JP6855332B2 - 振動試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動台上に保持した供試体を水平方向に振動させるようにした振動試験装置に関する。
従来より、例えば自動車用の部品やタイヤ等、種々の物品の振動試験を行うために、それらの供試体を振動台上に保持して加振するようにした振動試験装置が知られている。この種の振動試験装置を用いれば、実際の使用状態を模擬するように振動させながら、物品の振動特性や安全性に関する試験を行うことができる。一例として特許文献1には、振動台の水平方向一側に動電型の加振機(振動発生機)を連結して、水平方向に加振するようにしたものが記載されている。
前記従来例の振動試験装置では、その載置台部の上に加振機本体と補助支持台部とが載置され、この補助支持台部に水平方向に摺動自在に振動台が支持されている。そして、振動台の水平方向一側に動電型の加振機の振動部が連結されており、これにより振動台を加振することで、その上に保持された供試体を振動試験のための周波数で振動させながら、その特性や安全性などを調べることができる。
特開2003−337079号公報
ところで、前記従来例のような振動試験装置では、加振機によって振動台をその真横から加振するようにしており、この加振軸に対して、振動台および供試体を合わせた被加振部全体の重心が高くなることから、重心周りの回転力が発生してしまう。このため、振動台の組み付け時のガタや軸受の僅かな隙間等に起因して、加振方向ではない方向の振動(クロストーク振動)が発生することがあり、これによって振動試験の精度が悪化するおそれがあった。
特に、振動台上に保持された供試体の重心が高い場合には、その分、振動台と合わせた被加振部全体の重心も高くなってしまい、その重心周りの回転力が大きくなることから、上述のようなクロストーク振動による試験精度の悪化が懸念される。
本発明はこのような実情を考慮してなされたもので、水平加振時に供試体および振動台にクロストーク振動が発生しないようにして、振動試験の精度を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、供試体が保持される振動台と、この振動台の水平方向一側に連結されて、当該振動台を水平方向に振動させる水平加振機とを備えた振動試験装置を対象として、前記水平加振機の加振軸が、前記供試体および振動台を合わせた被加振部全体の重心と同じ高さになるように、当該振動台の高さを調整可能な高さ調整機構を備えている。
このような構成の振動試験装置では、振動台の水平方向一側に連結された水平加振機の加振軸が、その振動台と供試体とを合わせた被加振部全体の重心と同じ高さになるように、当該振動台の高さを調整することができる。こうすれば、水平加振機によって振動台に水平方向の加振力を加えたときに、この振動台および供試体の重心周りに回転力が発生することはない。
つまり、仮に供試体の背が高くて、振動台と合わせた被加振部全体の重心が高くなっていても、その下方に加振軸がずれないように、言い換えると加振軸が重心を通過するように、振動台の高さを調整することができる。こうすれば、水平加振時に供試体および振動台に垂直方向のクロストーク振動が発生することを防止でき、これにより振動試験の精度が向上する。
本発明の振動試験装置の具体的な構成として、例えば前記振動台を流体軸受によって基台上に水平方向にスライド自在に支持するとともに、前記高さ調整機構は、前記振動台を流体軸受と共に垂直方向に移動させて、その高さを調整可能な構成とするのが好ましい。また、振動台および流体軸受を支持する基台そのものの高さを、前記高さ調整機構によって調整可能とするのが特に好ましい。こうすれば、その基台に配設したオイル供給系から流体軸受へ安定的にオイルを供給することができる。
より具体的に前記高さ調整機構は、前記基台の荷重を支持する空気ばねからなるマウント部材と、当該基台を支持柱に対し垂直方向に移動可能に連結するスライダと、を備えることが好ましい。こうすれば、マウント部材(空気ばね)に圧縮空気を供給または排出し、その空気圧を調整することによって、振動台および流体軸受を基台ごと垂直方向に移動させることができる。なお、圧縮空気は一般的に工場設備の駆動用に設けられている高圧エアを利用すればよい。
また、前記振動台としては、上面に供試体が載置される載置部と、その水平方向一側に立設されて、前記水平加振機に連結される連結部と、この連結部および前記載置部を連繋して補強する補強部とを備えることが好ましい。こうすれば、連結部および載置部の結合剛性を十分に高めて、水平加振機からの加振力を連結部から載置部へ好適に伝達し、供試体を狙い通りに振動させることが可能になる。
但し、そうして補強部によって連結部および載置部の結合剛性を高くしようとすれば、自ずとそれらの重量が嵩むきらいがあり、振動台および供試体を振動させるために必要な加振力が大きくなって、振動試験のための電力ロスなどが増大するおそれがある。そこで、前記載置部、連結部および補強部を一体的に形成することによって、振動台の剛性を高めつつも軽量化を図ることが好ましい。
また、前記水平加振機については、静磁場を生成するための励磁コイルと、この励磁コイルにより生成された静磁場による磁気回路および磁気ギャップを形成するためのヨークと、その磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルとを備え、前記励磁コイルに供給される直流電流と、前記ドライブコイルに供給される所定周波数の交流電流とによって振動を発生するように構成することが好ましい。
以上の如く本発明によれば、振動台の水平方向一側に連結された水平加振機の加振軸の高さが、供試体および振動台を合わせた被加振部全体の重心と同じ高さになるように、当該振動台の高さを調整することができる。こうすることによって、水平加振時に供試体および振動台にクロストーク振動が発生することを防止でき、振動試験の精度を向上できる。
本発明の実施形態に係る振動試験装置の概略構成を示す側面図である。 振動試験装置の概略構成を示す上面図である。 振動試験装置の振動台の概略構成を示す正面図である。 流体軸受の構造を示す図2のIV-IV線断面図である。 水平加振機の構造の一例を示す図2のV-V線断面図である。 スリップテーブルの形状が異なる他の実施形態に係る図1相当図である。 水平加振時に重心周りの回転力が発生する従来例に係る図1相当図である。
本発明の実施形態について主に図1〜3を参照して説明する。図1に示すように振動試験装置1は、フロアに設置された基台2と、この基台2上に流体軸受3を介してスライド自在に支持されたスリップテーブル4(振動台)と、このスリップテーブル4を加振する水平加振機5と、図示しない制御装置などとを備えている。振動試験装置1は、スリップテーブル4上に保持された供試体Sに対し、水平加振機5によって水平方向の振動を加える(即ち水平加振する)ことができる。
なお、説明の便宜上、図2ではスリップテーブル4を取り外し、図3ではさらに水平加振機5も取り外して、基台2や流体軸受3の構造を示している。また、図1における左右方向(X軸方向)を前後方向と呼び、水平加振機5の先端側(図1の右側:+X)を前側と呼ぶこともあり、同様に、図3における左右方向(Y軸方向)を左右方向と呼び、その左側(−Y)、右側(+Y)を左側、右側と呼ぶこともある。そして、図1、3における上下方向が垂直方向(Z軸方向)であり、図2において紙面と直交する方向である。
前記の基台2は、例えば角パイプなどのフレーム部材20を複数、組み合わせてボックス状に構成したものであり、図示の例では前後方向に比べて左右方向に小さく、上下方向にはさらに小さな形状とされている。そして、基台2の上部には前記の如くスリップテーブル4を支持する流体軸受3が配設されている一方、基台2の下部の4隅にはマウント部材6が配設されて、基台2、流体軸受3、スリップテーブル4、供試体Sなどの荷重を支持している。
本実施形態において前記のマウント部材6は、いわゆるベローズ型の空気ばねであり、その上端部および下端部にはそれぞれフランジが設けられている。また、マウント部材6中間部はリング部材61によって絞られ、全体として蛇腹状とされており、図示しない空気配管によって圧縮空気の供給を受けることにより、上下に伸縮するようになっている。なお、圧縮空気としては一般的に工場設備の駆動用に設けられている高圧エアなどを利用する。
また、基台2の左右両側にはそれぞれ側壁となる板部材21が配設され、フレーム部材20に締結されている。そして、これらの板部材21がスライダ71によって支持柱7に対し垂直方向にスライド移動可能に連結されている。この支持柱7は、図示の例では基台2の左右両側において前後方向に離間して2つずつ立設されており、それぞれに垂直方向に延びるレール部材71aが敷設されている。これら各レール部材71aには2つずつ、スライド駒71bがスライド自在に取り付けられている。
この構成により、前記した4隅のマウント部材6の空気ばねに圧縮空気を供給または排出し、その空気圧を調整することによって、基台2、流体軸受3およびスリップテーブル4を支持柱7のスライダ71に沿って垂直方向に移動させることができる。つまり、本実施形態では前記のマウント部材6、支持柱7およびスライダ71によって、スリップテーブル4の高さを調整する高さ調整機構が構成されている。
なお、図1〜3には示さないが基台2の内部には、フレーム部材20や板部材21に取り囲まれるようにして、オイルポンプ34(図4を参照)など流体軸受3へのオイル供給系が設けられている。オイルポンプ34は、後述するようにオイルを吸入して流体軸受3に供給するものであり、この流体軸受3から排出されたオイルが再びオイルポンプ34に吸入される。
−流体軸受−
前記の流体軸受3は、スリップテーブル4の荷重を最大9つの軸受領域において分散支持しつつ、水平方向にスライド自在としたものである。すなわち、図2に表れているように本実施形態では、9つの軸受領域全体を覆う矩形状のトップカバー30が配設されており、その下方においてそれぞれ前後方向に延びる3つの軸受ブロック31に、3つずつ軸受領域が設けられている。
図3にも表れているように、3つの軸受ブロック31は互いに左右方向に離間して配設され、べースプレート32の上面に固定されている。このベースプレート32は矩形状の板部材であって、その四辺がそれぞれ基台2の上部のフレーム部材20に取り付けられて、以下に述べるように軸受ブロック31の上面から流下するオイルの受け皿(オイルパン)としても機能するようになっている。
すなわち、図2、3などに表れているように3つの軸受ブロック31は、左右両側のものに比べて中間のものがやや幅広になっているが、基本的な構造は同じであって、四角柱状の本体部の長手方向(前後方向)に延びるようにエレメント収容部31aが設けられ、これに対し個々の軸受領域において軸受エレメント33が収容され、前後方向にスライド可能になっている。
図4には拡大して断面で示すように、軸受エレメント33は断面逆T字状とされていて、その下部は同じく断面逆T字状のエレメント収容部31aに嵌め込まれている。一方、軸受エレメント33の上部は軸受ブロック31の上面から上方に突出し、トップカバー30を貫通して、その上面に載置されるスリップテーブル4(図4には仮想線で示す)の床部40にボルトなど(図示せず)によって締結される。
そして、図4に表れているように軸受エレメント33の内部にはオイル通路33aが設けられ、複数カ所で分岐するオイルポート33bを介してエレメント収容部31aとの隙間にオイルを供給するようになっている。なお、オイル通路33aは、図4では紙面に直交する方向である前後方向に延びていて、図示しないオイル配管を介してオイルポンプ34(模式的に示す)からオイルの供給を受けるようになっている。
そのようにしてオイル通路33aやオイルポート33bから供給されるオイルは、軸受エレメント33とエレメント収容部31aとの隙間に油膜を形成する。すなわち、互いに嵌め合わされた断面逆T字状の軸受エレメント33およびエレメント収容部31aの隙間に油膜が形成されることで、軸受エレメント33が前後方向には摺動自在に支持されるとともに、その左右方向および上下方向には振動の抑制が図られる。
また、そうして軸受エレメント33とエレメント収容部31aとの隙間に油膜を形成したオイルは、その後、軸受ブロック31の上面に溢れ出て、トップカバー30の下面との間にも油膜を形成するようになる。そして、図4に矢印で示すように、オイルは軸受ブロック31の上面の外周縁から流下し、ベースプレート32上に一時、貯留された後にオイルポンプ34に吸入される。
−スリップテーブル−
前記のような流体軸受3によって支持されるスリップテーブル4は、図示の例では9つの軸受領域の上方を覆うように設けられており、言い換えると、それら9つの軸受領域の全てを使用して支持されている。そして、本実施形態のスリップテーブル4は、左右方向よりも前後方向に長い矩形状の床部40(載置部)と、その外周に沿って上方に立設された周壁部41とからなる。
前記の床部40上には一例としてエンジンである供試体Sが載置され、図示しない冶具により固定されており、この供試体Sを取り囲むように床部40の外周に立設された周壁部41が、鋳造ないし鍛造によって床部40と一体に形成されている。つまり、スリップテーブル4の床部40と周壁部41とが一体的に設けられており、このことで、高い剛性が確保されている。
また、本実施形態のスリップテーブル4は、その床部40上に載置される供試体Sと合わせた被加振部全体の重心Gaの高さが、周壁部41における高さ方向の中央寄り(例えば周壁部41の高さの1/3〜2/3くらい)に位置するように、供試体Sの重量およびその重心の高さに合わせて設計、製作されている。そして、その周壁部41のうちの水平加振機5側(水平方向の一側であり、図1において左側)の部分が、水平加振機5に連結されている。
すなわち、図1に表れているようにスリップテーブル4の後側(図1の左側)の周壁部41には、水平加振機5のジョイント部55から突出するシャフト56の先端部が溶接などによって取り付けられており、これにより、水平加振機5からの水平方向の加振力がスリップテーブル4に伝達されるようになっている。こうして振動を伝達するシャフト56の軸心を以下、加振軸Lと呼ぶ。
そのように水平加振機5に連結されている周壁部41の一部が水平加振機5との連結部であり、それ以外の部位において周壁部41は、連結部および床部40を連繋する補強部として機能している。つまり、本実施形態の周壁部41は、前記の連結部および補強部が一体的に設けられたものであり、この周壁部41が床部40と一体に形成されていることから、スリップテーブル4全体として高い剛性を確保しつつ、軽量化が図られている。
なお、図1に表れているようにスリップテーブル4には、その水平方向の加速度を検出するための加速度センサ42が取り付けられている。この加速度センサ42は、スリップテーブル4の周壁部41において重心Gaと同じ高さに、即ち加振軸Lが通過するように配設されて、図示しない制御装置に接続されている。
−水平加振機−
図1に表れているように水平加振機5は、加振機台59上に設置されており、前記したスリップテーブル4の後側(図1において左側)に連結されて、当該スリップテーブル4を前後方向(X軸方向)に加振するようになっている。なお、加振機台59は、前記した基台2と同様に角パイプなどのフレーム部材を組み合わせて構成され、その上部には水平加振機5の左右一対の支持脚50が締結されている。
本実施形態の水平加振機5は動電型の振動発生機であり、一例を図5に示すように、2つの励磁コイル51a,51b、ヨーク52およびドライブコイル53を備えている。ヨーク52は、強磁性体によって形成された第1〜第3の3つのヨーク部52a,52b,52cを一体的に組み合わせてなり、第1ヨーク部52aの外周面と第2ヨーク部52bの内周面との間に、磁気ギャップが形成されている。
そして、前記第2ヨーク部52bの内周面に、その中心軸(即ち加振軸L)の方向に離隔した状態で前記励磁コイル51a,51bが並んで取り付けられている。励磁コイル51a,51bは、第3ヨーク部52cと、第1ヨーク部52aの外鍔52dとによって位置決めされている。なお、前記3つのヨーク部52a,52b,52cの材料としては、高透磁率で高強度の磁性材料、例えばSS400等の低炭素鋼を用いることができる。
また、ドライブコイル53は、非磁性体からなる筒体54の基端側(図5の左側)の外周面に巻回されており、励磁コイル51a,51bとヨーク52との間の磁気ギャップ内に、それら励磁コイル51a,51bおよびヨーク52とは非接触の状態で挿入されている。なお、筒体54の材料としては、非磁性体の高強度の金属(例えばアルミニウム合金)や、合成樹脂(例えばカーボンファイバ)等を用いることができる。
それらのドライブコイル53および筒体54は、加振軸Lの方向である前後方向に進退可能に設けられている。すなわち、制御装置によって電力増幅器を介して励磁コイル51a,51bに直流電流を供給することにより、励磁コイル51a,51bを取り巻くヨーク52内に磁気回路(静磁場)が生成される。ヨーク52には上述したような磁気ギャップが形成されており、ここにも静磁場が生成される。
そして、磁気ギャップ内に配置されたドライブコイル53に、制御装置によって所定周波数の交流電流を供給することで、この交流電流と静磁場との相互作用(ローレンツ力)により、ドライブコイル53が磁束の方向と直交する方向において、交互に向きの変化する力を受けるようになる。これによりドライブコイル53および筒体54は、交流電流の周波数に応じて前後方向に振動する。
こうして振動する筒体54の先端側(図1の右側)には、上述したようにジョイント部55を介してシャフト56が連結されており、ドライブコイル53および筒体54の振動に伴って前後方向に振動する。また、前記筒体54の内部には、ドライブコイル53および筒体54の水平方向のスライドを案内する案内棒57および複数のガイドローラ58が設けられている。なお、ガイドローラ58は、第1ヨーク部52aの内壁面に支持されている。
つまり、本実施形態の振動試験装置1では、前記のように制御装置により水平加振機5を制御することによって、ドライブコイル53および筒体54を一体として加振軸Lの方向(前後方向:X軸方向)に振動させることができる。この振動がシャフト56を介してスリップテーブル4の周壁部41から床部40に伝達され、その上に保持された供試体Sとともに振動する。即ち供試体Sへの水平加振が行われる。
−スリップテーブルの高さ調整−
ところで、そのようにして水平加振機5を制御し、供試体Sの保持されるスリップテーブル4を前後方向(X軸方向)に加振するときには、それら供試体Sおよびスリップテーブル4を合わせた被加振部全体の重心Ga周りに回転力が発生することがあり、これにより加振方向ではない方向の共振(クロストーク振動)が発生して、振動試験の精度が悪化するおそれがあった。
すなわち、図7には従来一般的な振動試験装置の構成例(従来例)を示すように、仮に水平加振機5のジョイント部55がシャフト56を介してスリップテーブル4の床部40に連結されている場合は、その床部40と供試体Sとを合わせた被加振部全体の重心Gaに対して、水平加振機5の加振軸Lが下方にずれることになる。こうなると、その加振軸Lに沿って作用する水平方向の加振力によって、重心Ga周りの回転力が発生する。
すなわち、水平加振時にスリップテーブル4には、重心Gaを中心として時計周りの回転力(図7の矢印M1)と反時計周りの回転力(図7の矢印M2)とが交互に発生する。これにより、スリップテーブル4の僅かなガタや流体軸受3における僅かな隙間等に起因して、垂直加振を行っていないにもかかわらず、スリップテーブル4には垂直方向の振動(クロストーク振動)が発生するのである。
これに対して本実施形態の振動試験装置1では、図1を参照して上述したように、基台2の4隅を支持するマウント部材6(空気ばね)によってスリップテーブル4の高さを調整することができる。よって、供試体Sと合わせた被加振部全体の重心Gaの高さが加振軸Lと同じ高さになるように、スリップテーブル4の高さを調整すれば、前記のように水平加振時に、スリップテーブル4および供試体Sの重心Ga周りに回転力が発生することはない。
すなわち、本実施形態では、スリップテーブル4および流体軸受3を支持する基台2の下部の4隅には、空気ばねであるマウント部材6が配設されており、それぞれの空気圧を調整することができる。そこで、以下のように4つのマウント部材6の空気圧を調整して基台2、流体軸受3およびスリップテーブル4を上下させ、供試体Sおよびスリップテーブル4の重心Gaの高さが加振軸Lと同じ高さになるようにすればよい。
本実施形態では、上述したようにスリップテーブル4の周壁部41に、水平加振機5のジョイント部55から突出するシャフト56が連結されており、このシャフト56の軸心、即ち加振軸Lの高さが、予め計算などによって求めた被加振部全体(供試体Sおよびスリップテーブル4)の重心Gaと同じ高さになっている。但し、供試体Sの個体ばらつきや設置状態によって重心Gaの高さは僅かに変化するので、それに合わせて微調整するのが好ましい。
すなわち、例えばスリップテーブル4に垂直方向の加速度センサを取り付け、これにより検出される垂直方向の加速度に基づいて、スリップテーブル4(または供試体S)にバランスウエイトを付加するとともに、マウント部材6へ圧縮空気を供給して、重量増に対応する。詳しくは、まず、バランスウエイトを付加せずに、制御装置から水平加振機5に所定の試験信号を出力して、筒体54を前進駆動させる。
これにより、ジョイント部55およびシャフト56を介してスリップテーブル4が前方(+X)に押圧されて移動することになるが、このときに加速度センサにより上向きの加速度が検出されれば、スリップテーブル4には重心Ga周りに反時計周りの回転力(図7のM2を参照)が発生している。そこで、スリップテーブル4の床部40など、計算上の重心よりも低い位置にバランスウエイトを付加して、実際の重心Gaの高さを下げるとともに、マウント部材6には所定量、空気を供給する。
反対に、前記のように水平加振機5の筒体54を前進駆動させたとき(即ち、スリップテーブル4が前方に移動するとき)、加速度センサにより下向きの加速度が検出されれば、重心Ga周りに時計周りの回転力(図7のM1を参照)が発生している。そこで、スリップテーブル4の周壁部41の上部など、計算上の重心よりも高い位置にバランスウエイトを付加して、実際の重心Gaの高さを上げるとともに、マウント部材6には所定量、空気を供給する。
このような手順を繰り返して、垂直加速度が殆ど零(予め設定した閾値)になれば、被加振部全体の実際の重心Gaの高さが加振軸Lと同じになっている。そこで、前記のようなバランスウエイトの付加およびマウント部材6の空気圧の調整を終了し、基台2の下部の4隅のマウント部材6のそれぞれに隣接するように専用のブロックを挟んで、高さが変化しないようにする。
つまり、水平加振機5の作動によってスリップテーブル4を前後方向に揺らしたときに、これに伴い発生する垂直方向の加速度が殆ど零になるように、スリップテーブル4の高さを微調整する。こうすることで、水平加振機5の加振軸Lの高さが被加振部全体の重心Gaにほぼ一致するように(即ち加振軸Lが重心Gaを通過するように)なって、クロストーク振動が発生しなくなるのである。
以上、説明したように本実施形態の振動試験装置1では、スリップテーブル4に連結した水平加振機5の加振軸Lの高さが、供試体Sおよびスリップテーブル4を合わせた被加振部全体の重心Gaとほぼ同じになるように、スリップテーブル4の高さを調整することができる。これにより、水平加振時に供試体Sおよびスリップテーブル4にクロストーク振動が発生することを防止して、振動試験の精度を向上させることができる。
また、スリップテーブル4としては、供試体Sの載置される床部40と周壁部41とを一体的に構成し、その周壁部41に水平加振機5から延びるシャフト56を連結している。このため、水平加振機5からの加振力を正確に伝達できる剛性を確保して、供試体Sを狙い通りに振動させることができるとともに、スリップテーブル4の軽量化も図られている。これにより、水平加振機5の作動に伴う電力ロスの増大を抑制できる。
−他の実施形態−
以上のように開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、前記の実施形態によって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば前記の実施形態におけるスリップテーブル4の構成は一例に過ぎず、他の種々の構成が考えられる。すなわち、前記実施形態のスリップテーブル4は、床部40および周壁部41を鋳造ないし鍛造によって一体に形成しているが、これに限らず、例えば周壁部41はパイプ部材をトラス状に組み合わせて形成し、パイプ部の接合部同士を溶接するとともに、床部40に当接する下端部は当該床部40に溶接してもよい。
或いは、図7に一例を示すようにスリップテーブル4を床部40だけで構成し、周壁部41は設けないことも可能である。この場合、同図に示すように水平加振機5の筒体54の先端側には、鋳造または鍛造によって形成したL字状のジョイント部55’を締結し、これによって直接、スリップテーブル4(床部40)と連結することになる。ジョイント部55’の寸法および形状は、水平加振機5の加振軸Lが被加振部全体の重心Gaと同じ高さになるように設定する。
また、前記の実施形態における水平加振機5の構成も一例にすぎず、他の種々の構成の加振機を用いることができる。例えば水平加振機5の励磁コイルの数を変更してもよい。励磁コイルの代わりに永久磁石を用いてもよい。ヨークの組み合わせを他の組み合わせに変更してもよい。また、サーボモータを利用した加振機として構成してもよい。
なお、水平加振機5の好ましい構成としては、静磁場を形成するための励磁コイルと、励磁コイルにより形成された静磁場による磁気回路および磁気ギャップを形成するためのヨークと、磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルとを備えた動電型の構成が挙げられる。
前記の実施形態では、前後方向(X軸方向)の水平加振機5のみを備えた振動試験装置1について説明したが、左右方向(Y軸方向)の水平加振機をさらに備える構成としてもよい。この場合、左右方向の水平加振機の加振軸の高さは、前後方向の水平加振機5と同じ高さにすればよい。
本発明は、水平加振機を備えた振動試験装置に適用して、水平加振時に供試体および振動台にクロストーク振動が発生することを防止し、振動試験の精度を向上させることができるものであり、有益である。
1 振動試験装置
2 基台
3 流体軸受
4 スリップテーブル(振動台)
40 床部(載置部)
41 周壁部(連結部、補強部)
5 水平加振機
51 励磁コイル
52 ヨーク
53 ドライブコイル
6 マウント部材(高さ調整機構)
7 支持柱(高さ調整機構)
71 スライダ(高さ調整機構)
Ga 供試体および振動台を合わせた被加振部全体の重心
L 加振軸
S 供試体

Claims (6)

  1. 供試体が保持される振動台と、この振動台の水平方向一側に連結されて、当該振動台を水平方向に振動させる水平加振機とを備えた振動試験装置であって、
    前記水平加振機の加振軸が、前記供試体および振動台を合わせた被加振部全体の重心と同じ高さになるように、当該振動台の高さを調整可能な高さ調整機構を備えていることを特徴とする振動試験装置。
  2. 請求項1に記載の振動試験装置において、
    前記振動台が流体軸受によって基台上に水平方向にスライド自在に支持されており、
    前記高さ調整機構は、前記振動台を前記流体軸受と共に垂直方向に移動させて、その高さを調整可能に構成されていることを特徴とする振動試験装置。
  3. 請求項2に記載の振動試験装置において、
    前記高さ調整機構は、前記基台の荷重を支持する空気ばねからなるマウント部材と、当該基台を支持柱に対し垂直方向に移動可能に連結するスライダと、を備えていることを特徴とする振動試験装置。
  4. 請求項2または3のいずれかに記載の振動試験装置において、
    前記振動台は、上面に供試体が載置される載置部と、その水平方向一側に立設されて、前記水平加振機に連結される連結部と、この連結部および前記載置部を連繋して補強する補強部とを備えていることを特徴とする振動試験装置。
  5. 請求項4に記載の振動試験装置において、
    前記振動台の載置部、連結部および補強部が一体的に形成されていることを特徴とする振動試験装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1つに記載の振動試験装置において、
    前記水平加振機は、静磁場を生成するための励磁コイルと、この励磁コイルにより生成された静磁場による磁気回路および磁気ギャップを形成するためのヨークと、その磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルとを備え、前記励磁コイルに供給される直流電流と、前記ドライブコイルに供給される所定周波数の交流電流とによって振動を発生するように構成されていることを特徴とする振動試験装置。
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