JP6770875B2 - ステントグラフト、ステントグラフトセット、及び、ステントグラフト留置装置 - Google Patents

ステントグラフト、ステントグラフトセット、及び、ステントグラフト留置装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステントグラフト、そのステントグラフトと他のステントグラフトとの組合せであるステントグラフトセット、及び、そのステントグラフトを血管内に留置するためのステントグラフト留置装置、に関する。
従来から、大動脈に生じた大動脈瘤及び大動脈解離などの治療に用いられるステントグラフトが知られている。ステントグラフトは、一般に、血液流が通過可能な流路を画成する管形状を有しており、径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部(ステント)と、その骨格部に沿って設けられた皮膜部(グラフト)と、を備えている。ステントグラフトは、骨格部が収縮した収縮状態にて患部(大動脈瘤等が生じている箇所)に運ばれた後、骨格部が拡張した拡張状態へと変形される。これにより、ステントグラフトは、血管を補強すると共に大動脈瘤等への血液流入を遮断し、大動脈瘤等の拡大(成長)を抑制するようになっている。
例えば、従来のステントグラフトの一つ(以下「従来ステントグラフト」という。)は、主血管に生じた大動脈瘤等への血液流入を遮断しつつ、その主血管から分岐する分岐血管への血液流を維持するべく、主血管に留置するステントグラフトの側面に、分岐血管に向けて開口した円形の開口部(円形開口部)を備えている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許5789867号公報
従来ステントグラフトは、円形開口部と分岐血管との位置を合わせるように主血管に留置されることにより、主血管から分岐する分岐血管への血液流を維持するとの効果を発揮するようになっている。しかし、このような円形開口部の機能上、従来ステントグラフトは、円形開口部と分岐血管の血管口との間の位置ずれが出来る限り小さくなるよう、高い位置精度にて留置される必要がある。換言すると、従来ステントグラフトは、留置時の位置精度が不十分である場合、本来の機能を十分に発揮できない(分岐血管への血液流を十分に維持できない)可能性がある。
一方、通常、ステントグラフトの留置は、X線透視装置による透視画像(二次元の平面画像)を拠り所として行われる。そのため、従来ステントグラフトの円形開口部が分岐血管に対して十分に合致するように(特に、従来ステントグラフトの軸線周りの回転方向において十分に合致するように)従来ステントグラフトを配置することは、一般に困難であり、そのような配置のためには非常に高度な技術が求められることになる。
しかし、ステントグラフトの留置を出来る限り容易にする観点からは、分岐血管と、分岐血管に向けて開口する円形開口部と、の位置合わせが出来る限り容易となるように、従来ステントグラフトが構成されていることが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適正な位置に容易に留置可能なステントグラフト、そのステントグラフトと他のステントグラフトとの組合せであるステントグラフトセット、及び、そのステントグラフトを血管内に留置するためのステントグラフト留置装置、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る「ステントグラフト」は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1)
血液流が通過可能な流路を画成する管状のステントグラフトであって、
径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部と、前記骨格部に沿って設けられた皮膜部と、を備えると共に、前記骨格部が収縮した収縮状態から、前記骨格部が拡張して前記皮膜部によって前記流路が画成された拡張状態へ、変形可能であり、
前記皮膜部は、
該皮膜部を該ステントグラフトの径方向に貫通した開口部を有し、
前記開口部は、
前記拡張状態において、該開口部の周縁の一部が該開口部の中心から離れる向きに窪み、当該ステントグラフトの留置時に用いるガイドワイヤを案内可能な窪み領域を有する、ステントグラフトであること。
(2)
上記(1)に記載のステントグラフトであって、
前記開口部は、
前記中心から前記窪み領域の最深箇所に向けて開口幅が徐々に小さくなる開口形状を有する、ステントグラフトであること。

上記(1)又は上記(2)に記載のステントグラフトであって、
前記開口部の開口形状の変形を抑制可能な補強部材であって、前記開口部の周縁のうちの少なくとも前記窪み領域に対応する周縁を取り囲むように配置された補強部材、を更に備える、ステントグラフトであること。

上記(1)〜上記(3)の何れか一つに記載のステントグラフトにおいて、
該ステントグラフトが、前記拡張状態において、該ステントグラフトの外周面上の所定の湾曲中心点の周りに湾曲した形状を有し、
前記開口部が、前記窪み領域の前記最深箇所と前記湾曲中心点との距離が、前記窪み領域とは異なる前記周縁上の箇所と前記湾曲中心点との距離よりも短い、ように構成された、ステントグラフトであること。
(5)
上記(1)〜上記(4)の何れか一つに記載のステントグラフトであって、
前記開口部の近傍に配置されたX線不透過性の指標部を、更に備えた、ステントグラフトであること。
上記(1)の構成のステントグラフトによれば、ステントグラフトの外周面(皮膜部)に設けられた開口部が、開口部の周縁の一部が開口部の中心から離れる向きに窪み、当該ステントグラフトの留置時に用いるガイドワイヤを案内可能な窪み領域を有している。そのため、例えば、プルスルー法による施術時に分岐血管および主血管を通り抜けるように配置されるガイドワイヤを事前にステントグラフトの開口部に挿通させておき、このガイドワイヤに窪み領域を近付けるように開口部を移動させると、上述した開口形状に起因し、ガイドワイヤが自然に窪み領域に案内される。次いで、窪み領域をガイドワイヤに接触させながら(即ち、ガイドワイヤが窪みに入り込んだ状態にて)開口部を徐々に移動させれば、開口部は、ガイドワイヤに案内されて自然に分岐血管に近付くことになる。換言すると、開口部と分岐血管との位置合わせが自然になされることになる。
更に、窪み領域をガイドワイヤに接触させながら(ガイドワイヤが窪みに入り込んだ状態にて)開口部を移動させることにより、ガイドワイヤが窪み領域(の最深箇所)から離れ難いことになる。換言すると、従来ステントグラフトのような単なる円形の開口部を用いる場合に比べ、ガイドワイヤが開口部の周縁上の特定位置(窪み領域の最深箇所)に接触した状態がより確実に維持される。その結果、ガイドワイヤに沿って開口部を移動させるとき、ガイドワイヤと開口部との接触箇所(最深箇所)がずれることが防がれる。その結果、分岐血管と開口部との位置合わせを精度良く行うことができる。
したがって、本構成のステントグラフトは、従来ステントグラフトに比べてステントグラフトの開口部と分岐血管との位置合わせが容易であり、適正な位置に容易に留置可能である。
ところで、「開口部の中心」とは、開口部をステントグラフトの径方向外側から見た場合の開口形状の幾何学的重心位置、を表す。「窪み領域」は、窪みが無いと仮定した場合の周縁(仮想的な周縁)よりも開口部の中心から離れた位置にある周縁が画成する領域、とも言い得る(図2(c)を参照)。
なお、上述したように分岐血管と開口部との位置合わせを行う際、ガイドワイヤには、開口部がガイドワイヤに接触してもガイドワイヤが過度に撓まない程度の張力(テンション)が付与されていることが好ましい。
上記(2)の構成のステントグラフトによれば、開口部は、その中心から窪み領域の最深箇所に向けて開口幅が徐々に小さくなる開口形状を有している。そのため、ガイドワイヤに窪み領域を近付けるように開口部を移動させると、上述した開口幅が徐々に小さくなる開口形状に起因し、ガイドワイヤが自然に窪み領域に案内される。
なお、「窪み領域の最深箇所」とは、窪み領域中の周縁上の箇所のうち、開口部の中心と周縁との距離が最大となる箇所、を表す。「開口幅」とは、開口部の中心と最深箇所とを繋ぐ直線に直交し且つ開口面に沿った方向における開口の幅、を表す。
また、上記(3)の構成のステントグラフトによれば、ステントグラフトの開口部の窪み領域が補強部材によって補強されている。そのため、そのような補強部材が無い場合に比べ、上述したように開口部をガイドワイヤに沿って移動させても開口部に損傷等が生じ難い。
上記()の構成のステントグラフトによれば、ステントグラフトが所定の湾曲形状(例えば、ステントグラフトを留置する主血管の湾曲形状に対応した形状) を有している場合であっても、ガイドワイヤに開口部の窪み領域を沿わせながら、ステントグラフトを留置できる。具体的には、主血管が湾曲形状(湾曲中心点周りに湾曲した形状)を有しているとき、通常、張力を付与されたガイドワイヤは、分岐血管の血管口と、その湾曲中心点と、を繋ぐように直線的に延びることになる(図7を参照。)。一方、ステントグラフトをそのような主血管の形状に対応した湾曲形状としつつ、且つ、開口部の窪み領域(最深箇所)を湾曲形状の湾曲中心点に向かうように(最深箇所と湾曲中心点との距離が、周縁上の他の箇所と湾曲中心点との距離よりも短いように)設ければ、ガイドワイヤが延びる経路上に、開口部の窪み領域を配置できることになる。よって、本構成のステントグラフトは、ステントグラフトが湾曲形状を有している場合であっても、適正な位置に容易に留置可能である。
上記(5)の構成のステントグラフトによれば、上述したようにガイドワイヤに開口部(窪み領域)を案内させながらステントグラフトを留置した後、X線透視装置による透視画像を用いて指標部(マーカ)の位置と分岐血管の血管口の位置とを照合すれば、分岐血管と開口部との位置合わせが適正になされているか否かを確認できる。
なお、ステントグラフトをより確実に適正な位置に留置する観点から、X線透視装置による透視画像を用いて指標部(マーカ)の位置を確認しつつ、上述したようにガイドワイヤに開口部(窪み領域)を案内させながらステントグラフトを留置してもよい。
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る「ステントグラフトセット」は、下記(6)を特徴としている。
(6)
上記(1)〜上記(5)の何れか一つに記載のステントグラフトである第1ステントグラフトと、前記第1ステントグラフトが有する前記開口部へ接続可能な管状の第2ステントグラフトと、を備えた、ステントグラフトセットであること。
上記(6)の構成のステントグラフトセットによれば、上記(1)〜(5)の特徴を有する第1ステントグラフト(メイン・ステントグラフト)の開口部に、第2ステントグラフト(ブランチ・ステントグラフト)を接続することにより、主血管と分岐血管との分岐位置の近傍に生じた大動脈瘤等への血液流入を遮断し、そのような大動脈瘤等の治療が可能となる。
本発明によれば、適正な位置に容易に留置可能なステントグラフト、そのステントグラフトと他のステントグラフトとの組合せであるステントグラフトセット、及び、そのステントグラフトを血管内に留置するためのステントグラフト留置装置、を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1(a)は人体の大動脈の略全体(上行大動脈から総腸骨動脈まで)を模式的に示す図であり、図1(b)は人体の大動脈の一部である胸部大動脈を拡大して模式的に示す図である。 図2(a)は本発明の実施形態に係るステントグラフトを示す斜視図であり、図2(b)はステントグラフトの平面図であり、図2(c)は開口部の形状を説明するための拡大図である。 図3(a)は本発明の実施形態に係るステントグラフト留置装置を構成する各部品を示す図であり、図3(b)は各部品を組み付けた同留置装置を示す図である。 図4(a)はインナロッドの保持部に保持されたステントグラフトを露出させた状態にあるステントグラフト留置装置の先端部を拡大して示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のA矢視図であり、図4(c)はその保持部に保持されたステントグラフトを覆った状態にある同留置装置の先端部を拡大して示す斜視図である。 図5(a)〜(g)は、ステントグラフト留置装置を用いてステントグラフトを大動脈内に留置する手順を説明するための一連の図である。 図6(a)〜(f)は、分岐血管と開口部との位置合わせの手順を説明するための図である(図5(e)に示す段階に対応)。 図7(a)は、湾曲形状を有する主血管中を通過するガイドワイヤの通過経路の一例を示す側面図であり、図7(b)は図7(a)に示す主血管に留置されるステントグラフト上に設けられる開口部(窪み領域)の位置を説明するための側面図であり、図7(c)は図7(b)の上面図である。 図8(a)及び(b)は開口部に補強部材を設ける手順の一例について説明した図であり、図8(c)は補強部材にX線不透過性の指標部を設けた場合の一例を示す図であり、図8(d)は図8(c)における指標部を拡大して示す図である。 図9(a)及び(b)は、ステントグラフトの開口部の第1変形例および第2変形例を示す図である。 図10(a)は、メイン・ステントグラフトの開口部にブランチ・ステントグラフトを接続した状態を示す図であり、図10(b)は図10(a)における接続部分を拡大して示す断面図である。
<大動脈とステントグラフト>
以下、本発明の実施形態を説明するための準備として、先ず、図1を参照しながら、人体の大動脈の構造、及び、大動脈瘤等の治療に使用されるステントグラフトについて簡単に説明する。
図1(a)に示すように、人体の大動脈は、心臓の左心室から上行して弓状に屈曲した後、下行して腹部大動脈の分岐箇所で総腸骨動脈に分岐されるまでの動脈であって、全身への血液循環の大元となる動脈である。この大動脈を構成する血管壁の一部がこぶ状に膨らんだ状態を「大動脈瘤」という。一方、この大動脈を構成する血管壁の内膜に生じた裂孔等を通じて流出した血液によって中膜に剥がれ(解離)が生じた状態を「大動脈解離」という。これら大動脈瘤等は、大動脈の様々な部位に発生し得るものである。大動脈瘤等は、放置すると死に至る可能性もある重篤な疾患である。
大動脈瘤等の外科的治療法としては、大動脈瘤等が形成されている患部の血管ごと人工血管に置き換える、いわゆる「人工血管置換術」が良く知られている。これに対し、近年、「ステントグラフト内挿術」などと呼ばれる手法が注目されている。この手法は、シース内部に縮径保持されたステントグラフトを備えるステントグラフト留置装置を用いる方法である。具体的には、この方法は、例えば、鼠径部と呼ばれる太股の付け根部分を小さく切開してシースを大動脈内に挿入し、患部においてシースの先端からステントグラフトを露出・展開させてステントグラフトを患部に留置することにより、大動脈瘤等の破裂を防止する方法である。ステントグラフト内挿術は、人工血管置換術と比べ、開胸又は開腹手術を行わなくてもよい低侵襲な治療方法である。
図1(b)に示すように、大動脈のうち、特に胸部大動脈では、大動脈(主血管)から分岐する3つの分岐動脈(分岐血管)が存在する。本発明の実施形態に係るステントグラフトは、特に、大動脈と分岐動脈との分岐位置の近傍の大動脈に生じた大動脈瘤等の治療に用い得る。なお、本発明の実施形態に係るステントグラフトは、他の部位(腹部大動脈等)に生じた大動脈瘤等の治療にも用い得る。
<ステントグラフト>
以下、先ず、図2(a)〜図2(c)を参照しながら、本発明の実施形態に係るステントグラフト10(メイン・ステントグラフト)について説明する。ステントグラフト10は、大動脈の患部(大動脈瘤等が生じている箇所)に留置され、特に、大動脈と分岐動脈との分岐位置の近傍の患部に留置される。
図2(a)〜図2(c)に示すように、ステントグラフト10は、血液流が通過可能な流路を画成する管形状を有し、骨格部11(ステント)及び皮膜部12(グラフト)を有する。本例では、ステントグラフト10は、直線状の管形状を有している。しかし、ステントグラフト10の形状は必ずしも直線状に限定されず、必要に応じて(例えば、患者の大動脈弓の形状に対応した形状に)湾曲した管形状を有してもよい(後述する図7も参照)。ステントグラフト10は、留置の前から予め留置箇所を想定した湾曲形状を有していてもよく、留置の後に血管形状に沿った湾曲形状を有することになってもよい。
骨格部11は、金属細線がジグザグ状に折り返されると共に管形状に成形された自己拡張型の金網状に構成され、径方向内側に収縮した収縮状態から、径方向外側に拡張して管状流路が画成された拡張状態へ、変形可能となっている。骨格部11を構成する材料として、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金、チタン合金などに代表される公知の金属又は金属合金が挙げられる。
皮膜部12は、骨格部11に沿って骨格部11を覆うように骨格部11に固定されており、上述した管状流路を画成している。皮膜部12は、骨格部11を外周から覆っても内周から覆ってもよく、骨格部11を外周及び内周から挟み込むように覆ってもよい。皮膜部12の材料として、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などが挙げられる。
皮膜部12は、ステントグラフト10の径方向に皮膜部12を貫通した開口部13(貫通孔)を有する。本例では、特に図2(c)に示すように、開口部13は、その周縁の一部が開口部13の中心Pから離れる向きに窪んだ窪み領域14(窪みが無いと仮定した場合の周縁(図中の破線D)よりも中心Pから離れた位置にある周縁が画成する領域)を有している。本例では、窪み領域14が窪んだ向きは、ステントグラフト10の軸線方向に一致している。更に、開口部13は、開口部13の中心Pから窪み領域14の最深箇所Qに向けて近付くにつれて開口幅Lが徐々に小さくなる開口形状を有している。窪み領域14以外の開口部13の周縁は、略円形の形状を有している。なお、後述するように、開口部13は、ブランチ・ステントグラフト20の接続側端部23が接続される部分としても機能する(後述する図10を参照)。
骨格部11における開口部13の周囲に位置する部分11aは、開口部13を避けるように湾曲している。これにより、骨格部11の本来の機能を損なうことなく、開口部13を任意の位置に設けられる。なお、開口部13が骨格部11に干渉しない場合、骨格部11を湾曲させなくてもよい。
<ステントグラフト留置装置>
次いで、ステントグラフト10を血管内の所定位置に留置するためのステントグラフト留置装置1(以下、単に「留置装置1」という。)について、図3及び図4を参照しながら説明する。以下、図3及び図4において、右側を基端側、左側を先端側と呼ぶ。
図3(a)及び図3(b)に示すように、留置装置1は、管状のアウタシース30(収容具)と、アウタシース30の内側に配置されてアウタシース30の内側をアウタシース30の軸方向(長手方向)に沿って進退可能に構成された棒状のインナロッド40(操作具)と、を備える。アウタシース30は、シース本体部31と、シース本体部31の基端側に設けられたハブ32と、を有している。ハブ32は、インナロッド40をアウタシース30に対して固定する又はその固定を解除するナット(図示省略)等を含んでいる。
アウタシース30は、可撓性を有する材料で形成されている。可撓性を有する材料として、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及び、ポリ塩化ビニル系樹脂等から選択された生体適合性を有する合成樹脂(エラストマー)、これら樹脂に他の材料が混合された樹脂コンパウンド、これらの合成樹脂による多層構造体、並びに、これら合成樹脂と金属線との複合体などが挙げられる。
図3(a)に示すように、インナロッド40は、ロッド本体部41と、収縮状態にあるステントグラフト10を保持する保持部42と、インナロッド40の先端側の端部に設けられた先端チップ43と、を有する。保持部42は、ステントグラフト10の厚さ分だけロッド本体部41よりも直径が小さい。したがって、保持部42に保持された収縮状態にあるステントグラフト10の外径は、ロッド本体部41の外径と略等しい。なお、図3(b)から理解されるように、先端チップ43の最大径は、アウタシース30のシース本体部31の外径と略等しい。なお、ステントグラフト10の保持の更なる詳細は、図4(a)〜図4(c)を参照しながら後述される。
ロッド本体部41及び保持部42を構成する材料として、例えば、樹脂(プラスチック及びエラストマー等)並びに金属など、適度な硬度及び柔軟性を有する種々の材料が挙げられる。先端チップ43を構成する材料として、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂等から構成された合成樹脂(エラストマー)などの、適度な硬度及び柔軟性を有する種々の材料が挙げられる。
図4(a)〜図4(c)に示すように、留置装置1は、金属製のガイドワイヤ60を挿通するための樹脂製又はゴム製のチューブ50を備える。なお、保持部42に保持された収縮状態にあるステントグラフト10は、実際には径方向に収縮しており、開口部13も実際には潰れるように変形している(拡張状態における形状とは異なる形状となっている)場合がある。しかし、説明の便宜上、図4(a)では、開口部13が、拡張状態における形状と同じ形状に記載されている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、チューブ50の先端側端部は、先端チップ43の側面に形成された溝43aの内部に位置している。チューブ50は、その先端側端部から基端側に向けて、ステントグラフト10の外側を開口部13まで延び、開口部13を通過してステントグラフト10の内側に進入し、ステントグラフト10の基端側端部まで延びる。その後、チューブ50は、ロッド本体部41の先端側端部において、ロッド本体部41内を軸方向に貫通するようにて形成されたガイドワイヤ用の細孔41a(貫通孔)に接続されている。
図4(c)に示すように、図4(a)に示す状態からアウタシース30のシース本体部31を先端側にスライドさせて、保持部42に保持されたステントグラフト10をシース本体部31で覆った状態においても、溝43aに収容されたチューブ50の先端側端部は露出している。即ち、留置装置1は、図3(b)に示す留置装置1の形態のままチューブ50に留置装置1の外部からガイドワイヤ60を挿通できるように構成されている。
なお、図示による説明は省略するが、ロッド本体部41、保持部42及び先端チップ43には、収縮状態のステントグラフト10を患部で拡張させるためのトリガワイヤを挿通させるためのトリガワイヤ用の細孔などが、軸方向に沿って形成されている。更に、詳細な説明は省略するが、先端チップ43には、上記トリガワイヤを係止するための係止溝(図示省略)が設けられている。このようなトリガワイヤ及び先端チップを用いて収縮状態のステントグラフト10を患部にて拡張させる方法については、公知の方法を用い得る。
次いで、図3(b)に示す留置装置1を用いて、ステントグラフト10を大動脈内の患部に留置する際の手順について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5では、胸部大動脈における湾曲する大動脈弓(図1(b)を参照)に、腕頭動脈と開口部13との位置を合わせるようにステントグラフト10が留置される場合の例が示される。
先ず、事前の準備として、患者の腕及び太股の付け根部分をそれぞれ小さく切開して、ガイドワイヤ60を、腕の切開部分から腕頭動脈に挿入し、大動脈を経て太股の切開部分から導出させる。そして、太股から導出されたガイドワイヤ60を、図4(c)に示すように、留置装置1の先端からチューブ50に挿通させる。
次いで、図5(a)に示すように、上記のように血管内に挿通されているガイドワイヤ60を利用して、太股の切開部分から遠位弓部大動脈の付近まで、アウタシース30を誘導するように、留置装置1全体を進行させる。
次いで、図5(b)に示すように、ガイドワイヤ60を腕の切開部分側から押し込んでガイドワイヤ60を大動脈弓内でアウタシース30の先端部より先行するように弛ませた後、図5(c)に示すように、近位弓部大動脈の付近まで、アウタシース30を進行させる。このように、アウタシース30を近位弓部大動脈の付近まで進行させれば、腕頭動脈の近傍の大動脈弓に発生した大動脈瘤等の位置(患部)まで、留置装置1の先端部を到達させられる。
留置装置1の先端部が患部に到達した後、図5(d)に示すように、インナロッド40の位置を固定した状態にて、アウタシース30を引き抜くように移動させてアウタシース30内からステントグラフト10を露出(放出)させる。ステントグラフト10は、アウタシース30から外部に露出することにより、径方向外側に自己拡張する。このとき、ガイドワイヤ60は開口部13を通り抜けている。なお、チューブ50は、ステントグラフト10の拡張に伴い、ステントグラフト10の内側に入り込んでいる。但し、この状態では、先端チップ43がステントグラフト10から分離されておらず、且つ、ステントグラフト10の大半がアウタシース30内に収容されているため、ステントグラフト10は未だ血管の内壁面に密着していない。
次いで、ステントグラフト10が血管の内壁面に密着していない状態にて、図5(e)に示すように、ガイドワイヤ60に所定の張力(テンション)を付与すると共に、腕頭動脈と開口部13との位置合わせを行う。以下、この位置合わせについて図6を参照しながら説明する。図6では、説明の便宜上、インナロッド40、左総頸動脈および左鎖骨下動脈などの記載が省略されている。
図6(a)及び図6(b)は、位置合わせを行う前の状態を示す。この状態では、ガイドワイヤ60は弛んでいる。更に、大動脈弓71(主血管)と腕頭動脈72(分岐血管)との接続部73と、開口部13との間において、ステントグラフト10の軸方向及び軸線周りの回転方向の双方について位置ずれが生じている。
この状態から、図6(c)及び図6(d)に示すように、ガイドワイヤ60に張力を付与する。この張力は、例えば、ガイドワイヤ60を腕の切開部分側から引くことによって発生させられる。このようにガイドワイヤ60に張力を付与すると、ガイドワイヤ60が接続部73(角部)に架かってアウタシース30まで張り詰めた状態となる。なお、アウタシース30の位置も、この張力に起因して移動している(図7も参照)。この状態にてガイドワイヤ60に窪み領域14を近付けるように開口部13を移動させると、上述した開口形状(開口幅Lが徐々に小さくなる形状。図2を参照)に起因し、ガイドワイヤ60が自然に窪み領域14に案内される。その結果、図6(c)及び図6(d)に示すようにガイドワイヤ60が窪み領域14に嵌った状態が得られる。
そして、この状態から、図6(e)及び図6(f)に示すように、ステントグラフト10を黒矢印方向に押し込む。この押し込みは、ロッド本体部41を黒矢印方向に押すことでなされる。このように、ステントグラフト10を押し込むと、窪み領域14がガイドワイヤ60に沿って案内されながら、開口部13が接続部73(ガイドワイヤ60が架かった部分)に向けて移動する(白矢印を参照)。その結果、腕頭動脈72と開口部13との位置合わせがなされる。このように、開口部13に設けた窪み領域14をガイドワイヤ60に案内させることにより、開口部13を分岐血管82との位置合わせが容易になされる。更に、窪み領域14をガイドワイヤ60に接触させながら(ガイドワイヤ60が窪みに入り込んだ状態にて)開口部を移動させることにより、ガイドワイヤ60が窪み領域14(の最深箇所)から離れ難く、位置合わせの精度を高められる。
再び、図5を参照すると、図5(e)にて腕頭動脈72と開口部13との位置合わせが完了すると、図5(f)に示すように、先端チップ43を分離すると共にステントグラフト10の先端部を径方向外側に拡張させ、ステントグラフト10を血管の内壁面に密着させる。そして、ガイドワイヤ60のみを残して、アウタシース30に保持部42等を収容する。そして、図5(g)に示すように、アウタシース30と共にガイドワイヤ60を抜き取ることにより、留置装置1全体を抜き取る。これにより、ステントグラフト10の留置が完了する。その結果、腕頭動脈72(分岐血管)の近傍の大動脈弓71(主血管)に発生した大動脈瘤等への血液流入を遮断しつつ、腕頭動脈72(分岐血管)への血液流を維持できる。
なお、図2〜図6では図示を省略しているが、ステントグラフト10は、腕頭動脈72に対応した開口部13とは別に、左総頸動脈および左鎖骨下動脈(図1参照)に対応した開口部を有していてもよい。この場合、術前の検査等によって各開口部の相対位置を把握できていれば、それら開口部のうちの1つ(本例では開口部13)を相手側の分岐血管(本例では腕頭動脈72)に適切に位置合わせすれば、他の開口部は、自然に適切に位置合わせされることになる。なお、このように複数の開口部を一括して位置合わせする場合、ステントグラフト10が血管の内壁面に密着する前に最初の(1つ目の開口部の)位置合わせを行うことが好ましいことから、ステントグラフト10の心臓側端部に最も近い開口部に、本発明の窪み領域14及び開口形状を適用することが好ましい。
なお、本実施形態では、チューブ50を内蔵した留置装置1を用い、事前に血管内に配置されたガイドワイヤ60に沿って留置装置1を患部に向けて移動させるようになっている。しかし、チューブ50に代えて、ガイドワイヤ60を開口部13を通した状態にて内蔵した留置装置1を用い、留置の際にガイドワイヤ60を留置装置1から伸ばして先行して血管内に通した後、上記同様に留置装置1を患部に向けて移動させてもよい。但し、後者の場合も、位置合わせの手順は前者(図5及び図6)と同様である。
以下、図7を参照しながら、主血管81と分岐血管82との接続部83の近傍にて湾曲する主血管81にステントグラフト10を留置する場合(上述したように大動脈弓の周辺への留置の場合)における、開口部13の窪み領域14の好ましい配置について説明する。なお、図7でも、説明の便宜上、インナロッド40等の記載が省略されている。なお、本説明は、上述した大動脈弓への留置に限らず、他の血管への留置にも適用される。
図7(a)に示すように、主血管81と分岐血管82との接続部83の近傍にて主血管81が湾曲する場合、ガイドワイヤ60に張力を付与すると、ガイドワイヤ60は、通常、接続部83の一部である点Aと、主血管81における湾曲部の内側の内壁の一部である点B(湾曲中心点)と、の2箇所に架かる。即ち、ガイドワイヤ60は、点Aと点Bとを直線的に繋ぐように延びる。なお、アウタシース30が点Aと点Bとの間まで延びている場合、図示するように、アウタシース30が点Bに架かることになる。
よって、図7(a)に示す主血管81への留置を想定して、ステントグラフト10を主血管81の形状に応じた形状にあらかじめ成形する場合、ステントグラフト10を図7(a)と同じ方向から見た図である図7(b)及びそのステントグラフト10を上方から見た図である図7(c)に示すように、開口部13の窪み領域14は、開口部13の周縁部であってステントグラフト10の湾曲中心点Rと最も近い位置(湾曲中心点Rに向いた位置)に設けられることが好ましい。換言すると、窪み領域14の最深箇所Qと湾曲中心点Rとの距離が、窪み領域14とは異なる周縁上の箇所と湾曲中心点Rとの距離よりも短いように、開口部13が形成されることが好ましい。これにより、ステントグラフト10の留置時、ガイドワイヤ60の通過経路に沿った向きに窪み領域14が位置することになり、分岐血管82と開口部13との位置合わせの精度が向上する。
なお、上記原理から理解されるように、ステントグラフト10が事前成形された形状を有する場合も、事前成形されず直線的な形状を有する場合も、窪み領域14がステントグラフト10の軸線に沿った方向に窪んでいれば(上記態様には劣るものの)上記態様に近い効果を期待し得る。そこで、窪み領域14は(上記態様の方が望ましいものの)ステントグラフト10の軸線に沿った方向に窪むように設けられても良い。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、開口部13の周囲に、補強部材が設けられてもよい。具体的には、例えば、図8(a)に示すように、2枚の皮膜用シート12a,12bによって開口部13に対応する位置に配置された補強部材15を挟み、その後、図8(b)に示すように、開口部13(及び窪み領域14)に相当する不要部分を打ち抜く。これにより、開口部13より若干大きい相似形状を有する補強部材15が開口部13の周囲に埋設されることになる。これにより、ガイドワイヤ60に沿って開口部13(窪み領域14)を移動させるとき、開口部13の変形を抑制可能であり、開口部13(窪み領域14)の損傷等を防止できる。なお、補強部材15は、開口部13の周縁のうちの少なくとも窪み領域14に対応する周縁を取り囲むように配置されればよい。補強部材15は、典型的には、形状記憶合金(例えば、ニチノール等)から形成され得る。補強部材15は、シリコーン、ゴム及びエラストマ等から形成されてもよい。
更に、X線不透過性の材料からなる筒状のマーカ16(指標部)が開口部13の近傍に設けられてもよい。具体的には、例えば、図8(c)及び図8(d)に示すように、補強部材15に対してマーカ16が挿通・固定されていてもよい。このようにマーカ16を設ければ、ステントグラフト10の留置後、X線画像によってマーカ16の位置を確認することにより、開口部13の位置が適切であるかを確認できる。
更に、開口部13の形状は、上記実施形態の形状に限定されず、図9(a)に示すように半円形をベースに半円形の両端からV字状に外側に突出する大きい窪み領域14を有する形状、及び、図9(b)に示すように矩形状をベースに1辺をV字状に外側に突出させその突出端部に長穴状の小さい窪み領域14を有する形状などであってもよい。
更に、図10に示すように、ステントグラフト10(メイン・ステントグラフト)が、ブランチ・ステントグラフト20に接続された状態にて使用されてもよい。この場合、メイン・ステントグラフト10及びブランチ・ステントグラフト20は、本発明の「ステントグラフトセット」に相当する。以下、メイン・ステントグラフトを単に「メイングラフト」と称呼し、ブランチ・ステントグラフトを単に「ブランチグラフト」と称呼する。
図10は、主血管81に留置されたメイングラフト10の開口部13にブランチグラフト20の接続側端部23が接続されると共に、分岐血管82にブランチグラフト20が留置された一例を示す。図10(a)に示すように、ブランチグラフト20も、メイングラフト10と同様、血液流が通過可能な管状流路を画成する管形状を有し、自己拡張型の骨格部21と、皮膜部22と、を有する。骨格部21及び皮膜部22の構成は、メイングラフト10の骨格部11及び皮膜部12と同様である(詳細な説明を省略する)。ブランチグラフト20には、開口部13は設けられていない。ブランチグラフト20におけるメイングラフト10の開口部13と接続される側の端部23(接続側端部)は、図10(b)に示すように、径方向外側に突出するフランジ状の形状を有する。なお、ブランチグラフト20の留置も、留置装置1を用いて、メイングラフト10と同様に行われ得る。
図10(b)に示すように、ブランチグラフト20の留置が完了した状態では、ブランチグラフト20のフランジ状の接続側端部23の外表面と、メイングラフト10の開口部13の内表面と、が密着するように、メイングラフト10とブランチグラフト20とが接続される。これにより、メイングラフト10とブランチグラフト20との間からの血液の漏れ(いわゆるエンドリーク)を抑制できる。
1 ステントグラフト留置装置
10 ステントグラフト(メイングラフト,第1ステントグラフト)
11 骨格部
12 皮膜部
13 開口部
14 窪み領域
15 補強部材
16 マーカ(指標部)
20 ステントグラフト(ブランチグラフト,第2ステントグラフト)
30 アウタシース(収容具)
40 インナロッド(操作具)
50 チューブ
60 ガイドワイヤ

Claims (6)

  1. 血液流が通過可能な流路を画成する管状のステントグラフトであって、
    径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部と、前記骨格部に沿って設けられた皮膜部と、を備えると共に、前記骨格部が収縮した収縮状態から、前記骨格部が拡張して前記皮膜部によって前記流路が画成された拡張状態へ、変形可能であり、
    前記皮膜部は、
    該皮膜部を該ステントグラフトの径方向に貫通した開口部を有し、
    前記開口部は、
    前記拡張状態において、該開口部の周縁の一部が該開口部の中心から離れる向きに窪み、当該ステントグラフトの留置時に用いるガイドワイヤを案内可能な窪み領域を有する、
    ステントグラフト。
  2. 請求項1に記載のステントグラフトであって、
    前記開口部は、
    前記中心から前記窪み領域の最深箇所に向け開口幅が徐々に小さくなる開口形状を有する、
    ステントグラフト。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のステントグラフトであって、
    前記開口部の開口形状の変形を抑制可能な補強部材であって、前記開口部の周縁のうちの少なくとも前記窪み領域に対応する周縁を取り囲むように配置された補強部材、を更に備える、
    ステントグラフト。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のステントグラフトにおいて、
    該ステントグラフトが、
    前記拡張状態において、該ステントグラフトの外周面上の所定の湾曲中心点の周りに湾曲した形状を有し、
    前記開口部が、
    前記窪み領域の前記最深箇所と前記湾曲中心点との距離が、前記窪み領域とは異なる前記周縁上の箇所と前記湾曲中心点との距離よりも短い、ように構成された、
    ステントグラフト。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のステントグラフトであって、
    前記開口部の近傍に配置されたX線不透過性の指標部を、更に備えた、
    ステントグラフト。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のステントグラフトである第1ステントグラフトと、
    前記第1ステントグラフトが有する前記開口部へ接続可能な管状の第2ステントグラフトと、を備えた、
    ステントグラフトセット。
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