<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、以下の記載において、「平行」及び「直交」との説明があるが、「平行」及び「直交」には、それぞれ「略平行」及び「略直交」であるものを含むものとする。
[遊技機の構成の概要]
図1は、本実施形態のスロットマシン1の外観構成を示す正面図、図2は、スロットマシン1の外観構成を示す側面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。なお、以下において、遊技者の方(手前)を「前方」、反対を「後方」と記載する。また、図1の正面図を基準に遊技機の上下左右を規定する。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対向する側である前面側(前方側)に開口BXa(図4参照)が形成された箱形の筐体BX、開閉可能に筐体BXに支持された前扉としての前面扉FDを備えており、筐体BX内に左右方向に並べて配置された複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3を有するリールユニット310が収められている。筐体BXの開口BXaは、上部よりも下部が前方となる傾斜面S1に沿って形成されている。筐体BXは、スロットマシン1が遊技場に設置される際、遊技場の床面に当接する下面BXbを有している。なお、下面BXbは平面状に形成されているものに限定されない。下面BXbは、遊技場の床面と当接することによってスロットマシン1が安定して載置されるように形成されていればよく、例えば、複数の凹凸を有していてもよい。筐体BXは、傾斜面S1に沿って形成されているため、前面扉FDの開放時に前方側に倒れようとする力を緩和している。また、筐体BX内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図4参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体BX内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板10(図4参照)も収められている。
最も左方側に配置された第1リールR1、第1リールR1の右方側に配置された第2リールR2及び第2リールR2の右方側に配置された第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータM(図4参照)に軸支されており、それぞれステッピングモータMの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータMの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
前面扉FDは、それぞれ個別に開閉可能で、開口BXaの上半部を閉じることが可能な前面上扉UDと、開口BXaの下半部を閉じることが可能な前面下扉DDと、に分割部DVにおいて上下に分割して構成されている。前面上扉UDは、第1リールR1〜第3リールR3に対向して近接配置された上パネルUD1と、この上パネルUD1の裏面側(後方側)に配置された上装飾シートと、を有している。
上パネルUD1は、透光性が高い(本実施形態では透明な)合成樹脂によって板状に形成されており、上装飾シートUD2や第1リールR1〜第3リールR3の前面側を覆って保護している。上装飾シートUD2には、スロットマシン1の製品名や関連するキャラクタ等の画像、スロットマシン1の外面を装飾する画像、上パネルUD1の裏面側に配置された不図示のランプ等を説明する文字や画像等が印刷されている。上装飾シートUD2は、裏面側に配置された不図示のホルダと上パネルUD1との間に挟み込んだ状態で保持されており、上パネルUD1を介して前方から遊技者が視認可能となっている。
上装飾シートUD2は、第1リールR1〜第3リールR3に対応する位置に表示窓DWに合わせて開口が設けられており、この開口を介して遊技者が第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能に形成されている。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。なお、前面上扉UDは、上記上装飾シートの開口の代わりに、上装飾シートの第1リールR1〜第3リールR3に対応する位置に印刷が施されない透光領域が設けられて、この透光領域によって表示窓が形成されるように構成されていてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが傾動操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後に第1リールR1〜第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、図示しない有利期間制御手段によって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
また、スロットマシン1には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりする、遊技に関する演出を実行可能な演出装置300が設けられている。演出装置300には、前面上扉UDに設けられている、表示装置330、可動役物装置350、及び複数の電飾装置360、前面下扉に設けられている複数の電飾装置370が含まれる。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技の進行に応じて各種の映像や画像を表示する演出を実行する。可動役物装置350は、例えば、表示装置330の前方に配置されており、遊技の進行に応じてモータやソレノイド等の駆動手段により移動し、表示装置330の画面を遮蔽させたり露出させたりする演出を実行する。電飾装置360,370は、遊技の進行に応じて発光する演出を実行する。また、演出装置300には、前面上扉UD及び前面下扉DDに設けられている、複数の音響装置380,390を含む。音響装置380,390は、遊技の進行に応じて各種の音声を出力する演出を実行する。
前面下扉DDは、正面視において前面下扉DDと略同サイズで、電飾装置370、音響装置390、メダル受け皿MP等が取付けられる合成樹脂製の下扉ベースDBを有している。下扉ベースDBには、各種の操作手段が取付けられている操作部CPが一体的に形成されている。操作部CPは、上方を向いた操作部上面CPaと、前方を向いた操作部前面CPbと、を有している。操作部上面CPaには、遊技者が1枚ずつメダルを投入するためのメダル投入口MI、及びメダルがクレジット(貯留)されている状態で、クレジットされたメダルのうちから一度の操作によって規定投入数のメダルを投入する投入操作を受付ける投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が取付けられている。
操作部前面CPbには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSLを有するスタートレバーユニットLU、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1〜ストップボタンB3を有するストップボタンユニットBU、ストップボタンユニットBUの前面側を覆うボタンカバーBC及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSが取付けられている。シングルベットボタンBTは、メダルがクレジットされている状態で、クレジットされたメダルのうちから1枚のメダルを投入する投入操作を受付ける。スタートレバーSLは、第1リールR1〜第3リールR3を回転させる契機となる開始操作を受付ける。ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、ステッピングモータM(図4参照)により回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を受付ける。クレジットされているメダルは、貯留手段としての制御基板10に記憶(貯留)されている。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを後方に向けて押下するシングルベット操作(投入操作)又はマックスベットボタンMBを下方に向けて押下するマックスベット操作(投入操作)を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対してスタートレバーSLを傾動させる開始操作(傾動操作)を実行すると、制御基板10において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータMの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、第1リールR1〜第3リールR3を回転開始させた場合に、ウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、スロットマシン1は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内に再び開始操作が行われた場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3を回転開始させるように構成されている。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を後方に向けて押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ35(図9参照)がON動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板10は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部の下皿前面51には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、制御基板10にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するメダル清算信号をOFF状態からON状態へ変化させる。制御基板10は、メダル清算信号のOFF状態からON状態への変化に伴って、第1リールR1〜第3リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
下皿前面51のメダル払出口MOの左右には、証紙類(公的機関による試験の適合を証する証紙、特許権等の実施許諾を証する証紙、各遊技機の個別情報(機種情報や製造情報)を符号や数字等で記録した識別ラベル、銘板など)を配置するための証紙類配置部52L、52Rがそれぞれ配置されている。証紙類配置部52L、52Rは、例えば、証紙類を収容する凹部とそれを覆う透明カバーなどから構成することができる。あるいは、証紙類配置部52L、52Rは単に証紙類(証紙や銘板など)を貼付や接着するための平面部であってもよい。下皿前面51の後方かつ証紙類配置部52L、52Rの左右外側には、上記の音響装置390,390が配置されており、音響装置390,390の前方の下皿前面51には、音響装置390,390からの音を前方に出力するための多数の開口からなる開口部53,53が配置されている。
下皿前面51は、後述する前面下扉DDの傾斜面S1に対向する合わせ面DDaと平行となるように形成されており、メダル払出口MOの開口の前端縁MOaも、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。また、開口部53,53の開口は、合わせ面DDaと直交するように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、開口部の開口は、射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0〜10°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。また、証紙類配置部52L,52Rの証紙類を貼付ける平面部は、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。即ち、証紙類配置部52L,52Rに配置された証紙類は、上部よりも下部が前方となるように傾斜する。これにより、作業者や遊技者等が証紙類の情報を目視により確認する際、証紙類配置部52L,52Rよりも上方から証紙類を視認しやすくなり、証紙類の確認作業における作業性の向上を図っている。
上下方向において、前面下扉DDの操作部CPとメダル受け皿MPとの間には、スロットマシン1の製品名や関連するキャラクタ等の画像を表示したり、スロットマシン1の外面を装飾したりするための、装飾シートとしての下装飾シート83が配置されている。下装飾シート83に係る前面下扉DDの構成については、後述する。
[前面上扉及び前面下扉の開閉に係る構成]
次に、前面扉FDの開閉に係る構成について説明する。図2及び図3に示すように、前面扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDのそれぞれの左方側に設けられた蝶番HN(図4参照)を介して筐体BXに支持されており、筐体BXに対して右方側が開閉可能となっている。前面上扉UDは、上施錠ユニット(不図示)を有し、前面下扉DDは、下施錠ユニットDLを有する。
上施錠ユニットは、前面上扉UDの右方側に設けられている。上施錠ユニットULは、下扉ベースDBに取付けられる上施錠ベースULa、上施錠ベースULaに対して傾動可能に支持され、筐体BXに設けられた上被係合部BXc(図4参照)に係合する位置と係合しない位置とに移動可能な上係合部ULb、上係合部の移動を操作する係合操作部ULc、及び上係合部と係合操作部ULcとを接続する上接続部(不図示)を有する。前面上扉UDは、上施錠ユニットの上係合部ULbが上被係合部BXcに係合することにより、閉じている状態に施錠される。下施錠ユニットDLは、前面下扉DDの右方側に設けられている。下施錠ユニットDLは、下扉ベースDBに取付けられる下施錠ベースDLa、下施錠ベースDLaに対して傾動可能に支持され、筐体BXに設けられた下被係合部BXd(図4参照)に係合する位置と係合しない位置とに移動可能な下係合部DLb、キー操作によって下係合部の移動を操作するシリンダ錠CY、及び下係合部DLbとシリンダ錠CYとを接続する下接続部DLdを有する。前面下扉DDは、下施錠ユニットDLの下係合部DLbが下被係合部BXdに係合することにより、閉じている状態に施錠される。前面扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDが施錠されることにより、開口BXaを閉じている状態となる。
前面上扉UDは、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面UDaを有し、前面下扉DDは、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面DDaを有している。また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて前方を向くように形成された下端前面UDb(図6参照)を有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて後方を向くように形成され、下端前面UDbに対向すると共に下端前面UDbに当接可能な上端後面DDb(図6参照)を有している。
前面上扉UDは、上端後面DDbが下端前面UDbに当接することにより、前面下扉DDに対して開く方向への移動が規制される。このため、前面上扉UDは、前面下扉DDの下施錠ユニットDLの下係合部が下被係合部BXdに係合していない状態(前面下扉DDが施錠されておらず、開いている状態)で、開閉可能となっている。また、前面下扉DDは、前面上扉UDの上施錠ユニットの上係合部が上被係合部BXcに係合している状態(前面上扉UDが閉じて、施錠されている状態)で、前面下扉DDとは独立して開閉可能となっている。
上施錠ユニットULの係合操作部ULcは、前面下扉DDが開いている状態で操作可能に露出するように配置されており、操作されることによって、上接続部を介して上施錠ユニットULの上係合部ULbを上被係合部BXcに係合しない位置に移動させる。下施錠ユニットDLのシリンダ錠CYは、合わせ面DDaと直交する方向に沿って延びる円筒状に形成されて、前面下扉DDに形成されたシリンダ用貫通孔DBc(図1参照)から前端部CYa(図1参照)が前方に露出しており、挿入されたキーを回動させるキー操作が行われることによって、下接続部を介して下施錠ユニットDLの下係合部DLbを下被係合部BXdに係合しない位置に移動させる。
前面下扉DDは、シリンダ用貫通孔DBcが合わせ面DDaと直交する方向に形成されている。また、前面下扉DDは、シリンダ用貫通孔DBcの前端側の開口の周囲に形成されたシリンダ周囲面DBdを有しており、シリンダ周囲面DBdが合わせ面DDaと平行となるように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、シリンダ貫通孔は、射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0〜3°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。
また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて下方を向くように形成された、分割部DVにおける分割面である上扉下端面UDcを有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて上方を向くように形成され、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で上扉下端面UDcに対向する、分割部DVにおける分割面である下扉上端面DDcを有している。上扉下端面UDc及び下扉上端面DDcは、合わせ面UDa,DDaと直交する仮想平面S2に対して、前方に向けて上向きとなるように傾斜している。
これにより、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面下扉DDが開いている状態で前面上扉UDを開く際、前面上扉UDの右端側が自重により下がった状態で前面上扉UDが移動する場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。また、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UDが閉じている状態で前面下扉DDを閉じる際、作業者が前面下扉DDを持ち上げながら閉じる場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。
このように構成されていることで、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UD及び前面下扉DDを互いに独立して開閉する際、前面下扉DDの上端部の後方の角と、前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突しにくくなり、前面上扉UD及び前面下扉DDの開閉操作における操作性の向上を図っている。また、前面下扉DDの上端部の後方の角と前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突して破損することの防止を図っている。更に、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが摺動する際の、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが接触する圧力を低下させ、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとの摺動による傷付きの抑制を図っている。
[前面下扉及びスタートレバーユニットの詳細]
図6及び図7に示すように、下扉ベースDBは、スタートレバーユニットLUが取付けられるレバー取付面DBj、スタートレバーユニットLUを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数のレバー取付穴DBk、スタートレバーユニットLUが挿入されたレバー用貫通孔DBm、及びレバー周囲面DBnを有しており、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。
レバー取付面DBjは、後方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、スタートレバーユニットLUに当接している。複数のレバー取付穴DBkは、レバー取付面DBjから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。レバー用貫通孔DBmは、レバー取付面DBjから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、複数のレバー取付穴DBkの中心線DBKL及びレバー用貫通孔DBmの中心線DBmLは、合わせ面DDaに直交している。
また、レバー周囲面DBnは、レバー用貫通孔DBmの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。なお、レバー周囲面DBnは、操作部前面CPbと同一の面として下扉ベースDBに形成されていてもよい。スタートレバーユニットLUは、後方から下扉ベースDBの操作部CPに取付けられてねじ留めされ、前端側がレバー用貫通孔DBmを貫通して操作部CPから前方に露出している。
スタートレバーユニットLUは、下扉ベースDBに取付けられる保持部41、スタートレバーSL、付勢手段としての復帰ばね43、及び軸部42の初期位置からの上下左右方向への傾動に基づいて開始操作を検知する傾動センサ45を有している。スタートレバーSLは、揺動(傾動)可能に保持部41に保持された軸部42、及び軸部42の前端部に取付けられた球状のグリップ44を有している。
保持部41は、レバー用貫通孔DBmに挿入される円筒状の円筒部41a、及び下扉ベースDBに取付けるためのねじが貫通する複数のねじ貫通孔41bを有し、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。円筒部41a及び複数のねじ貫通孔41bは、下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、円筒部41aの中心線41aL及び複数のねじ貫通孔41bの中心線41bLは、合わせ面DDaに直交している。
軸部42は、初期位置に位置している状態、即ち遊技者による操作が行われていない状態で、操作部前面CPbから前方に向けて、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。復帰ばね43は、軸部42と保持部41との間に配置されており、軸部42を初期位置に向けて付勢する。軸部42が初期位置から上下左右方向へ傾動すると、傾動センサ45が制御基板10(図4参照)に出力する検知信号がOFF状態からON状態に変化する。なお、軸部42は、初期位置に位置している状態で合わせ面DDaに厳密に直交する方向に延びているものに限定されない。軸部は、例えば、自重によって前端が下がり、合わせ面に直交する方向に対して0〜3°程度傾斜していてもよい。
[前面下扉及び清算ボタン及びシングルベットボタンの詳細]
下扉ベースDBは、合わせ面DDaに直交する方向に延びて操作部前面CPbに形成され、図1に示す清算ボタンBSが挿入された清算ボタン用貫通孔(不図示)と、図1に示すシングルベットボタンBTが挿入されたシングルベットボタン用貫通孔(不図示)と、を有する。また、図1に示すように、下扉ベースDBは、清算ボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成された清算ボタン周囲面DBpと、シングルベットボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成されたシングルベットボタン周囲面DBqと、を有する。
[前面下扉及びストップボタンユニットの詳細]
図1、図8乃至図10に示すように、下扉ベースDBは、ストップボタンユニットBUが取付けられるボタンユニット取付面DBe、ストップボタンユニットBUを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数のボタンユニット取付穴DBfを有している。なお、図10は、ストップボタンB2の中心で切断した図1におけるC−C断面図であるが、ストップボタンB1及びストップボタンB3の中心で切断した断面図も同様であるため、ストップボタンB1及びストップボタンB3については、図示を省略する。
ボタンユニット取付面DBeは、前方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、ストップボタンユニットBUに当接している。複数のボタンユニット取付穴DBfは、ボタンユニット取付面DBeから後方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、複数のボタンユニット取付穴DBfの中心線DBfLは、合わせ面DDaに直交している。
ストップボタンユニットBUは、前方から下扉ベースDBの操作部CPに取付けられてねじ留めされ、操作部CPに取付けられたボタンカバーによってストップボタンB1〜ストップボタンB3の周囲の前方側が被覆されている。ボタンカバーBCは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が貫通するボタン用貫通孔BCa、及びストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれのボタン用貫通孔BCaの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaと平行に形成された貫通孔周囲面BCbを有し、合成樹脂によって形成されている。下扉ベースDBに取付けられた状態で、ボタン用貫通孔BCaは、後述するガイド穴32aの中心線32aLと平行に延びるように形成されている。即ち、ボタン用貫通孔BCaの中心線BCaLは、ガイド穴32aの中心線32aLに平行となっている。また、貫通孔周囲面BCbは、中心線BCaLに直交するように形成されている。
図8乃至図10に示すように、ストップボタンユニットBUは、下扉ベースDBに取付けられるボタンベース31、ストップボタンB1〜ストップボタンB3、ボタンガイド32を有し、また、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに対して、ボタンばね33、及びストップボタンB1〜ストップボタンB3の移動に基づいて停止操作を検知する透過型の光学センサであるストップスイッチ35を有している。
ボタンベース31は、下扉ベースDBのボタンユニット取付面DBeに当接する当接面31a、下扉ベースDBに取付けるためのねじが貫通する複数のねじ貫通孔31b、ボタンガイド32を保持する複数のボタンガイド保持部31c、及びストップスイッチ35が取付けられるスイッチ取付部31dを有し、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。当接面31aは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。複数のねじ貫通孔31bは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、ねじ貫通孔31bの中心線31bLは、合わせ面DDaに直交している。ボタンベース31は、ボタンガイド32との間にストップスイッチ35を収納した状態で、複数のボタンガイド保持部31cによってボタンガイド32を保持する。
ボタンガイド32は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに対応して形成され、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の移動を案内するボタンガイド穴としてのガイド穴32aを有し、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。また、ボタンガイド32は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の前方への移動を規制する前方規制面32b、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の後方への移動を規制する後方規制面32c、及びボタン周囲面32dを有している。
ガイド穴32aは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、前端側が開口すると共に合わせ面DDaに直交する方向に対して、前方側が上向きとなるように延びており、合わせ面DDaに直交する方向に対して傾斜する方向にストップボタンB1〜ストップボタンB3の移動を案内する。即ち、ガイド穴32aの中心線32aLは、合わせ面DDaに直交する方向に対して、前方側が上向きとなるように傾斜している。前方規制面32b及び後方規制面32cは、中心線32aLに直交するように形成されている。ボタン周囲面32dは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれのガイド穴32aの前端側の開口の周囲に、中心線32aLに直交するように形成されている。
ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、それぞれ、遊技者が押圧可能な押圧部としての押圧面Ba、前方規制面32bに当接可能な前方当接面Bb、後方規制面32cに当接可能な後方当接面Bd、及びストップスイッチ35の光軸を遮光するインデックスBeを有する。ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、ガイド穴32aに案内されて、前方当接面Bbが前方規制面32bに当接する位置から、後方当接面Bdが後方規制面32cに当接する位置までの間で、中心線32aLに沿って移動可能となっている。ボタンばね33は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3とボタンガイド32との間に配置され、ストップボタンB1〜ストップボタンB3を前方に向けて付勢する。
ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、遊技者によって、ボタンばね33の付勢力に抗して押圧面Baが後方に向けて押圧され、インデックスBeがストップスイッチ35の光軸を遮光する位置まで移動することにより、ストップスイッチ35が制御基板10に出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。また、ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、遊技者が押圧面Baから手を離すと、ボタンばね33の付勢力によって前方に移動し、インデックスBeがストップスイッチ35の光軸を遮光しない位置まで移動することにより、ストップスイッチ35が制御基板10に出力するリール停止信号をON状態からOFF状態へ変化させる。
[ストップボタンの押圧面]
図6及び図10に示すように、本実施形態におけるスロットマシン1において、押圧面Baは、前方に向けて膨出する曲率の大きな球面状(例えば、半径が100mm以上の球面状)に形成されており、押圧されていない初期位置に位置している状態で、合わせ面DDaよりも上向きとなるように傾斜して設置されている。具体的には、押圧面Baは、中心(中央部)Bfにおける面直方向(垂線方向)Aが、合わせ面DDaと直交する方向よりも、前方側が上向きとなるように傾斜して設置されている。より具体的には、押圧面Baは、面直方向Aがガイド穴32aの中心線32aLに沿う方向、即ち押圧面Baの押圧方向となるように(中心線32aLと平行になるように)設置されている。近年、表示装置の大型化やリールの大型化等に伴ってストップボタンが下方に配置される傾向があるが、本実施形態においては、押圧面Baが上向きとなるように傾斜して設置されていることにより、遊技者がやや下方に向けてストップボタンB1〜ストップボタンB3を押圧可能となり、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作性の向上を図ることを可能としている。
望ましくは、押圧面Baを、筐体BXの下面BXbに対して75°から86°の範囲で傾斜させて設置する。より望ましくは、押圧面Baを、筐体BXの下面BXbに対して78°から82°の範囲で傾斜させて設置する。これにより、従来機の操作に慣れている遊技者が操作に違和感を覚えることを抑制しつつ、一般的な高さに設置されたスロットマシン1を平均的な体格の遊技者が操作する際、操作しやすい方向へストップボタンB1〜ストップボタンB3が移動するように構成することが可能となり、高い操作性を得ることを可能としている。
また、本実施形態においては、押圧面Baの面直方向Aが、初期位置に位置しているスタートレバーSLの軸部42の中心線42Lの方向(軸方向)よりも、前方側が上向きとなるように傾斜して設置されている。即ち、押圧面Baが、初期位置に位置している軸部42の軸方向と直交する仮想平面S3よりも、上向きとなるように傾斜して設置されている。即ち、押圧面Baの面直方向Aは、合わせ面DDaと直交する仮想平面S2(図2参照)よりも、前方側が上向きとなるように傾斜している。
望ましくは、押圧面Baの面直方向Aを、初期位置に位置しているスタートレバーSLの軸部42の中心線42Lの方向に対し、1°から10°の範囲で傾斜させて設置する。より望ましくは、押圧面Baの面直方向Aを、初期位置に位置しているスタートレバーSLの軸部42の中心線42Lの方向に対し、3°から7°の範囲で傾斜させて設置する。これにより、スタートレバーSLの軸部42の方向、下扉ベースDBの金型の抜き方向、合わせ面DDaの方向等にとらわれず、ストップボタンB1〜ストップボタンB3を操作しやすい方向に設置することが可能となり、操作性の向上を図ることを可能としている。また、スタートレバーSL及び押圧面Baがこのような角度に設置されていることにより、スタートレバーSLを上方から下方に向けて傾動させる傾動操作の後、やや上方からストップボタンB1〜ストップボタンB3を操作するように、スタートレバーSLからストップボタンB1〜ストップボタンB3を流れるように操作することが可能となり、操作性の向上を図ることを可能としている。
押圧面Baの上下方向の中心Bf(図10参照)の位置は、スタートレバーSLのグリップ44の中心である44c(グリップ44の前端である44a、図6参照)の上下方向の位置よりもやや上方に配置されている。これにより、遊技者が上方から下方に向けてスタートレバーSLの開始操作を行った後にストップボタンB1〜ストップボタンB3の停止操作を行う際、手の上下方向の移動量を少なくすることができ、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作性の向上を図っている。
また、本実施形態の前面扉FDは、ボタンユニット取付面DBe、レバー取付面DBj及びレバー周囲面DBnが、合わせ面DDaに平行、即ち金型の開き方向に直交するように形成されている。これにより、下扉ベースDB、ボタンベース31及びボタンガイド32は、上記各面が合わせ面DDaと交差するように形成される場合と比較して、形状の簡略化を図ることが可能となるため、部品設計における設計コストの低減及び寸法精度の向上を図ることが可能となり、製品の歩留まりを向上して、生産コストの低減を図ることを可能としている。
また、本実施形態の前面扉FDは、複数のボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk及びレバー用貫通孔DBmが、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。これにより、下扉ベースDB、ボタンベース31、ボタンガイド32及び保持部41は、上記各面が合わせ面DDaと交差するように形成される場合と比較して、形状の簡略化を図ることが可能となるため、設計コストの低減及び寸法精度の向上を図ることを可能としている。
なお、複数のボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk及びレバー用貫通孔DBmの各中心線は、合わせ面DDaと厳密に直交するように形成されているものに限定されない。複数の施錠ユニット取付穴、シリンダ用貫通孔、複数のボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔は、射出成型において合わせ面と直交する方向に型抜き可能な形状であればよい。また、例えば、複数のボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴及びレバー用貫通孔は、合わせ面に直交する方向に対して内面に0〜3°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。
[リールユニットの詳細]
次に、リールユニット310の詳細について説明する。図4に示すように、筐体BXは、側方に配置された左右の側板BXe,BXfを有している。側板BXe,BXf間には、上フレーム11及び中フレーム12が上下方向に離間して架け渡されている。
リールユニット310は、上フレーム11及び中フレーム12にねじ留めされるリールベースBAと、リールベースBAに保持され、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを回転駆動するステッピングモータMと、各ステッピングモータMの駆動軸に支持された第1リールR1〜第3リールR3と、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれに対応して設けられて各リールの回転位置を検出するための透過型の光学センサであるリールセンサ26(図11参照)と、を有する。また、リールユニット310は、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを内側から前方に向けて照明する複数のLED13(図5(a)参照)を有するバックライトとしてのリールバックライト基板BLと、リールベースBAに保持されると共にリールバックライト基板BLを保持し、リールバックライト基板BLからの光を反射して前方に案内するリフレクタRLと、を有する。
図11に示すように、第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ、リールフレームFRと、複数の図柄が長手方向に沿って配置された薄い帯状のリールテープT1,T2,T3と、インデックス部27と、を有する。インデックス部27は、リールセンサ26の光軸を遮蔽可能にリールフレームFRに保持されており、リールセンサ26の光軸を遮蔽及び透過するタイミングによってリールセンサ26に各リールの回転位置を検出させる。
リールフレームFRは、ステッピングモータMの回転軸に取付けられるハブ部24と、第1円環部(円環部)としての第1リム部21及び第2円環部(円環部)としての第2リム部22と、これら第1及び第2リム部21,22の間を接続する複数の接続部23と、複数のスポーク部25と、を有し、透光性が高い(本実施形態では透明な)合成樹脂によって一体的に形成されている。
第1リム部21及び第2リム部22は、ステッピングモータMの回転軸と同心の円環状に形成され、左右方向、即ちリールテープT1〜リールテープT3の長手方向Bと直交する短手方向(幅方向)Cに離間して配置されている。接続部23は、第1リム部21及び第2リム部22の円周上の異なる位置に複数設けられて、第1リム部21及び第2リム部22の間を架け渡すように短手方向Cに沿って延在し、第1リム部21及び第2リム部22を接続している。
なお、リールフレームは、接続部を有しておらず、第1リム部と第2リム部とが独立して形成され、リールテープによって第1リム部と第2リム部とが接続されるように構成されていてもよい。また、リールフレームは、着色された合成樹脂によって形成されていてもよく、着色された合成樹脂(例えば黒色の合成樹脂)によって形成されている場合、上述のインデックス部をリールフレームと一体的に形成することが可能となる。
スポーク部25は、第1リム部21及び第2リム部22の円周上の異なる位置に複数設けられて、第1リム部21及び第2リム部22のいずれかとハブ部24とを接続し、ステッピングモータの回転力をハブ部24から第1リム部21及び第2リム部22へ伝達する。本実施形態では、スポーク部25は、ハブ部24と第1リム部21とを接続している。
第1リム部21及び第2リム部22のそれぞれの外周には、左右方向に所定の幅(例えば3.5mm〜6.5mm程度)を有して形成され、各リールテープT1〜リールテープT3の内面(裏面)に当接して各リールテープT1〜リールテープT3の左右端部をリールの径方向に支持する円筒面状の端部支持面21a,22aが形成されている。また、第1リム部21及び第2リム部22は、端部支持面21a,22aよりも左右方向の外側に、各リールテープT1〜リールテープT3の短手方向端に当接可能なフランジ部21b、22bを有している。フランジ部21b、22bは、例えば、左右方向に0.7mm〜1.5mm程度の幅となるように形成されており、各リールテープT1〜リールテープT3の左右方向の位置を規制している。接続部23には、第1リム部21及び第2リム部22の端部支持面21a,22aと連続し、第1リム部21及び第2リム部22の間で各リールテープT1〜リールテープT3をリールの径方向に支持するための接続支持面23aが形成されている。端部支持面21a,22a及び接続支持面23aによって、各リールテープT1〜リールテープT3をリールの径方向に支持する支持面FRaが形成されている。
[リールバックライト基板及びリフレクタの詳細]
次に、リールバックライト基板BL及びリフレクタRLについて説明する。第1リールR1〜第3リールR3の各リールに設けられたリールバックライト基板BL及びリフレクタRLは、同様の構成であるため、以下、第1リールR1を例に説明し、第2リールR2及び第3リールR3の説明については省略する。
図5(a)は、リールテープT1を退避させた状態の第1リールR1の正面図、図5(b)は、第1リールR1を右方から視た(リールの回転軸方向から視た)図5(a)のF−F断面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、第1リールR1のリールバックライト基板BLは、制御基板10(図4参照)と電気的に接続するためのコネクタCNと、リールバックライト基板BLに形成されたプリント配線15及びビア16やコネクタCNを介して制御基板10から電力が供給される複数のLED13と、が設けられている。リールバックライト基板BLは、リールテープT1によって前方側が覆われている。
例えば、リールバックライト基板BLは、その表面(前面、正面側の面)BL1に、複数のLED13として、第1リールR1の上段を照明するLED13、第1リールR1の中段を照明するLED13及び第1リールR1の下段を照明するLED13が、それぞれ3個ずつ左右方向に並べて配置されており、合計で9個のLED13が設けられている。なお、以下の記載において、第1リールR1の上段を照明する3個のLED13を上段LED13a、第1リールR1の中段を照明するLED13を中段LED13b、第1リールR1の下段を照明するLED13を下段LED13c、とも記載する。
また、リールバックライト基板BLは、その表面BL1に、各LED13を識別するためのLED識別表示17(識別符号)が付されている。各LED識別表示17は、例えば、シルク印刷等によって各LED13の近傍に印刷されており、文字列で構成されている。なお、文字列とは、文字、記号、数字等を含み、1字であるものを含む。具体的には、各LED識別表示17は、部品の種類を識別可能とする文字列からなる部品識別部と、1つのリールバックライト基板BL内における固有の数字からなり、LED13の位置を識別可能とする位置識別部と、を有している。
例えば、LED識別表示17は、部品識別部として文字列「LED」と、各LED13の位置を識別する位置識別部として数字「1」〜数字「9」までのそれぞれ固有の数字と、から構成されて、それぞれ文字列「LED1」〜文字列「LED9」のように付されている。また、各LED識別表示17は、各LED13に対して同じ側に隣接して配置されている。本実施形態において、各LED識別表示17は、各LED13に対して下側に隣接して配置されている。
また、図5(a)に示すように、LED識別表示17は、文字列の配列方向、及び文字の向き(単一の文字の読み取りの向き)が統一されるように、表面BL1に付されている。例えば、LED識別表示17は、文字列の配列方向が左右方向(横書き)、かつ文字の向き(文字の読み取りの向き)が正面視で正しい向き(正方向、読み取りできる向き)となるように表面BL1に付されている。このように構成されて、リールバックライト基板BLは、LED識別表示17の読み取り作業性を向上することにより、作業者がLED13を識別する際の作業性を向上している。
なお、LED識別表示は、各LEDに対して同じ側に隣接して配置されていればよく、例えば、各LEDに対して上側に配置されていてもよいし、右側や左側に配置されていてもよい。また、リールバックライト基板上の全てのLED識別表示が、各LEDに対して同じ側に隣接して配置されているものに限らず、少なくとも2つのLED識別表示が、対応するLEDの同じ側に隣接して配置されていればよい。
また、LED識別表示は、文字列の配列方向が上下方向(縦書き)であってもよく、文字列が上から下に向けて並べられていてもよいし、文字列が下から上に向けて並べられていてもよい。また、LED識別表示は、文字の向き(文字の読み取りの向き)が正面視で正しい向き(正方向、読み取りできる向き)となるように表面BL1に付されているものに限らず、文字の向きが正方向に対して90°回転した向きとなるように配置されていてもよいし、正方向に対して傾斜した向きとなるように配置されていてもよいし、全てのリールバックライト基板上の全てのLED識別表示の文字の向きが同じでなくてもよい。
また、LED識別表示17は、リールバックライト基板BLの表面BL1上のランド14、プリント配線15、ビア16、不図示のスルーホール等を避けた位置に配置されている。これにより、リールバックライト基板BLは、これらランド14、プリント配線15、ビア16、スルーホール等とLED識別表示17とが重なってLED識別表示17が読み取りにくくなることを防止している。
リフレクタRLは、遮光性を有すると共に光を反射しやすい材料、例えば白色の合成樹脂で形成されている。リフレクタRLは、リールバックライト基板BLの表面BL1に対向して配置され、後方側においてリールバックライト基板BLを保持している。また、リフレクタRLは、複数のLED13に対応して形成され、LED13を前方に向けて露出させる複数の開口を有している。
本実施の形態において、リフレクタRLは、上段LED13aを露出させる上段開口18a、中段LED13bを露出させる中段開口18b、及び下段LED13cを露出させる下段開口18cの、計3個の開口が形成されている。これら上段開口18a、中段開口18b及び下段開口18cは、互いに上下方向に離間して配置されている。なお、複数の開口は、少なくとも、上段LEDを露出させる開口、中段LEDを露出させる開口及び下段LEDを露出させる開口が、それぞれ独立していればよく、3個以上であってもよい。また、1つの開口が複数のLEDを露出させるように形成されていてもよいし、1つの開口が1個のLEDを露出させるように形成されていてもよい。
上述した全てのLED識別表示17は、リフレクタRLによって覆われることなく、上段開口18a、中段開口18b及び下段開口18cのいずれかの開口により全体が露出されている。言い換えると、全てのLED識別表示17は、リールテープT1及びリールフレームFRを退避させた状態で、前方から視て全体が視認可能となっている。これにより、リールバックライト基板BLから外すことなくLED識別表示17の読み取りが可能となり、作業者がLED13を識別する際の作業性を向上している。なお、リールバックライト基板は、表面上の全てのLED識別表示がリフレクタの開口によって全体が露出されているものに限定されず、例えば、表面上の複数のLED識別表示のうち、一部のLED識別表示がリフレクタの開口によって全体が露出されているものであってもよい。
リフレクタRLは、上段LED13aの前方に配置されて上段LED13aからの光を前方に向けて反射する上段反射面19aと、中段LED13bの前方に配置されて中段LED13bからの光を前方に向けて反射する中段反射面19bと、下段LED13cの前方に配置されて下段LED13cからの光を前方に向けて反射する下段反射面19cと、を有している。
例えば、上段反射面19aは、上段LED13aに対して、上方に配置された上段上反射面19a1、下方に配置された上段下反射面19a2、左方に配置された上段左反射面19a3、及び右方に配置された上段右反射面19a4を有している。同様に、中段反射面19bは、中段LED13bに対して、上方に配置された中段上反射面19b1、下方に配置された中段下反射面19b2、左方に配置された中段左反射面19b3、及び右方に配置された中段右反射面19b4を有している。同様に、下段反射面19cは、下段LED13cに対して、上方に配置された下段上反射面19c1、下方に配置された下段下反射面19c2、左方に配置された下段左反射面19c3、及び右方に配置された下段右反射面19c4を有している。例えば、各反射面19a1〜19a4,19b1〜19b4,19c1〜19c4は、それぞれ平面状に形成されている。
本実施形態においては、上段上反射面19a1、上段下反射面19a2、上段左反射面19a3及び上段右反射面19a4の後方端(上段反射面19aの後方端)によって上段開口18aが形成され、中段上反射面19b1、中段下反射面19b2、中段左反射面19b3及び中段右反射面19b4の後方端(中段反射面19bの後方端)によって中段開口18bが形成され、下段上反射面19c1、下段下反射面19c2、下段左反射面19c3及び下段右反射面19c4の後方端(下段反射面19cの後方端)によって下段開口18cが形成されている。
上段反射面19aの後方端、中段反射面19bの後方端及び下段反射面19cの後方端は、リールバックライト基板BLの表面BL1に対して略平行となるように近接配置されたリフレクタ後面RL1上に配置されている。また、上段上反射面19a1、上段下反射面19a2、上段左反射面19a3及び上段右反射面19a4の前方端(上段反射面19aの前方端)と、中段上反射面19b1、中段下反射面19b2、中段左反射面19b3及び中段右反射面19b4の前方端(中段反射面19bの前方端)と、下段上反射面19c1、下段下反射面19c2、下段左反射面19c3及び下段右反射面19c4の後方端(下段反射面19cの後方端)と、はリールテープT1の内面に沿うように近接配置された円筒面状のリフレクタ前面RL2上に配置されている。
このように構成されて、上段反射面19aは、上段LED13aからの光を前方に向けて案内する上段発光領域Aaを区画し、中段反射面19bは、中段LED13bからの光を前方に向けて案内する中段発光領域Abを区画し、下段反射面19cは、下段LED13cからの光を前方に向けて案内する下段発光領域Acを区画している。また、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、各発光領域と外部との間を遮光して、かつ隣接する発光領域間や外部へのLED13の光漏れを抑制している。また、各発光領域は、後方から前方に向けて徐々に広がるように形成されている。
図5(b)に示すように、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、上段上反射面19a1の前方端と上段下反射面19a2の前方端との距離laと、中段上反射面19b1の前方端と中段下反射面19b2の前方端との距離lbと、下段上反射面19c1の前方端と下段下反射面19c2の前方端との距離lcと、が略等しい距離となるように形成されている(la≒lb≒lc)。なお、本実施形態において、「略等しい距離」とは、厳密に等しい距離のみを指すものではなく、例えば、3mm程度の差を有する距離を許容するものである。
本実施形態では、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、側面視(リール回転軸方向視)でリールバックライト基板BLの表面BL1に沿った方向Dにおいて、上段LED13a、中段LED13b及び下段LED13cがそれぞれ、上段上反射面19a1の前方端と上段下反射面19a2の前方端との略中央、中段上反射面19b1の前方端と中段下反射面19b2の前方端との略中央、下段上反射面19c1の前方端と下段下反射面19c2の前方端との略中央に配置されるように形成されている。
言い換えると、リールバックライト基板BLの表面BL1と直交し、上段LED13aの中心を通る仮想線CLaと上段上反射面19a1の前方端との距離g1と、仮想線CLaと上段下反射面19a2の前方端との距離g2と、は略等しい距離となっている(g1≒g2)。また、リールバックライト基板BLの表面BL1と直交し、中段LED13bの中心を通る仮想線CLbと中段上反射面19b1の前方端との距離h1と、仮想線CLbと中段下反射面19b2の前方端との距離h2と、は略等しい距離となっている(h1≒h2)。また、リールバックライト基板BLの表面BL1と直交し、下段LED13cの中心を通る仮想線CLcと下段上反射面19c1の前方端との距離i1と、仮想線CLcと下段下反射面19c2の前方端との距離i2と、は略等しい距離となっている(i1≒i2)。
これにより、各発光領域の上部と下部との明るさの差を抑制することにより、遊技者が方向Dと直交する方向である方向Eから各リールを視た場合に、上段LED13a、中段LED13b及び下段LED13cからの光が各発光領域において上下方向に偏って見えることを抑制して、リールの見栄えを良好にしている。
なお、上段反射面19a及び下段反射面19cは、方向Dにおいて、上段LED13aが上段上反射面19a1の前方端と上段下反射面19a2の前方端との中央よりも下方に配置され、下段LED13cが下段上反射面19c1の前方端と下段下反射面19c2の前方端との中央よりも上方に配置されるように形成されていてもよい(g1>g2、i2>i1)。
このように形成されることにより、上段反射面19aは、方向Dにおいて、上段LED13aが上段上反射面19a1の前方端と上段下反射面19a2の前方端との略中央に配置される場合と比較して、上段LED13aと上段上反射面19a1の前方端との距離と、上段LED13aと上段下反射面19a2の前方端との距離と、の差を小さくし、上段発光領域Aaの上部と下部との明るさの差を抑制して、リールの見栄えを良好にすることが可能となる。
また、同様に、下段反射面19cは、方向Dにおいて、下段LED13cが下段上反射面19c1の前方端と下段下反射面19c2の前方端との略中央に配置される場合と比較して、下段LED13cと下段上反射面19c1の前方端との距離と、下段LED13cと下段下反射面19c2の前方端との距離と、の差を小さくし、下段発光領域Acの上部と下部との明るさの差を抑制して、リールの見栄えを良好にすることが可能となる。
また、本実施形態において、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、方向Eと上段下反射面19a2との角度α2、方向Eと中段上反射面19b1との角度β1、方向Eと中段下反射面19b2との角度β2、及び方向Eと下段上反射面19c1との角度γ1が、略等しい角度となるように形成されている(α2≒β1≒β2≒γ1)。これにより、隣接する一方の発光領域と他方の発光領域との境界部分において、LEDからの光の反射量の差を抑制し、一方の発光領域が他方の発光領域よりも暗く見える(又は明るく見える)ことを抑制して、リールの見栄えを良好にしている。なお、本実施形態において、「略等しい角度」とは、厳密に等しい角度のみを指すものではなく、例えば、5°程度の差を有する角度を許容するものである。
また、方向Dにおける、上段上反射面19a1の前方端と上段下反射面19a2の前方端との距離を距離g、中段上反射面19b1の前方端と中段下反射面19b2の前方端との距離を距離lb、下段上反射面19c1の前方端と下段下反射面19c2の前方端との距離を距離i、とした場合、上述したようにリフレクタ前面RL2がリールテープT1の内面に沿うように円筒面状に形成されているため、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、距離g及び距離iが距離lbよりも小さい距離となるように形成される(lb>g、lb>i)。
更に、方向Eにおける上段下反射面19a2の長さと、方向Eにおける中段上反射面19b1の長さ(中段下反射面19b2の長さ)と、方向Eにおける下段上反射面19c1の長さと、の互いの長さの差が小さいため、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、仮想線CLaと上段下反射面19a2の後方端との距離j2と、仮想線CLcと下段上反射面19c1の後方端との距離m1とが、仮想線CLbと中段上反射面19b1の後方端との距離k1(中段下反射面19b2の後方端との距離k2)よりも、小さくなるように形成される(k1≒k2>j2、k1≒k2>m1)。
言い換えると、上段LED13a、中段LED13b及び下段LED13cは、上段LED13aと上段下反射面19a2との方向Dに沿った距離と、下段LED13cと下段上反射面19c1との方向Dに沿った距離と、が中段LED13bと中段上反射面19b1との方向Dに沿った距離(中段LED13bと中段下反射面19b2との方向Dに沿った距離)よりも小さくなるように配置されている。
また、本実施形態では、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、方向Dにおける、上段上反射面19a1の後方端と上段下反射面19a2の後方端との距離j、中段上反射面19b1の後方端と中段下反射面19b2の後方端との距離k、下段上反射面19c1の後方端と下段下反射面19c2の後方端との距離mは、互いに略等しい距離となるように形成されている(j≒k≒m)。
言い換えると、リフレクタRLは、上段開口18a、中段開口18b及び下段開口18cの方向Dにおけるサイズが略等しくなるように形成されている。また、言い換えると、上段LED13a、中段LED13b及び下段LED13cは、距離j1及び距離m2が距離k1(距離k2)よりも大きくなるように配置されている(j1>k1≒k2、m2>k1≒k2)。即ち、方向Eから視て、上段LED13aは、上段開口18aの中心よりも下方に配置され、下段LED13cは、下段開口18cの中心よりも上方に配置されている。これにより、光を反射しにくい各反射面の後端部の大きさの差(各開口のサイズの差)を小さくすることで各発光領域の明るさの差を抑制し、リールの見栄えを良好にしている。
また、方向Eから視て、上段LED13aが上段開口18aの中心に配置される場合と比較して、上段LED13aと上段上反射面19a1の前方端との距離と、上段LED13aと上段下反射面19a2の前方端との距離と、の差を小さくし、上段発光領域Aaの上部と下部との明るさの差を抑制して、リールの見栄えを良好にしている。また、同様に、下段LED13cが下段開口18cの中心に配置される場合と比較して、下段LED13cと下段上反射面19c1の前方端との距離と、下段LED13cと下段下反射面19c2の前方端との距離と、の差を小さくし、下段発光領域Acの上部と下部との明るさの差を抑制して、リールの見栄えを良好にしている。
このように構成された本実施形態において、上段反射面19a、中段反射面19b及び下段反射面19cは、方向Eと上段上反射面19a1との角度α1が角度α2よりも大きく、方向Eと下段下反射面19c2との角度γ2が角度γ1よりも大きくなるように形成されている(α1>α2、γ2>γ1)。
[リールテープの詳細]
リールテープT1〜リールテープT3は、それぞれ図柄の配置(図柄が並ぶ順番)が異なるように、透明な合成樹脂製の基材60の裏面に、例えば、複数層のスクリーン印刷等によって図柄等が印刷されており、円筒状(無端状)になるようにリールフレームFRの支持面FRaに巻き回されている。リールテープT1〜リールテープT3は、図柄の配置や後述するリールテープ識別表示70が異なり、他の構成は同様であるため、以下、リールテープT1を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3の詳細については省略する。
図12(a)はリールテープT1を表面側から見た図であり、図12(b)はリールテープT1を裏面側から見た図である。図12(a)及び(b)に示すように、リールテープT1は、透明な基材60に対し、裏面に近い側から順番に、複数の図柄を形成する印刷、表面から視て図柄の周囲に背景部Hを形成する背景印刷61、リールバックライト基板BLからの光を遮蔽するための遮光印刷62、リールバックライト基板BLからの光を拡散するための拡散印刷64が積層されて形成されている。
上記リールテープT1は、リールフレームFR(図11参照)に、一方側の端部T11に対して他方側の端部T12が外側から重なるような形で巻回されており、上記背景印刷61及び遮光印刷62は、リールテープT1の他端側については、その端部(以下、他方端という)T1bまで印刷されているが、一方側の端部T11については、リールテープT1の端部(以下、一方端という)T1aの手前で印刷が終わっている。
このため、リールテープT1の一方側の端部T11には、上記図柄の印刷、背景印刷61及び遮光印刷62が行われていない透明部63が形成されている。また、リールテープT1に形成される複数の図柄は、リールフレームFRに取り付けられた状態で表面(外面)から視認可能となるように、リールテープT1の長手方向Bに沿って一列状に並んで配置されており、これら複数の図柄には、第1図柄P1(図柄「7」)、第2図柄P2図柄(図柄「チェリー」)、第3図柄P3(図柄「スイカ」)、第4図柄P4(図柄「リプレイ」)及び第5図柄P5(図柄「ベル」)などを含んでいる。なお、リールテープT1〜リールテープT3に配置されている各図柄は、機種固有にデザインされた数字、文字列、フルーツ、キャラクタ等や、これらの組合せからなる。また、以下の説明において、上記複数の図柄の内、一方側の端に形成された図柄を0番図柄、他方側の端に形成された図柄を1番図柄ともいう。なお、リールテープには、第1図柄〜第5図柄がそれぞれ複数配置されていてもよいし、1つずつ配置されていてもよい。
上記第1図柄P1(図柄「7」)は、少なくとも短手方向Cにおいて他の図柄よりも大きく形成されており、リールの回転中における視認性が高い図柄となっている。また、第1図柄P1は、第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部P1bと、第1の塗料とは異なる第2の塗料によって透光部P1bの周囲に形成された縁部P1aと、を有している。第1の塗料は、例えば、リールバックライト基板BLからの光が透過可能な塗料である。第2の塗料は、例えば、第1の塗料よりも光が透過しにくい黒色、暗灰色、濃紺等の塗料や、金属光沢を有する塗料等である。
更に、第2図柄P2(図柄「チェリー」)も第1図柄P1と同様に、第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部P2bと、第1の塗料とは異なる第2の塗料によって透光部P2bの周囲に形成された縁部P2aと、縁部P2aと透光部P2bとの間に形成された内部P2cと、を備えている。上記第1図柄P1の透光部P1b,第2図柄P2の透光部P2b,第2図柄P2の内部P2cは、背景部Hよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっており、視認した際に輝いて見えるため、視認性が高くなっている。本実施の形態においては、これら第1及び第2図柄P1,P2のように視認性の高い透光部を有する図柄を特定図柄というものとする。なお、縁部P1a及び縁部P2aは、塗料によって形成されたものに限定されず、例えば、めっきやアルミ蒸着等による金属皮膜によって形成されていてもよい。
背景印刷61は、リールバックライト基板BLからの光が透過可能な塗料によって、図柄の一部(第1図柄P1の透光部P1b及び第2図柄P2の透光部P2bに対して、リールテープT1の厚さ方向(リールフレームFRに巻き回された状態におけるリールの径方向)に重なる範囲)と透明部63とを除く範囲に行われており、図柄の周囲に表面から視認される背景部Hを形成している。
遮光印刷62は、リールバックライト基板BLからの光が透過しにくい塗料によって、図柄の一部(第3図柄P3、第1図柄P1の透光部P1b、第2図柄P2の内部P2c及び第2図柄P2の透光部P2bに対してリールテープT1の厚さ方向に重なる範囲)と透明部63とを除く範囲に行われている。
第2図柄P2(図柄「チェリー」)の内部P2c及び第3図柄P3(図柄「スイカ」)は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングでストップボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は表示窓DW内に表示可能な図柄で、遊技者に有利な抽選の契機となるチャンス役の図柄組合せや、遊技者に有利な特典が付与される契機となる図柄組合せの一部を構成している。第2図柄P2の内部P2c及び第3図柄P3は、リールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に遮光印刷62が行われていないことによって、遮光印刷62が行われている部分、例えば、背景部H、第4図柄P4、第5図柄P5、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a等よりも、リールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっている。これにより、リールの回転中における第2図柄P2及び第3図柄P3の視認性の向上を図っている。なお、第2図柄の内部P2c及び第3図柄P3と遮光印刷とは一部がリールテープT1の厚さ方向に重なっていてもよい。
また、第1図柄P1の透光部P1b及び第2図柄P2の透光部P2bは、リールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に背景印刷61及び遮光印刷62が行われていないことによって、透明部63よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しにくく、かつ、リールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に背景印刷61又は遮光印刷62が行われている部分、例えば、背景部H、第3図柄P3〜第5図柄P5、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a及び第2図柄P2の内部P2cよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっている。これにより、リールの回転中における透光部P1b及び透光部P2bの視認性の向上を図っている。なお、第1図柄P1は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングでストップボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は表示窓DW内に表示可能な図柄で、遊技者にとって有利な状態、例えばボーナス状態やAT状態(アシスト状態)へ移行する契機となる図柄組合せの一部を構成する。
また、第1図柄P1の縁部P1a及び第2図柄P2の縁部P2aは、背景印刷61及び遮光印刷62が重なっている背景部Hよりも図柄の印刷が多い分、リールバックライト基板BLからの光が透過しにくくなっている。これにより、リールの回転中における、縁部P1aと透光部P1b、縁部P2aと内部P2c、縁部P2aと透光部P2bとの明るさの差を大きくし、透光部P1b、内部P2c及び透光部P2bの視認性の向上を図っている。
このように、本実施形態におけるリールテープT1は、透明部63>(透光部P1b、透光部P2b)>(内部P2c、第3図柄P3)>背景部H>(第4図柄P4、第5図柄P5、縁部P1a、縁部P2a)の順に、リールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっている。
なお、第1図柄P1の縁部P1aは、透光部P1bと隣接するように形成されているものに限定されない。また、縁部P1aは、背景部Hよりも光が透過しにくいものに限定されない。複数の図柄のうちいずれかの特定図柄が、背景部よりもバックライトからの光が透過しやすい透光部と、透光部の周囲に形成されて透光部よりもバックライトからの光が透過しにくい縁部と、を有していればよく、例えば、第1図柄の縁部の内側に形成された領域の一部に背景部よりもバックライトからの光が透過しやすい透光部を有していてもよい。また、縁部は、背景部よりも光が透過しやすいものであっても透過しにくいものであってもよい。
拡散印刷64は、少なくとも第1図柄P1の透光部P1b及び第2図柄P2の透光部P2bと重なる範囲に施されている。拡散印刷64は、所謂チヂミ印刷と呼ばれるもので、紫外線硬化型の透明な硬化材塗料を厚く塗布し、紫外線を照射して塗料を硬化収縮させることにより、表面に細かい凹凸を形成したものである。これにより、拡散印刷64が施された領域をリールバックライト基板BLからの光が透過する際、光を不規則的に屈折及び反射させて拡散させることが可能となり、例えば、透光部P1b及び透光部P2bを透過する光によって遊技者が眩しさを感じることの抑制を図っている。なお、拡散印刷64は、透光部P1b及び透光部P2b以外の部分とリールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に行われていてもよい。
[リールテープの取付け構造]
次に、図11、図12(a)、(b)及び図13を参照しながら、リールテープT1〜リールテープT3の取付け構造について説明する。リールテープT1〜リールテープT3の取付け構造は同様であるため、以下、リールテープT1の取付け構造を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3の取付け構造の詳細については省略する。
図11及び図12(a)に示すように、リールテープT1の短手方向Cの両端部の裏面には、第1リム部21の端部支持面21a及び第2リム部22の端部支持面22aに対してリールテープT1を接着するための接着剤が塗布されている。この接着剤は、リールテープT1の短手方向Cにおける一端T1cから内方へ距離bの範囲、及びリールテープT1の短手方向Cにおける他端T1dから内方へ距離bの範囲に形成された接着領域65に塗布されている。例えば、距離bは、4mmから6mmの範囲の距離に設定されており、端部支持面21a,22aよりも1mm程度(例えば0.5mm〜1.5mm)左右方向(短手方向C)に大きく形成されていることが望ましい。
リールフレームFRに巻き回されたリールテープT1は、接着領域65に塗布された接着剤によって、内面(裏面)と端部支持面21a,22aとが接着されて、リールフレームFRに保持される。なお、接着領域65に塗布されている接着剤は、接着領域65に均一に塗布されているものに限定されず、例えば、長手方向に所定の長さ(例えば4mm程度)で塗布された接着剤が所定の隙間(例えば1mm〜5mm程度)を存して繰り返し並べられるように塗布されていてもよい。
また、上述したようにリールテープT1は、長手方向Bの長さが、端部支持面21a,22aの円周長さよりも長くなるように形成されており、長手方向Bの一方側の端部T11に対して他方側の端部T12がリールの径方向の外側から重なるようにリールフレームFRに巻き回されている。リールテープT1は、リールフレームFRに巻き回されている状態で、透明部63と、1番図柄である第2図柄P2と、がリールの径方向に重なっている。
また、リールテープT1は、上記接着領域65に塗布された接着剤とは別に、リールテープT1の他方側の端部T12を一方側の端部T11に対して接着するために接着部材66(図12(b)のハッチング部)を有している。この接着部材66は、他方端T1bから内方へ距離cの範囲内に短手方向Cに沿って延在し、例えば、白、乳白色、透明等でリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい素材の両面テープや、リールテープT1の裏面に塗布された接着剤等から構成されている。リールテープT1は、このリールテープT1の他方側の端部T12における裏面において短手方向に延在した接着部材66によって他方側の端部T12と一方側の端部T11とが密着した状態を維持することが可能となっている。なお、距離cは、例えば、8mmから12mmの範囲の距離に設定される。
また、図13に示すように、長手方向Bにおいて、リールテープT1の他方端(背景部Hの他方端、図12(a)参照)T1bから1番図柄である図柄P2までの距離e1は、リールテープT1の他方端から上記接着部材66の一方端までの距離cよりも小さくなっている。更に、本実施の形態においては、リールテープT1は、上記距離dの範囲において、背景部Hの他方側の端部H12(リールテープT1の他方側の端部T12)と背景部Hの一方側の端部H11とが、長手方向Bにおいて重なっている(図13のハッチング部分)。例えば、距離dは、1mmから6mmの範囲の距離に設定されている。これにより、リールテープT1の長手方向Bの長さや、端部支持面21a,22aの円周長さのばらつきを吸収し、背景部Hの他方側の端縁と一方側の端縁との間の継ぎ目からリールバックライト基板BLの光が漏れることの防止を図っている。なお、背景部Hの他方側の端部H12と一方側の端部H11とが重なる重なり領域68は、リールの径方向内側から外側に視て、接続部23(図11参照)と重ならないように配置されていることが望ましい。
[図柄等の配置の詳細]
次に、図12(a)、(b)、図13及び図14を参照して、リールテープT1の図柄の配置の詳細について説明する。背景部Hは、背景印刷61と遮光印刷62とが重なっていても、リールバックライト基板BLからの光を僅かに透過させる。このため、リールテープT1の他方側の端部T12において、リールの径方向に視て背景部Hの一方側の端部H11が重なっている図13に示す重なり領域68(図13のハッチング部分)は、重なっていない領域よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しにくく、重なっていない領域よりも暗く見える。
このため、重なり領域68と周囲に配置された図柄との位置関係によっては、光の透過しやすさの違いにより図柄の視認性が低下する虞や、重なり領域68と重なっていない領域との明るさの違いが図柄のデザインの一部であるかのように遊技者が誤認する虞がある。本実施形態のリールテープT1では、図13に示すように、1番図柄である第2図柄P2が、リールの径方向から視て背景部Hの一方側の端部H11と重ならないように配置されている。これにより、リールテープT1の他方側の端に配置されている1番図柄の視認性の向上を図っている。
なお、接着部材66がある部分は、接着部材66が無い部分よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しにくく、接着部材66が無い部分よりも僅かに暗く見える。しかしながら、接着部材66の長手方向Bの一方端(図13における接着部材66の下方端)の位置は、重なり領域68の長手方向Bの一方端(背景部Hの一方端T1e)よりも一方側(図13の下方側)に位置している。このため、1番図柄である第2図柄P2を、リールの径方向から視て接着部材66と重ならないように配置しようとすると、1番図柄を配置可能な領域の長手方向Bの長さが大きく減少する。
本実施形態のリールテープT1では、1番図柄である第2図柄P2が、リールの径方向から視て透光部P2bと接着部材66とが重ならないように配置されている。なお、接着部材66は、リールバックライト基板BLからの光を透過しやすいため、透光部P2bよりも光を透過しにくい縁部P2aにおいては接着部材66がある部分と接着部材66が無い部分との光の透過しやすさの差が小さく、図柄の視認性に与える影響が小さい。このため、本実施形態のリールテープT1では、1番図柄である第2図柄P2が、リールの径方向から視て縁部P2aの一部と接着部材66とが重なるように配置されている。
このように図柄が配置されることにより、リールテープT1の他方側の端に配置されている図柄(1番図柄)を大きくすることが可能になると共に、透光部P2bを透過する光が接着部材66によって遮られることを防止し、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。なお、1番図柄の内部は透光部よりも光を透過しにくいため、1番図柄は、リールの径方向から視て内部の一部と接着部材とが重なるように配置されていてもよい。
また、リールテープT1がリールフレームFRに巻き回されている状態で、長手方向Bにおける重なり領域68の長さである距離dと、1番図柄である第2図柄P2とリールテープT1の他方端T1bとの距離e2(例えば1mmから6mmまでの距離)と、リールテープT1の他方端T1bと0番図柄である第5図柄P5との距離e1(例えば1mmから6mmまでの距離)と、はそれぞれ略同じ大きさとなっている。具体的には、それぞれの距離の差が1.5mm以下となっていることが望ましい。
このように図柄が配置されることにより、リールテープT1の他方側の端に配置されている図柄(1番図柄)を大きくすることが可能となり、1番図柄を透過する光が重なり領域68によって遮られることを防止し、また、リールテープT1の他方端T1bの位置が、長手方向Bにおける1番図柄と0番図柄との略中央に位置することとなるので、図柄の視認性の向上やリールの見栄えの向上が可能となる。
また、図12(a)に示すように、リールテープT1がリールフレームFRに巻き回されている状態で、複数個所で長手方向Bの一方に隣り合うように配置された所定の組合せの図柄、例えば、第4図柄P4と第5図柄P5は、図柄間の距離が、いずれも略同じ大きさである距離f(例えば4mmから8mmの範囲の距離)となっている。具体的には、隣り合う同じ組合せの図柄間のそれぞれの距離の差は、1.5mm以下となっていることが望ましい。このように図柄が配置されることによって、同じ組合せの図柄間の距離が共通の距離となるので、図柄の視認性の向上及び各リールの見栄えの向上を図っている。なお、リールフレームFRに巻き回されている状態で隣り合う図柄とは、0番図柄と1番図柄の組合せを含む。また、図柄の組合せは、第4図柄P4と第5図柄P5との組合せに限定されず、他の図柄同士であってもよいし、所定の組合せの図柄間の距離が複数のリールテープ間で略同じ大きさとなっていてもよい。
リールの径方向内側から外側に視て、リールテープT1とリールフレームFR(支持面FRa)とが重なっている部分は、重なっていない部分よりもリールバックライト基板BLからの光を透過しにくく、重なっていない部分よりも暗く見える。このため、リールテープT1とリールフレームFRとが重なっている部分と図柄との位置関係によっては、光の透過しやすさの違いにより図柄の視認性が低下する虞や、重なっている部分と重なっていない部分との外観(明るさ)の違いが図柄のデザインの一部であるかのように遊技者が誤認する虞がある。
本実施形態のリールテープT1では、図14に示すように、第1図柄P1の透光部P1bは、リールの径方向内側から外側に視てリールフレームFRと重ならないように配置されている。このように図柄が配置されることにより、透光部P1bを透過する光がリールフレームFRによって遮られることを防止し、図柄の視認性の向上を図っている。なお、リールテープT1〜リールテープT3に配置されている図柄のうち、リールテープT1〜リールテープT3がリールフレームFRに巻き回されている状態で、背景部Hよりもリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部のいずれも(例えば、第2図柄P2の透光部P2b等)が、リールの径方向内側から外側に視てリールフレームFRと重ならないように配置されていることが望ましい。
また、第1図柄P1の縁部P1aは、第1図柄P1の透光部P1bよりもリールバックライト基板BLからの光を透過しにくく、第2図柄P2の縁部P2aは、第2図柄P2の透光部P2bよりもリールバックライト基板BLからの光を透過しにくい。このため、リールの径方向内側から外側に視て、第1図柄P1の縁部P1a及び第2図柄P2の縁部P2aとリールフレームFR(支持面FRa)とが重なっていても、第1図柄P1の縁部P1a及び第2図柄P2の縁部P2aの外観への影響が小さい。本実施形態のリールテープT1では、第1図柄P1の縁部P1aは、リールの径方向内側から外側に視て、第1リム部21(端部支持面21a)、第2リム部22(端部支持面22a)及び接続部23(接続支持面23a)とそれぞれ一部が重なるように配置されている。このように図柄が配置されることにより、第1図柄P1を長手方向B及び短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。
なお、第2図柄P2の縁部P2aや内部P2cが、リールの径方向内側から外側に視て、リールフレームFRと一部が重なるように配置されていてもよいし、背景部よりもリールバックライト基板からの光を透過しやすい透光部を有する他の図柄が、透光部よりも光を透過しにくい部分において接続部、第1円環部、第2円環部と重なるように配置されていてもよい。
[識別表示]
次に、図14及び図15を参照して、透明部63に設けられたリールテープ識別表示70について説明する。図14に示すように、透明部63は、リールテープT1の一方端T1aから長手方向Bに沿った距離aの範囲で、リールテープT1の一方端T1aと、背景部Hの一方端T1eと、の間に形成されており、透明部63には、第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別するためのリールテープ識別表示70が印刷されている。具体的には、リールテープ識別表示70は、リールテープの印刷内容に固有の記号や文字列等からなり、リールテープを識別するためのものである。例えば、リールテープ識別表示70は、改訂識別部71、機種識別部72及びリール識別部73を有している。リールテープ識別表示70は、リールの径方向に視て第1リム部21の端部支持面21a及び接着領域65と重なる領域内において、透明部63に配置されている。
改訂識別部71は、例えば、リールテープT1〜リールテープT3の印刷内容等の改訂の進度に応じた記号等、例えば、丸型、星型、多角形等の記号、数字、文字等からなり、リールテープT1〜リールテープT3の改訂の進度に係る情報を識別可能としている。機種識別部72は、例えば、複数の文字を含むリールテープT1〜リールテープT3が使用される機種固有の文字列、例えば機種名の略称等を示す文字列からなり、リールテープT1〜リールテープT3が使用される機種に係る情報を識別可能としている。
リール識別部73は、例えば、取り付けられる第1リールR1〜第3リールR3に応じた値「1」〜値「3」のいずれかの数値からなり、第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別可能としている。これにより、リールテープT1〜リールテープT3がリールフレームFRに巻き回される前の単品の状態では、リールテープの改訂情報、機種情報及び第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを作業者が識別可能となっている。また、リールテープT1〜リールテープT3がリールフレームFRに巻き回されている状態では、リールテープ識別表示70がリールバックライト基板BLからの光が透過しにくい接着領域65や支持面FRaと重なる領域内に配置されていることにより、リールテープ識別表示70を目立ちにくくしている。
なお、識別表示は、少なくとも一部が端部支持面や接着領域と重なっていればよく、例えば、一部が端部支持面と重ならないように配置されていてもよいし、第2リム部22の端部支持面と一部が重なるように配置されていてもよいし、リールテープの短手方向の両側に配置されていてもよい。また、識別表示は、改訂識別部、機種識別部及びリール識別部の少なくともいずれか1つを有していればよく、記号のみでも数字のみでもよいし、日本語の文字やラテン文字でもよいし、これらの組合せであってもよい。
図15に示すように、リールテープ識別表示70は、文字や記号等の内部に複数の隙間76が形成されるように複数のドット部75が規則的に配置されたドット印刷によって構成されており、複数の隙間76を介してリールバックライト基板BLからの光を透過可能となっている。また、リールテープ識別表示70は、背景印刷61(図14参照)に使用されている塗料よりもリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい塗料で、かつ複数の図柄のいずれかに使用されている塗料によって基材60の裏面に印刷されている。具体的には、リールテープ識別表示70は、黄色の塗料によって印刷されていることが望ましい。
これにより、リールの径方向に視てリールテープT1〜リールテープT3とリールテープ識別表示70とが重なっている部分と重なっていない部分との外観(明るさ)の差を小さくし、リールフレームFRに巻き回されている状態でリールテープ識別表示70を目立ちにくくしている。なお、リールテープ識別表示70の色は、白や透光しやすい薄い色でもよいし、背景印刷の塗料と同じ色や、リールフレームが着色された合成樹脂によって形成されている場合、リールフレームの色と同系色としてもよい。具体的には、背景印刷が白色である場合、識別表示は白色の塗料によって印刷してもよいし、リールフレームが黒色である場合、識別表示は黒色の塗料によって印刷してもよい。このようにすることで、識別表示を目立ちにくくすることも可能である。
また、識別表示は、各リールテープ毎に色分けして、色によって第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別可能としてもよい。また、塗料が付着する部分であるドット部75は、円形であるものに限定されず、例えば、略楕円状、略正方形状、略長方形状、略六角形状など他の形状であってもよい。また、隣接するドット部同士は、接触するように配置されていてもよいし、離間するように配置されていてもよい。
なお、本実施形態において、リールテープT1〜T3は、背景部Hにおいて背景印刷61とリールバックライト基板BLからの光を遮蔽するための遮光印刷62とが重ねて印刷されているが、これに限定されない。背景部は、透光部よりもバックライトからの光が透過しにくくなっていればよく、例えば、背景印刷のみで形成されていてもよい。
また、本実施形態において、リールテープT1には、最も他端側に図柄「チェリー」である第2図柄P2が配置されているが、これに限定されない。上述した図柄の形状や配置は一例であり、他の多様な図柄の形状及び配置が考えられる。例えば、最も他端側に配置された図柄は、図柄「7」である第1図柄であってもよいし、背景部よりも光が透過しやすい部分を有していなくてもよいし、図柄印刷が行われている領域の全体に背景印刷及び遮光印刷のいずれか又は両方が重なるように印刷されていてもよく、他の多様な形状や図柄の配置が考えられる。
また、本実施形態において、背景部Hの長手方向Bの一方端T1e、即ち、背景部Hと透明部63との境界は、直線的に形成されているが、これに限定されない。背景部Hの長手方向Bの一方端は、リールフレームに巻き回された状態で、リールテープの他端よりも一方端側に形成されていればよく、例えば、背景部の長手方向の一方端は、一部が長手方向の一方側又は他方側にオフセットされていてもよいし、曲線で形成されていてもよい。
また、本実施形態において、各図柄の印刷(特に縁部P1a,P2aを除く部分)や背景印刷61は、リールバックライト基板BLからの光を透過する塗料によって行われているが、これに限定されない。各図柄や背景印刷が行われている領域をバックライトからの光が透過可能であればよく、例えば、各図柄の印刷や背景印刷61が光を透過しにくい塗料の微小なドット(網点)の集合によって行われている印刷であってもよい。
[下装飾シートに係る前面下扉の概略構成]
図16に示すように、前面下扉DDの操作部CPとメダル受け皿MPとの間には、スロットマシン1の外装を構成する透光パネルとしての下パネル82と、この下パネル82の裏面側に配置された下装飾シート83と、下装飾シート83の裏面側に配置された拡散シート86と、が設けられている。下パネル82は、透光性が高い(本実施形態では透明な)合成樹脂によって、表面及び裏面が滑面状で略矩形の板状部材に形成されている。また、下パネル82は、下装飾シート83に対向配置されて、下装飾シート83の前面側を覆って保護している。
下装飾シート83は、透光性が高い(本実施形態では透明な)合成樹脂によって略矩形のシート状に形成された基材83aの裏面に、スロットマシン1の製品名や関連するキャラクタ等の画像、スロットマシン1の外面を装飾する画像等の画像85(図17(a)参照)が有色塗料によって印刷され、装飾性を有する装飾シートとなっている。なお、画像85は、下装飾シート83の裏面全体に印刷されていてもよいし、下装飾シート83の一部に印刷されていてもよい。
拡散シート86は、下装飾シート83と略同サイズとなるように、透光性が高い合成樹脂によって略矩形のシート状に形成されている。拡散シート86は、表面及び裏面の少なくとも一方の面が粗面状に形成された拡散面を有しており、透過する光が拡散しやすくなっている。例えば、拡散シート86の拡散面は、絞加工、凹凸の熱転写、上述したチヂミ印刷等によって微小な凹凸が形成されて粗面状となっている。
下装飾シート83及び拡散シート86は、拡散シート86の裏面側に配置されたホルダ88と下パネル82との間に挟み込んだ状態で保持されており、下パネル82を介して前方から遊技者が下装飾シート83を視認可能となっている。ホルダ88は、透光性が高い(本実施形態では透明な)合成樹脂によって、表面が滑面状となるように板状に形成されている。なお、ホルダは、製品として透明であるものに限らず、例えば、表面又は裏面に絞加工等が施されて透過する光が拡散し、製品としては不透明に見えるように形成されていてもよい。
ホルダ88の裏面側には、複数のLED91aを有する下バックライト基板91と、LED91aからの光を反射するリフレクタ89と、が設けられている。本実施形態においては、リフレクタ89の裏面側に下バックライト基板91が配置されており、リフレクタ89に形成された開口89a(図17(a)参照)を介してLED91aの光が前方に照射されるように構成されている。なお、前面下扉DDには、LEDを有するバックライト基板の代わりに、冷陰極管等の蛍光灯やランプ等の発光源が設けられていてもよい。リフレクタ89は、遮光性を有すると共に光を反射しやすい材料、例えば白色の合成樹脂で形成されている。
下パネル82の表面側(前方側)には、下パネル82及び下装飾シート83の周縁部を覆うと共に、覆っていない部分の下パネル82及び下装飾シート83を視認可能となるように露出させる開口81aを有する遮光カバーとしての下パネル枠81が設けられている。下パネル枠81は、遮光性を有する材料によって形成されている。例えば、下パネル枠81は、遮光性を有するように着色された合成樹脂によって形成されている。また、例えば、下パネル枠81は、合成樹脂によって形成されて、遮光性を有するように外面に塗装やめっき加工、金属蒸着等が施されている。
このように構成されて、前面下扉DDは、ホルダ88及び拡散シート86を介して下バックライト基板91のLED91aの光によって照明された装飾シート83を、下パネル枠81を介して下パネル枠81の開口81aから視認可能となっている。
[下装飾シートに係る前面下扉の詳細]
次に、本実施形態における下装飾シート83に係る前面下扉DDの詳細について、図17(a)及び図18(a)を参照して説明する。一般に、遊技機が有する下装飾シート83等の装飾シートは、印刷された画像の見栄えを良好とするため、表面が滑面状となっている透明な基材の裏面に画像の印刷を施すと共に、表面及び裏面が滑面状となっている下パネル82等の透光パネルによってこの装飾シートを保護している。
透光パネルや装飾シートは平板状であったとしても、微視的に見た場合には、僅かに湾曲している。そして、このような透光パネルと装飾シートとが近接して配置された結果、透光パネルの裏面と装飾シートの表面とが非常に近接乃至部分的に接触すると、装飾シートと透光パネルとの間に、光の干渉によってニュートンリングと呼ばれる同心円状の干渉縞が発生する場合があり、この干渉縞によって装飾シートの見栄えが良好でなくなる場合がある。
そこで、本実施形態では、図17(a)及び図18(a)に示すように、下パネル82の裏面82aに対向する下装飾シート83の基材83aの表面に、干渉縞の発生を抑制する粗面印刷84が施されている。粗面印刷84は、下装飾シート83の表面を粗面状とするものであって、例えば、微小な粒子を添加した透光性を有する塗料による印刷であってもよいし、上述したチヂミ印刷等であってもよい。
本実施の形態において、上記粗面印刷84は、基材83aの表面の一部に施されており、下装飾シート83には、粗面印刷84が施されない滑面状の滑面エリア(第1エリア)83cと、粗面印刷84が施された粗面状の粗面エリア(第2エリア)83dと、が表面(表側の面)に形成されている。
具体的には、上記粗面印刷84は、基材83aの外周の縁部を除く表面の略全面に印刷されており、下装飾シート83の表面は、図18(a)に示すハッチング部分が粗面エリア83dとなり、それ以外の縁部が滑面エリア83cとなっている。この滑面エリア83cは、基材83aの外周の縁83bに沿って、粗面エリア83dを囲うように粗面エリア83dの周囲に形成されおり、基材83aの縁83bから内側に所定の距離l1の領域に形成されている。粗面エリア83dは、この滑面エリア83cを除く領域に形成されている。なお、滑面エリア83cの幅は基材83aの縁83bに沿って一定であるものに限らず、部位によって幅が異なるものであってもよい。
このように、本実施形態では、下装飾シート83の表面の大部分が粗面エリア83dとなっており、この粗面エリア83dにおいて、滑面状の下パネル82の裏面82aが当接したとしても、粗面エリア83dの表面の凹凸構造により、干渉縞の発生が抑制される。特に本実施形態では、下装飾シート83の表面の大部分が粗面エリア83dとなっているため、例え、下パネル82の湾曲が大きかったり、遊技機の前面側から下パネル82が押圧されたり、したとしても、粗面エリア83dと重なった下装飾シート83の画像領域に干渉縞が発生することを防止することができる。
また、上記粗面エリア83dの粗面印刷84は、所定の厚みを有しており、滑面エリア83cから見ると、粗面エリア83dは基材83aの表面から突出した凸部となっている。このため、粗面エリア83dにおける粗面印刷84により、上記滑面エリア83cにおいても下パネル82との間には一定以上の隙間が形成されることとなり、干渉縞の発生を抑制することができる。また、下装飾シート83は、基材83aの縁83bから内側に所定の距離l1までの領域に粗面印刷84が施されない滑面エリア83cを設けることにより、粗面印刷84を行う粗面エリア83dが基材83aに対してずれた場合であっても、粗面印刷84の塗料が基材83aからはみ出すことを抑制している。
なお、上記下装飾シート83と下パネル82との間の関係と同様に、拡散シート86とホルダ88とが滑面状の面同士で当接する場合、拡散シート86とホルダ88との間に干渉縞が発生し、この干渉縞が装飾シート83及び下パネル82を介して遊技者から視認可能となる場合がある。このため、本実施形態の拡散シート86は、ホルダ88の表面88aに対向する拡散シート86の裏面に、拡散シート86の裏面を粗面状とすることによって干渉縞の発生を抑制する粗面印刷87が施されている(図17(a)参照)。
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、透光性を有する透光パネル(82)と、
装飾性を有する装飾シート(83)と、を備え、
前記装飾シート(83)は、前記透光パネル(82)を介して視認可能であり、
前記装飾シート(83)は、滑面状の第1エリア(83c)と粗面状の第2エリア(83d)とを表面に有しており、
前記第2エリア(83d)によって、前記装飾シート(83)と前記透光パネル(82)との間の干渉縞を抑制する、ことを特徴とする。
これにより、下装飾シート83と下パネル82との間の干渉縞の発生を抑制し、下装飾シート83の見栄えを良好とすることが可能となる。
なお、本実施形態においては、下装飾シート83に粗面印刷84を施すことによって、下装飾シート83と下パネル82との間の干渉縞の発生を抑制しているが、これに限定されない。装飾性を有する装飾シートに粗面状のエリアを設けることによって、装飾シートと透光性を有する透光パネルとの間の干渉縞の発生を抑制するものであればよく、例えば、操作部よりも上方に配置された上装飾シートに粗面状のエリアを設けることによって、上装飾シートと、透光性を有して上装飾シートの前面側を覆う上パネルと、の間の干渉縞の発生を抑制するものであってもよい。
また、例えば、装飾シートは、滑面エリア及び粗面エリアが遊技者から視認可能な面である表面に形成されていればよく、操作部の上方を向いた操作部上面に配置されたものであってもよいし、操作部の前方を向いた操作部前面に配置されたものであってもよいし、左右いずれかの方向を向いた面に配置されていてもよい。具体的には、装飾シートは、マックスベットボタンや投入口が設けられる扉ベースや操作部のベースの一部(例えば、上面)を覆うように配置され、この装飾シートを覆う透光パネルを介して視認可能に構成されていてもよいし、ストップボタンやスタートレバーが設けられる扉ベースや操作部のベースの一部(例えば、前面)を覆うように配置され、この装飾シートを覆う透光パネルを介して視認可能に構成されていてもよい。また、操作部以外に配置された演出ボタンや装飾部等、前面扉のその他の部分に配置されたものであってもよい。
更に、上述した下装飾シート83では、キャラクタ画像や、模様等が印刷している例を説明したが、装飾性シートには、例えば、文字や色だけの画像が印刷されているものであっても良く、当然にこれらが組み合わされて装飾性シートに印刷される画像が形成されてもよい。即ち、本実施の形態において、「装飾性を有する」とは、視覚を通じて美感を起こさせうる性質、又は視覚を通じて何らかの機能を達成しうる性質の少なくとも一方を有するという意味である。なお、視覚を通じて何らかの機能を達成する性質とは、例えば、遊技者や作業者に対し、遊技機の状態、遊技方法、遊技機の仕様、遊技機の型式や製造業者名、警告メッセージ等、何らかの情報を文字や図形等によって視覚的に伝達する機能を達成しうる性質をいう。
また、本実施の形態において、下装飾シート83の表面には、基材83aの縁部に沿って形成された滑面状の滑面エリア83cの内部が全て粗面状の粗面エリア83dとなっているが、これに限定されない。粗面エリアは、基材の表面と直交する方向から視て下パネルと重なる位置における基材83aの表面の少なくとも一部に施されていればよく、例えば、上記粗面エリアの内部に更に滑面エリアが形成されていてもよい。
また、本実施形態において、粗面状の粗面エリア83dは、粗面印刷84によって形成されているが、これに限定されない。粗面エリアは、装飾シートの表面が粗面状に形成されていればよく、例えば、凸状のパターンを熱転写することによって粗面状に形成したものであってもよいし、滑面エリアは、凸状のパターンが形成されたシートの一部を加熱しながら加圧する等により滑面状に形成したものであってもよい。
<第2の実施形態>
次に、図17(b)及び図18(b)を参照して、上記第1の実施形態を一部変更した第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態に対して下装飾シートの滑面エリア及び粗面エリアが異なり、第1の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
一般に、裏面に印刷された画像と重なる位置において装飾シートの表面が粗面状となっている場合、表面の粗さの程度や粗面印刷に用いられる塗料の種類等によっては、装飾シートの裏面に印刷されている画像の視認性を低下させる場合がある。例えば、裏面に印刷された画像と重なる位置において装飾シートの表面が粗面状となっていることにより、装飾シートの画像が曇って見える場合や輪郭がぼやけて鮮明に見えなくなる虞がある。
このため、図17(b)及び図18(b)に示すように、本実施形態に係る装飾シートとしての下装飾シート283は、その表面において、粗面印刷84が施された粗面状の粗面エリア83dが、粗面印刷84が施されない滑面状の滑面エリア83cよりも狭い範囲となるように形成されている。具体的には、本実施の形態において、下装飾シート283の表面には、基材83aの縁83bから内側に所定の距離l1の領域に滑面エリア83cが形成され、この滑面エリア83cの内側において、基材83aの縁83bと略平行となるように縁83bに沿った幅l2の領域に粗面エリア83dが形成されている。言い換えると、下装飾シート283の表面には、基材83aの中心部から離間した基材83aの縁部に形成された粗面エリア83dの内側と外側(周囲)とに滑面エリア83cが形成されている。
このように構成されて、本実施形態の下装飾シート283は、滑面エリア83cにおいて、粗面エリア83dの粗面印刷84の厚みによって下装飾シート83と下パネル82との間に隙間Sが形成されることにより、下装飾シート83と下パネル82との間の干渉縞の発生を抑制している。また、本実施形態の下装飾シート283の表面には、基材の縁部に形成された粗面エリア83dよりも広い範囲に滑面エリア83cが形成されているので、下装飾シート283の広い範囲、特に下装飾シート283の中央部において、粗面印刷84によって画像85の視認性が低下することを抑制している。
また、図17(b)に示すように、本実施形態において、下装飾シート283の粗面エリア83dは、基材83aの表面と直交する方向に視て、下パネル枠81と一部が重なる位置に形成されて、少なくともその一部が下パネル枠81の裏側に隠れるように配設されている。これにより、例えば、下装飾シート283に印刷された画像85とは関係の無い粗面エリア83dの少なくとも一部を遊技者から視認困難として隠すことができ、上述した下装飾シート283の画像85と重なることによる画像の視認性の低下を防止することに加えて、粗面エリア83dが遊技者に視認されることによる装飾シートの美観の低下を防ぐことができる。
また、基材83aの表面と直交する方向に視て、下装飾シート283の裏面側に配置されている全ての発光源、本実施の形態においては下バックライト基板91の全てのLED91aが、画像85(図17(a)参照)と重なり、かつ粗面エリア83dと重ならないように配置されている。言い換えると、基材83aの表面と直交する方向に視て、下装飾シート283の裏面側に配置されている全ての発光源が、画像85及び滑面エリア83cと重なるように配置されている。これにより、下バックライト基板91からの光が粗面印刷84によって遮られることを抑制し、下装飾シート83をより明るく見せると共に粗面エリア83dを目立たなくすることで、下装飾シート83の見栄えを良好とすることが可能となる。なお、装飾シートの裏面側に配置されている全ての発光源が粗面エリアと重ならないように配置されているものに限らず、複数の発光源のうち少なくとも一部の発光源が粗面エリアと重ならないように配置されていればよい。
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、前記第2エリア(83d)は、前記第1エリア(83c)よりも狭い範囲となるように形成されており、
前記第2エリア(83d)は、少なくとも一部が前記装飾シート(83,283)の縁部に形成されている、ことを特徴とする。
これにより、粗面印刷84による下装飾シート283の画像85の視認性の低下を抑制し、下装飾シート283の見栄えを良好とすることが可能となる。
なお、粗面エリアは、少なくとも一部が装飾シートの縁部に形成されていればよく、例えば、粗面エリアは、一部が装飾シートの中央部等、縁部以外の部分に形成されていてもよいし、装飾シートの縁部における一部の領域のみに形成されていてもよい。また、粗面エリアは、連続的に形成されているものに限らず、複数の領域に分断されるように形成されていてもよい。例えば、粗面エリアは、一部が装飾シートの縁部に形成され、他の部分が装飾シートの縁部以外の部分に形成されて、粗面エリアにおける縁部に形成された部分と縁部以外に形成された部分とは不連続となるように形成されていてもよい。
また、本実施形態に係る遊技機(1)は、遮光性を有する遮光カバー(81)を備え、
前記遮光カバー(81)は、前記装飾シート(83,283)の一部を覆うものであり、
前記第2エリア(83d)は、少なくとも一部が前記遮光カバー(81)により視認困難となっている、ことを特徴とする。
これにより、粗面印刷84による下装飾シート283の画像85の視認性の低下を抑制し、下装飾シート283の見栄えを良好とすることが可能となる。
なお、粗面エリアは、少なくとも一部が下パネル枠等の遮光カバーによって視認困難となっていればよく、一部が遊技者から視認容易となっていてもよい。例えば、粗面エリアは、一部が縁部に形成され、他の一部が縁部以外に形成され、縁部に形成された部分の更に一部が遮光カバーによって視認困難で、かつ縁部に形成された部分の一部及び縁部以外に形成された部分が視認容易となっていてもよい。また、例えば、粗面エリアは、一部が縁部に形成され、他の一部が縁部以外に形成され、縁部に形成された部分の一部及び縁部以外に形成された部分の一部が遮光カバーによって視認困難で、かつ縁部に形成された部分の一部及び縁部以外に形成された部分の一部が視認容易となっていてもよい。また、例えば、粗面エリアは、装飾シートの縁部以外の部分にのみ形成されて、その一部が遮光カバーによって視認困難かつ他の一部が視認容易となっていてもよい。
また、例えば、粗面エリアは、全部が遮光カバーによって視認困難となっていてもよい。また、粗面エリアの少なくとも一部を視認困難とする遮光カバーは、透光パネルの周縁部を覆うものに限らず、例えば、透光パネルの上部や左右端部のみと重なるように配置されて、粗面エリアの一部を視認困難とするものであってもよいし、透光パネルの表面又は裏面の一部に形成された透光パネルの塗装部やめっき部等であってもよい。
また、本実施形態において、下パネル枠81は、下パネル82よりも前方側、即ち下装飾シート83の表面側に配置されて、下パネル82及び下装飾シート83の周縁部を覆うことによって、下装飾シート83の一部を視認困難としているが、これに限定されない。例えば、遮光カバーは、透光パネルと装飾シートとの間に配置されて、装飾シートの一部を覆って粗面エリアの一部を視認困難とするものであってもよい。
<第3の実施形態>
次に、図18(c)を参照して、上記第2の実施形態を一部変更した第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態に対して下装飾シートの外形、滑面エリア及び粗面エリアの形状が異なり、第2の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、略矩形に形成された下装飾シート283について説明したが、装飾シートの形状はこれに限らず、矩形以外の多様な形状が考えられる。図18(c)に示すように、本実施形態に係る装飾シートとしての下装飾シート383は、基材383aが矩形ではない形状、例えば、曲線や直線の組み合わせからなる輪郭を有する形状に形成されている。
また、下装飾シート383は、基材383aの縁383bから内側に所定の距離l1の領域に基材383aの縁383b(輪郭)に沿って滑面エリア83cが形成され、この滑面エリア83cの内側に縁383bに沿って粗面エリア83dが形成されている。このように、装飾シートは、遊技機のデザインや配置される部位によって多様な形状を取りうるものであり、開口を有していてもよいし、表面(裏面)が曲面となっていてもよいし、折り曲げ加工等によって一部が屈曲していてもよい。
<第4の実施形態>
次に、図18(d)を参照して、上記第2の実施形態を一部変更した第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態は、第2の実施形態に対して下装飾シートの画像、滑面エリア及び粗面エリアが異なり、第2の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態では、下装飾シートの表面は、基材の縁に沿って、下装飾シートの中央部を含む滑面エリアを囲うように連続的に形成され、下パネル枠81(図17(b)参照)によって一部が視認困難な粗面エリア83dを有しているが、上述したように、粗面エリアは連続的に形成されているものに限らない。例えば、図18(d)に示す本実施形態のように、下装飾シート483の粗面エリア83dは、互いに離間する複数の領域に不連続的に形成されていてもよい。
本実施形態における粗面エリア83dは、基材83aの縁部に互いに離間する複数の領域に不連続的に形成され、下パネル枠81によって一部が視認困難となっている。例えば、粗面エリア83dは、矩形の基材83aの縁部の一部、具体的には、基材83aの縁83bから内側に所定の距離l1の領域よりも内側の領域の一部であって、縁部における各角の近傍のみに形成されている。このように粗面エリア83dが不連続的に形成されていることにより、粗面エリア83dが滑面エリア83cを囲うように基材83aの縁部に連続的に形成されている場合と比較して、粗面エリア83dをより狭くすることが可能となり、粗面エリア83dの一部をより視認困難として、粗面印刷84による下装飾シート83の画像85の視認性の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る装飾シートとしての下装飾シート483は、基材83aの裏面に印刷された画像85が、メイン画像85aと、メイン画像85aの背景となる背景部85bと、を有している。メイン画像85aは、例えば、キャラクタ、製品名、文字列等の画像であり、輪郭に沿って形成されている縁取部85cを有している。背景部85bは、例えば、単色の画像、模様が形成された画像、風景画像等であり、メイン画像85aに対して裏面側から重ねるように印刷されている。本実施形態の下装飾シート483の粗面エリア83dは、メイン画像85aと重ならずかつ少なくとも背景部85bの一部と重なるように形成されている。
これにより、本実施形態の下装飾シート483は、粗面印刷84によって相対的にデザイン上の重要度が高いメイン画像85aの視認性が低下することを抑制し、下装飾シート483の見栄えを良好とすることが可能となる。なお、粗面エリア83dは、メイン画像85aと重ならずかつ少なくとも背景部85bの一部と重なる位置に、第2の実施形態のように連続的に形成されていてもよい。また、当然に粗面エリア83dの複数の領域のそれぞれは、下パネル枠81によってその全体が隠されるように配置されてもよい。即ち、粗面エリア83dは、その少なくとも一部が下パネル枠81によって隠されていればよい。
<第5の実施形態>
次に、図18(e)を参照して、上記第2の実施形態を一部変更した第5の実施形態について説明する。なお、第5の実施形態は、第2の実施形態に対して下装飾シートの滑面エリア及び粗面エリアが異なるのみであり、第2の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態では、下装飾シート283の粗面エリア83dは、基材83aの縁部に形成されて、下パネル枠81(図17(b)参照)によって一部が視認困難な粗面エリア83dを有しているが、これに限らず、粗面エリアは、装飾性の高い形状として形成し、視認可能な位置に配置することで、装飾シートの装飾性を高めることが可能である。
図18(e)に示すように、本実施形態に係る装飾シートとしての下装飾シート583は、基材83aの縁部、かつ基材83aの表面と直交する方向に視て下パネル枠81と重ならない位置に粗面エリア83dが形成されている。このように配置された粗面エリア83dを装飾性の高い形状とすることにより、粗面エリア83dよりも内側の画像85(図17(b)参照)の視認性を低下させることなく、下装飾シート83の装飾性を高めることが可能となる。
なお、基材83aの表面と直交する方向に視て下パネル枠81と重ならない位置に配置された粗面エリア83dは、図18(e)に示すように、互いに離間する複数の領域に分散されて不連続的に形成されていてもよいし、連続的に形成されていてもよい。また、本実施形態のように下パネル枠81と重ならない位置に粗面エリア83dを配置する場合、粗面エリア83dは、第4実施形態におけるメイン画像85a(図18(d)参照)と重ならずかつ背景部85b(図18(d)参照)の一部と重なる位置に形成されていることが好ましいが、メイン画像85aと一部が重なる位置に形成されて、粗面エリア83dによってメイン画像85aの装飾性を高めるように構成されていてもよい。また、装飾性の高い形状として形成された粗面エリアの一部が、下パネル枠81によって視認困難となっていてもよい。
<第6の実施形態>
次に、図18(f)を参照して、上記第5の実施形態を一部変更した第6の実施形態について説明する。なお、第6の実施形態は、第5の実施形態に対して下装飾シートの滑面エリア及び粗面エリアが異なり、第5の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
一般に、製造誤差や遊技者から加えられる外力等により、装飾シートや透光パネルに歪みが発生する場合がある。第2乃至第5の実施形態のように、下装飾シートの粗面エリア83dが基材83aの縁部のみに配置されている場合、下装飾シートの中央部を含む広い範囲において滑面エリア83cが形成されることとなる。このような場合、例えば、下装飾シートの中央部等、粗面エリア83dから離間した部分において、装飾シートや透光パネルの歪みにより装飾シートと透光パネルとの間に干渉縞が発生する場合がある。
このため、図18(f)に示すように、本実施形態に係る装飾シートとしての下装飾シート683の粗面エリア83dは、基材83aの縁部以外の部分、即ち基材83aの縁83bから離間した部分、及び基材83aの縁部を含む複数の領域に分散されて不連続的に形成されている。このように粗面エリア83dが形成されることにより、本実施形態の下装飾シート683は、下装飾シート683の広い範囲において滑面エリア83cが形成されることを抑制して、下装飾シート683と下パネル82との間の干渉縞の発生を抑制している。加えて、本実施の形態では、遊技者から視認される領域内(下装飾シート683の場合は、下パネル枠81内)に粗面エリア83dが複数の領域に分散して形成されているため、粗面エリア83dが視認されても装飾シートの美観を損なわないように、粗面エリア83dのそれぞれが下装飾シート683の裏面に印刷された画像に対応してデザインされた模様(本実施の形態ではハート)の形をしている。
なお、本実施形態のように、基材83aの縁部以外の縁83bから離間した部分に粗面エリア83dが形成される場合、基材83aの縁部に粗面エリアが形成されるものに限らず、縁部以外の部分のみに粗面エリアが形成されていてもよい。また、基材83aの縁部以外の縁83bから離間した部分に粗面エリア83dが形成される場合、粗面エリア83dは、第4実施形態におけるメイン画像85a(図18(d)参照)と重ならずかつ背景部85b(図18(d)参照)の一部と重なるように形成されていることが好ましいが、メイン画像85aと一部が重なるように形成されて、粗面エリア83dによってメイン画像85aの装飾性を高めるように構成されていてもよい。また、粗面エリアの一部が基材の縁部に形成されて、この縁部に形成された粗面エリアの一部が下パネル枠81等の遮光カバーによって視認困難となっていてもよい。
<第7の実施形態>
次に、図17(c)及び図18(g)を参照して、上記第2の実施形態を一部変更した第7の実施形態について説明する。なお、第7の実施形態は、第2の実施形態に対して下装飾シートや下パネルを含む前面下扉の一部が異なり、第2の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
図17(c)に示すように、第7の実施形態に係る前面下扉DDは、下パネル782の中央部において、下パネル782の前方側の一部を覆う遮光カバーとしての遮光部材92を有している。遮光部材92は、装飾シートとしての下装飾シート783の基材783aの表面と直交する方向視において、下パネル782や下装飾シート783の一部と重なるように配置されている。また、下装飾シート783の表面には、基材783aの表面と直交する方向に視て、遮光部材92と少なくとも一部が重なるように粗面エリア83dが形成されており、下装飾シート783の少なくとも一部が視認困難となっている。
図17(c)及び図18(g)に示すように、下装飾シート783の中央部には開口83eが形成されており、下パネル782の中央部には開口82bが形成されている。遮光部材92は、開口83e及び開口82bを貫通してホルダ88に取り付けられている。下装飾シート783の表面には、下装飾シート783の基材783aの開口83eの縁83bから所定の距離l3の領域に滑面エリア83cが形成され、この滑面エリア83cから所定の距離l4の領域に開口83eの縁83bに沿って粗面エリア83dが形成されている。
例えば、下装飾シート783の開口83eの縁83bに沿って形成された粗面エリア83dは、基材783aの表面と直交する方向に視て、遮光部材92と一部が重なる位置に形成されて、一部が視認困難となっている。このように、遮光部材92によって粗面エリア83dの一部を視認困難とすることにより、粗面印刷84による下装飾シート783の画像85の視認性の低下を抑制している。
なお、本実施形態に係る下装飾シート783のように、装飾シートに開口が形成されていることにより装飾シートが複数の縁部を有している場合、複数の縁部のうち一部の縁部に粗面エリアが形成されていてもよいし、全ての縁部に対して粗面エリアが形成されていてもよい。
また、遮光部材は、装飾性を有してスロットマシン1を装飾する装飾部材であってもよいし、演出用の操作ボタンを摺動自在に支持する支持部材や操作ボタンの周囲を装飾する装飾部材等、操作ボタンを構成する部品であってもよいし、遮光性を有する透光パネルの塗装部やめっき部等であってもよい。遮光部材が操作ボタンを構成する部品である場合、操作ボタンの押圧操作を行う際に透光パネルが押されたり変形したりしやすくなるが、操作ボタンの開口の周囲に粗面エリアが形成されることによって、透光パネルと装飾シートとの間に干渉縞が発生することを効果的に抑制することが可能となる。
<第8の実施形態>
次に、図18(h)を参照して、上記第1の実施形態を一部変更した第8の実施形態について説明する。なお、第8の実施形態は、第1の実施形態に対して拡散シートの一方の面に滑面エリア及び粗面エリアを有している点が異なり、第1の実施形態と同様の部分については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
一般に、透過する光が拡散しやすくするため、拡散シートは表面(発光源とは反対側の面)が拡散面となるように配置される。このように配置された拡散シート裏面と、拡散シートの裏面側に近接配置されたホルダの表面とが共に滑面状である場合、拡散シートとホルダとの間に干渉縞が発生し、透光性を有する装飾シートと透光パネルとを介してこの干渉縞が外部から視認可能となる場合がある。このため、本実施形態に係る拡散シート886は、ホルダ88に対向する裏面に、滑面状の滑面エリア86cと、粗面状の粗面エリア86dと、が形成されている。
粗面エリア86dは、例えば、微小な粒子を添加した透光性を有する塗料による印刷により形成されていてもよいし、上述したチヂミ印刷等により形成されていてもよい。例えば、拡散シート886は、裏面に複数の粗面エリア86dを有しており、この複数の粗面エリア86dが、互いに所定の距離離間して規則的に配置されている。これにより、拡散シート886を透過する光がより拡散しやすくなり、LED91aからの光の発光斑を抑制し、下装飾シート83の見栄えを良好とすることが可能となる。なお、拡散シートは、裏面に複数の滑面エリアが形成されて、これら複数の滑面エリアが互いに所定の距離離間して規則的に配置されていてもよい。また、拡散シートは、裏面における基材86aの縁86bから内側に所定の距離l5の領域に滑面エリアが形成され、この滑面エリアの内側の略全面が粗面エリアとなっていてもよい。
以上説明した第2乃至第8の実施形態において、基材の縁から内側に所定の距離l1の領域が滑面エリアとなっているが、これに限らず、例えば、基材の縁と粗面エリアとの間に滑面エリアが形成されていなくてもよいし、基材の縁から内側に所定の距離の領域が粗面エリアとなっていてもよい。
また、上述したいずれの実施形態においても、組合せ可能な他の実施形態における特徴を自由に組み合わせて実施することができる。例えば、遊技機が第2乃至第7の実施形態に係るいずれかの装飾シートと第8の実施形態に係る拡散シートとを共に備えていてもよいし、第2の実施形態に係る装飾シートの粗面エリアとなっている領域に第6の実施形態に係る装飾シートの粗面エリアとなっている領域を加えた領域が粗面エリアとなっている装飾シートを備えていてもよい。