JP6846010B2 - 搬送装置及び印刷装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取って用紙担持ドラム210へ渡す渡し胴201と、渡し胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム210と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220と、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202とから構成されている。
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。
また、「印刷装置」は、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
次に、本実施形態における乾燥部300の詳細について説明する。
図2は、本実施形態における乾燥部300を示す正面図である。
図3は、本実施形態における乾燥部300を用紙搬送方向に対して直交する面で切断したときの断面図である。
本実施形態において、搬送ベルト321の表面に担持された用紙Pは、乾燥機構301の乾燥チャンバー313の内部を通過する際、用紙Pの画像面(被送風面)の略法線方向から送風ファン311の送風を受ける。このとき、本実施形態の搬送ベルト321は、送風ファン311により送風される送風領域内に位置する用紙部分、具体的には、2つの端部押さえベルト331A,331Bによって押さえ付けられる用紙幅方向両端領域P2を除いた用紙Pの幅方向中央領域P1を、その用紙Pの画像面(被送風面)の裏側から担持している。そのため、用紙Pの画像面(被送風面)に送風ファン311からの風が当たっても、用紙Pが風に押されて撓むような事態が抑制される。したがって、用紙Pの幅方向両端領域P2のみを挟持して搬送する構成で発生し得る搬送不良(用紙Pの幅方向中央領域P1が風に押されて用紙が撓み、用紙の挟持箇所で用紙のズレが生じて発生する搬送不良)が抑制される。しかも、本実施形態においては、送風ファン311からの風が用紙Pの幅方向中央領域P1を押すことで、用紙Pと搬送ベルト321との密着性が高まるので、より安定した用紙搬送を実現できる。
また、用紙先端部が乾燥チャンバー313内の送風領域内に進入した後においては、用紙先端部は、送風ファン311からの風によって搬送ベルト321の表面に押さえ付けられる。したがって、送風領域内では、用紙先端部の捲れ上がりが起きにくいので、必ずしも端部押さえベルト331A,331Bによって用紙Pの先端部を押さえ付ける必要はない。しかしながら、本実施形態では、送風領域が乾燥チャンバー313の内部であるため、送風領域内で用紙Pの先端部が捲れ上がってしまうと、その搬送不良によって乾燥チャンバー313の内部に用紙Pが残留してしまうおそれがある。また、送風領域内で用紙Pの後端部が捲れ上がる場合もあり、その場合も、搬送不良によって乾燥チャンバー313の内部に用紙Pが残留してしまうおそれがある。
また、本実施形態においては、送風ファン311により送風される送風領域内を用紙Pが通過した後においても、送風領域内に存在する搬送ベルト321の表面に送風ファン311からの風が当たる。このように搬送ベルト321の表面に当たった風は、搬送ベルト321の表面に沿って進み、図6に示すように、送風領域内から用紙搬送方向下流側へ抜けた用紙Pの後端部に向かう気流F2を生じさせる。このような気流F2は、送風領域内を抜けた用紙Pの後端部を捲り上げ、搬送ベルト321から用紙Pが剥離したりするなどして、搬送不良を生じさせるおそれがある。
次に、本実施形態における乾燥部300の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
本変形例1は、基本構成については上述した実施形態と同様であるが、ベルト搬送機構320が搬送ベルト321の代わりに吸引ベルトからなる搬送ベルト325を採用している点で、上述した実施形態とは異なっている。以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図10は、本変形例1における乾燥部300を用紙搬送方向に対して直交する面で切断したときの断面図である。
本変形例1におけるベルト搬送機構320も、2つの支持ローラ322,323に掛け渡された無端状の搬送ベルト325の表面上に用紙Pを担持して、搬送ベルト325の表面移動に伴って用紙Pを搬送する。本変形例1の搬送ベルト325は、その表面に複数の微小な貫通孔(吸引孔)が分散して開口した吸引ベルトであり、用紙を担持するベルト部分(第一支持ローラ322から第二支持ローラ323に向けて移動するベルト部分)の内周面側には、吸引機構326が設けられている。
次に、本実施形態における乾燥部300の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2は、基本構成については上述した実施形態と同様であるが、用紙押さえ機構330によって用紙Pを搬送ベルト321の表面に押さえ付ける用紙搬送方向領域(押し付け区間)が上述した実施形態とは異なっている。以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
本変形例2における2つの端部押さえベルト331A,331Bは、それぞれ、4つの支持ローラ332A,333A,335A,336A,332B,333B,335B,336Bに掛け渡されている。2つの端部押さえベルト331A,331Bは、乾燥チャンバー313の用紙受入口313aよりも用紙搬送方向上流側のベルト配置については、上述した実施形態と同様である。ただし、本変形例2の端部押さえベルト331A,331Bは、乾燥チャンバー313の内部における用紙受入口313aの近傍に設けられる第二支持ローラ333A,333Bの位置で搬送ベルト321の表面から離れ、乾燥チャンバー313の上壁部に形成されているベルト出入口313cから乾燥チャンバー313の外部へ出るように配置されている。
次に、本実施形態における乾燥部300の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
本変形例3は、基本構成については上述した実施形態と同様であるが、用紙押さえ機構330によって用紙Pを搬送ベルト321の表面に押さえ付ける用紙搬送方向領域(押し付け区間)が上述した実施形態とは異なっている。以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
本変形例3における2つの端部押さえベルト331A,331Bは、上述した実施形態と同様、それぞれ、5つの支持ローラ332A,333A,334A,335A,336A,332B,333B,334B,335B,336Bに掛け渡されている。ただし、本変形例3では、第二支持ローラ333A,333Bが乾燥チャンバー313の内部に配置されており、端部押さえベルト331A,331Bは、その第二支持ローラ333A,333Bの位置で搬送ベルト321の表面から離れ、乾燥チャンバー313の上壁部に形成されているベルト出入口313cから乾燥チャンバー313の外部へ出るように配置されている。
次に、本実施形態における乾燥部300の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
上述した実施形態(各変形例1〜3を含む。)では、インクが吐出されて画像が形成された後の用紙を乾燥する乾燥部300の例であったが、本変形例4は、上述した前処理部において所定の処理液を用紙Pに塗布等により付与する処理を行い、画像形成部200でインクが吐出されて画像が形成される前に、処理液が付与された用紙を乾燥させる乾燥部に適用したものである。
本変形例4の前処理部は、給紙部100から給紙された用紙Pに処理液を塗布する塗布装置510を備えている。処理液としては、例えば、用紙の表面に塗布することで用紙の表面を改質する改質材が挙げられる。具体的には、予め用紙にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙に浸透させるとともに色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を上げることを可能にする定着剤(セット剤)が挙げられる。
(態様A)
用紙P等のシート材に送風する送風ファン311等の送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域内を通過するように該シート材を搬送するベルト搬送機構320等の搬送手段とを備えた乾燥部300等の搬送装置において、前記搬送手段は、前記送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側を搬送ベルト321,325等の表面移動部材で支持しながら、該表面移動部材の表面移動に伴って該シート材を搬送するものであり、前記送風領域よりもシート材搬送方向上流側の位置から、前記シート材の先端部が該送風領域へ進入するまでの間、該シート材の先端部の少なくとも一部を前記表面移動部材の表面に向けて押し付ける用紙押さえ機構330等の押付部材を有することを特徴とする。
本態様によれば、送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側が表面移動部材によって支持されるため、送風領域内でシート材の被送風面に送風手段からの風が当たっても、当該シート材部分の被送風領域が風に押されて撓ませられるのを抑制できる。よって、シート材の幅方向両端領域のみを挟持して搬送する従来の構成で発生していたような搬送不良の発生が抑制される。しかも、本態様では、送風手段からの風によってシート材が表面移動部材の表面へ押し付けられるため、表面移動部材とシート材との密着性が高まり、より安定したシート材の搬送を実現できる。
ただし、本態様においては、このような構成を採用したことで、送風領域内にシート材が進入する前に、送風手段からの風が表面移動部材の表面に当たる。このように表面移動部材の表面に当たった風は、その後、表面移動部材の表面に沿って進み、シート材搬送方向上流側から送風領域内へ進入してくるシート材の先端部に向かう気流を発生させる。このような気流は、シート材が送風領域内へ進入する前のシート材先端部を捲り上げ、シート材先端部が周囲の部材に引っ掛かったり、表面移動部材からシート材が剥離したりするなどして、搬送不良を生じさせるおそれがある。
そこで、本態様では、送風領域よりもシート材搬送方向上流側の位置(押付開始位置)から、シート材の先端部が送風領域へ進入するまでの間、そのシート材の先端部を表面移動部材の表面に向けて押し付ける押付部材を設け、前記のような気流が発生しても、シート材先端部が捲れ上がるのを抑制している。これにより、シート材先端部が捲れ上がることによる搬送不良を抑制でき、安定したシート搬送を実現できる。
前記態様Aにおいて、前記押付部材は、前記送風領域内の位置までの間、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする。
これによれば、上述した変形例3で説明したとおり、シート材の先端部が送風領域内へ完全に入り込むまでの間、そのシート材の先端部を押し付けることができ、シート材の先端部が送風領域内に進入するまで、より安定してシート材を搬送することができる。
前記態様Aにおいて、前記押付部材は、前記送風領域よりもシート材搬送方向下流側の位置までの間、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする。
本態様によれば、上述した実施形態で説明したとおり、シート材の先端部が送風領域を完全に抜けるまでの間、そのシート材の先端部を押し付けることができるので、送風領域内でシート材の先端部が捲れ上がることも安定して抑制できる。
また、送風領域をシート材が通過した後、送風手段からの風は表面移動部材の表面に当たり、その後、表面移動部材の表面に沿って進んで、送風領域から出たシート材の後端部に向かう気流を発生させる。このような気流は、送風領域を通過した後のシート材の後端部を捲り上げ、シート材後端部が表面移動部材から剥離したりするなどして、搬送不良を生じさせるおそれがある。
本態様によれば、シート材の後端部が送風領域を抜けた後も、そのシート材の後端部が押し付けられることから、送風領域からシート材の後端部に向かう気流が発生しても、シート材後端部が捲れ上がるのを抑制でき、安定したシート搬送を実現できる。
前記態様B又はCにおいて、前記押付部材は、少なくとも押付開始位置及び押付終了位置に配置される押付用支持ローラ332A,332B,333A,333B並びに該押付開始位置よりもシート材搬送方向上流側に配置される上流側支持ローラ336A,336Bに掛け渡された端部押さえベルト331A,331B等の無端状のベルト部材で構成され、前記押付開始位置に配置される押付用支持ローラ332A,332Bと前記上流側支持ローラ336A,336Bとの間に張架されているベルト部分がシート材搬送方向上流側から下流側に向けて前記表面移動部材の表面に近づくように配置されていることを特徴とする。
これによれば、押付開始位置よりもシート材搬送方向上流側でシート材の先端部が表面移動部材の表面から浮き上がっている場合でも、その用紙先端部は、無端状ベルト部材の当該ベルト部分に接触し、その後、無端状ベルト部材の表面移動に伴って押付開始位置に向けて案内される。その結果、シート材先端部が表面移動部材の表面から浮き上がっていても、無端状ベルト部材と表面移動部材との間にシート材先端部がスムーズに進入でき、搬送不良を抑制できる。
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記送風領域の周囲を壁部材で囲って形成され、少なくともシート材搬送方向上流側からシート材を受け入れる用紙受入口313a等のシート受入口を備えた乾燥チャンバー313等の送風室を有し、前記押付部材は、前記送風室のシート受入口のシート材搬送方向上流側から下流側にかけて、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする。
送風室の内部に送風領域が位置する場合、送風によって生じた気流がシート受入口から外部へ強く吹き出しやすく、その送風室のシート受入口から進入する前のシート材の先端部に、シート受入口から吹き出す強い気流が当たってシート材先端部が捲れ上がりやすい。
本態様によれば、シート材の先端部がシート受入口に完全に入り込むまで押付部材により表面移動部材の表面へ押し付けられるので、シート受入口から吹き出す強い気流によってシート材先端部が捲れ上がるのを安定して抑制できる。
用紙P等のシート材に送風する送風ファン311等の送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域内を通過するように該シート材を搬送するベルト搬送機構320等の搬送手段とを備えた乾燥部300等の搬送装置において、前記搬送手段は、前記送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側を搬送ベルト321,325等の表面移動部材で支持しながら、該表面移動部材の表面移動に伴って該シート材を搬送するものであり、前記シート材の後端部が前記送風領域を通過してから、該送風領域よりもシート材搬送方向下流側の位置までの間、該シート材の後端部を前記表面移動部材の表面に向けて押し付ける用紙押さえ機構330等の押付部材を有することを特徴とする。
送風領域をシート材が通過した後、送風手段からの風は表面移動部材の表面に当たり、その後、表面移動部材の表面に沿って進んで、送風領域から出たシート材の後端部に向かう気流を発生させる。このような気流は、送風領域を通過した後のシート材の後端部を捲り上げ、シート材後端部が表面移動部材から剥離したりするなどして、搬送不良を生じさせるおそれがある。
本態様によれば、送風領域を抜けたシート材の後端部が押付部材により表面移動部材の表面に押し付けられるため、送風領域からシート材の後端部に向かう気流が発生しても、シート材後端部が捲れ上がるのを抑制でき、安定したシート搬送を実現できる。
前記態様Fにおいて、前記送風領域の周囲を壁部材で囲って形成され、少なくともシート材搬送方向下流側へシート材を排出する用紙排出口313b等のシート排出口を備えた乾燥チャンバー313等の送風室を有し、前記押付部材は、前記送風室のシート排出口のシート材搬送方向上流側から下流側にかけて、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする。
送風室の内部に送風領域が位置する場合、送風によって生じた気流がシート排出口から外部へ強く吹き出しやすく、その送風室のシート排出口から出た後のシート材の後端部に、シート排出口から吹き出す強い気流が当たってシート材後端部が捲れ上がりやすい。
本態様によれば、シート材の後端部がシート排出口から出る前から出た後まで押付部材により表面移動部材の表面へ押し付けられるので、シート排出口から吹き出す強い気流によってシート材後端部が捲れ上がるのを安定して抑制できる。
前記態様E又はGにおいて、前記送風室内には、輻射ヒータ312等の発熱手段が配置されていることを特徴とする。
これによれば、シート材の被送風面を加熱することができるので、シート材の乾燥処理などに好適に利用できる。
また、送風室内に発熱手段が配置されている構成においては、シート材が発熱手段に接触する事態を避けることが重要であるが、本態様によれば、シート材の先端部や後端部が捲れ上がることが抑制されるため、シート材が発熱手段に接触する事態を抑制できる。
前記態様Hにおいて、前記発熱手段の発熱量を制御する制御手段を有することを特徴とする。
これによれば、使用環境、シート材の種類などに応じて、発熱手段を好適な発熱量で制御することができる。
前記態様H又はIにおいて、前記表面移動部材及び前記押付部材の少なくとも一方を、前記送風室の外部を通るように配置される無端状のベルト部材で構成したことを特徴とする。
これによれば、当該無端状のベルト部材が送風室の内部で高温に曝される場合でも、送風室の外部を通るときに冷却されるため、当該無端状のベルト部材の最高到達温度を下げて寿命を長くすることが可能となる。
前記態様A〜Jのいずれかの態様において、前記押付部材は、シート材搬送方向に直交するシート材幅方向の両端領域のみを押し付けることを特徴とする。
これによれば、シート材の被送風面における幅方向両端領域以外の幅方向中央領域には押付部材が接触しない。そのため、シート材の被送風面上の幅方向中央領域に押付部材が接触することによる不具合を避けることができる。
前記態様Kにおいて、前記押付部材は、シート材幅方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、シート材幅方向の長さが異なる複数種類のシート材に対し、その幅方向両端領域のみを押付部材で適切に押し付けることができる。
前記態様K又はLにおいて、前記押付部材は、表面が移動する端部押さえベルト331A,331B等の押付用表面移動部材で構成されており、前記搬送手段は、前記表面移動部材及び前記押付用表面移動部材のうちの一方の表面移動部材を駆動することにより、他方の表面移動部材を該一方の表面移動部材の表面移動に連れ回るように従動させるものであることを特徴とする。
これによれば、押付用表面移動部材とシート材との間の摺擦を軽減でき、押付部材によるシート材のダメージを抑制できる。
前記態様A〜Mのいずれかの態様において、前記搬送手段は、前記表面移動部材の表面に形成された吸引孔に吸い込み気流を生じさせて該表面移動部材の表面に吸着させたシート材を該表面移動部材の表面移動に伴って搬送するものであることを特徴とする。
これによれば、上述した変形例1のとおり、吸い込み気流によって表面移動部材の表面上にシート材を吸着させるため、シート材を表面移動部材の表面に安定して保持できる。したがって、シート材の捲れ上がりが起きにくく、シート材の捲れ上がりによる搬送不良等を更に安定して抑制できる。
前記態様Nにおいて、前記搬送手段は、前記表面移動部材の表面のうち、少なくとも、前記押付部材によりシート材が押し付けられる押付開始位置よりもシート材搬送方向上流側に位置する表面部分から、前記押付部材によりシート材が押し付けられている表面部分に至るまでの間、吸引孔に吸い込み気流を生じさせてシート材を吸着させることを特徴とする。
これによれば、押付開始位置よりもシート材搬送方向上流側でシート材の先端部が表面移動部材の表面から浮き上がることを吸い込み気流によって抑制できる。その結果、無端状ベルト部材と表面移動部材との間にシート材先端部をスムーズに進入させることができ、搬送不良を抑制できる。
用紙P等のシート材にインク等の液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、前記液体吐出手段により液体が付着したシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する乾燥部300等の搬送装置とを備えたインクジェット記録装置等の印刷装置において、前記搬送装置として、前記態様A〜Mのいずれかの態様に係る搬送装置を用いたことを特徴とする。
本態様によれば、安定したシート搬送性を有する印刷装置を実現できる。
用紙P等のシート材にインク等の液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前のシート材に処理液501を付与する塗布装置510等の前処理手段と、前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記前処理手段により処理液が付与されたシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する乾燥部等の搬送装置とを備えたインクジェット記録装置等の印刷装置において、前記搬送装置として、前記態様A〜Mのいずれかの態様に係る搬送装置を用いたことを特徴とする。
本態様によれば、安定したシート搬送性を有する印刷装置を実現できる。
100 給紙部
200 画像形成部
201 渡し胴
202 受け渡し胴
210 用紙担持ドラム
211 吸引装置
220 インク吐出部
220C,220M,220Y,220K 液体吐出ヘッド
300 乾燥部
301 乾燥機構
302 搬送機構
311 送風ファン
312 輻射ヒータ
313 乾燥チャンバー
313a 用紙受入口
313b 用紙排出口
313c ベルト出入口
320 ベルト搬送機構
321,325 搬送ベルト
322,323 支持ローラ
324 バックアップコロ
326 吸引機構
326a 多孔質材
326b 吸引用チャンバー
326c 吸引装置
330 用紙押さえ機構
331 端部押さえベルト
332〜336 支持ローラ
337 加重コロ
338 板バネ
400 排紙部
510 塗布装置
501 処理液
Claims (17)
- シート材に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域内を通過するように該シート材を搬送する搬送手段とを備えた搬送装置において、
前記搬送手段は、前記送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側を表面移動部材で支持しながら、該表面移動部材の表面移動に伴って該シート材を搬送するものであり、
前記送風領域よりもシート材搬送方向上流側の位置から、前記シート材の先端部が該送風領域へ進入するまでの間、該シート材の先端部の少なくとも一部を前記表面移動部材の表面に向けて押し付ける押付部材を有し、
シート材搬送方向に対して直交する方向における前記表面移動部材の長さは、シート材搬送方向に対して直交する方向における前記シートの長さ以上であることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1に記載の搬送装置において、
前記押付部材は、前記送風領域内の位置までの間、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1に記載の搬送装置において、
前記押付部材は、前記送風領域よりもシート材搬送方向下流側の位置までの間、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする搬送装置。 - 請求項2又は3に記載の搬送装置において、
前記押付部材は、少なくとも押付開始位置及び押付終了位置に配置される押付用支持ローラ並びに該押付開始位置よりもシート材搬送方向上流側に配置される上流側支持ローラに掛け渡された無端状のベルト部材で構成され、前記押付開始位置に配置される押付用支持ローラと前記上流側支持ローラとの間に張架されているベルト部分がシート材搬送方向上流側から下流側に向けて前記表面移動部材の表面に近づくように配置されていることを特徴とする搬送装置。 - シート材に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域内を通過するように該シート材を搬送する搬送手段とを備えた搬送装置において、
前記搬送手段は、前記送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側を表面移動部材で支持しながら、該表面移動部材の表面移動に伴って該シート材を搬送するものであり、
前記送風領域よりもシート材搬送方向上流側の位置から、前記シート材の先端部が該送風領域へ進入するまでの間、該シート材の先端部の少なくとも一部を前記表面移動部材の表面に向けて押し付ける押付部材を有し、
前記送風領域の周囲を壁部材で囲って形成され、少なくともシート材搬送方向上流側からシート材を受け入れるシート受入口を備えた送風室を有し、
前記押付部材は、前記送風室のシート受入口のシート材搬送方向上流側から下流側にかけて、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする搬送装置。 - シート材に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域内を通過するように該シート材を搬送する搬送手段とを備えた搬送装置において、
前記搬送手段は、前記送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側を表面移動部材で支持しながら、該表面移動部材の表面移動に伴って該シート材を搬送するものであり、
前記シート材の後端部が前記送風領域を通過してから、該送風領域よりもシート材搬送方向下流側の位置までの間、該シート材の後端部を前記表面移動部材の表面に向けて押し付ける押付部材を有し、
シート材搬送方向に対して直交する方向における前記表面移動部材の長さは、シート材搬送方向に対して直交する方向における前記シートの長さ以上であるすることを特徴とする搬送装置。 - シート材に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域内を通過するように該シート材を搬送する搬送手段とを備えた搬送装置において、
前記搬送手段は、前記送風領域内に位置するシート材部分における被送風領域の裏側を表面移動部材で支持しながら、該表面移動部材の表面移動に伴って該シート材を搬送するものであり、
前記シート材の後端部が前記送風領域を通過してから、該送風領域よりもシート材搬送方向下流側の位置までの間、該シート材の後端部を前記表面移動部材の表面に向けて押し付ける押付部材を有し、
前記送風領域の周囲を壁部材で囲って形成され、少なくともシート材搬送方向下流側へシート材を排出するシート排出口を備えた送風室を有し、
前記押付部材は、前記送風室のシート排出口のシート材搬送方向上流側から下流側にかけて、前記シート材を前記表面移動部材の表面に向けて押し付けることを特徴とする搬送装置。 - 請求項5又は7に記載の搬送装置において、
前記送風室内には、発熱手段が配置されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項8に記載の搬送装置において、
前記発熱手段の発熱量を制御する制御手段を有することを特徴とする搬送装置。 - 請求項8又は9に記載の搬送装置において、
前記表面移動部材及び前記押付部材の少なくとも一方を、前記送風室の外部を通るように配置される無端状のベルト部材で構成したことを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記押付部材は、シート材搬送方向に直交するシート材幅方向の両端領域のみを押し付けることを特徴とする搬送装置。 - 請求項11に記載の搬送装置において、
前記押付部材は、シート材幅方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項11又は12に記載の搬送装置において、
前記押付部材は、表面が移動する押付用表面移動部材で構成されており、
前記搬送手段は、前記表面移動部材及び前記押付用表面移動部材のうちの一方の表面移動部材を駆動することにより、他方の表面移動部材を該一方の表面移動部材の表面移動に連れ回るように従動させるものであることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記搬送手段は、前記表面移動部材の表面に形成された吸引孔に吸い込み気流を生じさせて該表面移動部材の表面に吸着させたシート材を該表面移動部材の表面移動に伴って搬送するものであることを特徴とする搬送装置。 - 請求項14に記載の搬送装置において、
前記搬送手段は、前記表面移動部材の表面のうち、少なくとも、前記押付部材によりシート材が押し付けられる押付開始位置よりもシート材搬送方向上流側に位置する表面部分から、前記押付部材によりシート材が押し付けられている表面部分に至るまでの間、吸引孔に吸い込み気流を生じさせてシート材を吸着させることを特徴とする搬送装置。 - シート材に液体を吐出させる液体吐出手段と、
前記液体吐出手段により液体が付着したシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する搬送装置とを備えた印刷装置において、
前記搬送装置として、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の搬送装置を用いたことを特徴とする印刷装置。 - シート材に液体を吐出させる液体吐出手段と、
前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前のシート材に処理液を付与する前処理手段と、
前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記前処理手段により処理液が付与されたシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する搬送装置とを備えた印刷装置において、
前記搬送装置として、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の搬送装置を用いたことを特徴とする印刷装置。
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