JP6846759B2 - レーザチップ、レーザ処置具、レーザ治療装置、及びレーザ治療システム - Google Patents

レーザチップ、レーザ処置具、レーザ治療装置、及びレーザ治療システム Download PDF

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Description

本発明は、例えばレーザ伝送路の先端に装着するレーザチップ、前記レーザチップを装着したレーザ処置具、レーザ治療装置、及びレーザ治療システムに関する。
近年、開腹手術や歯科治療などの分野において、電気メスやレーザ光を利用したレーザ治療器を用いて施術されることがあり、またこれらの治療器を用いた低侵襲医療の開発が進んでいる。例えば低侵襲医療として内視鏡を用いた外科的あるいは内科的治療が行われている。特に初期消化管がんを対象とする内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal DissectionであってESDと略する。)は、患者への負担が少ない有効な治療方法として注目されている。
例えば、上記のESDでは、まず施術対象となる患部周辺をマーキングし、これを目印として粘膜層を切開する。次に粘膜下層の組織を剥離し、腫瘍部分の全組織を除去するものである。これらのマーキング、粘膜切開、粘膜下層剥離の各施術は、処置具として高周波電気メスが一般に使用されるが、粘膜下層には血管も存在しているため施術中に出血する可能性がある。また、大腸など特に組織壁の薄い部位の施術には、粘膜下層の外側にある筋層まで穿孔し合併症を引き起こすなど、ESDの施術者は高度な手技が求められる。
この高周波電気メスに代わる処置具として、生体組織の切開、止血、凝固及び蒸散に有効なレーザ光を利用した施術法が開発されている。特に炭酸ガスレーザ光は、生体組織や水に対する吸収率が非常に大きく、レーザ光が組織深部まで侵入せず、深部の正常組織に損傷を与えることなく、レーザ光が照射される表層部より順次切開することができるため、従来の高周波電気メスによる施術法と比較すると、過度の熱損傷を抑えて微小領域での施術ができる。
このような状況において、施術中にエネルギー源を変更することなく、レーザのみで止血を含む全ての施術を可能とするレーザ医療機器の開発が進められており、レーザ照射口に取り付ける様々なレーザチップが提案されている。例えば、特許文献1には、レーザ照射口の先端に照射されたレーザ光を吸収する先端部を設けた複数のレーザチップが開示されている。
これらのレーザチップは、前記先端部の形状がテーパー状や先端平面状、先端曲面状など様々な形状で形成されており、それぞれ切開や止血など、目的に合わせ適当な形状のチップが選択することができる。具体的には、前記レーザチップにレーザ光を照射することにより発熱させた前記レーザチップを対象切開部位の周辺に当接させることで、血液を凝固させて止血することができるとされている。
しかしながら、特許文献1に開示されているレーザチップの前記先端部は、前記レーザ照射口から照射されたレーザ光を吸光するといえども、入射されたレーザ光の一部が前記先端部によって反射され、施術対象ではない正常組織を予期せず照射するおそれがあった。
特開平6−205789号公報
そこで本発明は、上述の問題を鑑み、レーザ医療において、施術を安全に行うとともに、出血した場合にも止血することができるレーザチップ、レーザ治療装置、及びレーザ治療システムを提供することを目的とする。
この発明は、レーザ伝送路の先端に備えられた、レーザ光を照射するレーザ照射口に装着するレーザチップであって、前記レーザ照射口に着脱自在な装着部と、生体組織と当接する当接部と、前記装着部に対して、前記レーザ照射口から照射される前記レーザ光の照射方向前方において開放空間を隔てて配置され、前記当接部と前記装着部とを連結する連結部とで構成され、前記当接部の後部には、反射部が備えられ、該反射部は、前記連結部に対して鋭角を形成する反射面で構成され、前記レーザ照射口から前方に向けて照射される前記レーザ光を前記連結部に向けて反射させることを特徴とする。
またこの発明は、レーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、上述のレーザチップとが備えられたレーザ処置具であることを特徴とする。
またこの発明は、炭酸ガスレーザ光を発振するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より発振されたレーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、上述のレーザチップとが備えられたレーザ治療装置であることを特徴とする。
さらにまたこの発明は、上述のレーザ治療装置と、前記レーザ伝送路を挿通可能とした内視鏡とで構成されたレーザ治療システムであることを特徴とする。
前記レーザ医療は、特定のレーザ治療に限定せず、ESDなどの軟性内視鏡を用いたレーザ治療や硬性内視鏡を用いた外科的な治療、あるいは開腹手術や歯科治療などのレーザ治療を含む。
上述の前記装着部に対して、前記レーザ照射口から照射される前記レーザ光の照射方向前方において開放空間を隔てて配置されとは、前記装着部と前記当接部との間に形成される空間を閉じるように連結するのではなく、前記直交方向において外部に開いた開放空間を形成するように前記装着部と前記当接部とを連結することをさす。
前記反射部は、前記レーザ光を前記連結部に向けて反射できればどのような構成でもよく、例えば平面状や凹状の反射部、複数の反射部の組み合わせ、プリズムなどを利用し屈折させた前記レーザ光を前記連結部に向けて反射させる構成などを含む。
上述の前記連結部に対して鋭角を形成するとは、前記反射面と前記連結部とが鋭角を形成することをさしており、前記反射面を備えた前記反射部と前記連結部との接続部分が必ずしも鋭角である必要はない。すなわち、前記反射面と前記連結部とが鋭角に形成されていれば、前記反射部と前記連結部との接続部分が鋭角に形成されている場合や、円弧状に形成されている場合なども含む。
この発明により、レーザ医療において、施術を安全に行うとともに、出血した場合にも止血することができる。
詳述すると、前記反射部は、前記レーザ照射口から照射される前記レーザ光を前記連結部に向けて反射させるため、反射された前記レーザ光が施術対象ではない正常組織に対して照射されることを防止でき、正常な生体組織が損傷されることを防止できる。
また、前記当接部に前記レーザ光が照射されることにより、前記当接部がレーザ光のエネルギーを吸収して加熱されることとなる。このように加熱された前記当接部を例えば出血している損傷部位に当接させることにより、損傷部位を止血できる。
さらにまた、前記連結部が、前記当接部の一部と前記装着部とを連結する構成とすることで、前記当接部と前記装着部との間には前記直交方向に対して開いた前記開放空間が形成される。これにより、線維化した切断しにくい組織などを前記開放空間に配置されるように保持して、前記レーザ光を照射することができ、前記組織を確実に切断することができる。
加えて、前記レーザ光を吸収可能な前記当接部をレーザ照射口の前方に設けることにより、レーザ光が前方に照射されることを防止する、いわゆるバックストップの機能を備えることができ、特に薄い組織壁を有する組織周辺を剥離する場合であっても正常組織を穿孔するリスクがなく施術できる。
このように、この発明は、出血部位を止血することができ、また前記レーザ光の反射光が照射されることにより正常組織が損傷したり、前記レーザ光によって穿孔したりすることを防止することができるため安全に施術することができる。
なお、前記レーザ光は必ずしも炭酸ガスレーザである必要はなく、本発明は他のレーザ光を用いたレーザ治療にも用いることができる。
また、前記反射部は、前記連結部に対して鋭角を形成する反射面で構成しているため、前記反射面に反射されたレーザ光を、前記連結部に確実に反射させることができ、前記反射光が施術対象ではない正常組織に予期せず照射されることを防止できる。またこの反射光は、レーザ吸光部を保持する連結部側に照射されるのでレーザチップを加熱することに寄与し、レーザエネルギーを効率よく利用することができる。
また、前記反射面と前記連結部とが鋭角に形成されているため、前記開放空間に配置されるように生体組織を保持した場合に、生体組織を前記反射面と前記連結部が形成する窪みに引掛けることができる。これにより、前記生体組織を確実に保持できるため、前記レーザ光を安定して確実に照射して前記生体組織を切断できる。さらにまた、細い血管を確実に切断することができるため、処置具先端を横方向、あるいは手前方向に移動させながらレーザ光を照射することによって、特に線維化した組織など切断されにくい組織においても容易に切開、剥離が可能である。また対象組織を保持しながら処置具先端を手前方向に移動することにより、穿孔させてはならない筋層との距離を確保できるので、より繊細な手技が可能で安全性が高い。
この発明の態様として、前記当接部の前方に、曲率半径が10mm以上の曲面で形成された、又は、平坦面で形成された当接面が設けられてもよい。
上述の曲面とは、具体的には、先端側に向けて突出した凸状の曲面や、前記レーザ照射口側に凹状となる曲面をさす。
この発明により、損傷領域を広げることがなく確実に止血することができる。
詳述すると、例えば、前記当接部の曲率半径が+10mm以上である場合や前記当接部が平坦である場合、すなわち前記当接部が凸状の曲面で形成されている場合や前記当接部が平坦である場合、前記当接部を前記損傷部位に直接押し当ててレーザ光を前記当接部に照射することができる。これにより前記レーザ光のエネルギーを吸収して加熱された前記当接部が当接された前記損傷部位及びその周辺の血液を凝固させて、前記損傷部位を確実に止血できる。
一方で、前記当接部の曲率半径が−10mm以上である場合、すなわち前記当接部が凹状の曲面で形成されている場合、前記当接部を前記損傷部位に押し付けることで前記損傷部位から出た血液を前記凹部に溜めることができ、レーザ光を照射することにより加熱された前記当接部で前記凹部に溜められた血液を凝固して前記損傷部位を止血できる。
このように、曲率半径が異なる前記当接部を用いた止血は、止血の作用が異なるため、出血箇所の部位や出血状況に応じて曲率半径が異なる曲面又は平坦面の前記当接部を使い分けることができる。
この発明の態様として、前記連結部は、前記レーザ照射口から照射される前記レーザ光の光軸に向けて、内側上面から突出する、前記光軸から視た断面形状が凸状に形成された突出部が設けられてもよい。
この発明により、前記開放空間に位置するように前記当接部と前記連結部とで保持された前記生体組織に前記レーザ光を確実に照射できる。
詳述すると、前記突出部を設けていない場合、前記生体組織を前記開放空間に位置するように前記当接部と前記連結部とで保持したとしても、前記レーザ光が照射される位置を所定の位置に調整することが困難であった。しかしながら、前記レーザ光の光軸に向けて突出する前記突出部を設けることにより前記開放空間において前記生体組織を前記突出部や前記突出部に配置することができる。
これにより、前記生体組織の所定の位置に前記レーザ光を照射することができ、所望の位置で前記生体組織を切断することができる。
この発明の態様として、前記突出部の前記断面形状は、前記光軸側が鋭角となる三角形状で構成されてもよい。
この発明によると、前記突出部が鋭角状に形成されているため、前記開放空間に保持された前記生体組織を切断することを前記突出部により補助することができる。
この発明の態様として、前記反射部は、表面が前記レーザ光の反射を低下させるコーティングを施してもよい。
この発明により、前記当接部が吸収する前記レーザ光のエネルギーを増大させることができるため、前記当接部を効率よく加熱することができる。これにより、前記当接部を生体組織内において出血している損傷部位に当接させた場合に、確実に止血することができる。
この発明の態様として、前記当接部が、生体組織との固着を防止する固着防止用コーティングを施してもよい。
前記固着防止用コーティングは、生体組織との固着をしなければどのようなコーティングであってもよく、例えば炭化チタン(TiC)や、窒化チタン(TiN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素、窒化ホウ素(BN)などを含む。
この発明により、前記生体組織に対して当接させた前記当接部が前記生体組織と固着することを防止できるため、前記当接部を止血した損傷部位から離した場合に前記損傷部位などの損傷を防止できる。
この発明により、レーザ医療において、施術を安全に行うとともに、出血した場合にも止血することができるレーザチップ、レーザ治療装置、及びレーザ治療システムを提供することができる。
内視鏡装置とレーザ治療装置による治療システムの概略構成図。 内視鏡装置とレーザ治療装置の構成を示すブロック図。 中空導波路の先端に装着したレーザチップの概略斜視図。 中空導波路の先端及びレーザチップの概略分解斜視図。 中空導波路に装着したレーザチップの説明図。 治療システムを用いた止血の説明図。 レーザチップを用いて生体組織を切断の説明図。 レーザチップの別の実施形態の説明図。 レーザチップの別の実施形態の説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、内視鏡装置10とレーザ治療装置50とで構成される治療システム1の概略構成を示す構成図であり、図2は、内視鏡装置10とレーザ治療装置50の構成を示すブロック図である。
内視鏡装置10は、図1に示すように装置本体に対して接続ケーブル11により術者操作ユニット12が接続されている。
術者操作ユニット12は、主に操作部13と内視鏡チューブ21とで構成されている。
操作部13は、接眼部15、上下アングルノブ16、左右アングルノブ17、操作ボタン18、及びデバイス挿入口20等が設けられている。
操作ボタン18は、送気、送水、吸引、ズームなどの操作入力を受け付ける。
内視鏡チューブ21は、基部から先端へ向かって可撓管部22、湾曲管部23、及び先端構成部30がこの順に設けられている。また、内視鏡チューブ21の内部には、デバイス挿入口20から先端構成部30のデバイス出口36まで連通するデバイス挿入路19が設けられている。このデバイス挿入路19は、鉗子やレーザ伝送路60といった治療用デバイスを挿入する治療用デバイス挿入路として機能する。
なお、図1では可撓管部22の途中から湾曲管部23の先端にかけて拡径しているように図示しているが、これは先端構成部30の構成を分かり易く描画するためであって、実際には、食道、胃、腸といった生体内に挿通させるのに適した、一定の径を保った形状となっている。
可撓管部22は、適度に湾曲する円筒形状を有しており、デバイス挿入口20から適宜の鉗子などの治療用デバイスを先端構成部30まで挿通できる。この実施例では、治療用デバイスとしてレーザ治療装置50のレーザチップ70を先端に組み付けたレーザ伝送路60が挿通されている。
湾曲管部23は、上下アングルノブ16の操作によって上下方向に湾曲操作され、左右アングルノブ17によって左右方向に湾曲操作される。
先端構成部30は、ライトガイド31,35、副送水口32、レンズ33、ノズル34、及びデバイス出口36が設けられている。
ライトガイド31,35は、撮像のための照明となる光を照射する照明部位である。これにより、光の届かない体内を照らして観察及び施術できるようにする。
副送水口32は、染色液等の液体を放出する送水口である。
レンズ33は、ライトガイド31,35等の照明による光を集光し、撮像画像を取得するためのレンズ及びその後方に配置された撮像素子である。
ノズル34は、レンズ33を洗浄するための洗浄液等をレンズ33へ向かって放出する部位である。
デバイス出口36は、レーザ治療装置50のレーザ伝送路60等の治療用デバイスの出口である。このレーザ伝送路60は、内視鏡チューブ21の全長でもあるデバイス挿入路長よりも長く形成されている。なお、レーザ伝送路60の詳細については後述する。
図2に示すように、レーザ治療装置50は、操作部・表示部51、電源部52、中央制御部54、ガイド光発光部56、及びレーザ発振部57を備えている。
操作部・表示部51は、レーザの出力設定や動作モードの変更などの操作入力を受け付けて入力信号を中央制御部54に伝達し、中央制御部54からレーザの出力条件や装置の動作状況などの表示信号を受け取って適宜の情報の表示を行う。
電源部52は、中央制御部54など各部に動作電力を供給する。
中央制御部54は、各部に対して各種制御動作を実行する。この中央制御部54は、レーザ出力制御部54aと記憶部54bも有している。
レーザ出力制御部54aは、操作部・表示部51で設定された出力や動作モードに応じてレーザ発振部57によるレーザ光57aの出力値を制御する。記憶部54bは、出力の設定や動作モードの設定内容などの制御データなどの他に適宜のデータを記憶している。
ガイド光発光部56は、治療用のレーザ光57aが照射される位置を示すためのガイド光を発光する。このガイド光は、治療用のレーザ光57aが照射される位置を確認することができる。
レーザ発振部57は、施術に用いるレーザ光57aの発振を実行する。この実施例では、レーザ光57aとして、炭酸ガスレーザを用いる。炭酸ガスレーザの照射強度の設定や照射の開始停止といった操作は、操作部・表示部51による手動操作と、中央制御部54による制御出力によって行われる。なお、手動操作の一部又は全部を、レーザ治療装置50に対して通信・制御可能に設けたフートコントローラ(不図示)を用いた足踏み操作に替えることもできる。
上述したガイド光発光部56が照射するガイド光56a、及びレーザ発振部57が発振するレーザ光57aは、全て1つのレーザ伝送路60によって伝送される。
内視鏡装置10は、操作部41、電源部42、中央制御部43、照明部44、撮像部45、水噴射部46、及び画像表示部47が設けられている。
操作部41は、操作部13(図1参照)による操作入力を中央制御部43に伝達する。すなわち、上下アングルノブ16や左右アングルノブ17の操作による湾曲管部23の湾曲動作、操作ボタン18による押下操作などを伝達する。またあるいは、術者操作ユニット12のものとは別個に、例えば内視鏡装置の制御器本体(不図示)に操作部を設け、照明の光量、静止画の撮影記憶等の操作を中央制御部43に伝達する。
電源部42は、中央制御部43など各部に動作電力を供給し、中央制御部43は、各部に対して各種制御動作を実行する。
照明部44は、ライトガイド31,35(図1参照)からの照明を実行する。
撮像部45は、レンズ33及びその後ろに配置される撮像素子(図1参照)から伝送される画像を撮像し、施術に必要な撮像画像を得たり、画像処理をしたりする。この撮像画像を連続してリアルタイムに取得することで、術者が円滑に施術を行えるようにしている。
水噴射部46は、副送水口32からの液体の噴射を実行する。また、ノズル34からの液体の噴射も実行する。撮像部45が、先端構成部30の近傍に設けてあってもよいし、内視鏡装置10の制御器本体(不図示)内に設けてあってもよいのは、前述のとおりである。
画像表示部47は、中央制御部43から伝達される信号に従って画像を表示する。この画像には、撮像部45で取得した撮像画像も含まれる。したがって、術者は、この画像表示部47にリアルタイムに表示される撮像画像を確認しながら施術を行うことができる。
次に、図3乃至図5に基づいて、レーザ伝送路60の構造及びレーザ伝送路60の先端に装着するレーザチップ70の構造について説明する。
図3はレーザ伝送路60の先端の拡大斜視図を示し、より具体的にはレーザ伝送路60の先端に装着したレーザチップ70の概略斜視図を示し、図4はレーザ伝送路60及びレーザチップ70の概略分解斜視図を示し、図5はレーザ伝送路60に装着したレーザチップ70の説明図を示す。なお、図3及び図4において、レーザ伝送路60を構成するレーザ用チューブ61の一部は点線で示すことで、透過状態を表す。
図5について詳述すると、図5(a)はレーザチップ70を装着したレーザ伝送路60の側面図を示し、図5(b)は図4中のA−A断面図、すなわちレーザ伝送路60からレーザチップ70を取り外した状態における縦断面図を示し、図5(c)は図5(a)中のB−B断面図を示す。
レーザ伝送路60は、図3及び図4に示すように、レーザ用チューブ61と、レーザ用チューブ61の先端に設けられたレーザチップ側装着部62と、レーザ用チューブ61の内部に挿通された中空導波路63とで構成し、上述したように、内視鏡チューブ21より長く形成している。
レーザ用チューブ61は、内部に中空導波路63を挿通させる挿通空間61a(図5参照)を有する中空状で可撓性のある樹脂チューブであり、図3及び図4に示すように、外周面には内視鏡チューブ21のデバイス挿入路19の内径よりわずかに小さい外径を有する複数の外周凸部61bと、隣り合う外周凸部61b同士の間において、外周凸部61bより凹状である外周凹部61cとを、周方向に並列配置しており、レーザ光57aの照射方向に対応する光軸方向Dから視た断面において略歯車状に形成している。
このように構成されたレーザ用チューブ61は、デバイス挿入路19に挿通した際に外周凸部61bがデバイス挿入路19に当接してしっかりと固定されるとともに、内視鏡チューブ21の曲げに応じて柔軟に曲げることができる。
レーザチップ側装着部62は図4及び図5(a)に示すように、伝送路側装着部62aと、チューブ連結部62bと、レーザチップ装着部62cが後方から並んで配列された構成である。
伝送路側装着部62aは、図5(a)に示すように、レーザ用チューブ61の内径と略同一の外径を有するとともに、後述する中空導波路63の外径よりも一回り大きな内径を有する筒状体で形成されており、中空導波路63を挿通することができるとともに、伝送路側装着部62aを挿通空間61aに挿入することでレーザチップ側装着部62をレーザ用チューブ61に嵌合できる。
チューブ連結部62bは、伝送路側装着部62aの先端に設けられた筒状体であり、デバイス挿入路19の内径よりわずかに小さい外径を有するとともに、中空導波路63の外径と略同一の内径を有しており、レーザチップ側装着部62がレーザ用チューブ61に装着された状態において、レーザ用チューブ61とレーザチップ側装着部62との外周面が面一となるとともに、後述するレーザ照射口63aをレーザ用チューブ61の中央部分に固定することができる。
レーザチップ装着部62cは、チューブ連結部62bの先端から前方に延びるように設けられた、伝送路側装着部62aと略同一の外径を有する筒状体であり、外周面には光軸方向Dに沿ったネジ山62dが設けられている。
挿通空間61aに挿通される中空導波路63は、内部中空の円筒形の筒状体の内面全周を誘電体薄膜(図示省略)で被覆した筒状体であり、先端にレーザ光57aを照射するレーザ照射口63aが設けられている。
この中空導波路63を構成する筒状体は、ガラス管など表面が円滑で、銀などの反射膜及び誘電体薄膜の形成に適した素材により長尺状に形成され、誘電体薄膜は、COP(環状オレフィンポリマー)やポリイミドなど、レーザ光を効率よく反射伝送する適宜の素材で形成している。
このように、中空導波路63の内周面を銀などの反射膜及び誘電体薄膜で被覆しているため、中空導波路63の内部を導通するレーザ光57aを高い伝送効率で導通することができる。
レーザ伝送路60に装着させるレーザチップ70は、ステンレス製のレーザチップで、図3乃至図5に示すように、レーザ伝送路60と着脱可能なレーザ伝送路装着部71と、レーザ伝送路装着部71と所定の間隔を隔てて前方に配置された当接部72と、レーザ伝送路装着部71と当接部72とを連結する連結部73とで一体に構成されている。
装着部に対応するレーザ伝送路装着部71は、チューブ連結部62bの外形と略同一の外径を有するとともに、後述する伝送路側装着部62aの内径と略同一の内径を有する筒状体で形成されており、レーザ伝送路装着部71の後端側の内周面にはネジ山62dと螺合可能なネジ溝71aが形成されている(図5(b)参照)。
レーザチップ70の先端部に設けられた当接部72は、レーザチップ装着部62cの内径と略同一の外径を有する、すなわちレーザ伝送路装着部71よりも一回り小さい中実の略円柱形であり、先端には生体組織と当接する当接面72aが備えられ、後端側にはレーザ照射口63aから照射されたレーザ光57aを反射する反射面72bが備えられている(図6(a)参照)。
当接面72aは、光軸方向Dに直交する断面に沿った円形状の平面で、中心にレーザ光57aが照射されるように形成されている。また、その表面には生体組織との固着を防止するために、炭化チタン(TiC)によるコーティングが施されている。
反射面72bは、当接部72のレーザ照射口63a側に設けられた反射面であり、図5(a)に示すように、後述する連結部73に対して面が向くように、光軸方向Dに対して鋭角に設けられている。なお、反射面72bには、レーザ光57aの反射を低下させるコーティング部材によるコーティングが施されている。換言すると、連結部73はレーザ光57aのエネルギーを吸収するコーティング部材によるコーティングが施されている。
所定の間隔を隔てて配置されたレーザ伝送路装着部71と当接部72とを連結する連結部73は、図3乃至図5に示すように、レーザ伝送路装着部71と当接部72の下方側の一部分を光軸方向Dに沿って連結している。この連結部73と反射面72bとで形成する角度θは45度となるように、設計されている。
なお、本実施形態では連結部73と反射面72bとが形成する角度を45度としているが、必ずしもこの角度に限定されるものではなく、鋭角であればどのような角度であってもよい。
また、連結部73の内側上面には、レーザ光57aが形成する光軸に向けて突出する突出部74が形成されている。この突出部74は、図5(c)に示すように、光軸方向Dから視た断面において光軸側が鋭角となる三角形状に突出して構成されている。
このように構成されたレーザチップ70は、レーザチップ装着部62cに対してレーザ伝送路装着部71を螺合することで、レーザ伝送路60に装着することができる。この状態で、レーザ治療装置50を操作しレーザ光57aを発信することで、当接部72に対してレーザ光57aを照射できる。
以下、レーザ伝送路60にレーザチップ70を装着した状態で、レーザ光57aを照射した場合、及びレーザチップ70を用いた出血部位Eの止血及び生体組織の切断について図6及び図7に基づき説明する。
図6(a)は、レーザ伝送路60にレーザチップ70を装着した状態において照射されたレーザ光57aの行路を表す側面図を示し、図6(b)は、当接面72aを出血部位Eに押し当てた状態を表す説明図を示す。
図6(a)に示すように、レーザ伝送路60にレーザチップ70を装着した状態において、レーザ照射口63aから照射されたレーザ光57aは、反射面72bによって連結部73に向けて反射される。
ここで、反射面72bはレーザ光57aのエネルギーを吸収するコーティング部材によるコーティングが施されているため、レーザ光57aの照射を受けた当接部72は効率よく加熱されることとなる。このように加熱された当接面72aを、図6(b)に示すように、出血部位Eに当接することで血液Bを効率よく凝固させることができる。
また、反射面72bにレーザ光57aのエネルギーを吸収するコーティング部材によるコーティングが施されていることで、連結部73へ反射されるレーザ光57aの反射光のエネルギーが減らされるため、連結部73に照射されたレーザ光57aの反射光がさらに反射して拡散したとしても、正常な生体組織を損傷させることがない。
またさらに、図3乃至図5に示すように、連結部73は所定の間隔を隔てたレーザ伝送路装着部71と当接部72との一部分を連結する構成であるため、連結部73の上方部分においてはレーザ伝送路装着部71と当接部72とを連結しておらず、外部と連通した開放空間Sが形成されている。
このような開放空間Sに生体組織、詳しくは剥離したい患部組織Tの近辺にある粘膜下層L2の組織を配置して切断する方法について、図7に基づいて簡単に説明する。
図7は、レーザチップ70を用いた粘膜下層L2の切断を表す説明図を示しており、詳述すると、図7(a)はレーザチップ70を用いた粘膜下層L2の切断を表す概略斜視図を示し、図7(b)は図7(a)の概略平面図を示す。
はじめに、粘膜層L1にできた、剥離した対象である患部組織Tを囲むように複数点レーザ光57aで照射して、切り取る範囲の目印(マーキングM)をつける。次に患部組織Tの下方側の粘膜下層L2にヒアルロン酸Hを注入し、患部組織Tを浮かせた状態にし、レーザ光57aを患部組織Tに沿って照射し粘膜層L1を切開する。以後、このレーザ光57aを照射して切開した線を切開線Iとする。
このとき、切開線Iに沿って部分では粘膜層L1が切開されているが、切開線Iの内側(患部組織T側)は粘膜下層L2と繋がっている。
次に、レーザ伝送路60をデバイス挿入口20から抜いて、レーザ伝送路60の先端にレーザチップ70を装着し、再度デバイス挿入口20にレーザ伝送路60を挿入させる。そして、図7(a)及び図7(b)に示すように、切開した切開線Iに沿って当接部72を挿入させ、連結部73bで切開線Iの内側でつながっている粘膜下層L2の組織を引掛けて引っ張りだし、粘膜下層L2の組織に張力をかけた状態でレーザ光57aを照射する。これにより、レーザ光57aが照射された粘膜下層L2の組織は切断されることとなる。
同様に、レーザチップ70を切開線Iに沿って刈るように動かし、粘膜下層L2の組織を引掛けて引っ張りだし、粘膜下層L2の組織にテンションをかけた状態でレーザ光57aを照射する。このように、レーザチップ70を切開線Iに沿って移動させながら粘膜下層L2の組織を切断することにより、患部組織Tを周辺の粘膜下層L2と切断することができ、患部組織Tを乖離できる。
このとき、レーザ照射口63aから照射されるレーザ光57aは、反射面72bに照射されるため、過って粘膜下層L2や筋層L3に照射されることがなく、筋層L3を穿孔することを防止できる。
また、突出部74を設けることにより、粘膜下層L2の組織をレーザ光57aが照射される位置に配置でき、確実な粘膜下層L2の組織を切断できる。また、突出部74の光軸側が鋭角な三角形状で構成されているため、張力がかかった粘膜下層L2の組織をより切断しやすくできる。
ここで上述の例では、当接面72aが平坦面である場合を説明したが、当接面は必ずしも平坦面である必要はなく、例えば当接面が緩やかな凸面や凹面であってもよい。
以下、当接面が緩やかな凸面で構成されたレーザチップ70x及び緩やかな凹面で構成されたレーザチップ70yについて、図8及び図9に基づいて説明する。なお、以下で説明するレーザチップ70x,70yの構成のうち、レーザチップ70と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8は、当接面が緩やかな凸面である場合の説明図を示し、図9は当接面が緩やかな凹面である場合の説明図を示す。詳しくは、図8(a)は当接面が緩やかな凸面であるレーザチップ70xの断面図を示し、図8(b)はレーザチップ70xを用いた出血部位Eの止血方法の概略断面図を示す。また、図9(a)は当接面が緩やかな凸面であるレーザチップ70yの断面図を示し、図9(b)はレーザチップ70yを用いた出血部位Eの止血方法の概略断面図を示す。なお、出血部位Eは、粘膜層L1と筋層L3との間にある粘膜下層L2を走る血管とする。
レーザチップ70xは、図8(a)に示すように、レーザチップ70xの前方に形成される当接面は、前方に突出する曲率半径が15mmの緩やかな曲面の当接凸面72xで構成されている。
このため、当接凸面72xを出血部位Eに当接させた場合、生体組織が曲面に沿って変形し、出血部位Eと当接凸面72xとの間に介在する血液量をより減らすことができ、血液Bを確実に凝固させて出血部位Eからの出血を止血できる(図8(b)参照)。
また、レーザチップ70と異なりレーザチップ70xは当接凸面72xの端部に角部が形成されていないため、角部で出血部位E近辺の生体組織を損傷することを防止できる。
一方、レーザチップ70yは、図9(a)に示すように、レーザチップ70yの前方に形成される当接面は、後方に窪んだ曲率半径が15mmの緩やかな曲面の当接凹面72yで構成されている。
このため、当接凹面72yを出血部位Eに当接させた場合、当接凹面72yと出血部位Eとの間に血液Bを溜めることができる。この溜めた血液Bを加熱した当接凹面72yを当接させることで確実に凝固させることができ、出血部位Eを止血できる(図9(b)参照)。
このように構成されたレーザチップ70,70x,70yは、中空導波路63の先端に備えられた、レーザ光57aを照射するレーザ照射口63aに装着されるように、レーザ照射口63aに着脱自在なレーザ伝送路装着部71と、生体組織と当接する当接部72と、レーザ伝送路装着部71に対してレーザ照射口63aから照射されるレーザ光57aの照射方向前方において開放空間Sを隔てて配置され、当接部72の一部とレーザ伝送路装着部71とを連結する連結部73とで構成され、当接部72の後方には、レーザ照射口63aから前方に向けて照射されるレーザ光57aを連結部73に向けて反射させる反射面72bが備えられることにより、レーザ医療において、施術を安全に行うとともに、出血した場合にも止血することができる。
詳述すると、反射面72bは、レーザ照射口63aから照射されるレーザ光57aを連結部73に向けて反射させるため、反射されたレーザ光57aが施術対象ではない正常組織に対して照射されることを防止でき、正常な生体組織が損傷されることを防止できる。
また、当接部72にレーザ光57aが照射されることにより、当接部72がレーザ光57aのエネルギーを吸収して加熱されることとなる。このように加熱された当接部72を例えば出血している出血部位Eに当接させることにより、出血部位Eを止血できる。
さらにまた、連結部73が、当接部72の一部とレーザ伝送路装着部71と開放空間Sを隔てて連結する構成であるため、当接部72とレーザ伝送路装着部71との間にはレーザ光照射方向に対して直交方向に対して開いた開放空間Sが形成される。これにより、線維化した切断しにくい粘膜下層L2を開放空間Sに配置されるように保持でき、保持した粘膜下層L2にレーザ光57aを照射することができ、組織を確実に切断することができる。
加えて、レーザ光57aを吸収可能な当接部72をレーザ照射口63aの前方に設けることにより、レーザ光57aが前方に照射されることを防止する、いわゆるバックストップの機能を備えることができ、特に薄い組織壁を有する組織周辺(例えば大腸などの筋層L3)を剥離する場合であっても穿孔するリスクがなく施術できる。
このように、レーザチップ70,70x,70yは、出血部位Eを止血でき、またレーザ光57aの反射光が照射されることにより正常組織が損傷したり、レーザ光57aによって穿孔したりすることを防止することができるため安全に施術することができる。
また、反射面72bを連結部73に対して鋭角を形成することにより、反射面72bに反射されたレーザ光57aを連結部73に確実に反射させることができ、反射光を正常組織に予期せず照射されることを防止できる。
また、反射面72bと連結部73が鋭角に形成されているため、当接部72とレーザ伝送路装着部71とが形成する開放空間Sに配置されるように粘膜下層L2を保持する際に、粘膜下層L2の組織を反射面72bに引掛けることができる。これにより、粘膜下層L2の組織が線維化した場合でも、安定かつ確実に保持でき、レーザ光57aを確実に照射させることができ、例えば筋層L3を穿孔させることなく患部組織Tを剥離できる。
また、組織剥離においては、レーザチップ70,70x,70yの先端部を組織内に挿入し、生体組織が反射面72bと連結部73及びレーザ出射端の空間に安定して保持される構造であり、処置具先端を横方向、あるいは手前方向に移動させながらレーザ光が照射されるので、特に線維化した組織など切断されにくい組織においても容易に切開、剥離が可能である。
さらにまた、当接部72の前方に、曲率半径が10mm以上の曲面で形成された当接凸面72x及び当接凹面72yあるいは平坦な当接面72aが設けられることにより、損傷領域を広げることがなく確実に止血することができる。
詳述すると、例えば、当接部72の前方に、曲率半径が+10mm以上である凸状の曲面である当接凸面72xや平坦な当接面72aが形成されている場合、当接面72aや当接凸面72xを出血部位Eに確実に押し当てて、レーザ光57aを当接部72に照射することで、レーザ光57aのエネルギーを吸収して加熱された当接部72の当接面72aや当接凸面72xが当接された出血部位E及びその周辺の血液Bを凝固させて、出血部位Eを確実に止血できる。
一方で、曲率半径が−10mm以上である凹状の曲面である当接凹面72yが形成されている場合には、当接凹面72yを出血部位Eに押し付けることで出血部位Eから出た血液Bを凹部に溜めることができ、レーザ光を照射することにより加熱された当接部72で当接凹面72yに溜められた血液Bを凝固して出血部位Eを止血できる。
このように、前方の当接面の曲率半径が異なったり、平坦である当接部72を用いた止血は、止血の作用が異なるため、出血箇所の部位や出血状況に応じて曲率半径が異なる曲面又は平坦面の当接部72を使い分けることができる。
また、連結部73に、レーザ照射口63aから照射されるレーザ光57aの光軸に向けて突出する、光軸から視た断面形状が凸状に形成された突出部74を設けているため、開放空間Sおける所定の位置に粘膜下層L2の組織を保持でき、粘膜下層L2の組織にレーザ光57aを確実に照射できる。
詳述すると、突出部74を設けていない連結部と当接部72とで粘膜下層L2の組織を保持したとしても、レーザ光57aが照射される位置に粘膜下層L2の組織を配置することが困難であった。しかしながら、レーザ光57aの光軸に向けて突出する突出部74を連結部73に設けることにより粘膜下層L2の組織を突出部74に配置することができる。これにより、生体組織の所望の位置にレーザ光57aを照射することができ、所望の位置で粘膜下層L2の組織を切断することができる。
さらにまた、突出部74の断面形状を、光軸側が鋭角に突出する三角形状で構成することにより、突出部74が粘膜下層L2の組織を切断することを切断することを補助できる。
また、反射面72bは、表面にレーザ光57aの反射を低下させるコーティングが施されているため、当接部72が吸収するレーザ光57aのエネルギーを増大させることができ、当接部72を効率よく加熱することができる。これにより、当接部72を生体組織内において出血している損傷部位に当接させた場合に、確実に止血することができる。
さらにまた、当接部72が、生体組織との固着を防止する固着防止用コーティングが施されているため、生体組織に対して当接させた当接面72aが生体組織と固着することを防止でき、当接面72aを止血した出血部位Eから離した場合に出血部位Eなどの損傷を防止できる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の装着部は、レーザ伝送路装着部71に対応し、
以下同様に、
反射部は、反射面72bに対応し、
当接面は、当接面72a、当接凸面72x、当接凹面72yに対応し、
レーザ発振器は、レーザ発振部57に対応し、
内視鏡は、内視鏡装置10に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施形態では、連結部73は、レーザ伝送路装着部71と当接部72との下方を連結する構成であるが、装着部71と当接部72との間において開放空間Sが確保できれば、連結する部位は一部である必要はない。
また、反射面72bは、レーザ光57aを連結部73に向けて反射できればどのような構成でもよく、例えば平面状や凹状の反射面72b、複数の反射面72bの組み合わせ、プリズムなどを利用し屈折させたレーザ光57aを連結部73に向けて反射させる構成でもよい。
さらにまた、当接面72aに施された固着防止用コーティングは、生体組織との固着をしなければどのようなコーティングであってもよく、例えば窒化チタン(TiN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素、窒化ホウ素(BN)などであってもよい。
また、本実施形態では炭酸ガスレーザを用いたレーザ発振器としているが、必ずしも炭酸ガスレーザである必要はなく、他のレーザ光を用いたレーザ治療にも用いることができる。
また、本実施形態ではレーザ伝送路60を中空導波路で構成しているが、必ずしも中空導波路である必要はなく、例えば中実型のファイバーなどで様々なレーザ伝送路を用いることができる。
1 レーザ治療システム
10 内視鏡
50 レーザ治療装置
57 レーザ発振部
57a レーザ光
60 レーザ伝送路
63 中空導波路
63a レーザ照射口
70,70x,70y レーザチップ
71 装着部
72 当接部
73 連結部
72b 反射面
72a 当接面
72x 当接凸面
72y 当接凹面
74 突出部

Claims (9)

  1. レーザ伝送路の先端に備えられた、レーザ光を照射するレーザ照射口に装着するレーザチップであって、
    前記レーザ照射口に着脱自在な装着部と、
    生体組織と当接する当接部と、
    前記装着部に対して、前記レーザ照射口から照射される前記レーザ光の照射方向前方において開放空間を隔てて配置され、前記当接部と前記装着部とを連結する連結部とで構成され、
    前記当接部の後部には、反射部が備えられ、
    該反射部は、前記連結部に対して鋭角を形成する反射面で構成され、前記レーザ照射口から前方に向けて照射される前記レーザ光を前記連結部に向けて反射させる
    レーザチップ。
  2. 前記当接部の前方に、曲率半径が10mm以上の曲面で形成された、又は、平坦面で形成された当接面が設けられた
    請求項に記載のレーザチップ。
  3. 前記連結部は、
    前記レーザ照射口から照射される前記レーザ光の光軸に向けて、内側上面から突出する、前記光軸から視た断面形状が凸状に形成された突出部が設けられた
    請求項1又は請求項2に記載のレーザチップ。
  4. 前記突出部の前記断面形状は、前記光軸側が鋭角となる三角形状で構成された
    請求項に記載のレーザチップ。
  5. 前記反射部は、表面が前記レーザ光の反射を低下させるコーティングが施された
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップ。
  6. 前記当接部が、生体組織との固着を防止する固着防止用コーティングが施された
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップ。
  7. レーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップとが備えられた
    レーザ処置具。
  8. 炭酸ガスレーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より発振されたレーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、
    請求項1乃至のうちのいずれかに記載のレーザチップとが備えられた
    レーザ治療装置。
  9. 請求項8に記載のレーザ治療装置と、
    前記レーザ伝送路を挿通可能とした内視鏡とで構成された
    レーザ治療システム。
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