以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。まず、本実施形態に係る組み合わせ体の構成について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る組み合わせ体1が例示された正面図である。図1に例示されるように、組み合わせ体1は、チューブ容器10と、液体吐出容器30とを有する。組み合わせ体1は、チューブ容器10が取り付けられたままで用いられる。ここでは、説明の便宜上、組み合わせ体1の通常の使用状態が示された図1における上下方向がそれぞれ上、及び下とされる。ただし、チューブ容器10が単独で示された図2乃至図5、及び図7乃至図9については天地が逆向きで示されている。
図2はチューブ容器10の正面図である。図2では、チューブ容器10は図1とは天地が逆向きで示されている。チューブ容器10には中身として液体が収容される。ここでの液体とは、1 mPa・sの粘度を有する水のような粘度の低い中身であることが好ましいものの、例えばシャンプーのような2〜3 Pa・s程度の粘度を有する中身であっても構わない。更に、チューブ容器10には、図示せぬオーバーキャップが取り付けられていても良い。
チューブ容器10は、口部11と、これに連なる肩部12とによって構成される頭部成形体13を有している。そして、チューブ容器10は、頭部成形体13に連なる胴部14を有している。円筒状に形成される口部11はその内周側において開口15を規定する。液体は、開口15を通過することによってチューブ容器10から吐出される。肩部12は、口部11から離れるほどチューブ容器10の外側に広がる円錐台筒状に構成される。
胴部14は、フィルム状の積層体が筒状に成形されたものである。そして、筒状に延びる胴部14の一端が肩部12と接合されている。一方で、筒状の胴部14の内側が重ねられて接着された底シール部16によって胴部14の他端が封止されている。底シール部16は、胴部14に中身が充填された後に接着されれば良い。チューブ容器10の特に胴部14は、中身が吸い出されて負圧となった際に、内圧の変化に追従して変形する柔軟性を有し、かつ内圧の変化が大となった際にも自立性を維持するように構成されていると良い。
チューブ容器10は、透明材料によって構成されていても良い。特に、肩部12や、肩部12と接合される付近の胴部14が透明に構成されていると液体の残量を視認することができて良い。
図3は、チューブ容器10の一部が拡大された正面図である。口部11には、外周面から更に外側に環状に突出する突起17が形成されている。突起17は、開口15の側の誘導面18と、肩部12の側の返し面19とによって構成されている。誘導面18は、開口15の端、すなわち、口部11の端から離れるほどチューブ容器10の外側に広がる緩斜面で構成されている。一方で、返し面19は、開口15の端から離れるほどチューブ容器10の内側に狭まる急斜面で構成されている。返し面19は、口部11の外周面に対して垂直であっても構わない。
図4は、チューブ容器10の一部が拡大された断面図である。頭部成形体13は、開口15において、液体の通過を封鎖する開口密封部20を備えている。開口密封部20は、口部11と一体に成形されている。開口密封部20は、破断可能にチューブ容器10を密封するように構成される。図4に例示される開口密封部20は開口15の全面を覆う円板状に形成されている。
開口密封部20の開口15の側における周縁には溝が形成されることによって、他の箇所と比べて厚さがより小とされた薄肉部21が設けられている。そして、薄肉部21は、口部11の内周面とつながっている。開口密封部20の口部11との接続箇所が薄肉部21とされることによってそれほど強い力を必要とせずに口部11から開口密封部20を破断することができる。
開口密封部20を有することで、初期状態で口部11が密封されたチューブ容器10を製造することができる。したがって、密封用に広く用いられ、初期開封時に剥離される易開封性シールを口部11の端に接着する必要がなく部品の数、及び製造工程を削減することができる。更に、チューブ容器10を使用する際に易開封性シールをはがす手間を省くことができる。
なお、ここでの開口密封部20は、突き刺しによって破断する構成であれば口部11とは別体で成形されていても良い。例えば、開口密封部20に替えて、上述された図示せぬ易開封性シールが用いられていても良い。易開封性シールは、開口15を覆うようにして口部11に貼り付けられる。口部11と、易開封性シールとは、接着剤で貼り付けられていても良く熱融着されていても良い。液体吐出容器30には、このような易開封性シールが用いられているものであっても口径さえ合えば適用可能であり、液体吐出容器30は高い汎用性を有している。
ここでの易開封性シールは易開封性を必ずしも有していなくても構わない。ただし、易開封性シールは、チューブ容器10の密封性を有しながら突き刺し強度がそれほど高くなく、引き裂き強度が低いことが好ましい。このため、易開封性シールには、アルミニウム箔、2軸延伸ポリプロピレン(Oriented Polypropylene)等による単層フィルムや、これらが積層された多層フィルム等が適用可能である。
破断された開口密封部20の脱落防止機能としてつなぎ部22が形成されていても良い。つなぎ部22は例えば、開口密封部20の口部11との接続箇所に厚肉の構造で形成される。つなぎ部22は、破断された開口密封部20の口部11との接続を保ち、液体の流れをせき止めない。
なお、薄肉部21は、開口密封部20の全周に亘って形成されていても良いもののつなぎ部22と平面視で重なる部分では省略されていても良い。更に、薄肉部21が部分的に省略される構成の場合には、その部分で、開口密封部20が脱落防止されるように機能させ、つなぎ部22が省略されるように構成されていても良い。
つなぎ部22が、液体吐出容器30に対して常に同じ向きで取り付けられるように口部11の端から肩部12の側に向けて図示せぬ凸条や凹条が形成されていても良い。この場合には、液体吐出容器30に、対応する凹条や凸条が形成されると良い。
液体吐出容器30に対するチューブ容器10の取り付けの構造を種々変更することもできる。図5は変形例に係るチューブ容器110の正面図であり、図6は変形例に係るチューブ容器110の平面図である。
チューブ容器110は、口部111と、これに連なる肩部12とによって構成される頭部成形体113を有している。そして、チューブ容器110は、頭部成形体113に連なる胴部14を有している。チューブ容器110は、頭部成形体113を構成する口部111が異なる以外はチューブ容器10と同様の構成である。
図7は変形例に係る頭部成形体113の正面図である。頭部成形体113には突起17に替えておねじ117が形成されている。おねじ117は、口部11の外周面から更に外側にらせん状に突出して形成されている。おねじ117は、図7に例示されるように口部11の外周に1周程度形成されていれば充分である。図7には、1条のおねじ117が例示されているもののこれは多条であっても良い。頭部成形体113は、おねじ117を有する以外は頭部成形体13と同様の構成である。
図8は変形例に係る頭部成形体113の断面図である。頭部成形体113にも、開口15を封鎖する開口密封部20が口部111と一体に成形されている。開口密封部20は、おねじ117よりも開口15の端の側に形成されている。
図9は、変形例に係るチューブ容器110の一部が拡大された断面図である。チューブ容器10と同様にチューブ容器110は、フィルム状の積層体が筒状に成形された胴部14の一端が頭部成形体113の肩部12と接合されている。
ここで、図4、図8、及び図9に例示された開口密封部20を開口15の端、すなわち、口部11や口部111(以下ではまとめて口部11と称する)の端に面一に形成することも可能である。しかしながら、頭部成形体13や頭部成形体113(以下ではまとめて頭部成形体13と称する)が、圧縮成形(コンプレッション成形)によって製造される場合には口部11の端において金型が開くようになる。そうすると、金型の分割されるラインに発生する出っ張りであるパーティングラインが口部11の端に生じ、バリが生じたり、成形品の寸法精度が出にくくなったりする傾向がある。したがって、図4、及び図8に例示されるように開口密封部20は、開口15の端との間に段差を有することがより好ましい。
一方で、突起17やおねじ117には精度が求められるためパーティングラインがまたがらないことが必要とされる。したがって、開口15の端からの開口密封部20の段差は開口密封部20の厚さも考慮された上で開口密封部20と、突起17やおねじ117とが正面視で重ならない範囲とされることが好ましい。図4、図8、及び図9には金型の分割線23が二点鎖線で示されている。
図10は、組み合わせ体1の一部が拡大された断面図である。液体吐出容器30は、取り付け部40と、接続流路部50と、ディスペンサ60とを有する。取り付け部40は、接続流路部50の上側に設けられる。図10に例示されるように取り付け部40は、接続流路部50の上面に位置することが好ましい。取り付け部40は、チューブ容器10の口部11と嵌合するように構成される。
接続流路部50の上面には、円柱状にくりぬかれた凹部41が形成されている。この凹部41が、取り付け部40の基本構造となる。凹部41の底には、接続流路部50の内部と連通する開口42が接続流路部50を上下に貫く方向に形成されている。凹部41の外周方向に連なる接続流路部50の上面にはすり鉢状傾斜面43が、チューブ容器10の肩部12の傾斜面に対応して形成されていても良い。
図11は、チューブ容器10と、取り付け部40との嵌合状態が例示された断面図である。凹部41には、内周面から更に内側に環状に突出する突起44が形成されている。突起44は、凹部41の開放側の誘導面45と、凹部41の底側の返し面46とによって構成されている。誘導面45は、凹部41の底に近づくほど凹部41の内側に狭まる緩斜面で構成されている。一方で、返し面46は、凹部41の底に近づくほど凹部41の外側に広がる急斜面で構成されている。返し面46は、凹部41の内周面に対して垂直であっても構わない。
突起44は、チューブ容器10の口部11の突起17に対応した形状を有する。チューブ容器10の取り付け部40への装着方法はいわゆる打栓式である。すなわち、チューブ容器10は、口部11が凹部41を上から覆うようにあてがわれ、下方に押し込まれることによって取り付け部40と嵌合するように構成されている。チューブ容器10の突起17と取り付け部40の突起44とは内外周が逆で構成されていても構わない。
突起44は、図11に例示されるような1段ではなく複数段で構成されていても良い。チューブ容器10の突起17と一段目の突起44とが嵌合してチューブ容器10がぐらつきにくい状態が創り出されることによってチューブ容器10をより安定した状態で取り付け部40に押し込むことができる。
チューブ容器10が取り付け部40に装着される際には、取り付け部40の誘導面45に対してチューブ容器10の誘導面18が滑り込むように構成されている。そして、チューブ容器10の突起17が、取り付け部40の突起44を乗り越えると、チューブ容器10の返し面19と、取り付け部40の返し面46とが接する状態となるように構成されている。一方で、チューブ容器10が取り付け部40に装着された後には、チューブ容器10の返し面19と、取り付け部40の返し面46とが互いに障壁となって取り付け部40からチューブ容器10が容易には抜けないように構成されている。
ただし、チューブ容器10は、中身が空となった際に、取り付け部40からの取り外しが可能であることが必要とされる。したがって、チューブ容器10の突起17、及び取り付け部40の突起44の少なくとも一方は柔軟性や可撓性のある素材によって構成されることが好ましい。
なお、返し面46の周回の一部が緩斜面に形成されていても良い。返し面46の緩斜面の部分をチューブ容器10の突起17が滑ることによって取り付け部40からチューブ容器10を容易に取り外すことができる。凹部41の周方向において緩斜面とは逆側の方向に当たる接続流路部50の上面等には、チューブ容器10の取り外しの際に傾ける方向を案内する表示が記されていても良い。
突起17、及び突起44は環状に、全周に亘って設けられていなくても構わない。例えば、チューブ容器10は、口部11の径方向で対向する2つの突起17を有し、それぞれの突起17は平面視で、口部11の中心角が90°以下の範囲に形成されていても良い。そして、突起44についても突起17と同様に形成されていても良い。突起17、及び突起44がこのように構成されることによってチューブ容器10を平面視で90°回転させることで容易に取り外すことができる。
図12は、変形例に係るチューブ容器110と、取り付け部140との嵌合状態が例示された断面図である。チューブ容器110には突起17に替えておねじ117が形成されている。一方で、取り付け部140にも突起44に替えてめねじ144が形成されている。チューブ容器110の取り付け部140への取り付け方法はいわゆるねじ式である。チューブ容器110のおねじ117と取り付け部140のめねじ144とは内外周が逆で構成されていても構わない。
おねじ117、及びめねじ144によるねじ式の構成は打栓式の構成と比べて、取り付け、及び取り外しに要する力をより低減させることができ、更に、取り付け部140にチューブ容器110をより強く固定することができる。
液体吐出容器30は、チューブ容器10や、チューブ容器110等と、取り付け部40のような打栓式、及び取り付け部140のようなねじ式のいずれかで嵌合されれば良い。しかしながら、液体吐出容器30は、チューブ容器10や、チューブ容器110等を取り外し可能に固定できるのであれば打栓式の取り付け部40、及びねじ式の取り付け部140以外の構成であっても構わない。
取り付け部40や取り付け部140(以下ではまとめて取り付け部40と称する)は、装着されるチューブ容器10やチューブ容器110(以下ではまとめてチューブ容器10と称する)の方に向かって突出する突起部47を備える。突起部47は、チューブ容器10との間で気密性を有して付着するように構成される。
突起部47は、口部11の内周面の形状、すなわち、開口15の周縁に沿った形状で構成される。通常の開口15は円柱状である。したがって、図11や図12等に例示されるように突起部47は円筒状に形成されている。そして、組み合わせ体1は、取り付け部40にチューブ容器10が装着された際に口部11の内周面と、突起部47の外周面とが液密性を有して付着するように構成されている。すなわち、突起部47は、いわゆるインナーリングの機能を有している。チューブ容器10の突起17やチューブ容器110のおねじ117と、取り付け部40の突起44や取り付け部140のめねじ144とで内外周が逆で構成されている場合には突起部47は、いわゆるアウターリングの機能を有していれば良い。
したがって、取り付け部40にチューブ容器10が取り付けられるときや液体吐出容器30が継続的に使用されている間に液体は、取り付け部40からこぼれず、液体吐出容器30の外面や、作業者の手等に付着して汚れることがない。そして、チューブ容器10が取り付けられたままで液体吐出容器30を用いることができ、液体吐出容器30、及びチューブ容器10の取り付けられた組み合わせ体1はかさばらない。
突起部47は、チューブ容器10の開口密封部20を破断する機能を有していると良い。そして、突起部47は、斜め切りされた円筒状に形成されている。突起部47は、斜め切りされた切断面において、最も突出している突出頂部47tと、最も突出していない突出基部47bとを有する。図11や図12等において、突出頂部47tは左側に、突出基部47bは右側に示されている。図11や図12等に例示される突起部47は正面視で、突出頂部47tと、突出基部47bとの間で斜め切りされた切断面が直線となるように形成されている。突出頂部47tはちょうど刃の形状となっている。
突出頂部47tは少なくとも、開口密封部20を口部11から薄肉部21で破断した上で持ち上げて、突起部47と、開口密封部20との隙間に液体の流れを確保することができる構成であれば良い。突出頂部47tの端の角度が小さすぎると、突起部47が、開口密封部20を突き抜けるだけで持ち上げにくくなってしまう傾向がある。したがって、突出頂部47tの切断面は、突起部47の突出方向に対して略垂直方向、すなわち、正面視で、略水平に形成されていても良い。突出頂部47tは、このように構成されることによって、開口密封部20を突き抜けてしまうことが防がれて、開口密封部20を効率良く押し破る力を伝えることができるため、開口密封部20の破断、及び押し込みがより確実となる。
突出頂部47tは、チューブ容器10の側の寸法にはよるものの、口部11が、凹部41にあてがわれて誘導面18と誘導面45とが接した状態においては開口密封部20を突き抜けない、例えば、開口密封部20と接触する程度の突出長さで構成されると良い。一方で、突出頂部47tは、チューブ容器10が取り付け部40に装着された際に開口密封部20の初期の位置を突き抜ける突出長さで構成されると良い。このように構成されることによって、初期状態では中身の密封されたチューブ容器10が取り付け部40に装着されるとともに開封される。チューブ容器10を取り付け部40に刺し込むという1つの動作で付け替えが完了し、その付け替え作業を簡略化することができる。そして、チューブ容器10の取り付け部40への装着の際に中身が、粘度の低い液体でも漏れない。
突出基部47bは少なくとも、外周面の側において口部11の内周面と付着し、液体吐出容器30と、チューブ容器10との間で密封状態を実現するために充分な突出長さを有していれば良い。逆に、突出基部47bは突出長さが長すぎると、開口密封部20を全周に亘って破断しやすくなってしまって好ましくない。したがって、突出基部47bは、チューブ容器10の取り付け部40への装着が完了した状態において開口密封部20を乗り越えない突出長さを有していると良い。このように、突起部47は、口部11から開口密封部20を部分的に付着した状態で破断するように構成されていることが好ましい。このため、上述されたつなぎ部22が、突出基部47bの位置と合うようにチューブ容器10が、液体吐出容器30に取り付けられるように構成されていると良い。
チューブ容器110と、取り付け部140とのようなねじ式で嵌合される構成の場合には例えば、つなぎ部22に替えて、突出基部47bより内周側に、突出頂部47tを超えない突出長さを有する図示せぬつっかい棒が設けられていても良い。つっかい棒は、取り付け部40から延びていても、取り付け部40より下方の接続流路部50から延びていても構わない。つっかい棒は、つなぎ部22と同様に、破断された開口密封部20の脱落防止機能を有し、破断された開口密封部20の口部11との接続を保ち、液体の流れをせき止めない。
突出基部47bと、突出頂部47tとが正面視で一直線ではなく指数関数状に結ばれ、突出基部47bの付近で略水平に形成されていても良い。このように構成されることによって、破断された開口密封部20の状態によらず、突出基部47bの付近の突起部47と、開口密封部20とに隙間が生じやすくなって液体の流れを確保することができる。
なお、突起部47は、突出基部47bと、突出頂部47tとが直線で結ばれる例示された形状には限らず、例えば段状に形成されていても良い。更に、開口密封部20が剛性を有さない密封シールのような形態の場合には突起部47は、開口密封部20を破断する機能を有さずに、取り付け部40には、密封シールを突き破るピン等が更に別体で設けられていても良い。ピン等は、取り付け部40から延びていても、取り付け部40より下方の接続流路部50から延びていても構わない。
取り付け部40は、突起部47の外周にコンタクトリング48を備えていても良い。図11や図12に例示されるように取り付け部40は、装着されるチューブ容器10の方に向かって突出するコンタクトリング48を備える。コンタクトリング48は、口部11の端面の形状に対応して構成される。通常の口部11は円筒状である。したがって、図11や図12に例示されるコンタクトリング48は円環状に形成されている。そして、組み合わせ体1は、取り付け部40にチューブ容器10が装着された際に、口部11の端面と、コンタクトリング48の突出面とが付着して、液体の流れる内部と、組み合わせ体1の外部との間での液密性が図られるように構成されている。
接続流路部50は液体を取り付け部40からディスペンサ60に誘導するように構成される輸送機構である。図1等に例示される接続流路部50は略直方体状の外形を有し、図10に示されるように空洞の内部が、液体の流路51となっている。
接続流路部50は、チューブ容器10に収容された液体の容量の一部をためる容積を有するのが好ましい。チューブ容器10も、組み合わせ体1における容器の一部として用いられるため、接続流路部50の容積は、チューブ容器10に収容された液体の容量より充分に少なくて構わない。この容積は、チューブ容器10の中身が最後まで使い切られた際に、液体吐出容器30から液体がまだ吐出される状態でありながら、チューブ容器10の取り換えのために取り付け部40から外されても液体が漏れないような大きさであれば良い。
そして、接続流路部50が、液体の容量の一部をためる容積を有することによってチューブ容器10にわずかに残った液体が接続流路部50に自重で落ち、チューブ容器10の残液をより減少させることができる。そして、チューブ容器10は、液体吐出容器30に取り付けられたままで用いられるため、液体が、接続流路部50に落ちる時間が充分にあり、チューブ容器10の残液を効果的に減少させることができる。
更に、接続流路部50が、必要最小限の容積を有して構成されることによって、液体吐出容器30、及びチューブ容器10の取り付けられた組み合わせ体1はかさばらない。そして、液体吐出容器30の製造に必要な材料、及び費用を削減することができる。
なお、接続流路部50のこの容積が多少大きく形成されていても良い。これによって、チューブ容器10の交換時期を早めることができる。ただし、この場合においても、チューブ容器10の中身の容量よりも接続流路部50の容積が小となるように設計されていることが好ましい。接続流路部50の容積が小とされることによって流路51が浅くなり、液体の残量を極めて少なくすることができる。
流路51の底面52は、取り付け部40からディスペンサ60に向けた液体の流れの方向において、取り付け部40の側がより高位で、ディスペンサ60の側がより低位となるように傾斜が形成されている。図10には、取り付け部40の側の底面52からの水平線Lが二点鎖線で示されている。そして、ディスペンサ60の側における流路51の底面52には凹面状のたまり部53が設けられていても良い。底面52の中で最も低位のたまり部53には流れる液体が最終的には集まる。
底面52の傾斜に対応して、接続流路部50の接地面側には脚部54が設けられていても良い。脚部54は、取り付け部40や、ディスペンサ60の下方に設けられると、チューブ容器10の取り付けや、液体の吐出の際に液体吐出容器30の下方向の荷重を支えることができて好ましい。
図13は図10のXIII−XIII線断面図である。流路51の底面52は、流れの幅方向において中央の側でより低位となるように構成されている。すなわち、流路51の底面52は、流れの幅方向における断面がV字状に形成されている。これによって、接続流路部50の内部を流れる液体は流れの幅方向の中央に集まる。
これらの底面52の形状は、液体を取り付け部40からディスペンサ60に誘導するに際し、接続流路部50に導入されている液体の量が少ない場合や液体の粘度が低い場合には特に有効である。これらのような場合であっても接続流路部50は、ディスペンサ60に液体を残量がないように確実に送ることができる。
接続流路部50は、少なくとも一部が透明材料で構成されていても良い。接続流路部50に導入されている液体の量を透明材料越しに確認することが可能となる。図1に例示されるように、取り付け部40からディスペンサ60に向けて液体が流れる途中における接続流路部50の外壁に、透明材料による窓部55が設けられると良い。図10に例示されるように窓部55は、接続流路部50の高さ方向において、開口42の位置と、底面52の位置との間に設けられていると液体の残量を常に視認することができて良い。
ディスペンサ60は液体を吐出(分配)する機構である。図1に例示されるようにディスペンサ60は、吸い上げ管61と、ポンプ62と、ノズルヘッド63と、ノズル64と等を有する。吸い上げ管61は、鉛直方向に延びる円筒状の内部を液体が通過するように構成されている。ポンプ62は、吸い上げ管61が下側にノズルヘッド63が上側に接続されており、ポンプ62の内部を液体が通過するように構成されている。ポンプ62は、図示せぬバルブと、図示せぬ圧縮コイルばねとを内蔵している。ノズルヘッド63は、鉛直方向に延びてポンプ62が下側に接続されている。ノズルヘッド63の上端には、水平方向に延びるノズル64が接続されている。ノズルヘッド63、及びノズル64の内部を液体が通過するように構成されている。
ディスペンサ60は、ノズルヘッド63が押し下げられるとポンプ62に内包される液体がノズル64から吐出され、ノズルヘッド63への荷重が解放されると圧縮コイルばねによってノズルヘッド63が押し上げられるとともにバルブが開き、吸い上げ管61を通じてポンプ62の内部に液体を吸い込むように構成されている。
なお、ポンプ62は、ノズルヘッド63が押し下げられることで液体が吐出される手動の構成に限らず、電動ポンプであっても構わない。
ディスペンサ60は、接続流路部50に直接取り付けられていても構わない。しかしながら、ディスペンサ60は、図1に例示されるように、接続流路部50の上面から上側に、筒状の容器65が設けられ、容器65の上面からノズルヘッド63が突出するように構成されていても良い。容器65は、ノズルヘッド63、及びノズル64の位置を高め、ノズルヘッド63を押し下げやすくするとともに、ノズル64から吐出される液体を受けやすくして液体吐出容器30の作業性を向上させることができる。
吸い上げ管61の端は、図10に例示されるように、たまり部53に至るように配置されることが好ましい。これによって、液体吐出容器30を傾けるようなことが行われなくてもたまり部53に集まった液体を吸い上げることができ、接続流路部50の残液をより減少させることができる。
頭部成形体13には、口部11や肩部12が適度の硬さとなるように成形することができ、胴部14の材料との接着性が高く、中身の品質に影響を与えず、中身に接触しても衛生的に支障のない材料が用いられる。このような材料として頭部成形体13には熱可塑性樹脂が用いられ、より具体的には高密度ポリエチレンが用いられる。
更に、頭部成形体13には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)等のポリオレフィン樹脂や、オレフィンと、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、不飽和カルボン酸等の共重合性モノマーとの共重合体やこれらのブレンド組成物等のポリオレフィン系樹脂、及び上述の樹脂が、高密度ポリエチレンにブレンドされた樹脂等が用いられても良い。更に、耐熱性や、胴部14との熱接着性の観点からは頭部成形体13には、直鎖状低密度ポリエチレンに高密度ポリエチレンがブレンドされた樹脂が用いられると良い。更に、頭部成形体13の特に肩部12には、酸素等の気体の透過を防止するためにバリア材としての円錐台状筒体のロンデル成形体が積層されていても良い。
そして、これらのような樹脂が用いられる頭部成形体13の厚さは0.5 mm以上、1.5 mm以下であることが好ましい。
胴部14には、柔軟性を有するとともに自立性を維持することができ、頭部成形体13の材料との接着性が高く、中身の品質に影響を与えず、中身に接触しても衛生的に支障のない材料が用いられる。このような材料として胴部14には、主に熱可塑性樹脂による積層体が用いられ、より具体的には、中身に接触する最内層には低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン等、最外層には、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン等、中間層には、アルミニウムやケイ素の蒸着されたポリエチレンテレフタラートや、アルミニウム箔、二軸延伸ポリアミド等が用いられる。
頭部成形体13の製造には、圧縮成形(コンプレッション成形)や射出成形(インジェクション成形)を用いることができる。胴部14の製造には、フィルム状の積層体が筒状に丸められ、重なり合った両端部が溶着される方法を用いることができる。胴部14は、予め成形された頭部成形体13と熱溶着されても良く、頭部成形体13の成形時に同時に溶着されても良い。
頭部成形体13、及び胴部14は、開口密封部20を有さないような構成の場合には製造工程の簡素化や製造の高速化等の観点から一体に形成されても良い。例えば押し出しブロー成形によって、頭部成形体13と胴部14とが一体に形成された上で、中身の充填用に、底シール部16(図2等参照)となる部分が切断されれば良い。押し出しブロー成形は、単層押し出しブロー成形であっても良く、積層押し出しブロー成形であっても良い。積層押し出しブロー成形とされた場合には、頭部成形体13、及び胴部14を積層構造とすることができ、例えば中間層としてバリア層を有する構成とすることもできる。
チューブ容器10に収容される中身は胴部14(図2等参照)の下端から注入することができる。チューブ容器10の中身としては、充分に高い流動性を有する粘度の低い液体を充填することができる。より詳細に、チューブ容器10の中身としては、醤油等の調味料や、希釈飲料の原液、サラダ油等の食料品、シャンプー等のトイレタリー、化粧水や香水等の化粧品、消毒液等の医薬品等種類を問わず充填することができる。中身の充填されたチューブ容器10の胴部14の下端がヒートシールされ、底シール部16(図2等参照)が形成されることで充填体が得られる。
液体吐出容器30には、適度の剛性、及び耐衝撃性を有し、容易に成形することができ、中身に接触しても衛生的に支障のない材料が用いられる。このような材料として液体吐出容器30には熱可塑性樹脂が用いられ、より具体的には、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等のポリプロピレンや、ポリエチレン、特に高密度ポリエチレン等が用いられる。液体吐出容器30の製造方法には特に限定はないものの、例えば射出成形機で形成されると良い。
次に、チューブ容器10の付け替え方法について詳細に説明する。
まず、チューブ容器10にオーバーキャップが取り付けられている場合には取り外される。そして、チューブ容器10の口部11が、液体吐出容器30の凹部41にあてがわれる。チューブ容器10は開口密封部20を備えているので口部11が下向きとされても中身がこぼれない。
口部11と凹部41とに、チューブ容器10の向きを合わせる凸条や凹条が形成されている場合には凸条と凹条とがかみ合うようにチューブ容器10が回転される。この時点で、チューブ容器10の突起17の誘導面18と、取り付け部40の突起44の誘導面45とが接した状態となる。一方で、取り付け部40の突起部47からはまだ、チューブ容器10の開口密封部20に対して荷重がかかっていない。
チューブ容器10が下向きに押し込まれる。このとき、取り付け部40の下方における接続流路部50の接地面側に脚部54が設けられていると、液体吐出容器30が変形せずにチューブ容器10が押し込みやすい。
チューブ容器10の突起17が、取り付け部40の突起44を乗り越えるとともに、取り付け部40の突起部47が、チューブ容器10の開口密封部20を押し上げて薄肉部21で口部11から破断する。チューブ容器10の開口15と取り付け部40の開口42とが連通し、開口密封部20の破断されたチューブ容器10から液体吐出容器30の接続流路部50に向けて液体が流れ落ちる。その際に、突起部47の外周面は口部11の内周面と液密性を有して付着する状態が維持される。したがって、開口密封部20の破断の進行中においてもチューブ容器10と、取り付け部40との間から液体が漏れない。
チューブ容器10の返し面19と、取り付け部40の返し面46とが互いに障壁となる状態で接してチューブ容器10は、液体吐出容器30の取り付け部40に固定される。接続流路部50の上面のすり鉢状傾斜面43がチューブ容器10の肩部12の傾斜面に対応して形成されているとチューブ容器10がより安定して自立する。
チューブ容器110の場合には、チューブ容器10が下向きに押し込まれるのとは異なり、取り付け部140に対してチューブ容器110が回転される。チューブ容器110では、突起17、及び突起44の替わりにおねじ117、及びめねじ144が用いられていること以外の作用はチューブ容器10の場合と同様である。
なお、窓部55での視認等で、チューブ容器10やチューブ容器110が空となったと判断された際にはチューブ容器10やチューブ容器110が液体吐出容器30から取り外される。チューブ容器10やチューブ容器110は液体吐出容器30に取り付けられたままで用いられるため、液体が、接続流路部50に落ちる時間が充分にあり、チューブ容器10やチューブ容器110には残液がほとんどない。したがって、チューブ容器10やチューブ容器110が取り外される際にも液体がこぼれない。
チューブ容器10であっても、チューブ容器110であっても取り付け部40に刺し込むという1つの動作で付け替えが完了し、その付け替え作業が簡略化されている。したがって、本実施形態に係る液体吐出容器30や組み合わせ体1によれば中身の補充に、時間も手間もかからない。更に、付け替えの際に、ディスペンサ60の部分を取り外す必要がなく、液体が垂れる等して、液体吐出容器30の外面や、作業者の手等を汚すことがない。そして、本実施形態に係る構成によれば、詰め替え操作に慣れていないような人であっても極めて短時間で容易に、液体をこぼさずに、付け替えの作業を完了することができる。
以上のように、本実施形態に係る液体吐出容器30は、チューブ容器10の口部11と打栓式又はねじ式で嵌合する取り付け部40と、液体を吐出するディスペンサ60と、液体を取り付け部40からディスペンサ60に誘導する接続流路部50とを有し、取り付け部40は、装着されるチューブ容器10の方に向かって突出してチューブ容器10の口部11との間で気密性を有して付着する突起部47を備える。更に、本実施形態に係る組み合わせ体1は、上述の液体吐出容器30と、チューブ容器10とを備える。本実施形態によれば、補充される中身の収容された替えの容器の付け替え作業を簡略化し、かつ中身がこぼれず、かさばらない液体吐出容器30、及び組み合わせ体1を提供することができる。