JP6832111B2 - ステントグラフト、ステントグラフトセット、及び、ステントグラフト留置装置 - Google Patents

ステントグラフト、ステントグラフトセット、及び、ステントグラフト留置装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステントグラフト、そのステントグラフトと他のステントグラフトとの組合せであるステントグラフトセット、及び、そのステントグラフトを血管内に留置するためのステントグラフト留置装置、に関する。
従来から、大動脈に生じた大動脈瘤及び大動脈解離などの治療に用いられるステントグラフトが知られている。ステントグラフトは、一般に、血液流が通過可能な流路を画成する管形状を有しており、径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部(ステント)と、その骨格部に沿って設けられた皮膜部(グラフト)と、を備えている。ステントグラフトは、骨格部が収縮した収縮状態にて患部(大動脈瘤等が生じている箇所)に運ばれた後、骨格部が拡張した拡張状態へと変形される。これにより、ステントグラフトは、血管を補強すると共に大動脈瘤等への血液流入を遮断し、大動脈瘤等の拡大(成長)を抑制するようになっている。
例えば、従来のステントグラフトの一つ(以下「従来ステントグラフト」という。)は、主血管に生じた大動脈瘤等への血液流入を遮断しつつ、その主血管から分岐する分岐血管への血液流を維持するべく、主血管に留置するステントグラフトの側面に、分岐血管に向けて突出する円錐台形状の開口部(側面開口部)を備えている。従来ステントグラフトは、この側面開口部にも骨格部(例えば、側面開口部の基端から開口端に向けて延びる螺旋状のステント)を設けることにより、留置時に側面開口部を分岐血管に向けて押し出す(展開する)ようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許5789867号公報
上述したように、従来ステントグラフトは、留置時に円錐台形状の側面開口部を分岐血管に向けて押し出すことにより、側面開口部を分岐血管の血管口に挿入するようになっている。しかし、このような側面開口部の機能上、従来ステントグラフトは、側面開口部と分岐血管の血管口との間の位置ずれが出来る限り小さくなるよう、高い位置精度にて留置される必要がある。換言すると、従来ステントグラフトは、留置時に位置精度が不十分である場合、側面開口部が主血管の内壁等に接触(干渉)して分岐血管の血管口に十分に挿入されない(側面開口部が十分に開かない)可能性がある。
一方、通常、ステントグラフトの留置は、X線透視装置による透視画像(二次元の平面画像)を拠り所として行われる。そのため、従来ステントグラフトの側面開口部が分岐血管に対して十分に合致するように(特に、従来ステントグラフトの軸線周りの回転方向において十分に合致するように)従来ステントグラフトを配置することは、一般に困難であり、そのような配置のためには非常に高度な技術が求められることになる。
しかし、ステントグラフトの留置を出来る限り容易にする観点からは、分岐血管と、分岐血管に向けて突出する円錐台形状の側面開口部と、の位置合わせの精度(留置時の位置精度)が仮に不十分であったとしても、ステントグラフトとしての機能が損なわれることがないように、従来ステントグラフトが構成されていることが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、留置時の位置精度が仮に不十分であったとしてもステントグラフトとしての機能を十分に発揮することが可能なステントグラフト、そのステントグラフトと他のステントグラフトとの組合せであるステントグラフトセット、及び、そのステントグラフトを血管内に留置するためのステントグラフト留置装置、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る「ステントグラフト」は、下記(1)〜()を特徴としている。
(1)
血液流が通過可能な流路を画成する管状のステントグラフトであって、
径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部と、
前記骨格部に沿って設けられた皮膜部と、を備え、
前記骨格部が収縮した収縮状態から、前記骨格部が拡張して前記皮膜部によって前記流路が画成された拡張状態へ、変形可能であり、
前記拡張状態において、外周面の一部が径方向内側に窪み、平面状の底面を有する凹部と、前記凹部の前記底面の所定位置から径方向外側に向けて延びる筒状に形成され、前記血液流が通過可能な筒状開口部と、を有し、
前記筒状開口部が、
前記流路から分流して当該筒状開口部を通過する血液流によって当該筒状開口部の開口向きを変更可能な柔軟性を有する、
ステントグラフトであること。

上記()に記載のステントグラフトにおいて、
前記筒状開口部の全体が、
前記拡張状態において、前記凹部によって画成される窪み空間の内側に存在する、
ステントグラフトであること。

上記(1)又は上記(2)に記載のステントグラフトにおいて、
前記骨格部が、
前記筒状開口部と前記凹部との接続箇所の近傍に存在しない、
ステントグラフトであること。
上記(1)の構成のステントグラフトによれば、ステントグラフトの外周面に径方向内側に窪んだ凹部が形成されており、その凹部内に径方向外側に向けて延びる筒状に形成され、血液流が通過可能な筒状開口部が設けられている。そのため、主血管と分岐血管との分岐位置に本構成のステントグラフトが留置される際、仮に筒状開口部が分岐血管に対して十分に合致していなくても、凹部内にて筒状開口部が開く(径方向外側に延びる)ことができる分、従来ステントグラフトに比べて位置ずれに対する許容度が大きいことになる。即ち、本構成のステントグラフトは、従来ステントグラフトに比べ、ステントグラフトとしての機能(例えば、分岐血管への血流確保)を維持しながら、留置時に筒状開口部が開き易い。
したがって、本構成のステントグラフトは、従来ステントグラフトに比べ、留置時の位置精度が仮に不十分であったとしてもステントグラフトとしての機能を十分に発揮することが可能である。
なお、上記構成のステントグラフトを用いれば、主血管と分岐血管との分岐位置の近傍に生じた大動脈瘤等の治療も可能である。具体的には、主血管にステントグラフトを留置した後、ステントグラフトの筒状開口部と、分岐血管に留置された別のステントグラフト(いわゆるブランチ・ステントグラフト)と、を接続すれば、分岐位置の近傍に生じた大動脈瘤等への血液流入を遮断できる。上記構成のステントグラフトは、上述したように筒状開口部が開き易いため、従来ステントグラフトに比べ、別のステントグラフトと容易に接続できる。
更に、上記()の構成のステントグラフトによれば、筒状開口部は主血管(流路)から分流した血液流によって筒状開口部の開口向きが変形可能な程度の柔軟性(フレキシビリティ)を有する。そのため、仮に筒状開口部が分岐血管に対して十分に合致していなくても、主血管から分岐血管に向かう血液流により、筒状開口部が分岐血管に向けて自然に案内されることになる。よって、筒状開口部の開き易さが向上する。更に、筒状開口部がこのような柔軟性を有するため、別のステントグラフト(ブランチ・ステントグラフト)との接続の際、両者の密着性も向上することになる。
なお、筒状開口部は、ステントグラフトを構成する皮膜部によって(皮膜部を延ばすように)構成されてもよく、皮膜部とは別の独立した部材を凹部に接続する(例えば、接着する)ことによって構成されてもよい。更に、筒状開口部は、上述した骨格部(ステント)とは別の部材として、開口端(ステントグラフトの径方向外側に向かう最端部)の閉塞等を防ぐべく、開口端に沿って設けられたリング状の保持具を有してもよい。同様に、筒状開口部は、骨格部(ステント)とは別の部材として、基端(筒状開口部と凹部との接続箇所)の閉塞等を防ぐべく、基端に沿って設けられたリング状の保持具を有してもよい。
上記()の構成のステントグラフトによれば、筒状開口部の全体が凹部による窪み空間の内側に存在する。換言すると、凹部と筒状開口部との接続箇所(筒状開口部の基端)から筒状開口部の開口端までの長さ(即ち、筒状開口部の高さ)よりも、凹部の深さが大きい。そのため、仮に筒状開口部が分岐血管に対して十分に合致していなくても、筒状開口部の開口端が主血管の内壁等に接触(干渉)することがない。よって、筒状開口部の開き易さが更に向上する。
ところで、上記「窪み空間」とは、凹部を画成するステントグラフトの表面と、凹部が存在しないと仮定した場合におけるステントグラフトの表面(仮想的な表面)と、に挟まれる空間を表す。別の言い方をすると、上記「窪み空間」とは、ステントグラフトを血管内に留置した際、凹部を画成するステントグラフトの表面と、血管の内壁面と、に挟まれる空間を表す。
上記()の構成のステントグラフトによれば、筒状開口部と凹部との接続箇所(筒状開口部の基端)の近傍に骨格部が存在しない。そのため、筒状開口部の開口向きの自由度(上述した筒状開口部の柔軟性。フレキシビリティ)が更に向上する。よって、筒状開口部の開き易さが更に向上する。
ところで、上記「接続箇所の近傍」とは、例えば、主血管を通過する血液流による径方向外側に向けた圧力に抗して、凹部(窪み空間)を維持可能な程度の範囲を表す。例えば、凹部の周辺(凹部の外側)の骨格部によって凹部(窪み空間)を維持可能であれば、凹部の全体に骨格部が存在しなくてもよい。
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る「ステントグラフトセット」は、下記()及び()を特徴としている。

上記(1)〜上記()の何れか一つに記載のステントグラフトである第1ステントグラフトと、
前記第1ステントグラフトが有する前記筒状開口部へ接続可能な管状の第2ステントグラフトと、を備えた、
ステントグラフトセットであること。

上記()に記載のステントグラフトセットにおいて、
前記筒状開口部が、
該筒状開口部と前記凹部との接続箇所から離れるにつれて開口面積が小さくなる縮径形状を有し、
前記第2ステントグラフトが、
開口端の近傍において、前記開口端に近付くにつれて開口面積が大きくなる拡径形状を有し、
前記第1ステントグラフトの前記筒状開口部と、前記第2ステントグラフトの前記開口端の近傍と、が互いに密着する、
ステントグラフトセットであること。
上記()の構成のステントグラフトセットによれば、上記(1)〜()の特徴を有する第1ステントグラフト(メイン・ステントグラフト)の筒状開口部に、第2ステントグラフト(ブランチ・ステントグラフト)を接続することにより、主血管と分岐血管との分岐位置の近傍に生じた大動脈瘤等への血液流入を遮断し、そのような大動脈瘤等の治療が可能となる。第1ステントグラフトは、上記(1)〜()に記載のように筒状開口部が開き易いため、従来ステントグラフトに比べ、第2ステントグラフトと容易に接続である。
上記()の構成のステントグラフトセットによれば、第1ステントグラフトの筒状開口部の縮径部分と、第2ステントグラフトの開口端の近傍の拡径部分と、が互いに密着する。これにより、そのような縮径部分および拡径部分が存在しない場合に比べ、両者の接触面積が増大し、両者の間の液密性を向上できる。よって、第1ステントグラフトと第2ステントグラフトとの間からの血液の漏れ(いわゆるエンドリーク)を抑制できる。
ところで、上記「開口端の近傍」とは、例えば、上述した液密性(エンドリークの抑制)を実現可能な程度の範囲を表す。
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る「ステントグラフト留置装置」は、下記()を特徴としている。

血管内にステントグラフトを留置するためのステントグラフト留置装置であって、
上記(1)〜上記()の何れか一つに記載のステントグラフトと、
前記ステントグラフトが前記収縮状態にて収容された収容具と、
前記収容具から前記ステントグラフトを放出して前記拡張状態に変形させる操作具と、
を備えた、
ステントグラフト留置装置であること。
上記()の構成のステントグラフト留置装置によれば、上記(1)〜()の特徴を有するステントグラフトを血管内に留置するための器具一式を提供できる。
本発明によれば、留置時の位置精度が仮に不十分であったとしてもステントグラフトとしての機能を十分に発揮することが可能なステントグラフト、そのステントグラフトと他のステントグラフトとの組合せであるステントグラフトセット、及び、そのステントグラフトを血管内に留置するためのステントグラフト留置装置、を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1(a)は、人体の大動脈の略全体(上行大動脈から総腸骨動脈まで)を模式的に示す図であり、図1(b)は、人体の大動脈の一部である胸部大動脈を拡大して模式的に示す図である。 図2(a)は、本発明の実施形態に係るステントグラフトセットを構成するメイン・ステントグラフト及びブランチ・ステントグラフトを示す斜視図であり、図2(b)は、メイン・ステントグラフトの平面図であり、図2(c)は、図2(b)のA−A断面図である。 図3(a)は、本発明の実施形態に係るステントグラフト留置装置を構成する各部品を示す図であり、図3(b)は、各部品を組み付けたステントグラフト留置装置の全体を示す図である。 図4は、メイン・ステントグラフトを畳む際の筒状開口部の変形の様子を示す図である。 図5(a)〜(f)は、ステントグラフト留置装置を用いてメイン・ステントグラフトを大動脈内の患部に留置する際の手順を説明するための一連の図である。 図6(a)は、メイン・ステントグラフトの筒状開口部と分岐動脈との位置が一致した状態でメイン・ステントグラフトが大動脈に留置された状態の一例を示す図であり、図6(b)は、メイン・ステントグラフトの筒状開口部と分岐動脈との間に位置ずれが生じた状態でメイン・ステントグラフトが大動脈に留置された状態の一例を示す図である。 図7(a)は、図6(a)に示す筒状開口部にブランチ・ステントグラフトを接続した状態を示す図であり、図7(b)は、図7(a)におけるブランチ・ステントグラフトの接続部分を拡大して示す断面図である。 図8(a)は、図2(a)に示した本発明の実施形態に係るメイン・ステントグラフトの変形例を示す図であり、図8(b)は、図2(a)に示した本発明の実施形態に係るメイン・ステントグラフトの他の変形例を示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係るステントグラフトセットの変形例における図7(b)に対応する図である。 図10は、本発明の実施形態に係るステントグラフトセットの変形例における図7(a)に対応する図である。
<大動脈とステントグラフト>
以下、本発明の実施形態を説明するための準備として、先ず、図1を参照しながら、人体の大動脈の構造、及び、大動脈瘤等の治療に使用されるステントグラフトについて簡単に説明する。
図1(a)に示すように、人体の大動脈は、心臓の左心室から上行して弓状に屈曲した後、下行して腹部大動脈の分岐部で総腸骨動脈に分岐されるまでの動脈であって、全身への血液循環の大元となる動脈である。この大動脈を構成する血管壁の一部がこぶ状に膨らんだ状態を「大動脈瘤」という。一方、この大動脈を構成する血管壁の内膜に生じた裂孔等を通じて流出した血液によって中膜に剥がれ(解離)が生じた状態を「大動脈解離」という。これら大動脈瘤等は、大動脈の様々な部位に発生し得るものである。大動脈瘤等は、放置すると死に至る可能性もある重篤な疾患である。
大動脈瘤等の外科的治療法としては、大動脈瘤等が形成されている患部の血管ごと人工血管に置き換える、いわゆる「人工血管置換術」が良く知られている。これに対し、近年、「ステントグラフト内挿術」などと呼ばれる手法が注目されている。この手法は、シース内部に縮径保持されたステントグラフトを備えるステントグラフト留置装置を用いる方法である。具体的には、この方法は、例えば、鼠径部と呼ばれる太股の付け根部分を小さく切開してシースを大動脈内に挿入し、患部においてシースの先端からステントグラフトを露出・展開させてステントグラフトを患部に留置することにより、大動脈瘤等の破裂を防止する方法である。ステントグラフト内挿術は、人工血管置換術と比べ、開胸又は開腹手術を行わなくてもよい低侵襲な治療方法である。
図1(b)に示すように、大動脈のうち、特に胸部大動脈では、大動脈(主血管)から分岐する3つの分岐動脈(分岐血管)が存在する。本発明の実施形態に係るステントグラフトは、特に、大動脈と分岐動脈との分岐位置の近傍の大動脈に生じた大動脈瘤等の治療に用い得る。なお、本発明の実施形態に係るステントグラフトは、他の部位に生じた大動脈瘤等の治療にも用い得る。
<全体構成>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るステントグラフト10(メイン・ステントグラフト)、ステントグラフトセット、及び、ステントグラフト留置装置1について、図2〜図7を参照しながら説明する。
なお、以下、便宜上、メイン・ステントグラフトを単に「メイングラフト」と称呼し、ブランチ・ステントグラフトを単に「ブランチグラフト」と称呼する。
図2(a)に示すように、本発明の実施形態に係るステントグラフトセットは、メイングラフト10及びブランチグラフト20を有する。メイングラフト10は、大動脈の患部(大動脈瘤等が生じている箇所)に留置され、ブランチグラフト20は、患部近傍の大動脈から分岐する分岐動脈に留置される。
<メイングラフト>
先ず、メイングラフト10について説明する。図2(a)〜図2(c)に示すように、メイングラフト10は、血液流が通過可能な管状流路を画成する管形状を有し、骨格部11(ステント)及び皮膜部12(グラフト)を有する。本例では、メイングラフト10は、直線状の管形状を有している。しかし、メイングラフト10の形状は必ずしも直線状に限定されず、必要に応じて(例えば、患者の大動脈弓の形状に対応した形状に)湾曲した管形状を有してもよい(後述する図8も参照)。メイングラフト10は、留置の前から予め留置箇所を想定した湾曲形状を有していてもよく、留置の後に血管形状に沿った湾曲形状を有することになってもよい。
骨格部11は、金属細線がジグザグ状に折り返されると共に管形状に成形された自己拡張型の金網状に構成され、径方向内側に収縮した収縮状態から、径方向外側に拡張して管状流路が画成された拡張状態へ、変形可能となっている。骨格部11を構成する材料として、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金、チタン合金などに代表される公知の金属又は金属合金が挙げられる。
皮膜部12は、骨格部11に沿って骨格部11を覆うように骨格部11に固定されており、上述した管状流路を画成している。皮膜部12は、骨格部11を外周から覆っても内周から覆ってもよく、骨格部11を挟み込むように覆ってもよい。皮膜部12の材料として、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などが挙げられる。
皮膜部12は、上述した拡張状態において、外周面の一部が径方向内側に窪んだ凹部13と、凹部13内の所定位置から径方向外側に向けて延びる筒状開口部14と、を有する。筒状開口部14は、ブランチグラフト20の後述する接続側端部23が接続される部分である(後述する図7を参照)。
以下、説明の便宜上、図2(c)に示すように、凹部13を画成するメイングラフト10の表面13aと、凹部13が存在しない仮定した場合におけるメイングラフト10の表面13b(図2(c)に破線にて示す仮想的な表面)と、に挟まれる空間を「窪み空間15」と呼ぶ。換言すると、窪み空間15とは、凹部13を画成するメイングラフト10の表面と、メイングラフト10が大動脈内に留置された場合における大動脈の内壁面と、に挟まれる空間を指す。
本例では、特に図2(a)及び図2(c)に示すように、凹部13は、平面状の底面を有し、その底面の中央位置から筒状開口部14が径方向外側に向けて延びている。筒状開口部14は、筒状開口部14と凹部13の底面との接続箇所から離れるにつれて開口面積が小さくなる縮径形状を有する。更に、筒状開口部14の全体が、窪み空間15の内側に存在する。換言すると、凹部13と筒状開口部14との接続箇所(筒状開口部14の基端)から筒状開口部14の開口端までの長さ(筒状開口部14の高さ)よりも、凹部13の深さが大きい。
凹部13の底面、及び筒状開口部14には、骨格部11が存在しない。更に、筒状開口部14は、皮膜部12と同様の材料によって形成されている。その結果、筒状開口部14は、大動脈から分岐動脈へ分岐した血液流によって開口向きが変形可能な程度の柔軟性(フレキシビリティ)を有する。
なお、筒状開口部14は、皮膜部12によって(皮膜部12を延ばすように)構成されてもよく、皮膜部12とは別の独立した部材として形成され、その部材を凹部13に設けた孔に接続する(例えば、接着する)ことによって構成されてもよい。
<ブランチグラフト>
次いで、ブランチグラフト20について説明する。図2(a)に示すように、ブランチグラフト20も、メイングラフト10と同様、血液流が通過可能な管状流路を画成する管形状を有し、自己拡張型の骨格部21と、皮膜部22と、を有する。骨格部21及び皮膜部22の構成は、メイングラフト10の骨格部11及び皮膜部12と同様であるため、これらの詳細な説明を省略する。
ブランチグラフト20における筒状開口部14と接続される側の端部23(接続側端部)は、開口端に近付くにつれて開口面積が大きくなる拡径形状を有する。後述するように、このような拡径形状を有するブランチグラフト20の接続側端部23の外表面と、上述した縮径形状を有するメイングラフト10の筒状開口部14の内表面と、が密着するように、メイングラフト10とブランチグラフト20とが接続される(後述する図7を参照)。
<ステントグラフト留置装置>
次いで、メイングラフト10(及びブランチグラフト20)を血管内の所定位置に留置するためのステントグラフト留置装置1について、図3を参照しながら説明する。以下、図3において、右側を基端側、左側を先端側と呼ぶ。
図3(a)及び図3(b)に示すように、ステントグラフト留置装置1は、管状の第1シース30と、第1シース30の内側に配置され、第1シース30の内側を第1シース30の軸方向(長手方向)に沿って進退可能に構成された管状の第2シース40と、第2シース40の内側に配置され、第2シース40の内側を第2シース40の軸方向(長手方向)に沿って進退可能に構成された棒状のロッド部材50と、を備える。
第1シース30及び第2シース40は、ともに可撓性を有する材料で形成されている。可撓性材料として、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及び、ポリ塩化ビニル系樹脂等から選択された生体適合性を有する合成樹脂(エラストマー)、これら樹脂に他の材料が混合された樹脂コンパウンド、これらの合成樹脂による多層構造体、並びに、これら合成樹脂と金属線との複合体などが挙げられる。
第1シース30の基端側には、基端に近付くにつれて開口面積が大きくなる拡径形状を有する第1シース基部31が設けられている。同様に、第2シース40の基端側には、基端に近付くにつれて開口面積が大きくなる拡径形状を有する第2シース基部41が設けられている。
図3(a)に示すように、ロッド部材50は、ロッド本体部51と、収縮状態にあるメイングラフト10を保持する保持部52と、ロッド部材50の先端側の端部に設けられた先端チップ53と、を有する。保持部52は、メイングラフト10(又はブランチグラフト20)の厚さ分だけロッド本体部51よりも直径が小さい。したがって、保持部52に保持された収縮状態にあるメイングラフト10(又はブランチグラフト20)の外径は、ロッド本体部51の外径と略等しい。図3(b)から理解できるように、先端チップ53の最大径は、第1シース30の外径と略等しい。
ロッド本体部51及び保持部52を構成する材料として、例えば、樹脂(プラスチック、エラストマー)及び金属など、適度な硬度及び柔軟性を有する種々の材料が挙げられる。先端チップ53を構成する材料として、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂等から構成された合成樹脂(エラストマー)などの、適度な硬度及び柔軟性を有する種々の材料が挙げられる。
なお、図示による説明は省略するが、ロッド本体部51、保持部52及び先端チップ53には、例えば、ガイドワイヤを挿通させるためのガイドワイヤ用の細孔、及び、収縮状態のステントグラフト10(及びブランチグラフト20)を患部で拡張させるためのトリガワイヤを挿通させるためのトリガワイヤ用の細孔などが、ロッド部材50の軸方向(ロッド部材50の長手方向)に沿って形成されている。
更に、詳細な説明は省略するが、先端チップ53には、上記トリガワイヤを係止するための係止溝(図示省略)が設けられている。このようなトリガワイヤ及び先端チップを用いて収縮状態のステントグラフト10(又はブランチグラフト20)を患部において拡張させる方法については、公知の方法を用いることができる。
図3(b)に示すように、メイングラフト10が、第2シース40の内側にてロッド部材の50の保持部52に保持された状態(即ち、収縮状態)では、図4に示すように、筒状開口部14が、筒状開口部14と凹部13の底面との接続部分(基端)から徐々に径方向内側に畳まれている。これにより、筒状開口部14同士の重なりが生じ難い。よって、筒状開口部14の畳み込みが容易になる。これは、筒状開口部14が上述した縮径形状を有することに因る。
次いで、図3(b)に示すステントグラフト留置装置1を用いて、メイングラフト10を大動脈内の患部に留置する際の手順について、図5を参照しながら説明する。図5では、胸部大動脈における湾曲する大動脈弓(図1(b)を参照)にメイングラフト10が留置される場合の例が示される。
先ず、図5(a)及び図5(b)に示すように、下行大動脈から遠位弓部大動脈の付近まで、あらかじめ血管内に挿通されているガイドワイヤ(図示省略)を利用して第1シース30を誘導するように、ステントグラフト留置装置1全体を進行させる。次いで、図5(c)に示すように、第1シース30の位置を固定した状態にて、近位弓部大動脈から上行大動脈まで、第2シース40の先端部を適宜屈曲させながら第2シース40のみを進行させる。これにより、近位弓部大動脈や上行大動脈などに発生した大動脈瘤等の位置まで、ステントグラフト留置装置1の先端部を到達させることができる。
ステントグラフト留置装置1の先端部が患部に到達した後は、図5(d)に示すように、ロッド部材50の位置を固定した状態にて、第2シース40を引き抜いて第2シース40内からメイングラフト10を露出させる。更に、図5(e)に示すように、第1シース30も引き抜いてメイングラフト10を完全に露出させる。メイングラフト10は、第2シース40から外部に露出することにより、径方向外側に自己拡張する。
そして、図5(f)に示すように、上述したトリガワイヤ(図示省略)を引いてメイングラフト10の先端部を径方向外側に拡張させ、ロッド部材50と共にステントグラフト留置装置1全体を抜き取ることにより、メイングラフト10の留置が完了する。
図6(a)及び図6(b)は、上述のように、メイングラフト10を、大動脈60と分岐動脈70との分岐位置の近傍の大動脈60に留置した場合の一例を示す。図6では、便宜上、分岐動脈70は1本のみ図示されている。
図6(a)は、メイングラフト10の筒状開口部14と分岐動脈70との位置が一致している状態を示す。このように、筒状開口部14と分岐動脈70との位置が一致した状態では、大動脈60から分岐動脈70へ向かう血液流(図中の矢印)により、筒状開口部14の開口向きが分岐動脈70の血管口に向かうようになっている。
一方、図6(b)に示すように、メイングラフト10の筒状開口部14と分岐動脈70との間に位置ずれが生じた状態では、筒状開口部14は、大動脈60から分岐動脈70へ向かう血液流(図中の矢印)により、筒状開口部14の開口向きが分岐動脈70の血管口に向かうように変形するようになっている。これは、上述したように、筒状開口部14が柔軟性(フレキシビリティ)を有することに因る。更に、上述したように、筒状開口部14の全体が窪み空間15の内側に存在するため、筒状開口部14と分岐動脈70との間に位置ずれが生じていても、筒状開口部14の開口端が大動脈60の内壁面に接触(干渉)することがない。
なお、図6(b)には、メイングラフト10が分岐動脈70に対してメイングラフト10の軸線方向にオフセットするような位置ずれが生じた場合の例が示されている。但し、上記説明から理解されるように、メイングラフト10がその軸線周りに回転するような位置ずれが生じた場合であっても、上記同様、筒状開口部14の開口向きが分岐動脈70の血管口に向かうように変形することになる。
また、上述したように、メイングラフト10は、典型的には、ブランチグラフト20が接続された状態にて使用されるが、図6に示すように、メイングラフト10単独でも使用され得る。即ち、大動脈瘤等の位置によっては(例えば、大動脈瘤等が図6(a)の大動脈60の下側(分岐動脈70とは反対側)に存在する場合には)メイングラフト10単独であっても、大動脈瘤等への血液流入を遮断しつつ、分岐動脈70への血液流を維持できる。
図7は、図6(a)に示したように大動脈60に留置されたメイングラフト10の筒状開口部14にブランチグラフト20の接続側端部23が接続され、且つ、分岐動脈70にブランチグラフト20が留置された場合の一例を示す。ブランチグラフト20の留置も、ステントグラフト留置装置1を用いて上記同様に行われ得る。
具体的には、図6(a)に示したようにメイングラフト10の留置が完了した後、先ず、ブランチグラフト20を保持部52に保持した状態にあるステントグラフト留置装置1におけるガイドワイヤ(図示省略)の先端側を、メイングラフト10の内側から筒状開口部14を経由して分岐動脈70に通しておく。次いで、分岐動脈70に通されたガイドワイヤに案内されながら、ステントグラフト留置装置1全体を、メイングラフト10の内側から筒状開口部14を経由して分岐動脈70内の所定位置まで進行させる。そして、上述した図5(c)〜図5(f)と同様の手順を経て、ブランチグラフト20を分岐動脈70内で完全に露出させて自己拡張させた状態にて、ステントグラフト留置装置1全体を抜き取ることにより、ブランチグラフト20の留置が完了する。なお、上記とは逆に、ブランチグラフト20は、分岐動脈70を経由してメイングラフト10に通されたガイドワイヤ(図示省略)を利用し、メイングラフト10の外側(分岐動脈70側)から筒状開口部14に取り付けられてもよい。
図7(b)に示すように、ブランチグラフト20の留置が完了した状態では、上述した拡径形状を有するブランチグラフト20の接続側端部23の外表面と、上述した縮径形状を有するメイングラフト10の筒状開口部14の内表面と、が密着するように、メイングラフト10とブランチグラフト20とが接続される。これにより、このような縮径部分および拡径部分が存在しない場合に比べ、両者の接触面積が増大し、両者の間の液密性を向上できる。その結果、メイングラフト10とブランチグラフト20との間からの血液の漏れ(いわゆるエンドリーク)を抑制できる。
<作用・効果>
以上、本発明の実施形態に係るメイングラフト10によれば、メイングラフト10の外周面に径方向内側に窪んだ凹部13が形成されており、その凹部13内に径方向外側に向けて延びる筒状開口部14が形成されている。そのため、メイングラフト10が大動脈60に留置される際、仮にメイングラフト10と分岐動脈70との間に位置ずれが生じたとしても、凹部13内にて筒状開口部14が開く(径方向外側に延びる)ことができる分、従来ステントグラフト(背景技術の欄を参照)に比べて位置ずれに対する許容度が大きい。よって、メイングラフト10は、ステントグラフトとしての機能(例えば、分岐動脈70への血流確保)を維持しながら、従来ステントグラフトに比べ、大動脈60への留置が容易である。換言すると、メイングラフト10は、留置時の位置精度が仮に不十分であったとしても、ステントグラフトとしての機能を十分に発揮することが可能である。
なお、このように大動脈60に留置されたメイングラフト10(筒状開口部14)と、分岐動脈70に留置されたブランチグラフト20と、を接続することにより、大動脈60と分岐動脈70との分岐位置の近傍に生じた大動脈瘤等への血液流入を遮断し、そのような大動脈瘤等であっても治療することが可能となる。
更に、筒状開口部14は、骨格部11を有さず、大動脈60から分岐した血液流によって筒状開口部14の開口向きが変形可能な程度の柔軟性(フレキシビリティ)を有する。よって、メイングラフト10の筒状開口部14と分岐動脈70との間に位置ずれが生じたとしても、分岐動脈70に向かう血液流によって筒状開口部14が自然に案内されることになる。更に、ブランチグラフト20との密着性も向上することになる。
更に、筒状開口部14の全体が凹部13による窪み空間15の内側に存在する。そのため、メイングラフト10の筒状開口部14と分岐動脈70との間に位置ずれが生じたとしても、筒状開口部14の開口端が大動脈60の内壁面に接触(干渉)することがない。
更に、筒状開口部14と凹部13との接続箇所の近傍に骨格部11が存在しない。そのため、筒状開口部14の開口向きの自由度(筒状開口部14の柔軟性)が更に高まる。
更に、筒状開口部14が縮径形状(いわゆるテーパ形状)を有する。そのため、メイングラフト10を径方向内側に収縮させた収縮状態として、患部への留置用のステントグラフト留置装置1に収容する際、筒状開口部14が、その接続端から徐々に径方向内側に畳まれて筒状開口部14同士の重なりが生じにくいため、畳み込みが容易になる。
更に、本発明の実施形態に係るステントグラフトセットによれば、拡径形状を有するブランチグラフト20の接続側端部23の外表面と、縮径形状を有するメイングラフト10の筒状開口部14の内表面と、が密着するように、メイングラフト10とブランチグラフト20とが接続される。これにより、両者の間の液密性を向上させ、メイングラフト10とブランチグラフト20との間からの血液漏れ(エンドリーク)を抑制できる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、図2(a)に示すように、メイングラフト10が、展開状態において、直線的に延びる管形状を有している。しかし、メイングラフト10が、図8(a)に示すように、展開状態において凹部13および筒状開口部14が外側に位置するように湾曲した管形状を有していても、図8(b)に示すように、展開状態において、凹部13および筒状開口部14が内側に位置するように湾曲した管形状を有していてもよい。なお、このようにメイングラフト10が湾曲した管形状を有する場合の窪み空間15についても、図8(a)及び図8(b)に記載されている。
更に、上記実施形態では、図7(b)に示すように、拡径形状を有するブランチグラフト20の接続側端部23の外表面と、縮径形状を有するメイングラフト10の筒状開口部14の内表面と、が密着するように、メイングラフト10とブランチグラフト20とが接続されている。しかし、図9に示すように、このような縮径部分および拡径部分が存在しなくても、ブランチグラフト20の接続側端部23の外表面と、メイングラフト10の筒状開口部14の内表面と、が密着するように、メイングラフト10とブランチグラフト20とが接続され得る。
更に、上記実施形態では、凹部13及び筒状開口部14が分岐動脈70と一対一に対応している。しかし、図10に示すように、複数の筒状開口部14(図10では3つ)の各々が、複数の分岐動脈70の各々に対応するように一つの凹部13から延びるように、メイングラフト10が構成されてもよい。図10では、筒状開口部14の各々と、分岐動脈70の各々に留置したブランチグラフト20と、が接続されている。本構成のメイングラフト10によれば、一つの凹部13によって複数の分岐動脈70に対応できる。このようなメイングラフト10を用いれば、例えば、複数の分岐動脈70が近接する位置(例えば、図10の大動脈60の上側)に生じた大動脈瘤等の治療も可能である。更に、図示は省略するが、メイングラフト10に複数の凹部13を設け、それら複数の凹部13の各々に一又は複数の筒状開口部14を配置してもよい。
更に、上記実施形態では、筒状開口部14の全体が、凹部13によって形成される窪み空間15の内側に存在している。しかし、筒状開口部14の開口端が窪み空間15の外側に突出していてもよい。加えて、上記実施形態では、凹部13の底面、及び、筒状開口部14には骨格部11が存在しないが、筒状開口部14の基端の近傍を除く凹部13の底面には骨格部11が存在していてもよい。
更に、上記実施形態では、メイングラフト10が、大動脈60の患部(大動脈瘤等が形成されている箇所)に留置され、ブランチグラフト20が、患部近傍の大動脈60から分岐する分岐動脈70に留置されている。しかし、メイングラフト10が、大動脈以外の動脈の患部(動脈瘤が形成されている箇所)に留置され、ブランチグラフト20が、患部近傍の当該動脈から分岐する動脈に留置されていてもよい。
1 ステントグラフト留置装置
10 メイングラフト(第1ステントグラフト)
11 骨格部
12 皮膜部
13 凹部
14 筒状開口部
15 窪み空間
20 ブランチグラフト(第2ステントグラフト)
23 接続側端部(開口端)
30 第1シース(収容具)
40 第2シース(収容具)
50 ロッド部材(操作具)
60 大動脈(主血管)
70 分岐動脈(分岐血管)

Claims (6)

  1. 血液流が通過可能な流路を画成する管状のステントグラフトであって、
    径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部と、
    前記骨格部に沿って設けられた皮膜部と、を備え、
    前記骨格部が収縮した収縮状態から、前記骨格部が拡張して前記皮膜部によって前記流路が画成された拡張状態へ、変形可能であり、
    前記拡張状態において、外周面の一部が径方向内側に窪み、平面状の底面を有する凹部と、前記凹部の前記底面の所定位置から径方向外側に向けて延びる筒状に形成され、前記血液流が通過可能な筒状開口部と、を有し、
    前記筒状開口部が、
    前記流路から分流して当該筒状開口部を通過する血液流によって当該筒状開口部の開口向きを変更可能な柔軟性を有する、
    ステントグラフト。
  2. 請求項に記載のステントグラフトにおいて、
    前記筒状開口部の全体が、
    前記拡張状態において、前記凹部によって画成される窪み空間の内側に存在する、
    ステントグラフト。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のステントグラフトにおいて、
    前記骨格部が、
    前記筒状開口部と前記凹部との接続箇所の近傍に存在しない、
    ステントグラフト。
  4. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載のステントグラフトである第1ステントグラフトと、
    前記第1ステントグラフトが有する前記筒状開口部へ接続可能な管状の第2ステントグラフトと、を備えた、
    ステントグラフトセット。
  5. 請求項に記載のステントグラフトセットにおいて、
    前記筒状開口部が、
    該筒状開口部と前記凹部との接続箇所から離れるにつれて開口面積が小さくなる縮径形状を有し、
    前記第2ステントグラフトが、
    開口端の近傍において、前記開口端に近付くにつれて開口面積が大きくなる拡径形状を有し、
    前記第1ステントグラフトの前記筒状開口部と、前記第2ステントグラフトの前記開口端の近傍と、が互いに密着する、
    ステントグラフトセット。
  6. 血管内にステントグラフトを留置するためのステントグラフト留置装置であって、
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載のステントグラフトと、
    前記ステントグラフトが前記収縮状態にて収容された収容具と、
    前記収容具から前記ステントグラフトを放出して前記拡張状態に変形させる操作具と、
    を備えた、
    ステントグラフト留置装置。
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