造」は、電界効果トランジスタと同じ基本構成要素すなわち、ソース電極、ドレイン電極、チャンネル層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を有する構造を意味する。本発明の生体分子センサーは、「電界効果トランジスタ構造」を生体分子の種類を識別するために利用するものである。すなわち、本発明の生体分子センサーは、ソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性がチャンネル層に分子が吸着することによって変化することを利用して生体分子の種類を識別するものである。
例えば、ソース・ドレイン電流の微分コンダクタンスを測定することにより、チャンネル層に吸着した分子の分子振動の振動モードエネルギーを検出することができ、分子振動の振動モードエネルギーが既知の分子についてはこれによって分子種の特定が可能になる。
<基板>
絶縁基板上にゲート電極を形成する場合、絶縁基板としては例えば、ガラス基板などを用いることができる。ゲート電極として機能する導電性基板を用いる場合については後述する。
<層状化合物>
本実施形態にかかる層状化合物は、窒化ホウ素、窒化ケイ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、二硫化ニオブ及びセレン化タングステンからなる群から選択された一つであることが好ましい。二硫化モリブデンがより好ましい。
二硫化モリブデン(MoS)は六方晶型の層状結晶構造を持ち、各層はモリブデンの層の両面を硫黄で挟んだ格好になっている。モリブデンと硫黄の結合が強固であるのに対し、層と層を繋ぐ硫黄同士の結合は弱いため、せん断力が加わると容易に層間がすべる。二次元方向に広がる層状の結晶構造を備えているため、結晶構造が3次元のシリコンよりも、膜状に加工しやすい。さらにバンドギャップを備えているために層状物質であるグラフェンよりも扱いやすい。二硫化モリブデンは1.8eV(電子ボルト)のバンドギャップを有し、半導体材料として利用できる。この値は、GaAs(ガリウム・ヒ素)の1.4eVとGaN(窒化ガリウム)の3.4eVとの中間に位置する。このためMoSを使えば、電子的な機能と光学的な機能の両方を備えた生体分子センサーを実現できる。
チャンネル層を構成する層状化合物の層数は、後述する生体分子を識別することができれば、特に限定されない。例えば、二硫化モリブデンの場合、単層以上10層以下であることが好ましく、単層以上5層以下であることがより好ましい。特に、検出感度の観点から、単層か2層であることが好ましい。
<ゲート電極>
本実施形態にかかる電界効果トランジスタ構造において、ゲート電極としては、支持体としての機能とゲート電極としての機能を有する導電性基板を用いることができる。導電性基板の上に、絶縁膜を介してチャンネル層14を形成するので、少なくとも、チャンネル層14を形成する側の表面が十分な平坦性を有する基板が好ましい。導電性基板としては、例えば、n型あるいはp型シリコン基板、ポリシリコン基板、シリコン膜もしくは金属膜などの導電性膜が少なくとも一方の面に形成されているガラス基板、金属基板などが挙げられる。シリコン基板は、その表面が平坦であり、かつ、酸化膜からなる絶縁膜が容易に作成できる観点から、好ましい。
<ソース電極とドレイン電極>
本実施形態にかかる電界効果トランジスタ構造において、ソース電極15とドレイン電極16は、チャンネル層14の両端にチャンネル層14を挟むように配置することが好ましい。ソース電極15とドレイン電極16の材料は、特に限定されなく、例えば、Ni/Au、Ti、Al,Ptなどの金属材料使用することができる。その中において、Ni/Auが好ましい。
(生体分子種識別手段)
本実施態様にかかる生体分子種識別手段20は、電界効果トランジスタ構造10のソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性を利用して、チャンネル層の表面に吸着した生体分子の種類を識別する。
ソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性とは、チャンネル層の表面に生体分子を吸着した場合、ソース・ドレイン電圧の変化に応じてソース・ドレイン電流もその電流値、その電流値の増減幅などの変化をする意味である。
本実施態様にかかる生体分子種識別手段20は、好ましく、ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンスdI/dVS−Dとソース・ドレイン電圧VS−Dとの依存性を利用して、チャンネル層の表面に吸着した生体分子の種類を特定する。より具体的には、生体分子の種類に特徴的な振動モードエネルギーを、微分コンダクタンスdI/dVS−Dのソース・ドレイン電圧VS−Dの依存性を示すグラフから検出することによって生体分子の種類を特定する。
例えば、本実施形態にかかる生体分子センサーにおいて、チャンネル層の表面に以下の化学式で表されるドーパミン分子が吸着された場合、ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンスdI/dVS−Dとソース・ドレイン電圧VS−Dとの関係を図2に示す。測定の詳細は後述するが、図2において、グラフa、b、c、dはそれぞれ、ゲート電圧−2.5V、−5.0V,−7.5V,−10.0Vにおける微分コンダクタンスのソース・ドレイン電圧依存性を示すグラフである。いずれのゲート電圧においても、ソース・ドレイン電圧VS−Dが15meVの付近において、ドーパミン分子の振動モードに対応するシャープなピークが観測された。
なお、15meVは、Au(110)上に吸着したドーパミン分子について、電子エネルギー損失分光法(Electron Energy Loss Spectroscopy;EELS)によって得られた振動モードエネルギーの値である(M.Weinhold,S.Soubatch,R.Temirov,M.Rohlfing,B.Jastorff,F.S.Tautz,C.Doose,STRUCTURE AND BONDING OF THE MULTIFUNCTIONAL AMINO ACID L−DOPA ON AU(110),J Phys Chem B,110(2006)23756−23769.)。この測定結果は、本発明に係る生体分子センサーによってチャンネル層の表面に吸着した生体分子の振動モードエネルギーを検出でき、生体分子の種類が特定できることを示すものである。
層状化合物としては、二硫化モリブデン(MoS)以外の化合物、例えば、窒化ホウ素、窒化ケイ素、二硫化タングステン(WS)、二硫化ニオブ(NbS)、又はセレン化タングステン(WSe)を用いても、上記と同様な方法でドーパミンを検出でき、その種類を特定することができる。また、生体分子としては、ドーパミン以外の分子、例えば、セロトニン、DNA、RNA、プロテインなどを同様な方法で検出でき、それらの種類を特定することができる。それらの層状化合物と生体分子の組み合わせの具体例としては、例えば、MoS/ドーパミン、NbS/セロトニン、WS/DNA、WS/RNA、WSe/プロテイン、MoS/ドーパミンなどが挙げられる。
Figure 0006857353
一方、比較のために、チャンネル層の表面にドーパミンが吸着されていない場合、同様の測定を行った。測定の詳細は後述するが、図3において、グラフaとbは、それぞれ、ゲート電極の電圧−2.5V、−7.5Vにおける微分コンダクタンスのソース・ドレイン電圧依存性を示すグラフである。何れも、ソース・ドレイン電圧VS−Dが15meVである付近において、ピークが観測されなかった。
すなわち、本実施態様にかかる生体分子種識別手段20は、例えば、チャンネル層に吸着した神経伝達物質であるドーパミンを同定することができる。
(生体分子)
本実施形態にかかる生体分子センサーの測定対象である生体分子は、生命現象で重要な働きを有する低分子の有機化合物及び高分子の有機化合物を含む。例えば、セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミン、カテコールアミンなどの神経伝達物質が挙げられ、又は、プロテイン、脂質、核酸(DNA又はRNA)、ホルモン、糖、アミノ酸などが挙げられる。生体分子の識別精度などから、神経伝達物質が好ましく、ドーパミンがより好ましい。
「第2実施形態」
第2実施形態にかかる生体分子センサー200は、図4に示すように、上記第1実施形態と同じ構成を有し、さらに、生体分子吸着量計測手段25を備える。
(生体分子吸着量計測手段)
本実施態様にかかる生体分子吸着量計測手段25は、電界効果トランジスタ構造10のソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性を利用して、チャンネル層14の表面に吸着した生体分子の量を測定する。
本実施態様にかかる生体分子吸着量計測手段25は、好ましく、ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンスdI/dVS−Dとソース・ドレイン電圧VS−Dとの依存性を利用して、チャンネル層の表面に吸着された生体分子の吸着量を測定する。
例えば、本実施形態にかかる生体分子センサーにおいて、チャンネル層の表面にドーパミンが吸着された場合、ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンスdI/dVS−Dとソース・ドレイン電圧VS−Dとの関係を図5に示す。測定の詳細は後述するが、図5において、グラフa、b、cは、ゲート電極の電圧−7.5Vにおいて、それぞれ、吸着されたドーパミン層の厚み0nm(吸着層なし)、0.25nm、0.5nmのそれぞれにおける微分コンダクタンスのソース・ドレイン電圧依存性を示すグラフである。ドーパミン層の厚みが0.25nm及び0.5nmの場合のいずれにおいても、ソース・ドレイン電圧VS−Dが15meVである付近においてドーパミン分子の振動モードに対応するシャープなピークが観察されたが、ピーク強度は0.5nmの場合の方が強いことがわかる。従って、ピーク強度に基づいて、生体分子の吸着量(層厚)を算定することができる。
生体分子吸着量計測手段は、例えば、生体分子が1層のときのピークの面積や高さ等(すなわち、基準のピークの面積や高さ等)と、実際の生体分子の測定データのピークの面積や高さ等とを比較することにより、生体分子の吸着量(層厚)を算定することができる。
「第3実施形態」
図6は、第3実施形態にかかる生体分子センサー300の断面模式図である。図3に示す生体分子センサー300は、上記図1に生体分子センサー100と同じ構成を有し、さらに、光照射手段30を備える。
(光照射手段)
光照射手段30は、分析対象の生体分子の電子励起もしくは振動励起をすることができれば特に限定されない。例えば、可視光もしくは赤外線領域の特定波長を持つ発光ダイオード素子(LED)、可視光もしく赤外線半導体レーザーなどのフォトニックデバイスが挙げられる。生体分子センサーの小型化が有利な観点から、電界効果トランジスタ構造10がゲート電極として機能する導電性基板11を備え、その導電性基板11上に形成できる発光ダイオード素子(LED)などのフォトニックデバイスが好ましい。
図7は、第3実施形態の一実施態様にかかる生体分子センサー300の測定原理を示す斜視図である。
光照射手段30から特定波長の光を、チャンネル層に吸着している生体分子、例えば、ドーパミンに照射させ、生体分子を選択的に電子励起もしくは振動励起させる。その際に、第1実施形態の生体分子センサー100と同様に、電界効果トランジスタ構造10のソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性を利用して、チャンネル層の表面に吸着した生体分子の種類を識別する。あるいは、第2実施形態の生体分子センサー200と同様に、チャンネル層の表面に吸着した生体分子の量を測定する。あるいは、複数の特定波長を含む光を照射することによって、生体分子の複数の電子エネルギー又は複数の振動エネルギーを励起し、複数の生体分子に特徴的な信号を検出することで、生体分子の種類の特定の精度を高めることができる。
そのように、電界効果トランジスタ構造と新たに光の照射を組み合わせることで、従来にない小型化・高感度・化学選択性を実現する生体分子センサーができる。
(実施例1)
実施例1として、図8に示す電界効果トランジスタ構造を有する生体分子センサーを作製した(生体分子種識別手段は図示せず)。各層は、以下のようにした。
導電性基板11: n型シリコン基板
絶縁膜13: SiO膜(膜厚285nm)
チャンネル層14: MoS層(2層)
チャンネルサイズ: 1μm×1μm
ソース電極15: Au/Ni(膜厚50nm/10nm)
ドレイン電極16: Au/Ni(膜厚50nm/10nm)
生体分子種識別手段20:ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンス
dI/dVS−Dのピーク位置を測定するデバイス
<チャンネル層にドーパミンが吸着する前の微分コンダクタンス測定>
測定条件は以下の通りである。
ゲート電圧: −2.5V、−7.5V
ソース・ドレイン電圧: 最小−100mV、最大100mV
図3にその測定結果を示す。図3において、グラフaとbは、それぞれ、ゲート電圧−2.5V、−7.5Vについての測定結果である。何れも、ソース・ドレイン電圧VS−Dが15meVである付近において、ピークが観測されなかった。
<チャンネル層にドーパミンが吸着した後の微分コンダクタンス測定>
測定条件は以下の通りである。
ゲート電圧: −2.5V、−2.5V、−5.0V、−7.5V、
−10.0V
ソース・ドレイン電圧: 最小−100mV、最大100mV
図2にその測定結果を示す。図2において、グラフa、b、c、dは、それぞれ、ゲート電極の電圧−2.5V、−5.0V,−7.5V,−10.0Vに対応する測定値である。何れも、ソース・ドレイン電圧VS−Dが15meVである付近において、シャープなピークが観測された。
(実施例2)
実施例2として、さらに、生体分子吸着量検出手段を備える以外に、実施例1と同様に図4に示す生体センサー200を作成した。
生体分子吸着量検出手段25:ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンス
dI/dVS−Dのピーク高さを測定するデバイス
測定条件は以下の通りである。
ドーパミンの膜厚: 0nm、0.25nm、0.5nm
ゲート電圧: −7.5 V
ソース・ドレイン電圧: 最小−100mV、最大100mV
測定値: ソース・ドレイン電流Iの微分コンダクタンス
dI/dVS−Dのピーク高さ
図5において、グラフa、b、cは、ゲート電極の電圧7.5vにおいて、それぞれ、吸着したドーパミン層の厚み0nm(吸着層なし)、0.25nm、0.5nmに対応する測定値である。ソース・ドレイン電圧VS−D が15meVである付近において、ドーパミン層の厚い場合、比較的に強い微分コンダクタンスdI/dVS−Dピークが観測された。
100、200、300 生体分子センサー
10 生体分子種識別手段
11 導電性基板(ゲート、Siシリコン基板)
13 絶縁膜(SiO膜)
14 チャンネル層(MoS層)
15 ソース電極
16 ドレイン電極
20 生体分子種識別手段
25 生体分子吸着量計測手段
30 光照射手段

Claims (5)

  1. 層状化合物からなるチャンネル層を有する電界効果トランジスタ構造と、
    ソース・ドレイン電圧に対するソース・ドレイン電流の依存性を利用して、前記チャンネル層の表面に吸着した生体分子の種類を識別する生体分子種識別手段と、を備える生体分子センサー。
  2. 前記チャンネル層に吸着した生体分子に光を照射する光照射手段を備える、請求項1に記載の生体分子センサー。
  3. 前記電界効果トランジスタ構造は、ゲート電極として機能する導電性基板を備える請求項1又は2に記載の生体分子センサー。
  4. 前記層状化合物が窒化ホウ素、窒化ケイ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、二硫化ニオブ及びセレン化タングステンからなる群から選択された一つである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体分子センサー。
  5. 前記生体分子がセロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミン、カテコールアミン、DNA、RNA及びプロテインからなる群から選択された一つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体分子センサー。
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