JP6838432B2 - 自動車の耐衝撃部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐衝撃部材に関し、具体的には、自動車の衝突の際の車体の変形を抑制する耐衝撃部材に関する。
自動車車体の主流は、モノコック構造である。モノコック構造は、通常、鋼板がハット部品と呼ばれる、フランジ部を有する部品にプレス成形され、ハット部品のフランジ部同士がスポット溶接により結合されて箱状の部品とされた後、複数の箱状部品が結合されることで構成される。自動車車体を構成する、例えばサイドメンバーの構造部材は、衝突時に衝撃を吸収する性能、いわゆる衝撃吸収性能を有すること、および、衝撃時に室内の変形を抑制する性能、いわゆる耐衝撃性能を有することが必要とされる。
上述のサイドメンバーは、図1のような車体のフロント端に配置されたフロントサイドメンバー100、図2のような車体のリア端に配置されたリアサイドメンバーの200いずれにあっても、車長方向に長尺な部品である。これらの部材のうち、フロントサイドメンバーフロント101には前面衝突の際に車長方向の前方から衝撃荷重が入力され、リアサイドメンバーリア201には後面衝突の際に車長方向の後方から衝撃荷重が入力される。このとき、フロントサイドメンバーフロント101やリアサイドメンバーリア201に軸圧潰変形や曲げ変形が発生することにより衝撃が吸収される。一方、フロントサイドメンバーリア102やリアサイドメンバーフロント202は十分な耐力でもって入力荷重に対して大変形せず室内の変形を抑制する。本明細書では、フロントサイドメンバーリア102やリアサイドメンバーフロント202のような衝撃荷重入力時に室内の変形を抑制する機能を有する部材を総称して“耐衝撃部材”という。
図3はフロントサイドメンバーリア102のような車両のフロント側に設けられる従来の耐衝撃部材20である。耐衝撃部材20は車長方向Lに延びており、屈曲部1aにより車長方向後方から車長方向前方にかけて車高方向Vの上方に向かって傾斜するように形成されている。すなわち、耐衝撃部材20の屈曲部1aの曲率中心1bは、屈曲部1aよりも車高方向Vの上方に位置している。
図4に示すように耐衝撃部材20は、車長方向Lに垂直な断面において、車高方向Vの下向きに凸のハットチャンネル部材2と板状部材3からなる。ハットチャンネル部材2は、下面部2aと、下面部2aに接続し車高方向Vの上方に延伸する側壁部2bと、側壁部2bに接続し車幅方向Wに延伸するフランジ部2cからなり、フランジ部2cにて板状部材3と接合されている。
このような耐衝撃部材20に車長方向前方から衝撃荷重が入力されると、変形に伴い荷重が増大するが、あるところで最大荷重を迎える。このとき、耐衝撃部材20は、図5のようにフランジ部2c近傍の側壁部2bが断面内側へ変形し、その後、図3に示す屈曲部1aにおいて座屈する。
図6は別の形態の従来の耐衝撃部材30である。図7に示すように耐衝撃部材30は上記の耐衝撃部材20に対し、車高方向Vの上向きに凸のハットチャンネル形状の補強部材40が加えられたものである。補強部材40は、フランジ部にて板状部材3およびハットチャンネル部材2に接合されている。
このような耐衝撃部材30に車長方向前方から衝撃荷重が入力されると、変形に伴い荷重が増大するが、あるところで最大荷重を迎える。このとき、上記の耐衝撃部材20と同様に屈曲部1aで座屈するが、座屈直前におけるフランジ部2c近傍の側壁部2bの断面内側への変形量は耐衝撃部材20に対して変化が小さい。すなわち、耐衝撃部材30の衝撃荷重入力時の最大荷重は、耐衝撃部材20に比べると大きくなり、耐衝撃部材20に対して室内の変形を抑制することができる。しかしながら、耐衝撃部材30の補強部材40は車高方向Vの上向きに凸のハットチャンネル形状であるため、室内空間を狭めることになってしまう。
従来の耐衝撃部材としては、特許文献1に記載されたものもある。特許文献1には、自動車のフロントサイドメンバーリアの閉断面構造を構成するフロントサイドメンバーとフロアパネルの内、フロアパネルを凸形状とすることで、耐力を高めた発明が開示されている。
特開2009−166718号公報
耐衝撃部材には室内空間を狭めることなく、耐力を向上させることが求められる。しかしながら、特許文献1の耐衝撃部材は車高方向上向きの凸形状を有しており、室内空間を狭める問題がある。また、曲率中心が車高方向の上方に存在する屈曲部において、フランジ近傍の断面内側への変形の抑制の効果が十分でないため、耐力を十分に高めることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、(a)車長方向に沿って延び、かつ途中から車高方向に傾斜するように屈曲部が形成され、その屈曲部の曲率中心が該屈曲部に対し車高方向上方に存在する耐衝撃部材に対して衝撃荷重が入力された場合において、(b)室内空間を狭めることなく、(c)屈曲部の断面変形を抑制することで、耐力を高めることを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、屈曲部の断面変形の発生状況を鋭意検討した結果、ハットチャンネル部材と板状部材で形成される閉断面空間に凸形状の補強部材を配置することが有効であるといった知見を得て本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に列記の通りである。
(1)自動車の車長方向に延び、かつ途中から車高方向に傾斜するように屈曲部が形成され、前記屈曲部の曲率中心が該屈曲部よりも車高方向上方に存在する自動車の耐衝撃部材であって、車高方向下向きに凸のハットチャンネル部材と、前記ハットチャンネル部材のフランジ部に接合され、車長方向に垂直な断面において該ハットチャンネル部材と閉断面を形成する板状部材と、前記板状部材の形状に追従するように車長方向に延びる上面部、および前記上面部の両端から車高方向下方に延びる側壁部を有する補強部材とを備え、前記補強部材は、前記閉断面の空間内に設けられ、該補強部材の側壁部と前記ハットチャンネル部材の側壁部が互いに接合され、前記補強部材は、前記屈曲部に設けられ、かつ、該補強部材の曲部の曲げ内側の周方向長さL1と、前記曲部の曲率止まりから該補強部材の直線部の端までの長さL2との関係が0.27≦L2/L1≦0.67を満たすように形成されている、自動車の耐衝撃部材
(2)前記補強部材の側壁部の部材長手方向の端から該部材長手方向に延伸する接合部が形成され、前記接合部と前記ハットチャンネル部材の側壁部とが互いに接合されている、(1)に記載された自動車の耐衝撃部材。
)フロントサイドメンバーに用いられる、(1)又は2に記載された自動車の耐衝撃部材。
)リアサイドメンバーに用いられる、(1)又は2に記載された自動車の耐衝撃部材。
本発明によれば、自動車の耐衝撃部材の耐力を向上させることができる。
自動車のフロントサイドメンバーの例を示す図である。 自動車のリアサイドメンバーの例を示す図である。 従来の耐衝撃部材の概略形状を示す側面図である。 図3中のA−A断面図である。 従来の耐衝撃部材の変形状態を示す断面図である。 従来の別の耐衝撃部材の概略形状を示す断面図である。 図6中のB−B断面図である。 本発明の第1実施形態に係る耐衝撃部材の概略形状を示す側面図である。 図8中のC−C断面図である。 本発明の第1実施形態に係る補強部材の概略形状を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係る耐衝撃部材の概略形状を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係る補強部材の概略形状を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係る補強部材の概略形状を示す斜視図である。 従来の耐衝撃部材と本発明に係る耐衝撃部材の荷重特性を比較した図である。 本発明に係る耐衝撃部材の補強部材曲部の曲率止まりから直線部の端までの長さL2と、補強部材曲部の曲げ内側の周方向長さL1との比(L2/L1)と、最大荷重/部材重量との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以降の説明では、車体のフロントに配置された耐衝撃部材を例に挙げて説明するが、以降の説明では“前方”を“後方”、“後方”を“前方”と読み替えることで、車体のリアに配置された耐衝撃部材を構成することができる。
<第1実施形態>
図8に示すように第1実施形態に係る耐衝撃部材1は、車長方向Lに延びており、屈曲部1aにより車長方向Lの後方から前方にかけて車高方向Vの上方に向かって傾斜するように形成されている。すなわち、耐衝撃部材1は、車長方向Lに長尺で、かつ途中から車高方向に傾斜するように屈曲部1aが形成され、屈曲部1aの曲率中心1bは、その屈曲部1aよりも車高方向Vの上方に位置している。
耐衝撃部材1は、図9のような車長方向Lに対する垂直な断面において、車高方向Vの下向きに凸のハットチャンネル部材2と、板状部材3からなる。ハットチャンネル部材2は、プレス加工により成形されており、下面部2aと、下面部2aに接続し車高方向Vの上方に延伸する側壁部2bと、側壁部2bに接続し車幅方向Wに延伸するフランジ部2cを有している。ハットチャンネル部材2と板状部材3はフランジ部2cにて接合され、これにより閉断面が形成される。なお、フランジ部2cと板状部材3との接合はレーザー溶接、アーク溶接、スポット溶接のいずれを用いてもよいが、通常スポット溶接が用いられる。
図9のようにハットチャンネル部材2と板状部材3で形成される閉断面空間5には補強部材4が設けられている。補強部材4は、板状部材3の形状に追従するように車長方向に延びる上面部4aと、上面部4aの両端から車高方向Vの下方に延びる側壁部4bとを有している。補強部材4は、図10のように全体として耐衝撃部材1の部材長手方向に沿うように形成され、耐衝撃部材1の屈曲部1aの曲率中心1bと同じ位置を曲率中心とする曲部4cと、曲部4cから部材長手方向に直線状に延びる直線部4dとを有している。なお、本明細書における“部材長手方向”とは、車長方向Lに垂直な断面である耐衝撃部材1の微小断面の重心(図心)位置を耐衝撃部材1の車長方向Lの一端から他端まで結ぶことで得られる線の方向である。また、本明細書における補強部材4の“直線状”の文言には厳密な直線状だけでなく、略直線状の概念も含まれる。
図9のように補強部材4は、側壁部4bとハットチャンネル部材2の側壁部2bとが互いに接合されることで固定されている。なお、ハットチャンネル部材2の側壁部2bと、補強部材4の側壁部4bとの接合は、レーザー溶接、アーク溶接、スポット溶接のいずれを用いてもよいが、通常スポット溶接が用いられる
第1実施形態の耐衝撃部材1は以上のようにして構成される。このような耐衝撃部材1の車長方向端部に衝撃荷重が入力されると、図5のようにフランジ部2c近傍の側壁部2bが断面内側へ変形しようとしても、フランジ部2c近傍の側壁部2bに配置された補強部材4によりその変形が抑制され、耐力を向上させることができる。すなわち、衝撃荷重負荷時の最大入力荷重を高めることができる。また、補強部材4が閉断面空間5に配置されているため、図7に示す耐衝撃部材30のように室内空間を狭めることもない。したがって、耐衝撃部材1によれば、室内空間を狭めることなく、耐力を向上させることが可能となる。
<第2実施形態>
図11に示すように第2実施形態の耐衝撃部材1は、第1実施形態と異なり、補強部材4が部材長手方向全域ではなく、屈曲部1a近傍にのみ設けられている。補強部材4は、部材長手方向の屈曲部以外の部分に設けても耐力を向上させることは可能であるが、図5のようなハットチャンネル部材2の側壁部2bの断面内側への変形は、屈曲部1a近傍で顕著に発生することから、補強部材4は少なくとも屈曲部1aに設けられることが好ましい。これにより、効果的に耐力を向上させることができる。特に、第2実施形態のように屈曲部1a近傍にのみ補強部材4を設ける構成であれば、軽量化を図りつつ、耐力を向上させることができる。
耐衝撃部材1に入力される最大荷重に対する質量効率の観点から言えば、後述する実施例で示される通り、図12に示す補強部材4の曲部4cの曲げ内側の周方向長さL1と、曲部4cの曲率止まり1cから直線部4dの端までの長さL2との関係が、0.27≦L2/L1≦0.67を満たすことが好ましい。これにより補強部材4を設ける際の重量増加に対する耐力向上の効果を効率良く得ることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、補強部材4が図13のような形状を有している。具体的には、補強部材4の側壁部4bの部材長手方向の端、すなわち直線部4dの端から部材長手方向に延伸する接合部4eが形成されている。補強部材4にこのような接合部4eが設けられていることにより、接合部4eとハットチャンネル部材2の側壁部2bとをスポット溶接する際に、スポット溶接の電極による挟み込みが容易となり、スポット溶接組み立てが容易となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
従来の耐衝撃部材と本発明に係る耐衝撃部材のモデルを作成し、耐衝撃部材の車長方向端部から衝撃荷重を入力するシミュレーションを実施した。
シミュレーションで使用された従来の耐衝撃部材は、図4に示すようなハットチャンネル部材と板状部材で閉断面が形成された構造のもの(比較例1)と、図7に示すようなハットチャンネル部材と板状部材で閉断面が形成され、さらに板状部材の上方に車高方向上向きに凸の補強部材が設けられた構造のものである(比較例2)。比較例1、2のハットチャンネル部材は980MPa級で板厚2.0mm、板状部材は270MPa級で板厚1.2mmである。また、比較例2の補強部材は590MPa級で板厚1.2mmである。
シミュレーションで使用された本発明に係る耐衝撃部材は、図9に示すようなハットチャンネル部材、板状部材で閉断面が形成され、閉断面空間に補強部材が設けられた構造である(実施例1)。実施例1も比較例と同様、ハットチャンネル部材は980MPa級で板厚2.0mm、板状部材は270MPa級で板厚1.2mm、補強部材は590MPa級で板厚1.2mmである。
衝撃荷重の負荷は耐衝撃部材の車長方向の一端部(衝撃荷重入力側端部)に剛体壁を当て、その後剛体壁を車長方向の他端部(客室側端部)に向けて移動させることで行う。そして、その際の剛体壁の変位量と入力荷重を計測する。
図14に剛体壁の変位と荷重の関係を比較した図を示す。図中の縦軸は計測した荷重を比較例1の最大荷重で除した荷重比を示す。どの水準も変形開始から荷重が上昇し、あるところで最大荷重を迎える傾向であることがわかる。最大荷重は比較例1に比べ、比較例2の方が高い。ただし、比較例2は比較例1に比べ、室内空間を狭める欠点がある。一方、実施例1は比較例2に比べ、さらに最大荷重が高い。これに加え、実施例1は比較例2に比べ室内空間を狭めることがない。以上より、本発明に係る耐衝撃部材によれば、室内空間を狭めることなく、最大荷重すなわち耐力を高めることができる。
下記表1に最大荷重直前のフランジ部近傍におけるハットチャンネル部材側壁部の断面内側への変形量を示す。変形量は、対向する側壁部間の幅の変化ΔWで表す。なお、表中の数値は比較例1のΔWで除したΔW比である。
Figure 0006838432
ΔW比は実施例1が最も小さい。このことより本発明に係る耐衝撃部材によりフランジ部近傍でのハットチャンネル部材側壁部の断面内側への変形が抑制されることが示された。以上より、本発明により、フランジ部近傍でのハットチャンネル部材側壁部の断面内側への変形が抑制され、最大荷重すなわち耐力を高めることが示された。
次に、本発明に係る耐衝撃部材として、図11に示すような屈曲部の近傍にのみ補強部材が設けられる構造のモデルを作成し、図12に示す補強部材曲部の曲率止まりから直線部の端まで長さL2を変化させるシミュレーションを実施した。ハットチャンネル部材、板状部材、補強部材の材質および板厚は実施例1と同条件である。
図15の縦軸は、耐衝撃部材に入力する最大荷重を重量で除した、最大荷重に対する質量効率であり、比較例1の値で規格化している。図15の横軸は、補強部材曲部の曲率止まりから衝撃荷重入力側に延びる直線部の端までの長さL2と、補強部材曲部の曲げ内側の周方向長さL1との比である。なお、本シミュレーションでは、もう一方の、補強部材曲部の曲率止まりから客室側に延びる直線部の端までの長さもL2としている。
図15に示すようにL2/L1が0から0.27にかけては質量効率の値が増加する。L2/L1が0.27から0.67にかけては質量効率の変化がほとんどなく、それ以降は低下していることがわかる。このことから最大荷重に対する質量効率の観点においては、補強部材曲部の曲率止まりから直線部の端までの長さL2と、補強部材曲部の曲げ内側の周方向長さL1との比は、0.27≦L2/L1≦0.67を満たすことが好ましい。それを満たすように補強部材を設ければ、重量増加に対する耐力向上の効果を効率良く得ることができる。
次に、本発明に係る耐衝撃部材として、図13に示すような補強部材にスポット溶接用の接合部を設けた構造のモデル(実施例2)と、従来の耐衝撃部材として図7に示す構造のモデル(比較例3)を作成し、衝撃荷重を負荷するシミュレーションを実施した。実施例2および比較例3のハットチャンネル部材、板状部材、補強部材の材質および板厚は前述のシミュレーションと同条件である。
また、従来の耐衝撃部材として比較例1に対して、ハットチャンネル部材を980MPa級、板厚2.3mmにした耐衝撃部材(比較例4)、および比較例1に対して、板状部材を270MPa級、板厚1.8mmにした耐衝撃部材(比較例5)のモデルを作成し、衝撃荷重を負荷するシミュレーションを実施した。
その際の最大荷重と重量を比較した結果を下記表2に示す。なお、それぞれ比較例1の値で規格化している。
Figure 0006838432
最大荷重比は実施例2で最も高く、重量比は実施例2で最も小さい。このことから、本発明により軽量かつ最大荷重すなわち耐力を高めることができることが示された。
本実施例の結果によれば、車長方向に沿って延び、かつ途中から車高方向に傾斜するように屈曲部が形成され、その屈曲部の曲率中心が該屈曲部に対し車高方向上方に存在する耐衝撃部材に対して衝撃荷重が入力された場合において、室内空間を狭めることなく、屈曲部の断面変形を抑制することで、耐力が向上することが示される。
本発明は、車長方向に沿って延び、かつ途中から車高方向に傾斜するように屈曲部が形成され、その屈曲部の曲率中心が該屈曲部に対し車高方向上方に存在する耐衝撃部材に適用できる。
1 耐衝撃部材
1a 屈曲部
1b 屈曲部の曲率中心
1c 屈曲部の曲率止まり
2 ハットチャンネル部材
2a 下面部
2b 側壁部
2c フランジ部
3 板状部材
4 補強部材
4a 上面部
4b 側壁部
4c 曲部
4d 直線部
4e 接合部
5 閉断面空間
20 従来の耐衝撃部材
30 従来の耐衝撃部材
40 従来の補強部材
100 フロントサイドメンバー
101 フロントサイドメンバーフロント
102 フロントサイドメンバーリア
200 リアサイドメンバー
201 リアサイドメンバーリア
202 リアサイドメンバーフロント
L 車長方向
L1 補強部材曲部の曲げ内側の周方向長さ
L2 補強部材曲部の曲率止まりから直線部の端までの長さ
V 車高方向
W 車幅方向

Claims (4)

  1. 自動車の車長方向に延び、かつ途中から車高方向に傾斜するように屈曲部が形成され、前記屈曲部の曲率中心が該屈曲部よりも車高方向上方に存在する自動車の耐衝撃部材であって、
    車高方向下向きに凸のハットチャンネル部材と、
    前記ハットチャンネル部材のフランジ部に接合され、車長方向に垂直な断面において該ハットチャンネル部材と閉断面を形成する板状部材と、
    前記板状部材の形状に追従するように車長方向に延びる上面部、および前記上面部の両端から車高方向下方に延びる側壁部を有する補強部材とを備え、
    前記補強部材は、前記閉断面の空間内に設けられ、該補強部材の側壁部と前記ハットチャンネル部材の側壁部が互いに接合され
    前記補強部材は、前記屈曲部に設けられ、かつ、該補強部材の曲部の曲げ内側の周方向長さL1と、前記曲部の曲率止まりから該補強部材の直線部の端までの長さL2との関係が0.27≦L2/L1≦0.67を満たすように形成されていることを特徴とする、自動車の耐衝撃部材。
  2. 前記補強部材の側壁部の部材長手方向の端から該部材長手方向に延伸する接合部が形成され、前記接合部と前記ハットチャンネル部材の側壁部とが互いに接合されていることを特徴とする、請求項1に記載された自動車の耐衝撃部材。
  3. フロントサイドメンバーに用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載された自動車の耐衝撃部材。
  4. リアサイドメンバーに用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載された自動車の耐衝撃部材。
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