JP6856447B2 - パラレルリンク機構の制御装置及び制御方法、並びにパラレルリンク機構及び制御装置を含むシステム - Google Patents

パラレルリンク機構の制御装置及び制御方法、並びにパラレルリンク機構及び制御装置を含むシステム Download PDF

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Description

本発明は、パラレルリンク機構の制御装置及び制御方法、並びに該パラレルリンク機構及び該制御装置を含むシステムに関する。
比較的高速の動作速度を実現できる機構として、基礎部材と可動部材とを複数のリンクで接続するパラレルリンク機構を有する工作機械やロボットが周知である(例えば特許文献1参照)。またパラレルリンク機構は、3組のリンク機構によって3自由度を有するものが多いが、可動部材にさらに複数の回転部材を設け、姿勢変更の自由度をさらに高める構造も知られている(例えば特許文献2、3参照)。
特公平04−045310号公報 特開2010−184328号公報 特開2011−056661号公報
パラレルリンク機構の中には、3つのリンクによって可動に構成された可動部材、該可動部材に接続されたマスタ回転軸、及び該マスタ回転軸とは異なる方向に延びるスレーブ回転軸を有し、該スレーブ回転軸にハンドや工具を取り付けて所定の作業を行うタイプのものがある。ここで、スレーブ回転軸に対する工具の取り付け位置によっては、マスタ回転軸及びスレーブ回転軸の動作だけでは工具(例えば工具先端点)が存在し得ない領域(換言すれば、工具の位置及び姿勢の実現できない組み合わせ)が生じ得る。
通常、パラレルリンク機構の動作制御をする場合は、その制御装置が、離散的な指令位置のそれぞれについて、工具先端点の位置及び姿勢を求める。この際、各指令位置が位置及び姿勢の実現できない組み合わせを含まないように該指令位置が作成(計算)されるが、これらの指令位置の間(補間位置)では、単純な線形補間等をした場合、該補間位置が工具の位置及び姿勢の実現できない組み合わせを含んでしまう場合がある。するとパラレルリンク機構の制御が不可能となり、結果として該機構は急停止(非常停止)することになる。
本開示の一態様は、パラレルリンク機構を制御する制御装置であって、該パラレルリンク機構は、並列する複数のリンクの動作により移動可能な可動部材と、該可動部材に設けられたマスタ回転軸と、該マスタ回転軸と異なる方向に延びるとともに、該マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸と、該スレーブ回転軸に取り付けられた機構先端部とを有し、前記機構先端部の姿勢を表す軸線との距離が最短となる前記スレーブ回転軸上の点が前記マスタ回転軸上に位置せず、前記制御装置は、前記機構先端部の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成する指令位置作成部と、前記複数の指令位置の間の補間動作における前記機構先端部の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデルを、前記機構先端部の位置、及び前記点と前記マスタ回転軸との距離に基づいて作成するモデル作成部と、前記数理モデルに基づいて、前記補間動作中において前記機構先端部の位置又は姿勢が前記禁止領域に入らないように、前記機構先端部の位置及び姿勢についての補間指令を作成する補間指令部と、を有する、制御装置である。
本開示の他の態様は、パラレルリンク機構を備えた産業機械と、該パラレルリンク機構を制御する制御装置とを有するシステムであって、前記パラレルリンク機構は、並列する複数のリンクの動作により移動可能な可動部材と、該可動部材に設けられたマスタ回転軸と、該マスタ回転軸と異なる方向に延びるとともに、該マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸と、該スレーブ回転軸に取り付けられた機構先端部とを有し、前記機構先端部の姿勢を表す軸線との距離が最短となる前記スレーブ回転軸上の点が前記マスタ回転軸上に位置せず、前記制御装置は、前記機構先端部の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成する指令位置作成部と、前記複数の指令位置の間の補間動作における前記機構先端部の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデルを、前記機構先端部の位置、及び前記点と前記マスタ回転軸との距離に基づいて作成するモデル作成部と、前記数理モデルに基づいて、前記補間動作中において前記機構先端部の位置又は姿勢が前記禁止領域に入らないように、前記機構先端部の位置及び姿勢についての補間指令を作成する補間指令部と、を有する、システムである。
本開示のさらなる他の態様は、パラレルリンク機構の制御方法であって、該パラレルリンク機構は、並列する複数のリンクの動作により移動可能な可動部材と、該可動部材に設けられたマスタ回転軸と、該マスタ回転軸と異なる方向に延びるとともに、該マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸と、該スレーブ回転軸に取り付けられた機構先端部とを有し、前記機構先端部の姿勢を表す軸線との距離が最短となる前記スレーブ回転軸上の点が前記マスタ回転軸上に位置せず、前記制御方法は、前記パラレルリンク機構の制御装置が、前記機構先端部の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成することと、前記制御装置が、前記複数の指令位置の間の補間動作における前記機構先端部の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデルを、前記機構先端部の位置、及び前記点と前記マスタ回転軸との距離に基づいて作成することと、前記制御装置が、前記数理モデルに基づいて、前記補間動作中において前記機構先端部の位置又は姿勢が前記禁止領域に入らないように、前記機構先端部の位置及び姿勢についての補間指令を作成することと、を含む、制御方法である。
本開示によれば、パラレルリンク機構の補間動作中でも、機構先端部の位置及び姿勢の実現できない組み合わせを指令してしまうことが確実に防止でき、該パラレルリンク機構の安定した操作・制御が可能となる。
一実施形態に係るパラレルリンク機構及び制御装置の一構成例を示す図である。 図1のパラレルリンク機構の先端部の模式図であり、スレーブ回転軸と工具軸との間のオフセットを表す線分とスレーブ回転軸との交点がマスタ回転軸上に位置する場合を例示する。 図1のパラレルリンク機構の先端部の模式図であり、スレーブ回転軸と工具軸との間のオフセットを表す線分とスレーブ回転軸との交点がマスタ回転軸上に位置しない場合を例示する。 図3の場合に、工具先端点が進入できない禁止領域を説明する図である。 禁止領域を円柱で表した例を説明する図である。 禁止領域を傾斜させた状態を示す図である。 図6の場合に、2つの指令位置間を線形補間した例を説明する図である。 パラレルリンク機構の要部を模式的に示す図である。 禁止領域を単位球面で表した例を説明する図である。 図9の単位球面を用いて2つの指令位置間を線形補間した例を説明する図である。 内分比を利用して適切な工具方向を求める例を説明する図である。
図1は、本開示の好適な実施形態に係る制御装置の制御対象であるパラレルリンク機構の一構成例を示す概略図である。パラレルリンク機構10は、並列する複数のリンク14a−14cの動作により移動可能な可動部材16と、可動部材16に設けられたマスタ回転軸18と、マスタ回転軸18と異なる方向に延びるとともに、マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸20と、スレーブ回転軸20に取り付けられた機構先端部(エンドエフェクタ)22とを有し、機構先端部22の姿勢を表す軸線46との距離が最短となるスレーブ回転軸20上の点49がマスタ回転軸18上に位置しない構造となっている(後述する図3参照)。
図示例では、パラレルリンク機構10は、架台(図示せず)等に固定されたプレート状の基礎部材12と、各々が駆動モータ等(図示せず)の駆動装置によって伸縮自在(長さが可変)であるとともに、基礎部材12に一端が接続された3つの直動リンク(送り軸)14a、14b及び14cと、各直動リンクの他端に接続された可動部材16と、可動部材16に設けられたマスタ回転軸18と、マスタ回転軸18と異なる方向に延びるとともに、マスタ回転軸18の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸20と、スレーブ回転軸20に取り付けられてスレーブ回転軸20と一体的に回転する工具ホルダ24とを有する。なお図示例ではマスタ回転軸18とスレーブ回転軸20とは互いに直交しているが、90度以外の角度で交叉してもよく、或いはねじれの関係にあってもよい。
工具ホルダ24は、スレーブ回転軸20に固定され、工具26を保持するように構成されており、本実施形態では工具ホルダ24及び工具26が機構先端部22を構成する。但し機構先端部22はこのような形態に限られず、例えば溶接トーチや、物品を把持又は吸着する把持式又は吸着式ハンド等でもよい。
直動リンク14a、14b及び14cのそれぞれの一端は、ボールジョイント等のユニバーサルジョイント28a、28b及び28cによって基礎部材12に連結されており、これにより各リンクは基礎部材12に対して任意の方向に旋回可能になっている。同様に、直動リンク14a、14b及び14cのそれぞれの他端は、ボールジョイント等のユニバーサルジョイント30a、30b及び30cによって可動部材16に連結されており、これにより各リンクは可動部材16に対して所定の角度範囲内で旋回可能になっている。なお直動リンクの代わりに、各々が駆動リンク及び受動リンクを有する3組のリンクを使用してもよい。
パラレルリンク機構10はさらに、該機構の剛性を高める等の目的で、駆動装置を有さずに伸縮自在であるとともに、基礎部材12(例えばその重心)と可動部材16(例えばその重心)とを連結する中心軸32を有してもよい。
パラレルリンク機構10は、産業用ロボット又は工作機械等の産業機械34(概略図示)の一部として構成することができ、物品の搬送や機械加工等の所定の作業に使用することができる。またパラレルリンク機構10の動作は、産業機械34に接続された制御装置36によって制御される。従ってパラレルリンク機構10を有する産業機械34及び制御装置36は、所定の作業を行うためのシステムを構成する。なお制御装置36は例えば、パラレルリンク機構10の適用対象がロボットである場合は、該ロボットを制御するロボット制御装置に相当し、パラレルリンク機構10の適用対象が工作機械である場合は、該工作機械を制御する数値制御装置に相当する。
制御装置36は、機構先端部22(ここでは工具ホルダ24に対して不動に保持された工具26の先端、すなわち工具先端点38)の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成する指令位置作成部40と、複数の指令位置の間の補間動作における工具先端点38の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデル(後述)を、複数の指令位置の各々における工具先端点38の位置、及び後述する距離に基づいて作成するモデル作成部42と、作成された数理モデルに基づいて、補間動作中において工具先端点38の位置又は姿勢が禁止領域(後述)に入らないように、工具先端点38の位置及び姿勢についての補間指令を作成する補間指令部44とを有する。これらの構成要素の機能は後述するが、制御装置36に組み込まれたプロセッサやメモリ等によって実現可能である。
上述したようなパラレルリンク機構10は、3つのリンクの長さ及び2つの回転軸の回転角度を制御することにより、工具先端点を指令通りに(複数の指令位置を含む指令軌跡に沿って)移動させることができるが、一般的な5軸構造とは異なり、3つの送り軸がそれぞれ独立して動作できないので、パラレルリンク機構10の動作制御を行う際は、指令位置の各々において工具先端点38の位置及び姿勢(の組み合わせ)を指令することが好ましい。またパラレルリンク機構10は、比較的狭いスペースにも設置でき、広い可動範囲を確保することができる等の利点があるが、図2−図4に例示するような構造的制約がある。
図2及び図3は、図1に示すパラレルリンク機構10の機構先端部をさらに模式的に示す図である。通常、マスタ回転軸18及びスレーブ回転軸20を有する構造では、工具の可動範囲をなるべく広く確保する等の目的から、スレーブ回転軸20と機構先端部22の方向(ここでは工具軸(工具方向))を表す軸線46との間に所定のオフセット(直線20と直線46間の最短距離を表す線分)48が存在するように工具26が設けられる。つまりスレーブ回転軸20と工具軸46は互いにねじれの関係にある。ここで、マスタ回転軸18と工具軸46との位置関係としては、図2に示すように線分48とスレーブ回転軸20との交点49がマスタ回転軸18上に位置する場合と、図3に示すように交点49がマスタ回転軸18上に位置しない(マスタ回転軸18からスレーブ回転軸20に平行な方向に距離50だけ離れている)場合とがある。なお機構先端部22の方向(ここでは工具方向と同一)とは、機構先端部22の姿勢を代表する方向であり、例えば工具26が棒状部材である場合はその長手方向を意味する等、機構先端部22の形状・構造に応じて予め定められる方向である。なお本実施形態では、工具軸46はマスタ回転軸18の軸線方向と平行である。
図3のように、工具方向を表す軸線46との距離が最短となるスレーブ回転軸20上の点49がマスタ回転軸18上に位置しない場合(オフセット48が存在せず、軸線46とスレーブ回転軸20が交点49で交わる場合も含まれる)、図4に示すように、機構先端部22の代表点(例えば工具先端点38)は、マスタ回転軸18及びスレーブ回転軸20がいかなる回転角度位置にあっても、参照符号52で示される禁止領域内に入ることはできない。なお禁止領域52は、マスタ回転軸18の軸線(図示例では中心軸32と一致)を中心軸とし、距離50に等しい半径を有する無限長の円柱(数理モデル)で画定される領域である。
従って図3に例示するような距離50が存在するパラレルリンク機構では、工具先端点38の補間動作中に、工具先端点38が禁止領域52内に入るような指令を出力してしまうと、機構的制約の範囲を外れた位置及び姿勢を指令することになり、逆運動学の解が求まらず、実際にはパラレルリンク機構自体が緊急停止(急停止)することになる。従って以降は、補間動作中であっても工具先端点が禁止領域内に入るような補間指令が作成されないようにするための制御装置の機能(処理)について説明する。
(実施例1)
図5は、簡単のため、工具先端点が進入できない禁止領域52がX、Y及びZ軸からなる直交座標系の原点Oを通り、中心軸がZ軸に合致する円柱で画定される領域であるとした場合に、工具先端点の指令位置A及びBを含む補間経路(指令軌跡)54を示す図である。図5の例では、指令位置A及びBの各々においては、工具先端点は指令通りの位置及び姿勢をとりうるが、位置Aから位置Bまでの間を線形補間した場合、その中間点(補間位置)Cは禁止領域52内に入るため、位置Aから位置Bまで工具の姿勢を変更せずに工具先端点の位置を移動させると、上述の急停止が生じることになる。なお各指令位置における矢印は工具方向(図4の参照符号46に相当)を表し、工具方向と禁止領域52の中心軸の方向は互いに平行である。
ここで急停止を防止する方法の1つとして、工具方向を変えずに、工具先端点を禁止領域52に干渉しないように迂回させること、具体的には補間経路54を禁止領域52に干渉しない曲線にすることが考えられる。しかし多くの場合、パラレルリンク機構の動作サイクルや加工精度の観点からは、工具先端点はできるだけ直線的に移動させることが好ましく、故に各指令位置間は線形補間することが好ましい。
そこで図6に示すように、工具先端点が禁止領域52内に入る直前の補間位置Dと、工具先端点が禁止領域52から出た直後の補間位置Eとの間は、禁止領域52を適切な方向に(図示例では線分ABと垂直な方向に)傾けることにより、指令位置AからBまでを直線的に補間することが可能となる。具体的には、補間位置DとEの間は、工具を傾ける(工具方向を変更する)ことにより、禁止領域52も工具方向の傾斜角と同じ角度で傾斜するので、軌跡54上の全ての補間点が禁止領域52内に入らないようにすることができる。
但し、補間位置D又はEにおいて急激に工具方向を変化させると、パラレルリンク機構の各軸に大きな負荷がかかり、加工精度等に悪影響が及び場合があり得ることから、図7に示すように、指令位置AとBの間は、工具方向を徐々に傾斜させて滑らかな動作を実現するような補間指令を作成することが好ましい。
(実施例2)
次に図8−図12を参照して、禁止領域を表す数理モデルの他の例として、単位球面を利用する場合を説明する。図8は、パラレルリンク機構10の要部を模式的に表した図であり、基礎部材12の中心(基礎部材12と中心軸32との交点)を原点Oとし、工具先端点をpとし、工具方向(ベクトル)をvとする。このとき、pを通りかつ工具ベクトルvと同方向に延びる直線と原点Oとの距離dは、以下の式(1)で表される。但しθは、工具ベクトルvと位置ベクトルpがなす角であり、以下の式(2)で表される。また式(2)におけるsgnは符号関数である。
Figure 0006856447
Figure 0006856447
ここで、図3を参照して説明した距離50の大きさをDxとすると、vは(d≧Dx)を満たすように計算(指令)される必要があり、逆に言えば、(d<Dx)となるようなvは機構的に実現できない。そこで図9に示すように、半径が1(無次元数)であってpを中心とする単位球面56を考え、以下の式(3)を満たす境界角度φを求める。
Figure 0006856447
式(3)と、(d≧Dx)を満たす必要があることから、工具ベクトルvの方向θがとり得る範囲は、以下の式(4)で表される。つまり、(θ<φ)又は(θ>π−φ)の場合、vは単位球面56上の禁止領域58内(ハッチングで図示)に入ることになり、工具先端点がpにあるときは工具はこのような方向(姿勢)をとることができない。逆に言えば、パラレルリンク機構10において、工具先端点がpにあるときにこのような方向(姿勢)を指令すると、逆運動学の解が求まらず、パラレルリンク機構自体が緊急停止(急停止)することになる。
φ ≦ θ ≦ π−φ (4)
従って図10に示すように、指令位置P1とP2との間の動作補間中(補間位置P)に、単位球面56上の禁止領域58以外の許容領域60内に常にvが入るように角度θを設定する(すなわち式(4)を満たす)ことにより、指令位置P1とP2との間を直線的に補間(線形補間)した場合でも、常に工具ベクトルvの終点を許容領域60内に入るようにすることができる。従って実施例2でも、工具先端点の制御における補間動作中のパラレルリンク機構の急停止や損傷を確実に防止することができ、加工精度や操作の安全性・安定性の向上が期待できる。
図11は、補間動作中に常に工具ベクトルvが許容領域60内に入ることを確保するための適切な工具方向を求める一具体例を説明する図である。図10に示すように、単位球面56上における禁止領域58及び許容領域60の大きさ(割合)は、各指令位置やその間の補間位置によって変化するが、各位置において禁止領域58と許容領域60との境界を定める境界角度φを用いた内分比を用いることにより、いずれの位置においてもvが許容領域60内に存在するような角度θを求めることができる。具体的には、指令位置P1における工具ベクトルv1の方向θ1は内分比s1を用いて表すことができ、s1は以下の式(5)から求めることができる。なおφ1は、指令位置P1における境界角度であるが、(φ1=π/2)のときは、s1はゼロとする。同様に、指令位置P2における工具ベクトルv2の方向θ2は内分比s2を用いて表すことができ、s2は以下の式(6)から求めることができる。なおφ2は、指令位置P2における境界角度であるが、(φ2=π/2)のときは、s2はゼロとする。
Figure 0006856447
Figure 0006856447
式(5)及び(6)から求めた内分比を用いて、補間位置Pにおける工具ベクトルvの方向θは、以下の式(7)から求めることができる。なおtは時間を表す。このようにして求めたθは、指令位置P1とP2との間のいずれの補間位置においても、工具ベクトルvの終端が禁止領域58内に入らない(常に許容領域60内にある)ようにすることができる。
Figure 0006856447
実施例1及び2ではいずれも、指令位置作成部40によって、機構先端部22の位置(工具先端点38の位置)及び姿勢(工具方向)の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成し、モデル作成部42によって、複数の指令位置の間の補間動作における機構先端部22の位置又は姿勢についての禁止領域52又は58を示す数理モデル(円柱又は単位球面)を、機構先端部22の位置及び距離50に基づいて作成し、補間指令部44によって、作成された数理モデルに基づいて、補間動作中において機構先端部22の位置又は姿勢が禁止領域に入らないように、機構先端部22の位置及び姿勢についての補間指令を作成する。従って本開示によれば、補間動作中であっても実現できない位置及び姿勢の組み合わせが指令され、パラレルリンク機構が急停止してしまうことを確実に回避でき、図1に示すような5軸構造のパラレルリンク機構の安定した高精度の動作を実現することができる。
また連続する指令位置を補間する場合、禁止領域を迂回するように補間指令における指令位置を変更することも可能だが、機構先端部の姿勢を変更することのみによって禁止領域を回避することも可能である。後者の場合は、指令位置間を線形補間することが可能となり、サイクルタイムの短縮や、パラレルリンク機構の用途が機械加工である場合には加工精度の向上が図られる。
10 パラレルリンク機構
12 基礎部材
14a、14b、14c 直動リンク
16 可動部材
18 マスタ回転軸
20 スレーブ回転軸
22 機構先端部
24 工具ホルダ
26 工具
28a、28b、28c、30a、30b、30c ボールジョイント
32 中心軸
34 産業機械
36 制御装置
38 工具先端点
40 指令位置作成部
42 モデル作成部
44 補間指令部
46 工具方向
48 オフセット
52、58 禁止領域
54 指令軌跡
56 単位球面
60 許容領域

Claims (6)

  1. パラレルリンク機構を制御する制御装置であって、該パラレルリンク機構は、
    並列する複数のリンクの動作により移動可能な可動部材と、該可動部材に設けられたマスタ回転軸と、該マスタ回転軸と異なる方向に延びるとともに、該マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸と、該スレーブ回転軸に取り付けられた機構先端部とを有し、前記機構先端部の姿勢を表す軸線との距離が最短となる前記スレーブ回転軸上の点が前記マスタ回転軸上に位置せず、
    前記制御装置は、
    前記機構先端部の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成する指令位置作成部と、
    前記複数の指令位置の間の補間動作における前記機構先端部の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデルを、前記機構先端部の位置、及び前記点と前記マスタ回転軸との距離に基づいて作成するモデル作成部と、
    前記数理モデルに基づいて、前記補間動作中において前記機構先端部の位置又は姿勢が前記禁止領域に入らないように、前記機構先端部の位置及び姿勢についての補間指令を作成する補間指令部と、を有する、
    制御装置。
  2. 前記補間指令部は、前記補間動作において、前記機構先端部の位置を線形的に補間するとともに、前記機構先端部の姿勢が前記禁止領域内に入らないように補間指令を作成する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記数理モデルは、前記機構先端部の位置を中心とする単位球面である、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記数理モデルは、前記マスタ回転軸の軸線を中心軸とし、前記点と前記マスタ回転軸との距離に等しい半径を有する無限長の円柱である、請求項1又は2に記載の制御装置。
  5. パラレルリンク機構を備えた産業機械と、該パラレルリンク機構を制御する制御装置とを有するシステムであって、
    前記パラレルリンク機構は、
    並列する複数のリンクの動作により移動可能な可動部材と、該可動部材に設けられたマスタ回転軸と、該マスタ回転軸と異なる方向に延びるとともに、該マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸と、該スレーブ回転軸に取り付けられた機構先端部とを有し、前記機構先端部の姿勢を表す軸線との距離が最短となる前記スレーブ回転軸上の点が前記マスタ回転軸上に位置せず、
    前記制御装置は、
    前記機構先端部の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成する指令位置作成部と、
    前記複数の指令位置の間の補間動作における前記機構先端部の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデルを、前記機構先端部の位置、及び前記点と前記マスタ回転軸との距離に基づいて作成するモデル作成部と、
    前記数理モデルに基づいて、前記補間動作中において前記機構先端部の位置又は姿勢が前記禁止領域に入らないように、前記機構先端部の位置及び姿勢についての補間指令を作成する補間指令部と、を有する、
    システム。
  6. パラレルリンク機構の制御方法であって、該パラレルリンク機構は、
    並列する複数のリンクの動作により移動可能な可動部材と、該可動部材に設けられたマスタ回転軸と、該マスタ回転軸と異なる方向に延びるとともに、該マスタ回転軸の回転に応じて方向が変化するスレーブ回転軸と、該スレーブ回転軸に取り付けられた機構先端部とを有し、前記機構先端部の姿勢を表す軸線との距離が最短となる前記スレーブ回転軸上の点が前記マスタ回転軸上に位置せず、
    前記制御方法は、
    前記パラレルリンク機構の制御装置が、前記機構先端部の位置及び姿勢の組み合わせを各々が含む複数の指令位置を作成することと、
    前記制御装置が、前記複数の指令位置の間の補間動作における前記機構先端部の位置又は姿勢についての禁止領域を示す数理モデルを、前記機構先端部の位置、及び前記点と前記マスタ回転軸との距離に基づいて作成することと、
    前記制御装置が、前記数理モデルに基づいて、前記補間動作中において前記機構先端部の位置又は姿勢が前記禁止領域に入らないように、前記機構先端部の位置及び姿勢についての補間指令を作成することと、を含む、
    制御方法。
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