JP6848544B2 - 粉末充填装置、焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法 - Google Patents

粉末充填装置、焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉末を容器(以下、「充填対象容器」と呼ぶ)に充填するための粉末充填装置、該粉末充填装置を用いた焼結磁石製造装置、及び焼結磁石製造方法に関する。
焼結磁石を製造する際には、従来より、原料粉末を磁界中で配向しつつ圧縮成形を行って成形体を作製したうえで焼結を行う圧縮成形法が用いられてきたが、最近、原料粉末を所定の密度で充填対象容器に充填した後、圧縮成形を行うことなく磁界中配向及び焼結を行うPLP(press-less process)法が開発された(特許文献1)。PLP法には、圧縮成形を行わないことで原料粉末の粒子が配向し易くなると共に、圧縮成形を行わないことで装置の小型化が可能となり、それにより容易に無酸素雰囲気にすることができるため、原料粉末を酸化させることなく粒径を小さくすることができるため、保磁力を高くすることができるという利点がある。また、PLP法には、最終製品に近い形状の焼結磁石を得ることができるという利点もある。ここで原料粉末を充填対象容器に充填する密度は、原料粉末を単に充填対象容器に投入しただけ(自然充填)の密度よりも高く(且つ、圧縮成形法における成形体の密度よりも低く)することが求められる。以下、このような密度で粉末を充填対象容器に充填することを「高密度充填」と呼ぶ。
特許文献2には、充填対象容器に粉末を高密度充填するための粉末充填装置が開示されている。この粉末充填装置では、筒状ガイド部材がその下部開口において充填対象容器と連通するように、筒状ガイド部材が充填対象容器に着脱可能且つ密閉可能に装着される。筒状ガイド部材の下部開口には、一定間隔で複数本張設されたワイヤメッシュや孔が多数穿設された板材等で形成されたグリッド部材が設けられている。また、筒状ガイド部材の上部開口には蓋が密閉可能に取り付けられる。この蓋には、圧縮気体源から筒状ガイド部材の内部に気体を供給する気体供給管、及び筒状ガイド部材の内部から気体を排出する気体排出管が接続されている。気体供給管には電磁弁が設けられている。
この粉末充填装置では、筒状ガイド部材内に上部開口から粉末を投入したうえで上部開口に蓋を取り付けることにより、下面(下部開口)をグリッド部材とする粉末収容室が形成される。そして、下部開口に充填対象容器を装着し、気体供給管に設けられた電磁弁の開閉を繰り返すことにより、粉末収容室内の圧力を交互に上昇及び下降させ、該粉末をグリッド部材を通して充填対象容器に高密度充填する。
特開2006-019521号公報 特開2001-072001号公報
特許文献2に記載の粉末充填装置では、気体供給管は粉末収容室に1本接続されている。しかし、気体供給管が1本のみであると、筒状ガイド部材内の気体の圧力を均一にすることが難しく、それゆえ充填対象容器への粉末の充填密度を均一にすることが難しい。粉末の充填密度が不均一になると、充填密度が高い部分では粉末が磁界中配向し難くなって磁気特性が低下する。また、充填密度が低い部分では焼結後に収縮率が大きくなって凹みや空洞等が生じてしまう。また、気体供給管が1本のみであると、筒状ガイド部材内の気体の圧力を高くすることができず、所定の高密度充填を行うことができない場合がある。
これらの理由により、気体供給管は粉末収容室に複数本接続されている方が望ましい。しかし、それら複数本の気体供給管にそれぞれ電磁弁を設けると、それら複数の電磁弁の開放及び閉鎖のタイミングを完全に一致させることは難しい。複数の電磁弁の開放・閉鎖のタイミングがずれると、複数本の気体供給管の位置関係に依存して、粉末収容室内で圧力が不均一になる。また、粉末収容室内全体の気体の最高圧力も低くなってしまう。そのため、均一且つ高密度で粉末を充填することができない。
本発明が解決しようとする課題は、均一に且つ高密度で粉末を充填対象容器に充填することができる粉末充填装置、並びに、磁気特性が高く凹みや空洞等が生じていない焼結磁石を製造することができる、該粉末充填装置を用いた焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る粉末充填装置は、
a) 下端に、グリッド部材が備えられた開口と、該開口において充填対象容器と気密に接続するための接続部を有する粉末収容室と、
b) 前記粉末収容室の上部に接続された複数の気体供給管と、
c) 前記複数の気体供給管にそれぞれ接続される複数の本体内気体流路が互いに独立に内部を貫くように設けられた弁本体と
d) 前記弁本体の内部を、前記複数の本体内気体流路の全てに交差するように設けられた円筒状のシャフト嵌入孔及び該シャフト嵌入孔に回転可能に嵌入された円柱状のシャフトと、
e) 前記シャフトに、前記複数の本体内気体流路にそれぞれ対応して設けられたシャフト内気体流路と、
f) 前記複数の本体内気体流路をそれぞれ気体供給源に接続する複数の供給源側気体供給管と
を備えることを特徴とする。
本発明に係る粉末充填装置では、粉末収容室内に粉末を供給したうえで、充填対象容器を接続部に気密に接続する。そのうえで、シャフトを回転させながら、複数の供給源側気体供給管の各々から、それに接続された本体内気体流路に気体を供給する。これにより、シャフトの回転によって本体内気体流路とシャフト内気体流路が連通したタイミングで、気体が本体内気体流路からシャフト内気体流路、並びに該シャフト内気体流路及び粉末収容室の上部(開口よりも上側)に接続された気体供給管を通って粉末収容室内に供給される。こうして、粉末収容室内の粉末に繰り返し圧力が印加され、粉末がグリッド部材を通して充填対象容器に充填される。本体内気体流路とシャフト内気体流路は、シャフトが半回転する毎に連通するため、粉末収容室にはシャフトの回転周期の1/2の周期で繰り返し気体が供給されることとなる。
本発明に係る粉末充填装置によれば、いずれの気体供給管からも、気体はシャフトが所定の回転位置まで回転した時に、同時に粉末収容室に供給される。そのため、粉末収容室の圧力を均一に近くすることができ、それによって充填対象容器に均一に粉末を充填することができる。また、各気体供給管から供給される気体の圧力が最大となる時刻を一致させることができ、粉末収容室内全体の圧力の平均値を高くすることができるため、充填対象容器に高密度で粉末を充填することができる。
本体内気体流路及びシャフト内気体流路の断面は、特定の形状には限定されないが、シャフトの軸に平行な2辺を有する長方形(正方形を含む)であることが望ましい。これにより、シャフトを回転してゆくと、本体内気体流路とシャフト内気体流路はシャフトの軸方向の全体が同時に連通を開始及び終了するため、パルス状に近い圧力の印加が可能になる。特に、本体内気体流路及びシャフト内気体流路の断面の形状を、シャフトの軸に平行な2辺を長辺とする長方形とすることにより、1回当たりの気体の供給時間を短く、且つ単位時間当たりの気体の供給量を多くすることができるため、よりパルス状に近い圧力の印加が可能になる。あるいは、製造時の窄孔が容易であるという点では、本体内気体流路及びシャフト内気体流路の断面を円形としてもよい。
本発明に係る粉末充填装置において、前記粉末収容室が蓋と粉末収容室本体を備え、該蓋と該粉末収容室本体の境界に、シール用気体(粉末収容室の内部空間に供給される気体とは異なる)が供給されることにより膨張するシール材と、該シール材にシール用気体を供給するシール用気体供給経路と、該蓋と該粉末収容室本体を互いに押さえつける押圧機構とを備えることが望ましい。この構成によれば、供給経路を通してシール材にシール用気体を供給することでシール材を膨張させつつ、押圧機構により蓋と粉末収容室本体を互いに押さえつけることで、蓋と粉末収容室本体の間の気密性を高くし、充填対象容器への粉末の充填密度を高くすることができる。
本発明に係る焼結磁石製造装置は、
本発明に係る粉末充填装置と、
前記粉末充填装置により前記充填対象容器に充填された焼結磁石の原料となる粉末が、該充填対象容器に充填されたままの状態で、機械的圧力を印加することなく該粉末に磁界を印加させることにより該粉末を配向させる配向部と、
前記粉末が前記充填対象容器に充填されたままの状態で、機械的圧力を印加することなく該粉末を加熱することにより焼結させる焼結部と、
を備える。
本発明に係る焼結磁石製造方法は、
本発明に係る粉末充填装置を用いて焼結磁石の原料となる粉末を充填対象容器に充填する粉末充填工程と、
前記粉末が前記充填対象容器に充填されたままの状態で機械的圧力を印加することなく、該粉末に磁界を印加させることにより、該粉末を配向させる配向工程と、
前記粉末が前記充填対象容器に充填されたままの状態で機械的圧力を印加することなく、該粉末を加熱することにより焼結させる焼結工程と
を行うことを特徴とする。
本発明により、均一に近く且つ高密度で粉末を充填対象容器に充填することができ、それにより、磁気特性が高く凹みや空洞等が生じていない焼結磁石を製造することができる。
本発明に係る粉末充填装置の一実施形態の全体構成を示す概略図(a)、並びに給気口及び排気口の配置を示す上面図(b)。 本実施形態の粉末充填装置における本体の下面図。 本実施形態の粉末充填装置におけるシャフト内気体流路の平面形状を示す断面図。 本実施形態の粉末充填装置を用いて粉末を充填する充填対象容器の一例を示す上面図(a)及び縦断面図(b)。 本実施形態の粉末充填装置を用いて粉末を充填する動作を示す概略図。 シャフトが回転してゆく様子を該シャフトの軸に垂直な断面で示す図。 キャビティの上端からはみ出した粉末をスクレーパで掻き取る様子を示す図。 粉末充填装置の変形例である、蓋の内側に膜等を設けた例を示す概略図。 充填対象容器に粉末を充填した後の高密度化処理の例を説明する概略図。 本実施形態(変形例)(a)と比較例(b)の粉末充填装置につき、気体供給管を通過する圧縮気体の流量の時間変化を測定した結果を示すグラフ。 変形例の粉末充填装置につき、粉末収容室内の圧力の時間変化を測定した結果を示すグラフ。 変形例の粉末充填装置につき、圧縮気体の圧力の相違による、充填対象容器への充填密度の平均値及びキャビティ毎の給粉重量のバラツキを実験で求めた結果を示すグラフ。 変形例の粉末充填装置につき、充填対象容器への充填密度の目標値を3.3g/cm3としたときの実際の充填密度の平均値及びキャビティ毎の給粉重量のバラツキを実験で求めた結果を示すグラフ。 変形例の粉末充填装置につき、充填対象容器への充填密度の目標値を3.5g/cm3としたときの実際の充填密度の平均値及びキャビティ毎の給粉重量のバラツキを実験で求めた結果を示すグラフ。 本体内気体流路及びシャフト内気体流路の断面形状が異なる2つの例について、粉末収容室内の圧力の時間変化を測定した結果を示すグラフ。 本体内気体流路及びシャフト内気体流路の断面形状が異なる2つの例について、充填対象容器への充填密度を測定した結果を示すグラフ。 本実施例に係る焼結磁石製造装置の全体構成を示す概略図。
図1〜図17を用いて、本発明に係る粉末充填装置、焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法の実施形態を説明する。
(1) 本実施形態の粉末充填装置1の構成
図1(a)は、本実施形態の粉末充填装置1の全体の構成を示す概略図である。粉末充填装置1は、粉末収容室10を有し、粉末収容室10は本体11及び蓋12を有する。
本体11は直方体の箱状のものであって、天井部の全体が開放されており、底部(下端)には開口111が設けられている。開口111は、本実施形態では、本体11の底部の長方形の長辺方向に等間隔に6個、短辺方向には長辺方向とは異なる間隔で等間隔に3個、合計18個設けられている。開口111は長方形であり、開口111の長辺と本体11の底部の短辺が平行になるように配置されている。この開口111の形状は、本実施形態では、PLP法によって焼結磁石を作製する際に用いるモールドである後述の充填対象容器20のキャビティの形状に合わせるように定めた。開口111の形状はこの例には限定されず、充填対象容器の形状に応じて適宜定めればよい。
各開口111には、グリッド部材15が取り付けられている(図2)。グリッド部材15は、縦及び横にそれぞれワイヤが一定間隔で複数本張設されて成る。本実施形態では、平均粒径が3μmのRFeB(R2Fe14B:RはNd等の希土類元素)系磁石合金の粉末を充填対象容器20への充填の対象として、グリッド部材15のワイヤの間隔は3mmとした。このように、グリッド部材15のワイヤの間隔は粉末の平均粒径よりも3桁大きいが、RFeB系磁石合金の粉末の粒子が凝集することにより、単にグリッド部材15の上に粉末を載置しただけでは、粉末がワイヤの間を通過して落下することはない。
蓋12は、本体11と同じ横断面を有する直方体の箱状のものであって、本体11の天井部に取り付けられる。蓋12は底部の全体が開放されており、天井部には給気口121及び排気口122が設けられている。図1(b)は、蓋12における給気口121及び排気口122の配置を示すと共に、蓋12が本体11に取り付けられたときに蓋12の下方に位置する開口111を破線で示している。排気口122は、各開口111の直上に1個ずつ、合計18個設けられている。給気口121は、天井部の長方形の長辺方向には排気口122及び開口111の2倍の間隔で3個、短辺方向には排気口122及び開口111と同じ間隔で2個、合計6個設けられている。各給気口121は、4個の排気口122を頂点として形成される最小の長方形の重心に配置されている。
蓋12には、粉末収容室10の外側から各給気口121に1本ずつ、気体供給管123が接続されている。
気体供給管123は、弁装置13に接続されている。弁装置13は、弁本体131とシャフト132を有する。弁本体131には、その内部を互いに独立に貫くように、気体供給管123と同数である6本の本体内気体流路1311が設けられている。本実施形態では、6本の本体内気体流路1311は互いに平行であり、等間隔に配置されている。各本体内気体流路1311の一方の端には気体供給管123がそれぞれ1本ずつ接続されており、他方の端には供給源側気体供給管14がそれぞれ1本ずつ接続されている。供給源側気体供給管14には、気体供給源であるガスボンベ(図示せず)から、大気圧よりも高圧の気体(以下、「高圧気体」とする)が供給される。この高圧気体は、本実施形態では、RFeB系磁石合金の粉末と反応しないアルゴンガスを用いる。アルゴンガスの代わりに、その他の希ガスや窒素ガスを用いてもよい。
弁本体131の内部には、6本の本体内気体流路1311の全てと交差するように、円筒状のシャフト嵌入孔1312が設けられている。本実施形態では、6本のシャフト嵌入孔1312は互いに平行に、且つ6本の本体内気体流路1311と同じ間隔で配置されている。シャフト嵌入孔1312は6本の本体内気体流路1311に直交するように設けられている。シャフト132は、シャフト嵌入孔1312に嵌入されており、6本の本体内気体流路1311にそれぞれ対応してシャフト内気体流路1321が設けられている。これらの構成により、シャフト132はシャフト嵌入孔1312が延びる方向と同方向の軸の回りに回転し、シャフト内気体流路1321は軸に直交する。シャフト132には、該シャフト132を軸の回りに回転させる駆動源であるモータ(図示せず)が接続されている。
シャフト内気体流路1321の断面の形状は、本実施形態では図3に示すようにシャフト132の軸に平行な2辺を有する長方形である。本体内気体流路1311の断面の形状及び大きさはシャフト内気体流路1321のそれらと同じである。一方、気体供給管123及び供給源側気体供給管14の断面はいずれも、本体内気体流路1311との接続部では本体内気体流路1311の断面と同じく長方形であるが、該接続部から一定の長さの範囲内では接続部から離れるに従って徐々に形状が変化し、該範囲よりも外側では円形である。
シャフト132の直径は、本実施形態では16mmとした。シャフト内気体流路1321の間隔は24mmとした。本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面の大きさは、本実施例では長辺を6.5mm、短辺を3.8mmとした。なお、これらは一例であって、本発明はこの例には限定されない。本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面の長辺の長さは、隣接する本体内気体流路1311の間に気体供給管123及び供給源側気体供給管14を取り付けるための孔の無い部分を設けることができる範囲内で、長い方が一度に粉末収容室10に供給できる高圧気体の量を多くすることができるため望ましい。一方、本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面の短辺の長さは、シャフト132を軸の回りに回転させる間に本体内気体流路1311とシャフト内気体流路1321が連通する時間が全体の5〜20%程度となるよう、シャフト132の直径を勘案して定めることが望ましい。
本体11の壁の下端には、充填対象容器20と気密に接続するための下部シール材112から成る接続部が設けられている。一方、本体11の壁の上端には、蓋12と気密に接続するための上部シール材113が設けられている。下部シール材112及び上部シール材113はいずれも、高圧気体が供給されることによって膨張する風船状のものである。本体11の壁内には、下部シール材112及び上部シール材113に高圧気体を供給するシール用気体供給経路114が設けられており、シール用気体供給経路114は、シール用気体を供給するシール用気体供給源(図示せず)に接続されている。このシール用気体供給源は供給源側気体供給管14に高圧気体を供給する気体供給源とは別に設けられており、供給される高圧気体は空気である。更に、蓋12の上面には、蓋12を下方に押さえつける押さえシリンダ(押圧機構)124が接続されている。押さえシリンダ124で蓋12を下方に押さえつけつつ、下部シール材112及び上部シール材113にシール用気体を供給してそれらを膨張させることにより、本体11と充填対象容器20の間、及び蓋12と本体11の間の気密が保持されるようになっている。
(2) 充填対象容器20の構成
充填対象容器20は、長方形の平板状の本体21の上面側に、粉末充填装置1の本体11の開口111と同じ平面形状を有する平板状のキャビティ22が、開口111と同じ間隔で長辺方向に6個、短辺方向に3個、合計18個設けられたものである(図1(a)及び図4)。粉末充填装置1により粉末を充填対象容器20に充填する際には、下から順に充填対象容器20と本体11を、キャビティ22と開口111の位置を合わせて重ねた状態で使用する。
(3) 本実施形態の粉末充填装置1の動作
図5〜図7を用いて、本実施形態の粉末充填装置1の動作を説明する。まず、本体11と蓋12が分離されている状態で、粉末Pを本体11内に供給する(図5(a))。このとき粉末Pは、開口111に設けられたグリッド部材15の上に載るが、前述の理由により、グリッド部材15のワイヤの間を通過して落下することはない。
次に、充填対象容器20を、本体11の開口111と充填対象容器20のキャビティ22の位置を合わせるように本体11の直下に配置する。それと共に、本体11の上に蓋12を載置する。そして、シール用気体供給源からシール用気体供給経路114を通して下部シール材112及び上部シール材113に高圧気体を供給すると共に、押さえシリンダ124により蓋12を下方に押す(図5(b))。これにより、本体11と充填対象容器20の間、及び蓋12と本体11の間の気密性が、それぞれ下部シール材112及び上部シール材113により確保される。
この状態で、気体供給源であるガスボンベから各供給源側気体供給管14に高圧気体を供給すると共に、駆動源であるモータによりシャフト132を軸の回りに等速で回転させる。
図6に、シャフト132が回転してゆく様子を、シャフト132の軸に垂直な断面で示す。同図に示された本体内気体流路1311は、図の上方で供給源側気体供給管14に接続され、図の下方で気体供給管123に接続されている。同図に太線で示された矢印はシャフト132の回転方向を示し、細線で示された矢印は高圧気体の流れを示している。図6(a)に示すように、本体内気体流路1311とシャフト内気体流路1321が連通していないときには、ガスボンベから供給源側気体供給管14を通して本体内気体流路1311に供給された高圧気体はシャフト132により遮られ、気体供給管123及びその先の粉末収容室10には供給されない。その後、シャフト132が回転してゆくことでシャフト内気体流路1321の一部が本体内気体流路1311と連通する(図6(b))と、高圧気体は供給源側気体供給管14からシャフト内気体流路1321を通過し、本体内気体流路1311の残りの部分と気体供給管123を通して粉末収容室10に供給される。単位時間あたりの高圧気体の供給量は、本体内気体流路1311とシャフト内気体流路1321が連通し始めてから回転角度が進むに従って増加してゆき、本体内気体流路1311とシャフト内気体流路1321の角度が一致したときに最大となり(図6(c))、その後減少してゆく。更に回転角度が進むと、本体内気体流路1311とシャフト内気体流路1321が連通しなくなり(図6(d))、気体供給管123及び粉末収容室10に高圧気体が供給されなくなる。ここまでの動作は、シャフト132が半回転する毎に繰り返され、粉末収容室10にはシャフト132の回転周期の1/2の周期で繰り返し高圧気体が供給される。また、図6では1組の本体内気体流路1311とシャフト内気体流路1321のみを示しているが、6本の本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321が平行に配置され、且つ、シャフト内気体流路1321がシャフト132が回転する軸に直交していることから、全てのシャフト内気体流路1321は同じタイミングで本体内気体流路1311と連通を開始及び終了する。
このように粉末収容室10に供給された高圧気体は、排気口122の排気抵抗によって給気のタイミングからやや遅れて排気口122から排出される。これにより、粉末収容室10内では圧力が前記周期で上昇及び下降を繰り返す。粉末Pは、この圧力によって同周期で繰り返し下方に押され(エアタッピング)、グリッド部材15のワイヤの間から下方に押し出されて充填対象容器20のキャビティ22へ落下してゆく(図5(c))。なお、高圧気体の圧力は、取り扱う粉末毎に当業者が予備実験を行って適宜定めればよい。また、1周期中の圧縮気体を供給する時間の比(デューティ比)は、本実施形態の粉末充填装置1では本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面の短辺の長さ、すなわち回転方向の長さで定まるが、この長さは、例えば電磁弁を用いた従来の粉末充填装置で予備実験を行うことによって適切なデューティ比を求めたうえで設計すればよい。
この操作を所定時間行うことにより、キャビティ22の上端付近まで粉末Pで満たされる。その後、押さえシリンダ124による押圧を解放し、充填対象容器20を本体11から離す(図5(d))。以上により、キャビティ22内に粉末Pを充填する操作が完了する。
なお、実際には充填対象容器20を本体11の直下に配置したときに、充填対象容器20のキャビティ22の上端と本体11のグリッド部材15の間にわずかな隙間が存在するため、粉末Pはキャビティ22の上端からわずかにはみ出すように、キャビティ22に供給される。そこで、図7に示すように、キャビティ22の上端からわずかにはみ出した粉末Pを、スクレーパ36で掻き取り、充填対象容器20の上面と同一平面になるように粉末Pの上端をならす。スクレーパ36は第1〜第3の掻き取り部361〜363を有し、第1掻き取り部361から第3掻き取り部363に向かって、粉末Pと接する先端の高さが低くなっている。スクレーパ36全体を、第1掻き取り部361、第2掻き取り部362、第3掻き取り部363の順で粉末Pに接触するように移動させることにより、粉末Pを徐々に掻き取ることができる。
本実施形態の粉末充填装置1によれば、シャフト132が回転している間に、全てのシャフト内気体流路1321が同じタイミングで本体内気体流路1311と連通を開始及び終了するため、粉末収容室10では全ての給気口121から同じタイミングで圧縮空気の供給が開始及び終了する。そのため、各時刻における粉末収容室10内の気体の圧力を均一に近くすることができ、それによって充填対象容器20に均一に粉末Pを充填することができる。また、各給気口121から供給される圧縮気体の圧力が最大となる時刻を一致させることができる。そのため、粉末収容室10内全体の圧力の平均値を高くすることができ、それによって充填対象容器20に高密度で粉末Pを充填することができる。
(4) 本実施形態の粉末充填装置の変形例
図8に、本実施形態の粉末充填装置の変形例を示す。この変形例の粉末充填装置1Aは、粉末収容室10Aの蓋12Aの内部に、横方向に張設されたシリコーンゴム製の膜126と、膜126の直下に設けられた金属製の網から成る膜抑制部材127が設けられている。それ以外の構成は、上述の粉末充填装置1と同じである。
粉末充填装置1Aの使用方法は、上記粉末充填装置1と同じである。給気口121から圧縮気体を粉末収容室10Aに導入すると、その圧縮気体自体は膜126を通過しないが膜126を下方に押す(図8中の一点鎖線)ため、膜126の下側にある気体が粉末Pを押すこととなり、上記粉末充填装置1と同様に、粉末Pをグリッド部材15のワイヤの間から下方に押し出して充填対象容器20のキャビティ22に供給することができる。そして、膜126を用いることにより、給気口121から圧縮気体を粉末収容室10Aに導入した際に、本体11内の粉末Pが膜126よりも上側、すなわち給気口121及び排気口122側の領域に飛散して給気口121や排気口122に詰まることを防止することができる。
なお、膜抑制部材127が無いと、膜126が降下し過ぎて本体11内の粉末Pに接触してしまうおそれがある。膜126が粉末Pに接触すると、粉末Pに直接圧縮力が作用し、密度分布が生じる。そのため、蓋12A内で膜126の下に膜抑制部材127を設けることにより、膜126が粉末Pに接触することを防止している。
膜126の材料は、可撓性を有するものであればシリコーンゴムには限られず、例えばポリウレタン等を用いることもできる。また、膜抑制部材127は、膜126が膜抑制部材127よりも下側まで降下することを防止し、且つ気体を通過させることができるものであれば網には限らず、例えば板材に多数の孔を空けたものや、棒材を横に並べたもの等であってもよい。
図8では、本体11の下に直接充填対象容器20を配置する代わりに、本体11と充填対象容器20の間にスペーサ30を配置した状態を示している。なお、このスペーサ30は、変形例の粉末充填装置1Aのみならず、前述の粉末充填装置1で使用してもよい。スペーサ30は、板材に18個の貫通孔31が、開口111と同形状且つ同じ配置で設けられ、これら18個の貫通孔31の全体を囲むようにシール材32が下面に設けられたものである。粉末を充填対象容器20に充填する際には、下から順に充填対象容器20、スペーサ30及び本体11を、キャビティ22、貫通孔31及び開口111の位置を合わせて重ねる。シール用気体供給源から下部シール材112及び上部シール材113に高圧気体を供給すると共に押さえシリンダ124により蓋12を下方に押すと、蓋12と本体11、本体11とスペーサ30、及びスペーサ30と充填対象容器20の間の気密性が、それぞれ上部シール材113、下部シール材112、及びシール材32により確保される。
このようにスペーサ30を用いることにより、以下に述べるように、より高い密度で粉末Pをキャビティ22に充填することができる。スペーサ30を用いて粉末充填装置1又は1Aによりキャビティ22内に粉末Pを充填すると、粉末Pは、充填対象容器20のキャビティ22と共に、キャビティ22と位置を合わせた貫通孔31内まで充填される。その後、貫通孔31の上端からはみ出した粉末Pをスクレーパ36で除去した(図9(a))うえで、スペーサ30の貫通孔31と同形状のパンチ35を上側から該貫通孔31に挿入することにより、貫通孔31内の粉末Pを充填対象容器20のキャビティ22に押し込む(図9(b))。これにより、キャビティ22に、粉末充填装置1又は1Aによる充填時よりも高い密度で粉末Pが充填される。
(5) 実験結果
まず、変形例の粉末充填装置1Aにおいて、各気体供給管123に1個ずつ流量計を設け、粉末充填装置1Aの動作中に各気体供給管123を流れる圧縮気体の流量の時間変化を測定する実験を行った。なお、この実験では、圧縮気体には圧力0.4MPaの窒素を用いた。圧縮気体の供給の周期は80msecとした。併せて、比較例として、本実施形態の粉末充填装置1Aにおける弁装置13の代わりに、各気体供給管123に対して1個ずつ電磁弁を設け、電磁弁よりも粉末収容室10A側の気体供給管123に流量計を設けた装置につき、圧力0.4MPaの窒素を用いて50msecの周期で電磁弁を開閉(開状態は20sec、閉状態は30msec)し、各気体供給管123を流れる圧縮気体の流量の時間変化を測定する実験を行った。なお、本実施形態では弁装置13が全開状態のときに1本の気体供給管123を通過する圧縮気体の単位時間当たりの流量が約80L/分であるのに対して、比較例の電磁弁は圧縮気体が通過する際に抵抗となることから全開状態のときに1本の気体供給管123を通過する圧縮気体の単位時間当たりの流量が約50L/分と、本実施形態よりも少なくなる。そのため、比較例では、単位時間当たりの流量が少なくなる分を補うために、圧縮気体の供給の周期を上記のように本実施形態よりも短い50msecとした。
この実験の結果を、本実施形態の粉末充填装置1Aについては図10(a)に、比較例の電磁弁を用いた粉末充填装置については図10(b)に、それぞれ示す。(a)では5本の気体供給管123、(b)では6本の気体供給管での測定結果を示している。この測定結果によれば、本実施形態では5本の気体供給管123のデータがほぼ完全に重なっており、それら5本の気体供給管123からそれぞれ、ほぼ同じ流量の圧縮気体がほぼ同じ時間変化で粉末収容室10Aに供給されていることがわかる。また、流量がピークとなるときの流量の値は、いずれのピークにおいてもほぼ同じである。それに対して比較例では、流量がピークとなるときの流量の値が気体供給管123毎に異なっていると共に、同じ気体供給管123においてもピーク毎に流量の値が異なっている。また、比較例では、流量がピークとなる時刻(図10では流量測定開始からの時間で規定)も、気体供給管123毎によってわずかに異なっている。これら比較例のデータは、各電磁弁において同じ開度やタイミングで開閉を行うことが困難であることに起因していると考えられる。それに対して本実施形態の粉末充填装置1Aでは、弁装置13の各本体内気体流路1311が同じ開度且つ同じタイミングで開放されるため、電磁弁と同様の問題は生じない。
図11に、本実施形態の粉末充填装置1Aにつき、上記と同様の条件で圧縮気体を粉末収容室10A内に周期的に供給し、粉末収容室10A内の圧力を測定した結果を示す。粉末収容室10Aの圧力は、膜126よりも上側(気体供給管123側)及び下側(開口111側)でそれぞれ測定した。膜126よりも上側、下側のいずれにおいても、弁装置13による圧縮気体の供給の周期に合わせて、圧力が上昇及び下降していることがわかる。
図12に、本実施形態の粉末充填装置1Aにおいて給気口121の数を14個に増やした(排気口122の数は上記の例と同じ)装置を用い、圧縮気体の圧力が異なる複数の条件でそれぞれ、充填対象容器20に平均粒径約3μmのRFeB系磁石の合金粉末を充填する実験を行い、充填対象容器20が有する18個のキャビティでの粉末の充填密度の平均値と給粉重量のバラツキを求める実験を行った結果を示す。この実験結果より、圧縮気体の圧力を高くするに従って粉末の充填密度も高くなり、且つ、圧縮気体の圧力が0.4MPa以上の場合にはキャビティ毎の給粉重量のバラツキを0.3g(充填密度のバラツキを0.145g/cm3)未満に抑えることができることがわかる。
そこで、充填密度の目標値が3.3g/cm3(圧縮気体の圧力が0.53MPa)及び3.5g/cm3(同0.63MPa)の場合についてそれぞれ5回ずつ実験を行い、各回での充填密度の平均値及び給粉重量のバラツキを求めた。その結果を、目標値が3.3g/cm3の場合について図13に、3.5g/cm3の場合について図14に、それぞれ示す。いずれの場合も、5回の実験で再現性良く、目標の充填密度からほとんどずれることなく平均値が得られていると共に、キャビティ毎の給粉重量のバラツキが0.3g未満に抑えられている。
次に、本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面形状が異なる2つの例について、実験を行った結果を示す。ここでは、本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面形状を、シャフト132の軸に平行である長辺が5.5mm、長辺に垂直な短辺が4.5mmである長方形状の例Aと、長辺が例Aよりも長い6.5mm、短辺が例Aよりも短い3.8mmである例Bを実験対象とした。例Aと例Bでは、本体内気体流路1311及びシャフト内気体流路1321の断面積は、例Aでは24.8mm2、例Bでは24.7mm2である。圧縮気体の圧力(0.4MPa)や弁の開閉の周期(80msec)は、例Aと例Bで同じとした。給気口121の数は10個とし、排気口122の数は上記の例と同じとした。図15に、これら例Aと例Bについて、膜126よりも下側の粉末収容室10A内の圧力の時間変化を、1周期よりもやや長い100msecの時間だけ測定した結果を示す。例Aよりも例Bの方が、粉末収容室10A内の圧力の立ち上がりが早く、圧力が印加されている時間が短くなっていることがわかる。この結果は、長辺が長い例Bの方が、圧力の印加と開放のめりはりが効いていることを示している。
図16に、これら例Aと例Bについて、弁の開閉の周期が異なる複数の場合で、充填対象容器20への粉末の充填密度を測定した結果を示す。弁の開閉の周期が最も長い(100msec)の場合には例Aと例Bは充填密度がほぼ同じであったが、それよりも周期が短い場合にはいずれも、例Aよりも例Bの方が、充填密度が高くなった。これは、例Bの方が圧力の印加と開放のめりはりが効いていることによると考えられる。
(6) 焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法の一実施形態
次に、図17を用いて、本発明に係る焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態の焼結磁石製造装置40は、粉末充填装置1(又は1A。以下、符号は「1」のみを示す。)と、粉末高密度化装置42と、蓋取付部43と、配向装置(配向部)44と、焼結炉(焼結部)45を有する。また、焼結磁石製造装置40は、粉末充填装置1、スクレーパ36、蓋取付部43、配向装置44、焼結炉45の順に充填対象容器20を搬送する搬送装置(ベルトコンベア)46を有する。これらの各装置のうち焼結炉45以外の各装置は、内部が不活性ガス雰囲気である共通の外容器47に収容されており、焼結炉45内も別途不活性ガスが供給されることで不活性ガス雰囲気となっている。これら外容器47及び焼結炉45の内部を不活性ガス雰囲気にする構成要素により、粉末充填装置1から焼結炉45に至る全体を無酸素雰囲気にすることができる。なお、粉末充填装置1のうち、供給源側気体供給管14の一部、及び気体供給源(図示せず)は、外容器47の外に配置されている。弁装置13が外容器47の中に配置されているため、弁装置13と給気口121の距離を短くすることができ、粉末収容室10の圧力の印加及び開放のめりはりが良くなる。
粉末充填装置1は、焼結磁石の原料となる粉末を充填対象容器20に充填する装置であり、上記の通りの構成を有する。スクレーパ36の構成も上記の通りである。蓋取付部43は、粉末が充填された充填対象容器20に、該充填対象容器20の蓋(粉末充填装置1の蓋12とは異なる)を取り付ける装置である。この蓋は、配向装置44における磁界や焼結炉45におけるガスの対流等によって合金粉末が充填対象容器20から飛散することを防止するために用いられる。
配向装置44は、コイル441と容器昇降装置442を有する。コイル441は略鉛直方向(上下方向)の軸を有しており、容器昇降装置442の上方に配置されている。容器昇降装置442は、容器搬送装置46で搬送されてきた充填対象容器20をコイル441内との間で昇降させる装置である。
焼結炉45は、充填対象容器20を多数収容する焼結室451と、外容器47と連通する搬入口452と、搬入口452に設けられた断熱性を有する扉453を有する。
焼結磁石製造装置40の動作、及び本発明に係る焼結磁石製造方法の一実施形態を説明する。まず、容器搬送装置46により、充填対象容器20が粉末充填装置1に搬送され、上述のように、充填対象容器20のキャビティ22内に合金粉末が充填される。次に、スクレーパ36によって上部の余分な粉末が除去される。続いて、容器搬送装置46により充填対象容器20が蓋取付部43に搬送され、充填対象容器20に蓋が取り付けられる。その後、充填対象容器20は、容器搬送装置46によって配向装置44に搬送され、配向装置44において容器昇降装置442によってコイル441内に配置され、コイル441が生成する磁界によって充填対象容器20内の粉末が配向する。この配向処理の後、充填対象容器20は、容器昇降装置442によってコイル441内から降ろされ、容器搬送装置46によって焼結炉45に搬送され、焼結室451内で所定の温度(通常、800〜1100℃)に加熱することにより充填対象容器20内の粉末を焼結する。以上のように、本実施形態の焼結磁石製造装置40及び焼結磁石製造方法によれば、圧縮成形を行うことなく磁界中配向及び焼結がなされるPLP法によって、焼結磁石が製造される。
ここまで、本発明に係る粉末充填装置、焼結磁石製造装置及び焼結磁石製造方法の実施形態を説明したが、言うまでもなく、本発明は上記の各実施形態には限定されず、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1、1A…粉末充填装置
10、10A…粉末収容室
11…粉末収容室の本体
111…開口
112…下部シール材(接続部)
113…上部シール材
114…シール用気体供給経路
12、12A…粉末収容室の蓋
121…給気口
122…排気口
123…気体供給管
124…シリンダ
126…膜
127…膜抑制部材
13…弁装置
131…弁本体
1311…本体内気体流路
1312…シャフト嵌入孔
132…シャフト
1321…シャフト内気体流路
14…供給源側気体供給管
15…グリッド部材
20…充填対象容器
21…充填対象容器の本体
22…キャビティ
30…スペーサ
31…スペーサの貫通孔
32…シール材
35…パンチ
36…スクレーパ
361、362、363…掻き取り部
40…焼結磁石製造装置
43…蓋取付部
44…配向装置
441…コイル
442…容器昇降装置
45…焼結炉
451…焼結室
452…搬入口
453…焼結室の扉
46…容器搬送装置
47…外容器

Claims (5)

  1. a) 下端に、グリッド部材が備えられた開口と、該開口において充填対象容器と気密に接続するための接続部を有する粉末収容室本体と、
    b) 前記粉末収容室本体の天井部に取り付けられる蓋と、
    c) 前記に接続された複数の気体供給管と、
    d) 前記複数の気体供給管にそれぞれ接続される複数の本体内気体流路が互いに独立に内部を貫くように設けられた弁本体と、
    e) 前記弁本体の内部、前記複数の本体内気体流路の全てに交差するように設けられた円筒状のシャフト嵌入孔と、
    f) 前記シャフト嵌入孔に回転可能に嵌入された円柱状のシャフトと、
    g) 前記シャフトに、前記複数の本体内気体流路にそれぞれ対応して設けられたシャフト内気体流路と、
    h) 前記複数の本体内気体流路をそれぞれ気体供給源に接続する複数の供給源側気体供給管と
    を備え
    前記本体内気体流路及び前記シャフト内気体流路の断面の形状が、前記シャフトの軸に平行な2辺を有する長方形である
    ことを特徴とする粉末充填装置。
  2. 前記2辺が前記長方形の長辺であることを特徴とする請求項1に記載の粉末充填装置。
  3. 前記蓋と前記粉末収容室本体の境界に設けられた、シール用気体が供給されることにより膨張するシール材と、
    前記シール材にシール用気体を供給するシール用気体供給経路と、
    前記蓋と前記粉末収容室本体を互いに押さえつける押圧機構と
    さらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末充填装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の粉末充填装置と、
    前記粉末充填装置により前記充填対象容器に充填された、焼結磁石の原料となる粉末が、該充填対象容器に充填されたままの状態で、機械的圧力を印加することなく該粉末に磁界を印加させることにより該粉末を配向させる配向部と、
    前記粉末が前記充填対象容器に充填されたままの状態で、機械的圧力を印加することなく該粉末を加熱することにより焼結させる焼結部と、
    を備えることを特徴とする焼結磁石製造装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の粉末充填装置を用いて焼結磁石の原料となる粉末を充填対象容器に充填する粉末充填工程と、
    前記粉末が前記充填対象容器に充填されたままの状態で機械的圧力を印加することなく、該粉末に磁界を印加させることにより、該粉末を配向させる配向工程と、
    前記粉末が前記充填対象容器に充填されたままの状態で機械的圧力を印加することなく、該粉末を加熱することにより焼結させる焼結工程と
    を行うことを特徴とする焼結磁石製造方法。
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