JP6855563B2 - 空気極、金属空気電池および空気極の製造方法 - Google Patents

空気極、金属空気電池および空気極の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、金属空気電池に用いられる空気極、その空気極を用いた金属空気電池および空気極の製造方法に関する。
金属空気電池は、空気極、燃料極、および電解液などから構成され、燃料として使用される金属(以下、燃料金属と称する)が電気化学的な反応によって金属酸化物に変化する過程で得られる電気エネルギーを取り出す電池である。金属空気電池においては代表的な燃料金属として、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カルシウム、リチウムが挙げられる。
例えば、燃料金属が亜鉛である場合、放電時の燃料極では、亜鉛と水酸化物イオンが反応し、水酸化亜鉛が生成されると共に、電子が放出される。放出された電子は空気極へ流れるが、これによって生じる電流が電池の出力となる。水酸化亜鉛は、更に酸化亜鉛と水に分解され、水は電解液内にもどる。放電時の空気極では、空気中に含まれる酸素と燃料極より受け取った電子とが、空気極の触媒により水と反応し、水酸化物イオンに変化する。この水酸化物イオンは、電解液中をイオン伝導し、燃料極へ到達する。
上記サイクルにより、空気極から取り込んだ酸素を利用し、亜鉛を燃料とすることで、酸化亜鉛を形成する中で連続的な電力取り出しを実現している。
このような金属空気電池において、空気極には例えば基材として多孔質の炭素材料が使用され、基材の表面には、反応をより活性化させるための触媒や、フッ素系撥水剤がコーティングされている。フッ素系撥水剤は、基材表面の撥水性を向上させ、空気極の特性低下を防止する役割を有している。基材表面の撥水性が低い場合、空気極内に電解液が浸み込み、空気極での反応面積(電解液(液相)、酸素(気相)、触媒(固相)による三相界面の面積)が低下して特性が低下する。
特許文献1には、金属空気電池に使用される空気極触媒層の製造方法が開示されている。具体的には、活性炭、マンガン酸化物およびカーボンブラックを含む混合粉末に結着剤および撥水剤として機能するフッ素樹脂粉末を加え、エチルアルコールを加えて混練後、加熱した二本のローラに数回通して所定厚のシート状に成形する方法が開示されている。
特開平7−201335号公報
上記特許文献1における空気極触媒層の製造方法では、混練工程においてフッ素樹脂粉末を分散させたとしても、その後の圧延工程によってローラによる圧延方向にフッ素樹脂粉末が繊維化及び凝集化され、空気極触媒層の撥水性が不均一となる。そのため、空気極触媒層の中に電解液が浸透しやすい部分が局所的に存在し、空気極の寿命を短くする要因となっていた。
従来では、撥水性の不均一性による空気極の寿命低下を補うために、フッ素樹脂粉末の含有量を増やして空気極触媒層の撥水性を向上させていたが、この方法では空気極の電気抵抗が上がり、金属空気電池の特性低下につながるといった問題がある。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、空気極の表面の撥水性が均一となり、空気極の寿命を向上させることが可能な空気極およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示は、酸素還元触媒と、導電助剤と、撥水性樹脂とを含む空気極であって、前記撥水性樹脂は空気極内で繊維化されており、その繊維は多方向に配向し、網目状となっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、空気極に含まれる撥水性樹脂が多方向に配向し、網目状に繊維化されることで、空気極の撥水性が均一になり、空気極の中に電解液が浸透することを効果的に防止できる。その結果、空気極の寿命を向上させることができる。また、従来の製造方法に比べて、撥水性樹脂の含有量を増やすことなく撥水性を向上させることができる。このため、同程度の寿命を有する従来の空気極と比べると、撥水性樹脂の含有量を減らすことで、空気極の電気抵抗を下げることができる。
また、上記空気極では、前記酸素還元触媒は酸化マンガンとすることが好ましい。さらに、前記酸化マンガンはα型二酸化マンガンであることがより好ましい。
上記の構成によれば、α型を有する化成二酸化マンガンを酸素還元触媒とすることで、空気極における触媒活性を高めることができる。
また、上記空気極では、前記α型二酸化マンガンは、粒子径が50nmより大きく15μm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、α型二酸化マンガンの粒子径を15μm以下とすることで、空気極の電気抵抗の増加を防止できる。また、粒子径を50nmより大きくすることで、α型二酸化マンガン1個に対して接触する導電助剤の数が低下し、酸素還元活性が低下することを防止できる。
また、上記空気極では、前記α型二酸化マンガンは、平均粒子径が100nmより大きく2μm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、α型二酸化マンガンの平均粒子径を2μm以下とすることで、α型二酸化マンガンと導電助剤との接触数が大きくなり、酸素還元活性を向上させることができる。また、平均粒子径を100nmより大きくすることで、α型二酸化マンガンの凝集を抑制し、α型二酸化マンガンと導電助剤との接触数が大きくなり、酸素還元活性を向上させることができる。
また、上記空気極では、前記α型二酸化マンガンは、比表面積が150m2/g〜300m2/gであることが好ましい。
また、上記空気極では、前記導電助剤は、カーボンブラックであることが好ましい。さらに、前記カーボンブラックはアセチレンブラックであることがより好ましい。
上記の構成によれば、アセチレンブラックは他のカーボンブラックと比べ、表面官能基が少なく撥水性に富むため、空気極の耐久性向上(電解液浸透抑制)に寄与する。
また、上記空気極では、前記カーボンブラックは、平均粒子径が20〜40nmであることが好ましい。
また、上記空気極では、前記撥水性樹脂はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)であることが好ましい。
上記の構成によれば、PTFEは、圧延時にローラによるせん断力が加えられることで容易に繊維化するため、本開示の空気極において好適に使用できる。
また、上記空気極では、前記PTFEは、平均繊維径が100〜200nmであることが好ましい。
上記の構成によれば、PTFEの平均繊維径を200nm以下とすることで、空気極の電子伝導が妨げられず、空気極の電気抵抗が増加し電池性能が低下することを防止できる。また、平均繊維径を100nm以上とすることで、結着力が十分でなくなり、空気極の力学的強度が低下することを防止できる。
また、上記空気極では、前記酸素還元触媒に対する前記導電助剤の重量比は、1.2〜1.7であることが好ましい。
上記の構成によれば、酸素還元触媒と導電助剤との接触数を最大化させ、酸素還元活性を向上させることができる。
また、上記空気極では、前記撥水性樹脂は、空気極の総重量の15〜25%であることが好ましい。
上記の構成によれば、撥水性樹脂の重量を15%以上とすることで、撥水性が不十分となって空気極の寿命が短くなることを防止できる。また、撥水性樹脂の重量を25%以下とすることで、絶縁体であるPTFEの比率が高まって空気極の電気抵抗が大きくなることを防止できる。
また、上記空気極では、前記撥水性樹脂がPTFEである場合、前記酸素還元触媒の平均粒子径に対するPTFEからなる繊維の平均繊維径の比が1/20〜2であることが好ましく、1/10〜1/5であることがさらに好ましい。
上記の構成によれば、上記比を1/20以上とすることで、PTFE繊維が細くなって酸素還元触媒への結着力が弱くなり、空気極の力学的強度が低下して寿命が短くなることを防止できる。また、上記比を2以下とすることで、太い繊維のPTFEによって酸素還元触媒が覆われることで酸素還元触媒が電解液に十分濡れず、三相界面を形成できずに電池性能が低下することを防止できる。
また、上記空気極では、前記撥水性樹脂が空気極に占める重量割合を、前記撥水性樹脂の平均繊維径で除した値が、75〜250であることが好ましい。上記値は、撥水性樹脂の繊維密度を反映する。
上記の構成によれば、撥水性樹脂の繊維密度が小さい場合に、撥水性に劣り、空気極の寿命が低下するといった不具合を防止できる。また、繊維密度が高い場合に、撥水性が高すぎて三相界面を形成できず電池性能が低下したり、電極の電気抵抗が高くなったりするといった不具合を防止できる。
また、本開示の金属空気電池は、金属負極と空気極とを有する金属空気電池であって、前記空気極は、上記記載の空気極であることを特徴としている。
また、本開示の空気極の製造方法は、酸素還元触媒と、導電助剤と、撥水性樹脂とを含む空気極の製造方法であって、前記酸素還元触媒と、前記導電助剤と、前記撥水性樹脂とを水溶媒で混錬する混錬工程と、前記混錬工程で得られた混錬物をローラで圧延する圧延工程と、を含み、前記圧延工程は、混錬物に対するローラでの圧延を、少なくとも2つ以上の異なる圧延方向にて行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、圧延工程において、混錬物に対するローラでの圧延を少なくとも2つ以上の異なる圧延方向にて行うことで、空気極に含まれる撥水性樹脂が多方向に配向し、網目状に繊維化される。これにより、空気極の撥水性が均一になり、空気極の中に電解液が浸透することを効果的に防止できる。その結果、空気極の寿命を向上させることができる。
また、上記空気極の製造方法では、異なる2つの圧延方向において、その圧延方向のなす角が10°以上170°以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、圧延方向のなす角度を10°以上170°以下とすることで、撥水性樹脂の網目構造を十分に形成することが可能となる。
また、上記空気極の製造方法では、前記混錬工程の前に、前記酸素還元触媒と前記導電助剤とを混合する混合工程とを含み、前記混錬工程では、前記混合工程で得られ、かつ、前記酸素還元触媒と前記導電助剤とを含む混合物と、前記撥水性樹脂とを水溶媒で混錬することが好ましい。
また、上記空気極の製造方法では、前記混錬工程の前に、前記酸素還元触媒を粉砕する粉砕工程をさらに含むことが好ましい。
本開示の空気極及びその製造方法では、空気極に含まれる撥水性樹脂が多方向に配向し、網目状に繊維化される。これにより、空気極の撥水性が均一になり、空気極の中に電解液が浸透することを効果的に防止でき、空気極の寿命を向上させることができるといった効果を奏する。
本開示の一実施形態を示すものであり、金属空気電池に使用される空気極の製造方法を示す工程図である。 (a)は従来の製造方法(一方向圧延)で作成された空気極のSEM(Scanning Electron Microscope)像であり、(b)は本開示の実施形態の製造方法(多方向圧延)で作成された空気極のSEM像である。 金属空気電池の概略構成を示す断面図である。 金属空気電池の他の構成を示す断面図である。
〔実施の形態1〕
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本開示の一実施形態を示すものであり、金属空気電池に使用される空気極の製造方法を示す工程図である。
混合工程S1では、導電助剤として乾燥(80℃で15時間以上)させたカーボン(デンカ株式会社製のアセチレンブラック デンカブラック粉状)および酸素還元触媒(中央電気工業株式会社製のα型二酸化マンガン CMD−K200)の粉末材料が混合される。カーボン及び酸素還元触媒の混合比は、重量比3:2の比率とする。
混合工程S1は、容器回転形、あるいは、容器固定形の混合機、もしくは、粉砕機で行うものとし、上記粉末材料を混合機に入れて混合する。容器回転形混合機としてはVブレンダ、容器固定形混合機としてはヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどがある。また、混合工程S1は、比重の異なるカーボンと触媒を均一に混合すること好ましいため、かき混ぜ機、気流の吹込みを利用する容器固定形混合機、あるいは、粉砕機を利用してもよい。かき混ぜ機、容器固定形混合機、あるいは粉砕機を利用することで、酸素還元触媒を細かく粉砕しながら、導電助剤と酸素還元触媒を混合する。
混合工程S1において、特に、Vブレンダやヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機を使う場合は、粉体へ加わるせん断応力が弱く酸素還元触媒の粉砕が進まない可能性がある。そこで、後述する混錬工程S2の前に、触媒を粉砕する粉砕工程S0を実施してもよい。粉砕工程S0は、酸素還元触媒材料を粉砕機に入れて粉砕し、酸素還元触媒の粒子径を小さくする。粉砕機としては、ロール式、媒体式、高速回転衝撃式、あるいは、気流式などの粉砕方式を利用した粉砕機が使用できる。ロール式粉砕機としてはローラーミル、媒体式粉砕機としてはボールミル、高速回転衝撃式粉砕機としてはハンマミル、気流式粉砕機としてはジェットミルなどがある。中でも、粉砕媒体が気体であり粉砕媒体に起因する不純物混入の可能性が低いジェットミルを使用することが望ましい。ジェットミルとしては、日清エンジニアリング社製のSJ−100や、NETZSCH社製のCGS−10などを使用することができる。混合工程S1または混錬工程S2の前に、粉砕工程S0によって酸素還元触媒の粒子径を小さくすることで、酸素還元触媒と導電助剤との接触面積を大きくし、酸素還元活性を向上させることができる。
例えば、酸素還元触媒(中央電気工業株式会社製のα型二酸化マンガン CMD−K200)の平均粒子径は10μmであったが、粉砕工程S0において、日清エンジニアリング社製のSJ−100を用いて、酸素還元触媒を粉砕することで、粉砕後の酸素還元触媒の平均粒子径は1.5μmとなった。その後、混合工程S1としてカワタ製のスーパーミキサSMV−20を用いた場合、混合後の酸素還元触媒の平均粒子径は混合前とほぼ同じであった。上記の酸素還元触媒について、混合工程S1においてカワタ製のスーパーミキサSMV−20を用いた場合、混合後の酸素還元触媒の平均粒子径は9μmであったのに対して、媒体式粉砕機であるボールミルにてカーボンと酸素還元触媒材料とを混合しながら、酸素還元触媒を粉砕した場合の酸素還元触媒の平均粒子径は2μmであった。
混錬工程S2では、混合工程S1で作製した粉末材料に結着剤(ダイキン工業株式会社製PTFE(polytetrafluoroethylene)分散液(60wt% PTFE))および純水が加えられ、二軸混練機にて混練される。ここでの粉末材料および結着剤の混合比は、重量比3:1の比率とする。
圧延工程S3では、最初に、混錬工程S2で作製した混練物を一塊にしてロール圧延機にて圧延し、所定厚さ(例えば、3mm)のシート状とする。ロール圧延における荷重は0.5トン以上、30トン以下が望ましい。0.5トン未満だと、空気極が有する弾性により所望する狙いまで均等に薄くできず、30トンを超えると空気極にクラックや割れが生じる可能性がある。さらに、上記所定厚さのシート状混練物に対し、さらに複数回かつ多方向のロール圧延を実施し、最終的に所望厚さ(例えば、0.6mm)のシート状とする。
具体例としては、第1段階の圧延として3mmから1.6mmまでは200μmずつ、第2段階の圧延として1.6mmから1mmまでは100μmずつ、第3段階の圧延として1mmから0.6mmまでは50μmずつ厚みを薄くしていく。上記各段階の圧延では一方向(往復)に圧延を行い、第1段階から第2段階に移る際、および第2段階から第3段階に移る際に圧延方向を90°回転させる。
尚、上記具体例では、ローラによる圧延方向(往復)を90°ずつ回転させているため、ローラによる回転方向は、第1および第3段階における第1圧延方向と、第2段階における第2圧延方向との2方向である。しかしながら、本開示における多方向圧延はこれに限定されるものではなく、ローラによる圧延方向が少なくとも2方向以上であればよい。
また、異なる2つの圧延方向において、その圧延方向のなす角は上記例のように90°に限定されるものではなく、10°以上170°以下の範囲であればよい。圧延方向のなす角度が10°未満もしくは170°を超える場合、撥水性樹脂の網目構造の形成が不十分になる可能性がある。
乾燥工程S4では、圧延工程S3で作製したシート状の混練物を、常圧で10時間かけて60℃まで昇温し、さらに3時間保持し、その後放冷する。カット工程S5では、乾燥後の混練物を所望のサイズに切断することで、金属空気電池に使用される個々の空気極が得られる。
上記製造方法にて作成される空気極では、結着剤として使用される撥水性樹脂(PTFE)が、圧延工程S3において受けるせん断力によって繊維化する。また、圧延工程S3においては、ローラの圧延方向が多方向とされているため、撥水性樹脂の繊維の延びる方向も多方向となり、繊維が網目状となる。
図2(a)は従来の製造方法(一方向圧延)で作成された空気極のSEM(Scanning Electron Microscope)像であり、図2(b)は本実施形態の製造方法(多方向圧延)で作成された空気極のSEM像である。SEM像は、日立ハイテクノロジーズ製 走査型電子顕微鏡S−4800を用いて撮影した。これらのSEM像において、繊維状に見えているのが、撥水性樹脂である。これより、一方向圧延の場合は撥水性樹脂の繊維方向が一方向であるのに対し、多方向圧延の場合は撥水性樹脂の繊維が多方向に延びて網目状となっていることが確認できる。
このように、空気極に含まれる撥水性樹脂が多方向に配向し、網目状に繊維化されることで、空気極の撥水性が均一になり、空気極の中に電解液が浸透することを効果的に防止できる。その結果、空気極の寿命を向上させることができる。また、従来の製造方法に比べて、撥水性樹脂の含有量を増やすことなく撥水性を向上させることができる。このため、同程度の寿命を有する従来の空気極と比べると、撥水性樹脂の含有量を減らすことで、空気極の電気抵抗を下げることができる。
(引張実験)
実際に、従来の製造方法である一方向圧延にて作成した空気極と、本実施の形態1に係る多方向圧延にて作成した空気極との引張実験を行った。
従来の製造方法である一方向圧延にて作製した空気極と、本実施の形態1に係る多方向圧延にて作製した空気極について、40mm×5mmのサイズの試験片を、試験片の長辺が互いに異なる方向となるように、10つずつ切り出した。試験片の両端10mmを固定し、5mm/分の引張速度で、小型卓上試験機(EZ Graph)にて引張試験を実施し、破断するまでの変異量を測定したところ、一方向圧延にて作製した空気極と、多方向圧延にて作製した空気極とで、各試験片が破断するまでの変異量の最小値を比較すると、多方向圧延にて作製した空気極は一方向圧延にて作製した空気極の2倍であった。
(濡れ性評価実験)
また、従来の製造方法である一方向圧延にて作製した空気極と、本実施の形態1に係る多方向圧延にて作製した空気極に対して、7mol/Lの水酸化カリウム水溶液を0.5μl滴下して濡れ性評価実験を行ったところ、一方向圧延にて作製した空気極よりも、多方向圧延にて作製した空気極において、接触角が大きかった。濡れ性評価試験は、試験片に水酸化カリウム水溶液を滴下して、1分後にキーエンス製デジタルマイクロスコープVHX500で撮影した写真を利用して接触角を測定した。
多方向圧延にて作製する場合、撥水性樹脂が多方向に配向し、網目状に繊維化されることで、引張強度が増加し、撥水性が向上することで接触角が大きくなったものと考えられる。
(寿命測定実験)
実際に、従来の製造方法である一方向圧延にて作成した空気極と、本実施の形態1に係る多方向圧延にて作成した空気極との寿命測定実験を行ったところ、多方向圧延にて作成した空気極は、一方向圧延にて作成した空気極に比べ、約1.8〜3.7倍の寿命向上が確認された。上記実験において、一方向圧延にて作成した空気極と多方向圧延にて作成した空気極は、圧延工程以外の工程については同様に製造され、同じ厚みを有する。上記実験は、金属負極(亜鉛負極を使用)、電解液(KOH水溶液を使用)および空気極を備えた金属空気電池にて放電を行い、電池の放電電圧が実験開始時の初期電圧の90%を下回った時点を寿命とした。一方向圧延にて作製した空気極においては、初期電圧の90%を下回った時点において、空気を取り込む側から電解液が染み出していることが目視で確認されたが、多方向圧延にて作製した空気極では、同じ経過時間においては、電解液の染み出しは確認されなかった。一方向圧延にて作製した空気極では、電解液が染み出すことにより、三相界面が形成されなくなり空気極の特性が低下したものと考えられる。
また、PTFEの含有量を重量比20%として多方向圧延にて作成した空気極の寿命が、PTFEの含有量を重量比30%として一方向圧延にて作成した空気極の寿命に比べ、PTEEの含有量が2/3に減っているにも関わらず、1.6倍の寿命が得られることも確認された。これは、多方向圧延することにより、PTFEが多方向に配向し、網目状に繊維化され、撥水性が均一になったことで、PTEEの含有量を減らしても寿命が向上したものと考えられる。
〔実施の形態2〕
本実施の形態2では、本開示の空気極に使用される材料についてより詳細に説明する。
(導電助剤)
導電助剤は、カーボンやSbドープSnO2のような酸化物など、空気極における導電助剤として用いられるものであり、基本的には、電池の技術分野で一般的に使用されるものであればよく、その種類は特に限定されない。但し、導電助剤には、カーボンブラックが好適に利用でき、特にアセチレンブラックがより好適に利用できる。アセチレンブラックは、他のカーボンブラックと比べ、表面官能基が少なく、撥水性に富むため、空気極の耐久性向上(電解液浸透抑制)に寄与する。また、カーボンブラックは、平均粒子径が20〜40nmであることが好ましい。平均粒子径が20nm以下の場合、微細孔が発達しすぎ、電解液の浸透が促進するおそれがある。平均粒子径が40nmより大きい場合、カーボンブラックの比表面積が小さくなり、カーボンブラック上で起こる2電子還元反応のスピードが稼げず、放電電圧が低下するおそれがある。尚、導電助剤の平均粒子径は、日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡S−4800を用いて、視野内に観察される導電助剤の一次粒子径を計測、平均することで求めることができる。導電助剤は酸素還元触媒と比べ電子伝導性が大きいため、SEM像においては、黒く暗い粒子状物質が導電助剤であり、灰色で明るくチャージアップした粒子状物質が酸素還元触媒あると区別することができる。
(酸素還元触媒)
酸素還元触媒は、金属空気電池の放電時において空気極での反応をより活性化させるために含まれる触媒であり、電池技術の分野で一般的に使用されるものであればよく、その種類は特に限定されない。但し、酸素還元触媒には、酸化マンガンが好適に利用でき、特にα型二酸化マンガンがより好適に利用できる。二酸化マンガンの酸素還元活性は、α型>β型>λ型>γ型の順であり、触媒活性の観点でα型を有する化成二酸化マンガンを採用することが好ましい。α型二酸化マンガンは、MnO6八面体が立体的につながり、結晶内に2×2トンネルと呼ばれる空間を含む。一方、γ型二酸化マンガンは、MnO6八面体が立体的につながり、結晶内にそれぞれ1×1トンネル、1×2トンネルと呼ばれる2つの空間を含むものである。
酸素還元触媒としてα型二酸化マンガンを用いる場合、粒子径が50nm〜15μmであることが好ましい。α型二酸化マンガンは電子伝導性が低いため、粒子径が15μmを超えると、空気極の抵抗が増加する。一方、粒子径が50nmを下回ると、α型二酸化マンガン1個に対して接触する導電助剤の数が低下し、酸素還元活性が低下する。これは、導電助剤上で2電子還元した後、酸化マンガン上で2電子還元するので、酸化マンガンと導電助剤との接触数が触媒活性に影響するためである。
また、酸素還元触媒としてα型二酸化マンガンを用いる場合、平均粒子径が100nm〜2μmであることが好ましい。α型二酸化マンガンの平均粒子径を2μm以下とすることで、α型二酸化マンガンと導電助剤との接触数が大きくなり、酸素還元活性を向上させることができる。平均粒子径を100nm以上とすることで、比表面積が大きく凝集しやすいα型二酸化マンガンの凝集を抑制することができる。その結果、α型二酸化マンガンと導電助剤との接触数が大きくなり、酸素還元活性を向上させることができる 。
酸素還元触媒としてγ型二酸化マンガンを用いる場合、平均粒子径が20〜100nmであることが好ましい。γ型二酸化マンガンはα型二酸化マンガンに対して、触媒活性に劣るため、平均粒子径が100nmより大きい場合、比表面積が小さくなり、酸素還元活性が低下する。平均粒子径が20nmより小さい場合、粒子径が小さすぎ、導電助剤と混合した際に、γ型二酸化マンガンの凝集が起こり、導電助剤との接触点が少なくなり、酸素還元活性が低下する。ここで、酸素還元触媒単体の粒子径および平均粒子径は、水を分散媒とし、セイシン企業株式会社製 Laser Micron Sizer LMS−2000eにて測定した。また、空気極に含まれる酸素還元触媒の粒子径および平均粒子径は、導電助剤と同様に、日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4800を用いて撮影したSEM像の画像分析により測定することができる。
酸素還元触媒としてα型二酸化マンガンを用いる場合、比表面積が150m2/g〜300m2/gであることが好ましい。比表面積が150m2/gを下回ると、空気極の酸素還元活性が落ちるおそれがあり、比表面積が300m2/gを上回ると、粒子径が小さすぎ、導電助剤と混合した際に、α型二酸化マンガンの凝集が起こり、導電助剤との接触点が少なくなり、酸素還元活性が低下する。酸素還元触媒の比表面積は、Quantachrome製 窒素吸着測定装置 NovaWin2を用いて計測した。
(結着剤)
結着剤は、導電助剤及び酸素還元触媒を結着させる機能に加え、空気極に撥水性を与える撥水剤としても機能する。このため、結着剤には、撥水性樹脂であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、特にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を用いることが好ましい。PTFEは、上述した圧延工程S3において、ローラによるせん断力が加えられることで容易に繊維化するため、本開示の空気極において好適に使用できる。
また、空気極において繊維化されたPTFEは、平均繊維径が100〜200nmであることが好ましい。平均繊維径が200nmを超えると、空気極の電子伝導を妨げるため、空気極の電気抵抗が増加し、電池性能も低下する。一方、平均繊維径が100nmを下回ると、結着力が十分でなくなり、空気極の力学的強度が低下する。PTFEの平均繊維径は、日立ハイテクノロジーズ製 走査型顕微鏡 S−4800を用いて、空気極を20000倍にて観察した際に、6.4×4.8μmの視野内に存在する繊維を採寸し平均値を算出する作業を10ヶ所の異なる視野において行い、総平均を算出することで求めた。
酸素還元触媒に対する導電助剤の重量比は1.2〜1.7であることが好ましい。この数値範囲内であれば、酸素還元触媒と導電助剤との接触数を最大化させ、酸素還元活性を向上させることができる。これは例えば、酸素還元触媒として酸化マンガンを使用する場合、導電助剤上で2電子還元した後、酸化マンガン上で2電子還元するので、酸化マンガンと導電助剤との接触数が触媒活性に影響するためである。
また、結着剤である撥水性樹脂の重量比は、空気極総重量の15〜25%であることが好ましい。撥水性樹脂の重量が15%を下回ると、撥水性が十分でなく、空気極への電解液浸透の結果、空気極の寿命が短くなる。一方、25%を上回ると、絶縁体であるPTFEの比率が高まるため空気極の電気抵抗が大きくなる。
また、空気極において繊維化されたPTFEは、酸素還元触媒の平均粒子径に対するPTFEの平均繊維径の比が1/20〜2であることが好ましく、さらに1/10〜1/5であることが好ましい。空気極において、最も大きい構成材料である酸素還元触媒の平均粒子径に対して、PTFEの平均繊維径の比が1/20を下回る場合、細い繊維のPTFEでは酸素還元触媒への結着力が弱くなり、空気極の力学的強度が低下して寿命が短くなる。一方、2を上回る場合、太い繊維のPTFEによって酸素還元触媒が覆われるため、酸素還元触媒が電解液に十分濡れず、三相界面を形成できずに電池性能が低下する。
また、結着剤である撥水性樹脂が空気極に占める重量割合を、撥水性樹脂の平均繊維径で除した値が、75〜250であることが好ましい。この値は、撥水性樹脂の繊維密度を反映する。撥水性樹脂の繊維密度が小さい場合は、撥水性に劣り、空気極の寿命が低下する。一方、繊維密度が高い場合は、撥水性が高すぎて、三相界面を形成できず電池性能が低下したり、電極の電気抵抗が高くなったりする問題がある。
〔実施の形態3〕
本実施の形態3では、本開示の空気極を利用する金属空気電池について説明する。図3は、金属空気電池の概略構成を示す断面図である。
図3に示す金属空気電池1は、電槽40の内部に金属負極10、空気極20を配置し、さらに電解液30を充填してなる構造である。金属負極10および空気極20は、電解液30中に少なくとも一部が浸漬した状態で互いに平行に配置されている。金属負極10は、負極活物質となる金属を含む。空気極20は、放電時に正極として用いられる。
また、空気極20は、大気に含まれる酸素ガスが拡散できるように設けられる。例えば、空気極20は、少なくとも空気極20の表面の一部が大気に曝されるように設けることができる。図3に示した金属空気電池では、電槽40に空気取込口41を設けており、空気取込口41を介して大気に含まれる酸素ガスが空気極20中に拡散できる。尚、この空気取込口41を介して空気極20に水を供給してもよい。
実施の形態1にて説明した空気極は、そのまま単独で図3における空気極20として使用することも可能である。一方、空気極20は、図4に示すように、空気極集電体21と空気極触媒層22とを組み合わせたものを用いることも可能である。
空気極集電体21は、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。電解液30としてアルカリ性水溶液を使用する場合には、耐腐食性の観点から、ニッケル、あるいは、ステンレスなどの金属素材の表面に対してニッケルメッキを施した材料を使用することが望ましい。メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで空気極集電体21を多孔性とすることができる。
図4に示すような空気極集電体21と空気極触媒層22とからなる空気極20を用いる場合、実施の形態1にて説明した空気極は空気極触媒層22に相当する。すなわち、特許請求の範囲に記載の空気極は、図3に示す空気極20、および図4に示す空気極触媒層22の何れにも相当する概念である。
また、金属負極10は、負極活物質を含む従来の金属空気電池に使用されるものであれば使用できる。さらに、金属負極10は、図4に示すように、負極集電体11と負極活物質層12とを備える構成であってもよい。負極集電体11および負極活物質12は、従来の金属空気電池に使用されるものであれば使用できる。
また、電解液30は、従来の金属空気電池に使用されるものであれば使用できる。金属負極として亜鉛を使用する場合、水酸化カリウム水溶液などの強アルカリ性水溶液が用いられる。強アルカリ性水溶液は、pHが相対的に低い電解液と比べ浸透性が高いため、実施の形態1にて説明した空気極を利用することで、電解液の浸透を効果的に抑制できる。
尚、図3,図4に示されている金属空気電池1は、本開示が適用される金属空気電池の最も簡素な一構成例に過ぎず、本開示はこれに限定されるものではない。本開示の空気極は、空気極を利用する全ての種類の金属空気電池において適用可能である。例えば、本開示の金属空気電池は、金属負極10および空気極20以外に、酸素発生極(充電時に正極となる電極)を有する金属空気二次電池であってもよい。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
本国際出願は、2017年3月16日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2017−051277号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017−051277号の全内容を参照により本国際出願に援用する。
1 金属空気電池
10 金属負極
11 負極集電体
12 負極活物質層
20 空気極
21 空気極集電体
22 空気極触媒層(空気極)
30 電解液
40 電槽

Claims (20)

  1. 金属空気電池に用いられる空気極であって、
    酸素還元触媒と導電助剤と撥水性樹脂とが混合した触媒層を備え、
    前記撥水性樹脂は前記触媒層内で繊維化されており、その繊維は多方向に配向し、網目状となっていることを特徴とする空気極。
  2. 請求項1に記載の空気極であって、
    前記酸素還元触媒は、酸化マンガンであることを特徴とする空気極。
  3. 請求項2に記載の空気極であって、
    前記酸化マンガンは、α型二酸化マンガンであることを特徴とする空気極。
  4. 請求項3に記載の空気極であって、
    前記α型二酸化マンガンは、粒子径が50nm〜15μmであることを特徴とする空気極。
  5. 請求項3に記載の空気極であって、
    前記α型二酸化マンガンは、平均粒子径が100nm〜2μmであることを特徴とする空気極。
  6. 請求項3から5の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記α型二酸化マンガンは、比表面積が150m2/g〜300m2/gであることを特徴とする空気極。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記導電助剤は、カーボンブラックであることを特徴とする空気極。
  8. 請求項7に記載の空気極であって、
    前記カーボンブラックは、アセチレンブラックであることを特徴とする空気極。
  9. 請求項7に記載の空気極であって、
    前記カーボンブラックは、平均粒子径が20〜40nmであることを特徴とする空気極。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記撥水性樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする空気極。
  11. 請求項10に記載の空気極であって、
    前記ポリテトラフルオロエチレンは、平均繊維径が100〜200nmであることを特徴とする空気極。
  12. 請求項1から11の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記酸素還元触媒に対する前記導電助剤の重量比は、1.2〜1.7であることを特徴とする空気極。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記撥水性樹脂は、空気極の総重量の15〜25%であることを特徴とする空気極。
  14. 請求項1から13の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記撥水性樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであり、
    前記酸素還元触媒の平均粒子径に対する前記ポリテトラフルオロエチレンからなる繊維の平均繊維径の比が1/10〜1/5であることを特徴とする空気極。
  15. 請求項1から14の何れか一項に記載の空気極であって、
    前記撥水性樹脂が空気極に占める重量割合を、前記撥水性樹脂の平均繊維径で除した値が、75〜250であることを特徴とする空気極。
  16. 金属負極と空気極とを有する金属空気電池であって、
    前記空気極は、請求項1から15の何れか一項に記載の空気極であることを特徴とする金属空気電池。
  17. 金属空気電池に用いられる空気極の製造方法であって、
    素還元触媒と、導電助剤と、撥水性樹脂とを水溶媒で混錬する混錬工程と、
    前記混錬工程で得られた混錬物をローラで圧延し、前記酸素還元触媒と前記導電助剤と前記撥水性樹脂とが混合した触媒層を形成する圧延工程と、を含み、
    前記圧延工程は、混錬物に対するローラでの圧延を、少なくとも2つ以上の異なる圧延方向にて行うことで、多方向に前記撥水性樹脂の繊維化が行われることを特徴とする空気極の製造方法。
  18. 請求項17に記載の空気極の製造方法であって、
    異なる2つの圧延方向において、その圧延方向のなす角が10°以上170°以下であることを特徴とする空気極の製造方法。
  19. 請求項18に記載の空気極の製造方法であって、
    前記混錬工程の前に、前記酸素還元触媒と前記導電助剤とを混合する混合工程とを含み、
    前記混錬工程では、前記混合工程で得られ、かつ、前記酸素還元触媒と前記導電助剤とを含む混合物と、前記撥水性樹脂とを水溶媒で混錬することを特徴とする空気極の製造方法。
  20. 請求項18または19に記載の空気極の製造方法であって、
    前記混錬工程の前に、前記酸素還元触媒を粉砕する粉砕工程をさらに含むことを特徴とする空気極の製造方法。
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