JP6848414B2 - 接合構造体の剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2枚の接合材が接合されてなる接合構造体の剥離方法に関するものである。
例えば、2以上の物品が貼り合せられた接合構造体の種々のものにおいて、当該2以上の物品を互いに剥離させる剥離方法としては、以下の方法が知られている。
(1)接合構造体が、支持基板としてガラス基板上に成膜した樹脂薄膜の上面に、薄膜トランジスタや有機エレクトロルミネッセンス素子などを形成したものである場合に、支持基板におけるガラス基板と樹脂薄膜との界面にエキシマレーザーを照射して、当該ガラス基板と樹脂薄膜とを剥離する方法。
この剥離方法は、例えば樹脂薄膜上に素子を搭載したものを製造する際に採用される。
(2)接合構造体が、ガラス基板および樹脂フィルムについて、各々の貼り合せるべき表面に真空中でスパッタリングによってSiを堆積させてSi層を形成して得た接合面同士を、真空中で貼り合せ、さらに、樹脂フィルムの接合面と反対面上に素子などを形成したものである場合に、ガラス基板から、素子が形成された樹脂フィルムを物理的な力によって剥離させる方法。
(3)接合構造体が、基板上にシリコーンなどの感圧接着剤で樹脂フィルムを仮止めしたものである場合に、基板から樹脂フィルムを物理的な力によって剥離する方法。
(4)接合構造体が、一方の樹脂材および他方の樹脂材の各々の貼り合せるべき表面に真空紫外線を照射して得た接合面を互いに接触させた状態で昇温させ、この接合面同士を接合させたものである場合に、40℃以上の水およびアルコールの少なくともいずれか1つの液体を2つの樹脂材の接合界面に供給することによって、2つの樹脂材を互いに剥離させる方法(例えば特許文献1参照)。
特許第5576040号公報
しかしながら、上記の剥離方法においては、以下のような問題が発生する。
具体的には、上記(1)のエキシマレーザーを用いて剥離する方法においては、剥離後のガラス基板上に樹脂薄膜の樹脂残滓が残ってしまう、という問題がある。
また、上記(2)のスパッタリングによって形成したSi層を有する接合面同士が接合されてなる接合構造体を剥離する方法においては、剥離自体は容易にすることができるものの、接合構造体の作製における接合の工程までを真空中において行う必要があるので、作製工程が煩雑となり工業上有利ではない、という問題がある。
また、上記(3)の感圧接着剤を用いた接合構造体を剥離する方法においては、感圧接着剤の調整が困難である、という問題がある。具体的には、感圧接着剤を、接合構造体を簡単に剥離することができるものとした場合には接合構造体における接合面同士の密着力は低いものとなるので強い固定力を得ることが難しい。一方、感圧接着剤を、接合構造体における接合面同士の密着力が高くなるものとした場合には、剥離が難しい。
さらに、上記(4)の40℃以上の液体を接合界面に供給して剥離する方法においては、当該液体を40℃以上に調温するための装置が必要となり、また、調温する工程に時間を要する、という問題がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、接合構造体を構成する第1接合材と第2接合材とを簡単に剥離することができる接合構造体の剥離方法を提供することにある。
本発明の接合構造体の剥離方法は、第1接合材および第2接合材の各々の表面を改質処理して接合面を得る工程Aと、この第1接合材の接合面に対して第2接合材を貼り合せる工程Bとによって得られた、第1接合材と第2接合材とが接合されてなる接合構造体の剥離方法であって、
前記第1接合材は、前記第2接合材と接合されるべき接合面に、前記改質処理を経た後にC−O結合より極性の大きいX−O結合(Xは、Si、Al、Ti、Cr、Fe、CuなどのC(炭素原子)より電気陰性度の小さい原子である。)が得られる材料からなり、
前記第2接合材は、前記第1接合材と接合されるべき接合面に、前記改質処理を経た後にC−O結合が存在する材料からなり、
接合構造体における第1接合材と第2接合材との界面に、水またはアルコールよりなる極性液体を供給することにより、前記第1接合材と前記第2接合材とを剥離させる工程を有し、
前記工程Aにおける前記改質処理が、第1接合材および第2接合材の各々の接合面となるべき表面真空紫外線を照射すること、または、プラズマ化したプロセスガスを接触させることによって行われることを特徴とする。
本発明の接合構造体の剥離方法においては、前記極性液体の温度が常温であることが好ましい。
本発明の接合構造体の剥離方法によれば、第1接合材と第2接合材との界面に極性液体を供給することによって、当該極性液体の極性分子が極性の高いX−O結合を含む第1接合材の接合面に選択的に水素結合される。その結果、接合構造体の第1接合材の接合面における高い極性状態が極性液体によって弱められるので、第1接合材と第2接合材との接着力が低下する。従って、接合構造体の第1接合材と第2接合材との界面に極性液体を供給することによって、当該第1接合材と第2接合材とを簡単に剥離することができる。
本発明の接合構造体の製造および剥離装置を概念的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔接合構造体の剥離方法〕
本発明の接合構造体の剥離方法は、第1接合材と第2接合材とが接合されてなる特定の接合構造体について、当該第1接合材と当該第2接合材とを剥離する方法である。
〔特定の接合構造体〕
特定の接合構造体は、具体的には、第1接合材の表面を改質処理して接合面を得る工程Aと、この第1接合材の接合面に対して第2接合材を貼り合せる工程Bとによって得られるものである。
〔第1接合材〕
特定の接合構造体に用いられる第1接合材は、改質処理を経ることによって、第2接合材と接合されるべき接合面に、C−O結合より極性の大きいX−O結合(Xは任意の原子を表す。)が得られる材料からなるものである。
第1接合材の接合面に存在するX−O結合を構成するXは、Si,Al,Ti,Cr,Fe,Cuなどの、C(炭素原子)より電気陰性度の小さい原子とされる。
第1接合材の材料としては、ケイ素、ケイ素化合物、アルミニウム化合物などが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコン、無アルカリガラス、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英、シリコーン樹脂、サファイアなどを用いることができる。
第1接合材は、例えばフィルム状や板状のものとすることができ、その厚みは例えば0.02〜3.0mmとすることができる。
〔第2接合材〕
特定の接合構造体に用いられる第2接合材は、例えば炭化水素化合物よりなるものであり、第1接合材と接合されるべき接合面に、元から、あるいは、改質処理を経ることによってC−O結合(Cは炭素原子、Oは酸素原子を表す。)が存在するものである。
第2接合材は、具体的には、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー(COP)やシクロオレフィンコポリマー(COC)などのシクロオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂などを用いることができる。
第2接合材は、例えばフィルム状や板状のものとすることができ、その厚みは例えば0.02〜3.0mmとすることができる。
第1接合材および第2接合材の組み合わせとしては、第1接合材の接合面にX−O結合が存在する一方で、第2接合材の接合面にC−O結合が存在することにより、改質処理後の第1接合材および第2接合材の接合面における極性液体への親和性に大小関係が生じる組み合わせであればよい。
〔工程A〕
工程Aにおいては、第1接合材の、第2接合材と接合される接合面となる表面について、改質処理が行われる。改質処理としては、第1接合材の接合面に、C−O結合より極性の大きいX−O結合を形成することができる処理であればよく、具体的には、例えば真空紫外線を照射する方法や、大気圧プラズマによってプラズマ化したプロセスガスを接触させる方法などを用いることができる。
<真空紫外線を照射する方法>
真空紫外線を照射する方法において、紫外線光源としては、例えば、波長172nmに輝線を有するキセノンエキシマランプ等のエキシマランプ、波長185nmに輝線を有する低圧水銀ランプ、波長120〜200nmの範囲に輝線を有する重水素ランプなどを好適に用いることができる。
第1接合材の表面に照射される真空紫外線の照度は、例えば5〜200mW/cm2 とすることができる。
また、第1接合材の表面に対する真空紫外線の照射時間は、当該第1接合材を構成する材料に応じて適宜設定されるが、例えば1秒間以上であることが好ましく、より好ましくは1〜60秒間である。
<プラズマ化したプロセスガスを接触させる方法>
プラズマ化したプロセスガスを接触させる方法において、プロセスガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどを主成分とし、酸素ガスが0.01〜5体積%含有してなるものを使用することが好ましい。または、窒素ガスとクリーンドライエア(CDA)との混合ガスを用いることも可能である。
また、プロセスガスを接触させる処理時間は、例えば1〜60秒間である。
第2接合材の、第1接合材と接合される接合面となる表面についても、第1接合材と同様に改質処理されていることが好ましい。
〔工程B〕
工程Bにおいては、第1接合材と第2接合材とを、それぞれの接合面が接触するように積重して積重体を得、必要に応じてこの積重体を加熱および/または加圧することにより、第1接合材の接合面に対して第2接合材が貼り合せられ、これにより特定の接合構造体が得られる。
<加熱条件>
積重体の加熱を行う場合、加熱温度は、例えば40〜150℃であり、加熱時間は例えば1〜300秒間である。
<加圧条件>
積重体に対する加圧は、例えば一定の加圧条件で行っても、処理条件を適宜調整して複数段階例えば二段階に分けて行ってもよい。
加圧条件は、基板を構成する材料や加熱温度に応じて適宜設定することができる。
具体的な加圧条件を挙げると、加圧力が例えば0.1〜5MPaであり、加圧時間が例えば1〜300秒間である。また、基板に対する加圧処理を例えば二段階に分けて行う場合には、二回目の加圧処理における加圧力は、上記数値範囲内において、一回目の加圧処理における加圧力より小さく設定することができる。また、二回目の加圧処理における加圧時間は、上記数値範囲内において、一回目の加圧処理における加圧時間より長く設定することができる。また、一回目の加圧の後、加圧せずに加熱処理をすることもできる。
〔極性液体の供給工程〕
本発明において、特定の接合構造体における第1接合材と第2接合材とを剥離するための極性液体の供給工程について具体的に説明する。
特定の接合構造体における第1接合材と第2接合材との剥離は、当該第1接合材と当該第2接合材との界面(接合界面)に、水またはアルコールよりなる極性液体を供給することにより、行われる。
第1接合材と第2接合材との接合界面への極性液体の供給は、例えば、極性液体で満たされた水槽に浸漬することによって行うことができる。また例えば、接合界面の一部にのみ注射器などによって注入することによっても行うことができる。この場合、毛細管力等により接合界面全体に極性液体を供給することができる。また例えば、特定の接合構造体を、極性液体の蒸気が存在する雰囲気中に晒すことによっても行うことができる。
この極性液体の供給工程においては、以下のような反応機構で剥離が進行する。
すなわち、まず、特定の接合構造体においては、第1接合材の接合面にはX−O結合が存在し、一方、第2接合材の接合面にはC−O結合が存在している。これにより、第2接合材の接合面の極性は、第1接合材の接合面の極性よりも相対的に小さい状態とされている。そして、このようにX−O結合を含む第1接合材の接合面と、C−O結合を含む第2接合材の接合面とが接触された特定の接合構造体の接合界面においては、それぞれの接合面に存在する極性成分間に引力相互作用が働いて水素結合が形成されている。第1接合材や第2接合材の材料などによっては、これらの極性成分間で脱水縮合反応などの化学反応が生じて共有結合が形成されている場合もある。
このような特定の接合構造体の接合界面に極性の高い分子(極性分子)が浸入すると、極性分子は、極性の高いX−O結合の存在によって第1接合材の接合面への親和性が高く、第2接合材の接合面は極性が小さく、すなわち極性液体との親和性が低いので、当該第1接合材の接合面に極性分子が水素結合されてエネルギー的に安定となる。この極性分子による水素結合により、第1接合材と第2接合材との間に形成されていた水素結合の切断や、共有結合の加水分解などが生じる。
すなわち、特定の接合構造体の第1接合材の接合面における高い極性状態が極性液体によって弱められるので、第1接合材と第2接合材との接着力が低下し、その結果、第1接合材と第2接合材とを容易に剥離することができる。
なお、例えば、上記特許文献1に記載の発明と比較すると当該特許文献1に記載の発明においては、接合される2枚の基板が各々シクロオレフィンポリマー(COP)からなる同種素材のものであり、基板の接合されるべき接合面に、各々、真空紫外光を照射して改質処理を施した後に接着することが記載されている。
しかしながら、このようなCOPのような炭化水素化合物よりなる基板は、改質処理後の接合面の極性が小さく、すなわち水との親和性が低い状態とされている。従って、特許文献1に記載の発明における剥離方法においては、表3に示されるように、COPよりなる一方の基板と同じくCOPよりなる他方の基板とが接合されてなる接合構造体の接着界面に常温(18℃)の水を供給した場合に、剥離させることができなかったことが記載されている。従って、特許文献1に記載の発明においては、COPよりなる一方の基板と同じくCOPよりなる他方の基板とが接合されてなる接合構造体の接着界面に40℃以上の温水を供給することが必要となる。
一方、本発明の接合構造体の剥離方法においては、第1接合材の接合面と第2接合材の接合面との極性の大小を利用して極性液体による剥離を行うので、当該極性液体の温度によらず、第1接合材と第2接合材とを容易に剥離することができる。
〔極性液体〕
極性液体は、水またはアルコールからなり、アルコールとしては、具体的には、エタノール、2−プロパノールなどを用いることができる。
極性液体の温度は、常温とすることができる。なお、極性液体の温度は、常温でなくとも、特定の接合構造体を構成する材料の変質を招来しない温度であればよい。
以上のような接合構造体の剥離方法によれば、第1接合材と第2接合材との接合界面に極性液体を供給することによって、当該極性液体の極性分子が極性の高いX−O結合を含む第1接合材の接合面に選択的に水素結合される。その結果、特定の接合構造体の第1接合材の接合面における高い極性状態が極性液体によって弱められるので、第1接合材と第2接合材との接着力が低下する。従って、特定の接合構造体の第1接合材と第2接合材との界面に極性液体を供給することによって、当該第1接合材と第2接合材とを簡単に剥離することができる。
〔接合構造体の製造および剥離装置〕
本発明の接合構造体の製造および剥離装置は、接合構造体を製造し、さらに、上記の接合構造体の剥離方法を行う装置であり、第1接合材の表面を改質処理して接合面を得る工程Aと、この第1接合材の接合面に対して第2接合材を貼り合せる工程Bとによって得られた、第1接合材と第2接合材とが接合されてなる特定の接合構造体を製造する接合機構と、特定の接合構造体における第1接合材と第2接合材との接合界面に、水またはアルコールよりなる極性液体を供給する極性液体供給機構とを備えるものである。
具体的には、図1に示されるように、少なくとも第1接合材11の表面を改質処理して接合面12を得る工程Aを行う改質処理部10、および、この第1接合材11の接合面12に対して第2接合材15を貼り合せる工程Bを行って特定の接合構造体17を得る接合部20からなる接合機構と、この特定の接合構造体17の一面上にデバイス18を形成する素子形成部30と、特定の接合構造体17に極性液体Mを供給する剥離部40からなる極性液体供給機構と、ワークである第1接合材11、第2接合材15あるいはこれらが接合された特定の接合構造体17を搬送するワーク搬送部50とを備える。
改質処理部10は、例えば改質処理が真空紫外線を照射する方法によって行われる場合には、第1接合材11の接合面12(または第2接合材15の接合面16)となる表面と対向する状態に真空紫外線Lを放射する紫外線光源19が備えられてなる。紫外線光源19としては、上述した通りのものを挙げることができる。
改質処理部10は、改質処理が大気圧プラズマによってプラズマ化したプロセスガスを接触させる方法によって行われるよう構成されていてもよい。
接合部20は、第1接合材11の接合面12と第2接合材15の接合面16とを互いに接触するように積重する、あるいは、この積重した積重体を必要に応じて加熱および/または加圧する構成とされている。
具体的には、加熱手段を備えた載置台22に載置された積重体を加圧する加圧手段21を備えてなる。
素子形成部30は、特定の接合構造体17の表面上(図1においては第2接合材15の接合面16と反対側の面15A上)に、トランジスタや有機エレクトロルミネッセンス素子などのデバイス18を形成するものである。
素子形成部30においては、必要に応じて、特定の接合構造体17の表面上に保護層やガスバリア層などの機能層が形成されてもよい。
剥離部40は、特定の接合構造体17に極性液体Mを供給する極性液体供給機構であって、極性液体供給機構は、具体的には、例えば極性液体Mの供給が極性液体Mで満たされた水槽に浸漬することによって行う場合には、極性液体Mを満たした水槽41と、特定の接合構造体17を当該水槽41に浸漬する手段(図示せず)とからなるものなどとすることができる。
また、極性液体Mの供給が特定の接合構造体17の接合界面17Sに注射器などによって注入することによって行う場合には、特定の接合構造体17の接合界面17Sの端部、あるいは、第1接合材11または第2接合材15に形成された貫通孔などに対して極性液体Mを注入するよう注射器を備える。または、特定の接合構造体17の接合界面17Sの端部を上記の水槽41に浸漬させる構成を有していてもよい。
また、極性液体Mの供給が特定の接合構造体17を極性液体Mの蒸気が存在する雰囲気中に晒すことによって行う場合には、極性液体Mの蒸気が存在する処理空間と、特定の接合構造体17を当該処理空間に晒す手段とからなるものとすることができる。
剥離部40には、必要に応じて、極性液体Mを接合界面17Sに供給した後、第1接合材11と第2接合材15との間に物理的な力によって剥離させる手段が設けられていてもよい。
ワーク搬送部50は、改質処理部10、接合部20、素子形成部30および剥離部40を、この順にワーク(第1接合材11、第2接合材15あるいはこれらが接合された特定の接合構造体17)を搬送して、各部にワークを受け渡しする機能を有するものである。
具体的には、横方向(図1において矢印Xで示す。)に動く横搬送手段51と、当該横方向と垂直な縦方向(図1において矢印Yで示す。)に動く縦搬送手段52とからなる。
以上のような接合構造体の製造および剥離装置によれば、特定の接合構造体の接合界面に極性液体Mを供給するという簡単な工程のみによって当該特定の接合構造体を剥離することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の接合構造体の剥離方法の具体的な実施例について説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔接合構造体の作製例1〕
下記の第1接合材および第2接合材を用意した。
第1接合材は、縦横が15mm×50mmの矩形で、厚みが200μmのポリジメチルシロキサン(PDMS)よりなるフィルム状のものである。ただし、接合面とされるべき面の反対側の面に、強度の補強用に、厚さ50μmのポリイミド樹脂フィルムを予め貼りつけた。
第2接合材は、縦横が15mm×50mmの矩形で、厚みが50μmのポリイミド樹脂(PI)よりなるフィルム状のものである。
[工程A:改質処理]
上記の第1接合材および第2接合材の接合面となる表面の各々に対して、キセノンエキシマランプ「Min-excimer」(ウシオ電機社製)を用い、大気中で、ピーク波長が172nmの真空紫外線を、照度が7mW/cm2 、照射時間が30秒間(第1接合材に対して)または10秒間(第2接合材に対して)となる条件で照射した。
[工程B:貼り合せ]
改質処理後の第1接合材と第2接合材とを、それぞれの接合面が互いに接触するよう積重して積重体を得、次いで、この積重体を炉内温度が150℃の加熱炉内で5分間加熱処理することによって、第1接合材と第2接合材とを接合し、常温まで冷却して接合構造体〔1〕を作製した。
〔接合構造体の作製例2〕
下記の第1接合材および第2接合材を用意した。
第1接合材は、縦横が15mm×50mmの矩形で、厚みが300μmのサファイア板である。
第2接合材は、縦横が15mm×50mmの矩形で、厚みが50μmのシクロオレフィンポリマー(COP)よりなるフィルム状のものである。
[工程A:改質処理]
接合構造体の作製例1の工程Aにおいて、第2接合材に対する真空紫外線の照射時間を600秒間に変更したこと以外は同様にして改質処理を行った。
[工程B:貼り合せ]
接合構造体の作製例1の工程Bにおいて、炉内温度を100℃に変更したこと以外は同様にして、接合構造体〔2〕を作製した。
〔接合構造体の作製例3〕
下記の第1接合材および第2接合材を用意した。
第1接合材は、縦横が15mm×50mmの矩形で、厚みが700μmの無アルカリガラス板である。
第2接合材は、縦横が15mm×50mmの矩形で、厚みが50μmのシクロオレフィンポリマー(COP)よりなるフィルム状のものである。
[工程A:改質処理]
接合構造体の作製例1の工程Aにおいて、第2接合材に対する真空紫外線の照射時間を600秒間に変更したこと以外は同様にして改質処理を行った。
[工程B:貼り合せ]
接合構造体の作製例1の工程Bにおいて、炉内温度を100℃に変更したこと以外は同様にして、接合構造体〔3〕を作製した。
<実施例1A>
上記の接合構造体〔1〕について、20℃の水(極性液体)に60秒間浸漬する極性液体の供給工程を行った。
その後、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<実施例1B>
上記の接合構造体〔1〕について、40℃の水(極性液体)に60秒間浸漬する極性液体の供給工程を行った。
その後、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<実施例1C>
上記の接合構造体〔1〕について、20℃のエタノール(極性液体)に60秒間浸漬する極性液体の供給工程を行った。
その後、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<実施例2A>
上記の接合構造体〔2〕について、20℃の水(極性液体)に60秒間浸漬する極性液体の供給工程を行った。
その後、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<実施例3A>
上記の接合構造体〔3〕について、20℃の水(極性液体)に60秒間浸漬する極性液体の供給工程を行った。
その後、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
上記の接合構造体〔1〕について、極性液体の供給工程を行わずに、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
上記の接合構造体〔2〕について、極性液体の供給工程を行わずに、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
上記の接合構造体〔3〕について、極性液体の供給工程を行わずに、剥離試験として、90°剥離試験を引張速度50mm/分の条件で行った。この剥離試験時の最大荷重を剥離荷重として剥離の性状を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006848414
以上の結果より、極性液体の供給工程を経ることにより、第1接合材と第2接合材とをまったく荷重をかけずに、あるいは、少ない剥離荷重で剥離させることができることが確認された。
10 改質処理部
11 第1接合材
12 接合面
15 第2接合材
15A 反対側の面
16 接合面
17 特定の接合構造体
17S 接合界面
18 デバイス
19 紫外線光源
20 接合部
21 加圧手段
22 載置台
30 素子形成部
40 剥離部
41 水槽
50 ワーク搬送部
51 横搬送手段
52 縦搬送手段
L 真空紫外線
M 極性液体

Claims (2)

  1. 第1接合材および第2接合材の各々の表面を改質処理して接合面を得る工程Aと、この第1接合材の接合面に対して第2接合材を貼り合せる工程Bとによって得られた、第1接合材と第2接合材とが接合されてなる接合構造体の剥離方法であって、
    前記第1接合材は、前記第2接合材と接合されるべき接合面に、前記改質処理を経た後にC−O結合より極性の大きいX−O結合(Xは、Si、Al、Ti、Cr、Fe、CuなどのC(炭素原子)より電気陰性度の小さい原子である。)が得られる材料からなり、
    前記第2接合材は、前記第1接合材と接合されるべき接合面に、前記改質処理を経た後にC−O結合が存在する材料からなり、
    接合構造体における第1接合材と第2接合材との界面に、水またはアルコールよりなる極性液体を供給することにより、前記第1接合材と前記第2接合材とを剥離させる工程を有し、
    前記工程Aにおける前記改質処理が、第1接合材および第2接合材の各々の接合面となるべき表面真空紫外線を照射すること、または、プラズマ化したプロセスガスを接触させることによって行われることを特徴とする接合構造体の剥離方法。
  2. 前記極性液体の温度が常温であることを特徴とする請求項1に記載の接合構造体の剥離方法。
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