以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る通信課金システム、通信課金方法及び端末を具体的に開示した本実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(本実施の形態)
本実施の形態では、後述するワイドセルラーネットワークWCNWにおいて利用可能な通信サービスの提供主である通信事業者が、自身の運営する通信サービスの利用に伴う通信料金の課金請求と、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて利用可能な通信サービスの利用に伴う通信料金の課金請求とを一括で、ユーザに対して行う場合を例示して説明する。
図1は、本実施の形態に係る通信課金システム100のシステム構成例を示すブロック図である。図1において、実線はユーザデータの通信を示し、点線は制御信号の通信を示す。通信課金システム100は、ローカルセルラーネットワークLCNWと、ワイドセルラーネットワークWCNWとを含む構成である。ローカルセルラーネットワークLCNWと、ワイドセルラーネットワークWCNWとは、ともにネットワークNW1を介して、インターネットサービス(第2の通信サービスの一例)又は広域IP(Internet Protocol)サービス(第2の通信サービスの一例)を提供する各種の通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)に接続される。ネットワークNW1は、上述した各種の通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)と、ローカルセルラーネットワークLCNW又はワイドセルラーネットワークWCNWとを無線接続し、例えばインターネット網もしくは広域IPサービス網である。
通信課金システム100を利用する複数人の異なるユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)がそれぞれ所持する端末UE1,UE2は、ローカルセルラーネットワークLCNW及びワイドセルラーネットワークWCNWのいずれにも無線接続が可能である。図1では、端末UE1がローカルセルラーネットワークLCNWに無線接続し、端末UE2がワイドセルラーネットワークWCNWに無線接続している例が示されている。なお、図1では図面を簡単にするため、端末は2台のみ図示しているが、ローカルセルラーネットワークLCNW及びワイドセルラーネットワークWCNWのいずれにも無線接続が可能な端末は2台に限定されない。
ローカルセルラーネットワークLCNWは、複数台の基地局(例えば基地局eNB1,eNB2)と、ローカルGW(Gateway)装置10と、ローカルサービス局装置20とを含む構成である。基地局、ローカルGW装置10及びローカルサービス局装置20は、例えばコンピュータであるサーバ装置を用いてそれぞれ構成される。なお、ローカルセルラーネットワークLCNWにおける基地局の敷設数は2に限定されない。
ローカルセルラーネットワークLCNW(第1の通信網の一例)は、例えば屋内エリア(例えば、個宅、集合住宅、ホテル、病院)やローカルエリア(例えば、ショッピングモール、企業の敷地内、工事現場、大学のキャンパス、スマートタウン)での利用を想定して構築される局所的なネットワークである。ローカルセルラーネットワークLCNWは、ローカルエリア内もしくは屋内エリア内において端末(例えば端末UE1)が行う無線通信のトラフィックを収容する。言い換えると、端末は、トラフィックオフロードの観点に配慮し、ローカルセルラーネットワークLCNWが構築されるエリア内では、ワイドセルラーネットワークWCNWを構成する基地局(例えば基地局eNB3,eNB4,eNB5のうちいずれか)よりもローカルセルラーネットワークLCNWを構成する基地局(例えば基地局eNB1,eNB2)に対して優先して無線接続を行う。
ローカルセルラーネットワークLNCWにおける無線通信の使用周波数帯は、例えば高周波数帯(例えば、5G(第5世代移動通信システム))での使用が検討されている28GHz帯である。この28GHz帯は、複数の通信事業者(例えば、既存の広域セルラー通信事業者や、新規参入のソリューションプロバイダ)によって共用される周波数帯域(つまり、共用周波数)になる可能性があると検討されている周波数帯である。本実施の形態において、ローカルセルラーネットワークLCNWは、例えば、既存の広域セルラー通信事業者や、新規参入のソリューションプロバイダである通信事業者のいずれによって運営されて構わない。但し、ローカルセルラーネットワークLNCWにおける無線通信の使用周波数帯は、上述した28GHz帯に限定されないことは言うまでもない。
基地局eNB1,eNB2は、それぞれローカルセルラーネットワークLNCWにおいて利用可能な通信サービス(具体的には、ローカルサービス局装置20により提供される通信サービス)を端末UE1に提供する際に、端末UE1とローカルGW装置10との間の通信を中継する。基地局eNB1,eNB2の内部構成は、例えば既知の構成であるとして、本実施の形態においては詳細な説明を省略する。それぞれの基地局eNB1,eNB2は、端末UE1との間で無線通信を行う際、端末UE1と同一の無線規格方式に準拠した無線通信を実行する。
ローカルセルラーネットワークLCNWは、C/U分離型のネットワークでなくてもよいし、C/U分離型のネットワークであってもよい。本実施の形態では、C/U分離型ではないネットワークを例示する。つまり、ローカルセルラーネットワークLCNWでは、端末UE1との間で行われる制御信号の無線通信並びにユーザデータの無線通信は、端末UE1と無線接続した同一の基地局eNB1又は基地局eNB2により実施される。
基地局eNB1,eNB2は、上述した28GHz帯に基づく高速なスループットを提供可能なスモールセル基地局であり、高密度に配置される。また、それぞれの基地局eNB1,eNB2は、例えば個宅、集合住宅、ホテル、病院、ショッピングモール、企業の敷地内、工事現場、大学のキャンパス、スタジアム、国際会議場の大会議室、スマートタウンに配置される。端末は、いずれのスモールセル基地局との間においても、制御信号を通信し、ユーザデータを通信する。制御信号は、C(Control)−Planeに係るデータを含む。ユーザデータは、U(User)−Planeに係るデータを含む。ユーザデータは、例えば画像データ(例えば動画、静止画)、音声データを含み、データ量の多いデータを含み得る。
C−planeは、無線通信における呼接続や端末の移動管理のための制御信号を通信するための通信プロトコルである。U−planeは、端末と基地局eNB1,eNB2との間で、割り当てられた無線資源を使用して実際に通信(例えば映像通信、音声通信、データ通信)するための通信プロトコルである。
基地局eNB1,eNB2のセル半径は、例えば10m〜100mであり、ワイドセルラーネットワークWCNWを構成する基地局eNB3,eNB4,eNB5により提供されるマクロセルに比べて比較的小さい。
ローカルGW装置10は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて利用可能な通信サービスを提供するローカルサービス局装置20とそれぞれの基地局eNB1,eNB2との間の無線通信を中継するゲートウェイ装置として機能する。例えば、ローカルGW装置10は、ローカルサービス局装置20が提供する通信サービスの利用時の端末における無線通信の通信量(具体的には、上り回線を用いたパケットの総数を示す通信量、下り回線を用いたパケットの総数を示す通信量)を端末ごとに計数して管理する。ローカルGW装置10の内部構成の詳細は、図2を参照して後述する。
ローカルサービス局装置20は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて利用可能な通信サービスを提供する。ローカルサービス局装置20がローカルセルラーネットワークLCNWにおいて提供可能な通信サービスの種類は、ローカルセルラーネットワークLCNWが構築された屋内エリアもしくはローカルエリアの場所やユーザの人数などの特性に応じて、特定の通信サービスに限定されることが好ましいが、特に限定されなくてもよい。ローカルサービス局装置20は、ユーザの操作により端末に対していずれかの通信サービスの利用開始が指示されると、基地局(例えば基地局eNB1)及びローカルGW装置10を介して、指示された通信サービスに関する情報を受信する。ローカルサービス局装置20は、受信された通信サービスに関する情報を基に、その通信サービスの提供主体である通信事業者、並びにその通信サービスの利用時の通信料金を含む課金体系情報を生成して端末に返送する。また、ローカルサービス局装置20は、ローカルGW装置10によって端末ごとに計数された無線通信の通信量に基づいて、それぞれの端末の通信量に対応する通信料金の情報(以下、「LC課金情報」という)を生成する。ローカルサービス局装置20の内部構成の詳細は、図2を参照して後述する。
ワイドセルラーネットワークWCNWは、複数台の基地局(例えば基地局eNB3,eNB4,eNB5)と、MME(Mobility Management Entity)50と、S−GW(Serving Gateway)60と、P−GW(Packet Data Network Gateway)70とを含む構成である。基地局、MME50、S−GW60及びP−GW70は、例えばコンピュータであるサーバ装置を用いてそれぞれ構成される。なお、ワイドセルラーネットワークWCNWにおける基地局の敷設数は3に限定されない。
ワイドセルラーネットワークWCNW(第2の通信網の一例)は、例えば上述した屋内エリアやローカルエリアに該当しない屋外エリア(言い換えると、公衆エリア)での利用を想定して構築されるコアネットワークである。ワイドセルラーネットワークWCNWは、上述した屋外エリアにおいて端末(例えば端末UE2)が行う無線通信のトラフィックを収容する。言い換えると、端末は、ローカルセルラーネットワークLCNWが構築されるエリア外(つまり、屋外エリア)では、ローカルセルラーネットワークLCNWを構成する基地局(例えば基地局eNB1,eNB2)に無線接続できないため、ワイドセルラーネットワークWCNWを構成する基地局(例えば基地局eNB3,eNB4,eNB5のうちいずれか)に対して無線接続を行う。
ワイドセルラーネットワークWCNWにおける無線通信の使用周波数帯は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおける無線通信の使用周波数帯に比べて相当に低い周波数帯(例えば2GHz帯ないし4GHz帯)であることを主流になると考えられる。本実施の形態において、ワイドセルラーネットワークWCNWは、例えば、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)などの4G(第4世代移動通信システム)と同様に、既存の広域セルラー通信事業者によって運営される。但し、ワイドセルラーネットワークWNCWにおける無線通信の使用周波数帯は、上述した28GHz帯に限定されず、例えば、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)などの4G(第4世代移動通信システム)、もしくは3G及び4Gの両方でもよい。
基地局eNB3,eNB4,eNB5は、それぞれワイドセルラーネットワークWNCWにおいて利用可能な通信サービスを端末UE2に提供する際に、端末UE2とネットワークNW1との間の制御信号及びユーザデータのそれぞれの通信を中継する。ワイドセルラーネットワークWCNWにおいて利用可能な通信サービスは、具体的には、ネットワークNW1を介して接続される各種の通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)によって提供されるインターネットサービス又は広域IPサービスである。基地局eNB3,eNB4,eNB5の内部構成は、例えば既知の構成であるとして、本実施の形態においては詳細な説明を省略する。それぞれの基地局eNB3,eNB4,eNB5は、端末UE2との間で無線通信を行う際、端末UE2と同一の無線規格方式に準拠した無線通信を実行する。
なお、それぞれの基地局eNB3,eNB4,eNB5は、複数の異なる無線通信方式(例えば無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)やセル半径)に対応した基地局でもよい。無線アクセス技術(RAT)は、例えば無線通信規格、無線周波数の情報を含む。無線通信規格は、例えばLTE(Long Term Evolution)、無線LAN(Local Area Network)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)、3G(第3世代移動通信システム)、4G(第4世代移動通信システム)であってもよい。
ワイドセルラーネットワークWCNWは、C/U分離型のネットワークでなくてもよいし、C/U分離型のネットワークであってもよい。本実施の形態では、C/U分離型ではないネットワークを例示する。つまり、ワイドセルラーネットワークWCNWでは、端末UE2との間で行われる制御信号の無線通信並びにユーザデータの無線通信は、端末UE2と無線接続した同一の基地局eNB3,eNB4,eNB5のうちいずれかにより実施される。
なお、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて端末(例えば端末UE1)が利用可能な通信サービスと、ワイドセルラーネットワークWCNWにおいて端末(例えば端末UE1)が利用可能な通信サービスとは異なるものでもよいし、同一でもよい。特に、両ネットワークにおいて利用可能な通信サービスが異なる場合には、P−GW70は、別々のネットワークを用いて異なる通信サービスを利用したことに基づくパケットの通信量に対応するそれぞれの通信料金を端末のユーザに一括請求できるので、ユーザへの課金処理時の利便性も向上可能となる。
端末(例えば端末UE2)は、基地局eNB3,eNB4,eNB5との間の無線通信において、制御信号を通信し、ユーザデータを通信する。制御信号は、C(Control)−Planeに係るデータを含む。ユーザデータは、U(User)−Planeに係るデータを含む。ユーザデータは、例えば画像データ(例えば動画、静止画)、音声データを含み、データ量の多いデータを含み得る。
C−planeは、無線通信における呼接続や無線資源割当の制御信号を通信するための通信プロトコルである。U−planeは、端末と基地局eNB3,eNB4,eNB5との間で、割り当てられた無線資源を使用して実際に通信(例えば映像通信、音声通信、データ通信)するための通信プロトコルである。
端末(例えば端末UE2)及び基地局eNB3,eNB4,eNB5は、それぞれが採用可能な無線アクセス技術(RAT、例えば無線通信規格や無線周波数)から無線通信に用いる無線アクセス技術(RAT)を設定し、設定された無線アクセス技術(RAT)を用いて無線通信する。それぞれの端末(例えば端末UE2)及び基地局eNB3,eNB4,eNB5は、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)を採用可能である。無線アクセス技術(RAT)の具体的な情報として、例えば以下のRAT1〜RAT5を含む。RAT1は、例えば周波数帯が700MHz〜3GHzのLTEである。RAT2は、例えば周波数帯が15GHzのLTE−Advancedである。RAT3は、例えば周波数帯が5GHzの無線LAN通信である。RAT4は、例えば周波数帯が15GHz帯の無線通信方式であり、第5世代移動通信方式である。RAT5は、例えば周波数帯が60GHz帯の無線通信方式(例えばミリ波通信)(例えばWiGig)である。
MME50は、S−GW60と各種の基地局(例えば、基地局eNB3,eNB4,eNB5)との間に介在し、ワイドセルラーネットワークWCNWを構成する基地局を収容するとともに、端末(例えば端末UE2)のワイドセルラーネットワークWCNWにおける無線接続の確立や解放を制御する。MME50は、ワイドセルラーネットワークWCNWに無線接続する端末(例えば端末UE2)の位置登録や移動を管理したり、HSS(Home Subscriber Server、図示略)と連携して端末の認証(例えばセキュリティ制御)を行ったり、ユーザデータの転送経路の設定処理を行ったりする。
また、MME50は、ローカルサービス局装置20から制御信号として送信された、ユーザの所持する端末(例えば端末UE1)ごとのローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用時の通信量を示すLC課金情報(後述参照)を受信する。MME50は、その受信された端末ごとのLC課金情報をS−GW60を介してP−GW70に転送する。
S−GW60は、ワイドセルラーネットワークWCNWにおいて端末(例えば端末UE2)から各種の基地局(例えば、基地局eNB3,eNB4,eNB5)が受信したユーザデータを収容してP−GW70に転送する。また、S−GW60は、MME50とP−GW70との間で無線通信の制御信号を中継する。
P−GW70は、課金処理部75及びメモリ77を有し、インターネットサービス又は広域IPサービスを提供する各種の通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)との間で有線接続(例えば光ファイバを用いて接続)され、S−GW60から転送されたユーザデータをネットワークNW1に送信したり、ネットワークNW1から転送されたユーザデータをS−GW60転送したりする。P−GW70は、ワイドセルラーネットワークWCNWにアクセスする端末へのIPアドレスの割り当て、端末の認証、QoS(Quality of Service)制御、PCRF(Policy and Charging Rule Function)に従った課金情報の生成を行う。
P−GW70は、ワイドセルラーネットワークWCNWを用いて提供される通信サービスの利用時の端末における無線通信の通信量(具体的には、上り回線を用いたパケットの総数を示す通信量、下り回線を用いたパケットの総数を示す通信量)を端末ごとに計数してメモリ77に保存して管理する。
課金処理部75は、ワイドセルラーネットワークWCNWを用いて提供される通信サービスの利用時の端末における無線通信の通信量(具体的には、上り回線を用いたパケットの総数を示す通信量、下り回線を用いたパケットの総数を示す通信量)の端末ごとの計数結果と、その通信サービスの課金体系情報とに基づいて、その通信量に対応した通信料金を計算し、計算結果をWC課金情報として生成してメモリ77に保存して管理する。なお、課金処理部75は、P−GW70内に設けられなくてもよく、例えばP−GW70とは別の装置として構成されてよい。
メモリ77は、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を用いて構成され、P−GW70における各種の処理の実行に必要なプログラム及びデータを保持する。また、メモリ77は、P−GW70の処理時に生成されたデータもしくは情報(例えば、課金処理部75により計数された通信量を示す情報)を一時的に保存する。
図2は、本実施の形態に係るローカルセルラーネットワークLCNWの内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。図2において、実線はユーザデータの通信を示し、点線は制御信号の通信を示す。また、図2において、ローカルGW装置10及びローカルサービス局装置20では、それぞれ通信相手との通信における通信I/F(Interface)部の図示を省略している。
ローカルGW装置10は、MME処理部11と、HSS処理部12と、S−GW処理部13と、P−GW処理部14と、PCRF処理部15と、課金処理部16と、メモリ17とを含む構成である。MME処理部11と、HSS処理部12と、S−GW処理部13と、P−GW処理部14と、PCRF処理部15と、課金処理部16とは、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)もしくはFPGA(Field-Programmable Gate Array)のプロセッサを用いて構成される。
MME処理部11は、ローカルサービス局装置20と各種の基地局(例えば、基地局eNB1,eNB2)との間で、ローカルセルラーネットワークLCNWを構成する基地局を収容するとともに、端末(例えば端末UE1)のローカルセルラーネットワークLCNWにおける無線接続の確立や解放を制御する。MME処理部11は、ローカルセルラーネットワークLCNWに無線接続する端末(例えば端末UE1)の位置登録や移動を管理したり、ユーザデータの転送経路の設定処理を行ったりする。
HSS処理部12は、例えば端末の電話番号やSIM(Subscriber Identity Module)などの識別番号を含むユーザ識別情報をそれぞれのユーザが所持する端末ごとに管理する。
S−GW処理部13は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて端末(例えば端末UE1)から各種の基地局(例えば、基地局eNB1,eNB2)が受信したユーザデータを収容してP−GW処理部14に転送する。また、S−GW処理部13は、MME処理部11とP−GW処理部14との間で無線通信の制御信号を中継する。
P−GW処理部14は、ローカルセルラーネットワークLCNWにアクセスする端末へのIPアドレスの割り当て、端末の認証を行う。P−GW処理部14は、S−GW処理部13から転送されたユーザデータをローカルサービス局装置20に転送したり、ローカルサービス局装置20から送信されたユーザデータもしくは課金体系情報をS−GW処理部13に転送したりする。
また、P−GW処理部14は、ネットワークNW1を介して、インターネットサービス又は広域IPサービスを提供する各種の通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)との間で有線接続(例えば光ファイバを用いて接続)され、S−GW処理部13から転送されたユーザデータをネットワークNW1に送信したり、ネットワークNW1から転送されたユーザデータをS−GW処理部13に転送したりする。
また、P−GW処理部14は、上り回線パケット数計数部141及び下り回線パケット数計数部142を有し、ローカルセルラーネットワークLCNWにアクセスする端末がローカルサービス局装置20により提供される通信サービスの利用時の通信量(例えば、無線通信に用いるパケット数量)を計数して管理する。本実施の形態において、1パケットは、例えば128バイトである。
上り回線パケット数計数部141は、ローカルセルラーネットワークLCNWにアクセスする端末(例えば端末UE1)がローカルサービス局装置20により提供される通信サービスにおける上り回線の利用時の通信量(つまり、上り回線を用いたパケットの総数を示す通信量)を計数して管理する。
下り回線パケット数計数部142は、ローカルセルラーネットワークLCNWにアクセスする端末(例えば端末UE1)がローカルサービス局装置20により提供される通信サービスにおける下り回線の利用時の通信量(つまり、下り回線を用いたパケットの総数を示す通信量)を計数して管理する。
PCRF処理部15は、ローカルセルラーネットワークLNCWにおいてローカルサービス局装置20により提供が可能な通信サービスごとの利用時の通信量に対応する課金情報を生成するための課金体系情報(例えば、課金ルール(Policy and Charging Rule Function))を保持して管理する。PCRF処理部15は、課金体系情報を課金処理部16との間で共有する。
課金処理部16は、P−GW処理部14により計数された端末ごとの通信量とPCRF処理部15との間で共有される通信サービスごとの課金体系情報(例えば、課金ルール)と基づいて、通信サービスごとの課金体系情報に従った端末ごとの通信量に対応する課金情報を計算して生成する。課金処理部16は、生成された端末ごとの課金情報(LC課金情報)をメモリ17に保存して管理するとともに、端末ごとの課金情報(LC課金情報)をローカルサービス局装置20又はワイドセルラーネットワークWCNWのMME50に送信する。
メモリ17は、例えばRAM及びROMを用いて構成され、ローカルGW装置10における各種の処理の実行に必要なプログラム及びデータを保持する。また、メモリ17は、課金処理部16により生成された端末ごとの課金情報(LC課金情報)を一時的に保存する。
ローカルサービス局装置20は、通信料金請求書生成部21と、アプリケーションサーバ処理部22と、サービス用信号処理部23と、メモリ24とを含む構成である。通信料金請求書生成部21と、アプリケーションサーバ処理部22と、サービス用信号処理部23とは、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAのプロセッサを用いて構成される。
通信料金請求書生成部21は、ローカルGW装置10の課金処理部16から送信された端末ごとの課金情報(LC課金情報)を受信して取得する。通信料金請求書生成部21は、取得された端末ごとのLC課金情報に基づいて、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいてローカルサービス局装置20により提供が可能な通信サービスを利用したユーザに対する通信料金の明細書データを端末ごとに生成する。通信料金の明細書データ(つまり、請求書データ)は、例えば所定のフォーマットが定められている。通信料金請求書生成部21は、生成された端末ごとの通信料金の明細書データをローカルGW装置10に送信する。通信料金請求書生成部21から送信された端末ごとの通信料金の明細書データは、ローカルGW装置10の課金処理部16において取得される。
アプリケーションサーバ処理部22は、サービス用信号処理部23により実行されるローカルセルラーネットワークLCNWにおいて提供が可能な通信サービス(具体的には、アプリケーション)に関する情報を管理したり、それぞれの通信サービス(アプリケーション)の利用時の通信量に対応する課金情報を生成するための課金体系情報を管理したりする(図3参照)。具体的には、アプリケーションサーバ処理部22は、図3に示すアプリ課金体系テーブルTBL1をメモリ24から読み出し、端末に表示されるアプリケーション開始許否選択画面に表示されるアプリケーションの内容情報とそのアプリケーションの利用に伴う課金体系情報とを取得する。アプリケーションサーバ処理部22は、取得されたアプリケーションの内容情報とそのアプリケーションの利用に伴う課金体系情報とを対応付けてローカルGW装置10に送信する。これらのアプリケーションの内容情報とそのアプリケーションの利用に伴う課金体系情報とは、ローカルGW装置10、基地局(例えば基地局eNB1)を介して端末(例えば端末UE1)に送信される。
図3は、アプリケーションごとの通信時の課金体系を管理するアプリ課金体系テーブルTBL1の一例を示す図である。アプリ課金体系テーブルTBL1では、アプリケーションの情報と、アプリケーションの通信サービスを提供する通信事業者の情報と、課金体系の情報とが対応付けて保存されている。なお、課金体系CV1,CV2,CV3,CV4は、例えば無料、¥1000/1GB(ギガバイト)、¥200/1GB、¥10/1GBである(図7参照)。
例えば、アプリケーションAは、異なる2つの通信事業者AA,DDによってそれぞれ提供が可能である。通信事業者AAは、アプリケーションAの利用時の通信量に対応する課金情報の生成のために、課金体系CV1を予め規定している。言い換えると、アプリ課金体系テーブルTBL1では、通信事業者AAが提供するアプリケーションAの利用において、課金体系CV1が適用される。一方、通信事業者DDは、アプリケーションAの利用時の通信量に対応する課金情報の生成のために、課金体系CV2を予め規定している。言い換えると、アプリ課金体系テーブルTBL1では、通信事業者DDが提供するアプリケーションAの利用において、課金体系CV2が適用される。課金体系CV1,CV2は、それぞれ提供元の通信事業者が異なるので、通常異なる。
同様に、例えば、アプリケーションBは、異なる2つの通信事業者BB,EEによってそれぞれ提供が可能である。通信事業者BBは、アプリケーションBの利用時の通信量に対応する課金情報の生成のために、課金体系CV3を予め規定している。言い換えると、アプリ課金体系テーブルTBL1では、通信事業者BBが提供するアプリケーションBの利用において、課金体系CV3が適用される。一方、通信事業者EEは、アプリケーションBの利用時の通信量に対応する課金情報の生成のために、課金体系CV4を予め規定している。言い換えると、アプリ課金体系テーブルTBL1では、通信事業者EEが提供するアプリケーションBの利用において、課金体系CV4が適用される。課金体系CV3,CV4は、それぞれ提供元の通信事業者が異なるので、通常異なる。
サービス用信号処理部23は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて端末が利用可能な1つ以上の通信サービス(具体的には、アプリケーション)を提供可能なアプリケーション実行処理機能を有する。サービス用信号処理部23は、例えば通信サービスの内容に応じて、外部機器(図示略、例えば監視カメラ)から送信された撮像映像のデータを用いて、通信サービスの提供に必要な各種のデータもしくは情報を生成する。
サービス用信号処理部23は、例えば通信サービスが監視カメラのモニタリングサービスである場合には、外部機器(例えば複数台の監視カメラのうちいずれかの監視カメラ)から送信された撮像映像のデータを端末に提供するべく、所定のフォーマットに適合した映像データ(ユーザデータの一例)を生成し、アプリケーションサーバ処理部22を介してローカルGW装置10に送信する。
サービス用信号処理部23は、例えば通信サービスがスポーツスタジアムの自由視点映像の視聴サービスである場合には、複数の外部機器(例えば複数台の監視カメラ)から送信された撮像映像のデータに基づいて、端末からの要求に適合する自由視点映像の映像データ(ユーザデータの一例)を生成し、アプリケーションサーバ処理部22を介してローカルGW装置10に送信する。
サービス用信号処理部23は、例えば通信サービスが工事現場に配備された建機の遠隔操縦サービスである場合には、該当する建機との間の遠隔通信を確立し、端末から送信された操縦指示に基づいて該当する遠隔操縦の命令コマンドを生成して建機の処理を遠隔で制御し、遠隔制御の処理結果(ユーザデータの一例)を生成し、アプリケーションサーバ処理部22を介してローカルGW装置10に送信する。
サービス用信号処理部23は、例えば通信サービスが映画などの有料映像コンテンツの視聴サービスである場合には、端末からの要求に適合する有料映像コンテンツを配信する1つ以上の外部サーバ(図示略)から送信された有料映像コンテンツの映像データを受信して、その映像データ(ユーザデータの一例)を、アプリケーションサーバ処理部22を介してローカルGW装置10に送信する。
メモリ24は、例えばRAM及びROMを用いて構成され、ローカルサービス局装置20における各種の処理の実行に必要なプログラム及びデータを保持する。また、メモリ24は、通信料金請求書生成部21により生成された端末ごとの通信料金の明細書データを一時的に保存する。また、メモリ24は、サービス用信号処理部23の処理時にデータもしくは情報を一時的に保存するワークメモリとして機能する。
図4は、本実施の形態に係る端末UE1の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。端末UE1は、例えばユーザにより所持される携帯型の通信機器であり、例えばスマートフォンもしくはタブレット端末である。なお、端末UE1は、スマートフォンもしくはタブレット端末に限定されない。図4では、端末UE1を例示して説明しているが、図1に示す端末UE2の他に、本実施の形態に係る通信課金システム100にアクセスする端末の内部構成も同様である。
端末UE1は、無線信号処理部81と、ベースバンド信号処理部82と、アプリ開始許可/中止指示情報抽出部83と、アプリ/課金体系情報抽出部84と、端末表示部85と、メモリ86と、ユーザデータ入出力I/F部87と、アプリケーション処理部88と、操作部89とを含む構成である。端末UE1は、位置情報取得部GPを更に含むとしてよい。ベースバンド信号処理部82と、アプリ開始許可/中止指示情報抽出部83と、アプリ/課金体系情報抽出部84と、ユーザデータ入出力I/F部87と、アプリケーション処理部88とは、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAのプロセッサを用いて構成される。
無線信号処理部81は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて使用する周波数帯の無線信号の送受信を、アンテナAnt1を介して基地局(例えば基地局eNB1)との間で行う。なお、図4では省略されているが、無線信号処理部81は、ワイドセルラーネットワークWCNWにおいて使用する周波数帯の無線信号の送受信を、アンテナAnt1を介して基地局(例えば基地局eNB3)との間で行ってよい。
ベースバンド信号処理部82は、無線信号処理部81において受信された無線信号をベースバンド帯域の信号に変換する。また、ベースバンド信号処理部82は、ベースバンド信号処理部82に入力されたベースバンド帯域の信号を、無線信号処理部81が扱う周波数帯の無線信号に変換する。
アプリ開始許可/中止指示情報抽出部83は、端末表示部85に表示されたアプリケーション開始許否選択画面に対するユーザの操作に基づいて、該当するアプリケーションの開始を許可するのか又は中止するのかを示す選択情報を抽出してベースバンド信号処理部82に出力する。この選択情報は、ベースバンド信号処理部82、無線信号処理部81、アンテナAnt1及び基地局(例えば基地局eNB1)を介してローカルGW装置10に送信される。
アプリ/課金体系情報抽出部84は、ユーザのアプリケーションの利用開始を指示する操作に基づいて、ローカルサービス局装置20から送信されたアプリケーションの内容情報とそのアプリケーションの利用に伴う課金体系情報を抽出する。アプリ/課金体系情報抽出部84は、抽出されたアプリケーションの内容情報とそのアプリケーションの利用に伴う課金体系情報とを用いて、アプリケーション開始許否選択画面を生成して端末表示部85に表示する。端末表示部85に表示されるアプリケーション開始許否選択画面については図6を参照して後述する。
端末表示部85は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)もしくは有機EL(Electroluminescence)を用いて構成され、各種のデータもしくは情報を含む画面を表示する。端末表示部85は、各種のデータもしくは情報を含む画面を表示している際に、ユーザの操作部89を用いた操作により指示された端末表示部85の位置に関する情報を選択情報としてアプリ開始許可/中止指示情報抽出部83に送る。
メモリ86は、例えばRAM及びROMを用いて構成され、端末UE1における各種の処理の実行に必要なプログラム及びデータを保持する。また、メモリ86は、端末表示部85により表示される各種のデータもしくは情報を一時的に保存する。また、メモリ86は、位置情報取得部GPにより計算された端末UE1の位置情報を一時的に保存する。メモリ86は、端末UE1を構成する各部における処理の実行時データもしくは情報を一時的に保存するワークメモリとして機能する。
ユーザデータ入出力I/F部87は、外部機器(例えば1台以上の監視カメラ)から入力された上りユーザデータ(例えばアップロードされる撮像映像のデータ)を入力したり、下りユーザデータ(例えばダウンロードされた撮像映像のデータ)を外部機器(例えばディスプレイ装置)に出力したりする。
アプリケーション処理部88は、ユーザの操作部89を用いた操作により指定されたいずれかのアプリケーションを起動、実行、中止、終了する処理部である。アプリケーションは、端末UE1において実行可能にインストールされている(図6参照)。例えば、アプリケーション処理部88は、ユーザの操作部89を用いた操作によりいずれかのアプリケーションの利用開始の指示がなされた場合には、端末表示部85においてアプリケーション開始許否選択画面が表示されるために、指示されたアプリケーションに関する情報を取得してベースバンド信号処理部82に出力する。このアプリケーションに関する情報は、ベースバンド信号処理部82、無線信号処理部81、アンテナAnt1、基地局(例えば基地局eNB1)、ローカルGW装置10を介してローカルサービス局装置20に送信される。
操作部89は、端末UE1を所持するユーザの操作(例えば、ローカルセルラーネットワークLCNWを用いてアプリケーションの利用開始の指示)を受け付ける。なお、端末UE1がスマートフォンもしくはタブレット端末である場合には、操作部89は端末表示部85とともにタッチパネルを構成してよい。
位置情報取得部GPは、複数の航法衛星(つまり、GPS(Global Positioning System)衛星)から発信された時刻及び各GPS衛星の位置(座標)を示す複数の信号を受信する。位置情報取得部GPは、受信された複数の信号に基づいて、端末UE1の位置を算出する。位置情報取得部GPは、端末UE1の位置情報をベースバンド信号処理部82に出力する。
図5は、本実施の形態に係る通信課金システム100における端末が利用した通信サービスごとのシグナリングの一例を示すシーケンス図である。
図5では、端末(例えば端末UE1)がLC(つまり、ローカルセルラーネットワークLCNW)を経由した通信を伴うアプリケーションを利用した場合の動作手順と、端末(例えば端末UE1)がWC(つまり、ワイドセルラーネットワークWCNW)を経由した通信を伴うアプリケーションを利用した場合の動作手順とがそれぞれ示されている。前者のアプリケーションは、例えば端末(例えば端末UE1)が、ローカルセルラーネットワークLCNWが構築された大学のキャンパス内で、大学の授業に必要な教科書のデータを有料でダウンロードする通信サービスである。一方、後者のアプリケーションは、例えばユーザの所持する端末(例えば端末UE1)がそのユーザの実家にいる父親の所持する端末に対してIP電話をかけるという通信サービスである。
図5において、端末UE1を所持するユーザの操作により、LC(つまり、ローカルセルラーネットワークLCNW)専用の通信サービスの利用開始要求が端末UE1に対して指示されたとする(S1、図6参照)。端末UE1は、指示された通信サービスの利用開始要求をローカルサービス局装置20に送信する(S1)。この通信サービスの利用開始要求は、アプリケーション処理部88、ベースバンド信号処理部82、無線信号処理部81、アンテナAnt1、基地局(例えば基地局eNB1)、ローカルGW装置10を介して、ローカルサービス局装置20において受信される。
図6は、本実施の形態に係る端末UE1の端末表示部85に表示されるアプリケーション選択画面WD1と選択されたアプリケーションに対応するアプリケーション開始許否選択画面WD2との一例をそれぞれ示す図である。例えばステップS1では、図6の紙面左側に示すように、ローカルセルラーネットワークLCNWを用いて利用可能な通信サービス(例えばアプリケーションC)がユーザの指FGによって起動開始の指示を受けている。
ローカルサービス局装置20は、ステップS1において端末UE1から送信された通信サービス(例えばアプリケーションC)の利用開始要求を受信すると、アプリケーションCの内容情報とアプリケーションCの利用に伴う課金体系情報とを取得する。ローカルサービス局装置20は、取得されたアプリケーションCの内容情報とアプリケーションCの利用に伴う課金体系情報とを対応付けて端末UE1に送信する(S2)。アプリケーションCの内容情報とアプリケーションCの利用に伴う課金体系情報は、ローカルGW装置10、基地局(例えば基地局eNB1)を介して、端末(例えば端末UE1)に送信される。
端末UE1は、ステップS2においてローカルサービス局装置20から送信されたアプリケーションCの内容情報とアプリケーションCの利用に伴う課金体系情報とを受信する。端末UE1は、受信されたアプリケーションCの内容情報とアプリケーションCの利用に伴う課金体系情報とを用いて、アプリケーション開始許否選択画面WD2を生成して端末表示部85に表示する。
図6の紙面右側に示すように、アプリケーション開始許否選択画面WD2は、アプリケーションCの名称と、端末UE1が利用するアプリケーションCの通信サービスの提供主の名称KKと、アプリケーションCの利用に伴う課金体系情報PPと、アプリケーションCの開始を許可するか又は中止するかどうかを選択させる許否選択項目とが表示された画面である。また、端末(例えば端末UE1)は、アプリケーション開始許否選択画面WD2を表示する際に、例えばローカルGW装置10から今月のパケット使用量(通信量)の累計に関する情報を取得している場合には、その累計に関する情報を含めて表示してよい。これにより、ユーザは、パケット使用量を閲覧することで、さらなるアプリケーションの過大な利用を思いとどまることができ、過大な利用料金の請求がなされることを回避できる。
なお、端末(例えば端末UE1)は、位置情報取得部GPからの出力に基づいて、その端末の位置情報(言い換えると、端末を所持するユーザの位置情報)において利用可能なネットワークをローカルセルラーネットワークLCNW又はワイドセルラーネットワークWCNWのいずれかを決定してよい。これにより、端末(例えば端末UE1)は、その決定結果に従って、アプリケーション開始許否選択画面WD2を簡易に生成できる。
図7は、図6に示すアプリケーション開始許否選択画面WD2に表示される通信事業者、通信サービス、課金体系の候補例をそれぞれ示す図である。通信サービスの提供主の名称KKの候補は、例えば既存の広域セルラー通信事業者であるセルラーシステム通信事業者AA,セルラーシステム通信事業者BB,セルラーシステム通信事業者CC、更に、新規参入のソリューションプロバイダであるローカルエリア通信事業者DD,ローカルエリア通信事業者EEである。アプリケーションの名称の候補は、例えば映像アップロード,映像ダウンロード,建設機器遠隔操作,テレビ会議,インターネットアクセス,通話(ローカルエリア内),通話(ローカルエリア外)である。アプリケーションの利用に伴う課金体系情報の候補は、例えば無料,¥1000/1GB(ギガバイト),¥200/1GB,¥10/1GBである。
端末UE1は、アプリケーション開始許否選択画面WD2に対するユーザの指FGの操作により、アプリケーションCの開始を許可する旨の指示を受け付けたとする(S3)。端末UE1は、ステップS3における指示に応じて、アプリケーションCの開始を許可する旨の指示に関する情報をローカルサービス局装置20に送信する(S3)。このアプリケーションCの開始を許可する旨の指示に関する情報は、アプリ開始許可/中止指示情報抽出部83、ベースバンド信号処理部82、無線信号処理部81、アンテナAnt1、基地局(例えば基地局eNB1)、ローカルGW装置10を介して、ローカルサービス局装置20において受信される。
ローカルサービス局装置20は、ステップS3において端末UE1から送信されたアプリケーションCの開始を許可する旨の指示に関する情報の受信に基づいて、アプリケーションCの利用に伴う無線通信を端末UE1との間で行う(S4)。ステップS4におけるローカルサービス局装置20と端末UE1との無線通信は、ローカルGW装置10及び基地局(例えば基地局eNB1)を介して行われる。
ローカルGW装置10は、ステップS4におけるローカルサービス局装置20と端末UE1との間のアプリケーションCの利用に伴う無線通信の間、上り回線を利用する無線通信に係るパケットの総数を示す通信量、並びに、下り回線を利用する無線通信に係るパケットの総数を示す通信量をそれぞれ計数して管理する。
ここで、ユーザの操作によりアプリケーションCの利用を終了する旨の指示があってその指示がステップS3と同様の通信経路でローカルサービス局装置20に送られた場合、又は、ローカルサービス局装置20によりアプリケーションCの利用を終了する旨の指示がステップS2と同様の通信経路で端末UE1に送られたとする。この場合、端末UE1とローカルサービス局装置20との間で、アプリケーションCに伴う無線通信が終了する(S5)。
ステップS5の後、ローカルGW装置10は、ステップS4において計数していた上り回線を利用通過したパケットの総数を示す通信量の計数結果、並びに、下り回線を利用通過するパケットの総数を示す通信量の計数結果とアプリケーションCの課金体系情報とに基づいて、端末UE1がアプリケーションCを利用した時の通信料金を計算してLC課金情報を生成する(S6)。ローカルGW装置10は、ステップS6において生成したLC課金情報(つまり、アプリケーションCを利用した時のパケット総数に応じた通信料金の計算結果)をローカルサービス局装置20に送信して報告する(S7)。
ローカルサービス局装置20は、ステップS7においてローカルGW装置10から送信されたLC課金情報を受信すると、そのLC課金情報に基づいて、アプリケーションCを利用した端末UE1のユーザに対する通信料金の明細書データ(LC課金明細書情報)を生成する。ローカルサービス局装置20は、生成された通信料金の明細書データ(LC課金明細書情報)をローカルGW装置10に送信する(S7A)。
ローカルGW装置10は、ステップS7Aにおいてローカルサービス局装置20から送信されたLC課金明細書情報を受信すると、そのLC課金明細書情報を、ワイドセルラーネットワークWCNWのMME50に送信する(S8)。MME50は、ステップS8においてローカルGW装置10から送信されたLC課金明細書情報を、S−GW60を介してP−GW70に送信する(S9)。P−GW70は、ステップS9においてMME50から送信されたLC課金明細書情報を課金処理部75に渡す(S10)。
次に、端末UE1を所持するユーザの操作により、WC(つまり、ワイドセルラーネットワークWCNW)の通信サービスの利用開始要求が端末UE1に対して指示されたとする(S11参照)。端末UE1は、指示された通信サービスの利用開始要求を通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)に送信する(S11)。この通信サービスの利用開始要求は、アプリケーション処理部88、ベースバンド信号処理部82、無線信号処理部81、アンテナAnt1、基地局(例えば基地局eNB3)、MME50もしくはS−GW60、P−GW70及びネットワークNW1を介して、通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)において受信される。
通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)は、ステップS11において端末UE1から送信された通信サービス(例えばアプリケーションDに相当する通話(ローカルエリア外))の利用開始要求を受信すると、アプリケーションDの内容情報とアプリケーションDの利用に伴う課金体系情報とを取得する。通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)は、取得されたアプリケーションDの内容情報とアプリケーションDの利用に伴う課金体系情報とを対応付けて端末UE1に送信する(S12)。アプリケーションDの内容情報とアプリケーションDの利用に伴う課金体系情報は、通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)、ネットワークNW1、P−GW70、S−GW60もしくはMME50、及び基地局(例えば基地局eNB3)を介して、端末(例えば端末UE1)に送信される。
端末UE1は、ステップS12において通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)から送信されたアプリケーションDの内容情報とアプリケーションDの利用に伴う課金体系情報とを受信する。端末UE1は、受信されたアプリケーションDの内容情報とアプリケーションDの利用に伴う課金体系情報とを用いて、アプリケーション開始許否選択画面(図6参照)を生成して端末表示部85に表示する。
端末UE1は、端末表示部85に表示されたアプリケーション開始許否選択画面に対するユーザの指FGの操作により、アプリケーションDの開始を許可する旨の指示を受け付けたとする(S13)。端末UE1は、ステップS13における指示に応じて、アプリケーションDの開始を許可する旨の指示に関する情報を通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)に送信する(S13)。このアプリケーションDの開始を許可する旨の指示に関する情報は、アプリ開始許可/中止指示情報抽出部83、ベースバンド信号処理部82、無線信号処理部81、アンテナAnt1、基地局(例えば基地局eNB3)、MME50もしくはS−GW60、P−GW70及びネットワークNW1を介して、通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)において受信される。
通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)は、ステップS13において端末UE1から送信されたアプリケーションDの開始を許可する旨の指示に関する情報の受信に基づいて、アプリケーションDの利用に伴う無線通信を端末UE1との間で行う(S14)。ステップS14における通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)と端末UE1との無線通信は、ネットワークNW1、P−GW70、S−GW60もしくはMME50、及び基地局(例えば基地局eNB3)を介して行われる。
課金処理部75は、ステップS14における通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)と端末UE1との間のアプリケーションDの利用に伴う無線通信の間、上り回線を利用する無線通信に係るパケットの総数を示す通信量、並びに、下り回線を利用する無線通信に係るパケットの総数を示す通信量をそれぞれ計数して管理する。
ここで、ユーザの操作によりアプリケーションDの利用を終了する旨の指示があってその指示がステップS13と同様の通信経路で通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)に送られた場合、又は、通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)によりアプリケーションDの利用を終了する旨の指示がステップS12と同様の通信経路で端末UE1に送られたとする。この場合、端末UE1と通信サービス提供ウェブサーバ(図示略)との間で、アプリケーションDに伴う無線通信が終了する(S15)。
ステップS15の後、課金処理部75は、ステップS14において計数していた上り回線を利用通過したパケットの総数を示す通信量の計数結果、並びに、下り回線を利用通過するパケットの総数を示す通信量の計数結果とアプリケーションDの課金体系情報とに基づいて、端末UE1がアプリケーションDを利用した時の通信料金を計算してWC課金情報を生成する(S16)。課金処理部75は、生成されたWC課金情報に基づいて、アプリケーションDを利用した端末UE1のユーザに対する通信料金の明細書データ(WC課金明細書情報)を生成する。
なお、図5には図示が省略されているが、課金処理部75は、ステップS10において取得されたLC課金明細書情報と上述したWC課金明細書情報とを一括に含む端末課金明細書情報を端末ごとに生成してよい。課金処理部75は、この端末ごとに生成された端末課金明細書情報を該当する端末(例えば端末UE1)に送信して通知してよい。これにより、ワイドセルラーネットワークWCNWを運営する通信事業者(例えば既存の広域セルラー通信事業者)は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用とワイドセルラーネットワークWCNWにおける通信サービスの利用とを分別管理しながら、その端末を所持するユーザに対してLC課金明細書情報による課金とWC課金明細書情報による課金とを一括で請求できる。
以上により、本実施の形態の通信課金システム100では、ローカルGW装置10(第1の計数装置の一例)は、端末(例えば端末UE1)におけるローカルセルラーネットワークLNCW(第1の通信網の一例)を用いた通信サービス(第1の通信サービスの一例)の利用時の通信量を計数する。P−GW70(第2の計数装置の一例)は、端末(例えば端末UE1)におけるワイドセルラーネットワークWCNW(第2の通信網の一例)を用いた通信サービス(第2の通信サービスの一例)の利用時の通信量を計数する。ローカルGW装置10は、計数されたローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用時の通信量に関する情報を、MME50及びS−GW60を介して、P−GW70に送信する。P−GW70は、ローカルGW装置10から送信された通信サービスの利用時の通信量に関する情報と、P−GW70によって計数された通信サービスの利用時の通信量に関する情報とを、端末(例えば端末UE1)に関する情報と対応付けてメモリ77(記憶部の一例)に記憶する。
これにより、本実施の形態の通信課金システム100は、ユーザが所持する端末(例えば端末UE1)が行ったローカルセルラーネットワークLCNWもしくはワイドセルラーネットワークWCNWの通信サービスごとに無線通信のトラフィックに応じた通信量の計数管理を行える。従って、通信課金システム100は、端末(例えば端末UE1)が通信サービスを利用した時の状況(例えば屋外エリア、ローカルエリア、屋内エリアのいずれで利用したかなどの状況)に応じて、その通信サービスに対するユーザへの適切な課金を実現でき、多くのユーザの通信サービスへの利用の普及を効果的に支援できる。
また、P−GW70は、メモリ77に記憶されたローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用時の通信量に関する情報と、ワイドセルラーネットワークWCNWにおける通信サービスの利用時の通信量に関する情報とを用いて、端末(例えば端末UE1)を所持するユーザの通信サービス利用に関する課金情報(端末課金明細書情報)を生成する。これにより、例えばワイドセルラーネットワークWCNWを運営する通信事業者(例えば既存の広域セルラー通信事業者)は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用料金とワイドセルラーネットワークWCNWにおける通信サービスの利用料金とを、端末を所持するユーザごとに分別して管理できる。
また、P−GW70は、端末ごとに生成されたLC課金明細書情報及びWC課金明細書情報を含む端末課金明細書情報を、該当する端末(例えば端末UE1)に通知してよい。これにより、例えばワイドセルラーネットワークWCNWを運営する通信事業者(例えば既存の広域セルラー通信事業者)は、ローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用とワイドセルラーネットワークWCNWにおける通信サービスの利用とを分別管理しながら、その端末を所持するユーザに対してLC課金明細書情報による課金とWC課金明細書情報による課金とを一括で請求できる。
また、ローカルGW装置10は、例えば端末(例えば端末UE1)がローカルセルラーネットワークLCNWにおいて下り回線を用いた通信サービス(例えば有料映像コンテンツのデータのダウンロード)の利用時の通信量を計数する。P−GW70は、例えば端末(例えば端末UE1)がワイドセルラーネットワークWCNWにおいて下り回線を用いた通信サービス(例えば無料映像コンテンツのストリーミング配信)の利用時の通信量を計数する。これにより、ローカルGW装置10は、端末(例えば端末UE1)がローカルセルラーネットワークLCNWにおいて下り回線を用いた通信サービスの課金体系情報に適合した通信量に対応する通信料金を適正に計算できる。同様に、P−GW70は、端末(例えば端末UE1)がワイドセルラーネットワークWCNWにおいて上り回線を用いた通信サービスの課金体系情報に適合した通信量に対応する通信料金を適正に計算できる。
また、ローカルGW装置10は、例えば端末(例えば端末UE1)がローカルセルラーネットワークLCNWにおいて上り回線を用いた通信サービス(例えば大学のレポートのデータのアップロード)の利用時の通信量を計数する。P−GW70は、例えば端末(例えば端末UE1)がワイドセルラーネットワークWCNWにおいて上り回線を用いた通信サービス(例えば自撮り動画のデータのアップロード)の利用時の通信量を計数する。これにより、ローカルGW装置10は、端末(例えば端末UE1)がローカルセルラーネットワークLCNWにおいて上り回線を用いた通信サービスの課金体系情報に適合した通信量に対応する通信料金を適正に計算できる。同様に、P−GW70は、端末(例えば端末UE1)がワイドセルラーネットワークWCNWにおいて上り回線を用いた通信サービスの課金体系情報に適合した通信量に対応する通信料金を適正に計算できる。
また、第1の通信網は、所定の地域(例えばローカルエリア、屋内エリア)内に配置された基地局(例えば、基地局eNB1)を介して、その所定の地域内において通信サービスの利用が可能な局所ネットワーク(つまり、ローカルセルラーネットワークLCNW)である。また、第2の通信網は、いわゆる3G(第3世代移動通信システム)やLTEもしくはLTE−Advancedなどの4Gも適用可能な広域セルラーネットワークである。これにより、通信課金システム100にアクセスする端末(例えば端末UE1)は、ローカルセルラーネットワークLCNWが構築されたローカルエリアもしくは屋内エリアにおいてのみ利用が可能な通信サービスを享受できる。一方で、端末(例えば端末UE1)は、ローカルセルラーネットワークLCNWの利用が可能ではないワイドセルラーネットワークWCNWのエリア(つまり、屋外エリア)でも利用可能な通信サービスを享受でき、ユーザの位置など周辺の環境状況に臨機応変に利用可能な通信サービスを選択できる。
また、端末(例えば端末UE1)は、ローカルセルラーネットワークLCNWを用いた通信サービス(第1の通信サービスの一例)の利用開始の指示を操作部89において受け付ける。端末(例えば端末UE1)は、指示された通信サービスに関する情報を、アンテナAnt1が接続された無線信号処理部81(通信部の一例)において、その通信サービスを提供するローカルサービス局装置20(サービス局装置の一例)に送信する。また、端末(例えば端末UE1)は、その通信サービスに関する情報に基づいてローカルサービス局装置20により生成された、アプリケーションの内容情報と、通信サービスの利用時の通信量と通信料金との対応関係を示す課金体系情報とをアプリ/課金体系情報抽出部84(取得部の一例)において取得する。端末(例えば端末UE1)は、取得されたアプリケーションの内容情報と通信サービスに対応する課金体系情報とを含む、アプリケーション開始許否選択画面WD2(通信サービスの利用開始の許否選択画面の一例)を端末表示部85において表示する。端末(例えば端末UE1)は、ユーザの操作により、アプリケーション開始許否選択画面WD2に対する通信サービスの利用開始の許可の指示に応じて、ローカルサービス局装置20との間で通信サービスに関する通信(つまり、アプリケーションの利用)を開始する。
これにより、通信課金システム100(例えば、ローカルセルラーネットワークLCNW)にアクセスする端末(例えば、端末UE1)は、ユーザが利用を開始する通信サービスを実際に開始する前に、その通信サービスの通信料金に関する情報を事前にユーザに提示できる。従って、端末(例えば端末UE1)は、その通信料金に関する情報をユーザに把握させた上で利用開始が可能となり、ユーザの通信サービスへの利用の普及を効果的に支援できる。
(本実施の形態の変形例)
図8は、本実施の形態の変形例に係る通信課金システム100Aのシステム構成例を示すブロック図である。図9は、本実施の形態の変形例に係る通信課金システム100Aにおける端末が利用した通信サービスごとのシグナリングの一例を示すシーケンス図である。
本実施の形態の変形例では、上述した本実施の形態とは異なり、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて利用可能な通信サービスの提供主である通信事業者が、自身の運営する通信サービスの利用に伴う通信料金の課金請求をユーザに対して個別に行う。更に、ワイドセルラーネットワークWCNWにおいて利用可能な通信サービスの提供主である通信事業者が、自身の運営する通信サービスの利用に伴う通信料金の課金請求をユーザに対して個別に行う。
図8に示す通信課金システム100Aの構成は、図1に示す通信課金システム100の構成と同様であるため、同一の内容の構成については同一の符号を付与して説明を簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。また、図9の説明においても、図5の説明と同一の内容については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化又は省略する。
本実施の形態の変形例では、上述したように、端末(例えば端末UE1)を所持するユーザに対しては、ローカルセルラーネットワークLCNWにおいて利用可能な通信サービスの提供主である通信事業者が個別にLC課金情報(言い換えると、ローカルセルラーネットワークにおいて利用した通信サービスの通信量に対応する通信料金)を請求する。従って、図8及び図9において、ローカルGW装置10とMME50との間でLC課金明細書情報の送受信は行われない。
以上により、本実施の形態の変形例の通信課金システム100では、ローカルGW装置(第1の計数装置の一例)は、端末(例えば端末UE1)におけるローカルセルラーネットワークLNCW(第1の通信網の一例)を用いた通信サービス(第1の通信サービスの一例)の利用時の通信量を計数する。P−GW70(第2の計数装置の一例)は、端末(例えば端末UE1)におけるワイドセルラーネットワークWCNW(第2の通信網の一例)を用いた通信サービス(第2の通信サービスの一例)の利用時の通信量を計数する。ローカルGW装置10は、計数されたローカルセルラーネットワークLCNWにおける通信サービスの利用時の通信量に関する情報を、端末(例えば端末UE1)に関する情報と対応付けてメモリ17(第1の記憶部の一例)を記憶する。P−GW70は、計数されたワイドセルラーネットワークWCNWにおける通信サービスの利用時の通信量に関する情報を、端末(例えば端末UE1)に関する情報と対応付けてメモリ77(第2の記憶部の一例)に記憶する。
これにより、本実施の形態の変形例の通信課金システム100では、ローカルGW装置10,P−GW70のそれぞれが、ユーザが所持する端末(例えば端末UE1)が行ったローカルセルラーネットワークLCNW,ワイドセルラーネットワークWCNWの通信サービスごとに無線通信のトラフィックに応じた通信量の計数管理をそれぞれ行える。従って、ローカルGW装置10,P−GW70のそれぞれは、端末(例えば端末UE1)が通信サービスを利用した時の状況(例えば屋外エリア、ローカルエリア、屋内エリアのいずれで利用したかなどの状況)に応じて、その通信サービスに対するユーザへの適切な課金を個別に実現でき、多くのユーザの通信サービスへの利用の普及を効果的に支援できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。