JP6852767B2 - 時計及びプログラム - Google Patents
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Description
また、従来、アナログ電子時計では、指針が移動表示可能なステップ数と、当該指針を回転動作させるステッピングモータの回転速度との関係上、早送り速度や早送り方向を調整して可能な限り短時間で指針を所望の位置に早送り移動させる種々の技術が用いられている。
輪列機構を備えた時計であって、
前記輪列機構の回転速度としての早送り速度を変速する変速動作をさせつつ早送り回転を行わせる早送り制御手段、
を備え、
前記早送り制御手段は、前記早送り回転における前記輪列機構の予定回転量に基づいて前記変速動作を行うタイミングを設定することを特徴とする時計である。
また、上記課題を達成するため、本発明は、
輪列機構を備えた時計のコンピュータを、
前記輪列機構の回転速度としての早送り速度を変速する変速動作をさせつつ早送り回転を行わせる早送り制御手段として機能させ、
前記早送り制御手段は、前記早送り回転における前記輪列機構の予定回転量に基づいて前記変速動作を行うタイミングを設定することを特徴とするプログラムである。
図1は、本実施形態のアナログ電子時計の機能構成を説明するブロック図である。
秒針61、分針62、時針63、小分針64及び小時針65の一部又は全部を以降まとめて指針61〜65などと記す。
これらのうち、CPU41及びステッピングモータ81〜83により指針駆動制御装置が構成され、当該指針駆動制御装置には、ROM42、RAM43及び駆動回路49が含まれ得る。
分周回路45は、発振回路44から出力された周波数信号をCPU41や計時回路46により利用される周波数の信号に分周して出力する。出力される周波数は、CPU41からの制御信号により変更可能に設定されていても良い。
小分針64及び小時針65は、各種機能に係る表示に用いられる。例えば、世界時計機能の実行時には、設定された世界時計位置における現地時刻の時分を表示するのに用いられ、ストップウォッチ機能では、経過時間の時分を表示するのに用いられ、また、センサ計測機能では、計測部48の所定のセンサの計測値に基づく数値などの表示に用いられる。文字盤上の小分針64及び小時針65の回転部分(小窓)には、センサ計測に係る数値の範囲が通常の世界時計の時分表示の範囲と異なる場合には、センサ計測に合わせて別途目盛が設けられていても良い。
本実施形態のアナログ電子時計1は、機能モードの切替時、計測値や設定値の切替時や初期化時に指針61〜65の一部又は全部の早送り動作を行う。
本実施形態のアナログ電子時計1では、指針61、62、64のうち何れか(以下、単に指針と記す)を設定された位置(移動先)まで早送りさせる場合に(指針62、64の場合には、それぞれ指針63、65が連動して早送りされる)、早送りの終了前に早送り速度を漸減させる(減速させる)減速動作(変速動作)を行わせることが出来る。ここでは、減速動作は、複数の速度(移動速度)間で段階的に行われる。このような減速動作に係る複数回の変速タイミングと変速後の移動速度とを対応付けて記憶したパターン(変速パターン)は、複数種類がROM42に予め速度変更パターン421として記憶保持されている。
また、各段階の早送り速度での移動時間が長く(例えば、0.5〜1.0秒以上)なると、即ち、移動ステップ数が多くなり過ぎると、速度変化が視覚上滑らかでなくなるので、各段階の移動速度での移動時間が所定の上限時間以内になるように各段階での移動ステップ数が設定されるのが好ましい。各段階の移動速度での移動ステップ数は、同一である必要はなく、演出効果などを考慮して適宜設定される。
この計測表示制御処理は、ユーザによる操作部47への所定の入力操作に応じて所定の物理量の計測命令が取得され場合に、所定の時間間隔で計測部48により計測が行われるごとに開始される。
図4は、早送り速度の設定パターンの変形例を示す図である。
図4(a)に示すように、減速時の速度ステップは、上述の図2(a)、(b)に示した減速パターンにおけるものと異なる速度ステップであったり、ステップ数であったりしても良い。ここでは、128ppsと64ppsの早送り速度での移動動作の代わりに、96ppsの早送り速度の期間が設定されることで、2段階の減速で早送りが終了する。但し、あまり大きな早送り速度の変化があると動作が不自然になり得るので、早送り速度の変化は、適切に定められた上限変化量の範囲内で設定されるのが望ましい。
図2(c)に示したように減速時間に比して早送り所要時間が短い場合にも、これらのように、早送りの初速度を変更する代わりに減速時の速度ステップ数や早送り速度の最低値を変更することとしても良い。
このように、一定速度で移動させるか停止させるかだけではなく、途中で指針61〜65の移動速度を変化させることで、アナログ電子時計1において指針61〜65の早送り動作に係る演出の幅を広げることが出来る。これにより、ユーザを飽きさせず、更には楽しませながら、必要な情報を体感的に示すことが出来る。
このように、所定の間隔でセンサ計測を行って当該計測の結果に応じた表示を行う場合に本発明を適用することで、適切な結果表示を行ってユーザに計測結果を確実に知得させると共に、表示に係る早送りの表情を多様に変更することが出来る。
このように、CPU41が指針の早送り動作時に当該指針の変速動作を行わせるようにステッピングモータ81〜83を駆動させるので、この指針駆動制御装置を用いることで、指針の早送り動作に係る演出の幅を広げることが出来る。これにより、ユーザを飽きさせず、更には楽しませながら、必要な情報を体感的に示すことが出来る。
次に、第2実施形態のアナログ電子時計について説明する。
第2実施形態のアナログ電子時計1は、第1実施形態のアナログ電子時計1と同一の構成要素を備えるので、同一の構成要素には同一の符号を用いることとする。
ここでは、ストップウォッチ機能により計測された経過時間のラップタイムやスプリットタイム(まとめて履歴経過時間と記す)の履歴を所定の時間間隔で順番に表示する場合を例に挙げて説明する。履歴経過時間は、小時針65、小分針64及び秒針61により表示される。
ここでは、小分針64及び小時針65は、通常、図5(a)で示す減速パターンCで早送り動作が行われる。そして、減速パターンCによる早送り時間が上限時間以下ではない場合には、図5(b)で示す減速パターンAで早送り動作を行う。
一方、秒針61は、図2で示した減速パターンA及び減速パターンBによる早送り動作を行う。
秒針61と、小分針64及び小時針65とは、各々独立に移動目標指針位置に早送り移動されることとして良い。
このように、早送りの所要時間と表示切替間隔(第1実施形態では計測間隔)の関係だけではなく、表示内容によって減速パターンを切り替えることが出来る。
この履歴時間表示制御処理は、操作部47へのユーザの所定の入力操作により履歴時間の表示モードに移行した場合に、全ての履歴時間の表示が終了するまで所定の時間間隔で呼び出されて実行される。
このように、表示内容に応じてイメージなどが合う変速パターンを設定することで、より効果的に指針61〜65の早送り動作を多様化してユーザに表示内容を体感的に知得させることが出来る。
例えば、上記実施の形態では、予め移動ステップ数が定められている早送りの場合に当該移動ステップ数の終了時に合わせて指針動作が停止するように減速タイミングを設定する場合を例に挙げて説明したが、ユーザにより停止タイミングを定めない連続早送り動作の命令が入力操作された場合の加速動作にも本発明を適用することが可能であり、また、減速時にもユーザによる停止操作の入力がなされてから即座に停止する必要が無い場合には、減速動作を伴って早送りを停止させても良い。但し、この場合には、減速動作中の合計移動ステップ数があまり大きくない(例えば、文字盤上で1/4周以下など)ことが望ましい。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成や数値などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
回動可能に設けられた指針と、
前記指針に早送り移動を行わせる場合に、前記早送り移動の開始時に前記指針の早送り速度を停止状態から漸増させる加速動作、及び前記早送り移動の終了時に前記指針が停止状態となるまで早送り速度を漸減させる減速動作のうち少なくとも一方を変速動作として前記指針に行わせる早送り制御手段と、
を備えることを特徴とするアナログ電子時計。
<請求項2>
前記早送り制御手段は、前記早送り移動における前記指針の予定移動量が定められている場合に、当該予定移動量の早送り移動において前記変速動作を開始するタイミングにおける変速開始時移動量及び前記変速動作を終了するタイミングにおける変速終了時移動量を前記予定移動量に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載のアナログ電子時計。
<請求項3>
前記早送り制御手段は、前記変速動作において、前記早送り速度を2以上の所定数の移動速度間で段階的に変化させることを特徴とする請求項1又は2記載のアナログ電子時計。
<請求項4>
前記早送り制御手段は、前記変速動作において、前記早送り速度を2以上の所定数の移動速度間で段階的に変化させ、前記早送り移動を所定の間隔で行わせる場合、当該所定の間隔未満の上限早送り時間以内に前記早送り移動を終了させるように前記所定数及び当該所定数の移動速度を設定することを特徴とする請求項2記載のアナログ電子時計。
<請求項5>
前記変速動作における複数回の変速タイミングと当該変速タイミング後の各移動速度とを対応付けた変速パターンを複数種類記憶する変速パターン記憶手段を備え、
前記早送り制御手段は、前記複数種類の変速パターンによる前記変速動作を伴う前記早送り移動の所要時間と、前記上限早送り時間とに基づいて前記変速パターンのうち一つを選択し、当該一の変速パターンに応じて前記指針に早送り移動を行わせる
ことを特徴とする請求項4記載のアナログ電子時計。
<請求項6>
前記早送り制御手段は、前記変速パターンに係る前記早送り移動の前記所要時間が変速動作に要する時間よりも短い場合には、前記変速パターンに応じた前記変速動作のうち低速側から前記所要時間分の動作を行わせることを特徴とする請求項5記載のアナログ電子時計。
<請求項7>
前記早送り制御手段は、前記指針による表示内容に基づいて前記所定数及び当該所定数の移動速度を設定することを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項8>
所定の物理量を計測する計測部を備え、
前記早送り制御手段は、前記所定の間隔で前記計測部の計測結果を取得し、取得された前記計測結果に基づいて前記指針の早送り移動先を定める
ことを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項9>
前記早送り制御手段は、前記予定移動量に応じて前記変速動作の実施有無を決定することを特徴とする請求項2、4〜8の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項10>
前記指針を所定の角度ずつステップ動作させる指針駆動手段を備え、
前記変速動作における前記2以上の所定数の移動速度のうちの最低値は、前記所定の角度及び前記指針の長さのうち少なくとも一方に基づいて定められる
ことを特徴とする請求項2、4〜9の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項11>
指針を回動させる駆動手段と、
前記駆動手段に前記指針の早送り移動を行わせる場合に、前記早送り移動の開始時に前記指針の早送り速度を停止状態から漸増させる加速動作、及び前記早送り移動の終了時に前記指針が停止状態となるまで早送り速度を漸減させる減速動作のうち少なくとも一方を変速動作として行わせる早送り制御手段と、
を備えることを特徴とする指針駆動制御装置。
41 CPU
42 ROM
421 速度変更パターン
422 プログラム
43 RAM
44 発振回路
45 分周回路
46 計時回路
47 操作部
471 りゅうず
472 押しボタンスイッチ
48 計測部
49 駆動回路
50 電源部
61 秒針
62 分針
63 時針
64 小分針
65 小時針
71 輪列機構
72 輪列機構
73 輪列機構
81 ステッピングモータ
82 ステッピングモータ
83 ステッピングモータ
Claims (6)
- 輪列機構を備えた時計であって、
前記輪列機構の回転速度としての早送り速度を変速する変速動作をさせつつ早送り回転を行わせる早送り制御手段、
を備え、
前記早送り制御手段は、前記早送り回転における前記輪列機構の予定回転量に基づいて前記変速動作を行うタイミングを設定することを特徴とする時計。 - 前記早送り制御手段は、前記早送り回転における前記輪列機構の予定回転量に基づいて異なる前記早送り速度ごとの前記変速動作を行うタイミングを複数設定することを特徴とする請求項1に記載の時計。
- 前記早送り制御手段は、前記早送り回転における前記輪列機構の予定回転量のうち、前記変速動作を開始するタイミングにおける変速開始時移動量または前記変速動作を終了するタイミングにおける変速終了時移動量のうち少なくとも一方を前記予定回転量に基づいて設定することを特徴とする請求項1又は2記載の時計。
- 前記早送り制御手段は、前記変速動作において、前記早送り速度を2以上の所定数の回転速度間で段階的に変化させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の時計。
- 前記早送り制御手段は、前記変速動作において、前記早送り速度を2以上の所定数の回転速度間で段階的に変化させ、前記早送り回転を所定の間隔で行わせる場合、当該所定の間隔未満の上限早送り時間以内に前記早送り回転を終了させるように前記所定数及び当該所定数の回転速度を設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の時計。
- 輪列機構を備えた時計のコンピュータを、
前記輪列機構の回転速度としての早送り速度を変速する変速動作をさせつつ早送り回転を行わせる早送り制御手段として機能させ、
前記早送り制御手段は、前記早送り回転における前記輪列機構の予定回転量に基づいて前記変速動作を行うタイミングを設定することを特徴とするプログラム。
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