JP6847454B2 - 圧縮接続部材の組立部品、送電線の圧縮接続構造、及び圧縮接続部材の施工方法 - Google Patents
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Description
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、
前記心線部の端部を内部に収納する収納穴と、前記心線部の端部と共に圧縮される圧縮部と、前記圧縮部よりも前記収納穴の底側に形成されて前記心線部の端部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材を内部に収納し、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、
前記収納穴は、前記心線部圧縮部材の先端から前記非圧縮部に亘って連続して形成され、
前記非圧縮部における前記収納穴の長さは、前記圧縮部を前記開口端側から圧縮した際の前記心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さである。
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線と、
前記導電部から前記心線部が露出された前記送電線の端部を圧縮してその端部と接続対象とを接続した圧縮接続部材とを備える送電線の圧縮接続構造であって、
前記圧縮接続部材は、
前記心線部の端部を把持する圧縮部と、前記圧縮部よりも前記心線部の先端側で、前記心線部の先端が挿通されない空隙部を形成する非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記心線部の端部を把持した前記心線部圧縮部材と共に前記導電部の端部を把持する導電部圧縮部材とを備える。
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を、圧縮接続部材の組立部品を用いて接続対象に接続する圧縮接続部材の施工方法であって、
前記圧縮接続部材の組立部品として請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮接続部材の組立部品を準備する準備工程と、
前記送電線の端部を段剥ぎして露出させた前記心線部の端部を前記心線部圧縮部材の前記収納穴の底にまで収納し、前記心線部圧縮部材の前記圧縮部を前記開口端側から複数回に分けて圧縮して、前記心線部の端部と前記心線部圧縮部材とを接続する心線部接続工程と、
前記導電部の端部及び前記心線部の端部が接続された前記心線部圧縮部材を前記導電部圧縮部材の内部に収納し、前記導電部圧縮部材を圧縮して、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と前記導電部圧縮部材とを接続する導電部接続工程とを備える。
本発明者らは、心線部圧縮部材の圧縮部における収納穴の開口側端部での圧縮状態を一定に保って、圧縮部の開口側端部での圧壊を抑制し易くすることを鋭意検討した。その結果、圧縮順序が通常の正圧縮とは逆の逆圧縮することで、圧縮部の開口側端部での圧縮状態を一定に保つことができるとの知見を得た。正圧縮とは、収納穴の底側から開口側に向かう順に複数回に分けて圧縮部を圧縮することをいう。一方、逆圧縮とは、収納穴の開口側から底側に向かう順に複数回に分けて圧縮部を圧縮することをいう。逆圧縮することで、1回目に圧縮部の開口側端部を圧縮できる。圧縮部の開口側端部を最初に圧縮することで、圧縮部の開口側端部で心線部は一定に圧縮されて心線部に過度な圧縮力が作用することを抑制でき、圧縮部の開口側端部での心線部の圧壊を抑制できる。
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、
前記心線部の端部を内部に収納する収納穴と、前記心線部の端部と共に圧縮される圧縮部と、前記圧縮部よりも前記収納穴の底側に形成されて前記心線部の端部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材を内部に収納し、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、
前記収納穴は、前記心線部圧縮部材の先端から前記非圧縮部に亘って連続して形成され、
前記非圧縮部における前記収納穴の長さは、前記圧縮部を前記開口端側から圧縮した際の前記心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さである。
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線と、
前記導電部から前記心線部が露出された前記送電線の端部を圧縮してその端部と接続対象とを接続した圧縮接続部材とを備える送電線の圧縮接続構造であって、
前記圧縮接続部材は、
前記心線部の端部を把持する圧縮部と、前記圧縮部よりも前記心線部の先端側で、前記心線部の先端が挿通されない空隙部を形成する非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記心線部の端部を把持した前記心線部圧縮部材と共に前記導電部の端部を把持する導電部圧縮部材とを備える。
前記圧縮部は、その軸方向に並列して形成される3つ以上の圧縮痕を備え、
前記圧縮部における隣り合う前記圧縮痕同士の間隔は、前記心線部圧縮部材の先端側が最も長いことが挙げられる。
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を、圧縮接続部材の組立部品を用いて接続対象に接続する圧縮接続部材の施工方法であって、
前記圧縮接続部材の組立部品として請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮接続部材の組立部品を準備する準備工程と、
前記送電線の端部を段剥ぎして露出させた前記心線部の端部を前記心線部圧縮部材の前記収納穴の底にまで収納し、前記心線部圧縮部材の前記圧縮部を前記開口端側から複数回に分けて圧縮して、前記心線部の端部と前記心線部圧縮部材とを接続する心線部接続工程と、
前記導電部の端部及び前記心線部の端部が接続された前記心線部圧縮部材を前記導電部圧縮部材の内部に収納し、前記導電部圧縮部材を圧縮して、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と前記導電部圧縮部材とを接続する導電部接続工程とを備える。
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。実施形態での説明は、圧縮接続部材の組立部品、送電線の圧縮接続構造、圧縮接続部材の施工方法の順に行う。
〔圧縮接続部材の組立部品〕
主に図1、図2(適宜図3、図4の左右の上図)を参照して、実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aを説明する。図1、図2の圧縮接続部材の組立部品1Aは、圧縮前の状態を示している。圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9を接続対象に接続する。送電線9の接続対象は、鉄塔の碍子や他の送電線(本線)が挙げられ(いずれも図示略)、圧縮接続部材の組立部品1Aの種類は、送電線9の接続対象によって適宜選択できる。圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9の接続対象が鉄塔の碍子の場合、圧縮形引留クランプが挙げられ、送電線9の接続対象が他の送電線の場合、圧縮形直線スリーブが挙げられる。本例では、圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9と鉄塔との間に配置され、送電線9を鉄塔の碍子に接続する圧縮形引留クランプを例に説明する。
クランプ本体2は、本線91と共に圧縮されて本線91を把持する圧縮把持部3と、ジャンパソケット7に接続される本体側接合部6とを備える(図1)。
圧縮把持部3は、内側から順に心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを備える。
心線部圧縮部材4は、心線部92の端部を把持する。心線部圧縮部材4は、単一の部材で構成されていてもよいし、複数の部材で構成されていてもよい。ここでは、心線部圧縮部材4は、心線部92の端部を内部に収納する内側パイプ41と、内側パイプ41と共に心線部92の端部を内部に収納する外側スリーブ42とを備える。心線部圧縮部材4は、内側パイプ41を備えず、外側スリーブ42のみで構成してもよい。
内側パイプ41は、外側スリーブ42を圧縮した際、心線部92の圧壊を抑制すると共に、心線部92と外側スリーブ42とを接続する。内側パイプ41は、その内部に心線部92を収納する円筒状部材であり、その周方向に切れ目なく連続している。内側パイプ41が、その周方向に切れ目なく連続していることで、外側スリーブ42への圧縮力が外側スリーブ42を介して内側パイプ41に作用した際、その圧縮力を緩和しつつ変形して心線部92を圧壊させることなく心線部92のより溝に入り込み易い。内側パイプ41は、軸方向に内径及び外径の一様な内周面及び外周面を有する。
外側スリーブ42は、心線部92の端部を把持する。本例では、外側スリーブ42は、心線部92の端部及び内側パイプ41と共に圧縮される。外側スリーブ42の材質は、鋼が挙げられる。外側スリーブ42は、後述の導電部圧縮部材5内に収納される圧縮部44及び非圧縮部45と、導電部圧縮部材5外に突出する取付部46とを有する。この外側スリーブ42は、その先端(図1,2紙面左側)に開口し、心線部92の端部及び内側パイプ41を内部に収納する収納穴47が、外側スリーブ42の先端から圧縮部44よりも後端側の非圧縮部45に亘って連続して形成されている(図2)。
圧縮部44は、心線部92の端部を外側スリーブ42で接続する際、心線部92の端部と共に圧縮(逆圧縮)される。逆圧縮は、圧縮部44を収納穴47の開口側から底側に向かって複数回に分けて圧縮することをいう。圧縮部44は、取付部46を除く非圧縮部45以外の箇所に形成し、ここでは非圧縮部45よりも外側スリーブ42の先端側にのみ形成している。外側スリーブ42の軸方向に沿った圧縮部44の圧縮前の長さP1(図4左上図)は、逆圧縮後の圧縮部44が要求特性として「把持長G≧必要把持長」の関係を満たす範囲で、上記必要把持長よりも短くできる。そのため、圧縮部44の逆圧縮後における外側スリーブ42の長さが長くなり難いので、送電線の圧縮接続構造10A(図3)が大型化し難い。把持長Gは、圧縮後に外側スリーブ42が心線部92を把持する長さという。必要把持長とは、所定の抗張力を得るのに必要な最小の把持長を言う。圧縮部44の長さP1は、「上記把持長G=圧縮部の圧縮後の長さP2」となる長さとすることが好ましい。圧縮部44の圧縮前の長さP1を「上記把持長G=圧縮部の圧縮後の長さP2」となる長さとするには、後述の収納穴47の長さを調整することで行える。詳しくは、後述する。圧縮部44は、直線部分と、直線部分よりも収納穴47の開口側に形成される傾斜部441とを備えることが好ましい。直線部分の外周輪郭形状(横断面形状)は円(筒)形状であり、その外径は軸方向に一様である。
傾斜部441は、心線部92の端部を外側スリーブ42で接続する際、心線部92への過度な圧縮力が作用することを抑制する。圧縮部44を圧縮した際、傾斜部441には緩やかに圧縮力を作用させられるからである。この傾斜部441は、本例では、収納穴47の開口側に向かって外径が小さくなる傾斜面を有する(図2)。傾斜部441の形成箇所は、圧縮部44の先端(図1紙面左側)とすることが好ましい。そうすれば、圧縮部44の先端(ここでは収納穴47の開口端)での心線部92の圧壊を抑制し易い。傾斜部441の先端の外径は、圧縮部44を圧縮する圧縮機(ダイス:図示略)の対辺の間隔と略同等の長さとすることが好ましい。即ち、傾斜部441の先端の外径は、圧縮部44の圧縮後、圧縮前の傾斜部441のサイズが実質的に維持されるサイズであることが好ましい。そうすれば、圧縮部44の先端で心線部92に過度な圧縮力が作用することを抑制し易く、圧縮部44の先端における心線部92の圧壊を抑制し易い。
非圧縮部45は、外側スリーブ42の導電部圧縮部材5内に収納される領域のうち圧縮部44以外の箇所であり、心線部92の端部と外側スリーブ42とを接続する際、心線部92と共に圧縮されない。本例での非圧縮部45の形成箇所は、圧縮部44の後端側に連続する箇所で、圧縮部44と取付部46との間である。外側スリーブ42の軸方向に沿った非圧縮部45の長さは、適宜選択でき、非圧縮部45における収納穴47の長さ以上が挙げられる。
取付部46は、外側スリーブ42を鉄塔の碍子のヨークに接続する。取付部46は、外側スリーブ42の後端に設けられている。取付部46の形状は、リング状である。この取付部46は、外側スリーブ42の圧縮部44及び非圧縮部45を導電部圧縮部材5の内部に収納した際、導電部圧縮部材5の接続対象側の開口部から接続対象側に突出する。
収納穴47は、内部に心線部92の端部及び内側パイプ41を収納する。外側スリーブ42の軸方向に沿った収納穴47の長さ(形成領域)は、外側スリーブ42の先端から非圧縮部45に亘る長さ(領域)とする。この非圧縮部45における収納穴47の長さは、圧縮部44を逆圧縮した際の外側スリーブ42の軸方向への伸び代以上の長さとすることが挙げられる。そうすれば、圧縮部44の逆圧縮後の外側スリーブ42の長さが長くなり過ぎず、送電線の圧縮接続構造10A(図3)の大型化を抑制できる。詳しくは、後述の試験例1で説明する。ここでは、収納穴47の底の位置が非圧縮部45の嵌合部451に位置している。特に、非圧縮部45における収納穴47の長さは、上記伸び代と略一致する長さであることが好ましい。収納穴47の横断面形状は、円形状であることが好ましく、その内径は、軸方向に一様であることが好ましい。収納穴47の形成は、例えば、外側スリーブ42の先端面にドリルで穴あけ加工を施すことで行える。収納穴47の横断面形状が円形状であること、その内径が軸方向に一様であることで、収納穴47の形成が容易である。
導電部圧縮部材5は、導電部93の端部を把持する。導電部圧縮部材5は、導電部93の端部と心線部圧縮部材4の一部を内部に収納する円筒状部材であり、本例では軸方向の両端に開口部を有する。導電部圧縮部材5は、導電部93の端部及び外側スリーブ42の圧縮部44及び嵌合部451と共に圧縮される。導電部圧縮部材5の材質は、導電部93の素線931と同じ材質、具体的には純Al又はAl合金が挙げられる。導電部圧縮部材5は、公知の純Al又はAl合金製のスリーブを用いることができる。
本体側接合部6は、ソケット側接合部72と電気的かつ機械的に接続される。本例の本体側接合部6は、導電部圧縮部材5における接続対象側の端部において、導電部圧縮部材5の軸方向とほぼ直交する平面に延設されている。本体側接合部6の形状は矩形板状であり、その大きさはソケット側接合部72に対応した大きさを有する。本体側接合部6には、ボルト8が挿通される複数の挿通孔(図示略)が形成されている。
ジャンパソケット7は、ジャンパ線95を把持するジャンパ把持部71と、クランプ本体2に接続されるソケット側接合部72とを備える。ジャンパソケット7の材質は、純Al又はAl合金が挙げられる。
ジャンパ把持部71は、その内部にジャンパ線95が収納され、ジャンパ線95と共に圧縮されることでジャンパ線95を把持する。ジャンパ把持部71の形状は、円筒形状である。
ソケット側接合部72は、本体側接合部6に電気的かつ機械的に接続される。ソケット側接合部72は、本例では矩形板状の本体側接合部6の両平面を挟み込むような二股状に形成されている。このソケット側接合部72は、本体側接合部6に対応した大きさを有する矩形板状に形成されていてもよい。ソケット側接合部72の二股状部分は、それぞれ矩形板であり、本体側接合部6に対応した大きさを有する。各二股状部分には、複数の挿通孔(図示略)が形成されている。ソケット側接合部72には、ボルト8が挿通される複数の挿通孔(図示略)が形成されている。本体側接合部6とソケット側接合部72の接続は、互いの挿通孔を位置合わせして、両挿通孔にボルト8を挿通してナット81で締め付けることで行える。
実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aは、カーボンファイバ心アルミより線など圧縮に弱い心線部を有する送電線を鉄塔などに引留める圧縮形引留クランプの組立部品に好適に利用できる。
実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aによれば、外側スリーブ42が特定の長さの収納穴47を有することで、圧縮前の圧縮部44の長さが上記必要把持長よりも短くて逆圧縮しても、上記必要把持長を得ることができる。そのため、圧縮部44を逆圧縮しても、詳しくは後述するが図4の右上図と右中図とを比較すると、圧縮部44の圧縮後の長さP2が長くなり難いので、外側スリーブ42の長さが長くなり難い。従って、送電線の圧縮接続構造10A(図3)の大型化を抑制できる。その上、圧縮部44を逆圧縮することで、圧縮部44の開口側端部での圧縮状態を一定に保つことができ、圧縮部44の開口側端部で心線部92に過度な圧縮力が作用することを抑制できる。従って、外側スリーブ42を直接圧縮しても心線部92が圧壊することなく抗張力の高い送電線の圧縮接続構造10Aを構築できる。
主として図3(適宜図4の左右の上図)を参照して、実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aを説明する。この送電線の圧縮接続構造10Aは、送電線9の本線91と、本線91の端部を圧縮してその端部を鉄塔の碍子に接続した圧縮接続部材100Aとを備える。この圧縮接続部材100Aは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Aに備わる心線部圧縮部材4の圧縮部44と、導電部圧縮部材5とを個々に圧縮したものである。図3は、図1に示す心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを個々に圧縮した後の状態に相当する。
(本線)
本線91は、鉄塔間に架設されて、発電所で発電した電力を送電網に供給する。本線91は、上述したように、カーボンファイバを主体とする7本の素線921が撚り合わされた心線部92と、アルミニウムを主体とする複数の素線931が心線部92の外周に撚り合わされた導電部93とを備える。このような本線91としては、代表的には、カーボンファイバ心アルミより線が挙げられる。カーボンファイバ心アルミより線は、CFRPストランドからなる心線部と、心線部の外周に複数のAl線が撚り合わされた導電部とを備える。CFRPストランドは、炭素繊維と樹脂とを用いて構成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の素線が複数撚り合わされて構成される。CFRPストランドは、例えば、炭素繊維複合材ケーブル(CFCC(東京製綱株式会社の登録商標):Carbon Fiber Composite Cable)を用いることができる。Al線は、純Al線又はAl合金線を用いることができる。
圧縮接続部材100Aは、心線部92の端部を把持する心線部圧縮部材4と、導電部93の端部を把持する導電部圧縮部材5とを備える(図3)。
・内側パイプ
心線部圧縮部材4の内側パイプ41の内周面は、心線部92の外周輪郭に沿って密着する密着面を有する。この密着面は心線部92のより溝を埋めるように形成され、密着面と心線部92との間には実質的に隙間が形成されていない。内側パイプ41の密着面よりも後端側は、内側パイプ41の内部に心線部92が挿通されない空隙部が形成されている。内側パイプ41の外周面のうち密着面の外側に対応する箇所は、圧縮部44の内周面の形状に沿っており、内側パイプ41の外周輪郭形状(横断面形状)はここでは円(筒)形状である。
・・圧縮部
外側スリーブ42の圧縮部44は、内側パイプ41の外周輪郭(円形状)に沿って密着する内周面を有する。圧縮部44の内周面と内側パイプ41の外周面との間には、実質的に隙間が形成されていない。圧縮部44の内側には、心線部92の端部が挿通されない空隙部が形成されないことが好ましい。圧縮部44の外周面は、圧縮部44を圧縮する圧縮機の内周形状(ダイスの内周形状)に沿っており、圧縮部44の横断面形状は、ここでは六角形状としている。この六角形状の各角部は、軸方向に実質的に平行である。圧縮部44の先端側には傾斜部441が形成されていることが好ましい。この傾斜部441は、その外周面に形成される六角形状の角部が軸方向に平行ではなく、軸方向に対して傾斜している。即ち、傾斜部441に形成される六角形の角部は、圧縮部44の直線部分に形成される六角形の角部に対して傾斜している。これは、上述の圧縮接続部材の組立部品1A(図1)に備わる外側スリーブ42の圧縮部44が傾斜部441を有していて、その傾斜部441を圧縮したことで形成される。
非圧縮部45の嵌合部451は、内部に心線部92が挿通されない空隙部を形成する内周面と、導電部圧縮部材5の内周面と嵌合して導電部圧縮部材5との間に実質的に隙間が形成されない外周面とを有する。この嵌合部451の非圧縮部45の内側には、心線部92の端部の一部が挿通されていてもよい。
取付部46は、外側スリーブ42を鉄塔の碍子のヨークに接続するもので、上述したようにリング状に形成されて、導電部圧縮部材5の接続対象側の開口部から接続対象側に突出している。
導電部圧縮部材5は、外径が一様な直線部と、取付部46側の端部に向かって外径が広がる拡径部とを備える。この直線部が圧縮された領域であり、拡径部は圧縮されない領域である。この直線部の内周面は、導電部93の外周輪郭に沿って密着する導電部密着面と、外側スリーブ42の外周輪郭に沿って密着するスリーブ密着面とを有する。導電部密着面は、導電部93のより溝を埋めるように形成され、導電部密着面と導電部93との間には、実質的に隙間が形成されていない。スリーブ密着面は、圧縮部密着面と非圧縮部密着面とを有する。圧縮部密着面は、圧縮部44の略全域に亘ってその外周輪郭(六角形状)に沿って密着する六角形状で構成され、圧縮部密着面と圧縮部44の外周面との間に実質的に隙間が形成されていない。非圧縮部密着面は、嵌合部451の波付形状と噛み合うように密着する波付形状で構成されていて、非圧縮部密着面と嵌合部451の外周面との間には、実質的に隙間が形成されていない。上記直線部の外周面は、導電部圧縮部材5を圧縮する圧縮機の内周形状に沿っており、その横断面形状はここでは六角形状である。拡径部の内周面は、非嵌合部452と密着していない。
実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aは、カーボンファイバ心アルミより線など圧縮に弱い心線部を有する送電線と圧縮接続部材とを引留める送電線の引留構造に好適に利用できる。
実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aによれば、詳しくは後述するが図4の右上図と右中図とを比較すると、外側スリーブ42の圧縮部44の長さP2が長くないため、大型化し難い。その上、送電線9と圧縮接続部材100Aとの接合強度が高い。心線部92を圧壊することなく心線部92と外側スリーブ42とを接合しているからである。特に、内側パイプ41が心線部92のより溝を埋めるように形成されているため、心線部92と内側パイプ41との機械的な結合状態がより強固である。
主として図4の左右の上図(適宜図1,2など)を参照して実施形態1に係る圧縮接続部材の施工方法を説明する。圧縮接続部材の施工方法は、上述した圧縮接続部材の組立部品1Aを用いて、送電線9を接続対象に接続する。圧縮接続部材の施工方法は、以下の準備工程と心線部接続工程と導電部接続工程とを備える。
準備工程では、上述の圧縮接続部材の組立部品1Aを準備する。心線部圧縮部材4が内側パイプ41を有する場合、その内側パイプ41の準備は、純Al又はAl合金製の素材管を準備し、その素材管に熱処理することで行える。素材管の準備は、押出加工、引抜加工、鋳造、切削加工などにより行える。即ち、素材管には、押出加工により成形された押し出し管、引抜加工により成形された引き抜き管、鋳造により成形された鋳造管、或いは押し出し管、引き抜き管、鋳造管や棒材に切削加工した加工管などを用いることができる。これら素材管のビッカース硬さHvは、いずれも30超である。この熱処理前の素材管のビッカース硬さHvが30超であることで、長尺管を所定長さに切断して素材管を準備する場合、その切断時に素材管の切り口が変形し難い。そのため、開口端の変形の小さい内側パイプ41が得られ易い。素材管に熱処理を施して、ビッカース硬さHvが30以下の内側パイプ41を作製する。熱処理温度は、純AlやAl合金の種類にもよるが、例えば350℃以上420℃以下が挙げられる。熱処理時間は、例えば1時間以上2時間以下が挙げられる。
心線部接続工程では、外側スリーブ42(心線部圧縮部材4)の圧縮部44を圧縮して、心線部92の端部と心線部圧縮部材4とを接続する。
導電部接続工程では、導電部圧縮部材5を正圧縮して、導電部93の端部及び心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを接続する。まず、心線部92の端部が接続された心線部圧縮部材4及び導電部93の端部を導電部圧縮部材5の内部に収納する。次に、導電部圧縮部材5を圧縮する。ここでは、導電部圧縮部材5のうち嵌合部451(非圧縮部45)の外側に対応する箇所から導電部圧縮部材5の先端に亘る領域を圧縮する。この圧縮により、導電部93の端部と導電部圧縮部材5とを接続すると共に、導電部圧縮部材5を変形させてその内周面を外側スリーブ42の圧縮部44及び嵌合部451に密着させる。この圧縮では、導電部圧縮部材5の横断面形状が、例えば六角形状となるように圧縮する。この圧縮は、市販の圧縮機を利用できる。
実施形態1に係る圧縮接続部材の施工方法は、カーボンファイバ心アルミより線など圧縮に弱い心線部を有する送電線を鉄塔などに引留めて送電線の引留構造を構築する施工方法に好適に利用できる。
上述の圧縮接続部材の施工方法によれば、特定の長さの収納穴47を有する外側スリーブ42を用いることで、圧縮部44の圧縮後の長さP2が長くなり難いため、外側スリーブ42の圧縮後の長さが長くなり難い。そのため、送電線の圧縮接続構造10Aが大型化し難い。その上、外側スリーブ42の圧縮部44を逆圧縮するため、圧縮部44の開口側端部での心線部92の圧壊を抑制し易いため、送電線9と圧縮接続部材100Aとの接合強度の高い送電線の圧縮接続構造10Aを構築し易い。
〔圧縮接続部材の組立部品〕
図5、図6を参照して、実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品1Bを説明する。実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品1Bは、金車通過型の短尺の圧縮形引留クランプを例に説明する。実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品1Bは、外側スリーブ42の非圧縮部45の構成と本体側接合部6の形状が実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aとの主な相違点である。以下、実施形態1と同様の構成と同様の効果については説明を省略し、実施形態1との相違点を中心に説明する。この点は、後述の実施形態3も同様である。
〈心線部圧縮部材〉
圧縮把持部3の心線部圧縮部材4は、実施形態1と同様、内側パイプ41と外側スリーブ42とを備えるが、外側スリーブ42のみで構成してもよい。内側パイプ41は、実施形態1の内側パイプ41と同様とすることができる。
・・非圧縮部
外側スリーブ42の非圧縮部45は、圧縮部44の前後の2箇所に形成されている。前方(先端側)の非圧縮部45は、導電部圧縮部材5内に収納されて、外側スリーブ42の先端(収納穴47の開口端)側で圧縮部44の傾斜部441の先端に連続して形成されている。後方(取付部46側)の非圧縮部45は、本体側接合部6に収納されて、圧縮部44と取付部46の両方に連続して形成されている。前方の非圧縮部45は、嵌合部451で構成されており、後方の非圧縮部45は非嵌合部452で構成されている。
取付部46は、外側スリーブ42の圧縮部44及び非圧縮部45を導電部圧縮部材5及び本体側接合部6の内部に収納した際、本体側接合部6の開口部から接続対象側に突出する。
導電部圧縮部材5は、導電部93の端部と心線部圧縮部材4の一部とを内部に収納する円筒状部材であり、軸方向の先端に開口部を有する。本例の導電部圧縮部材5は、導電部93の端部及び外側スリーブ42の嵌合部451(前方の非圧縮部45)と共に圧縮され、外側スリーブ42の非嵌合部452(後方の非圧縮部45)と共に圧縮されない。導電部圧縮部材5は、外側スリーブ42の圧縮部44の一部(先端側)と共に圧縮されることを許容する。
本体側接合部6は、導電部圧縮部材5と同軸となるように導電部圧縮部材5の接続対象側に連続して形成される円筒状部材である。即ち、本例の本体側接合部6の孔は、導電部圧縮部材5の孔と連通している。本体側接合部6の内部には、外側スリーブ42の圧縮部44と非嵌合部452(非圧縮部45)とが収納されている。本体側接合部6の外周面には、上下のそれぞれに開口する溝(図示略)が形成されている。この溝は、ソケット側接合部72に挿通されるボルト8が嵌め込まれ、このボルト8で上下から挟まれることで本体側接合部6とソケット側接合部72との位置ずれを防止する。同軸に形成される導電部圧縮部材5と本体側接合部6とは、公知の純Al又はAl合金製のスリーブを用いることができる。
(ソケット側接合部)
ジャンパソケット7のソケット側接合部72は、本例では円筒状の本体側接合部6の周面を挟み込むような二股状に形成されている。その二股状部は、それぞれ本体側接合部6よりも大きい矩形板である。各二股状部には、ボルト8を挿通させる複数の挿通孔(図示略)が形成されている。ソケット側接合部72の本体側接合部6への接続は、二股状部で本体側接合部6を挟み、ボルト8をソケット側接合部72の挿通孔に挿通して本体側接合部6の上記溝に嵌めてナット(図示略)で締め付けることで行える。
図7を参照して、実施形態2に係る送電線の圧縮接続構造10Bを説明する。この送電線の圧縮接続構造10Bは、実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aと同様、送電線9と圧縮接続部材100Bとを備え、圧縮接続部材100Bにおける導電部圧縮部材5の内周面が導電部密着面とスリーブ密着面とを有する。この圧縮接続部材100Bは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Bに備わる心線部圧縮部材4の圧縮部44と、導電部圧縮部材5とを個々に圧縮したものである。この送電線の圧縮接続構造10Bは、スリーブ密着面の構成が、実施形態1の送電線の圧縮接続構造10Aとの主たる相違点である。図7は、図5に示す心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを個々に圧縮した後の状態に相当する。図7では、説明の便宜上、図5に示すジャンパソケット7は省略している。
・・非圧縮部
後方の非圧縮部45(非嵌合部452)は、内部に心線部92が挿通されない空隙部を形成する内周面を有する。この非嵌合部452の内側には、心線部92の端部の一部が挿通されていてもよい。
導電部圧縮部材5のスリーブ密着面は、前方の非圧縮部45(嵌合部451)の波付形状と噛み合うように密着する波付形状で構成されていて、非圧縮部密着面と非圧縮部45の外周面との間に実質的に隙間が形成されていない。このスリーブ密着面は、圧縮部44の一部(先端側)の外周面と密着することもある。
〔圧縮接続部材の組立部品〕
図9,図10を参照して、実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1Cを説明する。実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1Cは、実施形態1や実施形態2のような送電線9の接続対象が鉄塔の碍子である圧縮形引留クランプではなく、送電線9の接続対象が他の送電線である圧縮形直線スリーブを例に説明する。この圧縮接続部材の組立部品1Cは、鉄塔間に配置されて一方の送電線9と他方の送電線9とを電気的かつ機械的に接続する。この圧縮接続部材の組立部品1Cは、心線部圧縮部材4と、導電部圧縮部材5とを備える。
心線部圧縮部材4は、一方の心線部92の端部と他方の心線部92の端部とを把持する。本例の心線部圧縮部材4は、2つの内側パイプ41と1つの外側スリーブ42とを備えるが、1つの外側スリーブ42のみで構成してもよい。2つの内側パイプ41のそれぞれは、実施形態1の内側パイプ41と同様とすることができる。
導電部圧縮部材5は、一方の導電部93と他方の導電部93とを把持する。導電部圧縮部材5は、心線部圧縮部材4の全部と両導電部93の端部とを内部に収納する円筒状部材であり、軸方向の両端に開口部を有する。導電部圧縮部材5は、公知の純Al又はAl合金製のスリーブを用いることができる。
図11を参照して、実施形態3に係る送電線の圧縮接続構造10Cを説明する。この送電線の圧縮接続構造10Cは、一方の送電線9と他方の送電線9と圧縮接続部材100Cとを備える。圧縮接続部材100Cは、一方及び他方の心線部92の端部を把持する心線部圧縮部材4と、一方及び他方の導電部93の端部を把持する導電部圧縮部材5とを備える。この圧縮接続部材100Cは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Cに備わる心線部圧縮部材4の圧縮部44と、導電部圧縮部材5とを個々に圧縮したものである。図11は、図9に示す心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを個々に圧縮した後の状態に相当する。
実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1Cは、鉄塔間で送電線同士を接続する圧縮直線スリーブの組立部品に好適に利用できる。また、実施形態3に係る送電線の圧縮接続構造10Cは、送電線同士と圧縮形直線スリーブとを接続した送電線の接続構造に好適に利用できる。更に、実施形態3に係る圧縮接続部材の施工方法は、送電線同士を圧縮接続して送電線の圧縮接続構造を構築する施工方法に好適に利用できる。
図1,図5,図9のそれぞれを参照して説明した実施形態1から実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1A〜1Cに備わる各外側スリーブ42において、圧縮部44の圧縮前後における外側スリーブ42の長さを評価した。比較として、各外側スリーブ42において、収納穴47の長さ又は圧縮順序を異ならせて圧縮部44の圧縮前後における外側スリーブ42の長さを評価した。以下に、図4,図8,図12を参照して説明する。実施形態1から実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1A〜1Cに備わる各外側スリーブ42を各図の上図に示し、比較の外側スリーブ42を各図の中図及び下図に示す。
図1を参照して説明した圧縮接続部材の組立部品1Aにおいて、主として外側スリーブ42の圧縮順序の違いによる引張強さを評価した。
試料No.1−1として、1本の心線部92と2個の内側パイプ41と2個の外側スリーブ42とを準備した。心線部92には、カーボンファイバとエポキシ樹脂とを用いて構成された7本の素線921を撚り合わせたより線を用いた。
内側パイプ41は、以下のものを用意した
材質:純Al
ビッカース硬さHv:25.8
厚さt:1.8mm(心線部92の素線921の直径(φ2.6mm)の1.38/2倍)
内側パイプ41の内径(φ8.4mm)と心線部92の外接円の直径(φ7.8mm)との差:心線部92の外接円の直径の1/10倍以下
長さ:130mm
外側スリーブ42は、以下のものを用意した。
材質:鋼
傾斜部:有り
傾斜部441の長さd:外側スリーブ42の外径Dの1.7/2倍
収納穴の長さ:130mm
圧縮順序:逆圧縮
圧縮回数:6回(30mm幅で行う合計6回のうち、2回目から6回目の各圧縮はその前回の圧縮に対して10mmずつ重複させる)
圧縮率:9.7%
試料No.1−2は、内側パイプ41のビッカース硬さHvを26.4とした点と、圧縮順序を正圧縮とした点を除き、その他の点は試料No.1−1と同様にして作製した。
各試料に対して引張試験を行って引張強さを測定した。ここでは、心線部92の両端に圧縮接続された外側スリーブ42を把持して引っ張った。即ち、圧縮接続部材の組立部品1Aの導電部圧縮部材5は用いていない。その結果、試料No.2−1の引張強さが87.5kNであり、試料No.2−2の引張強さが75.9kNであった。このように、圧縮順序を逆圧縮とした試料No.2−1は、正圧縮とした試料No.2−2と比較して、引張強さが大きいことが分かる。
10A,10B,10C 送電線の圧縮接続構造
100A,100B,100C 圧縮接続部材
2 クランプ本体
3 圧縮把持部
4 心線部圧縮部材
41 内側パイプ
42 外側スリーブ
44 圧縮部
441 傾斜部
442 圧縮痕
45 非圧縮部
451 嵌合部
452 非嵌合部
46 取付部
47 収納穴
48 仕切り部
5 導電部圧縮部材
6 本体側接合部
7 ジャンパソケット
71 ジャンパ把持部
72 ソケット側接合部
8 ボルト 81 ナット
9 送電線
91 本線
92 心線部 921 素線
93 導電部 931 素線
95 ジャンパ線
Claims (6)
- カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、
前記心線部の端部を内部に収納する収納穴と、前記心線部の端部と共に圧縮される圧縮部と、前記圧縮部よりも前記収納穴の底側に形成されて前記心線部の端部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材を内部に収納し、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、
前記収納穴は、前記心線部圧縮部材の先端から前記非圧縮部に亘って連続して形成され、
前記非圧縮部における前記収納穴の長さは、前記圧縮部を開口端側から圧縮した際の前記心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さであり、
前記心線部圧縮部材は、逆圧縮に用いられ、
前記逆圧縮は、前記開口端側から前記底側に向かって複数回に分けて圧縮する、
圧縮接続部材の組立部品。 - 前記収納穴は、その全長に亘って一様な内径を有する請求項1に記載の圧縮接続部材の組立部品。
- 前記収納穴の横断面形状は、円形である請求項1又は請求項2に記載の圧縮接続部材の組立部品。
- カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線と、
前記導電部から前記心線部が露出された前記送電線の端部を圧縮してその端部と接続対象とを接続した圧縮接続部材とを備える送電線の圧縮接続構造であって、
前記圧縮接続部材は、
前記心線部の端部を把持する圧縮部と、前記圧縮部よりも前記心線部の先端側で、前記心線部の先端が挿通されない空隙部を形成する非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記心線部の端部を把持した前記心線部圧縮部材と共に前記導電部の端部を把持する導電部圧縮部材とを備え、
前記圧縮部は、その軸方向に並列して形成される3つ以上の圧縮痕を備え、
前記圧縮部における隣り合う前記圧縮痕同士の間隔は、前記心線部圧縮部材の先端側が最も長い、
送電線の圧縮接続構造。 - カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を、圧縮接続部材の組立部品を用いて接続対象に接続する圧縮接続部材の施工方法であって、
前記圧縮接続部材の組立部品として請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮接続部材の組立部品を準備する準備工程と、
前記送電線の端部を段剥ぎして露出させた前記心線部の端部を前記心線部圧縮部材の前記収納穴の底にまで収納し、前記心線部圧縮部材の前記圧縮部を前記開口端側から複数回に分けて圧縮して、前記心線部の端部と前記心線部圧縮部材とを接続する心線部接続工程と、
前記導電部の端部及び前記心線部の端部が接続された前記心線部圧縮部材を前記導電部圧縮部材の内部に収納し、前記導電部圧縮部材を圧縮して、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と前記導電部圧縮部材とを接続する導電部接続工程とを備える、
圧縮接続部材の施工方法。 - 前記心線部接続工程での圧縮率が、5%以上15%以下である請求項5に記載の圧縮接続部材の施工方法。
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