JP6836156B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
また、カソード層に用いる主なカソード材料として、代表的にはランタンマンガンナイト(LaMnO3)が挙げられている。更に、一般式LnMO3(Ln:La、Sr,Pr又はSm、M:Fe,Co,Mn又はNi)で示されるペロブスカイト型酸化物が挙げられている。金属材料を除くと、上記のセラミックス系材料の中では、LSCの電気伝導率が大きく優れている。
特許文献3の例のように、単セル同士を接続するために、主にセラミックス材料の集電部材(インターコネクタ72)とカソード層を、集電用金属部材に接合して用いる場合には、集電部材、カソード層及び集電用金属部材のそれぞれの熱膨張係数が同程度であることが求められる。LSCは、電気伝導率が大きく優れているものの、熱膨張係数が一般的な金属材料やセラミックス系材料よりも大きい。大きな電気伝導率と、他部材と同程度の熱膨張係数とを備えた導電性材料又はカソード材料の出現が期待されている。
本実施形態のSOFC100の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る平板型のSOFC100の構造を模式的に示す断面図である。図示のとおり、平板型のSOFC100は、平板状の複数の単セルCと集電体Eとを、それぞれの表面(例えば上面および下面)を相対向させて法線方向に沿って交互に積層した多層構造を有する。単セルCは、平らな薄膜状の電解質層3と、電解質層3の一方側(図示において上方側)に設けられた同様に平らな薄膜状のカソード層2と、電解質層3の他方側(図示において下方側)に設けられた同様に平らなアノード層1と、を備えた多層構造を有する。
さらに、集電体Eは、一方側に接合する単セルCのアノード層1で電極反応が進行した結果生成する電子を集電して、他方側に接合する単セルCのカソード層2に供給すべく、それぞれの単セルCに電気的に接続されている。若しくは、SOFC100の一端側の所定の集電体E01は、積層されている最も一端側の単セルCに電気的に接続されており、外部回路を介して供給される電子をカソード層2に供給する。また、他端側の所定の集電体E02は、積層されている最も他端側の単セルCに電気的に接続されており、アノード層1で生成する電子を外部回路に供給する。
アノード層1は、所定の方法により供給される燃料ガスと電解質層3中を移動してきた酸素イオンとが接し、燃料ガスが酸化され電子を生成する電極反応が進行する燃料極である。燃料ガスとしては、代表的には水素を用いることができるが、メタン、プロパン等の炭化水素であっても構わない。
電解質層3は、カソード層2で生成する酸素イオンをアノード層1に移動可能である。電解質層3は、以下の条件を満たす材料で形成されている。第一の条件は、還元・酸化両雰囲気下で作動温度にて安定であることであり、第二の条件は、高い酸素イオン導電性及び低い電子導電性を有し、緻密な電解質膜を容易に形成できることである。
カソード層2は、電極内に導電される電子によって空気中の酸素を還元し、酸素イオンとして電解質層3に送り出す空気極である。カソード層2では、空気中の酸素が後述する集電体Eを介して電極内に導電される電子を受け取り、酸素イオンを生成する電極反応が進行し、酸素イオンを電解質層3に到達させる。カソード層2は、好ましくは、酸化雰囲気下での安定性を有し、ガスを効率よく透過可能な多孔質体から構成されている。酸化性のガスとしては、代表的には空気を用いることができるが、他の酸化性のガス(例えば酸素等)であっても構わない。
LSSCは、LSCFと同様にLSCの基本構造を有している。よって、第一及び第二の条件を満たし、LSCひいてはLSCFと同等に酸素活性化触媒機能及び酸素イオン導電性を示すと見当をつけることができる。LSSCは、後述するように、LSCFより導電性に優れるLSCよりもさらに大きな電気伝導率を示し、電子導電性能において優れている。
LSSCは、LSCと同等に第一条件を満たし、第二条件の接合部材との関係でも化学的安定性を有すると考えられる。また、LSSCは、実施例で後述するように、LSCよりも小さな熱膨張係数を示し、電解質材料や金属系材料の熱膨張係数に近づき得る。よって、LSCを用いるよりも、長期間の安定性・信頼性を保つことができる。
集電体Eは、カソード層2に供給される酸化性のガスとアノード層1に供給される還元性の燃料ガスとを分離するとともに、隣接するアノード層1で生成する電子を集電し、隣接するカソード層2の電極反応場に電子を通過させる。集電体Eは、いわゆるインターコネクタの働きをする。例えば、集電体Eは、酸化性ガスと還元性ガスとを分離するための金属材料よりなる緻密なセパレータ層51の表面に、本発明に係る導電性材料を含有する集電部材52を積層し、セパレータ層51をサンドイッチ状に両面より挟んで形成することができる。集電体Eは、一方側に隣接する単セルCのアノード層1に一方の集電部材52の表面を、他方側に隣接する単セルCのカソード層2に他方の集電部材52の表面を、接合している。集電部材52は、金属材料よりなる緻密なセパレータ層51と、多孔質体でありセラミックスを主材料とするアノード層1及びカソード層2と、の接合強度を担保するための接合層としての役割をも有する。集電部材52は、以下のペロブスカイト型酸化物を主な導電性材料として形成されている。
Laz−xSmxSr1−zCoO3 (1)
本実施形態のSOFC100では、集電部材52(又はカソード層2)が上記(1)式のペロブスカイト型酸化物を導電性材料(又はカソード材料)として含有することが好ましい。
導電性材料としては、式(1)中、x,zが、後述するように、0.01≦x/z<0.5、0.3≦z≦0.8の関係を満たすことが好ましい。
カソード材料としては、式(1)中、x,zは、0<x/z<0.72、z=0.5の関係を満たすことが好ましい。
なお、量子計算ソフトウエアとして、公知の密度汎関数である一般化勾配近似汎関数(GGA法)を使用した。Sm以外の所定の候補元素R1,R2についてもシミュレーション結果を得たが(例えば、R1としてCe,Pr,Nd、R2としてCa,Ba、Ra等)、Smで最も優れた予想結果が得られた。
また、大きな電気伝導率を得る観点から、Smのモル組成比「x」は、置換前のLaのモル組成比「z」よりも小さいことが好ましい(z−x>0)。
次に、本発明の燃料電池に係る燃料電池セルの製造方法について説明する。本実施形態の単セルCの製造方法は、公知の製法による。例えば、アノード層前駆体及び電解質層前駆体を積層し、予め共焼成して得られたアノード層及び電解質層から成るハーフセル積層体を得る。ハーフセル積層体の電解質層上に、カソード層前駆体を積層して焼成する方法によって、単セルCを製造することができる。
得られたLSSCの原料粉末にバインダと、必要に応じて造孔剤と、溶剤を加えて混合することによりスラリーを調製し、このスラリーをスクリーン印刷によってハーフセル積層体の電解質層3側の表面上に積層し、カソード層前駆体を形成して乾燥させる。
ハーフセル積層体の上面にカソード層前駆体が積層された単セルCの前駆体を、好ましくは900℃以上1250℃以下の温度で、好ましくは1時間以上12時間以下の時間だけ保持することによって焼結する。これにより、SOFCの単セルCを製造できる。なお、各前駆体に他の前駆体を順に積層する方法については特に限定はなく、スクリーン印刷法の他に、スラリーコート法、テープキャスティング法、ドクタブレード法などを用いて積層することができる。
第一実施例として、SOFCの導電性材料としてLSSCを用いる評価を行った。実施例1,2のLSSC成形体を作製して、1)電気伝導率と2)熱膨張係数を評価した。
[ペロブスカイト型酸化物成形体の作製]
〈実施例1〉
実施例1として、以下の手順によってLSSCの成形体を得た。
(LSSC成形体)
LSSC原料粉末の作製は、固相反応法により行った。所望のモル組成比のLSSCが得られるように、原料となる各種金属酸化物又は塩の粉末を秤量した。具体的には、La2O3粉末、SrCO3粉末、Sm2O3粉末及びCo3O4粉末を使用した。これらを溶液中で湿式混合した後に溶媒を除去して得られた粉末を、800℃で焼成、及び粉砕することにより、平均粒径0.5μm(D50)のLSSC原料粉末を得た。
実施例2として、以下の手順によってLSSCの成形体を得た。
(LSSC成形体)
実施例1と同様の製法でペレット状に成形したLSSC成形体を得た。(1)式〔Laz−xSmxSr1−zCoO3〕において、Srのモル組成比「1−z」が所定値の場合における、Smの置換比率「x/z」が所定の範囲内にある、複数のLSSC成形体サンプルを作製した(表1の実施例2のNo.1〜3参照)。
(LSC成形体)
実施例1と同様の製法でペレット状に成形したLSC成形体を得た。〔LazSr1−zCoO3〕において、Laのモル組成比「z」が、z=0.5のLSC成形体サンプルを作製した(表1の比較例1のNo.1参照)。
(LSC成形体)
実施例1と同様の製法でペレット状に成形したLSC成形体を得た。〔LazSr1−zCoO3〕において、Srのモル組成比「1−z」が所定値の場合におけるLSC成形体サンプルを作製した(表1の比較例2のNo.1〜3参照)。
(ペロブスカイト型酸化物成形体の同定)
得られた実施例1の各LSSC成形体サンプル、実施例2の各LSSC成形体サンプルについて、X線回折スペクトルデータ及びICP発光分光分析データを取得し、各成形体サンプルの結晶相の確認及び組成の同定を行った。
実施例1,2で得た各成形体サンプルが、本発明に係るペロブスカイト型酸化物を含有する成形体であることが解った。
得られた実施例1、2のLSSCの各成形体サンプルについて、所定の環境温度下で電気伝導率を測定した。図3に、環境温度(600〜800℃)に対する実施例1(表1のNo.1−1,1−2)のLSSC成形体の電気伝導率の変化を示した。図4に、実施例2(表1のNo.1〜3)の各LSSC成形体について、650℃におけるSmの置換比率「x/z」に対する電気伝導率の変化を示した。各図3,4について、比較例1,2のLSC成形体との比較結果を示した。
また、上記各実施例1,2の電気伝導率の評価結果を、比較例1,2と相対評価する形式で表1に示した。表1中◎、○、△の記号は、導電性材料としての評価を示し、◎は比較例よりも大変優れている、○は比較例よりも優れている、△は比較例に匹敵する〜やや劣る、評価を意味する。なお、比較基準である比較例自体の試験結果の評価については、省略した。
z=0.3のとき、Smの置換比率x/zが0.01≦x/z≦0.5の範囲で、LSSCの電気伝導率の方がLSCよりも大きくなっている。また、z=0.5のとき、Smの置換比率x/zが0.01≦x/z≦0.72の範囲で、LSSCの電気伝導率の方がLSCよりも大きくなっている。さらに、z=0.8のとき、Smの置換比率x/zが0.01≦x/z<0.5の範囲で、LSSCの電気伝導率の方がLSCよりも大きくなっている。
得られた実施例2のLSSCの各成形体サンプルについて、所定の環境温度下で熱膨張係数を測定した。図5に、650℃における実施例2(表1のNo.2)のSmの置換比率x/zに対する熱膨張係数の変化を示した。
また、上述の電気伝導率の評価と同様に、実施例2の熱膨張係数の評価結果を比較例2と相対評価する形式で表1に示した。
本実施例は、このような問題を解決するためになされたものであり、高温で動作する条件下で大きな電気伝導率を有し、他部材の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する集電部材を備えた燃料電池を提供することを目的とすることができる。
第二実施例として、SOFCのカソード材料としてLSSCを用いる評価を行った。実施例3のLSSC成形体を作製して第一実施例と同様にLSSC成形体の評価を行うと共に、実施例4に係る(SOFCの単セルに相当する)コイン型セルC(disk)を作製し、カソード材料としてLSSCを用いた場合の出力電圧を測定した。この出力電圧測定値に基づいてコイン型セルC(disk)に対応する円筒型セルC(cyl)の出力電圧をシミュレーションにより求め、実施例4のSOFCセルとして発電性能の評価を行った。
〈実施例3〉
実施例3として、以下の手順によってLSSCの成形体を得た。
(LSSC成形体)
実施例1と同様の製法で、ペレット状に成形したLSSC成形体を得た。(1)式〔Laz−xSmxSr1−zCoO3〕において、z=0.5の場合のSmのモル組成比「x」が所定の範囲内にある複数種類のLSSC原料粉末を合成して、複数のLSSC成形体サンプルを作製した(表1のNo.1〜4参照)。
(LSC成形体)
比較例1と同様の製法でペレット状に成形したz=0.5の場合のLSC〔La0.5Sr0.5CoO3〕の成形体サンプルを得た。
1)電気伝導率の評価
実施例1,2と同様に、得られた実施例3の各LSSC成形体サンプルについて同定を行い、実施例3の各成形体サンプルが、本発明に係るペロブスカイト型酸化物を含有する成形体であることを確認した。そして、得られた実施例3のLSSCの各成形体サンプルについて、所定の環境温度下で電気伝導率を測定した。図6に、700℃下における実施例3のそれぞれのLSSCのSmの置換比率x/zに対する電気伝導率の変化を示した。
得られた実施例3の各LSSC成形体サンプルについて、700℃下での熱膨張係数を測定した。図7に、実施例3の各LSSC成形体のSmの置換比率x/zに対する熱膨張係数の変化を示した。
〈実施例4〉
実施例4のSOFCの出力特性を評価するために、以下の手順によってカソード材料にLSSCを用いたコイン型セルC(disk)を作製した。すなわち、(1)式〔Laz−xSmxSr1−zCoO3〕における異なるモル組成比xのLSSC粉末を含有する複数種類のカソード層用ペースト(カソード材料)を用いて、図9に示す各コイン型セルC(disk)を複数作製した。
(アノード層支持体前駆体の作製)
粒径約0.5μmの市販の酸化ニッケル(NiO)粉末と、粒径約0.5μmの8YSZ(Y2O3:8〔mol〕%)粉末と、を重量比で、6:4で混合して混合粉体を得た。このアノード極支持体材料の混合粉体と、溶剤としてキシレンと、有機結合材としてポリビニルブチラールと、気孔形成材としてアクリル樹脂と、可塑剤としてフタル酸エステルと、を重量比で、48〜58:24:8.5:5〜15:4.5の割合で加え、キシレン中に分散させ、ボールミルで混練してスラリーを作製した。このスラリーからドクタブレード法によってPETの基材シート上にシートを成形し、当該シートを乾燥させ、厚み0.5〜1.0mmのアノード層支持体前駆体を作製した。
アノード層支持体前駆体を作製したのと同じ酸化ニッケル(NiO)粉末と、同じ8YSZ粉末と、溶剤としてα−テルピネオールと、バインダとしてエチルセルロースと、を重量比で、48:32:18:2の割合で加えて混合し、十分混練してアノード層用ペーストを作製した。
粒径約0.5μmの市販のYSZ(Y2O3:8〔mol〕%−ZrO2:92〔mol〕%)粉末と、溶剤としてテルピネオール系溶剤と、バインダとしてエチルセルロースと、を重量比で、65:31:4の割合で加えて混合し、十分混練して電解質層用ペーストを作製した。
粒径約0.5μmの市販の10GDC(Gd2O3:10〔mol〕%−CeO2:90〔mol〕%)粉末に、溶剤としてα−テルピネオールと、バインダとしてエチルセルロースと、を重量比で、65:31:4の割合で加えて混合し、十分混練して反応抑止層用ペーストを作製した。
カソード材料として組成が異なるLSSC原料粉末を含有する複数種類のカソード層用ペーストを、以下の方法で作製した。(1)式〔Laz−xSmxSr1−zCoO3〕において、z=0.5の場合のSmのモル組成比「x」が所定の範囲内(0<x≦0.36)にあるLSSC原料粉末を用いた。具体的には、実施例3の各LSSC成形体を作製したそれぞれの組成のLSSC原料粉末と同じ組成のLSSC粉末を用いた(表1参照)。所定のモル組成比xの各LSSC粉末に、溶剤としてα−テルピネオールと、バインダとしてエチルセルロースと、を重量比で、80:17:3の割合でそれぞれ加えて混合し、十分混練して複数種類のカソード層用ペーストを得た。
上記した異なるモル組成比のLSSC粉末を含有するそれぞれのカソード層用ペーストと、上記した他部材用のペースト等とを用いて、以下の方法により、カソード層を形成するカソード材料のみで異なる図9に示すコイン型セルC(disk)を複数作製した。
上記のアノード層支持体前駆体を用いて、その片側の表面上に同心円状に上記のアノード層用ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、直径約30mm、厚み約10μmの円形薄膜状のアノード層前駆体を積層した。さらに、アノード層前駆体の表面上に同心円状に上記の電解質層用ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、直径約30mm、厚み約10μmの円形薄膜状の電解質層前駆体を積層した。さらに、同様に、電解質層前駆体の表面上に同心円状に上記の反応抑止層用ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、直径約15mm、厚み約5μmの円形薄膜状の反応抑止層前駆体を積層した後、直径約25mmの円板状に切り抜いた。アノード層支持体/アノード層/電解質層がほぼ同径で、反応抑止層のみ小径をなして同心円状に積層される積層体前駆体を得た。
(コイン型セルC(disk)の作製)
比較例3のz=0.5の場合のLSC〔La0.5Sr0.5CoO3〕粉末を用いて、実施例4と同じ製法で、同じ形状を有するコイン型セルC(disk)を作製した。
(発電試験)
実施例4及び比較例4に係るコイン型セルC(disk)を用いて、以下の条件にて発電試験を行い、各コイン型セルC(disk)のセル電圧を実測定した。
実施例4のコイン型セルC(disk)は、略円形平板型の全体形状を有する。コイン型セルC(disk)は、図9に示すとおり、アノード層支持体12、アノード層11、電解質層31がほぼ同径をなし、反応抑止層32、カソード層21の順に小径をなし、これら各層が図示において順に上方に同心円状に積層される構成を有している。
公知の発電試験装置を用いて、700℃の環境温度下で、アノード層支持体12の露出部に白金製のメッシュ状部材からなる電極体を接触させてアノード極側の集電を行い、同様に、カソード層21の表面に電極体を接触させてカソード極側の集電を行った。燃料ガスとしてH2を用い、酸化ガスとして空気を用い、それぞれ200(ml/min)の流量で流した。所定の電流密度0.2(A/cm2)における電極体間の電圧を測定した。
このように測定したコイン型セルC(disk)の電圧から、円筒型セルC(cyl)の電圧を推定した。具体的には、円筒型セルC(cyl)の伝送線モデル(等価回路)を用いて、発電試験で得られたコイン型セルC(disk)のセル電圧実測値に基づき、円筒型セルC(cyl)の出力電圧を求めるためのシミュレーションを行った。円筒型セルC(cyl)には所定の仮想集電部材(図示せず)が取り付けられているものと仮想して、上記のシミュレーション値から、仮想集電部材の集電損失分の電圧降下算出値を減算する補正を行い、円筒型セルC(cyl)の電圧を推定した。
円筒型セルC(cyl)は、図10に示すように、径方向に沿って内側から外側に向かって順に、コイン型セルC(disk)のアノード層支持体12、アノード層11、電解質層31、反応抑止層32、カソード層21の5層の各層に対応する、アノード層支持体120、アノード層110、電解質層310、反応抑止層320、カソード層210を有する。
図8より、カソード層21のカソード材料としてLSSCを含有し、かつ、仮想カソード集電部材の導電性材料としてLSSCを用いると仮想した実施例4の各円筒型セルC(cyl)は、700℃下において、比較例4の円筒型セルC(cyl)に匹敵するセル電圧を示すことを確認できた。Smの置換比率x/zが0<x/z<0.72の範囲にある円筒型セルC(cyl)では、比較例4のセルと同様なセル電圧が得られており、評価することができた。特に、Smの置換比率x/zが0.08の近辺のLSSCを用いた円筒型セルC(cyl)では、比較例4の円筒型セルC(cyl)よりも大きなセル電圧が得られており、高評価することができた。
第二実施例においてLSSCをSOFCセルのカソード材料として用いた実施例3,4の評価結果を比較例と相対評価する形式で表1に示した。
なお、上述した実施例では、カソード材料として好ましいLaSrCoO3の組成について、Smの置換比率x/zをパラメータとする好ましい範囲について具体的に説明したが、Smのモル組成比xをパラメータとして用いても同様の好ましい範囲を有することができる。
Claims (3)
- 電解質層と、
前記電解質層の一方側に設けられたカソード層と、
前記電解質層の他方側に設けられたアノード層と、
前記カソード層又は前記アノード層の少なくとも一方に電気的に接続して電子を集電し、又は燃料電池の外部に電気を取り出す集電部材と、
を備え、
前記集電部材又は前記カソード層の少なくとも一方が、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物を材料として含有し、
前記ペロブスカイト型酸化物が、
AサイトにLa及びSrを配列し、かつ、BサイトにCoを配列し、
前記Aサイトに配列されるLa及びSrのうち、一方のLaの一部がSmで置換され、
Smの前記ペロブスカイト型酸化物に対するモル組成比は、置換前のLaの前記ペロブスカイト型酸化物に対するモル組成比よりも小さい、
ペロブスカイト構造を有する燃料電池。 - 前記集電部材に含有されている前記材料が、下式(1)で示される組成の前記ペロブスカイト型酸化物であり、
Laz−xSmxSr1−zCoO3 (1)
前記式(1)において、置換前のLaの前記ペロブスカイト型酸化物中のモル組成比zに対するSmの前記ペロブスカイト型酸化物中のモル組成比xの比率を示すx/zが、0.01≦x/z<0.5の範囲にあり、
Srの前記ペロブスカイト型酸化物中のモル組成比(1−z)が、0.2≦1−z≦0.7の範囲にある請求項1に記載の燃料電池。 - 前記zに対する前記xの比率である前記比率x/zが、0.01≦x/z≦0.25の範囲にある請求項2に記載の燃料電池。
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