JP6852441B2 - 光源装置及びプロジェクター - Google Patents
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Description
特許文献1には、カラーホイールを使用することなく、蛍光体の使用量を少なく抑えることができるとともに、回転機構などの複雑な装置を設けずに装置の小型化を図ることのできる光源装置が開示されている。
特許文献2には、透明部材から構成されるホイール基板に蛍光体層を設け、蛍光体層の第1の側面と第2の側面との距離を励起光の入射面から蛍光の射出面に向かって大きくした構成が開示されている。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本実施形態のプロジェクター1Aは、光変調装置として、3つの透過型液晶ライトバルブを用いたプロジェクターの一例である。なお、光変調装置として、反射型液晶ライドバルブを用いることもできる。また、光変調装置として、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
図1は、第1実施形態におけるプロジェクター1Aを示す概略構成図である。
次に、第1実施形態の光源装置2Aの構成について説明する。
図2に示すように、光源装置2Aは、励起光源110と、アフォーカル光学系11と、ホモジナイザー光学系12と、集光光学系20と、波長変換素子30と、ピックアップ光学系60と、第1レンズアレイ120と、第2レンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150とを備える。
次に、第1実施形態における波長変換素子の構成について説明する。
図3は、第1実施形態における波長変換素子30を、図2の照明光軸100axを含む平面で切断した断面図である。図4は、第1実施形態における波長変換素子30から射出された光の光路を説明するための図である。
ダイクロイック膜34Aは、図2に示した励起光源110から射出された青色の励起光Bを透過し、波長変換層32で生成された黄色の蛍光光Yを反射する特性を有する。
反射防止膜34Cは、励起光Bの反射を抑制する特性を有し、透光性部材33の平坦面33fに成膜することで励起光Bの透過効率が向上する。
具体的に、接合部材36は、透光性部材33上に設けられた反射防止膜34Cと、支持部材31の第1の面31aとの間に配置され、透光性部材33を支持部材31に接合している。接合部材36としては、透光性、不透光性を問わず、高い熱伝導率を有するものが好ましい。例えば、半田、熱伝導シート等が挙げられる。
このように、波長変換層32からの射出光の光量を増加させる手段として発光面積を増やすことが考えられる。
図14は、比較例1の波長変換層202の構成を示す図である。
図14に示すように、単に、波長変換層202の発光面積(光射出面202bの面積)を光入射面202aに対して拡大した構成にすると、エテンデューが増加してしまい、後段のピックアップ光学系60において、光の利用効率が低下してしまう恐れがある。
図15は、比較例2の波長変換層203の構成を示す図である。
また、図15に示すように、波長変換層203の光射出面203bが基準面Nから突出した構成の場合は、光入射面203aと光射出面203bとを接続する接続面(側面)203cから射出された光(図2の光源装置2Aのピックアップ光学系60の光軸に交差する方向へ向かう光)を後段のピックアップ光学系60において利用することができない。光射出面203bだけでなく接続面203cにおいてもランバート発光することから、ピックアップ光学系60に入射しない光が増えて光の利用効率が低下してしまう。
図16は、比較例3の波長変換層204の構成を示す図である。
図16に示すように、光入射面204aと光射出面204bとを接続する接続面(側面)204cが基準面Nから突出しない構成であっても、波長変換層204の光射出面204bのうち一部でも基準面Nから突出すると、光射出面204bのうち、図2の光源装置2Aのピックアップ光学系60の光軸に沿う方向の第1光出射面204b1から射出された光(ピックアップ光学系60の光軸に交差する方向へ向かう光)を後段のピックアップ光学系60において利用することができない。よって、ピックアップ光学系60に入射しない光が増えて光の利用効率が低下してしまう。
図17は、比較例4の波長変換層205の構成を示す図である。
図17に示すように、ピックアップ光学系60の焦点Qが、基準面Nよりも波長変換層205の光入射面205a側に位置している場合、反射膜35において反射された射出光は、ピックアップ光学系60側から見たときに、図中の仮想射出位置gから射出された光とみなされる。仮想射出位置gは、ピックアップ光学系60の光軸に交差する方向において、波長変換層205の幅方向外側に位置する。そのため、ピックアップ光学系60側から見たときの二次光源像のサイズが大きくなってしまう。
表示パネルに集光できる明るさは、光源の発光面積と放射角との積の値(エテンデュー:Etendue)によって規制される。そのため、光源の発光面積と放射角との積の値が、表示パネルに対する光の入射角度と入射面積との積の値よりも小さければ、光源からの射出光を有効に利用することができない。
比較例4の構成では、発光面積(光射出面205bの面積)を拡大できるものの、エテンデューが増加してしまうため、後段のピックアップ光学系60において波長変換層205からの射出光を有効に利用することができない。
次に、第2実施形態における波長変換素子の構成について説明する。
図5は、第2実施形態における波長変換素子70を、図2の照明光軸100axを含む平面で切断した断面図である。図6は、第2実施形態における波長変換素子から射出された光の光路を説明するための図である。
本実施形態の波長変換層72は、第1実施形態の波長変換層32に対して、入射した励起光Bを蛍光光Yに変換する機能は同じである。
次に、本発明の第3実施形態の波長変換素子80について説明する。
図7は、第3実施形態における波長変換素子80を、図2の照明光軸100axを含む平面で切断した断面図である。
図7に示すように、波長変換素子80は、第1実施形態の波長変換層32と比べると、光軸方向(図2の照明光軸100axに沿う方向)の厚みが厚い波長変換層82を備えている。
次に、第1実施形態から第3実施形態における波長変換層(厚さの異なる波長変換層)の変形例について説明する。
図8は、第1実施形態から第3実施形態における波長変換層の変形例を示す断面図である。
上述した第1実施形態〜第3実施形態においては、波長変換層332の光射出面332bがピックアップ光学系60側に突出した凸形状となっていたが、この形状に限らず、例えば、図8に示すように、光射出面332bが光入射面332a側に凹んだ凹形状となっていてもよい。
図示しない反射膜35の端面35bを含む基準面上に、図2のピックアップ光学系60の焦点Qが形成されているので、エテンデューを増加させずに波長変換層332における光射出面332bの面積、すなわち、発光面積を拡大し、波長変換層332からの光の取り出し効率を改善することができる。
次に、本発明の第4実施形態の波長変換素子90について説明する。
先の実施形態では、光射出面を構成する第1光射出面及び第2光射出面のうち、少なくとも第2光射出面がピックアップ光学系60の光軸に交差する構成となっていたが、本実施形態では、光射出面を構成する第1光射出面及び第2光射出面のいずれにおいても、上記光軸に交差しておらず、上記光軸に対して傾斜した構成となっている。
図9に示すように、波長変換素子90は、光入射面92aと、図2のピックアップ光学系60の光軸に対して所定の角度で傾斜する第1光射出面92b1及び第2光射出面92b2からなる光射出面92bと、これら光入射面92aと光射出面92bとを接続する接続面92cと、を有する波長変換層92を備える。第1光射出面92b1及び第2光射出面92b2は、上記光軸に交差する方向において互いに相反する方向へ傾斜しており、頂部qが反射膜35の端面35bを含む基準面Nと一致している。本実施形態においては、波長変換層92の頂部qにピックアップ光学系60の焦点Qが形成されている。
反射膜35の端面35bを含む基準面N上に、ピックアップ光学系60の焦点Qが形成されているので、エテンデューを増加させずに波長変換層92における光射出面92bの面積、すなわち、発光面積を拡大し、波長変換層92からの光の取り出し効率を改善することができる。
次に、第4実施形態における変形例1の波長変換層93の構成について説明する。
図10は、第4実施形態における変形例1の波長変換層93の構成を示す断面図である。
上述した実施形態の波長変換層92は、図9に示したように、光射出面92bの頂部qがピックアップ光学系60側に突出した凸形状となっているが、これに限らず、図10に示すように、第1光射出面93b1及び第2光射出面93b2からなる光射出面93bが光入射面側に凹んだ凹形状の波長変換層93としてもよい。
本例では、光射出面93b(第1光射出面93b1及び第2光射出面93b2)が反射膜35の端面35bを含む基準面Nと一致しないように、波長変換層93を孔31h内に配置する。このようにすることで、光射出面93bから射出された光のうち、ピックアップ光学系60の光軸に交差する方向へ向かう光を低減することができ、後段のピックアップ光学系60において利用することができない光を低減することができる。よって、ピックアップ光学系60に入射しない光が増えて光の利用効率が低下することを抑制することができる。
次に、第4実施形態における変形例2の波長変換層94の構成について説明する。
図11Aは、第4実施形態における変形例2の波長変換層94を備えた波長変換素子を示す断面図である。
上述した実施形態の波長変換層92は、図9に示したように、光射出面92bを構成する第1光射出面92b1及び第2光射出面92b2がともに平面をなすが、これに限らず、図11Aに示すように、第1光射出面94b1及び第2光射出面94b2がともに凹曲面をなす光射出面94bを有した波長変換層94としてもよい。ここでは、光射出面94b(第1光射出面94b1及び第2光射出面94b2)が反射膜35の端面35bを含む基準面Nと一致しないように、波長変換層94を孔31h内に配置する。このようにすることで、光射出面94bから射出された光のうち、ピックアップ光学系60の光軸に交差する方向へ向かう光を低減することができ、後段のピックアップ光学系60において利用することができない光を低減することができる。よって、ピックアップ光学系60に入射しない光が増えて光の利用効率が低下することを抑制することができる。
次に、第4実施形態における変形例3の波長変換層94の構成について説明する。
図11Bは、第4実施形態における変形例3の波長変換層95を備えた波長変換素子を示す断面図である。
図11Bに示すように、第1光射出面95b1及び第2光射出面95b2が凸曲面をなす光射出面95bを有した波長変換層95としてもよい。
次に、本発明の第5実施形態の波長変換素子101について説明する。
本実施形態の波長変換層102は、第1光射出面102b1、第2光射出面102b2の他に、第3光射出面102b3からなる光射出面102bを備えた点において、先の実施形態の構成とは異なる。
図12に示すように、波長変換素子101の波長変換層102は、光入射面102aと、図2のピックアップ光学系60の光軸に対して交差する方向に沿う第1光射出面102b1と、同光軸に沿う第2光射出面102b2と、上記光軸に対して交差するとともに反射膜35の端面35bを含む基準面Nに一致する第3光射出面102b3と、光入射面102aと光射出面102bとを接続する接続面102cとからなる、凸面状の光射出面102bを有する。光入射面102aは、他の実施形態と同様に光軸に交差する方向に沿う平面である。接続面102cは、支持部材31の孔31hの内周面31eに設けられた反射膜35に接触している。
次に、第6実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
以下に示す第6実施形態のプロジェクター1B(図1参照)は、青色分離型の光源装置2Bを備えた点において第1実施形態の構成と異なる。よって、以下の説明では、光源装置2Bの構成について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図12と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図13に示すように、光源装置2Bは、励起光源110と、コリメート光学系42と、位相差板43と、偏光分離素子44と、第1ホモジナイザー光学系45と、第1の集光光学系46と、波長変換素子200(上述した各実施形態の波長変換素子30,332,70,80,90,101のうちいずれか一つ)と、第1ピックアップレンズ48と、ダイクロイックミラー49と、全反射ミラー50と、第2位相差板51と、第2ホモジナイザー光学系52と、第2の集光光学系53と、反射型回転拡散素子54と、第2ピックアップレンズ55と、を概略備えている。
例えば、上述した第2実施形態を除く他の実施形態においては、ピックアップ光学系60(第1実施形態の光源装置2A)または第1ピックアップレンズ48(第6実施形態の光源装置2B)の光軸に沿う方向の波長変換層32の厚みが厚く、波長変換層が反射膜35に接触している面積が多くなっている。そのため、反射面35eに接している接続面側から放熱させることができる。波長変換層における接続面が光入射面に対して相対的に大きい場合には、波長変換層において生じた熱が接続面に接する反射膜35を介して支持部材31へと伝わり、支持部材31において放熱される。このように、支持部材31における放熱性が高くなるような構成であれば、透光性部材33は必ずしも必要ではない。
Claims (5)
- 励起光を射出する励起光源と、
前記励起光が入射する光入射面と、
前記励起光を波長変換した蛍光光を少なくとも射出する光射出面と、を有する波長変換層と、
前記光射出面から射出された光を反射する反射部材と、
前記波長変換層から射出された前記蛍光光を平行化するピックアップ光学系と、を備え、
前記光射出面は、前記ピックアップ光学系の光軸に交差する第1光射出面と、前記ピックアップ光学系の光軸に沿う第2光射出面と、前記ピックアップ光学系の光軸に交差し、前記光入射面に対向するとともに前記反射部材の前記端部を含む前記平面と一致する第3光射出面と、を少なくとも有し、
前記反射部材は、前記ピックアップ光学系の光軸に沿った反射面を有するとともに、前記ピックアップ光学系側の端部が前記光射出面より前記ピックアップ光学系側に延出しており、
前記ピックアップ光学系の光軸に交差する平面上であって、前記反射部材の前記端部を含む平面上に、前記ピックアップ光学系の焦点が形成されている、光源装置。 - 前記ピックアップ光学系の光軸に交差する方向において前記反射部材の前記波長変換層とは反対側に放熱部材が設けられており、
前記波長変換層は、前記光入射面と前記光射出面とを接続する接続面を有し、
前記反射部材の反射面は、少なくとも一部が前記接続面に接して設けられている、
請求項1に記載の光源装置。 - 前記励起光源と前記波長変換層との間に、前記光入射面に当接して設けられる透光性部材を備える、
請求項1または2に記載の光源装置。 - 励起光を射出する励起光源と、
前記励起光が入射する光入射面と、前記励起光を波長変換した蛍光光を少なくとも射出する光射出面と、を有する波長変換層と、
前記光射出面から射出された光を反射する反射部材と、
前記波長変換層から射出された前記蛍光光を平行化するピックアップ光学系と、を備え、
前記光射出面は、前記ピックアップ光学系の光軸に対して傾きを有する第1光射出面と、前記第1光射出面に対して傾きを有する第2光射出面と、を少なくとも有し、
前記反射部材は、前記ピックアップ光学系の光軸に沿った反射面を有するとともに、前記ピックアップ光学系側の端部が前記光射出面より前記ピックアップ光学系側に延出しており、
前記ピックアップ光学系の光軸に交差する平面上であって、前記反射部材の前記端部を含む平面上に、前記ピックアップ光学系の焦点が形成されており、
前記ピックアップ光学系の光軸に交差する方向において前記反射部材の前記波長変換層とは反対側に放熱部材が設けられており、
前記波長変換層は、前記光入射面と前記光射出面とを接続する接続面を有し、
前記反射部材の反射面は、少なくとも一部が前記接続面に接して設けられている、光源装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調して画像光を生成する光変調装置と、
前記画像光を投射する投射光学系と、を備えるプロジェクター。
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