JP6855900B2 - カラー画像形成方法およびカラートナーセット - Google Patents
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Description
前記着色剤含有トナーは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含み、
少なくとも、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多い、カラー画像形成方法。
前記4種のトナーは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含有し、
少なくとも最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーである前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、および前記シアントナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーである前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、および前記シアントナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーである前記ブラックトナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多い、カラートナーセット。
前記着色剤含有トナーは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含み、
少なくとも、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー(以下、単に、最も抵抗が低い着色剤含有トナーともいう)以外の着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多い、カラー画像形成方法である。
前記4種のトナーは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含有し、
少なくとも最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーである前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、および前記シアントナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーである前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、および前記シアントナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーである前記ブラックトナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多い、カラートナーセットである。
本発明に係る着色剤抵抗が異なる各色着色剤含有トナー(最も抵抗の低い着色剤含有トナー(ブラックトナー)および最も抵抗の低い着色剤含有トナー以外のトナー(各カラートナー)は、非晶性樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、各色に対応する着色剤と、離型剤と、をそれぞれ含む。本発明に係る「トナー」は、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
本発明に係る着色剤含有トナーを構成するトナー粒子は、非晶性樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、各色に対応した着色剤と、離型剤と、を含有する。また、トナー粒子は、その他必要に応じて、荷電制御剤などの他のトナー構成成分を含有してもよい。以下、トナー粒子を構成する各成分について説明する。
トナー粒子は、結着樹脂としての結晶性ポリエステル樹脂を含む。よって、加熱定着時、当該結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とが相溶し、トナーの低温定着性を向上させることができる。また、最も抵抗の低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含む。結着樹脂としての結晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含ませることによって、トナー粒子のシャープメルト性を向上させることができ、低温定着性と定着分離性とを良好にできる。
本項目では、「ハイブリッドでない結晶性ポリエステル樹脂」を「ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂」とも称する。
ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられる多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物であって、重縮合反応によって結晶性の樹脂を形成することができるものであればよい。
ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられる多価アルコールとは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物であって、重縮合反応によって結晶性の樹脂を形成することができるものであればよい。
ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の融点は、十分な低温定着性が得られるという観点から、60〜90℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは70〜85℃である。なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成によって制御することができる。
ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、5,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、5,000〜50,000の範囲内であることがより好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が5,000以上であれば、トナーの耐熱保管性を向上させることができ、100,000以下であれば、低温定着性をより向上させることができる。同樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に制限されないが、1,000〜25,000の範囲内であることが好ましく、3,000〜20,000の範囲内であることがより好ましい。かような範囲であれば、低温定着性及び光沢度安定性の観点から好ましい。上記重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。具体的には、以下の方法により測定することができる。
各樹脂(ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂、非晶性樹脂等)のGPCによる分子量(重量平均分子量および数平均分子量)は、以下のようにして測定する。すなわち、装置「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー株式会社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流す。測定試料(樹脂)は、濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させる。当該溶液の調製は、超音波分散機を用いて、室温にて5分間処理を行うことにより行う。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出する。単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成された検量線に基づいて、測定試料の分子量分布を算出する。上記検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
ノンハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の製造方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸および多価アルコールを重縮合する(エステル化する)ことにより当該樹脂を製造することができる。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂(ハイブリッド樹脂とも略記する)とは、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが化学的に結合した樹脂である。
ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、十分な低温定着性及び優れた長期保管安定性を確実に両立して得るという観点から、5,000〜100,000の範囲であると好ましく、7,000〜50,000であるとより好ましく、8,000〜40,000の範囲であると特に好ましい。ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を100,000以下とすることにより、十分な低温定着性を得ることができる。一方、ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を5,000以上とすることにより、トナー保管時において当該ハイブリッド樹脂と非晶性樹脂を結着樹脂として併用する場合に、これらの樹脂同士の相溶が過剰に進行することが抑制され、トナー同士の融着による画像不良を効果的に抑制することができる。
結晶性ポリエステル重合セグメントとは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂に由来する部分であって、トナーの示差走査熱量測定において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する重合セグメントをいう。
非晶性重合セグメントとは、ハイブリッド樹脂において、上記結晶性ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂に由来する部分である。非晶性重合セグメントは、結着樹脂としてハイブリッド樹脂と非晶性樹脂とを併用する場合、これらの樹脂同士の親和性を制御するという機能を有しており、非晶性重合セグメントを存在させることで、トナーの結着樹脂としてハイブリッド樹脂と非晶性樹脂とを併用する場合、これらの親和性が向上し、ハイブリッド樹脂が非晶性樹脂中に取り込まれやすくなり、帯電均一性等を向上させることができる。
ハイブリッド樹脂の製造方法は、上記結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとを化学結合させた構造の重合体を形成することが可能な方法であれば、特に制限されるものではない。ハイブリッド樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
トナー粒子は、結着樹脂としての非晶性樹脂を含む。非晶性樹脂は、各トナーに含まれる結着樹脂の主成分であると好ましい。結着樹脂が主成分として非晶性樹脂を含むことにより、非晶性樹脂がトナー粒子表面に存在しやすくなる。その結果、非晶性樹脂の電気抵抗の高さに起因して、トナー粒子の帯電性を良好にすることができる。ここで、「主成分」とは、結着樹脂の中で最も含有割合が高い樹脂であることを意味する。非晶性樹脂は、結着樹脂全体に対して、50質量%以上であると好ましく、70〜99質量%であるとより好ましく、80〜97質量%であるとさらにより好ましく、83〜94質量%であると特に好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂であって、示差走査熱量測定(DSC)を行った時に、融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂である。なお、好ましいガラス転移温度の範囲は、上述のとおりであるため、ここではその説明は省略する。また、非晶性ポリエステル樹脂を構成する単量体は、結晶性ポリエステル樹脂を構成する単量体とは異なるため、たとえば、NMR等の分析によって結晶性ポリエステル樹脂と区別することができる。かような単量体の種類や、構造(結晶性または非晶性)の違いにより、非晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と比較して電気抵抗が高い樹脂であると言える。
多価カルボン酸としては、不飽和脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、およびこれらの誘導体を用いると好ましい。非晶性の樹脂を形成することができれば、飽和脂肪族多価カルボン酸を併用してもよい。
多価アルコールとしては、帯電性の観点から、不飽和脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコールおよびこれらの誘導体を用いることが好ましい。非晶性の樹脂を得ることができれば、飽和脂肪族多価アルコールを併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸および多価アルコールを重縮合する(エステル化する)ことにより当該樹脂を製造することができる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、5,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、5,000〜50,000の範囲内であることがより好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が5,000以上であれば、トナーの耐熱保管性を向上させることができ、100,000以下であれば、低温定着性をより向上させることができる。上記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができ、具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
ビニル樹脂とは、少なくともビニル単量体を用いた重合により得られる樹脂である。ビニル樹脂として、具体的には、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂(スチレンアクリル樹脂)などが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンおよびこれらの誘導体など。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル(n−ブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの誘導体など。
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
ビニル樹脂の製造方法は、特に制限されず、上記単量体の重合に通常用いられる過酸化物、過硫酸塩、過硫化物、アゾ化合物などの任意の重合開始剤を用い、塊状重合、溶液重合、乳化重合法、ミニエマルション法、分散重合法など公知の重合手法により重合を行う方法が挙げられる。また、分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばアルキルメルカプタン、メルカプト脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
また、ビニル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量は、重量平均分子量(Mw)で10,000〜100,000であると好ましい。
各色の着色剤含有トナーは、結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂)ならびに離型剤に加え、各色に応じた着色剤を含む。
ブラックトナーに用いられるブラック用の着色剤としては、特に制限されず、カーボンブラック、磁性体、染料、その他の顔料などを任意に使用することができる。カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、またはランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、またはコバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、またはマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などを用いることができる。また、その他の顔料としてはチタンブラック、アニリンブラックなどを用いることができる。
イエロートナーに用いられるオレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、特に制限されない。例えば、有機顔料として、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー81、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー93、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー103、C.I.ソルベントイエロー104、C.I.ソルベントイエロー112、C.I.ソルベントイエロー162等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
マゼンタトナーに用いられるマゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、特に制限されない。例えば、有機顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、ピグメントレッド81;4、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269等が挙げられる。また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、ソルベントレッド11、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド58、C.I.ソルベントレッド68、C.I.ソルベントレッド111、C.I.ソルベントレッド122等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
シアントナーに用いられるグリーンもしくはシアン用の着色剤としては、特に制限されない。例えば、有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントブルー76、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー69、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、着色剤(粒子)の大きさとしては、特に制限されないが、体積基準のメジアン径が、10〜1000nmであると好ましく、50〜500nmであるとより好ましく、80〜300nmであると特に好ましい。かような範囲であると高い色再現性を得ることができるほか、高画質に必要な小径トナーの形成に適している点で好ましい。なお、着色剤(粒子)の体積基準のメジアン径は、例えば、マイクロトラック(登録商標、以下同じ)粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明で用いられる各色の着色剤含有トナーのトナー粒子は、それぞれ、離型剤(ワックス)を含む。
本発明で用いられる各色の着色剤含有トナーは、必要に応じて他の内添剤を含んでもよい。かような内添剤としては、荷電制御剤が挙げられる。荷電制御剤の例としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン化合物、有機ホウ素化合物、および含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。
トナー粒子は、いわゆる単層構造を有するものであってもよいし、コア−シェル構造(コア粒子の表面にシェル層を形成する樹脂を凝集、融着させた形態)を有するものであってもよい。コア−シェル構造のトナー粒子は、着色剤や離型剤等を含有したガラス転移温度が比較的低い樹脂粒子(コア粒子)表面に、比較的高いガラス転移温度を有する樹脂領域(シェル層)を有する形態であると好ましい。なお、コア−シェル構造は、シェル層がコア粒子を完全に被覆した構造のものに限定されるものではなく、例えば、シェル層がコア粒子を完全に被覆せず、所々コア粒子が露出しているものも含む。
低温定着性を向上させるという観点から、トナー粒子の平均円形度は0.920〜1.000であることが好ましく、0.940〜0.995であることがより好ましい。ここで、上記平均円形度は「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナー粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数4000個の適正濃度で測定を行う。円形度は下記式で計算される。
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
トナー粒子の粒子径について、体積基準のメジアン径(D50)が3〜10μmであると好ましい。体積基準のメジアン径を上記範囲とすることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を、大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。また、トナー流動性も確保できる。ここで、トナー粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、例えば、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
本発明に係る各色の着色剤含有トナーは、帯電性能や流動性、またはクリーニング性を向上させる観点から、トナー粒子表面に公知の無機粒子や有機粒子などの粒子、滑剤等を外添剤として含有することが好ましい。外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。粒子としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子およびチタニア粒子などの無機酸化物粒子や、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子などの無機ステアリン酸化合物粒子、またはチタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸亜鉛粒子などの無機チタン酸化合物粒子などが挙げられる。また、滑剤としては、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これら外添剤は、耐熱保管性および環境安定性の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸またはシリコーンオイルなどによって表面処理が行われたものであってもよい。外添剤は、単独でもまたは2種以上混合したものでも用いることができる。
以下、本発明において用いられる各色の着色剤含有トナー(静電潜像現像用トナー)の製造方法について説明する。
乳化凝集法とは、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の粒子(以下、「結着樹脂粒子」ともいう)の分散液を、離型剤の粒子(以下、「離型剤粒子」ともいう)の分散液と混合し、所望の粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。ここで、結着樹脂の粒子は、任意に着色剤、荷電制御剤などを含有していてもよい。
(a)結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、非晶性樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液および離型剤粒子分散液を調製する工程(以下、調製工程とも称する)
(b)結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、非晶性樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液および離型剤粒子分散液を混合して凝集・融着させる工程(以下、凝集・融着工程とも称する)
を含む。
工程(a)は、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液調製工程、非晶性樹脂粒子分散液調製工程、着色剤粒子分散液調製工程および離型剤粒子分散液調製工程を含む。
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液調製工程は、結着樹脂を構成する結晶性ポリエステル樹脂を合成し、この結晶性ポリエステル樹脂を水性媒体中に微粒子状に分散させて結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製する工程である。本発明では、少なくとも、最も抵抗の低い着色剤含有トナー以外の抵抗の高い着色剤含有トナーの結晶性ポリエステル樹脂は、上記したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含むものである。よって、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液のうち、少なくとも、最も抵抗の低い着色剤含有トナー以外の抵抗の高い着色剤含有トナー用の分散液には、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子を含む分散液を用いる。以下、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子を含む分散液についても結晶性ポリエステル樹脂分散液として説明する。
非晶性樹脂粒子分散液調製工程では、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液および/またはビニル樹脂の水系分散液を準備する。ここで、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製方法は上記の(a−1)と同様の方法が用いられるため、ここでは詳細な説明を省略し、以下では、ビニル樹脂粒子分散液の調製方法(調製工程)を説明する。
着色剤粒子分散液調製工程は、着色剤を水性媒体中に微粒子状に分散させて着色剤粒子の分散液を調製する工程である。
離型剤粒子分散液調製工程は、離型剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて離型剤粒子の分散液を調製する工程である。
この凝集・融着工程は、水系媒体中で前述の結晶性ポリエステル樹脂粒子、非晶性樹脂粒子、着色剤粒子および離型剤粒子を凝集させ、凝集させると同時にこれら粒子を融着させる工程である。
この工程は、必要に応じて行われるものであって、当該熟成工程においては、凝集・融着工程によって得られた会合粒子を熱エネルギーにより所望の形状になるまで熟成させてトナー粒子を形成させる熟成処理が行われる。
この工程は、トナー粒子の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理の条件としては、1〜20℃/分の冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法などを例示することができる。
この工程は、冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去して洗浄する工程である。
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥する工程であり、一般的に行われる公知のトナー粒子の製造方法における乾燥工程に従って行うことができる。
この工程は、トナー粒子に対して外添剤を添加する場合に必要に応じて行う工程である。
上記各色の着色剤含有トナーは、それぞれ、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
本発明のカラー画像形成方法は、記録媒体上に、上記各色着色剤含有トナー(静電潜像現像用トナー)を用いて画像形成層を形成することを含む。すなわち、本発明は、抵抗がそれぞれ異なる着色剤を含む複数色の着色剤含有トナーを用いたカラー画像形成方法であって、前記着色剤含有トナー(イエロートナー(Y)、マゼンタトナー(M)、シアントナー(C)およびブラックトナー(K))は、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含み、少なくとも、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多いことを特徴とするカラー画像形成方法を提供する。
熱ローラ方式の定着装置は、一般に、加熱ローラと、これに当接する加圧ローラとによるローラ対を有する。当該定着装置において、加熱ローラと加圧ローラとの間に付与された圧力によって加圧ローラが変形することにより、この変形部にいわゆる定着ニップ部が形成される。
ベルト加熱方式の定着装置は、一般に、例えばセラミックヒータよりなる加熱体と、加圧ローラと、これらの加熱体と加圧ローラとの間に耐熱性ベルトよりなる定着ベルトが挟まれてなるものであり、加熱体と加圧ローラとの間に付与された圧力によって加圧ローラが変形されることにより、この変形部にいわゆる定着ニップ部が形成されてなるものである。
記録媒体(記録材、記録紙、記録用紙等ともいう)は、一般に用いられているものでよく、例えば、画像形成装置等による公知の画像形成方法により形成したトナー像を保持するものであれば特に限定されるものではない。使用可能な画像支持体として用いられるものには、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙等の塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布、いわゆる軟包装に用いられる各種樹脂材料、あるいはそれをフィルム状に成形した樹脂フィルム、ラベル等が挙げられる。
[非晶性樹脂のガラス転移温度および結晶性樹脂の融点]
非晶性ポリエステル樹脂およびビニル樹脂(スチレンアクリル樹脂)のガラス転移温度(Tg)は、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定した。まず、測定試料(樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットした。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。そして、昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/分で200℃から0℃まで冷却する冷却過程、および昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によってDSC曲線を得た。この測定によって得られたDSC曲線に基づいて、その第2昇温過程における第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(Tg)とした。
各樹脂のGPCによる分子量(重量平均分子量および数平均分子量)は、以下のようにして測定した。すなわち、装置「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー株式会社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流した。測定試料(樹脂)は、濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させた。当該溶液の調製は、超音波分散機を用いて、室温にて5分間処理を行うことにより行った。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出した。単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成された検量線に基づいて、測定試料の分子量分布を算出した。上記検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
[非晶性ポリエステル樹脂1〔AP樹脂1〕の合成]
下記の非晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌装置および熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱して溶解させた。
・テレフタル酸 66.9質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 228.6質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 57.1質量部。
上記非晶性ポリエステル樹脂1〔AP樹脂1〕 100質量部を、400質量部の酢酸エチルに溶解し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液 638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(株式会社日本精機製作所製)でV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散後した後、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%の非晶性ポリエステル樹脂分散液1〔AP分散液1〕を調製した。得られた非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1〔AP分散液1〕について、非晶性ポリエステル樹脂粒子の平均粒径(体積基準のメジアン径)は110nmであった。なお、非晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)にて測定した。
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部およびイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温80℃として、下記単量体の混合液を1時間かけて滴下した。
・n−ブチルアクリレート 250.0質量部
・メタクリル酸 68.0質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱した。加熱後、上記第1段重合により調整したスチレンアクリル樹脂からなる非晶性樹脂分散液Aを固形分換算で300質量部と、下記単量体、連鎖移動剤および離型剤を90℃にて溶解させた混合液とを添加した。
・n−ブチルアクリレート 45.5質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 45.5質量部
・メタクリル酸 33.1質量部
・n−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤) 5.5質量部
・ベヘン酸ベヘニル(離型剤、融点73℃) 130.0質量部。
上記第2段重合により得られたスチレンアクリル樹脂からなる非晶性樹脂分散液Bにさらにイオン交換水400質量部を添加し、よく混合した後、過硫酸カリウム6.0質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加した。さらに、81℃の温度条件下で、下記単量体および連鎖移動剤の混合液を1時間かけて滴下した。
・n−ブチルアクリレート 143.2質量部
・メタクリル酸 52.0質量部
・n−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤) 8.0質量部。
ドデシル硫酸ナトリウム 90.0質量部をイオン交換水 1600.0質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル(登録商標)330R」(キャボット社製) 320.0質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、ブラック着色剤粒子分散液〔Bk〕を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 95.0質量部をイオン交換水 1600.0質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントイエロー74 250.0質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、イエロー着色剤粒子分散液〔Ye〕を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 95.0質量部をイオン交換水 1600.0質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントレッド122 250.0質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、マゼンタ着色剤粒子分散液〔Ma〕を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 90.0質量部をイオン交換水 1600.0質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントブルー15:3 420.0質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、シアン着色剤粒子分散液〔Cy〕を調製した。
下記のスチレンアクリル樹脂の単量体、結晶性ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂のいずれとも反応する置換基を有する単量体および重合開始剤の混合液を滴下ロートに入れた。
・n−ブチルアクリレート 1.4質量部
・アクリル酸 0.8質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 7.0質量部。
・1,6−ヘキサンジオール 296.0質量部。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂1〔HBCP樹脂1〕30質量部を溶融させて溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態のハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂1〔HBCP樹脂1〕の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で運転することにより、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1〔HBCP分散液1〕を調製した。得られた〔HBCP分散液1〕中のハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径は160nmであった。なお、上記体積基準のメジアン径(D50)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)にて測定した(以下、同様)。
上記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂1〔HBCP樹脂1〕の合成において、各単量体の量を下記表1のように変更した以外は、上記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂1〔HBCP樹脂1〕の合成と同様にすることによって、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂2〜7〔HBCP樹脂2〜7〕を得た。得られたハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂2〜7〔HBCP樹脂2〜7〕の重量平均分子量(Mw)、融点(mp)は、下記表1に示す。
上記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1〔HBCP分散液1〕の調製と同様の方法で、上記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂2〜7〔HBCP樹脂2〜7〕を用いて、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2〜7〔HBCP分散液2〜7〕を調製した。得られたハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液中のハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径は下記表2に示す。
(非晶性ポリエステル樹脂8Aの調製)
下記の非晶性ポリエステル樹脂の単量体を、撹拌器、窒素導入管、温度センサーおよび精留塔を備えた反応容器に入れ、1時間かけて190℃まで昇温し、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。その後、エステル化触媒としてTi(O−n−Bu)4を0.4質量部加え、190℃を保持したまま、生成する水を留去しながら5時間反応を行った(反応容器内に非晶性ポリエステル樹脂8Aを調製した)。
・フマル酸 1.2質量部
・トリメリット酸 3.2質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 15.0質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 46.0質量部。
また、下記の結晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
・1,6−ヘキサンジオール 296.0質量部。
その後、上記結晶性ポリエステル樹脂8Cを調製した反応容器(四つ口フラスコ)に、エステル化触媒としてTi(O−n−Bu)4を0.8質量部と、上記で調製した非晶性ポリエステル樹脂8Aとを投入し、235℃まで昇温して、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間、反応を行った。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂8〔HBCP樹脂8〕30質量部を溶融させて溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態のハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂8〔HBCP樹脂8〕の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で運転することにより、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液8〔HBCP分散液8〕を調製した。得られた〔HBCP分散液8〕中のハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径は180nmであった。
下記の結晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
・1,6−ヘキサンジオール 173.0質量部。
結晶性ポリエステル樹脂1〔CP樹脂1〕100質量部を、400質量部の酢酸エチルに溶解し、あらかじめ調製しておいた0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザーUS−150T(株式会社日本精機製作所製)によりV−LEVEL 300μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプV−700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1〔CP分散液1〕を調製した。当該分散液1〔CP分散液1〕中の結晶性ポリエステル樹脂粒子は、体積基準のメジアン径が160nmであった。
着色剤粒子の抵抗は、「デジタル超高抵抗/微少電流計 5450」(株式会社エーディーシー製)で測定した体積抵抗率にて求めた。体積抵抗率の具体的な測定方法は、着色剤粒子 80質量部と、非晶性ポリエステル樹脂1〔AP樹脂1〕 20質量部を混合し、この粒子を直径35mm、高さ2mmの円盤状のペレットに成形し、当該ペレットに、上記電流計を用いて500Vの電圧にて測定することによって体積抵抗率を求めた。ペレットの成型時の圧力は150kNであり、加圧時間は10秒間である。また、上記体積抵抗率は、電圧印加の3分後の測定値に基づく。
[ブラック現像剤〔Bk1〕の作製]
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、スチレンアクリル樹脂からなる非晶性樹脂粒子分散液1〔SA分散液1〕 398質量部(固形分換算)、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔HBCP分散液1〕 49質量部(固形分換算)、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩を4.47質量部(固形分換算)およびイオン交換水 2000質量部を投入した。室温下(25℃)で、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
上記ブラック現像剤〔Bk1〕の作製において、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔HBCP分散液1〕の代わりに使用する分散液の種類および使用量を、以下の表3のようにしたこと以外は、同様の手順にて作製し、ブラック現像剤〔Bk2〕〜〔Bk9〕を得た。
上記ブラック現像剤〔Bk1〕の作製において、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔HBCP分散液1〕の代わりに使用する分散液の種類および使用量、ならびにブラック着色剤粒子分散液〔Bk〕の代わりに使用する着色剤粒子分散液の種類および使用量を、以下の表4のようにしたこと以外は、同様の手順にて作製し、イエロー現像剤〔Ye1〕〜〔Ye13〕を得た。
上記ブラック現像剤〔Bk1〕の作製において、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔HBCP分散液1〕の代わりに使用する分散液の種類および使用量、ならびにブラック着色剤粒子分散液〔Bk〕の代わりに使用する着色剤粒子分散液の種類および使用量を、以下の表5のようにしたこと以外は、同様の手順にて作製し、マゼンタ現像剤〔Ma1〕〜〔Ma12〕を得た。
上記ブラック現像剤〔Bk1〕の作製において、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔HBCP分散液1〕の代わりに使用する分散液の種類および使用量、ならびにブラック着色剤粒子分散液〔Bk〕の代わりに使用する着色剤粒子分散液の種類および使用量を、以下の表6のようにしたこと以外は、同様の手順にて作製し、シアン現像剤〔Cy1〕〜〔Cy12〕を得た。
(1)低温定着性の評価
複写機「bizhub PRESS(登録商標) C1070」(コニカミノルタ株式会社製)を用い、定着装置を、加熱ローラの表面温度(定着温度)を120〜180℃の範囲で変更することができるように改造したものに、上記で作製した各色の現像剤を下記表7の組み合わせ(カラートナー(現像剤)セット)でそれぞれ装填して評価を行った。
複写機「bizhub PRESS(登録商標) C1070」(コニカミノルタ株式会社製)を用い、上記で作製した各色の現像剤を下記表7の組み合わせ(カラートナー(現像剤)セット)でそれぞれ装填して評価を行った。
12 最も抵抗の低い着色剤(例:ブラック着色剤)、
13 ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂、
14 最も抵抗の低い着色剤含有トナー中の低抵抗部、
21 抵抗の高い着色剤含有トナー(例:YMC等のカラートナー)、
22 抵抗の高い着色剤(例:カラー着色剤)、
23 ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂、
24 抵抗の高い着色剤含有トナー中の低抵抗部。
Claims (11)
- 抵抗がそれぞれ異なる着色剤を含む複数色の着色剤含有トナーを用いたカラー画像形成方法であって、
前記着色剤含有トナーは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含み、
少なくとも、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多い、カラー画像形成方法。 - 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーはブラックトナーである、請求項1に記載のカラー画像形成方法。
- 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーは、イエロートナー、マゼンタトナー、およびシアントナーである、請求項1または2に記載のカラー画像形成方法。
- 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量は、0〜1質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
- 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量は、1〜20質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
- 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が3〜10質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
- 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントは、前記非晶性樹脂と同種の樹脂で構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
- 前記最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントは、スチレン・アクリル重合セグメントである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
- 前記着色剤含有トナー中の前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が5〜15質量%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
- 抵抗がそれぞれ異なる着色剤を含む複数色の着色剤含有トナーとして少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、およびブラックトナーの4種のトナーを有するカラートナーセットであって、
前記4種のトナーは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、および離型剤を含有し、
少なくとも最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーである前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、および前記シアントナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性重合セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナー以外の着色剤含有トナーである前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、および前記シアントナーに含まれる前記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量が、最も抵抗が低い着色剤を含む着色剤含有トナーである前記ブラックトナーに含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂中の非晶性重合セグメントの含有量よりも多い、カラートナーセット。
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