JP6851701B2 - ショベル - Google Patents

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Description

本発明は、ショベルに関する。
ショベルは、クローラと呼ばれる走行体、上部旋回体、走行体に対して上部旋回体を回転させる旋回装置、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントを備える。アタッチメントは、ブーム、アーム、バケットおよびそれらを駆動するブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有する。各シリンダは、運転者(オペレータ)によるレバー操作により制御可能となっている。
バケットに土砂や瓦礫などの積載物が収容された状態で、オペレータがブーム軸、アーム軸、バケット軸あるいは旋回軸を急激に動かすと、積載物がバケットからこぼれ落ちる(土砂溢れという)。土砂溢れは作業のやり直しを必要とするため作業効率を悪化させる要因となる。
特開2008−267760号公報
しかしながら従来の土砂溢れの防止は、旋回トルクの急変を抑制したり、オペレータの設定にもとづいて旋回加速度を制限したり、アタッチメントの衝撃が低減されるように緩やかに旋回軸を止めるなど、旋回運動にともなう土砂溢れには有効であったが、アタッチメントの動作にもとづく土砂溢れに対して配慮されておらず、改善の余地があった。
また、従来技術では、バケット姿勢を地面に対して自動的に水平に保つバケット角一定制御をベースとするものであり、バケットの力学的な運動が考慮されていない。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、土砂溢れを抑制可能なショベルの提供にある。
1. 本発明のある態様はショベルに関する。ショベルは、クローラと、上部旋回体と、クローラに対して上部旋回体を回転させる旋回装置と、ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、アタッチメントの動作中にバケット内の積載物に加わる力が、積載物の安定しうるしきい値を超えないように、アタッチメントおよび上部旋回体の少なくとも一方の動作を制限するコントローラと、を備える。
この態様によると、アタッチメントの動作中に積載物に加わる力を考慮することで、土砂溢れを抑制することができる。
コントローラは、アタッチメントの動作にともない発生する力と旋回装置の動作にともない生ずる力の合力を考慮してもよい。これにより、旋回運動とアタッチメントの曲げ伸ばし運動を同時に行った場合の土砂溢れを抑制できる。
コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の少なくともひとつの軸の加速度を抑制してもよい。
コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の全軸の加速度を抑制してもよい。
コントローラは、積載物をバケットから溢す方向に支配的に作用する軸の加速度を優先的に抑制してもよい。
コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の少なくともひとつの軸の速度を抑制してもよい。
コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の少なくともひとつの軸のジャークを抑制してもよい。
しきい値は、アタッチメントの姿勢に応じていてもよい。
2. 本発明のある態様はショベルに関する。ショベルは、クローラと、上部旋回体と、クローラに対して上部旋回体を回転させる旋回装置と、ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、バケットを移動させたときに、バケットの基準面がバケット内の積載物に生ずる加速度方向と垂直面に近づく方向に、バケットを傾けるコントローラと、を備える。
本発明の別の態様もまた、ショベルである。このショベルは、クローラと、上部旋回体と、クローラに対して上部旋回体を回転させる旋回装置と、ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、旋回装置およびアタッチメントの少なくともひとつを可動中にバケット内の積載物の垂直抗力が大きくなるようにバケットを傾けるコントローラと、を備える。
本発明のさらに別の態様もまた、ショベルである。このショベルは、クローラと、上部旋回体と、クローラに対して上部旋回体を回転させる旋回装置と、ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、旋回装置およびアタッチメントの少なくともひとつを可動中に、バケット内の積載物に対して、バケットの基準面と平行に働く力が小さくなるようにバケットを傾けるコントローラと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、土砂溢れを抑制できる。
実施の形態に係る建設機械の一例であるショベルの外観を示す斜視図である。 ショベルの座標系を模式的に示す図である。 第1の実施の形態に係るショベルの一実施例のブロック図である。 第1の実施の形態に係るショベルの一実施例のブロック図である。 第1の実施の形態に係るショベルの一実施例のブロック図である。 第1の実施の形態に係るショベルの一実施例のブロック図である。 バケットおよび積載物を模式的に示す図である。 第1の使用形態におけるショベルの動作を示す図である。 第2の使用形態におけるショベルの動作を示す図である。 コントローラのブロック図である。 第2の実施の形態に係るショベルの一実施例のブロック図である。 バケットおよび積載物を模式的に示す図である。 図13(a)、(b)は、コントローラによるバケット角制御を模式的に示す図である。 図14(a)、(b)は、バケット角制御が有効なショベルの第1の使用形態を示す図である。 バケット角制御が有効なショベルの第2の使用形態を示す図である。 コントローラのブロック図である。 第1変形例に係るショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。 第2変形例に係るショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係る建設機械の一例であるショベル1の外観を示す斜視図である。ショベル1は、主としてクローラ(走行機構ともいう)2と、クローラ2の上部に旋回装置3を介して回動自在に搭載された上部旋回体(以下、単に旋回体ともいう)4とを備えている。
旋回体4には、ブーム5と、ブーム5の先端にリンク接続されたアーム6と、アーム6の先端にリンク接続されたバケット10とが取り付けられている。バケット10は、土砂、鋼材などの吊荷を捕獲するための設備である。ブーム5、アーム6、及びバケット10は、アタッチメント12と総称され、それぞれブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によって油圧駆動される。また、旋回体4には、バケット10の位置や励磁動作および釈放動作を操作する運転者を収容するための運転室4aや、油圧を発生するためのエンジン11といった動力源が設けられている。エンジン11は、例えばディーゼルエンジンで構成される。
図2は、ショベル1の座標系を模式的に示す図である。ショベル1においては、ブーム5、アーム6、バケット10それぞれの位置を示す角度座標θ〜θが定義される。θはブームと旋回体4の位置関係、θはブーム5とアーム6の位置関係、θはアーム6とバケット10の位置関係を一義的に表せばよく、それらはどのように定義しても構わない。θ〜θの組み合わせを単にθと示し、アタッチメント12全体の位置(姿勢)を示すものとする。
またφは旋回装置3の旋回角を示す。R(θ,θ,θ)は、アタッチメント12の原点Oと、バケット10の基準位置Xの距離である。Rはアタッチメント12の機構にもとづく関数で表され、位置情報θ〜θから計算することができる。R(θ,θ,θ)を単にR(θ)とも記す。またアタッチメント12の原点およびバケット10の基準位置は、それぞれ適切に定めればよい。
(第1の実施の形態)
図3〜図6は、第1の実施の形態に係るショベル1の電気系統や油圧系統などのブロック図である。なお、図3〜図6では、機械的に動力を伝達する系統を二重線で、油圧系統を太い実線で、操縦系統を破線で、電気系統を細い実線でそれぞれ示している。なおここでは油圧ショベルについて説明するが、旋回に電動機を用いるハイブリッドショベルにも本発明は適用可能である。
機械式駆動部としてのエンジン11は、油圧ポンプとしてメインポンプ14及びパイロットポンプ15に接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。なお、油圧アクチュエータに油圧を供給する油圧回路は2系統設けられることがあり、その場合にはメインポンプ14は2つの油圧ポンプを含む。本明細書では理解の容易化のため、メインポンプが1系統の場合を説明する。
コントロールバルブ17は、ショベル1における油圧系の制御を行う装置である。コントロールバルブ17には、図1に示したクローラ2を駆動するための走行油圧モータ2A及び2Bの他、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続されており、コントロールバルブ17は、これらに供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御する。
また、旋回装置3を駆動するための旋回油圧モータ21がコントロールバルブ17に接続される。旋回油圧モータ21は、旋回コントローラの油圧回路を介してコントロールバルブ17に接続されるが、図3等には旋回コントローラの油圧回路は示されず、簡略化されている。
パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26(操作手段)が接続されている。操作装置26は、クローラ2、旋回装置3、ブーム5、アーム6、及びバケット10を操作するための操作装置であり、運転者によって操作される。操作装置26には、油圧ライン27を介してコントロールバルブ17が接続され、また、油圧ライン28を介して圧力センサ29が接続される。
操作装置26は、パイロットライン25を通じて供給される油圧(1次側の油圧)を運転者の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置26から出力される2次側の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17に供給されるとともに、圧力センサ29によって検出される。なお図3等において油圧ライン27は1本で描かれているが、実際には左走行油圧モータ、右走行油圧モータ、旋回それぞれの制御指令値の油圧ラインが存在する。
操作装置26は、3つの入力装置26A〜26Cを含む。入力装置26A〜26Cはペダルもしくはレバーであり、入力装置26A〜26Cは、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29にそれぞれ接続される。圧力センサ29は、電気系の駆動制御を行うコントローラ30に接続されている。本実施形態では、入力装置26Aが旋回操作レバーとして機能し、入力装置26Bがアタッチメントの操作レバーとして機能する。入力装置26Cは、走行用のレバーもしくはペダルである。
コントローラ30は、ショベルの駆動制御を行う主制御部である。コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、CPUがメモリに格納された駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される。
センサ530は、アタッチメント23の位置情報θを検出する。具体的には位置情報θは、ブーム5、アーム6、バケット10それぞれの位置を示す角度座標θ〜θの検出値を含む。センサ530は、リンク角センサあるいはシリンダの変位量を検出するセンサで構成することができる。また位置情報は、角度情報[rad]であってもよいし、角速度情報[rad/s]であってもよいし、あるいは角加速度情報[rad/s]であってもよい。
コントローラ30は、アタッチメント12の動作中にバケット10内の積載物に加わる力Fが、積載物の安定しうるしきい値Tを超えないように、アタッチメント12および上部旋回体4の少なくとも一方の動作を制限する。コントローラ30による制限制御については後述する。
図7は、バケット10および積載物40を模式的に示す図である。ある使用形態において土砂溢れは、積載物40に加わる力Fが最大静止摩擦力μNを上回ると発生する。したがってしきい値Tは、静止摩擦係数μと垂直抗力N、積載物40の質量mを考慮して計算することができる。
具体的にはしきい値は、積載物およびバケット10をモデル化することにより近似的に計算することができる。バケット10が水平面(地面)となす角度をδとする。バケット10の静止状態では垂直抗力Nは、N=mg×cosδである。また積載物40を溢す方向xには、重力の成分F=mg×sinδが働いている。よって関係式F<μNが土砂溢れが生じない条件となる。
アタッチメント12あるいは旋回装置3を動かすと、重力の成分に加えて、アタッチメント12や旋回装置3の動作に起因する力F||が積載物40に加わる。このとき、関係式F||+F<μNが土砂溢れが発生しない条件となる。これを変形すると、以下の関係式を得ることができ、右辺μ−Fがしきい値Tとなる。
||<μN−F
T=μN−F=μmg×cosδ−mg×sinδ
=mg(μcosδ−sinδ)
つまり、しきい値Tはバケット角δの関数であるため、バケット角δが溢しやすい範囲にあるときには、しきい値Tを低下させることが望ましい。なお、アタッチメント12や旋回装置3を動かすことで垂直抗力Nも変化するが、その影響は無視している。
しきい値Tは、ショベル1の設計段階において典型的なδ、μ、mを仮定し、これらにもとづいて計算した所定値を用いてもよい。あるいはショベル1の運転者が設定できるようにしてもよい。
あるいはコントローラ30が実行するプログラム(あるいはハードウェア)に、しきい値Tの演算式を記述しておき、しきい値Tを適応的に演算してもよい。たとえばアタッチメント12の姿勢から角度δを計算し、しきい値Tを適宜計算してもよい。また積載物40の質量mが測定可能である場合、質量mをしきい値Tに反映させてもよい。
より高度なモデルでは、アタッチメント12や旋回装置3の動作に起因する垂直抗力Nの変化を考慮してもよい。
積載物40の形状によって溢れやすさが異なることが経験的に分かる。そこでカメラなどによって積載物の形状等を検出し、形状に応じてしきい値Tを動的、適応的に変化させてもよい。
なお、コントローラ30によるアタッチメント12や旋回体4の動作の制限は、バケット10中の積載物を運んでいる状態においてのみ行い、そうでない場合、たとえば排土中や掘削中は、制限しないことが望ましい。排土、掘削動作中は土砂溢れが問題とならないため、制限を解除することで、作業効率が低下するのを防止できる。なお、排土中であることや掘削中であることの判定には、たとえば特願2006−182504号公報に記載の技術を用いることができる。
続いて、コントローラ30によるアタッチメント12や旋回体4の動作制限について、ショベル1のいくつかの使用形態と関連付けて説明する。
図8は、第1の使用形態におけるショベル1の動作を示す図である。図8には旋回持ち上げ動作が示される。旋回持ち上げ動作では、バケット内の積載物40に働く力Fは式(1a)、(1b)で表される。
=m×α …(1a)
α=(y11+y12+y13+y14) …(1b)
m: 積載物の質量
α: 積載物の加速度
11:アタッチメント12の動作により生ずる遠心力
12:旋回装置3の動作により生ずる遠心力
13:旋回装置3の動作によりアタッチメント12が積載物40に及ぼす力
14:アタッチメント12の動作によりアタッチメント12が積載物40に及ぼす力
つまりこの使用形態では、アタッチメント12の動作にともない発生する力y11,y14と旋回装置3の動作にともない生ずる力y12,y13の合力Fが考慮される。なお、旋回持ち下げ動作も同様に考えることができる。
遠心力y11は、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の変位にともない、アタッチメント12を含む平面内の原点O周りの遠心力であり、y11=R(θ)・(θ'+θ'+θ')で表される。「'」は時間微分d/dtを表す。
12は、旋回軸の回転により生ずる遠心力であり、たとえばy12=R(θ)・φ'で表される。
13は、旋回軸の回転によりアタッチメント12が積載物40に及ぼす力であり、たとえばy13=R(θ)・φ''で表される。「''」は時間の2階微分(d/dt)を表す。
14は、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の変位にともないアタッチメント12が積載物40に及ぼす力であり、たとえばy14=R(θ)・(θ''+θ''+θ'')で表される。
なおFは三次元ベクトルであるが、図7に示すように、土砂溢れに作用するのは、バケット10と平行な成分F||である。したがってアタッチメント12の姿勢を考慮して平行成分F||を演算してもよい。あるいは力Fのノルム(絶対値)がすべて土砂溢れに寄与するものとして、|F|≒F||と近似してもよい。
コントローラ30は、各軸の座標θ〜θおよびφにもとづいて、力Fを演算する。上述のように力Fは、θ〜θおよびφの関数として把握される。そしてコントローラ30は、旋回持ち上げ動作中に積載物40の安定しうるしきい値をTと書くとき、関係式(2)を満たすようにアタッチメント12および旋回装置3の少なくとも一方の動作を制限する。
>F …(2)
ここで、しきい値Tは主に摩擦力により支配され、したがって積載物40の質量に比例すると近似できる。比例係数をSとすると、しきい値Tは式(3)で表される。
=m×S …(3)
式(1)〜(3)から、積載物40の質量mに依存しない関係式(4)を得る。コントローラ30は関係式(4)を満たすように、複数軸の加速度y11,y12,y13,y14の少なくとも一つを制限すればよい。
>(y11+y12+y13+y14) …(4)
図9は、第2の使用形態におけるショベル1の動作を示す図である。図9には、持ち上げ動作が示される。持ち上げ動作では、バケット10が上に持ち上げられながら、手前に引き込まれる。この持ち上げ動作では、バケット内の積載物40に働く力Fは式(5a)、(5b)で表される。
=m×α …(5a)
α=y11 …(5b)
11:アタッチメント12の動作により生ずる遠心力
なお、この使用形態においてy14を考慮してもよい。
この使用形態では遠心力y11は、積載物40をバケット10の両脇からアーム6の奥側に向かって溢れ落とす方向に加わる。
コントローラ30は、各軸の座標θ〜θにもとづいて、力Fを演算する。そしてコントローラ30は、持ち上げ動作中に積載物40の安定しうるしきい値をTと書くとき、関係式(6)を満たすようにアタッチメント12および旋回装置3の少なくとも一方の動作を制限する。しきい値Tは、しきい値Tと異なる値に定めてもよい。
>F …(6)
しきい値Tは比例係数Sを用いて式(7)で表される。
=m×S …(7)
式(5)〜(7)から、積載物40の質量mに依存しない関係式(8)を得る。コントローラ30は関係式(8)を満たすように、アーム軸、ブーム軸、バケット軸に関連する加速度y11,y14の少なくとも一つを制限すればよい。
>y11 …(8)
第1、第2の使用形態において、力FやFを抑制するために、コントローラ30は以下の制御を行うことができる。
制御1. 加速度の抑制
コントローラ30は、少なくともひとつの軸の加速度(角加速度)を制限することにより、力F,Fを低下させることができる。
制御1A. たとえばコントローラ30は、全軸の加速度を抑制することにより関係式(4)あるいは(8)を維持してもよい。全軸の加速度の抑制は、(i)パイロット圧の流量変化を落とすこと、あるいは(ii)ポンプ出力トルクの変化量(時間変化率)を制限すること、などにより実現できる。パイロット圧の流量変化は、パイロットライン25上に、電磁絞りを追加することで実現してもよい。
具体的には、図3のショベル1においては、油圧ライン27の経路上に流量調整弁18が設けられる。コントローラ30は、流量調整弁18を制御することにより、全軸の加速度を抑制することができる。
また図4のショベル1においては、コントローラ30がメインポンプ14を制御することにより、メインポンプ14の出力トルクの変化量が抑制することができる。
全軸の加速度を抑制することにより、直接的にはy13およびy14の項が抑制される。また加速度の抑制によりその後の速度が低下するため、y11,y12の項も間接的に抑制される。その結果、力F,Fが減少し、式(4)、(8)が満たされ、土砂溢れを抑制できる。また全軸を一律に抑制することで制御を簡素化できる。
コントローラ30は、S<αとなると、加速度を抑制し、それでもなおS<αであるときには、さらに加速度を抑制してもよい。あるいはコントローラ30は、Sとαの比率K=α/Sにもとづいて加速度を抑制してもよい。たとえばある所定の範囲0<K<0.8では加速度を抑制せず、0.8<Kとなると加速度を抑制してもよい。Kが大きくなるほど、加速度を抑制する程度を高めてもよい。式(4)や(8)を満たすために、加速度をどのように低下させるかについてはさまざまなバリエーションが存在し、バリエーションも本発明の範囲に含まれる。
制御1B. あるいはコントローラ30は、いくつかの軸の加速度を制限し、残りの軸の加速度を抑制しないこととしてもよい。たとえばバケット軸θに関しては、力y14に及ぼす影響が他の軸に比べてそれほど大きくない場合がある。この場合、θの加速度を制限せずに、θ,θ,φの3軸について加速度の制限を行ってもよい。加速度を制限しない軸を適切に選択することで、応答性の低下、操作感の悪化を防止できる。
あるいはコントローラ30は旋回軸φの加速度のみを抑制してもよい。なおこの制御を従来技術と混同してはならない。従来では、アタッチメントの運動により発生する力y11,y14は考慮されていない。
制御2. 速度の抑制
コントローラ30は、少なくともひとつの軸の速度(角速度)を制限することにより、力F,Fを低下させることができる。
制御2A. コントローラ30は、全軸の速度を制限することにより関係式(2)を維持してもよい。全軸の速度の抑制は、(i)ポンプの出力トルクを落とすこと、(ii)パイロット圧を落とすこと、あるいは(iii)エンジンの回転数を落とすことにより実現できる。
図4のショベル1において、コントローラ30は、メインポンプ14を制御することによりメインポンプ14の出力トルクを低下させることにより、速度を制限することができる。
図5のショベル1には、油圧ライン27上に比例弁19が設けられる。コントローラ30は、比例弁19を制御することによりパイロット圧を低下させることにより、速度を制限することができる。
図6のショベル1において、コントローラ30は、エンジン11の回転数を落とすことにより、速度を制限することができる。
コントローラ30は、S<αとなると、全軸の速度を抑制し、それでもなおS<Fであるときには、さらに速度を抑制してもよい。あるいはコントローラ30は、Sとαの比率K=α/Sにもとづいて速度を抑制してもよい。たとえばある所定の範囲0<K<0.8では速度を抑制せず、0.8<Kとなると速度を抑制してもよい。Kが大きくなるほど、速度を抑制する程度を高めてもよい。
このように全軸の速度を抑制することにより、遠心力の項y11およびy12の項が抑制される。その結果、力F,Fが減少し、式(4)、(8)が満たされ、土砂溢れを抑制できる。また全軸を一律に抑制することで制御を簡素化できる。
制御2B. コントローラ30は、いくつかの軸の速度を制限し、残りの軸の速度を抑制しないこととしてもよい。加速度を制限しない軸を適切に選択することで、応答性の低下、操作感の悪化を防止できる。
制御3. 加速度および速度の抑制
コントローラ30は、加速度の抑制制御と速度の抑制制御を併用してもよい。この場合、y11,y12,y13,y14すべての項が制限されて力F,Fが低下する。たとえば(i)すべての軸について加速度、速度の両方を抑制したり、(ii)選択されたいくつかの軸について加速度、速度の両方を抑制したり、(iii)いくつかの軸について加速度を抑制し、残りのいくつかの軸について速度を抑制してもよい。
制御4. 加加速度の抑制
コントローラ30は、少なくともひとつの軸の加加速度(ジャーク)を制限することにより、力F,Fを低下させることができる。加加速度の抑制は、加速度や速度の抑制と組み合わせてもよい。
このように、加速度、速度、加加速度を抑制することで、力Fがしきい値Tを超えないような制御が実現できる。
続いて、複数軸の制御について説明する。コントローラ30は、積載物40をバケット10から溢す方向に支配的に作用する軸の加速度、速度あるいはジャークを優先的に抑制してもよい。
S>K・y11+K・y12+K・y13+K・y14 …(9)
,K,K,Kは各軸のゲインであり、コントローラ30はK,K,K,Kを重み付けすることにより、操作感を損なわずに、土砂溢れを抑制できる。
コントローラ30は、K,K,K,Kは、土砂の形状、バケットの姿勢などにもとづいて、動的、適応的に変化させてもよい。土砂の形状、バケットの姿勢によって、土砂の溢れやすさ、溢れ易い方向が異なりうる。そこでこれらを考慮して、K,K,K,Kを変化させることにより、土砂溢れと関係のない軸の操作感を損なわずに、土砂溢れを抑制できる。
図10は、コントローラ30のブロック図である。コントローラ30は、しきい値取得部32、力演算部34、制限部36を備える。コントローラ30はCPU、マイクロコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアとプログラムの組み合わせで実現でき、したがってしきい値取得部32、力演算部34、制限部36は、ハードウェア的にはCPUやDSPの一部と把握される。
しきい値取得部32は、しきい値Tを取得する。しきい値Tは、上述のように演算してもよいし、所定値を用いてもよい。あるいは所定値に、バケットの角度δや積載物40の形状に応じた可変係数を乗じてしきい値Tとしてもよい。しきい値Tは、上述のように加速度の次元を有するSで表してもよい。
力演算部34は、アタッチメント12の位置を示す情報θ〜θおよび旋回装置3の状態を示す情報φを受け、力Fを演算する。力Fは加速度の次元を有するαで表してもよい。
制限部36は加速度αとしきい値Sの関係にもとづき、アタッチメント12および旋回装置3の少なくともひとつの軸の動作を制限する。上述のように制限部36は、加速度、速度、ジャークを制限対象とすることができ、また制限する軸もさまざまなバリエーションが存在しうる。
以上、第1の実施の形態について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1の実施の形態の変形例)
しきい値Tの決定に関して図7で示したモデルは一例にすぎず、別のモデルにもとづいてしきい値Tを決定してもよい。
またショベル1の図8、図9の使用形態において積載物40に働く力F,Fは、式(1)や(5)に限定されない。たとえばある項を省略してもよいし、さらに別の項を考慮してもよい。
(第2の実施の形態)
図11は、第2の実施の形態に係るショベル1の電気系統や油圧系統などのブロック図である。
コントローラ30は、詳しくは後述するが、バケット10の傾きを制御することにより、土砂溢れを防止する。たとえばコントロールバルブ17が電子制御可能である場合、コントローラ30は、バケットシリンダ9もしくはその他のシリンダ7,8を制御するバルブを電気的に直接駆動してもよい。以上がショベル1の全体のブロック図である。
続いて土砂溢れのメカニズムを説明する。図12は、バケット10および積載物40を模式的に示す図である。ある使用形態において土砂溢れは、積載物40に加わる力Fが最大静止摩擦力μNに応じたしきい値Tを上回ると発生するものと考えられる。したがってしきい値Tは、静止摩擦係数μと垂直抗力N、積載物40の質量mを考慮して計算することができる。
具体的にはしきい値Tは、積載物およびバケット10をモデル化することにより近似的に計算することができる。バケット10の基準面が水平面(地面)となす角度(以下、バケット角と称する)をδとする。基準面41は、バケットの底面あるいは上面と平行に定めることができる。バケット10の静止状態では垂直抗力Nは、N=mg×cosδである。gは重力加速度を表す。また積載物40を溢す方向xには、重力の成分F=mg×sinδが働いている。よって関係式F<μNが土砂溢れが生じない条件となる。従来のバケット角一定制御では、δをゼロに近づけることにより、Fをゼロに近づけ、垂直抗力Nを大きくすることにより、土砂溢れを防止するものと把握される。
アタッチメント12あるいは旋回装置3を動かすと、重力の成分Fに加えて、アタッチメント12や旋回装置3の動作に起因する力F||が積載物40に加わる。このとき、関係式F||+F<μNが土砂溢れが発生しない条件となる。力F||は、アタッチメント12の稼動による加速度、遠心加速度、旋回装置3の稼動による加速度、遠心加速度を含みうる。
続いて、本実施の形態に係るショベル1の土砂溢れの防止制御を説明する。図13(a)、(b)は、コントローラ30によるバケット角制御を模式的に示す図である。積載物40は、溢れ落ちる上部分40aと、バケット10に収容される下部分40bに分けて考えることができ、下部分40bはバケット10と一体とみなすことができる。
いま、バケット10を図中矢印方向、つまり地面水平方向(X軸方向)に加速度αで加速させることを考える。なお図13(a)〜(c)には、力を加速度のディメンジョンで示している。図13(a)には、従来のようにバケット角δを0度に保つ制御を示す。上部分40aの質量をmとすると垂直抗力Nはmgであり、最大静止摩擦力はμmgとなる。下部分40bに対して矢印方向Xに加速度αの力を加えることは、上部分40aに矢印Xと反対方向に加速度αの力を加えることと等価である。したがって、
mα>μmg
が成り立つとき、ひいては
α>μg …(1)
が成り立つときに、上部分40aがX軸反対方向に溢れることとなる。
図13(b)には、本実施の形態におけるコントローラ30によるバケット角制御が示される。バケット10を加速度αで加速させるとき、コントローラ30は、バケット10を移動させたときに、バケット10を、その基準面41が積載物40に生ずる加速度方向(X方向)と垂直面42に近づく方向に傾ける。バケット角δの制御は、バケット軸θのみの制御で行ってもよいし、ブーム軸θ、アーム軸θの制御を組み合わせて行ってもよい。
図13(a)と同様に、上部分40aには、矢印Xと反対方向に加速度αの力が加わり、鉛直方向に重力加速度gが加わっている。このときの垂直抗力は、加速度αの基準面41に対して垂直な成分α||と、重力加速度gの基準面41に対して垂直な成分g||の合計であり、
g×cosδ+α×sinδ
となる。よって最大静止摩擦力は、
μ×(g×cosδ+α×sinδ)
となる。
一方、上部分40aを、基準面41と水平方向に滑らせる力は、加速度αの基準面41と平行な成分α||と、重力加速度gの基準面41と平行な成分g||の合計であり、
α×cosδ−g×sinδ
となる。なおα||とg||は反対向きである。
したがって、関係式(2)が成り立つときに、上部分40aがX軸方向またはその反対方向に溢れることとなる。
|α×cosδ−g×sinδ|>μ×(g×cosδ+α×sinδ)…(2)
関係式(1)と(2)を対比することにより、実施の形態に係るバケット角制御の利点が明確となる。関係式(1)、(2)それぞれの左辺は、上部分40aを溢そうとする力であり、δを適切に選ぶことにより、
α>|α×cosδ−g×sinδ|
が成り立つ。一方、関係式(1)、(2)それぞれの右辺の最大静止摩擦力を比較すると、δを適切に選ぶことにより、
μg<μ×(g×cosδ+α×sinδ)
が成り立つ。つまり、関係式(1)と(2)を比べると、関係式(2)の方が成立しにくいことが分かる。
以上がコントローラ30によるバケット角制御の原理である。このように実施の形態に係るショベル1によれば、バケット10を移動させたときに、バケット10を、その基準面41が積載物40に生ずる加速度方向(X方向)と垂直面42に近づく方向に傾けることにより、土砂溢れを抑制することができる。
上述のように、関係式(1)と(2)の右辺同士を比較すると、関係式(2)の右辺の方が大きい。つまり本実施の形態を別の観点から見ると、コントローラ30は、旋回装置3およびアタッチメント12の少なくともひとつを可動中(つまりバケット10の移動中)に、積載物40(上部分40a)に対する最大静止摩擦力が大きくなるように、言い換えれば垂直抗力が大きくなるようにバケット10を傾ける制御を行っているものと把握することができる。
また上述のように、関係式(1)と(2)の左辺同士を比較すると、関係式(2)の左辺の方が小さい。つまり本実施の形態を別の観点から見ると、コントローラ30は、旋回装置3およびアタッチメント12の少なくともひとつを可動中に、積載物40(上部分40a)に対して、基準面と平行に働く力が小さくなるように、バケット10を傾ける制御を行っているものと把握することができる。
なお、コントローラ30によるバケット角制御は、バケット10中の積載物40を運んでいる状態においてのみ行い、そうでない場合、たとえば排土中や掘削中は、バケット角制御をしないことが望ましい。排土、掘削動作中は土砂溢れが問題とならないため、制限を解除することで、作業効率が低下するのを防止できる。なお、排土中であることや掘削中であることの判定には、たとえば特願2006−182504号公報に記載の技術を用いることができる。
図14(a)、(b)は、バケット角制御が有効なショベル1の第1の使用形態を示す図である。第1の使用形態は、アタッチメント12を固定し、旋回装置3を旋回させる旋回動作を示す。旋回動作中、積載物40には、遠心力加速度Rφ'と旋回加速度Rφ''とが作用する。
バケット10は、ブーム5およびアーム6を含む平面内で可動であるため、旋回加速度rφ''に対向する方向に傾けることはできない。したがってコントローラ30は、積載物40に働く力の内、ブーム5およびアーム6を含む平面内に働く力を考慮し、この平面内の加速度の垂直面に近づく方向に、バケットの基準面を傾ければよい。具体的には旋回動作時においてコントローラ30は、バケット10を、その基準面41が遠心力加速度Rφ'の垂直面42に近づく方向に傾ける。
図15は、バケット角制御が有効なショベル1の第2の使用形態を示す図である。第2の使用形態は、旋回軸φを固定し、アタッチメント12により積載物40を持ち上げる(あるいは持ち下げる)動作を示す。持ち上げ動作中、積載物40には加速度Rθ''と遠心力加速度Rθ'とが作用する。コントローラ30は、バケット10を、その基準面41が加速度Rθ''と遠心力加速度Rθ'のいずれか一方の垂直面に近づくように傾ける。
あるいはコントローラ30は、加速度Rθ''と遠心力加速度Rθ'をベクトル合成し、バケット10を、その基準面41が合成された加速度の垂直面に近づくように傾けてもよい。
図14、図15の使用形態の他、それらの組み合わせである旋回持ち上げ動作(旋回持ち下げ)動作にも、実施の形態に係るバケット角制御は有効である。この旋回持ち上げ動作中、積載物40には、加速度Rθ''、遠心力加速度Rθ'、遠心力加速度Rφ'、旋回加速度Rφ''が作用する。コントローラ30は、加速度Rθ''、遠心力加速度Rθ'、遠心力加速度Rφ'のいずれか、あるいはいくつかの組み合わせにもとづいてバケット角制御を行うことができる。
図16は、コントローラ30のブロック図である。図16のコントローラ30は、加速度方向取得部32、バケット角演算部34、逆運動学演算部36を備える。コントローラ30はCPU、マイクロコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアとプログラムの組み合わせで実現でき、したがって加速度方向取得部32、バケット角演算部34は、ハードウェア的にはCPUやDSPの一部と把握される。
加速度方向取得部32は、バケット10を移動させたときに、バケット10内の積載物40に生ずる加速度方向を取得する。加速度方向取得部32は、位置情報θ〜θおよびφ(あるいは速度情報)にもとづき、加速度方向を演算してもよい。あるいは位置情報θ〜θおよびφ(あるいは速度情報)と、加速度方向を対応付けるマップ(テーブル)を保持し、テーブル参照により加速度方向を取得してもよい。マップは、使用形態(持ち上げ動作、旋回動作、旋回持ち上げ動作)ごとに用意してもよい。
バケット角演算部34は、加速度方向取得部32によって得られた加速度方向の垂直面に近づくように、バケット角δを演算あるいはテーブル参照により決定する。逆運動学演算部36は、バケット角δが得られるようなリンク角θ〜θの指令値を演算する。
図16では、バケット角δを、加速度方向取得部32とバケット角演算部34の二段階の信号処理で決定したが本発明はそれに限定されない。たとえば位置情報θ〜θおよびφ(あるいは速度情報)と、バケット角δを直接的に対応付けるマップ(テーブル)を用意しておき、テーブル参照によりバケット角δを決定してもよい。この場合もマップは、使用形態(持ち上げ動作、旋回動作、旋回持ち上げ動作)ごとに用意してもよい。
バケット角δは、加速度の大きさおよびショベル1の動作の種類に応じて、適応的に変化させてもよい。あるいは、ショベル動作ごとに一定値を定めておき、ショベルの動作を判定すると、それに応じた一定値を用いてもよい。
また実施の形態に係るバケット角制御は、バケットを減速させる場合にも当然に有効である。
続いてコントローラ30によるバケット制御の別の実施例を説明する。図17は、第1変形例に係るショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。バケット角を制御するために、ショベル1には切換弁18および比例弁19が設けられる。コントロールバルブ17が、バケット軸あるいはその他の軸に関して電気制御不能である場合、コントローラ30は切換弁18および比例弁19を制御し、コントロールバルブ17への圧力を制御し、バケット角を制御してもよい。
図18は、第2変形例に係るショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。このショベル1は、図17の切換弁18、比例弁19に代えて流量調整弁20を備える。コントローラ30は、流量調整弁20を制御することにより、コントロールバルブ17に供給される圧油の流量を変化させ、バケット角を制御してもよい。
いくつかの実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…ショベル、2…クローラ、2A,2B…走行油圧モータ、3…旋回装置、4…旋回体、4a…運転室、5…ブーム、6…アーム、7…ブームシリンダ、8…アームシリンダ、9…バケットシリンダ、10…バケット、11…エンジン、12…アタッチメント、14…メインポンプ、15…パイロットポンプ、16…高圧油圧ライン、17…コントロールバルブ、18…切換弁、19…比例弁、20…流量調整弁、21…旋回油圧モータ、25…パイロットライン、26…操作装置、27,28…油圧ライン、29…圧力センサ、30…コントローラ、32…加速度方向取得部、34…バケット角演算部、36…逆運動学演算部、40…積載物、40a…上部分、40b…下部分、530…センサ。
本発明は産業車両に利用できる。

Claims (11)

  1. クローラと、
    上部旋回体と、
    前記クローラに対して前記上部旋回体を回転させる旋回装置と、
    ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、
    前記アタッチメントの動作によって前記バケット内の積載物に生じる力が、前記積載物の安定しうるしきい値を超えないように、前記アタッチメントおよび前記上部旋回体の少なくとも一方の動作を制限するコントローラと、
    を備えることを特徴とするショベル。
  2. 前記コントローラは、前記アタッチメントの動作にともない発生する力と前記旋回装置の動作にともない生ずる力の合力を考慮することを特徴とする請求項1に記載のショベル。
  3. 前記コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の少なくともひとつの軸の加速度を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載のショベル。
  4. 前記コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の全軸の加速度を抑制することを特徴とする請求項3に記載のショベル。
  5. 前記コントローラは、前記積載物を前記バケットから溢す方向に支配的に作用する軸の加速度を優先的に抑制することを特徴とする請求項3に記載のショベル。
  6. 前記コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の少なくともひとつの軸の速度を抑制することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のショベル。
  7. 前記コントローラは、旋回軸、ブーム軸、アーム軸、バケット軸の少なくともひとつの軸のジャークを抑制することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のショベル。
  8. 前記しきい値は、前記アタッチメントの姿勢に応じていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のショベル。
  9. クローラと、
    上部旋回体と、
    前記クローラに対して前記上部旋回体を回転させる旋回装置と、
    ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、
    前記バケットを移動させたときに、前記バケットの基準面がバケット内の積載物に生ずる加速度方向と垂直面に近づく方向に、バケットを傾けるコントローラと、
    を備えることを特徴とするショベル。
  10. クローラと、
    上部旋回体と、
    前記クローラに対して前記上部旋回体を回転させる旋回装置と、
    ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、
    前記旋回装置および前記アタッチメントの少なくともひとつを可動中に前記バケット内の積載物の垂直抗力が大きくなるように前記バケットを傾けるコントローラと、
    を備えることを特徴とするショベル。
  11. クローラと、
    上部旋回体と、
    前記クローラに対して前記上部旋回体を回転させる旋回装置と、
    ブーム、アーム、バケットおよびブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダを有し、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、
    前記旋回装置および前記アタッチメントの少なくともひとつを可動中に、前記バケット内の積載物に対して、バケットの基準面と平行に働く力が小さくなるように前記バケットを傾けるコントローラと、
    を備えることを特徴とするショベル。
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