JP6832742B2 - 繊維製品 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減された織物および繊維製品に関する。
従来、人体保護用の防護衣料の分野においては、活動内容に応じ、耐熱、難燃だけではない様々な特性が要求されている。特に屋外の暑熱現場に使用される作業服には難燃性能だけではなく、軽量、通気度、吸汗、肌へまとわりつき、耐光堅牢度などを考慮した織物が求められる。
このため、例えば、セルロースマルチフィラメントと合繊マルチフィラメントが混繊され、少なくとも一方が仮撚された複合捲縮加工糸による織編物、裏組織の緯糸に吸放湿性合成繊維を使用し、裏面に凹凸を有する経緯二重組織あるいは緯二重組織でなる織物、少なくとも一方の面に凹凸構造を有する織編物であって、一方のみの面の凸部にのみ撥水剤が付着していることを特徴とする織編物、難燃性可染糸と非融着繊維糸とを含む単層両面仕立て布帛であって、難燃性可染糸が布帛表側の主要構成要素であり、非融着繊維糸が布帛裏側の主要構成要素である布帛などが提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
しかしながら、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減された織物は、これまであまり提案されていない。
特許第3701872号公報 特開2003−147657号公報 特許第4575199号公報 特許第5922093号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減された織物および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、用いる繊維の種類と織物祖組織とを巧みに工夫することにより難燃性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減された織物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「セルロース系繊維を含みかつ限界酸素指数LOIが28以上の糸条を含み、変化織物組織を有することを特徴とする織物を用いてなり、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、およびベストからなる群より選択されるいずれかの繊維製品であって、
前記セルロース系繊維が難燃レーヨンであり、
前記糸条に前記セルロース系繊維が糸条重量対比20〜70重量%含まれ、
前記糸条において、JIS L0842−2004第3露光法で4級以上であり、
前記糸条が、原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、
前記糸条が、さらにパラ型全芳香族ポリアミド繊維およびポリエステル繊維を含み、
前記変化織物組織が、浮き本数が2〜5本の、経浮き成分および/または緯浮き成分を含み、よしず、緯二重、経二重、および平二重のうちいずれかであり、
前記織物のカバーファクターCFが2500〜3000の範囲内であり、
前記織物の目付けが160〜210g/m の範囲内であり、
前記織物においてJIS L1096−1990通気性A法(フラジール法)が20〜40cm /cm /sの範囲内であり、
前記織物においてJIS L1076−1992A法10時間のピリングが3級以上であり、
かつ前記織物においてJIS L1058−1995D4法のスナッグが3級以上である繊維製品。」が提供される。
ただし、カバーファクターCFは下記式により算出される。
CF=wp×√Dp+wf×√Df
wp:経糸密度(本/2.54cm)、wf:緯糸密度(本/2.54cm)、Dp:経糸総繊度(dtex)、Df:緯糸総繊度(dtex)
本発明によれば、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減された織物および繊維製品が得られる。
凸部の織組織図を例示する図である。 本発明で用いることのできる織物組織と、1基本組織に含まれる凸部の個数を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の織物に含まれる糸条はセルロース系繊維を含みかつ限界酸素指数LOIが28以上(好ましくは28〜40)である。該糸条にセルロース系繊維が含まれない場合は、糸条に吸水性を付加することができず、その結果、べとつきが発生するおそれがあり、好ましくない。
かかるセルロース系繊維としては特に限定されないが、難燃性の点で難燃レーヨンが好ましい。
また、糸条に含まれるセルロース系繊維の含有量としては、糸条重量対比20〜70重量%の範囲内であることが好ましい。該含有量が20重量%よりも小さいと、糸条の吸水性が低下するおそれがある。逆に、該含有量が70重量%よりも大きいと、糸条の難燃性が低下するおそれがある。
また、前記糸条において、限界酸素指数LOIを前記範囲とする上でメタ型全芳香族ポリアミド繊維が含まれることが好ましい。
ここで、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であってもよい。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが好ましい。
かかるメタ型全芳香族ポリアミド繊維として、優れた耐光堅牢度を得る上で国際公開公報第2013/061901号パンフレットに記載されているような原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。
すなわち、本発明に用いられる顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、あるいは、カーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、メタ型全芳香族ポリアミドと顔料との混合方法は、アミド系溶媒中に顔料を均一分散したアミド系溶媒スラリーを作成し、当該アミド系溶媒スラリーをメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法、あるいは顔料粉末を直接、メタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
顔料配合量としては、メタ型全芳香族ポリアミドに対して10.0質量%以下、好ましくは5.0質量%以下である。10.0質量%より多く添加した場合には、得られる繊維の物性が低下し好ましくない。
前記のようなメタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いても良い。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。その際、前記のような難燃剤を含ませることが好ましい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液または原着メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
また、前記糸条が、さらにパラ型全芳香族ポリアミド繊維およびポリエステル繊維を含むと、強度、速乾性、プリーツ付与性などが向上し好ましい。
その際、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、パラフェニレンテレフタラミド繊維またはコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維がより好ましい。
ポリエステル繊維を形成するポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種を主たるグリコール成分とするポリエステルが好ましい。なかでも、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)またはトリメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル(ポリトリメチレンテレフタレート)が特に好ましい。
かかるポリエステルには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。
前記ポリエステルは任意の方法によって合成したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレートの場合について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造されたものでよい。また、前記ポリエステルは、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステル、または、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルであってもよい。さらには、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステルでもよい。
前記ポリエステルには、着色剤のほか、紫外線吸収剤がポリエステル重量対比0.1重量%以上(好ましくは0.1〜5.0重量%)含まれていると、布帛に紫外線遮蔽性が付加され好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、ベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系有機紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系有機紫外線吸収剤、サリチル酸系有機紫外線吸収剤などが例示される。なかでも、紡糸の段階で分解しないという点からベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤が特に好ましい。
また、前記ポリエステルには、必要に応じて、艶消し剤(二酸化チタンなど)、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩など)、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモンなど)、蛍光増白剤、帯電防止剤(スルホン酸金属塩など)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコールなど)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上が含まれていてもよい。
前記糸条には、さらに導電性繊維など他の合成繊維が含まれていてもよい。その際、導電性繊維としては、導電性繊維の導電部の導電体として、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性ウィスカー、およびカーボンナノチューブの少なくとも一つを含む繊維が好ましい。
導電性繊維の形態は、繊維全体が導電部からなる構造でもよいし、非導電部と導電部が芯鞘、サンドイッチ、偏芯などの断面形状を有していてもよい。導電部、非導電部を形成する樹脂は、繊維形成性を有していれば、特段限定されるものではない。具体的には、ナイロン樹脂では、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロンなどが挙げられる。また、ポリエステル樹脂では、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートおよびこれらの共重合体や酸成分(テレフタル酸)の一部をイソフタル酸で置き換えたものなどが挙げられる。
市販されている導電性繊維としては、クラレ社製「クラカーボ」(商品名)、KBセーレン社製「ベルトロン」(商品名)、東レ社製「ルアナ」(商品名)、ユニチカトレーディング社製「メガーナ」(商品名)などが例示される。特に、導電性成分が鞘部に配された芯鞘型複合繊維が好ましい。かかる芯鞘型複合繊維としては、ソルシア社製「NO SHOCK(登録商標)」が好ましい。
本発明において、前記糸条がマルチフィラメント(長繊維)でもよいが、前記のような繊維が混紡された紡績糸であることが好ましい。かかる紡績糸において、低摩耗特性を付加し、ピリング、スナッグを良化させる上で、撚係数Kが17000〜23000の範囲内であることが好ましい。撚係数Kが該範囲よりも小さいと、繊維間拘束力が低すぎ毛羽の脱落を誘発するおそれがある。逆に、撚係数Kが該範囲よりも大きいと、解撚トルクにより製織性が低下するおそれがある。なお、撚係数Kは下記式により算出される。
K=N×√D
D:総繊度(dtex)、N:撚数(回/m)
また、糸条の総繊度としては、織物のカバーファクターCFや目付けの点から200 〜400dtexの範囲が好ましい。
また、前記糸条において、JIS L0842−2004第3露光法で4級以上であることが好ましい。
本発明の織物は、前記の糸条を含み、かつ変化織物組織を有する。変化織物組織とは平組織以外の組織である。かかる組織において、経浮き成分および/または緯浮き成分を含むことが好ましい。かかる経浮き成分および/または緯浮き成分において、浮き本数が2〜5本の範囲内であることが好ましい。具体的には、図2に示すような、よしず、緯二重、経二重、平二重などが例示される。
前記変化織物組織において、経糸が連続して露出した凸部(以下単に「凸部」ということもある。)を有していると、かかる凸部が肌面側に位置するよう使用することで、汗による皮膚へのべとつきが低減され好ましい。
かかる凸部の織組織図を図1の(1)〜(5)に例示する。かかる凸部の周囲の織組織を平組織とすることが好ましい。また、かかる凸部の個数密度は1平方インチ(2.54cm)あたり200〜500個(より好ましくは250〜350個)の範囲内であることが好ましい。凸部の個数密度が該範囲より小さいと、外部擦過に対し応力が集中するため、凸部先端が摩耗し、品位が悪化するおそれがある。逆に、凸部の個数密度が該範囲より大きいと、皮膚への接触面積が大となり貼りつき感を感じるようになるおそれがある。
本発明において、布帛の織物は特に限定するものではなく、公知のいかなる方法でも用いる可能である。例えば、上記繊維を混綿して紡績糸を得た後、単糸または双糸にてレピア織機やグリッパ織機などを用いて、例えば、図2に示す織組織図に従って製織することが好ましい。
次いで、織物に染色加工を施すことが好ましい。その際、着色手段としては公知の手段が可能である。すなわち全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)は原着であってもよいし、キャリア剤を用いて染色してもよい。前記セルロース系繊維の着色方法としては、原着でもよいが、染色加工による着色が好ましい。特にスレン染料を用いた染色加工が耐光堅牢度を向上させる上で好ましい。
本発明の織物において、織物のカバーファクターCFが2500〜3000の範囲内であることが好ましい。織物のカバーファクターCFが該範囲よりも小さいと通気性は向上するものの遮熱性が低下するおそれがある。逆に、織物のカバーファクターCFが該範囲よりも大きいと、通気性が低下し汗による皮膚へのべとつきが発生し、着用者が不快感を感じるおそれがある。
ただし、カバーファクターCFは下記式により算出される。
CF=wp×√Dp+wf×√Df
wp:経糸密度(本/2.54cm)、wf:緯糸密度(本/2.54cm)、Dp:経糸総繊度(dtex)、Df:緯糸総繊度(dtex)
また、目付けとしては、160〜210g/mの範囲内であることが好ましい。目付けが該範囲より小さいと遮熱性が低下するおそれがある。逆に、目付けが該範囲より大きいと通気性が低下するおそれがある。
本発明の織物は前記の構成を有するので、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減される。
ここで、JIS L1096−1990通気性A法(フラジール法)が20〜40cm/cm/sの範囲内であることが好ましい。
また、JIS L1076−1992A法10時間のピリングが3級以上であることが好ましい。
また、JIS L1058−1995D4法のスナッグが3級以上であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は前記の織物を用いてなり、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、およびベストからなる群より選択されるいずれかの繊維製品繊維製品である。かかる繊維製品は前記の織物を用いているので、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減される。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)糸条の限界酸素指数LOI
糸条を平組織織物にした後、JIS L1091−1999 E法により測定した。
(2)色相
CIE色相表示で示す。
(3)耐光堅牢度
糸条を平組織織物にした後、JIS L0842−2004第3露光法で測定した。
(4)通気性
JIS L1096−1990通気性A法(フラジール法)で測定した。
(5)ピリング
JIS L1076−1992A法10時間で測定した。
(6)スナッグ
JIS L1058−1995D4法で測定した。
(7)べとつき
試験者1名が、べとつき感がなく良好である、普通、べとつき感があり不良である、の3段階に評価した。
(8)凸部の大きさ
たてとよこの織組織点の数である。
[用いた繊維原綿]
「メタ型全芳香族ポリアミド繊維原着単繊維」帝人株式会社社製、「コーネックス」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm
「パラ型全芳香族ポリアミド短繊維」帝人株式会社製、「テクノーラ」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm
「難燃レーヨン」レンチング社製、「LenzingFR」(登録商標)、平均単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm
「ポリエステル短繊維」帝人株式会社社製、「テトロン」(登録商標)、平均単繊維繊度1.45dtex、繊維長38mm
[実施例1〜5、比較例1]
表1に示すように、繊維原綿を用いて単糸(紡績糸)を得た後、該単糸を2本用いて合撚し、原糸1と原糸2を得た。糸条の評価結果を表1に示す。
次いで、表2に示すように、織物を得た後、常法の毛焼き、精練、染色加工により難燃レーヨンを着色した。織物の評価結果を表2に示す。
レーヨンサイドの染色のみです。
本発明によれば、難燃性、遮熱性、耐光堅牢度、ピリング、スナッグに優れ、汗による皮膚へのべとつきが低減された織物および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (1)

  1. セルロース系繊維を含みかつ限界酸素指数LOIが28以上の糸条を含み、変化織物組織を有することを特徴とする織物を用いてなり、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、およびベストからなる群より選択されるいずれかの繊維製品であって、
    前記セルロース系繊維が難燃レーヨンであり、
    前記糸条に前記セルロース系繊維が糸条重量対比20〜70重量%含まれ、
    前記糸条において、JIS L0842−2004第3露光法で4級以上であり、
    前記糸条が、原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、
    前記糸条が、さらにパラ型全芳香族ポリアミド繊維およびポリエステル繊維を含み、
    前記変化織物組織が、浮き本数が2〜5本の、経浮き成分および/または緯浮き成分を含み、よしず、緯二重、経二重、および平二重のうちいずれかであり、
    前記織物のカバーファクターCFが2500〜3000の範囲内であり、
    前記織物の目付けが160〜210g/m の範囲内であり、
    前記織物においてJIS L1096−1990通気性A法(フラジール法)が20〜40cm /cm /sの範囲内であり、
    前記織物においてJIS L1076−1992A法10時間のピリングが3級以上であり、
    かつ前記織物においてJIS L1058−1995D4法のスナッグが3級以上である繊維製品。
    ただし、カバーファクターCFは下記式により算出される。
    CF=wp×√Dp+wf×√Df
    wp:経糸密度(本/2.54cm)、wf:緯糸密度(本/2.54cm)、Dp:経糸総繊度(dtex)、Df:緯糸総繊度(dtex)
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