JP6842840B2 - ストレッチフード包装用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、パレット積みされた荷物(以下、パレット貨物と略称する)の荷崩れ防止を目的として、該パレット貨物にフード状(一端がシールされた円筒状)のストレッチフィルムを被せる「ストレッチフード包装」に用いられるフィルムに関する。
パレット貨物は、輸送中に荷崩れしないように、しばしばストレッチフィルムを巻き付ける「パレットストレッチ包装」が行われる。しかしながらフィルムを巻き付ける作業は煩雑であり、時間を要する。またパレットストレッチ包装では、パレット貨物の天面がストレッチフィルムで保護されない為、該天面に埃が付着したり、該天面から水が浸入したりする恐れがあり、更にはストレッチフィルムの重なり部分にも埃の付着、水の浸入の問題があった。これらの問題を解決することができる包装形態として、近年、フード状のストレッチフィルムを被せる「ストレッチフード包装」が行われている。ストレッチフード包装は、数十秒で包装を完了することができ、また少量の包装資材で荷崩れを防止することがで、更にはパレット貨物の天面もフィルムで覆うことができる。
図1はストレッチフード包装を説明するための概略図である。ストレッチフード包装では、まずパレット貨物の上方に円筒状のストレッチフィルムが繰り出される。次いで円筒状のフィルムが、一端においてシールFsされ、更に切断されて、フード状フィルムFに加工される。最後にフード状フィルムFが引き伸ばされ、パレット貨物に被せられ、包装が完了する。
ストレッチフード包装に用いられるフィルムには、充分に引き伸ばされた状態からパレット貨物を結束できる状態まで復元した際に、充分な結束力を有することが求められている。
特許文献1、2には、特定の要件を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(C)とを含有する芯層と、特定の要件を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する二つの表面層とを有するチューブ状エチレン系樹脂多層フィルムが開示されており、該フィルムからなるストレッチフード用フィルムが提案されている。
特許文献3には、芯層(内層)に115℃を超える融解熱が5ジュール/グラム未満のポリエチレンコポリマーを少なくとも50重量%含む多層フィルムであって、弾性回復率が少なくとも40%であるフィルムが開示されており、更に該フィルムから形成されるストレッチフードフィルムが提案されている。
特許文献4では、超低密度ポリエチレン(ULDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とを含有する芯層(コア層)と、超低密度ポリエチレン(ULDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)とを含む表面層(スキン層)とからなるストレッチフード包装フィルムが提案されている。
特開2013− 49264号公報 特開2013− 60006号公報 特表2013−532077号公報 特表2013−535355号公報
近年、ストレッチフード包装の高速化が検討されている。しかしながら包装速度を速めるとシール不良の問題が発生した。これは高速化により、円筒状のフィルムをシール及び切断してフード状フィルムに加工してから、該フィルムが引き伸ばされるまでの時間が短縮した為と思われる。シール部分が十分に安定化する(固まる)前に引き伸ばされる為、該シール部分が開いてしまうのである。
本発明者らはシール性改善を目的として、従来のストレッチフード用フィルムに密度の高い直鎖状低密度ポリエチレンを添加したところ、シール性は改善されたが、フィルムの結束力が落ちる結果となった。
本発明の目的は高速包装が可能なフードストレッチ包装用フィルムを提供することである。詳しくは、フィルムの結束力を落とすことなく、シール部分が素早く安定化するストレッチフード用フィルムの提供を課題とする。
本発明によると上記課題を解決するための手段として、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)が配合されたエチレン系樹脂組成物(A)から成る層を備えることを特徴とするストレッチフード包装用フィルムが提供される。
また前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)が、密度900kg/m以下で、100℃以上の融点を有することを特徴とする前記ストレッチフード包装用フィルムが提供される。
また前記エチレン系樹脂組成物(A)が、更に、前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)を含むことを特徴とする前記ストレッチフード包装用フィルムが提供される。
また前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)が、密度910kg/m以上の直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする前記ストレッチフード包装用フィルムが提供される。
また少なくともシール層とコア層とを有するストレッチフード包装用フィルムであって、前記シール層が前記エチレン系樹脂組成物(A)から成ることを特徴とするストレッチフード包装用フィルムが提供される。
また前記コア層は、密度が910kg/m以下の直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とすることを特徴とする前記ストレッチフード包装用フィルムが提供される。
本発明は、一般的な直鎖状低密度ポリエチレンよりも密度が低く融点が高いエチレン/α−オレフィンブロック共重合体に着目し、当該樹脂を用いることによりフィルムの結束力を落とすことなく、シール部分が素早く安定化するストレッチフード用フィルムを提供するものである。
本発明のストレッチフード用フィルムは、引き伸ばした後であっても高い結束力を発揮し、尚且つヒートシール部分が素早く安定化する。よってストレッチフード包装に用いた場合、高速包装が可能となる。
ストレッチフード包装を説明するための概略図である。 結束力の測定方法を説明するための図面である。 シール強度(ホットタック強度)測定方法を説明するための図面である。
[エチレン系樹脂組成物(A)]
本発明のストレッチフード用フィルムは、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)が配合されたエチレン系樹脂組成物(A)からなる層を備える。
<エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)>
エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)は、エチレンに基づく単量体単位が重合したハードブロックとα−オレフィンに基づく単量体単位が重合したソフトブロックとが交互に繋がった構造をしており、ハードブロックは高耐熱性に、ソフトブロックは柔軟性と低温特性とに寄与することが知られている。当該エチレン/α−オレフィン共重合体(a1)は、密度が900kg/m以下であっても、100℃以上の融点を有する。このようなエチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)の具体例として、ダウ・ケミカル(株)製の「インフューズ(Infuse(登録商標))」を挙げる。
ソフトブロックを形成するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられるが、柔軟性と加工し易さを考慮すると1−オクテンが好ましい。
エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)をストレッチフード包装用フィルムに採用すると、従来に無い安定した高速包装が可能なフィルムを得ることができる。これはハードブロックがシール部の素早い安定化に寄与し、ソフトブロックが結束力向上に寄与する為と思われる。本発明では、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)のなかでも、密度900kg/m以下で、100℃以上の融点を有するものを好適に採用することができ、特に密度890kg/m以下で、118℃以上の融点を有するものを好適に採用することができる。密度が高くなり過ぎるとストレッチフード包装用フィルムの結束力が低下し、融点が低くなり過ぎるとシール部の安定性が低下する恐れがある。尚、融点は示差走査熱量測定により求めることができるが、昇温時の吸熱ピークが複数存在する場合、本発明ではピークが現れる全ての温度を融点と呼ぶ。
<エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)>
またエチレン系樹脂組成物(A)は、上記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)以外に、他のエチレン系樹脂(a2)を含むことができる。
ストレッチフード用フィルムを形成するエチレン系樹脂組成物(A)に用いられるエチレン系樹脂(a2)は、エチレンに基づく単量体単位を主単位として有する重合体であり、エチレンに基づく単量体単位の含有量がエチレン系樹脂(a2)の全重量(100重量%)に対して50重量%以上の重合体である。
当該エチレン系樹脂(a2)は、従来、ストレッチフード包装用フィルムに用いられているエチレン系樹脂を特に限定なく用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンに基づく単量体単位と酢酸ビニルに基づく単量体単位とが共重合されたエチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。
またフィルムの結束性や原料価格を考慮すると、エチレン系樹脂(a2)として、エチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とがランダムに共重合された直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが望ましい。直鎖状低密度ポリエチレンにおけるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを例示することができるが、1−ヘキセンや1−オクテンが製膜性安定性の観点から望ましい。
該直鎖状低密度ポリエチレンは、マルチサイト系触媒またはシングルサイト系触媒を用いて重合されるものであるが、密度が900kg/m以下のものは、通常シングルサイト触媒により重合され、融点は100℃を下回る。
ストレッチ包装に用いられるフード状フィルムは、内面がブロッキングするとパレット貨物に被せることが困難となる為、ブロッキングし難く口開き性が良好であることが望ましい。フード状フィルムの口開き性を改善するためにはエチレン系樹脂(a2)として、比較的密度の高い直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。具体的には、エチレン系樹脂(a2)として密度が910kg/m以上、好ましくは915kg/m以上の直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)とエチレン系樹脂(a2)の配合割合は特に限定されるものではないが、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1):エチレン系樹脂(a2)=10〜90重量%:90〜10重量%が望ましい。エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)、エチレン系樹脂(a2)はいずれも10重量%未満では各樹脂の特性を発揮することが難しい。またエチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)は、一般的なエチレン系樹脂(a2)に比べて高価であるので、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1):エチレン系樹脂(a2)=10〜50重量%:90〜50重量%が望ましく、特に10〜40重量%:90〜60重量%が好ましい。エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)が10重量%未満ではフィルムの結束力、シール部の安定性を改善することができず、40重量%程度添加されると、所期の目的をおおむね達成することができる。
<その他の成分>
エチレン系樹脂組成物(A)には、上述したエチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)、エチレン系樹脂(a2)の他に、これらの樹脂の特性を阻害しない範囲で、他の樹脂成分を配合することができる。また必要に応じて、公知の充填剤、顔料、核剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤などの添加剤を添加することができる。
[多層フィルム]
本発明のストレッチフード包装用フィルムは、上述したエチレン系樹脂組成物(A)のみからなる単層構成のフィルムであってもよいが、エチレン系樹脂組成物(A)からなる層を備える多層フィルムであることが好ましい。
多層フィルムである場合、少なくともシール層とコア層とを有する2層以上のフィルムであることが好ましく、特にシール層とコア層に加え、表面層を有する3層以上のフィルムであることが望ましい。以下、ストレッチフード包装用フィルムが、シール層/コア層/表面層の3層フィルムである場合について詳細に説明するが、本発明のストレッチフード包装用フィルムはこれに限定されるものではない。また本発明の目的を達成しうる範囲で、各層の間に他の層を設けることもできる。
<シール層>
シール層は、円筒状のフィルムの最内に位置する層で、フィルムをフード状に加工する際にシール面となる層である。該シール層は、フィルムのシール性能に最も関与する層で、上述したエチレン系樹脂組成物(A)から成ることが好ましい。エチレン系樹脂組成物(A)は、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)を含むため、シール部を素早く安定化することができる。
<コア層>
コア層は、ストレッチフード包装用フィルムが2層構成である場合は、シール層ではない層であり、3層以上の構成である場合は、シール層でも、表面層でもない層である。ストレッチフード包装用フィルムの結束力を高める為に、該コア層は比較的密度の低い直鎖状低密度ポリエチレンを主成分(コア層を形成する樹脂のうち、最も重量割合の大きい成分)とすることが好ましい。具体的には、密度が910kg/m以下、好ましくは905kg/m以下の直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とすることが好ましい。また該コア層にも、上述したエチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)を配合することができる。エチレン/α−オレフィンブロック共重合体を配合することにより、ストレッチフード包装用フィルムの結束力は、更に向上する。
<表面層>
表面層は、フィルムをフード状フィルムに加工する際に表面に位置する層である。通常、ストレッチフード包装用フィルムは後述するインフレーション成形法にて円筒状に成形され、ロール状に巻き取られて保管される。保管後、パレット貨物に被せられる際に、フィルムの繰り出しが円滑に進むよう、該表面層はブロッキングし難い樹脂組成から成ることが好ましい。具体的には、密度が910kg/m以上、好ましくは915kg/m以上の直鎖状低密度ポリエチレンを主成分(表面層を形成する樹脂のうち、最も重量割合の大きい成分)とすることが好ましい。該層もまた、フィルムの結束力改善を目的としてエチレン/α−オレフィンブロック共重合体を配合することができる。
尚、シール層におけるエチレン/α−オレフィンブロック共重合体の配合割合をWs重量%、コア層におけるエチレン/α−オレフィンブロック共重合体の配合割合をWc重量%、表面層におけるエチレン/α−オレフィンブロック共重合体の配合割合をWf重量%とするとき、WsとWfは共に、Wcよりも大きいことが望ましい。ストレッチフード包装用フィルム全体におけるエチレン/α−オレフィンブロック共重合体の量が同じであっても、フィルムの表面に位置する層、即ちシール層や表面層に多くエチレン/α−オレフィンブロック共重合体が配合されている方が、コア層に多く配合されているよりも、フィルムの結束力は高くなる。
また上述した各層には、直鎖状低密度ポリエチレンやエチレン/α−オレフィンブロック共重合体の他に、これらの樹脂の特性を阻害しない範囲で、他の樹脂成分や各種添加剤を添加することができる。高圧法による低密度ポリエチレンを5〜10重量%程度配合させると、フィルムの製膜安定性が図れる。
本発明のストレッチフード包装用フィルムの厚さは、引裂強度、結束力等を考慮すると、10〜250μmが好ましく、特に20〜150μmが好ましい。膜厚が厚くなり過ぎると、結束力が強くなり過ぎ、パレット積みされた荷物によっては損傷を受ける可能性がある。また薄くなり過ぎると引き裂けやすくなる。
本発明のストレッチフード包装用フィルムは、シール層/コア層/表面層の3層フィルムである場合、各層の厚さ構成比は、1:1:1〜1:10:1程度が好ましい。エチレン/α−オレフィンブロック共重合体の配合量を低く抑えながら、本発明の効果を奏するためにはシール層及び表面層が薄いことが望ましいが、上述する範囲よりも薄くなると、生産安定性や生産効率が悪くなる。
[製造方法]
本発明のストレッチフード包装用フィルムは、例えば上述した樹脂をインフレーション押出法やTダイキャスト押出法等、従来公知の製膜法により製造することができる。またストレッチフード包装用フィルムが多層フィルムである場合は、各層を別々に製膜した後、熱等により貼り合わせるラミネート法や、表面層とシール層を別々に製膜した後、これらの層の間にコア層を形成する樹脂を溶融状態で流し込む押出ラミネート法等を用いることができる。しかしながら、後述するようにフード状フィルムに加工することを考慮すると、インフレーション(共)押出法を採用することが望ましい。
[フード状フィルムの製造方法]
ストレッチフード包装用フィルムを用いてストレッチフード包装する際には、まずフィルムをフード状に加工する必要がある。Tダイキャスト(共)押出法によるフィルムをフード状に加工する場合は、まずフィルムを円筒状に加工し、次いで一定長毎にシールして切断するとよい。インフレーション(共)押出法を採用すると円筒状のフィルムを得ることができるので、フィルムを円筒状に加工する工程を省略し得る。
円筒状のフィルムをシールし、カットしてフード状フィルムに加工する際に、フィルムの両サイドにガゼットを設けることが好ましい。ガゼット入りのフード状フィルムは、正方形に近い形状のパレット貨物に被せ易い。
以下、本発明のストレッチフード用フィルムについて、実施例に基づき説明する。尚、各フィルムの結束力は以下の方法で評価した。
[結束力]
1)各フィルムを、縦150mm、横10mmの矩形に切断し、試験片を作成する。尚、フィルムのMD方向(長さ方向)の結束力を測定する際は、試験片の縦方向がフィルムのMD方向となるように、フィルムのTD方向(幅方向)の結束力を測定する際は、試験片の縦方向がフィルムのTD方向となるように、試験片を切り出す。
2)該試験片をオートグラフのチャック間にセットし、チャック間を40mmにセットする(図2(A))。このとき試験片1が、チャック2、2’にそれぞれ45mm挟持され、チャック間に60mm在るようにする。底辺20mm、高さ10mmの略二等辺三角形で、一つの頂部がR=6.5mmの曲線である略二等辺三角形を断面形状とする三角柱状の抑え具31を先端に有する冶具3を用い、抑え具31の頂部を試験片1に当て、試験片1がチャック2、2’間でストレスなく張った状態となるようにする。
3)チャック間距離を100mmまで広げ、試験片を約100%(元の長さの約2倍)引き伸ばし、このときの荷重を測定し(図2(B))、測定値をフィルム厚さ(μm)で割って100倍し、100μmあたりの値に換算する。得られた値を「100%引張荷重」とする。
4)チャック間を70mmに縮め、試験片を約50%(元の長さの約1.5倍)引き伸ばした状態にし、このときの荷重を測定し(図2(C))、測定値を厚さ100μmあたりの値に換算したものを「50%直後荷重」とする。
5)図2(C)に示す状態で15分経過後、オートグラフに係る荷重を測定し、測定値を厚さ100μmあたりの値に換算したものを「50%15分荷重」とする。
100%引張荷重値、50%直後荷重、50%15分荷重の結果を表1に記す。50%直後荷重は、フード状フィルムをパレット貨物に被せた直後の結束力を示す値で、該値が大きいフィルムほど、フード状フィルムを被せた直後の荷崩れを防止する効果に優れる。また50%15分荷重は、フード状フィルムをパレットに被せた後、経時後の結束力を示す値で、該値が大きいフィルムは、ストレッチフード包装を行っている間の結束力が高い。
各実施例、比較例で使用した原料は以下の通りである。
LL1 直鎖状低密度ポリエチレン MFR:1.0g/10min 密度:916kg/m
LL2 直鎖状低密度ポリエチレン MFR:1.0g/10min 密度:902kg/m
LL3 直鎖状低密度ポリエチレン MFR:0.8g/10min 密度:905kg/m
LD 高圧法低密度ポリエチレン MFR:2.0/10min 密度:921kg/m
EBC エチレン/α−オレフィンブロック共重合体 MFR:0.5/10min 密度:870kg/m
尚、MFRはJIS K7210に準拠し測定された値である。
[実施例1乃至3 比較例1]
表1に示す樹脂組成物を用いて、インフレーション共押出法にて、シール層/コア層/表面層からなる三層のストレッチフード包装用フィルムを得た。ストレッチフード包装用フィルムの膜厚は50μm、各層の厚み比は1:5:1であった。尚、シール層及び表面層を形成する樹脂組成物には、表1に記す樹脂100重量部に対し、3重量部のアンチブロッキング剤を添加した。得られたフィルムの結束力を表1に併せて記す。
Figure 0006842840
エチレン/α−オレフィンブロック共重合体が配合された組成物から成るストレッチフード包装用フィルム(実施例1乃至3)は、配合されていないフィルム(比較例1)よりも結束力の最低値が大きいことがわかる。結束力の最低値が高いほど荷崩れを起こし難い。比較例1のフィルムを用いてストレッチフード包装すると、フード状のフィルムを被せた直後のフィルムのTD方向の結束力が低いため、パレット貨物を包装直後動かす際に荷崩れし易い。
また両外層(シール層及び表面層)にエチレン/α−オレフィンブロック共重合体が配合されている実施例1のフィルムの方が、コア層にエチレン/α−オレフィンブロック共重合体が配合されている実施例2のフィルムよりも、フィルム全体に配合されるエチレン/α−オレフィンブロック共重合体の量が少ないにもかかわらず、結束力が大きかった。
[実施例4、5 比較例2乃至4]
表2に示す樹脂組成物を用いて、インフレーション共押出法にて、シール層/コア層/表面層からなる三層のストレッチフード包装用フィルムを得た。ストレッチフード包装用フィルムの膜厚は100μm、各層の厚み比は1:5:1であった。尚、実施例4、5、比較例2、3のシール層及び表面層を形成する樹脂組成物には、表2に記す樹脂100重量部に対し、3重量部のアンチブロッキング剤を添加した。また比較例4を形成する樹脂組成にも、該樹脂100重量部に対し3重量部のアンチブロッキング剤を添加した。得られたフィルムの結束力を表1に併せて記す。
フィルムのシール強度(ホットタック強度)を以下の方法で測定した。
[シール強度]
1)各フィルムから縦300mm、横50mmの矩形の試験片を二枚切り出す。このとき試験片の縦方向が、ストレッチフード包装用フィルムのMD方向となるようにする。
2)一方の試験片4の一端4aを冶具6に固定し、他方の試験片5の一端5aをデジタルフォースゲージ7(IMADA社製 ZP−500N)に固定する(図3(A))。
3)一方の試験片の他端4bと他方の試験片の他端5bとを重ね、ヒートシール機(テスター産業社製 TP−701−B ヒートシールテスター)にてヒートシールし、シール部8を形成する(図3(B))。尚、上シールバーは幅3mmのものを使用し、フッ素樹脂含浸ガラスクロス粘着テープを充ててヒートシールした。下シールバーはシリコーンラバー(ゴム硬度50)のものを使用し、上シールバーと同様にフッ素樹脂含浸ガラスクロス粘着テープを充てて試験を行った。シール圧は1.8MPa、シール時間は1.0秒、上シールバーの温度は120℃、下シールバーの温度を23℃とした。
4)ヒートシール後、直ちにデジタルフォースゲージを垂直に下げ、更にシール部8が剥離するまでシール部8に荷重をかけ(図3(C))、剥離したときの荷重を読み取り、これをシール強度とする。
5)上シールバーの温度を120℃から210℃まで、10℃刻みで変化させ、各温度のシール強度を測定する。
該測定方法によると、ヒートシール直後のシール部の強度を確認することができる。上シールバーの温度が高い領域(180℃を超える領域)において、高いシール強度を示すフィルムは、フード状に加工するためにシールした直後、シール部が高温であっても、シール部に負荷をかけることができる。よって、高速包装することができる。一方、上シールバーの温度が高い領域において低いシール強度を示すフィルムは、シール後、シール部の温度がある程度低くなるまでシール部に負荷をかけることができない。その為、包装速度は遅くなる。
実施例4、5、比較例2乃至4のシール部の安定性を測定し、測定結果を表3に記す。またシール強度が4N/50mm以上であれば、フード状のフィルムを押し広げ、シール部に負荷をかけることができる。シール強度が4N/50mm以上である温度のうち最も高温となる温度をシール安定温度とし表2に合せて記す。
Figure 0006842840
Figure 0006842840
エチレン/α−オレフィンブロック共重合体が配合された組成物から成るストレッチフード包装用フィルム(実施例4、5)は、配合されていないフィルム(比較例2)よりも結束力の最低値が大きいことがわかる。よって荷崩れし難い。
シール層及び表面層に密度の低い直鎖状低密度ポリエチレン(LL2、LL3)が配合された比較例3、4のストレッチフード包装用フィルムは、結束力の最低値は比較的大きかったが、シール適性が劣っていた。これはフィルム全体の樹脂密度が低く、耐熱性が下がっており、冷却固化に時間を要するためと思われる。これらのフィルムをストレッチフード包装に用いるためには、フード状に加工したシール部が低温になるのを待って、フィルムをパレット貨物に被せる必要が生じる。よって高速包装に向いていない。またシール層が密度の低い直鎖状低密度ポリエチレンのみから成る比較例4のフィルムを用いてストレッチフード包装を行ったところ、フィルムがブロッキングしてフード状フィルムを開くことができなかった。
F フード状フィルム
Fs シール
1 試験片
2、2’ チャック
3 冶具
4 試験片
5 試験片
6 冶具
7 デジタルフォースゲージ
8 シール部

Claims (5)

  1. エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)と、前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)からなるエチレン系樹脂組成物(A)から成る層を備え
    前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)と前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)との配合割合が、前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1):前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)=10〜90重量%:90〜10重量%であることを特徴とするストレッチフード包装用フィルム。
  2. 前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体(a1)が、密度900kg/m以下で、100℃以上の融点を有することを特徴とする請求項1記載のストレッチフード包装用フィルム。
  3. 前記エチレン/α−オレフィンブロック共重合体以外のエチレン系樹脂(a2)が、密度910kg/m以上の直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1または2記載のストレッチフード包装用フィルム。
  4. 少なくともシール層とコア層とを有するストレッチフード包装用フィルムであって、前記シール層が請求項1乃至のいずれかに記載のエチレン系樹脂組成物(A)から成ることを特徴とするストレッチフード包装用フィルム。
  5. 前記コア層は、密度が910kg/m以下の直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とすることを特徴とする請求項記載のストレッチフード包装用フィルム。
JP2016086508A 2016-04-22 2016-04-22 ストレッチフード包装用フィルム Active JP6842840B2 (ja)

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