JP6840665B2 - マイクロ波レトルトシステム、マイクロ波レトルトシステムを用いて食品を加熱する方法、及びマイクロ波レトルト用に調合した食品 - Google Patents

マイクロ波レトルトシステム、マイクロ波レトルトシステムを用いて食品を加熱する方法、及びマイクロ波レトルト用に調合した食品 Download PDF

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Description

本願は、マイクロ波レトルトシステムと、マイクロ波レトルトシステムを用いて、食品を殺菌温度などまで加熱する方法と、マイクロ波レトルト用に調合した食品に関する。
冷蔵食品又は長期保存可能な食品の微生物的安全性を高めるために、長い間、熱レトルト方法を用いて、商業的な低温殺菌と殺菌を行ってきた。レトルト方法では、食料に存在し得る微生物(腐敗微生物又は病原微生物を含む)を不活化するのに有効な温度まで、食品を加熱する。従来の熱レトルト方法では概して、加熱段階と、保持段階と、冷却段階とを含む、40分以上の高温処理が必要となる。最も一般的なレトルト殺菌方法には、水浸漬方法と、飽和蒸気方法が含まれる。飽和蒸気方法では、包装食品の入ったレトルト容器(例えば、パウチ、コンテナ又は缶)を約30〜約120分、蒸気で満たす。水浸漬方法では、食品をレトルト容器内で、温水に加圧下で浸漬する。
これらの方法によって、許容可能な殺菌を行うことができるが、上記のような長さの時間、熱処理を行うと、色、香り若しくは質感の変化、又はタンパク質の変性若しくは凝固、並びにビタミン及びその他の栄養分の分解を含め、多くの有害な影響が食品に及び得る。従来のレトルト方法では、典型的には、食品の幾何学的中心は、その食品の最低温度部であり、殺菌温度まで加熱するまでの時間が最も長い。このため、食品の加熱むらが生じることがあり、それにより、外面又は角などの特定の部分が、食品の中心に比べて過剰調理される。このような加熱むらにより、熱レトルト方法を経ていない作りたての製品と比べて、食品に、望ましくない変化が生じ得るとともに、レトルト食品に対する消費者受容性が低下し得る。
最近、マイクロ波エネルギーを用いるレトルト処理に関心が集まっているが、まだ商業規模では利用されていない。これまでのレトルトシステムと同様に、マイクロ波レトルト処理では、熱の生成を利用して、微生物を不活化する。他のレトルト方法とは異なり、マイクロ波レトルト処理では、最低温度点が、食品の幾何学的中心ではない場合が多い食品が得られる。
マイクロ波による熱殺菌(MATS)は、包装食品のマイクロ波殺菌を行う既知の技術の1つである。例えば、MATSでは、915MHzの周波数を用いてよい。従来のMATSシステムは、米国特許第7,119,313号に記載されており、4つの逐次的な処理行程に対応するように直列に配置された予熱部と、マイクロ波加熱部と、保持部と、冷却部とを備える。米国特許第7,119,313号に記載されているMATSシステムの各部は、加圧タンクと、水流を所定の温度で制御するためのプレート式熱交換器とを備える別個の水循環システムを有する。コンベヤーが予熱部から冷却部まで延びており、製品をMATS装置の様々な部分に運ぶ。殺菌方法中には、加圧容器において、包装食品を水溶液に浸漬する。水は、処理する食品とともに、空洞を循環させる。従来のレトルトシステムに対するMATSシステムの利点としては、処理能力の向上と、運転コストの低下と、様々な非均質な食料を殺菌する機能の向上が挙げられる。MATSシステムは、以前から利用可能なマイクロ波レトルトシステムよりも改良されているが、MATS技術は、まだ初期段階にあるので、大きい商業規模で実施可能にする改良は実現されていない。マイクロ波エネルギーは、熱殺菌において様々な利点をもたらし得るが、食料の熱殺菌にマイクロ波エネルギーを用いることに伴う問題の1つは、電磁界分布の均一性に欠ける点である。別の課題は、MATSシステムでは、食料の縁部に平行な電界により、食料の縁部又は外面が過加熱され得ることが依然として多い点である。食料を大規模に殺菌するのに、マイクロ波システムがいまだに広く用いられていない理由の1つは、このような制限であり得る。
本開示は概して、マイクロ波レトルトシステムと、マイクロ波レトルトシステムを用いて、食品を低温殺菌及び/又は殺菌温度などまで加熱する方法と、マイクロ波レトルト方法での処理用に調合した食品に関する。本明細書に記載されているシステムと方法では、包装食品を少なくとも部分的に液体媒体に浸漬して、マイクロ波エネルギーで処理して、その食品を低温殺菌又は殺菌温度まで加熱し、その食品を低温殺菌又は殺菌するのに十分な時間、その低温殺菌及び/又は殺菌温度で保持する。一態様では、本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法とシステムでは、外面を含め、食品が135°Fよりも高い温度に達しないようにしながら、食品を低温殺菌及び又は殺菌温度まで加熱する。このようにする際には、少なくともいくつかのアプローチでは、本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法とシステムでは、有益なことに、味と官能的な特性が、レトルト方法を経ていない同様の作りたての製品と同等又はほぼ同等であるとともに、従来の浸漬又は飽和蒸気レトルト方法を経た同様の食品よりも著しく優れている食品をもたらす。
一態様では、マイクロ波エネルギーを用いて、包装食品を低温殺菌又は殺菌する方法を提供する。この方法は、包装食品を約50℃〜約80℃の温度まで予熱することと、第1の温度部と、少なくとも第2の温度部とを備えるマイクロ波ゾーンに、包装食品を運ぶこと、第1の温度部において、温度が約20℃〜約110℃の液体媒体に包装食品を浸漬し、マイクロ波エネルギーを食品に、第1の期間照射することと、包装食品を第1のマイクロ波温度部から第2のマイクロ波温度部に運ぶことであって、第2の温度部の液体媒体の温度が、第1の温度部の液体媒体よりも高いことと、マイクロ波エネルギーを食品に、第2の期間照射することと、約115℃〜約135℃の温度の液体媒体を含む保持ゾーンに、少なくとも第1及び第2の期間、マイクロ波エネルギーを照射した包装食品を運ぶことと、包装食品を保持ゾーンから冷却ゾーンに運ぶこととを含む。
一アプローチでは、この方法は、包装食品を第3の温度部に運ぶことと、マイクロ波エネルギーを食品に、第3の期間照射することを更に含み、第2の温度部の液体媒体の温度は、第1の温度部の液体媒体よりも高い。
別のアプローチでは、上記の方法は、第2の温度部の後に、包装食品を複数の追加のマイクロ波温度部に運ぶことを更に含む。一態様では、この複数の追加のマイクロ波温度部は、3〜10個の追加の温度部を含む。いくつかのアプローチでは、第1の温度部で照射されるマイクロ波エネルギーの強度は、第2の温度部で照射されるマイクロ波エネルギーよりも高い。一態様では、第1の温度部で照射されるマイクロ波エネルギーの強度は、第2及び第3の温度部で照射されるマイクロ波エネルギーよりも高い。
マイクロ波エネルギーの照射中、第1及び第2の各温度部の液体媒体の温度は、約20〜約95℃であってよく、別の態様では、約20〜約90℃であってよく、別の態様では、約20〜約85℃であってよい。少なくともいくつかのアプローチでは、各方法行程は、食品のいずれの部分も、135℃を超える温度に達しないようにして行う。
本明細書に記載されている方法とシステムによって処理してよい例示的な食品としては、パスタ、パスタ及びソース、マカロニ及びチーズ、肉、肉及びソース、肉及びブロス、ご飯料理、卵料理、オムレツ、小鍋料理、ジャガイモ(マッシュポテト、スライスポテト、角切りポテト)、スープ、果物、魚、及び飲料が挙げられる。特定の一態様では、包装食品は、マカロニ及びチーズである。本発明の方法とシステムによって処理する食品は、パウチ、硬質容器、又は可撓性容器に入れることができる。
別の態様では、その予熱ゾーン内の液体媒体を約50℃〜約85℃の温度まで加熱するように構成された予熱ゾーンと、少なくとも1つのマイクロ波供給源を備えるマイクロ波ゾーンと、マイクロ波エネルギーをマイクロ波供給源から、マイクロ波ゾーンに配置された包装食品に導くように構成された少なくとも2つのマイクロ波照射部と、マイクロ波ゾーンの少なくとも2つの温度部であって、それぞれの温度部内の液体媒体を加熱するように構成された各温度部と、包装食品を予熱ゾーンからマイクロ波ゾーンに移動させるように構成された運搬装置とを備えるマイクロ波レトルトシステムを提供する。
一態様では、マイクロ波ゾーンは、少なくとも3つの温度部を備える。別の態様では、マイクロ波ゾーンは、複数のマイクロ波温度部を備える。更に別の態様では、この複数のマイクロ波温度部は、3〜10個の追加の温度部を含む。いくつかのアプローチでは、マイクロ波レトルトシステムは、温水/冷水セパレーターと保持ゾーンを更に備え、この温水/冷水セパレーターは、マイクロ波ゾーンと保持ゾーンの間に配置されている。
図1は、第1の例示的なマイクロ波レトルト方法のブロック図である。 図2は、複数の温度部を備える例示的なマイクロ波ゾーンの概略図である。 図3は、第2の例示的なマイクロ波レトルト方法のブロック図である。 図4は、例示的なマイクロ波レトルト処理システムの概略図である。 図5は、様々なチーズソースの915MHzにおける誘電損失(ε”)の標準偏差のグラフである。 図6は、マイクロ波レトルト方法を経た後のマカロニ及びチーズ製品の写真である。 図7は、マイクロ波レトルト方法を経た後のマカロニ及びチーズ製品の写真であり、この製品のチーズソースには、塩が加えられている。 図8は、マイクロ波レトルト方法を経た後のマカロニ及びチーズ製品の写真であり、この製品のチーズソースには、クリームが加えられている。 図9は、マカロニ及びチーズ製品のマイクロ波レトルト処理中の経時的な芯温のグラフである。 図10は、マカロニ及びチーズ製品であって、チーズソースに塩が加えられている製品のマイクロ波レトルト処理中の経時的な芯温のグラフである。 図11は、マカロニ及びチーズ製品であって、チーズソースにクリームが加えられている製品のマイクロ波レトルト処理中の経時的な芯温のグラフである。 図12は、室温における、周波数の関数としての、チーズソースの誘電損失率(ε”)のグラフである。 図13は、粘度を低下させたサンプル(n=2)をマイクロ波レトルト方法で10回マイクロ波に通した後の累積Fとコールドスポットの温度のグラフを含む。 図14は、元の粘度の(粘度を低下させていない)サンプル(n=4)をマイクロ波レトルト方法で10回マイクロ波に通した後の累積Fとコールドスポットの温度のグラフを含む。
本開示は概して、マイクロ波レトルトシステムと、マイクロ波レトルトシステムを用いて、食品を低温殺菌及び/又は殺菌温度などまで加熱する方法と、マイクロ波レトルト方法での処理用に調合した食品に関する。本明細書に記載されているシステムと方法では、包装食品を少なくとも部分的に液体媒体に浸漬し、マイクロ波エネルギーで処理して、その食品を低温殺菌又は殺菌温度まで加熱し、その低温殺菌及び/又は殺菌温度で、十分な時間保持して、その食品を低温殺菌又は殺菌する。一態様では、本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法とシステムは、食品の外面を含め、食品が135°Fよりも高い温度に達しないようにしながら、食品を低温殺菌及び/又は殺菌温度まで加熱する。このようにする際には、少なくともいくつかのアプローチでは、本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法とシステムにより、有益なことに、味と官能的な特性が、レトルト方法を経ていない同様の作りたての製品と同等又はほぼ同等であるとともに、従来の浸漬又は飽和蒸気レトルト方法を経た同様の食品よりも著しく優れている食品をもたらす。
いくつかのアプローチでは、本明細書に記載されているレトルト方法とシステムは、本明細書に記載されている食品調合物と併せて用いてよい。別の態様では、本明細書に記載されているレトルト方法とシステムは、他の食品調合物とともに用いてもよい。同様に、本明細書に記載されている食品調合物は、他のマイクロ波レトルト方法とともに用いてもよいが、少なくともいくつかのアプローチでは、本明細書に記載されているレトルト方法を、本明細書における食品調合物で行うことにより、現在利用可能なマイクロ波レトルト法によって製造した製品よりも、質感、風味、及び色が著しく改良された高品質の食品をもたらすことができる。
マイクロ波レトルト処理では、マイクロ波エネルギーを用いて、その食品を低温殺菌又は殺菌するのに有効な温度まで、密封パッケージ内の食品を急速加熱する。このパッケージは典型的には、マイクロ波処理中、マイクロ波チャンバー内の水に完全に沈める。急速加熱行程の後には、典型的には、保持行程と急速冷却行程を行う。これらの急速加熱工程と急速冷却行程により、従来の蒸気又は浸漬レトルト処理よりも少ない総熱暴露量で、食料を低温殺菌及び/又は殺菌可能になり、著しく向上した製品品質を得ることができる。
マイクロ波レトルトシステムの設計と動作は、そのシステムで処理する食品の特性から大きな影響を受けることがある。例えば、マイクロ波照射点の数、マイクロ波発生器の電力、食品に送られるマイクロ波エネルギーの強度、機械のサイズ、食品がシステムを通る速度を制御するベルト又はその他の運搬機構の速度、及び機械構造のその他の要因はいずれも、独立して、又は組み合わせて、食品の特性又はレトルト処理する食品の範囲に適合するように修正することができる。
本発明では、マイクロ波レトルト低温殺菌及び/又は殺菌処理条件とともに用いてよい食品調合物も提供する。いくつかのアプローチでは、その製品の粘度、誘電特性、比熱容量、質量及び/又は密度を制御して、所定のマイクロ波レトルトシステム又は方法から得られる製品品質を向上できる。例えば、塩の濃度又は誘電損失へのその他の寄与因子を変化させる一方で、デンプン、ハイドロコロイド、又は製品粘度のその他の制御因子の種類及び/又は濃度も変化させると、特定のマイクロ波レトルトシステム構成に合わせて、製品品質を著しく向上させるのに独自に適する新規な製品調合物の開発が可能になる。食品の他の物理的特性又は特徴を制御することも有益であることがある。
少なくともいくつかのアプローチでは、有益なことに、これらの調合物変更により、所望の官能的、質感的、及び視覚的特徴を有する低温殺菌及び/又は殺菌食品が得られる。具体的には、処理する食品のこれらの様々な物理的特徴及び特性と、マイクロ波強度及び他のレトルトシステム可変因子との相互作用は、褐変、燃焼、又は製品の外面部分などの最高温度点における過剰調理味又は雑味の生成が見られることなく、最低温度点において殺菌温度に達するための製品機能に影響を及ぼす。この目的において、少なくとも誘電特性と熱特性を含む多因子の実験的な設計を用いることは、比類のないほど効率的で新規なアプローチである。
少なくともいくつかのアプローチでは、本明細書に記載されている利点は、既存のマイクロ波レトルト装置に、構造上及び/又は処理上の変更を加えることによって実現することができる。例えば、米国特許第7,119,313号(参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)の装置と、その装置の使用方法を、本明細書に記載されている方法に従って修正して、著しく向上した製品品質を実現することができる。その他の既存の装置としては、915ラブズ社(コロラド州センテニアル)製の製造ユニット「MATS B」が挙げられる。
本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法は概して、個々の、典型的には加圧したチャンバーを通るように食品を運ぶか又は別段の形で移動させて、連続的又は半連続的な方法をもたらすことを含む。少なくともいくつかのアプローチでは、個々のチャンバーは、食品を1つのチャンバーから次のチャンバーに運ぶ際に開閉する1つ以上のゲート又はドアによって区切られている。それらのゲートは主に、圧力の高い方のチャンバーから圧力の低い方のチャンバーに向かって圧力が劇的に損失したり、又は液体媒体が劇的に喪失したりすることなく、圧力が異なっていてよいとともに、異なる温度の液体媒体が収容されていてよいチャンバー間で食品を移動可能にする圧力ロックである。
例示的なアプローチの1つによって、また、図1に概ね示されているように、下に更に詳細に説明されているような、予熱ゾーンと、マイクロ波ゾーンと、保持ゾーンと、冷却ゾーンでの連続的な処理によって、長期保存可能な食品を調製できるマイクロ波レトルト方法100を提供する。
行程101では、包装食品を予熱ゾーンに配置し、このゾーンで、食品を少なくとも部分的に液体媒体に浸漬し、食品を所望の温度まで加熱する。大半のアプローチでは、食品を完全に液体媒体に浸漬する。しかしながら、示差予熱が望ましい場合、食品を部分的に液体媒体に浸漬するのが望ましいことがある。概して、食品は、ビン、パウチ、又は可撓性若しくは硬質容器のような適切なパッケージに供給する。予熱を用いて、製品の温度を室温超に、ただし概ね殺菌温度未満に平衡化する。これにより、マイクロ波ゾーンで照射されるマイクロ波エネルギーを更に効率的に利用できるようになる。チャンバー内の液体媒体は、例えば蒸気を当てるなど、当該技術分野において既知のいずれかの手段によって加熱してよい。少なくともいくつかのアプローチでは、液体媒体は水であり、この水は、マイクロ波エネルギーの照射中に、液体媒体に対する誘電損失を最小限にする助けとなる。概して、予熱ゾーンにおいて食品を均一に加熱できるが、調理しないように、液体媒体の温度を選択する。例えば、製品が調理されると、複雑な物理的及び化学変化が生じ始める。生じ得る化学的変化としては、例えば、カラメル化、メイラード反応、タンパク質の変性、食品中のデンプン又はその他の多糖の分解、及び望ましくない風味化合物又は色の生成が挙げられる。これら及びその他の変化は、質感、風味、色、又はその他の官能的な特性といった、食品の特定の特質に悪影響を及ぼし得る。したがって、食品が調理されないように、予熱行程の温度を選択するのが概して好ましい。
一アプローチでは、予熱行程で用いる液体媒体の温度は、約50℃〜約85℃であってよく、予熱行程は、食品内に約50〜約80℃の均一な温度をもたらすのに有効な期間行ってよい。「均一に加熱する」又は「均一な温度」という用語は、食品の最低温度点と最高温度点との差が、約6℃の範囲内、別の態様では、約4℃の範囲内、別の態様では、約3℃の範囲内であることを意味する。最低温度点は、代表的な食品の全体に、複数の熱電対又はその他の温度測定装置を配置することによって、直接割り出すことができる。最低温度点は、コンピューターモデリングによって推定することもできる。いくつかの食品では、最低温度点は、食品の幾何学的中心であってもよい。最高温度点は、食品の外面上にあっても、なくてもよい。
いくつかのアプローチでは、予熱ゾーン内の液体の温度は、処理する食品の種類によって決定し得る。例えば、乳製品を含む食品は、特定の他の食品よりも、熱によって分解しやすいか、又は雑味が生成されやすいと概して考えられている。したがって、少なくともいくつかのアプローチでは、乳製品を含む食品を、記載されている範囲の最低値の温度まで加熱するのが望ましいことがある一方で、他の食品に関しては、記載されている全範囲のうちの温度を選択する際の自由度が高くなり得る。
行程103では、食品をマイクロ波ゾーンに運び、このゾーンで、その食品をマイクロ波エネルギーで処理する。マイクロ波ゾーンは、1つ以上のマイクロ波温度部を備えてよい。各マイクロ波温度部は、食品よりも上、食品よりも下、及び/又は食品に対して別の角度で配置してよい1つ以上のマイクロ波照射部を備えてよい。少なくともいくつかのアプローチでは、マイクロ波を斜めに照射して、加熱の均一性を向上させてよい。一態様では、マイクロ波照射部は、マイクロ波ゾーンにおいて進行方向に沿ってマイクロ波エネルギーを送るように配置してよい。
マイクロ波チャンバーの液体媒体を予熱するのが有益と以前は考えられていた。例えば、低温殺菌処理には、約80℃〜約100℃の液体媒体温度を使用し、殺菌処理には、約100℃〜約140℃の温度を使用していた。しかしながら、約121°〜約135℃の殺菌水浴温度でマイクロ波エネルギーを製品に照射すると、食品へのマイクロ波の浸透が最小限になることがあり、その結果、食品表面上のホットスポットを含め、マイクロ波による重大な製品品質不良が生じることがあることが今では分かっている。これらの不良は、様々なパウチ形態及びトレイ形態にわたって、様々な強度において見られる。食品温度が上昇すると、大半の食品において、マイクロ波エネルギー吸収率が劇的に上昇する。同様に、マイクロ波エネルギーの食料への浸透も劇的に低下する。これらの要因が組み合わさることにより、ランナウェイ表面加熱と焦げが発生し得る。現在利用可能なマイクロ波レトルトシステムと方法は、方法設定点と、試験する製品調合物との全範囲にわたって、重大な製品品質不良を引き起こすことがある。915ラブズ製などの現在利用可能なマイクロ波レトルト装置では、名目上同一の処理にも関わらず、隣接し合うパッケージ間にわたって、大きな温度むらが生じることがある。例えば、食品間の温度むらは、コールドスポット温度プローブによって測定できる。
かなりの割合の製品不良は、非体積型の加熱(少なくとも部分的には、加熱中に食品温度が上昇するのに伴い、誘電特性が変化することによるものである)が原因であると今では考えられている。誘電特性の変化は、マイクロ波の浸透深さに影響を及ぼす。食品をマイクロ波エネルギーで処理するときには、マイクロ波エネルギーの浸透深さは部分的に、マイクロ波を照射する食品の誘電特性に左右される。誘電損失Ε”は、所定の周波数と温度において、ある物質が電磁エネルギーを熱に変換する力である。また、高誘電率の物質は、誘電損失Ε”の値が高くないことがある。誘電損失Ε”の値は、周波数と温度の両方と相関する。浸透深さは概して、最初に照射したマイクロ波電力の37%(1/e)が依然として存在する点として定義し、誘電損失Ε”と反比例する。したがって、誘電損失Ε”の値の高い食品は概して、浸透深さの値が低く、その食品の外側部分に、マイクロ波エネルギーが著しく吸収されることがある。さらに、温度が上昇すると、多くの食品の浸透深さは、更に小さくなる傾向がある。
これらの不良は、マイクロ波加熱中の最高食品温度を275°F(135℃)未満にするのに有効な処理条件を用いることによって、事実上排除できるか、又は大幅に軽減できることが驚くべきことに分かっている。現在利用可能なマイクロ波レトルトシステムでは、典型的には、加圧水浴を用いて、パッケージの角におけるマイクロ波エネルギーを減衰させ、殺菌蒸気圧によって、密封パッケージが個々に破裂するのを防ぐ。約50〜約90psiの過度な水圧を用いると、マイクロ波による瞬時最高食品温度を300°F(149℃)超に上昇させることがある。これらの高温は、微生物の不活化の観点からは有益と考えることができるが、これらの温度は、風味の不良(例えば、焼けた味、焦げた味、及び調理された味)、色の不良(例えば、褐変、黄変、及び桃色化)、並びに質感的な変化(例えば、ゴム状の質感、軟らかい質感、及びドロドロの質感)を含む重大な製品不良を発生させることがある。
従来の知見に反して、マイクロ波ゾーンにおいて、少なくともマイクロ波処理の一部(一態様では、最初のマイクロ波処理)で、低めの温度の液体媒体を用いると、レトルト処理後の食品の品質を著しく向上させることができることが分かった。これは、2つ以上の温度部を有するマイクロ波ゾーンにおいて、特に有益な形で適用することができる。いくつかのアプローチでは、少なくとも2つのマイクロ波温度部を有するマイクロ波ゾーンを用いてよい。これらのアプローチでは、各マイクロ波温度部は、異なる温度の液体媒体を有するように、及び/又は異なる強度のマイクロ波を照射するように構成してよい。例えば、第1のマイクロ波温度部の液体媒体温度の方が、上記のように、低くてもよく、第2のマイクロ波温度部の液体媒体温度の方が高くてもよい。
一アプローチでは、殺菌温度を大幅に下回る温度に液体媒体の温度を制御できるマイクロ波温度ゾーンを提供する。例えば、マイクロ波ゾーン内の水の温度は、約20℃〜約115℃であってよく、別の態様では、約20℃〜約110℃であってよく、別の態様では、約20℃〜約100℃であってよく、別の態様では、約20℃〜約95℃であってよく、別の態様では、約20℃〜約90℃であってよく、別の態様では、約20℃〜約85℃であってよい。この範囲の最低値は少なくとも部分的には、食品を液体媒体に浸漬したときに、食品に照射するマイクロ波強度によって決定し得る。例えば、より高い強度のマイクロ波エネルギーを食品に照射する場合には、比較的温度の低い液体媒体が特に有益であることがある。これらのアプローチには、例えば、約20℃〜約50℃、別の態様では、約20℃〜約45℃、別の態様では、約20℃〜約40℃、更に別の態様では、約20℃〜約35℃の温度の液体媒体が特に適することがある。
逆に、強度の低いマイクロ波エネルギーを、より長い期間、食品に照射する場合には、約65℃〜約115℃、別の態様では、約65℃〜約110℃、別の態様では、約65℃〜約100℃、別の態様では、約65℃〜約100℃、別の態様では、約65℃〜約95℃、別の態様では、約65℃〜約90℃、別の態様では、約65℃〜約85℃といった、より高温の液体媒体が許容可能であることがある。
上記のように、マイクロ波温度ゾーン内の液体媒体が、殺菌温度を大幅に下回るようにすると、マイクロ波エネルギーの照射中、液体媒体が、熱を食品の表面から逃がせるようになることが有益にも分かった。これにより、いくつかの利点が得られる。第1に、製品表面の温度が低いほど、マイクロ波エネルギーがパッケージに浸透して、製品の体積型の加熱を行えるようになることが分かった。第2に、マイクロ波エネルギーを食品の更に深くまで伝達することによって、マイクロ波から食品への温度上昇効率がかなり高くなる。第3に、全体的な効果が、断面の製品温度プロファイルを、低温の芯と非常に高温の表面から、殺菌済みの芯と温度の低下した表面に逆転するように、マイクロ波による表面熱を更に速く液体媒体に放熱する。温度の低い液体媒体を使用すると、有益なことに、食品のコールドスポットに比べて、食品表面が過剰処理されることが大幅に軽減される。これにより、現在利用可能な蒸気レトルトシステムとマイクロ波レトルト方法によって処理した食品と比べて、大きな製品上の利点が得られる。
ある1つのアプローチによって、4つの個々の温度部を有するマイクロ波ゾーンが図2に示されている。例示的な一アプローチでは、食品をマイクロ波ゾーンに通すときに、食品が最初に入る第1の温度部は、温度が最低の温度部であってよく、残りの3つの温度部は、温度が同じであっても、高くてもよい。例えば、各温度部内の液体媒体の温度は、ある1つの温度部から次の温度部に向かって、進行方向に沿って徐々に上昇してもよい。
さらに、上記のように、各温度部で照射されるマイクロ波強度も、温度部ごとに異なってもよい。例えば、図2のゾーン1では、液体媒体温度が比較的低いときには(例えば、約20℃〜約70℃)、強度が高めのマイクロ波エネルギーを食品に照射して、エネルギーを食品に、その食品のコールドスポットまで、より深く浸透させてよく、その一方で、食品表面からの熱を、温度の低い液体媒体まで放熱する。そして、コールドスポットの温度が上昇し始めたら、食品を更なるマイクロ波温度部に運んでよく、この温度部では、手前の温度部よりもマイクロ波強度が低くなっており、液体媒体温度は、手前の温度部よりも高くなっている。最後の温度部では、食品のコールドスポットは、所望の低温殺菌温度(例えば、約60〜約90℃)及び/若しくは殺菌温度(例えば、約115〜135℃)、又はその周辺温度となっていなければならない。
マイクロ波方法の終わりに近づくと、食品の外面から液体媒体に熱を伝達することの重要性は低くなり、液体媒体の温度は、低温殺菌及び/若しくは殺菌温度、又はその周辺温度まで上昇することができる。したがって、食品のコールドスポットと外面の両方が、低温殺菌及び/又は殺菌温度に達するように、連続するマイクロ波温度部内の液体媒体の温度を必要に応じて上昇させることができる。例えば、最後のマイクロ波温度部内の液体媒体は、低温殺菌においては約60℃〜約90℃、又は殺菌においては約115℃〜約135℃であってよい。
少なくともいくつかのアプローチでは、マイクロ波電力又は強度を低下させることと、マイクロ波照射点の数を増加させることを組み合わせて用いると、コールドスポット温度プローブによって測定した場合、温度むらを、現在利用可能な処理装置(例えば、マイクロ波電力が大きく、照射点が少ない装置)の最終製品の約2分の1にできることが分かっている。
マイクロ波電力若しくは強度を低下させ、及び/又はマイクロ波温度部の数を増加させると、総マイクロ波処理時間が長くなり得るが、少なくともいくつかのアプローチでは、食品に照射するエネルギー1kW当たりで、食品のコールドスポットを速く加熱するという観点で、高効率で食品を加熱できる。方法のむらを小さくすることによって、無菌性を確保するのに必要な全体的な熱処理が少なくなる。したがって、マイクロ波レトルト殺菌の全体的な利点は、標準的なレトルト処理よりも増加し、製品品質の著しい向上を得ることができる。
いくつかのアプローチでは、食品をマイクロ波ゾーン(個々のマイクロ波温度部の全てを含む)に約60秒〜約10分保持する。食品をマイクロ波ゾーンに保持する時間の長さは、少なくとも部分的に、マイクロ波照射点の数と、それらの照射点の間隔と、照射するマイクロ波エネルギーの強度によって決定し得る。少なくともいくつかのアプローチでは、食品が、この複数のマイクロ波温度部を下流に移動するにつれて、照射点の間隔は、短くなってもよい。有益なことに、これにより、マイクロ波レトルト装置又はシステムの機械設置面積を縮小できる。
概して、マイクロ波電力の低下により、低温殺菌及び/又は殺菌温度を実現させるのに必要なマイクロ波処理時間が長くなる。処理時間の増大を回避するために、マイクロ波照射点又は「照射部」を増やすことができる。一アプローチでは、マイクロ波エネルギーをマイクロ波導波管に供給するマイクロ波供給源からマイクロ波エネルギーを供給する。マイクロ波供給源は、マイクロ波周波数の電磁放射線を発生させるいずれかの装置であることができる。例えば、マイクロ波供給源は、マグネトロン、クライストロン、発振回路、及び/又は固体源を含んでよい。導波管は、概ねホーン状の部分(「照射部」という)を備えてよく、この部分は、マイクロ波エネルギーを所望の方向で、食品の方に導くように配置されている。「導波管」及び「照射部」という用語は、本明細書では、米国特許第7,119,313号(参照により、本明細書に組み込まれる)に記載されている意味で用いる。1つのマイクロ波供給源が、マイクロ波を複数の照射部に送ることができるように、導波管は、スプリッターを更に備えてよい。これにより、潜在的に、マイクロ波供給源を高率の電力出力で動作可能にすることによって、効率が向上する一方で、個々の照射点のそれぞれは、総マイクロ波エネルギーのほんの一部を食品に伝達する。
一態様では、マイクロ波電力は、各照射部下において、マイクロ波1パス当たり約5kW〜約40kWであり、別の態様では、マイクロ波1パス当たり約10kW〜約20kWである。選択する正確な電力レベルは、少なくとも部分的には、行うパスの数と、マイクロ波照射部の数と、マイクロ波ゾーンを通すように食品を運ぶ速度と、マイクロ波照射パス間の時間と、特定の温度部内の液体媒体の温度によって決定し得る。一態様では、各パスは、約45秒〜約1分の範囲であってよい。
いくつかのアプローチでは、マイクロ波電力を低下させることは、照射点の数を増やすことと併用してよい。少なくとも、マカロニ及びチーズ製品のような特定の食品では、強度を弱めて、時間を長くし、間隔を徐々に増加させることを組み合わせると、所望の製品無菌性と、更に望ましい製品特徴が得られることが分かっている。例えば、レトルトシステムは、約4〜約15個のマイクロ波照射点、別の態様では、約8〜約12個のマイクロ波照射点を備えてよい。少なくともいくつかのアプローチでは、食品がマイクロ波ゾーンを通るのに応じて、照射点は直列になっている。一態様では、マイクロ波照射点は、少なくとも約12インチ離れている。
これらの各態様は、単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。例えば、いくつかの食品用途では、電力の低下を用いることで十分であり得るとともに、マイクロ波照射点の数を増やすのは不要であることが分かるであろう。
マイクロ波処理後、行程105において、食品を保持ゾーンに運んで、低温殺菌及び/又は殺菌を行う。好ましくは、食品を保持ゾーンに運んで、殺菌(Fが6〜8として定義できる)を行うのに有効な温度でその食品を保持する。本明細書で使用する場合、低温殺菌とは、食品中の生存可能な病原微生物(Listeria monocytogenesなど)の数の対数減少値が少なくとも5であることを指す。一態様では、食品は、保持ゾーンにおいて、液体に、約115℃〜約135℃の温度で、別の態様では、約120℃〜約131℃の温度で、少なくとも部分的に、好ましいアプローチでは完全に浸漬する。
食品は、適切な長さの時間、適切な低温殺菌及び/又は殺菌温度に達するまで、保持ゾーンに保持できる。いくつかのアプローチでは、食品は、保持ゾーンに、約3〜約8分保持する。選択する保持ゾーン温度と保持ゾーン滞留時間は、少なくとも部分的には、食品の品質に悪影響が及ぶことなく、その食品がその温度に所定の期間耐える能力によって決定し得る。概して、その温度が、得られる食品の品質に悪影響を及ぼさない場合には、上記範囲の上限に近い方の温度を選択するのが好まれる。
行程106では、続いて、食品を冷却チャンバーに運び、このチャンバーでは、食品を液体に少なくとも部分的に、いくつかのアプローチでは完全に、約33℃〜約60℃、別の態様では、約35℃〜約45℃の温度で浸漬して、食品を約80°F未満まで冷却する。
別の例示的なアプローチによって、また、概して図3に示されているように、図1に示されている方法は、所望の場合、追加の行程を含んでよい。例えば、一アプローチでは、レトルトシステムを通るように運ぶことができる食品の数を増やすために、システムの多くのチャンバーを通るように、複数の列(例えば、約5〜約10列)で積層状態にした食品を運ぶことができる。しかしながら、少なくともいくつかのアプローチでは、食品は、マイクロ波処理中に、積層状態でないのが好ましいことがある。したがって、図3の方法は、マイクロ波ゾーンに運ぶ前に、食品を積層状態から崩す行程202を更に含む。図2の方法は、食品がマイクロ波ゾーンを出たら、食品を再度積層して積層状態にする行程204も含む。いくつかのアプローチでは、行程204と205は、同じチャンバーで行っても、別々のチャンバーで行ってもよい。また、所望に応じて、行程204と205の順序を逆にしてもよい。
更なる調査によって、食品を加熱する均一性を向上させたり、及び/又は食品の中心への熱伝達速度を上昇させたりするのに、下記のアプローチが有効であることが示されるであろう。
−ユニットを通るように食品を運ぶ際に、食品を振動及び/又は回転させて、個々のパッケージ内での対流熱伝達を高める。一態様では、静止式ユニットを通るように食品を運ぶ際に、食品を振動及び/又は回転させることができる。別の態様では、食品が運ばれるマイクロ波チャンバーの1つ以上を振動及び/又は回転させることによって、食品を振動及び/又は回転させることができる。この技術的アプローチは、対流、伝導、及び放射の全ての局面を体系的に連携させて、効率的な殺菌システムを作るためのものである。
−複数のマイクロ波照射ゾーンのマイクロ波のホーン状の配列をオフセットして、食品を真っ直ぐに運ぶ際に比べて、マイクロ波の電界の均一性と、製品温度の均一性を向上させる。例えば、これらのホーンをオフセットし、及び/又は千鳥配列にして、ホット/コールドスポットを軽減するとともに、コールドスポットを製品の幾何学的中心(伝導コールドスポットでもある)から離れた位置に移動させる。これにより、キャリア(パッケージからパッケージへのキャリア)内と、パッケージ内での加熱の一貫性も向上できる。
−マイクロ波照射方法の最中に、コールドスポットの位置に影響を及ぼし、及び/又はその位置を制御するように、食品パッケージ用のキャリアを設計する。
−ホーンの配向(又はトレイ方向)を交互にして、真っ直ぐ進行する場合に比べて、マイクロ波の電界の均一性と食品温度の均一性を向上させる。例えば、真っ直ぐ進行する場合とは対照的に、コンベヤーは、一連の右折部を通るようにトレイを移動させて、マイクロ波の電界に対するキャリア/パッケージの配向を変更できる。
−他の運搬設計、上下部分、らせん、及び右折部を検討して、同様の効果をもたらす。
他のマイクロ波レトルトパラメーターを変更して、レトルト処理後の製品品質を向上させてもよい。例えば、マイクロ波強度、レトルトベルト速度、及び/又はマイクロ波照射数は、食品の品質に影響を及ぼすことができ、所望の食品品質をもたらすために、必要に応じて調節できる。
1つの例示的なアプローチによって、図4は、本開示によるマイクロ波レトルト殺菌システムの概略図を含む。一態様では、マイクロ波レトルトシステムは、食品が通る個別のチャンバーを複数備える。いくつかのアプローチでは、マイクロ波レトルトシステムは、設計と、メンテナンスと、修正とにおける柔軟性のために、モジュラー形態で実現できる。例えば、チャンバーとしては、ASMEの圧力容器を挙げてよい。一アプローチでは、マイクロ波チャンバーと温水/冷水セパレーター以外は、チャンバーは、円筒状容器である。
システムの第1の端部にゲートバルブセット401が設けられており、それに続いて、予熱ゾーン402があり、この予熱ゾーンは、温水/冷水セパレーターを備えてよい。このゾーンでは、食品を液体媒体に浸漬し、図1の行程101に従って、所望の温度まで加熱する。一態様では、予熱行程で用いる液体媒体の温度は、約50℃〜約85℃であってよく、予熱行程は、食品に約50〜約80℃の均一な温度をもたらすのに有効な期間行ってよい。
概して、方法の少なくとも特定の部分では、レトルトシステムによって所定の期間に処理できる食品数をできるだけ多くするために、食品を積層状態で供給する。予熱行程後、積層状態を崩すゾーン403に、積層した食品を運び、このゾーンで、食品を積層状態から崩してから、マイクロ波ゾーン405に運ぶことができる。いくつかのアプローチでは、一層の食品パッケージが望ましいことがある。特に薄めのパッケージを用いる別のアプローチでは、食品パッケージは、2〜3個のパッケージを積層した状態のままにしてよい。2列以上のパッケージを機械の中で移動させるなど、複数列のパッケージをシステムに通してもよい。続いて、食品を加速ゾーン304に運ぶ。いくつかのアプローチでは、加速ゾーンは、食品をマイクロ波ゾーンに通すコンベヤーよりも速い速度で動くコンベヤーを備える。いくつかのアプローチでは、積層状態を崩すゾーン403と、加速ゾーン404は、同じチャンバーであっても、別のチャンバーであってもよい。
続いて、食品をマイクロ波ゾーン405に移動させる。マイクロ波ゾーン405は、個別のマイクロ波温度部を1つ、2つ、又は複数備えてよい。例えば、1〜約10個のマイクロ波温度部を用いてよいが、例えば、液体媒体の温度を徐々に上昇させるのが望ましいことのある特定の用途では、温度部が多いほど望ましいことがある。一態様では、複数のマイクロ波チャンバーを用いるときには、この複数のチャンバーの1つ以上は、異なるマイクロ波エネルギーを食品に供給するように構成する。一アプローチでは、マイクロ波照射点又は導波管は、米国特許第7,119,313号(参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように構成してよい。
マイクロ波の照射後、次に、保持ゾーン408に通じる温水/冷水セパレーター406に、食品を運ぶ。温水/冷水セパレーター406の配置は、マイクロ波レトルトシステムに特有のものである。セパレーター406は、有益なことに、マイクロ波ゾーンの水と、保持ゾーン408の水(マイクロ波ゾーンの水よりもかなり高い温度であり得る)とを分離した状態に保つ。このような温水/冷水セパレーター406により、レトルトシステムを連続的又は半連続的な方法で利用可能になる。このシステムにおいて、少なくともいくつかのアプローチでは、食品を液体媒体温度のマイクロ波ゾーン405から、殺菌温度の保持ゾーン408に移動させてよい。食品は、減速/積層化ゾーン407を通ることになり、このゾーンでは、保持ゾーン408の前に、食品を積層状態にできる。保持ゾーン408では、図1及び3を参照しながら上記したように、Fを3〜8にするのに必要な期間、別の態様では、Fを4〜8にするのに必要な期間、食品を殺菌温度に保持することになる。
次に、食品を温水/冷水セパレーター409に通してから、冷却ゾーン410に移動させ、このゾーンで、食品を約80℃以下まで冷却する。少なくともいくつかのアプローチでは、ゾーン401〜411は、加圧容器を備えてよい。続いて、食品をゲートバルブセット411に通し、このバルブセットで、圧力を解放でき、その後、更に周囲圧力で冷却するために、冷却ゾーン412に移動させる。続いて、食品を、更なる処理又は包装用のシステムに移動させてもよい。
例えば、本開示によるマイクロ波レトルト処理を行ってよい食品としては、長期保存可能な料理と、温めるだけの料理と、すぐに食べられる料理が挙げられる。このような料理としては、例えば、パスタ、パスタ及びソース、マカロニ及びチーズ、肉、肉及びソース、肉及びブロス、ご飯料理、卵料理、オムレツ、小鍋料理、ジャガイモ(例えば、マッシュポテト、スライスポテト、及び/又は角切りポテト)、スープ、果物、魚、及び飲料を挙げてよい。食品としては、ペットフードも挙げてよい。
上記の処理条件に加えて、調合の検討により、これらのレトルトシステムと方法によって処理する食品の品質を向上させてもよい。ある1つのアプローチによって、食品の粘度を制御すると、マイクロ波レトルト処理後の食品の品質を著しく向上できることが分かった。一態様では、粘度が低下するように、食品を調合してよい。概して、食品の粘度が高いほど、対流による熱伝達速度が低下する。熱伝達の低下に対応するためには、焦げなどによる、食品の表面品質の大幅な低下を回避するように、マイクロ波エネルギー入力を低下させる必要があることがある。したがって、熱伝達を最大限に高めると同時に、依然として所望の官能的な特性を食品に付与する適切な食品粘度を定めることが、特に有益となり得る。
粘度管理においては、特に、高温のマイクロ波レトルト方法を経ることになる食品を調合するときには、成分の選択が重要な役割を果たし得る。当該技術分野において知られているように、多糖ベースの増粘剤、タンパク質、及びゲル化剤のような特定の成分は、食品の粘度を上昇させる。しかしながら、多くの成分は、高温において異なる挙動を見せる。例えば、特定のデンプン又はハイドロコロイドが、高温でその増粘能を失う一方で、キサンタンガムのような他の成分は、高温において粘度が安定している。したがって、少なくともいくつかのアプローチでは、食品調合物は、加熱方法中、高温においては、所望どおりに粘度を低下させるが、保管又は消費温度においては、所望の粘度上昇をもたらす1つ以上の成分を含んでよい。
別のアプローチによっては、食品の誘電特性を制御することにより、マイクロ波レトルト処理によって製造される食品の品質を著しく向上できる。誘電損失が高いと、マイクロ波エネルギーの浸透深さが小さくなるとともに、加熱が食品の表面に集中することがある。誘電損失が大きいと、表面が褐変し、及び/若しくは調理されたり、又は雑味が生じたりするうえに、食品の中心が殺菌温度に達しない。例えば、食品の塩濃度を低下させることによって、誘電損失を低下させることができる。しかしながら、誘電損失が低くなり過ぎると、マイクロ波エネルギーの食品加熱への変換が、食品を加熱するには有用でないレベルまで低下することがある。したがって、所望の加熱と最終製品の所望の品質特徴をもたらすように、誘電損失の低下を管理することができる。
別のアプローチによっては、食品の比熱容量を制御することも、マイクロ波レトルト処理後の品質の向上に貢献できる。比熱容量が低いと、所定のエネルギー入力量に対する温度上昇が大きくなり得る。比熱容量を低くするには、食品表面における過剰調理、焦げ、又は望ましくない風味の生成などによる、食品の表面品質の低下を回避するために、マイクロ波エネルギー入力速度の低下が必要になることがある。一態様では、特定の成分を含めるか、又は特定の成分の量を調節することによって、食品の熱容量を調節できる。例えば、食品中の水に対する脂肪の比率を高めることによって、比熱容量を低下させることができる。
食品の他の特性又は物理的特徴を調節して、食品を通る熱の伝達速度及び/又はマイクロ波エネルギーの熱への変換速度に影響を及ぼすことによって、マイクロ波レトルト処理後の食品品質を向上させてもよい。これらの特性と特徴としては、例えば、質量、密度、熱伝導率、及び寸法が挙げられる。例えば、食品の質量を増やすには典型的には、食品における所定の温度上昇のために、総入熱量の増加が必要となる。質量を増やすと、加熱中、ホットスポットとコールドスポットとの間で温度差が拡大することにもなる。熱伝導率が上昇すると、加熱の均一性が向上し得る一方で、食品寸法が大きくなると、概して、加熱均一性が悪化する。
統計的実験設計を用いて、多因子システムを効率的に調べて、所望の応答(例えば、食品品質)に対して大きな影響を持つ因子を特定するとともに、所望の応答を最大化する最適な組み合わせの因子を見つけ、及び/又は所望の結果と望ましくない入力との最良の妥協点見つけることができる。例えば、品質と処理コスト、又は品質と装置の設備コストの最適な組み合わせを特定することができる。ある1つのアプローチによっては、中央複合設計又はその他の適切な統計的設計を行って、915ラブズ製のMATS−B若しくはMATS−150、又は米国特許第7,119,313号に開示されているレトルトシステムなど(これらに限らない)のマイクロ波レトルトシステムで最良の食品をもたらす誘電特性、粘度、及び/又はその他の物理的特性若しくは特徴の組み合わせを見つけることができる。
下記の実施例によって、本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法と調合物の利点と実施形態を更に例示するが、これらの実施例に示されている特定の条件、処理スキーム、材料、及び量、並びにその他の条件及び詳細は、本明細書に記載されている組成物、システム、及び方法を過度に限定するものと解釈すべきではない。本願における全ての割合は、別段の定めのない限り、重量基準である。
実施例1
一態様では、915ラブズ社製の、マイクロ波による熱殺菌(「MATS」)製造ユニットを用いてよい。一アプローチでは、下記の仕様を用いてよい。
表I:レトルト処理の仕様
実施例2
本明細書に記載されているマイクロ波レトルト方法での使用に適するパッケージとしては、例えば、下記の特徴を有するプリントパック社製パッケージが挙げられる。
寸法:6インチ×7.25インチ(高さ)×1.5インチのガゼット
前面/背面:非ホイルレトルトパウチ
−バリアコーティングPETフィルム(48ga)/インク/ホワイトレトルトPET(92ga)/レトルトグレード BON(0.6ミル)/レトルトPPシーラント(2.8ミル)、低汚染
−OTR:23℃/0%RHにおいて0.03cc/(100平方インチ×24時間)
−MVTR:38℃/90%RHにおいて0.015g/(100平方インチ×24時間)
−厚み:5.1ミル
ガゼット:非ホイルレトルトパウチ(3層、透明)
−バリアコーティングPETフィルム(48ga)/インク/接着剤/レトルトグレード
−BON(0.6ミル)/接着剤/レトルトPPシーラント(3.0ミル)、低汚染
−OTR:23℃/0%RHにおいて0.03cc/(100平方インチ×24時間)
−MVTR:38℃/90%RHにおいて0.015g/(100平方インチ×24時間)
−厚み:4.2ミル
推奨ヒートシール設定:380°F、40psi、2秒の滞留時間
完全真空、未ガス置換を用いた。インパルスシーラーを用いて、片側(上部)からのみの加熱を行った。
試験概要:様々な真空設定と滞留時間でパウチを評価して、最適な設定を特定した。
ソース付きパスタでは4、パスタのみでは10という真空設定を特定した。目標シール時間は3〜4秒であった。
Multivacは、設定時間で自動停止しないので、ストップウォッチを使用して、4秒に設定した。
試験の実施中、パッケージの不具合(破裂/破れ)は観察されなかった。キャリアプレートには、3個のパッケージ用にスロットが3個あった。キャリアプレートの寸法は、73/6インチ(L)×53/16インチ(W)×厚さ3/4インチであった。MMTのユニットを用いたときに、パウチは、最大で60psiと最大140℃の温度を保持するように設計されていなければならない。製造ユニットMATS150では、最大90psiである。
実施例3
バリラ社のエルボパスタ(セモリナとデュラム小麦粉で作られている)と、下記のチーズソース配合物を用いて、マカロニ及びチーズ製品(チーズソース中のパスタ)を調製した。
表II:チーズソース
1パーセントの塩(NaCl)を「ソースI」のサンプルに加えることによって、「ソースI+塩」のサンプルを作製し、6.6パーセントの市販クリームを「ソースI」のサンプルに加えることによって、「ソースI+クリーム」のサンプルを作製した。塩又はクリームを加えた分を相殺するための、配合物の調節は行わなかった(したがって、表IIにおけるパーセンテージは、合計が100%を超えている)。
下記の調合に従って、ソースをパスタと組み合わせた。
表III:マカロニ及びチーズ製品
パスタを水で部分的に調理してから、部分的に調理してそのパスタをチーズソースと混ぜ合わせた。
下記の表IVに示されているレトルト方法条件を用いて、パスタとチーズソースをマイクロ波レトルト機に通した。各パスでは、マイクロ波ゾーンにおいて、同じ水温を用いた。「マイクロ波エネルギー」の列には、各マイクロ波電力におけるパス数が示されている。
表IV:レトルト処理条件

915MHzと2450MHzで、製品の誘電率(ε’)と誘電損失率(ε”)の標準偏差を測定した。結果は、下記の表Vと表VIに示されている。
表V:915MHzにおける誘電率(ε’)と誘電損失率(ε”)の標準偏差
表VI:2450MHzにおける誘電率(ε’)と誘電損失率(ε”)の標準偏差
915MHzにおける誘電損失率(ε”)の結果の標準偏差の結果は、図5にも示されている。1%の塩を加えたところ、ソースIの誘電損失が大きく変化したことを見て取ることができる。クリームをソースIに加えても、誘電損失はほとんど変化しなかった。
これらの3つのマイクロ波レトルト製品の写真が図6〜8に示されている。概して、塩含有率が高いほど、誘電損失率は高くなり、それにより、浸透深さは小さくなり、食品表面上の焦げを増加させ得ることが分かった。図7のマカロニ及びチーズ製品(ソースI+1%の塩)の色は、他の2つの製品よりも濃く、角にいくつかの褐変が見られる。概して、図6のマカロニ及びチーズ製品(ソースI)の方が、乳状でクリーミーな外観を有する。
マイクロ波レトルト方法の最中、製品のコールドスポットの温度も経時的にプロットした。その結果は、図9(ソースI)、図10(ソースI+塩)、及び図11(ソースI+クリーム)に示されており、Y軸は芯温(℃)であり、X軸は時間(秒)である。ソースI(図8)の芯が急速に加熱されたことを見て取ることができ、マイクロ波エネルギーが深く浸透したことが示されている。他の製品の芯は、ソースIよりもゆっくり加熱された。
図12は、室温における、周波数の関数としての、チーズソースの誘電損失率(ε”)のグラフである。図12では、それぞれのマカロニ及びチーズ製品の誘電損失率が、周波数範囲全体にわたり、互いに対して、あまり劇的に変化しないことが示されている。
実施例4
マカロニ及びチーズ製品を調製した。1組の製品を水で約25〜35パーセント希釈し、未希釈製品よりも粘度を低くした。
下記の表VIIに示されている方法パラメーターを用いて、これらの製品をレトルト処理した。1.7インチ/秒のチェーン速度を3.3インチ/秒から減速させ、マイクロ波ホーン当たり、30kWから10kWに低下させた。速度を遅くすることにより、低下させたマイクロ波エネルギーを、より長い期間照射可能になった。
表VII:マイクロ波レトルト方法パラメーター
「最低F」は、試験したサンプルの最低温度点において得られたFが示されている。上記から分かるように、粘度を低下させた製品での方が、最低F値が高くなった。
図13は、粘度を低下させたサンプル(n=2、2個の製品パウチ)を10回マイクロ波に通した後の累積Fとコールドスポットの温度のグラフを含む。図14は、元の粘度の(粘度を低下させていない)サンプル(n=4、4個の製品パウチ)を10回マイクロ波に通した後の累積Fとコールドスポットの温度のグラフを含む。「方法(初期)」は、方法の初期温度(例えば、予熱ゾーンの温度)を示している。図の左側を始点とするプロット線は、コールドスポットの温度を示しており、図の中央の方を始点とするプロット線は、累積Fを示している。
実施例5
卵白パスタを用いて、マカロニ及びチーズ製品を調製した。パスタ及びソースは、70パーセントのソースと30パーセントの湯通し済みパスタという相対量で含まれていた。チーズソースは、下記の表VIIIに示されている調合に従って調製した。
表VIII:チーズソース
ソースAは、チーズをソースBよりも多く含んでいた。ソースCは、脱脂濃縮乳が含まれる点で、ソースA及びBと異なっていた。脱脂濃縮乳を含むソースCは、集団ブラインドテースティングで、クリーミー性の向上が認められた。
本明細書において一般的に使用する場合、「one」、「a」、「an」、及び「the」という冠詞は、別段の定めのない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を指す。本明細書において一般的に使用する場合、「備える」及び「有する」という用語は、「含む」を意味する。本明細書において一般的に使用する場合、「約」という用語は、測定した量に関して、その測定の性質又は精度を考慮した場合に、許容可能な程度の誤差を指す。誤差の典型的な例示的程度は、所定の値又は値の範囲の20%以内、10%以内、又は5%以内であってよい。
本明細書に示されている数量は全て、別段の定めのない限り、いずれの場合も、「約」という用語によって修飾されていると理解すべきである。本明細書に開示されている数量は近似値であり、各数値は、示されている値と、その値の周辺の機能的に均等な範囲の両方を意味するように意図されている。最低限でも、また、特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値は少なくとも、報告されている有効数字の数を考慮して、また、通常の四捨五入の技法を適用することによって解釈しなければならない。本明細書に示されている数量の近似値にかかわらず、実際の測定値の具体例に記載されている数量は、可能な限り正確に報告されている。
本明細書に示されている数値範囲の全てには、その範囲に含まれる全ての小範囲が含まれる。例えば、「1〜10」という範囲には、示されている最小値の1と、示されている最高値の10を含め、その最小値と最高値の間の全ての小範囲が含まれるように意図されている。
全ての割合及び比率は、別段の定めのない限り、重量基準で算出されている。全ての割合及び比率は、別段の定めのない限り、化合物又は組成物の総重量を基準に算出されている。
上記の説明では、本明細書に記載されている組成物及び方法の様々な非限定的実施形態が十分理解されるように、特定の詳細が示されている。当業者であれば、これらの詳細なしに、本明細書に記載されている非限定的実施形態を実施できることが分かるであろう。他のケースでは、本明細書に記載されている非限定的実施形態の説明を無用に不明瞭化するのを回避するために、本明細書に記載されている組成物及び方法と関連する周知の構造及び方法を詳細に示したり、又は説明したりしていないことがある。
本開示には、装置、方法、及び調合物の様々な非限定的実施形態の様々な特徴、態様、及び利点が説明されている。しかしながら、本開示には、当業者が有用であることを見出すことのできるいずれかの組み合わせ又は下位の組み合わせで、本明細書に記載されている様々な非限定的実施形態の様々な特徴、態様、及び利点のいずれかを組み合わせることによって実現できる数多くの代替的実施形態が含まれることが分かる。
本発明の特定の非限定的実施形態が例示及び説明されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しなければ、様々な他の変更及び修正を行うことができるのは、当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲では、本発明の範囲内にあるこのような全ての変更と修正を網羅するように意図されている。

Claims (20)

  1. マイクロ波エネルギーを用いて包装食品を低温殺菌又は殺菌する方法であって、
    包装食品を約50℃〜約80℃の温度まで予熱することと、
    第1のマイクロ波温度部と第2のマイクロ波温度部とを備えるマイクロ波ゾーンに、前記包装食品を運ぶことと、
    前記第1のマイクロ波温度部において、第1の温度を有する液体媒体に前記包装食品を浸漬し、マイクロ波エネルギーを前記包装食品に第1の期間照射することであって、前記第1の温度は、少なくとも約20℃とし、かつ、前記包装食品を低温殺菌する場合には低温殺菌温度よりも低い、又は、前記包装食品を殺菌する場合には殺菌温度よりも低いものとすることと、
    前記包装食品を前記第1のマイクロ波温度部から前記第2のマイクロ波温度部に運ぶことであって、前記第2のマイクロ波温度部内の液体媒体の温度が、前記第1のマイクロ波温度部の前記液体媒体よりも高いが、前記包装食品を低温殺菌する場合には前記低温殺菌温度を超えない、又は、前記包装食品を殺菌する場合には前記殺菌温度を超えない、第2の温度であることと、マイクロ波エネルギーを前記包装食品に第2の期間照射することと、
    保持ゾーンであって、前記包装食品を低温殺菌するのに十分である温度又は前記包装食品を殺菌するのに十分である温度の、保持ゾーンの液体媒体を含む前記保持ゾーンに、マイクロ波エネルギーを少なくとも第1及び第2の期間照射した前記包装食品を運ぶことと、
    前記包装食品を前記保持ゾーンから冷却ゾーンに運ぶことと、
    を含む方法。
  2. 前記包装食品を第3のマイクロ波温度部に運ぶことと、マイクロ波エネルギーを前記包装食品に第3の期間照射することとを更に含み、前記第2のマイクロ波温度部内の液体媒体は、前記包装食品を低温殺菌する場合には前記低温殺菌温度よりも低く、又は、前記包装食品を殺菌する場合には前記殺菌温度よりも低くし、前記第3のマイクロ波温度部内の液体媒体の温度が、前記第2のマイクロ波温度部の前記液体媒体よりも高い、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のマイクロ波温度部の後に、前記包装食品を複数の追加のマイクロ波温度部に運ぶことを更に含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数の追加のマイクロ波温度部が、3〜10個の追加のマイクロ波温度部を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1のマイクロ波温度部で照射される前記マイクロ波エネルギーの強度が、前記第2のマイクロ波温度部で照射される前記マイクロ波エネルギーよりも高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1のマイクロ波温度部で照射される前記マイクロ波エネルギーの強度が、前記第2のマイクロ波温度部と複数の追加のマイクロ波温度部で照射される前記マイクロ波エネルギーよりも高い、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記包装食品が、パスタ、パスタ及びソース、マカロニ及びチーズ、肉、肉及びソース、肉及びブロス、ご飯料理、卵料理、オムレツ、小鍋料理、ジャガイモ(マッシュポテト、スライスポテト、角切りポテト)、スープ、果物、魚、並びに飲料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記包装食品がマカロニ及びチーズである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記包装食品が、パウチ、硬質容器、又は可撓性容器を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1のマイクロ波温度部及び第2のマイクロ波温度部のそれぞれの前記液体媒体の温度が、前記マイクロ波エネルギーの照射中、約20〜約95℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1のマイクロ波温度部及び第2のマイクロ波温度部のそれぞれの前記液体媒体の温度が、前記マイクロ波エネルギーの照射中、約20〜約90℃である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1のマイクロ波温度部及び第2のマイクロ波温度部のそれぞれの前記液体媒体の温度が、前記マイクロ波エネルギーの照射中、約20〜約85℃である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記包装食品のいずれの部分が、135℃を超える温度に達しないように、各方法行程を行う、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 予熱ゾーン内の液体媒体を約50℃〜約85℃の温度まで加熱するように構成された予熱ゾーンと、
    マイクロ波ゾーンであって、
    少なくとも1つのマイクロ波供給源、
    マイクロ波エネルギーを前記マイクロ波供給源から、そのマイクロ波ゾーンに配置された包装食品に導くように構成された少なくとも2つのマイクロ波照射部、
    前記マイクロ波ゾーン内の第1のマイクロ波温度部であって、前記第1のマイクロ波温度部内の液体媒体に前記包装食品を浸漬し、浸漬させたときに、マイクロ波エネルギーを前記包装食品に照射し、前記第1のマイクロ波温度部内の前記液体媒体を、第1の温度であって、少なくとも約20℃であり、かつ、前記包装食品を低温殺菌する場合には低温殺菌温度よりも低い、又は、前記包装食品を殺菌する場合には殺菌温度よりも低い、前記第1の温度まで加熱する、ように構成された前記第1のマイクロ波温度部、及び
    前記第1のマイクロ波温度部の下流の、マイクロ波ゾーン内の第2のマイクロ波温度部であって、前記第2のマイクロ波温度部内の液体媒体に前記包装食品を浸漬し、浸漬させたときに、マイクロ波エネルギーを前記包装食品に照射し、前記第2のマイクロ波温度部内の前記液体媒体を、前記第1の温度よりも高いが、前記包装食品を低温殺菌する場合には前記低温殺菌温度を超えない、又は、前記包装食品を殺菌する場合には前記殺菌温度を超えない、第2の温度まで加熱する、ように構成された前記第2のマイクロ波温度部
    を備えるマイクロ波ゾーンと、
    前記包装食品を前記予熱ゾーンから前記マイクロ波ゾーンに移動させるように構成された運搬装置と、
    を備えるマイクロ波レトルトシステム。
  15. 前記マイクロ波ゾーンが少なくとも3つのマイクロ波温度部を備える、請求項14に記載のマイクロ波レトルトシステム。
  16. 前記マイクロ波ゾーンが、複数のマイクロ波温度部を備える、請求項14又は請求項15に記載のマイクロ波レトルトシステム。
  17. 前記複数のマイクロ波温度部が、3〜10個の追加の温度部を含む、請求項16に記載のマイクロ波レトルトシステム。
  18. 前記マイクロ波ゾーンの下流に、前記包装食品を所望の殺菌又は低温殺菌温度に保持するように構成された保持ゾーンを更に備える、請求項14に記載のマイクロ波レトルトシステム。
  19. 前記マイクロ波ゾーンと前記保持ゾーンとの間に温水/冷水セパレーターを更に備える、請求項18に記載のマイクロ波レトルトシステム。
  20. 前記方法は、前記包装食品を殺菌する方法であり、また前記保持ゾーンの前記液体媒体は、約115℃から約135℃の温度である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
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