JP6849397B2 - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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しかし、本手法で作成した紫外線硬化樹脂組成物は、硬化物の透明性の観点からシリカ粒子の含有量に制限があり、所望するフィルム硬度が得られないという課題がある。
すなわち、本発明は、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種、ジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレート並びに金属アルコキシド(a)の縮合物(A)と、多官能アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、縮合物(A)が下記一般式(1)で表され、(A)〜(C)の合計重量に基づいて(A)の含有量が25〜80重量%であり、
前記多官能アクリレート(B)が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有し、
厚さが70μmの場合の硬化物のヘイズ値が1%以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
これらの中で好ましいエステル化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または上記一般式(3)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表す。
式(1)と(2)中のMはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表し、好ましくは硬度の観点からシリコン、チタニウムである。
有機酸としては、スルホン酸、カルボン酸、ヒドロキシ酸、シュウ酸が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルオクチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミンおよびジメチルセチルアミンなどのアルキル基の炭素数が1〜18のモノ−、ジ−およびトリ−アルキルアミンが挙げられる。
これらのうち、硬度の観点から好ましいのは、アルコキシシラン、アルコキシチタンである。
炭素数2〜30の脂肪族2価アルコールのジ(メタ)アクリレート:ネオペンチルグリコールおよび1,6−ヘキサンジオールの各ジ(メタ)アクリレートが挙げられる炭素数6〜30の脂環含有2価アルコールのジ(メタ)アクリレート:ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
そのような水酸基を分子内に有するし3価以上の(メタ)アクリレート(B21)としては、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO付加物のトリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのEO付加物のペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールポリアクリレートなどが挙げられる。
上記の多価カルボン酸としては、例えば脂肪族[例えばマロン酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、酸無水物の反応物(ジペンタエリスリトールと無水マレイン酸の反応物等)]、脂環式[例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルテトラヒドロ(無水)フタル酸]および芳香族多価カルボン酸[例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)、トリメリット酸(無水物)、ピロメリット酸(無水物)]が挙げられる。
。
ポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート(B5)としては、多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られるMnが400〜5,000のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(B1)〜(B7)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これら(B1)〜(B7)のうち、硬化物の硬度の観点から好ましいのは(B2)〜(B7)、さらに好ましいのは(B2)および(B4)である。また、密着性、屈曲性の観点から単官能(メタ)アクリレートを併用しても差し支えない。
金属アルコキシド(a)の縮合物(A)の含有量が多くなる場合の透明性を確保するために、同一種類の多官能(メタ)アクリレート(B)または異なる種類の(B)をさらに加えて希釈しても良い。
水酸基と反応し得る反応性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。反応性基は金属アルコキシド(a)の縮合物(A)中の水酸基と反応し、有機−無機界面に化学結合が生成するため、高い硬度が発現する。これらの官能基のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基とカルボキシル基がさらに好ましく、水酸基が最も好ましい。
硬度および透明性のバランスの観点から、本発明の光硬化性樹脂組成物中の多官能(メタ)アクリレート(B)の含有量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、20〜75重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
本発明の光硬化性樹脂組成物に添加する光重合開始剤(C)としては、フォスフィンオキサイド系化合物(C1)、ベンゾイルホルメート系化合物(C2)、チオキサントン系化合物(C3)、オキシムエステル系化合物(C4)、ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)、ベンゾフェノン系化合物(C6)、ケタール系化合物(C7)、1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)などが挙げられる。
ベンゾイルホルメート系化合物(C2)としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
チオキサントン系化合物(C3)としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物(C4)としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1(O−アセチルオキシム))等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物(C6)としては、ベンゾフェノン等が挙げられる。
ケタール系化合物(C7)としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(例えば5〜60℃)で、例えば5〜5,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜1,000mPa・sである。
これらの溶剤のうちコーティング膜の平滑性および溶剤除去の効率の観点から好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常 0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
乾燥温度は、通常 10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
なお、硬化物のヘイズは、実施例の測定方法で詳述するように、硬化膜のフィルムをJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置で測定する。
なお、本発明の全光線透過率は、実施例の測定方法で詳述するように、2枚のスライドで組成物を挟んで、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置で測定する。
そのため、本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する際に、多官能(メタ)アクリレート(B)中で、触媒(b)存在下で、金属アルコキシド(a)と水とを反応させて、本発明の透明性を満足させる金属アルコキシドの縮合物(A)を得る工程を含むことが好ましい。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.36部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−1)のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)[商品名:ETERMER235、長興化学(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.36部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−2)のペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]65部、水0.01部およびテトラ−n−ブトキシチタン(a−2)[商品名:B−1、日本曹達(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸0.05部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラ−n−ブトキシチタンの縮合物(A−3)のペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]40部、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]65部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]10部、トリメチロールプロパンEO3モル付加物トリアクリレート(B−4)[商品名:ネオマーTA−401、三洋化成工業(株)製]、20部、水1.29部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]30部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.02部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−4)のペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)、トリメチロールプロパンEO3モル付加物トリアクリレート(B−4)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]30部、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)[商品名:ニューフロンティアMF−001、第一工業製薬(株)製]30部、水1.65部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]40部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.70部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−5)のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)およびジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]20部、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)[商品名:ニューフロンティアMF−001、第一工業製薬(株)製]40部、水1.60部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]40部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.70部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−6)のペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)およびジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]45部、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)[商品名:ニューフロンティアMF−001、第一工業製薬(株)製]40部、水0.60部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]15部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸0.05部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−7)のペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)およびジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)による溶液を得た。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、フェノキシエチルアクリレート(B’−1)[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸0.05部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A’−1)のフェノキシエチルアクリレート(B’−1)による溶液を得た。これは、単官能の(B’−1)を使用する点で、比較例1のための金属アルコキシドの縮合物溶液である。
(a1−1):テトラエトキシシラン[商品名「Dynasylan Silbond Condensed」、エボニックジャパン(株)製]
(a1−2):テトラ−n−ブトキシチタン[商品名「B−1」、日本曹達(株)製]
(b−1):p−トルエンスルホン酸[東京化成工業(株)製]
(B−1):ネオマーDA−600[三洋化成工業(株)製、主成分はジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基0個)だが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(水酸基1個)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(水酸基2個)も含む]
(B−2):ETERMER235[長興化学(株)製、主成分はペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基1個)だが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(水酸基0個)、ペンタエリスリトールジアクリレート(水酸基2個)も含む]
(B−3):ネオマーEA−300[三洋化成工業(株)製、主成分はペンタエリスリトールテトラアクリレート(水酸基0個)だが、ペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基1個)も含む。]
(B−4):ネオマーTA−401[三洋化成工業(株)製、主成分はトリメチロールプロパンEO3モル付加物トリアクリレート(水酸基0個)だが、トリメチロールプロパンEO3モル付加物ジアクリレート(水酸基1個)も含む。]
(B−5):ニューフロンティア MF−001[第一工業製薬(株)製、主成分はジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(水酸基0個)だが、ジペンタエリスリトールEO付加物ペンタアクリレート(水酸基1個)も含む。]
(B’−1):フェノキシエチルアクリレート[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製]
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、製造例1で得られたテトラエトキシシランの縮合物(A−1)の(メタ)アクリレート(B−1)溶液を100部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(C−2)[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]3.0部を加え、65℃で均一になるまで混合攪拌し、(D−1)を得た。
実施例1と同様に表1に示す部数で均一混合させ、対応する光硬化性樹脂組成物(D−2)〜(D−6)および(D’−1)〜(D’−4)を得た。
なお、比較例3と4は、本発明のような(B)中で(A)を合成するのではなく、市販の無機酸化物微粒子(A’−3)を(D)と同時に(B)に、それぞれ30重量%と10重量%となるように配合した。
(A’−3):シリカ微粒子[商品名「コロイダルシリカMEK−ST」粒径10−15nm MEK40%溶液、日産化学工業(株)製]
(C−1):1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品名「ルシリンTPO」、BASF(株)製]
(C−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF(株)製]
(C−3):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF(株)製]
光硬化性樹脂組成物(D−1)〜(D−6)および(D’−1)〜(D’−4)をそれぞれディスパーザーを用いてメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分40%に調製する。
厚さ40μmのTACフィルム基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が7μmになるように塗布し、70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製。以下同じ。]により、窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2照射し、基材フィルム表面に硬化膜を有するフィルムを作成した。
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定した。
この評価条件で、3H以上が好ましい。
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
厚さ1mmのスライドガラスの上に、2cm四方を刳り抜いた厚さ100μmのシリコンゴムを置き、刳り抜いた部分に組成物を流し込んでもう一枚のスライドガラスで挟み、クリップで両端で固定してJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」、BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
なお、本発明の組成物の全光線透過率は90%以上であることが必要である。
一方、単官能アクリレートのみを使用している比較例1は鉛筆硬度が劣る。金属アルコキシドの縮合物(A)の含有量が25重量%未満である比較例2も鉛筆硬度が不十分である。市販のシリカ微粒子を(A)と同時に添加する製法であって、30重量%含有している比較例3は透明性が劣る。そこで、透明性を確保できる量(10重量%)までに減らした比較例4では鉛筆硬度が不十分である。
Claims (2)
- ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種、ジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレート並びに金属アルコキシド(a)の縮合物(A)と、多官能アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、縮合物(A)が下記一般式(1)で表され、(A)〜(C)の合計重量に基づいて(A)の含有量が25〜80重量%であり、
前記多官能アクリレート(B)が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有し、
厚さが70μmの場合の硬化物のヘイズ値が1%以下である光硬化性樹脂組成物。
- 厚さが100μmの場合の組成物の全光線透過率が90%以上である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
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