しかし、上記特許文献1の構成において、蓋部を閉じるとき、突起部の近傍において本体部と蓋部との間で例えば電線を挟み込んでしまう場合があり、電線が傷ついたりプロテクタが破損したりするおそれがあった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、ヒンジ部を保護することができるとともに、物の挟み込みを回避できるプロテクタを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のプロテクタが提供される。即ち、このプロテクタは、収容本体と、カバーと、ヒンジ部と、突起部と、を備える。前記収容本体は、第1壁を有する。前記カバーは、前記収容本体に対して開閉可能であり、閉じられたときに、前記第1壁の厚み方向に交差する第1方向で前記収容本体と向かい合う。前記ヒンジ部は、前記収容本体と前記カバーとを接続し、前記厚み方向及び前記第1方向のそれぞれに交差する第2方向に延びる。前記突起部は、前記第2方向で前記ヒンジ部を挟むように対で配置され、それぞれが前記第1壁の前記厚み方向で当該第1壁から前記収容本体の外側に突出する。対で配置された前記突起部の間で前記ヒンジ部は1つのみ形成される。前記収容本体は、前記第1壁の縁部から前記第1方向へ延びる第1延設部を備える。前記第1方向において前記第1壁から遠い側の前記第1延設部の端部は、前記第1方向において前記第1壁から遠い側の前記突起部の端部よりも、前記収容本体から遠い。前記ヒンジ部における前記第2方向での中央部分をヒンジ中央と呼ぶときに、前記第1延設部の前記第2方向での端部は、当該端部と同じ側に配置された前記突起部における前記ヒンジ中央から前記第2方向で遠い側の端部よりも、前記ヒンジ中央から遠い。
このように、ヒンジ部が延びる方向において、ヒンジ部の両側に突起部を設けることで、ヒンジ部の両端を保護し、破損等を防止することができる。また、蓋部を開いたときに、本体部とカバーとの間で突起部がない部分に異物が入り込むことを、第1延設部によって防止できる。
前記のプロテクタにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記カバーは中空状に形成される。前記カバーが閉じられた状態において、前記第1延設部は、前記カバーの内部空間に位置する。
これにより、カバーを閉じるときにヒンジ部の近傍で収容本体とカバーとの間に異物が挟まれるのを第1延設部によって防止できるので、ヒンジ部の破損等を回避することができる。
前記のプロテクタにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記収容本体は、第2壁と、第2延設部と、を備える。前記第2壁は、前記第1壁の一端と接続するように一体的に形成される。前記第2延設部は、前記第2壁の縁部から前記第1方向へ延びる。前記第1延設部及び前記第2延設部は一体的に形成されている。
これにより、カバーを閉じるときに第2壁とカバーとの間に異物が挟まれるのを第2延設部によって防止できる。また、第1延設部及び第2延設部が一体的に形成されているので、機械的な強度を確保でき、第1延設部及び第2延設部の変形及び破損を防止できる。
前記のプロテクタにおいては、前記突起部と前記ヒンジ部との間に形成される前記第2方向の隙間が、前記突起部の前記第2方向での幅と比べて短いことが好ましい。
これにより、突起部とヒンジ部との間に異物が挟まりにくくすることができる。また、突起部をヒンジ部に近い位置に設けることで、ヒンジ部の両端を保護することができる。
前記のプロテクタにおいて、前記カバーが閉じられた状態において、前記第2方向における前記ヒンジ部の両端部の厚みは、中央部に比べて大きいことが好ましい。
これにより、ヒンジ部が特に外部と接触して破損し易い部分について、機械的強度を増加させることができる。
前記のプロテクタにおいては、前記突起部と前記ヒンジ部との間に形成される前記第2方向の隙間が、前記ヒンジ部の両端部において厚みが大きくなっている部分の前記第2方向での幅と比べて短いことが好ましい。
これにより、突起部とヒンジ部との間に異物が挟まりにくくすることができる。また、突起部をヒンジ部に近い位置に設けることで、ヒンジ部の両端を保護することができる。
前記のプロテクタにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記突起部は、前記カバーが閉じられた状態において、前記カバーと隙間をあけて対面している。前記カバーが閉じられた状態において、前記第1壁の厚み方向における当該カバーと前記突起部との間の隙間は、前記第1壁の厚みより小さい。
これにより、カバーと突起との間の隙間に異物が挟まりにくくすることができる。
前記のプロテクタにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記カバーは中空に形成される。前記カバーが閉じられた状態において、前記第1延設部は、前記カバーの内部空間に位置している。前記カバーの内壁には、複数のリブが内部空間に突出するように形成される。前記カバーが閉じられた状態で、複数の前記リブのうち少なくとも何れかは、前記第1延設部よりも前記第1壁から前記第1方向で遠い位置に設けられている。
これにより、カバーの強度を向上することができる。また、カバーを閉じる際に、リブと第1延設部とが干渉することを回避できる。
前記のプロテクタにおいては、前記カバーが閉じられた状態で、前記リブが前記第1延設部に近接している部分は、当該第1延設部が前記カバーの内部空間の中央を向く面よりも、前記第1延設部の厚み方向において前記カバーの内部空間に向けて突出していることが好ましい。
これにより、カバーを閉じるとき、リブにより収容物を収容空間の中央側へ寄せることができる。従って、収容物が第1延設部とカバーとの間に挟まるのを確実に回避することができる。
前記のプロテクタにおいては、前記突起部において、閉じられた状態の前記カバーから遠い側に位置する部分には、前記カバーから離れるにつれて前記第1壁からの突出量が小さくなる傾斜面が形成されていることが好ましい。
これにより、突起部に物が引っ掛かりにくくなるので、突起部の破損を回避することができる。
前記のプロテクタにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記カバーは、その内部空間を形成するカバー壁を備える。前記カバー壁には、開放凹部と、周縁リブと、が形成される。前記開放凹部は、前記カバーが閉じられた状態において前記収容本体に近い側が開放される。前記周縁リブは、前記開放凹部の周縁に沿って形成され、前記カバー壁の厚み方向で外側に突出する。前記周縁リブは、前記第2方向における前記第1延設部の端部よりも、前記第2方向で外側に位置する。
これにより、開放凹部の強度を周縁リブによって向上することができる。また、周縁リブと第1延設部との干渉を回避することができる。また、カバーが閉じられた状態において、周縁リブは、開放凹部の外側から(第2方向で)見たときに第1延設部とカバーとの間の隙間を覆う形になるので、第1延設部とカバーとの間に異物が挟まることを回避することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコネクタ収容箱100の斜視図である。図2は、蓋部2が開いた状態のコネクタ収容箱100の構成を示す平面図である。図3は、図1と異なる方向でコネクタ収容箱100を見た斜視図である。図4は、コネクタ収容箱100の背面図である。
図1から図4までに示すコネクタ収容箱(プロテクタ)100は、例えば、合成樹脂を射出成形することにより形成される。
コネクタ収容箱100は、例えば、自動車等の助手席の下側のダッシュボード内に設けられる。コネクタ収容箱100は、車両用ワイヤハーネス(図略)のコネクタを収容し保持する。
コネクタ収容箱100の内部には、互いに電気的に接続される複数組のコネクタ対を配置することができる。それぞれのコネクタ対において、一方のコネクタはコネクタ収容箱100に固定され、当該コネクタに他方のコネクタが装着されることにより電気的接続が行われる。以下の説明においては、コネクタ対のうち、コネクタ収容箱100の内部に固定されたコネクタを保持側コネクタと呼び、保持側コネクタに接続する相手側のコネクタを挿抜側コネクタと呼ぶことがある。コネクタ収容箱100には、保持側コネクタ及び挿抜側コネクタに加えて、各コネクタに接続される電線(電線束)の一部も収容される。
コネクタ収容箱100は、例えば図2に示すように、本体部(収容本体)1と、蓋部(カバー)2と、ヒンジ部3と、突起部4と、を備える。本体部1、蓋部2、ヒンジ部3、及び突起部4は、一体的に形成されている。蓋部2は、ヒンジ部3により、本体部1に対して回転可能に設けられている。
以下の説明では、コネクタ収容箱100の各部の位置関係を説明するときに、閉じられた状態の蓋部2が本体部1に対して位置する側を上と呼び、本体部1が蓋部2に対して位置する側を下と呼ぶことがある。また、蓋部2が閉じられた状態のコネクタ収容箱100において、ヒンジ部3が位置する側を後と呼び、その反対側を前と呼ぶことがある。上下方向にも前後方向にも垂直な方向が左右方向である。図1等には、各方向が矢印で示されている。
上下方向(第1方向)は、蓋部2を閉じたときに本体部1と蓋部2とが向かい合う方向と言い換えることができ、左右方向(第2方向)は、ヒンジ部3のヒンジ軸に平行な方向と言い換えることができる。ただし、上下左右等の向きは単に説明の便宜のためのものであり、コネクタ収容箱100が配置される向きを限定するものではない。
本体部1は、上下方向の両側を開放させた中空の略直方体状に形成されている。保持側コネクタは、本体部1の下側の開放部からその内部に挿入され、挿抜側コネクタは、本体部1の上側の開放部からその内部に挿入される。本体部1の内部において、保持側コネクタと挿抜側コネクタが互いに接続され、本体部1により保持される。
本体部1は、図2等に示すように、第1壁11と、第2壁12と、第3壁13と、第4壁14と、延設部5と、を備える。
第1壁11は、略平板状に形成され、その厚み方向を前後方向に向けて配置されている。詳細は後述するが、第1壁11にはヒンジ部3が配置される。第1壁11は、左右方向の一端で第2壁12と垂直に接続し、他端で第4壁14と垂直に接続する。
第2壁12は、略平板状に形成され、その厚み方向を左右方向に向けて配置されている。第2壁12は、前後方向の一端で第1壁11と垂直に接続し、他端で第3壁13と垂直に接続する。
第3壁13は、略平板状に形成され、第1壁11と平行になるように配置されている。第3壁13は、左右方向の一端で第2壁12と垂直に接続し、他端で第4壁14と垂直に接続する。
第4壁14は、略平板状に形成され、第2壁12と平行になるように配置されている。第4壁14は、前後方向の一端で第1壁11と垂直に接続し、他端で第3壁13と垂直に接続する。
このように、4つの壁を互いに接続することにより、本体部1に内部空間としての第1収容空間S1が形成される。第1壁11と第3壁13とは、第1収容空間S1を挟んで前後方向で対面するように配置される。第2壁12と第4壁14とは、第1収容空間S1を挟んで左右方向で対面するように配置される。
本体部1には仕切部18が一体的に形成されている。第1収容空間S1は、仕切部18によって複数の空間に分けられている。それぞれの保持側コネクタは、本体部1の下側から各空間内に差し込まれることにより、第1収容空間S1に収容される。
第1収容空間S1において区画される小さな空間の内壁に、図略のコネクタ固定部が形成されている。これにより、保持側コネクタを第1収容空間S1に収容した状態で固定することができるので、挿抜側コネクタを保持側コネクタに対して容易に挿抜することができる。
図1及び図2に示すように、第3壁13の外側の面には、固定部16と、引掛部17と、が形成されている。
固定部16は、コネクタ収容箱100を外部の取付け部(図略)に固定する。図1には、固定部16の形状の例として、スライド式固定部16a、及び、引掛け式固定部16bが示されている。ただし、固定部16の構成は、外部に設けられた取付け部の形状等を考慮して様々に変更することができる。
引掛部17は、蓋部2を閉じた状態でロックすることができる。引掛部17は、第3壁13の外側の面から図1に示すように略L字状に突出した部分の先端に鉤状に形成されている。引掛部17は、蓋部2に形成された後述の引掛孔部27に引っ掛かることによって、蓋部2を本体部1にロックする。
図1等に示すように、第4壁14にはワイヤハーネスガイド部9が一体的に形成されている。このワイヤハーネスガイド部9は、本体部1から引き出されたワイヤハーネスの電線を案内する。
延設部5は、第1壁11、第2壁12、及び第3壁13における、蓋部2で閉じられる側(上側)の縁部に一体的に形成されている。
蓋部2が閉じられた状態で、延設部5は、蓋部2の内部に形成された第2収容空間S2に配置される。具体的には、蓋部2が閉じられた状態で、延設部5は、各壁の端面から、蓋部2が備える第5蓋壁25に近づくように、本体部1のそれぞれの壁に沿う向きで延びている。なお、第2収容空間S2及び第5蓋壁25の詳細は後述する。延設部5は、それぞれの壁の厚みより少し薄く形成されている。従って、蓋部2の内部空間を広く確保することができる。
延設部5は、第1延設部51と、第2延設部52と、第3延設部53と、を備える。第1延設部51、第2延設部52及び第3延設部53は、一体的に形成されている。
第1延設部51は、第1壁11の上端面から上側に延びるように形成されている。第1延設部51は、略平板状に形成され、その厚み方向を前後方向に向けて配置されている。第1延設部51は、左右方向の一端で第2延設部52と垂直に接続する。
第2延設部52は、第2壁12の上端面から上側に延びるように形成されている。第2延設部52は、略平板状に形成され、その厚み方向を左右方向に向けて配置されている。第2延設部52は、前後方向の一端で第1延設部51と垂直に接続し、他端で第3延設部53と垂直に接続する。
第3延設部53は、第3壁13の上端面から上側に延びるように形成されている。第3延設部53は、略平板状に形成され、その厚み方向を前後方向に向けて配置されている。第3延設部53は、左右方向の一端で第2延設部52と垂直に接続する。
このように、第1延設部51、第2延設部52、及び第3延設部53のうち隣接する同士が互いに一体的に結合されることで、延設部5の機械的な強度を全体的に高めることができる。
蓋部2は、一側を開放させた中空の略直方体状に形成される。蓋部2が閉じられるとき、蓋部2の開放部は、本体部1に形成されている開放部と接合される。蓋部2の開放部は、本体部1の開放部よりも若干大きく形成されている。これにより、図1の鎖線に示すように蓋部2を閉じると、本体部1を構成する4つの壁の縁部、及び、本体部1に形成された延設部5が、蓋部2に形成された後述の第2収容空間S2内に収容される。
蓋部2は、第1蓋壁21と、第2蓋壁22と、第3蓋壁23と、第4蓋壁(カバー壁)24と、第5蓋壁25と、リブ26と、を備える。
第1蓋壁21は、本体部1の第1壁11に対応する位置に設けられる。第1蓋壁21にはヒンジ部3が配置される。第1蓋壁21は、左右方向の一端で第2蓋壁22と垂直に接続し、他端で第4蓋壁24と垂直に接続する。
第2蓋壁22は、本体部1の第2壁12に対応する位置に設けられる。第2蓋壁22は、前後方向の一端で第1蓋壁21と垂直に接続し、他端で第3蓋壁23と垂直に接続する。
第3蓋壁23は、本体部1の第3壁13に対応する位置に設けられる。第3蓋壁23は、左右方向の一端で第2蓋壁22と垂直に接続し、他端で第4蓋壁24と垂直に接続する。
第4蓋壁24は、本体部1の第4壁14に対応する位置に設けられる。第4蓋壁24は、前後方向の一端で第3蓋壁23と垂直に接続し、他端で第1蓋壁21と垂直に接続する。
第5蓋壁25は、4つの蓋壁の上側において、当該4つの蓋壁のそれぞれに接続している。
このように、5つの蓋壁のうち隣接する同士を互いに接続することにより、蓋部2に内部空間としての第2収容空間S2が形成される。第1蓋壁21と第3蓋壁23とは、第2収容空間S2を挟んで前後方向で対面するように配置される。第2蓋壁22と第4蓋壁24とは、第2収容空間S2を挟んで左右方向で対面するように配置される。第2収容空間S2には、挿抜側コネクタに接続される電線(電線束)の一部が収容される。
第3蓋壁23の外側の面には、外部に突出する引掛孔部27が形成されている。当該引掛孔部27は、図1に示すように、本体部1の第3壁13に形成された引掛部17に対応する位置に形成されている。この引掛孔部27に引掛部17を引っ掛けて固定することで、蓋部2を閉じた状態で本体部1にロックすることができる。
第4蓋壁24には、図1及び図3に示すように、開放凹部28と、周縁リブ29と、が形成されている。
開放凹部28は、蓋部2の開放側と同じ側が開放された略U字状に形成されている。開放凹部28は、第2収容空間S2と、蓋部2の外部とを、互いに接続する。当該開放凹部28を介して、蓋部2により収容される電線等がコネクタ収容箱100の外部へ引き出される。
周縁リブ29は、開放凹部28の周縁部に沿って、第4蓋壁24から外側に少し突出するように形成されている。これにより、開放凹部28の周縁部の強度を高めることができる。
図5に示すように、蓋部2が閉じられた状態において、当該周縁リブ29は、第1延設部51の左右方向の端部より外側(具体的には、第1延設部51の右端E3より右側)に位置する。これにより、蓋部2を閉じたときに周縁リブ29が第1延設部51と干渉しないようにすることができる。
更に、蓋部2が閉じられた状態では、第1延設部51の右端E3と開放凹部28の周縁とが近接している。そして、周縁リブ29は、開放凹部28の外側から蓋部2を(左右方向で)見たときに、第1延設部51と蓋部2の第1蓋壁21との間の隙間を当該周縁リブ29が覆うように、第2収容空間S2に近づくに従って開放凹部28が窄まるように形成されている。これにより、周縁リブ29と第1延設部51との間に電線等が挟み込まれにくくなるとともに、周縁リブ29と第1蓋壁21との間に異物が挟まることを回避できる。
リブ26は、例えば図6に示すように、第1蓋壁21、第5蓋壁25、及び第3蓋壁23から第2収容空間S2内に突出するように形成されている。第1蓋壁21及び第3蓋壁23においては、リブ26は上下方向に延び、第5蓋壁25においては、リブ26は前後方向に延びている。リブ26は、左右方向に並べて複数設けられている。
蓋部2を閉じたときに、それぞれのリブ26において第1蓋壁21の内壁から突出する部分(例えば、図5に示す端部26a)は、第1延設部51が第2収容空間S2に向く面よりも、第2収容空間S2の中央部に向けて更に突出していることが好ましい。これにより、蓋部2を閉じるとき、当該リブ26によって、電線等を第2収容空間S2の中央側に寄せることができるので、電線等が蓋部2と延設部5との間に挟み込まれることを防止できる。
図5に示すように、蓋部2が閉じられた状態において、第1蓋壁21に形成されたそれぞれのリブ26の端部26aは第1延設部51の上方に位置する。これにより、蓋部2を閉じるとき、第2収容空間S2内に突出するリブ26が延設部5に干渉することを回避できる。
図5に示すように、蓋部2が閉じられた状態において、当該端部26aと第1延設部51の上縁との隙間が小さいことが好ましい。これにより、電線等の挟み込みを回避することができる。
ヒンジ部3は、図2に示すように、本体部1の第1壁11と、蓋部2の第1蓋壁21と、を連結する。ヒンジ部3は、左右方向に延びて形成されている。ヒンジ部3は可撓性を有しており、このヒンジ部3を介して、蓋部2が、当該ヒンジ部3を中心として本体部1に対して図1の白抜き矢印に示す方向に回転することができる。
本実施形態のヒンジ部3は、図3及び図4に示すように、ヒンジ本体30と、厚み部31と、を備える。
ヒンジ本体30は、直線状に細長く延びるように形成されている。ヒンジ本体30は1つだけ備えられており、第1壁11の上縁部及び第1蓋壁21の下縁部の長手方向の殆どにわたって形成されている。図6に示すように蓋部2を180°開いた状態で、ヒンジ本体30は細長い薄板状となる。ヒンジ本体30を変形させることで、蓋部2は、図1の鎖線に示す閉状態と、実線に示す開状態と、の間で回転可能となっている。
厚み部31は、図3及び図4に示すように、ヒンジ本体30の長手方向両端部のそれぞれに形成される。厚み部31は、薄板状のヒンジ本体30の厚みを大きくするように形成されている。これにより、破損し易いヒンジ本体30の両端部の強度を向上させることができる。
突起部4は、図3、図4及び図8に示すように、ヒンジ部3の両側のそれぞれにおいて、ヒンジ部3との間に隙間D1をあけて1つずつ設けられている。即ち、突起部4は、コネクタ収容箱100の長手方向において、ヒンジ部3を両側から挟むように2つ設けられている。突起部4は、第1壁11から外側に突出するブロック状に形成されている。
本実施形態では、突起部4とヒンジ部3との間の隙間D1は、左右方向での突起部4の幅W1より小さく、かつ、左右方向での厚み部31の幅W2より小さくなっている(D1<W1、D1<W2)。これにより、突起部4とヒンジ部3との間に形成された隙間D1に電線等が挟み込まれにくくすることができる。また、ヒンジ部3に近い位置に突起部4を形成することで、ヒンジ部3の両端部を一層好適に保護することができる。
言い換えれば、本実施形態では、左右方向での厚み部31の幅W2は、突起部4とヒンジ部3との間の隙間D1より大きくなっている(W2>D1)。これにより、仮に上記隙間D1に異物が挟み込まれた場合でも、当該異物の大きさは、厚み部31の幅W2より小さいサイズとなる。従って、異物によって厚み部31に加わる力に対して、厚み部31の機械的強度を確保することが容易であるので、ヒンジ部3の破損を良好に回避することができる。
蓋部2が180°開かれた状態における第1蓋壁21と突起部4との間の距離(図8に示す距離D2)は、可能な限り狭くすることが好ましい。即ち、第1壁11から突出する突起部4の突出量が、蓋部2の開閉に干渉しない限り大きくすることが好ましい。突起部4と蓋部2の第1蓋壁21との間に形成される隙間を狭くすることで、異物の挟み込みを防止することができる。
図3に示すように、本実施形態の突起部4が第1壁11から後方へ突出する突出量は、蓋部2が閉じられた状態(言い換えれば、ヒンジ部3が折り畳まれた状態)でヒンジ部3が第1壁11から後方へ突出する突出量とほぼ同じとなっている。これにより、蓋部2が閉じられた状態において、ヒンジ部3が突起部4よりも後側に突出せず、ヒンジ部3を良好に保護することができる。
突起部4は、図3、図4及び図7に示すように、第1壁11の上端よりも上側に延出している。従って、図1、図6及び図7に示すように、突起部4と第1延設部51との間には、相対的に凹状となっている凹部8が形成されている。この凹部8には、蓋部2の第1蓋壁21の一部を収容することができる。
図7に示すように、蓋部2を閉じる際に、第1蓋壁21の内壁面が、第1延設部51において外側を向く面に対面するように、第1蓋壁21の下端が凹部8に差し込まれる。
前後方向における凹部8の幅W3は、第1蓋壁21の厚みより少しだけ大きく形成することが好ましい。これにより、蓋部2を閉じる際に、円弧軌跡を描いて移動する第1蓋壁21を円滑に凹部8内に差し込むことができる。一方で、凹部8の幅W3をあまり大きくしないようにすることで、電線等の挟み込みを回避することができる。
蓋部2が閉じられた状態において、突起部4と蓋部2とが前後方向で対面している部分の隙間(図7に示す隙間D3)は、本体部1の第1壁11の厚みより小さく、かつ、第1延設部51の厚みより小さい。このように、当該隙間D3を狭くすることで、電線等の挟み込みを回避することができる。
第1延設部51が第1壁11から上方へ突出する端部は、左右の対で配置される突起部4が第1壁11から上方へ突出する端部よりも、下方に位置する。即ち、第1延設部51の上端E1は、突起部4の上端E2よりも、第1壁11から遠い。
左右の対で配置される突起部4は何れも、図4に示すように、第1延設部51の左右方向の両端部より内側に位置する。即ち、第1延設部51の右端E3は、ヒンジ部3の左右方向中央(以下、ヒンジ中央と呼ぶことがある。)から見て、突起部4の右端E5よりも遠くまで延びている。同様に、第1延設部51の左端E4は、ヒンジ中央から見て、突起部4の左端E6よりも遠い。
このように、第1延設部51が突起部4よりも上下方向及び左右方向(ヒンジ部3の長手方向外側)に突出しているので、蓋部2を開いた状態でも、突起部4の近傍において、本体部1と蓋部2との間で電線等が挟み込まれるのを第1延設部51により回避することができる。
突起部4には、図3及び図4に示すように、第1傾斜面(傾斜面)41と、第2傾斜面42と、が形成されている。
第1傾斜面41は、突起部4の下側(即ち、閉じられた状態の蓋部2から遠い側)の部分に設けられている。第1傾斜面41は、閉じられた状態の蓋部2から離れるに従って第1壁11から突出する突出量が小さくなるように形成されている。これにより、たとえ突起部4の下部が外部の物体と接触したとしても、その物体を斜めに滑らせるように案内することで、突起部4への引っ掛かりを回避できる。この結果、突起部4及びヒンジ部3が破損しないように保護することができる。
第2傾斜面42は、図2及び図8に示すように、突起部4のうち左右方向でヒンジ部3から遠い側の部分に設けられている。第2傾斜面42は、左右方向でヒンジ部3から離れるに従って第1壁11から突出する突出量が小さくなるように形成されている。これにより、突起部4においてヒンジ部3から遠い部分が外部の物体と接触したとしても、第1傾斜面41と同様に、その物体を斜めに滑らせるように案内することで、突起部4への引っ掛かりを回避できる。また、突起部4の外側において、鋭い角部の形成を避けることができ、指当たりを和らげることができる。
以上に説明したように、本実施形態のコネクタ収容箱100は、本体部1と、蓋部2と、ヒンジ部3と、突起部4と、を備える。本体部1は、第1壁11を有する。蓋部2は、本体部1に対して開閉可能であり、閉じられたときに、第1壁11の厚み方向である前後方向に交差する方向(上下方向)で本体部1と向かい合う。ヒンジ部3は、本体部1と蓋部2とを接続し、前後方向及び上下方向のそれぞれに交差する方向(左右方向)に延びる。突起部4は、左右方向でヒンジ部3を挟むように対で配置され、それぞれが前後方向で当該第1壁11から本体部1の外側に突出する。対で配置された突起部4の間でヒンジ部3は1つのみ形成される。本体部1は、第1壁11の縁部から上へ延びる第1延設部51を備える。上下方向において第1壁11から遠い側の第1延設部51の端部(即ち、第1延設部51の上端部)E1は、上下方向において第1壁11から遠い側の突起部4の端部(即ち、突起部4の上端部)E2よりも、本体部1から遠い。ヒンジ部3における左右方向での中央部分をヒンジ中央と呼ぶときに、第1延設部51の左右方向での端部E3,E4は、当該端部と同じ側に配置された突起部4におけるヒンジ中央から左右方向で遠い側の端部E5,E6よりも、ヒンジ中央から遠い。
このように、ヒンジ部3が延びる方向において、ヒンジ部3の両側に突起部4を設けることで、ヒンジ部3の両端を保護し、破損等を防止することができる。また、蓋部2を開いたときに、本体部1と蓋部2との間で突起部4がない部分に異物が入り込むことを、第1延設部51によって防止できる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、蓋部2は中空状に形成される。蓋部2が閉じられた状態において、第1延設部51は、蓋部2の第2収容空間S2に位置する。
これにより、蓋部2を閉じるときにヒンジ部3の近傍で本体部1と蓋部2との間に異物が挟まれるのを第1延設部51によって防止できるので、ヒンジ部3の破損等を回避することができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、本体部1は、第2壁12と、第2延設部52と、を備える。第2壁12は、第1壁11の一端と接続するように一体的に形成される。第2延設部52は、第2壁12の縁部から上へ延びる。第1延設部51及び第2延設部52は一体的に形成されている。
これにより、蓋部2を閉じるときに第2壁12と蓋部2との間に異物が挟まれるのを第2延設部52によって防止できる。また、第1延設部51及び第2延設部52が一体的に形成されているので、機械的な強度を確保でき、第1延設部51及び第2延設部52の変形及び破損を防止できる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、突起部4とヒンジ部3との間に形成される左右方向の隙間D1が、突起部4の左右方向での幅W1と比べて短い(D1<W1)。
これにより、突起部4とヒンジ部3との間に異物が挟まりにくくすることができる。また、突起部4をヒンジ部3に近い位置に設けることで、ヒンジ部3の両端を保護することができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、図4等に示すように蓋部2が閉じられた状態において、左右方向におけるヒンジ部3の両端部の厚みは、中央部に比べて大きい。
これにより、ヒンジ部3が特に外部と接触して破損し易い部分について、機械的強度を向上させることができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、突起部4とヒンジ部3との間に形成される左右方向の隙間D1が、ヒンジ部3の両端部において厚みが大きくなっている部分の左右方向での幅W2と比べて短い(D1<W2)。
これにより、突起部4とヒンジ部3との間に異物が挟まりにくくすることができる。また、突起部4をヒンジ部3に近い位置に設けることで、ヒンジ部3の両端を保護することができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、突起部4は、図7の鎖線で示すように蓋部2が閉じられた状態において、蓋部2と隙間D3をあけて対面している。蓋部2が閉じられた状態において、第1壁11の厚み方向における蓋部2と突起部4との間の隙間D3は、第1壁11の厚みより小さい。
これにより、蓋部2と突起部4との間の隙間に異物が挟まりにくくすることができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、蓋部2は中空に形成される。蓋部2が閉じられた状態において、第1延設部51は、蓋部2の第2収容空間S2に位置している。蓋部2の内壁には、複数のリブ26が内部空間に突出するように形成される。蓋部2が閉じられた状態で、複数のリブ26のそれぞれ(少なくとも、端部26a)は、第1延設部51よりも第1壁11から上下方向で遠い位置(即ち、第1延設部51よりも上側)に設けられている。
これにより、蓋部2の強度を向上することができる。また、蓋部2を閉じる際に、リブ26と第1延設部51とが干渉することを回避できる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、蓋部2が閉じられた状態で、リブ26が第1延設部51に近接している部分である端部26aは、当該第1延設部51が蓋部2の内部空間の中央を向く面よりも、第1延設部51の厚み方向において蓋部2の内部空間に向けて突出している。
これにより、蓋部2を閉じるとき、リブ26により電線を第2収容空間S2の中央側に寄せることができる。従って、電線が第1延設部51と蓋部2との間に挟まるのを確実に回避することができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、突起部4において、閉じられた状態の蓋部2から遠い側に位置する部分には、蓋部2から離れるにつれて第1壁11からの突出量が小さくなる第1傾斜面41が形成されている。
これにより、突起部4に物が引っ掛かりにくくなるので、突起部4の破損を回避することができる。
また、本実施形態のコネクタ収容箱100において、蓋部2は、第2収容空間S2を形成する第4蓋壁24を備える。第4蓋壁24には、開放凹部28と、周縁リブ29と、が形成される。開放凹部28は、蓋部2が閉じられた状態において本体部1に近い側が開放される。周縁リブ29は、開放凹部28の周縁に沿って形成され、第4蓋壁24の厚み方向で外側に突出する。周縁リブ29は、第2方向における第1延設部51の端部よりも、第2方向で外側に位置する。
これにより、開放凹部28の強度を周縁リブ29によって向上することができる。また、周縁リブ29と第1延設部51との干渉を回避することができる。また、蓋部2が閉じられた状態において、周縁リブ29は、開放凹部28の外側から(左右方向で)見たときに第1延設部51と蓋部2(第1蓋壁21)との間の隙間を覆う形になるので、第1延設部51と蓋部2(第1蓋壁21)との間に異物が挟まることを回避することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態において、略直方体の本体部1においては、例えば図1及び図2に示すように、左右方向における寸法が、前後方向における寸法より長くなっている。従って、上下方向で本体部1(コネクタ収容箱100)を見たとき、当該本体部1は左右方向に細長く形成される。本体部1の長手方向である左右方向は、ヒンジ部3のヒンジ軸の方向と一致している。しかしながら、上下方向で本体部1(コネクタ収容箱100)を見たときの長手方向が、ヒンジ部3のヒンジ軸の方向と垂直となっても良い。また、本体部1(コネクタ収容箱100)を上下方向で見たときに、正方形状となるように形成されても良い。
第1延設部51、第2延設部52及び第3延設部53は、一体的に形成せず、互いに別々に形成されても良い。
第3延設部53を省略しても良い。また、第2延設部52を省略しても良い。
本体部1に形成されるワイヤハーネスガイド部9の形状は様々に変更することができ、また、ワイヤハーネスガイド部9を省略することもできる。また、ワイヤハーネスガイド部9と同様に大きく突出した形状のガイド部を蓋部2側に設けても良い。
突起部4は、強度を確保するために中実に形成されることが好ましいが、中空に形成されても良い。
蓋部2が本体部1と向かい合う方向である第1方向は、第1壁11の厚み方向と垂直でなくても良い。ヒンジ部3が延びる方向である第2方向は、第1壁11の厚み方向と垂直でなくても良く、第1方向と垂直でなくても良い。
本体部1のそれぞれの壁は、隣接する壁に対して直交していなくても良い。