JP6828603B2 - 物標検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両(自車両)の周辺に存在する立体物(例えば、他の車両)の幅及び長さ等の物標情報を取得する物標検出装置に関する。
従来から、車線変更を行うための操舵操作(ハンドル操作)を支援する車線変更支援装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。車線変更支援装置は、車両に備えられた複数のレーダセンサ(例えば、ミリ波レーダやレーザレーダなど)によって、車両の周囲に存在する立体物(例えば、他車両)を検出し、その立体物の自車両に対する「縦位置、横位置及び相対車速」、並びに、その立体物の「幅及び長さ」等の情報(以下、「物標情報」とも称呼する。)を取得する。そして、車線変更支援装置は、取得した物標情報に基づいて、自車両が車線変更を行っても安全であるかどうかを監視し、安全であると判定した場合に車線変更支援を実行する。このような、「自車両の周辺に存在する立体物の物標情報を取得する物標検出装置」は、車線変更支援装置に限らず、他の運転支援装置にも採用される。
特開2009−274594号公報
ところで、レーダセンサは、周知であるように、自身の周囲にレーダ波を送信し且つそのレーダ波が立体物によって反射されることにより生成される反射波を受信し、その受信した反射波に基づいて物標を認識し且つ物標情報を取得する。このため、自車両に搭載されているレーダセンサの検知範囲、性能及び周辺環境の少なくとも一つによって、自車両の周囲に存在する物標が一時的に検知されないことが生じ得るため、自車両の周囲の物標の存在を正確に判断できない可能性がある。
そのため、従来の物標検出装置において、レーダセンサによって、物標が検知されなくなった後、物標が再検知されない限り、外挿処理を行うことにより途切れない物体検知を実行することが行われている。更に、従来の物標検出装置において、外挿処理を最大外挿継続時間以上行ったときに、外挿処理を行ったセンサ物標がロストした(存在しなくなった)と判定することが行われている。
尚、外挿処理(単に「外挿」と称呼される場合がある。)とは、検知されていた物標の検知されていたときの物標情報又は当該物標情報に基づいて推定した物標情報に基づいて、検知されなくなった物標の物標情報を推定し、検知されなくなった物標の物標情報を推定した物標情報によって置換することによって物標を外挿する処理のことをいう。
更に、従来装置において、物標が継続して検知される継続演算回数に比例して、一定の上昇率にて増加するパラメータ(以下、「存在確率」とも称呼される。)の大きさが大きくなるほど、最大外挿継続時間が、長くなるように設定されることが行われている。
更に、従来装置において、一つの立体物から得られている可能性が高い複数の物標をグルーピングすることにより、その一つの立体物に対応する複数の物標が示す一つの物標(「フュージョン物標」とも称呼される。)を認識することが行われている。
この場合、検知されていた一つの立体物に対応する複数の物標のうちの一つの物標がロストと判定された場合でも、一つの立体物に対応する他の物標が一つでも検知されていれば、その一つの立体物に対応するフュージョン物標は継続して認識される。一方で、一つの立体物に対応する複数の物標の全てが検出されなくなれば、そのフュージョン物標はロストと判定されてしまう。
ところで、一つの立体物から得られる複数の異なる物標が交互に検知を繰り返す場合や一つの立体物から得られる一つの物標が、短期間且つ一時的に検知及びロストを繰り返す場合がある。これらの場合、物標が継続して検知される継続演算回数が少ないため、存在確率が小さくなって、その物標の最大外挿継続時間も短くなり、一つの立体物に対応するフュージョン物標の認識が短期間且つ一時的に途切れてしまうことがあり得る。
本発明は上述した課題に対処するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、一つの立体物に対応する複数の物標が示す一つのフュージョン物標を認識する場合に、フュージョン物標の認識が短期間且つ一時的に途切れてしまう可能性を低くすることができる物標検出装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)を提供することにある。
本発明装置は、それぞれが、自車両の周囲に送信するレーダ波の立体物による反射点をセンサ物標として検出し、前記検出したセンサ物標の前記自車両に対する縦距離、横位置及び相対速度を含むセンサ物標情報を取得するための位置速度情報を検出する複数のレーダセンサ(16FC、16FL、16FR、16RL及び16RR)と、
所定時間が経過する毎に、前記センサ物標に基づいて前記自車両の周囲に存在する立体物を示すフュージョン物標を生成し、前記生成したフュージョン物標の前記自車両に対する位置及び速度を前記センサ物標情報に基づいて算出するフュージョン物標生成手段(10)と、
前記フュージョン物標の存在確率(Trst)を演算する存在確率演算手段(10)と、
前記所定時間前に生成されていた前記フュージョン物標である特定フュージョン物標に対応するセンサ物標が検出されなくなった場合、当該特定フュージョン物標に対応する前記センサ物標が検出されない限り、前記特定フュージョン物標の前記自車両に対する位置及び速度に基づいて、当該特定フュージョン物標に対応する外挿フュージョン物標を生成する外挿処理を行う外挿処理手段(10)と、
前記外挿処理を最大外挿継続時間以上行ったときに当該外挿処理を行った前記センサ物標が存在しないと判定するセンサ物標存在判定手段と、
前記存在確率及び前記特定フュージョン物標の縦相対速度に基づいて前記外挿処理を行う時間の最大値である最大外挿継続時間を演算する最大外挿継続時間演算手段(10)と
を備え、
前記存在確率演算手段は、
前記フュージョン物標が生成されている場合に当該フュージョン物標の縦相対速度の大きさが大きくなるほど前記存在確率の上昇率が大きくなるように当該フュージョン物標の縦相対速度に基づいて当該存在確率の上昇率を求めるとともに、前記フュージョン物標が継続して生成されている時間に対応する値と前記存在確率の上昇率とに基づいて決定される前記存在確率の増大量を積算することによって前記存在確率を算出する(ステップ1422)ように構成され、
前記最大外挿継続時間演算手段は、
前記存在確率が大きくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなり、且つ、前記縦相対速度の大きさが小さくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなるように、前記最大外挿継続時間を演算する(ステップ1430)ように構成されている。
これによれば、フュージョン物標が継続して生成され続けている時間が長くなるほど増加するパラメータである存在確率を、フュージョン物標に対して設定している。これにより、フュージョン物標が生成され続けている時間に応じた適切な存在確率を設定することができると共に、その存在確率に応じた適切な最大外挿継続時間を決定することができる。
その結果、一つの立体物から得られるセンサ物標が、以下のように検出される場合において、一つの立体物に対応するフュージョン物標の認識が短期間且つ一時的に途切れてしまう可能性を低くすることができる。
・一つの立体物から得られる複数の異なるセンサ物標が、交互に検知を繰り返す場合
・一つの立体物から得られる一つのセンサ物標が、短期間且つ一時的に検知及びロストを繰り返す場合
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、上記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る運転支援装置の概略構成図である。 図2は、図1に示した周辺レーダセンサの配設位置を示した自車両の平面図である。 図3は、車線維持制御を説明するための自車両及び道路の平面図である。 図4(A)、(B)及び(C)は、センサ物標を統合するグルーピング処理を説明するための図である。 図5(A)及び(B)は、センサ物標を統合するグルーピング処理を説明するための図である。 図6は、センサ物標を統合するグルーピング処理を説明するための図である。 図7は、フュージョン物標の外挿を説明するための自車両、立体物及び道路の平面図である。 図8は、縦相対速度の絶対値と上昇率と関係を示したグラフである。 図9は、縦相対速度の絶対値と最大外挿時間と存在確率との関係を示したグラフである。 図10は、実施例を説明するためのタイムチャートである。 図11は、参考例を説明するためのタイムチャートである。 図12は、図1に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図13は、図1に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図14は、図1に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図15は、図1に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る物標情報取得装置について図面を参照しながら説明する。この物標情報取得装置は、運転支援制御装置(車両走行制御装置)の一部である車線変更支援装置(以下、「本実施装置」とも称呼される。)に組み込まれている。
(構成)
本実施装置は、図1に示したように、車両(以下において、他の車両と区別するために、「自車両」と称呼される。)に適用され、運転支援ECU10、エンジンECU30、ブレーキECU40、ステアリングECU50、メータECU60及び表示ECU70を備えている。尚、以下において、運転支援ECU10は、単に、「DSECU」とも称呼される。
これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェースI/F等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。これらのECUは、幾つか又は全部が一つのECUに統合されてもよい。
DSECUは、以下に列挙するセンサ(スイッチを含む。)と接続されていて、それらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。尚、各センサは、DSECU以外のECUに接続されていてもよい。その場合、DSECUは、センサが接続されたECUからCANを介してそのセンサの検出信号又は出力信号を受信する。
アクセルペダル操作量センサ11は、自車両のアクセルペダル11aの操作量(アクセル開度)を検出し、アクセルペダル操作量APを表す信号を出力するようになっている。 ブレーキペダル操作量センサ12は、自車両のブレーキペダル12aの操作量を検出し、ブレーキペダル操作量BPを表す信号を出力するようになっている。
操舵角センサ13は、自車両の操舵角を検出し、操舵角θを表す信号を出力するようになっている。
操舵トルクセンサ14は、操舵ハンドルSWの操作により自車両のステアリングシャフトUSに加わる操舵トルクを検出し、操舵トルクTraを表す信号を出力するようになっている。
車速センサ15は、自車両の走行速度(車速)を検出し、車速Vsxを表す信号を出力するようになっている。即ち、車速Vsxは、車両の前後方向(自車両の前後方向に伸びる中心軸線に沿う方向)の速度(即ち、縦速度)である。
周辺センサ16は、周辺レーダセンサ16a及びカメラセンサ16bを備えている。
周辺レーダセンサ16aは、図2に示したように、中央前方周辺センサ16FC、右前方周辺センサ16FR、左前方周辺センサ16FL、右後方周辺センサ16RR、及び、左後方周辺センサ16RLを備えている。
周辺センサ16FC,16FR,16FL,16RR及び16RLを個々に区別する必要が無い場合には、それらは周辺レーダセンサ16aと称呼される。周辺センサ16FC,16FR,16FL,16RR及び16RLは、実質的に互いに同一の構成を有する。
周辺レーダセンサ16aは、レーダ送受信部と信号処理部(図示略)とを備えている。レーダ送受信部は、ミリ波帯の電波であるレーダ波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を放射し、更に、放射範囲内に存在する立体物(例えば、他車両、歩行者、自転車及び建造物等)によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。レーダ波を反射する立体物の点は「反射点」とも称呼される。
信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、それらの周波数差、及び、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、自車両SVと立体物の反射点との距離、自車両SVと立体物の反射点との相対速度、及び、自車両SVに対する立体物の反射点の方位、を表す反射点情報を所定時間が経過する毎に取得してDSECUに供給する。この立体物の反射点は物標と見做され、且つ、「センサ物標」と称呼される。
中央前方周辺センサ16FCは、車体のフロント中央部に設けられ、自車両SVの前方領域に存在するセンサ物標を検出する。右前方周辺センサ16FRは、車体の右前コーナー部に設けられ、主に自車両SVの右前方領域に存在するセンサ物標を検出する。左前方周辺センサ16FLは、車体の左前コーナー部に設けられ、主に自車両SVの左前方領域に存在するセンサ物標を検出する。右後方周辺センサ16RRは、車体の右後コーナー部に設けられ、主に自車両SVの右後方領域に存在するセンサ物標を検出する。左後方周辺センサ16RLは、車体の左後コーナー部に設けられ、主に自車両SVの左後方領域に存在するセンサ物標を検出する。例えば、周辺レーダセンサ16aは、自車両SVからの距離が100メートル程度の範囲に入るセンサ物標を検出する。尚、周辺レーダセンサ16aはミリ波帯以外の周波数帯の電波(レーダ波)を用いるレーダセンサであってもよい。
DSECUは、図2に示したように、X−Y座標を規定している。X軸は、自車両SVの前後方向に沿って自車両SVの前端部の幅方向中心位置を通るように伸び、前方を正の値として有する座標軸である。Y軸は、X軸と直交し、自車両SVの左方向を正の値として有する座標軸である。X軸の原点及びY軸の原点は、自車両SVの前端部の幅方向中心位置である。
周辺レーダセンサ16aは、上述した反射点情報に基づいて、以下に述べる「センサ物標についての情報」をDSECUに所定時間(演算周期)が経過する毎に送信する。センサ物標についての情報は、以下、「センサ物標情報」と称呼される。なお、DSECUは、演算周期が経過する毎に、上述した反射点情報を周辺レーダセンサ16aから直接取得して、反射点情報に基づいて「センサ物標情報」を演算して求めるようにして、センサ物標情報を取得してもよい。
・センサ物標のX座標位置(Xobj)。即ち、自車両SVとセンサ物標とのX軸方向の符号付き距離。X座標位置Xobjは、縦距離Xobj又は縦位置Xobjとも称呼される。
・センサ物標のY座標位置(Yobj)。即ち、自車両SVとセンサ物標とのY軸方向の符号付き距離。Y座標位置Yobjは、横位置Yobjとも称呼される。
・センサ物標の自車両SVに対するX軸方向の速度(即ち、縦相対速度)Vxobj。尚、縦相対速度Vxobjの大きさ(|Vxobj|)は縦絶対速度Vaxobjと表記される場合がある。縦絶対速度Vaxobjは、縦相対速度Vxobjに自車両SVの車速Vが加えられた値である。
・センサ物標の自車両SVに対するY軸方向の速度(即ち、横相対速度)Vyobj。尚、横相対速度Vyobjの大きさ(|Vyobj|)は横絶対速度Vayobjと表記される場合がある。横絶対速度Vayobjは、横相対速度Vyobjと等しい値に設定される。
・センサ物標を識別(特定)するためのセンサ物標識別情報(センサ物標ID)
ところで、一つの立体物が二以上の反射点を有する場合がある。従って、周辺レーダセンサ16aのそれぞれは、一つの立体物に対して、複数のセンサ物標を検出する場合がある。即ち、周辺レーダセンサ16aのそれぞれは、複数組のセンサ物標情報を取得する場合がある。更に、二以上の周辺レーダセンサ16aが、一つの立体物に対して複数組のセンサ物標情報を取得する場合がある。
そこで、DSECUは、一つの立体物を検出している可能性が高い複数のセンサ物標をグルーピング(統合、フュージョン)することにより、複数のセンサ物標が示す一つの物標(以下、「フュージョン物標」と称呼される。)を認識する。
更に、DSECUは、その「フュージョン物標の属性値の情報」を後述するように取得し、その情報をDSECUに所定時間(演算周期)が経過する毎に送信する。フュージョン物標についての情報は「フュージョン物標情報又はフュージョン物標属性値」と称呼され、以下に述べる情報を含む。
・フュージョン物標のX座標位置(Xf)。即ち、自車両SVとフュージョン物標とのX軸方向の符号付き距離。本例において、X座標位置Xfは、フュージョン物標の中心点のX座標位置である。
・フュージョン物標のY座標位置(Yf)。即ち、自車両SVとフュージョン物標とのY軸方向の符号付き距離。本例において、Y座標位置Yfは、フュージョン物標の中心点のY座標位置である。
・フュージョン物標の自車両SVに対するX軸方向の速度(即ち、縦相対速度)Vxf。
・フュージョン物標の自車両SVに対するY軸方向の速度(即ち、横相対速度)Vyf。
・フュージョン物標の長さLf(フュージョン物標のX軸方向の長さ)。
・フュージョン物標の幅Wf(フュージョン物標のY軸方向の長さ)。
・フュージョン物標を識別(特定)するためのフュージョン物標識別情報(フュージョン物標ID)
カメラセンサ16bは、ステレオカメラであるカメラ部、及び、カメラ部によって撮影して得られた画像データを解析して道路の白線を認識するレーン認識部を備えている。カメラセンサ16b(カメラ部)は、自車両SVの前方の風景を撮影する。カメラセンサ16b(レーン認識部)は、所定の角度範囲(自車両SV前方に広がる範囲)を有する画像処理領域の画像データを解析して、自車両SVの前方の道路に形成された白線(区画線)を認識(検出)する。カメラセンサ16bは、認識した白線に関する情報をDSECUに送信する。
DSECUは、カメラセンサ16bから供給された情報に基づいて、図3に示したように、自車両SVの走行している車線(以下、「自車線」とも称呼する。)における左右の白線WLの幅方向の中心位置となる車線中心ラインCLを特定する。この車線中心ラインCLは、後述する車線維持支援制御における目標走行ラインとして利用される。更に、DSECUは、車線中心ラインCLのカーブの曲率Cuを演算する。尚、曲率Cuは、車線中心ラインCLが右にカーブしているとき正の値となり、車線中心ラインCLが左にカーブしているとき負の値となるように定義されている。
加えて、DSECUは、左白線及び右白線で区画される車線における自車両SVの位置及び向きを演算する。例えば、DSECUは、図3に示したように、自車両SVの基準点P(例えば、重心位置)と車線中心ラインCLとの道路幅方向の符号付き距離Dyを演算する。符号付き距離Dyの大きさは、自車両SVが車線中心ラインCLに対して道路幅方向に偏移している距離を示す。符号付き距離Dyは、自車両SVの基準点Pが車線中心ラインCLに対して道路幅方向の右側に偏移しているとき正の値となり、自車両SVの基準点Pが車線中心ラインCLに対して道路幅方向の左側に偏移しているとき負の値となるように定義されている。この符号付き距離Dyは以下において「横偏差Dy」とも称呼される。
DSECUは、車線中心ラインCLの方向と自車両SVの向いている方向(自車両SVの前後軸の方向)とのなす角度θyを演算する。この角度θyは以下において「ヨー角θy」とも称呼される。ヨー角θyは、自車両SVの向いている方向が車線中心ラインCLの方向に対して右回り側であるとき正の値となり、自車両SVの向いている方向が車線中心ラインCLの方向に対して左回り側であるとき負の値となるように定義されている。以下、曲率Cu、横偏差Dy、及び、ヨー角θyを表す情報(Cu、Dy、θy)は「車線関連車両情報」と称呼される場合がある。
カメラセンサ16bは、自車線の左白線及び右白線の種類(例えば、実線であるか破線であるか等)及び白線の形状等についての情報をDSECUに供給する。更に、カメラセンサ16bは、自車線に隣接する車線の左白線及び右白線の種類及び白線の形状等についてもDSECUに供給する。即ち、カメラセンサ16bは、「白線に関する情報」についてもDSECUに供給する。白線が実線である場合、車両がその白線を跨いで車線変更することは禁止されている。一方、白線が破線(一定の間隔で断続的に形成されている白線)の場合、車両がその白線を跨いで車線変更することは許可されている。車線関連車両情報(Cu、Dy、θy)、及び、白線に関する情報は、「車線情報」と称呼される場合がある。
再び図1を参照すると、操作スイッチ17は、何れも後述する「車線変更支援制御、車線維持制御、及び、追従車間距離制御」のそれぞれを実行するか否かについての選択を行うために運転者により操作される操作器である。従って、操作スイッチ17は、運転者の操作に応じて、上記の各制御の実行が選択されたか否かを示す信号を出力する。加えて、操作スイッチ17は、上記の各制御を実行する際の運転者の好みを反映するためのパラメータ(例えば、後述する車間時間)を運転者に入力又は選択させる機能も備えている。
DSECUは、操作スイッチ17から供給される信号に基づいて追従車間距離制御の実行が選択されているか否かを判定し、追従車間距離制御の実行が選択されていない場合、車線変更支援制御及び車線維持制御を実行しないようになっている。更に、DSECUは、操作スイッチ17から供給される信号に基づいて車線維持制御の実行が選択されているか否かを判定し、車線維持制御の実行が選択されていない場合、車線変更支援制御を実行しないようになっている。
ヨーレートセンサ18は、自車両SVのヨーレートYRtを検出し、実ヨーレートYRtを出力するようになっている。尚、実ヨーレートYRtは、自車両SVが前進しながら左旋回している場合に正の値となり、自車両SVが前進しながら右旋回している場合に負の値となる。
前後加速度センサ19は、自車両SVの前後方向の加速度Gxを検出し、実前後加速度Gxを出力するようになっている。尚、実前後加速度Gxは、自車両SVが前方に加速しているときに正の値となり、減速しているときに負の値となる。
横加速度センサ20は、自車両SVの横(車幅)方向(自車両SVの中心軸線に直交する方向)の加速度Gyを検出し、実横加速度Gyを出力するようになっている。尚、実横加速度Gyは、自車両SVが前進しながら左旋回している場合に(即ち、車両右方向の加速度に対して)正の値となり、自車両SVが前進しながら右旋回している場合に(即ち、車両左方向の加速度に対して)負の値となる。
エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31と接続されている。エンジンアクチュエータ31は内燃機関32の運転状態を変更するためのアクチュエータである。本例において、内燃機関32はガソリン燃料噴射・火花点火式・多気筒エンジンであり、吸入空気量を調整するためのスロットル弁を備えている。エンジンアクチュエータ31は、少なくとも、スロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31を駆動することによって、内燃機関32が発生するトルクを変更することができる。内燃機関32が発生するトルクは図示しない変速機を介して図示しない駆動輪に伝達される。従って、エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31を制御することによって、自車両SVの駆動力を制御し加速状態(加速度)を変更することができる。
ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41に接続されている。ブレーキアクチュエータ41は、ブレーキペダルの踏力によって作動油を加圧する図示しないマスタシリンダと、左右前後輪に設けられる摩擦ブレーキ機構42との間の油圧回路に設けられる。摩擦ブレーキ機構42は、車輪に固定されるブレーキディスク42aと、車体に固定されるブレーキキャリパ42bとを備える。ブレーキアクチュエータ41は、ブレーキECU40からの指示に応じてブレーキキャリパ42bに内蔵されたホイールシリンダに供給する油圧を調整し、その油圧によりホイールシリンダを作動させることによりブレーキパッドをブレーキディスク42aに押し付けて摩擦制動力を発生させる。従って、ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41を制御することによって、自車両SVの制動力を制御し加速状態(減速度)を変更することができる。
ステアリングECU50は、周知の電動パワーステアリングシステムの制御装置であって、モータドライバ51に接続されている。モータドライバ51は、転舵用モータ52に接続されている。転舵用モータ52は、車両の「操舵ハンドル、操舵ハンドルに連結されたステアリングシャフト及び操舵用ギア機構等を含むステアリング機構」に組み込まれている。転舵用モータ52は、モータドライバ51から供給される電力によってトルクを発生し、このトルクによって操舵アシストトルクを加えたり、左右の操舵輪を転舵したりすることができる。即ち、転舵用モータ52は、自車両SVの舵角(転舵輪の転舵角度)を変更することができる。
ステアリングECU50は、ウインカーレバースイッチ53と接続されている。ウインカーレバースイッチ53は、後述するターンシグナルランプ61を作動(点滅)させるために運転者によって操作されるウインカーレバーの操作位置を検出する検出スイッチである。
ウインカーレバーはステアリングコラムに設けられている。ウインカーレバーは、初期位置から右回り操作方向に所定角度回転された第1段階位置と、第1段階位置よりも更に所定回転角度だけ右回り操作方向に回転された第2段階位置と、の2つの位置に操作できるようになっている。ウインカーレバーは、右回り操作方向の第1段階位置に運転者によって維持されている限りその位置を維持するが、運転者がウインカーレバーから手を離すと初期位置に自動的に戻るようになっている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置にあるとき、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をステアリングECU50に出力する。
同様に、ウインカーレバーは、初期位置から左回り操作方向に所定角度回転された第1段階位置と、第1段階位置よりも更に所定回転角度だけ左回り操作方向に回転された第2段階位置と、の2つの位置に操作できるようになっている。ウインカーレバーは、左回り操作方向の第1段階位置に運転者によって維持されている限りその位置を維持するが、運転者がウインカーレバーから手を離すと初期位置に自動的に戻るようになっている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置にあるとき、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をステアリングECU50に出力する。尚、このようなウインカーレバーについては、例えば、特開2005−138647号公報に開示されている。
DSECUは、ウインカーレバースイッチ53からの信号に基づいて、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に保持されている継続時間を計測するようになっている。更に、DSECUは、その計測した継続時間が予め設定した支援要求確定時間(例えば、0.8秒)以上であると判定したとき、運転者が右側車線への車線変更を行うために車線変更支援を受けたいという要求(以下、「車線変更支援要求」とも称呼される。)を発していると判定するようになっている。
更に、DSECUは、ウインカーレバースイッチ53からの信号に基づいて、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に保持されている継続時間を計測するようになっている。更に、DSECUは、その計測した継続時間が予め設定した支援要求確定時間以上であると判定したとき、運転者が左側車線への車線変更を行うために車線変更支援要求を発していると判定するようになっている。
メータECU60は、左右のターンシグナルランプ61(ウインカーランプ)及び情報ディスプレイ62と接続されている。
メータECU60は、図示しないウインカー駆動回路を介して、ウインカーレバースイッチ53からの信号及びDSECUからの指示等に応じて左又は右のターンシグナルランプ61を点滅させるようになっている。例えば、メータECU60は、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をウインカーレバースイッチ53が出力しているとき、左のターンシグナルランプ61を点滅させる。更に、メータECU60は、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をウインカーレバースイッチ53が出力しているとき、右のターンシグナルランプ61を点滅させる。
情報ディスプレイ62は、運転席の正面に設けられたマルチインフォメーションディスプレイである。情報ディスプレイ62は、車速及びエンジン回転速度等の計測値に加えて、各種の情報を表示する。例えば、メータECU60は、DSECUからの運転支援状態に応じた表示指令を受信すると、その表示指令により指定された画面を情報ディスプレイ62に表示させる。
表示ECU70は、ブザー71及び表示器72に接続されている。表示ECU70は、DSECUからの指示に応じ、ブザー71を鳴動させて運転者への注意喚起を行うことができる。更に、表示ECU70は、DSECUからの指示に応じ、表示器72に注意喚起用のマーク(例えば、ウォーニングランプ)を点灯させたり、警報画像を表示したり、警告メッセージを表示したり、運転支援制御の作動状況を表示したりすることができる。尚、表示器72はヘッドアップディスプレイであるが、他のタイプのディプレイであってもよい。
(基本的な運転支援制御の概要)
前述したように、DSECUは、追従車間距離制御、車線維持制御及び車線変更支援制御を実行するようになっている。車線維持制御は、追従車間距離制御が実行されている場合に限り実行される。車線変更支援制御は、車線維持制御が実行されている場合に限り実行される。これらの制御の詳細については後述するが、以下、これらの制御について簡単に説明する。
追従車間距離制御は、自車両SVの直前を走行している先行車(即ち、追従対象車両)と自車両SVとの車間距離を所定の距離に維持しながら、自車両SVを先行車に追従させる制御である。
車線維持制御は、自車両SVの位置が「自車両SVが走行しているレーン(自車線)」内の目標走行ライン付近に維持されるように、操舵トルクをステアリング機構に付与して自車両SVの舵角を変更し、以て、運転者の操舵操作を支援する制御である。
車線変更支援制御は、自車両SVが、自車線(元車線)から「運転者が希望する、元車線に隣接する車線(目標隣接車線)」に移動するように、操舵トルクをステアリング機構に付与することにより自車両SVの舵角を変更し、以て、運転者の操舵操作(車線変更のためのハンドル操作)を支援する制御である。
<作動の概要>
ところで、DSECUは、車線変更支援制御を実行する際、自車両SVが安全に車線変更を行うことができるか否かを判定するため、自車両SVの周囲に存在する立体物の位置、相対速度及び大きさ(長さ、幅)等についての立体物情報を取得する必要がある。DSECUは、この立体物を前述した「フュージョン物標」を生成することによって認識し、且つ、前述した「フュージョン物標情報(例えば、フュージョン物標の「長さ、幅及び座標位置」)」を立体物情報として取得する。
DSECUは、所定の演算周期(Δt)が経過する毎に、周辺レーダセンサ16aが検知したセンサ物標を後述するグルーピング処理によってグルーピング(統合)してフュージョン物標を生成又は更新する。更に、DSECUは、生成又は更新されたフュージョン物標のフュージョン物標情報を、そのフュージョン物標に属するセンサ物標(即ち、グルーピングされたセンサ物標)のセンサ物標情報に基づいて生成する。
(フュージョン物標の生成・更新及びロスト判定)
次に、DSECUが実行するフュージョン物標の生成・更新及びロスト判定の方法について説明する。
DSECUは、所定時間(演算周期)Δtが経過する毎に、周辺レーダセンサ16aからセンサ物標情報を取得する。周辺レーダセンサ16aのそれぞれの物標検知範囲は、他の周辺レーダセンサ16aと部分的に重複している。更に、周辺レーダセンサ16aのそれぞれは、自車両SVの周辺に立体物が一つしか存在していない場合であっても、その立体物から複数のセンサ物標を認識する場合がある。従って、一つの立体物から複数のセンサ物標が取得される場合が発生する。
この場合、DSECUは、後述するグルーピング処理を行なって「一つの立体物nから得られている可能性が高い複数のセンサ物標」をグルーピング(統合、フュージョン)することにより、その一つの立体物nに対応するフュージョン物標FBnを生成する。換言すると、DSECUは、複数のセンサ物標のそれぞれのセンサ物標情報に基づいて、当該複数のセンサ物標を統合してフュージョン物標FBnを生成する。そして、DSECUは、そのフュージョン物標FBnのフュージョン物標情報を、当該フュージョン物標FBnに統合された(即ち、当該フュージョン物標FBnに属する)センサ物標のうちの高AGEセンサ物標のセンサ物標情報に基づいて生成する。以下、図4の(A)及び(B)に示した例を用いて、「グルーピング処理」について詳述する。
いま、図4(A)に示したように、センサ物標B0,B1及びB2が検出されたと仮定する。この例において、センサ物標B0は右前方周辺センサ16FRによって検出されたセンサ物標であり、センサ物標B1及びセンサ物標B2は、中央前方周辺センサ16FCによって検出されたセンサ物標である。更に、この例では、現時点までに(換言すると、前回の演算時において)フュージョン物標が生成されていない。
このように、今回の演算の開始時点においてフュージョン物標FBnが生成されていない場合、DSECUは、新規のフュージョン物標FBnを生成するためのグルーピング処理を次に述べるように行う。尚、このグルーピング処理は、「新規物標生成グルーピング処理」と称呼される。
まず、DSECUは、複数のセンサ物標(例えば、センサ物標B0乃至B2)の中から、任意の一つのセンサ物標(例えば、センサ物標B0)をグルーピング基準物標Bsとして選択する。次に、DSECUは、グルーピング基準物標Bs(例えば、センサ物標B0)に対して、「グルーピング候補となる他のセンサ物標Bn(例えば、センサ物標Bn、n=1、2)」が、下記(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしているか否かを判定する。グルーピング候補のセンサ物標Bnが下記(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしている場合、センサ物標Bnはグルーピング条件を満たしていると判定される。
(条件G1)位置を判定の基準とした条件
図4(B)の左側の図に示されるように、
「グルーピング候補のセンサ物標BnのX座標位置Xobj(=XBn)」と「グルーピング基準物標BsのX座標位置Xobj(=XBs)」との差分の絶対値(=|XBn−XBs|)が所定の閾値縦距離Xth以下であり、且つ
「グルーピング候補のセンサ物標BnのY座標位置Yobj(=YBn)」と「グルーピング基準物標BsのY座標位置Yobj(=YBs)」との差分の絶対値(=|YBn−YBs|)が所定の閾値横距離Yth以下であること。
尚、ここで、閾値縦距離Xthは、「物標長さL0×0.5+所定値α」である。閾値横距離Ythは、「物標幅W0×0.5+所定値β」である。物標長さL0及び物標幅W0には、判定に適した任意の固定値が使用される。例えば、物標長さL0には自動二輪車両の標準的長さが設定され、物標幅W0には自動二輪車両の標準的車幅が設定される。
(条件G2)速度を判定の基準とした条件
図4(B)の右側の図に示されるように、
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの縦相対速度Vxobj(=VxBn)」と「グルーピング基準物標Bsの縦相対速度Vxobj(=VxBs)」との差分の絶対値(=|VxBn−VxBs|)が、所定の閾値縦速度差Vxth以下であり、且つ
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの横相対速度Vyobj(=VyBn)」と「グルーピング基準物標Bsの横相対速度Vyobj(=VyBs)」との差分の絶対値(=|VyBn−VyBs|)が、所定の閾値横速度差Vyth以下であること。
なお、条件G2が成立しているか否かは、絶対速度を用いて判定されてもよい。即ち、条件G2は以下のとおりであってもよい。
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの縦絶対速度」と「グルーピング基準物標Bsの縦絶対速度」との差分の絶対値が、閾値縦速度差Vxth以下であり、且つ
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの横絶対速度」と「グルーピング基準物標Bsの横絶対速度」との差分の絶対値が、閾値横速度差Vyth以下であること。
グルーピング候補のセンサ物標Bnがグルーピング基準物標Bsに対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件からなるグルーピング条件を満たしている場合、DSECUは、センサ物標Bnとグルーピング基準物標Bsとを統合して、新規のフュージョン物標FBnを生成する。更に、DSECUは、新規のフュージョン物標FBnに対して、フュージョン物標FBnを他のフュージョン物標と区別(識別)するための識別情報(ID)を設定する。
例えば、図4(A)において、グルーピング候補のセンサ物標B1がグルーピング基準物標B0に対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしていると仮定する。この場合、DSECUは、センサ物標B1とセンサ物標B0とを統合してフュージョン物標FB1を新たに生成する。この場合、フュージョン物標FB1の識別情報は、例えば「ID1」である。
更に、図4(A)において、グルーピング候補のセンサ物標B2もグルーピング基準物標B0に対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしている場合、DSECUは、センサ物標B2もセンサ物標B0と統合する。即ち、センサ物標B2は、フュージョン物標FB1に統合される。
これに対し、グルーピング候補のセンサ物標Bnがグルーピング基準物標Bsに対して、(条件G1)及び(条件G2)の少なくとも一方を満たしていない場合、DSECUは、そのセンサ物標Bnを別のグルーピング基準物標Bsとして選択する。そして、DSECUは、そのグルーピング基準物標Bsに対して、グルーピング候補となるセンサ物標(即ち、それまでにフュージョン物標として統合されていないセンサ物標)が(条件G1)及び(条件G2)のグルーピング条件の両方を満たしているか否かを判定する。以上の処理が新規物標生成グルーピング処理である。
一方、前回の演算(演算周期Δt前の演算)においてフュージョン物標FBnが生成されていた場合(即ち、今回の演算の開始時点において既にフュージョン物標FBnが生成されている場合)、DSECUは、そのフュージョン物標FBnを次のように更新する。更に、DSECUは、更新したフュージョン物標FBnの存在確率を演算する。以下では、図5(A)に示されるように、今回の演算を開始するときに既に2つのフュージョン物標FB1及びFB2(即ち、FBn,n=1,2)が生成されている例を用いて、フュージョン物標の更新(生成)方法について説明する。以下、前回の演算において生成又は更新されたフュージョン物標を「前回フュージョン物標」と称呼し、前回フュージョン物標の物標情報を「前回フュージョン物標情報」と称呼する。
DSECUは、前回フュージョン物標FBnの前回フュージョン物標情報に基づいて、今回の演算におけるフュージョン物標FBnの位置及び相対速度を推定する。この推定されたフュージョン物標は「推定物標FBn’」と称呼される。例えば、図5(A)に示された例においては、前回フュージョン物標FB1及びFB2に基づいて推定物標FB1’及びFB2’がそれぞれ生成されている。
より具体的に述べると、前回の演算時におけるX−Y座標(以下、「前回X−Y座標」と称呼する。)において、前回フュージョン物標FBnのX−Y座標位置を(Xfn、Yfn)、前回フュージョン物標FBnの縦相対速度をVxfn、前回フュージョン物標FBnの横相対速度をVyfnとする。このとき、DSECUは、前回X−Y座標における推定物標FBn’のX−Y座標位置(Xfn’、Yfn’)を、以下の式に従って算出する。

Xfn’=Xfn+Δt・Vxfn
Yfn’=Yfn+Δt・Vyfn
その後、DSECUは、その求めた「前回X−Y座標における推定物標FBn’のX−Y座標位置(Xfn’、Yfn’)」を、今回の演算時におけるX−Y座標(以下、「今回X−Y座標」と称呼する。)におけるX−Y座標位置へと変換(座標変換)する。更に、DSECUは、前回X−Y座標における「前回フュージョン物標FBnの相対速度(Vxfn,Vyfn)」を今回X−Y座標における相対速度へと変換(座標変換)し、これを今回X−Y座標における推定物標FBn’の相対速度として設定する。尚、DSECUは、前回X−Y座標と今回X−Y座標との関係を、「自車両SVの車速V、横偏差Dy、及び、ヨー角θy」の単位時間当たりの変化量と、時間Δtと、から認識し、この関係からX−Y座標位置及び相対速度等の上記座標変換を行う。
更に、DSECUは、推定物標FBn’の「物標幅及び物標長さ」を、前回フュージョン物標FBnの「物標幅Wf及び物標長さLf」とそれぞれ同じ値に設定する。これにより、DSECUは、推定物標FBn’(即ち、FB1’及びFB2’)を生成する。
推定物標FBn’は、今回の演算時において新たに検知されたセンサ物標(以下、「今回検知センサ物標」とも称呼する。)をグルーピング(統合)するための判定基準となる物標である。従って、推定物標FBn’の識別情報は、前回フュージョン物標FBnの識別情報と同一の情報に設定される。即ち、例えば、推定物標FB1’の識別情報は、前回フュージョン物標FB1の識別情報である「ID1」に維持される。推定物標FB2’の識別情報は、前回フュージョン物標FB2の識別情報である「ID2」に維持される。
次に、DSECUは、推定物標FBn’に対してグルーピング候補となる今回センサ物標を抽出する。この抽出は、推定物標FBn’の位置に基づいて行われる。より具体的に述べると、DSECUは、推定物標FBn’の位置に基づいて定められるグルーピング対象領域にある「今回検知センサ物標」をその推定物標FBn’のグルーピング対象として抽出する。
図5(A)に示した例において、センサ物標BFC1は、中央前方周辺センサ16FCが今回検知した今回検知センサ物標である。センサ物標BFL1、BFL2及びBFL3は、左前方周辺センサ16FLが今回検知した今回検知センサ物標である。センサ物標BRL1は、左後方周辺センサ16RLが今回検知した今回検知センサ物標である。右前方周辺センサ16FL及び右後方周辺センサ16RRは、いずれも今回検知センサ物標を検知していない。推定物標FB1’に対するグルーピング候補は、点線R1で囲まれたグルーピング対象領域に存在する「センサ物標BFC1、センサ物標BFL1、BFL2及びBFL3、並びに、センサ物標BRL1」である。推定物標FB2’に対するグルーピング候補は、点線R2で囲まれたグルーピング対象領域に存在する「センサ物標BRL1」である。
DSECUは、推定物標FBn’に基づいて、今回検知センサ物標を前回フュージョン物標FBnに関連付けるためのグルーピング処理(以下、「第1グルーピング処理」と称呼される。)を実行する。
即ち、DSECUは、先ず、推定物標FBn’をグルーピング基準物標として選択する。次いで、DSECUは、そのグルーピング基準物標(即ち、推定物標FBn’)に対して、グルーピング候補である今回検知センサ物標が、上述の(条件G1)及び(条件G2)からなるグルーピング条件を満たしているか否かを判定する。このように、グルーピング基準物標が推定物標FBn’である場合、グルーピング基準物標の物標情報としては推定物標FBn’の物標情報(X−Y座標位置、縦相対速度及び横相対速度)が使用される。尚、第1グルーピング処理において、条件G1にて使用される閾値縦距離Xthは「物標長さL1×0.5+所定値α」であり、条件G2にて使用される閾値横距離Ythは「物標幅W1×0.5+所定値β」である。物標長さL1及び物標幅W1には、推定物標FBn’の「物標長さ及び物標幅」がそれぞれ使用される。
グルーピング候補の今回検知センサ物標がグルーピング基準物標として選択された推定物標FBn’に対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしている場合、DSECUは、推定物標FBn’とその今回検知センサ物標とを統合して、フュージョン物標FBnを更新(生成)する。DSECUは、この処理を、グルーピング候補の今回検知センサ物標の総てに対して行ってフュージョン物標FBnを更新する。このフュージョン物標FBnの識別情報は、推定物標FBn’の識別情報と同じ情報に維持される。尚、当然ではあるが、グルーピング候補の今回検知センサ物標がグルーピング基準物標として選択された推定物標FBn’に対して、(条件G1)及び(条件G2)の少なくとも一方の条件を満たしていない場合、DSECUは、推定物標FBn’とその今回検知センサ物標とを統合しない。
図5(B)に示される例において、推定物標FB1’に対し、点線R1により囲まれたグルーピング候補の今回検知センサ物標のうち、センサ物標BFC2及びセンサ物標BFL1が(条件G1)及び(条件G2)の両条件(即ち、グルーピング条件)を満たしていると仮定する。この場合、図6に示されるように、DSECUは、推定物標FB1’と「センサ物標BFC2及びセンサ物標BFL1」とを統合することによりフュージョン物標FB1を更新(生成)する。従って、推定物標FB1’に統合できると判定されたセンサ物標の数(グルーピング物標数)は「2」である。更に、DSECUは、更新したフュージョン物標FB1の存在確率を演算する。尚、存在確率の演算方法の詳細については後述する。
更に、図5(B)に示される例において、推定物標FB2’に対し、グルーピング候補であるセンサ物標BRL1はグルーピング条件を満たしていないと仮定する。即ち、推定物標FB2’に対し、点線R2により囲まれたグルーピング候補の今回検知センサ物標のうちグルーピング条件を満たしているセンサ物標は存在しない。換言すると、推定物標FB2’に対して統合できると判定されたセンサ物標の数(グルーピング物標数)は「0」である。この場合、DSECUは、フュージョン物標FB2を外挿する。即ち、DSECUは、推定物標FB2’を、前回フュージョン物標FB2を外挿することにより得られた今回フュージョン物標FB2と見做し、今回フュージョン物標の物標情報を推定物標FB2’の物標情報によって置換する。この処理を、フュージョン物標の外挿又は外挿処理と称呼する。尚、外挿する場合、フュージョン物標FB2の存在確率は変化しないで維持される。即ち、DSECUは、それまでに演算された存在確率をそのままフュージョン物標FB2に適用する。
更に、第1グルーピング処理により何れの推定物標とも統合されなかった今回検知センサ物標(以下、「残余センサ物標」とも称呼する。)が存在する場合、DSECUは、残余センサ物標同士のグルーピングを試みる。この処理は、第2グルーピング処理と称呼される。
例えば、図6に示された例においては、点線R3により囲まれた「センサ物標BFL2及びBFL3、並びに、センサ物標BRL1」は、残余センサ物標である。DSECUは、これらの残余センサ物標に対し、前述した「新規物標生成グルーピング処理」と同様の処理を第2グルーピング処理として実行する。
即ち、DSECUは、残余センサ物標の一つをグルーピング基準物標として選択し、選択したグルーピング基準物標に対してグルーピング候補となる残余センサ物標を抽出する。次いで、DSECUは、抽出したグルーピング候補となる残余センサ物標が、グルーピング基準物標に対して、上述のグルーピング条件を満たしているか否かを判定する。そして、DSECUは、グルーピング基準物標とグルーピング条件を満たす残余センサ物標とを統合することにより、新規のフュージョン物標FBnを生成する。DSECUは、この新規のフュージョン物標FBnに対して、そのフュージョン物標FBnを他のフュージョン物標と区別(識別)するための識別情報(ID)を設定する。DSECUは、このような処理を、残余センサ物標の総てに対して行う。
ところで、上述した前回フュージョン物標FB2のように、第1グルーピング処理において「前回フュージョン物標FBnに対応する推定物標FBn’」に統合できるセンサ物標(今回検知センサ物標)が一つも存在しなかった場合、その前回フュージョン物標FBnに対応する立体物は自車両SVの周囲に存在しなくなったと考えることができる。即ち、推定物標FBn’に対して統合できる今回検知センサ物標の数(グルーピング物標数)が「0」の場合、フュージョン物標FBnがロストしたと考えることができる。
ところが、このような状況は、図7に示されるように、DSECUがフュージョン物標FB2として検出していた立体物150が、周辺レーダセンサ16aの何れからもミリ波が放射されない死角領域Rdr又はRdlに一時的に進入した場合にも発生し得る。即ち、このような状況は、今回の演算タイミングにおいて、フュージョン物標FB2に対応する立体物150が実際には自車両SVの周囲に存在しているが、その立体物150からセンサ物標が検出されていない状況である可能性がある。
従って、推定物標FBn’に対するグルーピング物標数が「0」である場合、DSECUが「フュージョン物標FBnはロストした」と直ちに判定した場合、その判定は誤判定である可能性がある。
このような誤判定を回避するために、推定物標FBn’に対するグルーピング物標数が「0」の場合、DSECUは、推定物標FBn’に基づいて今回フュージョン物標FBnを外挿する。フュージョン物標の外挿を開始するときに、DSECUは最大外挿継続時間tgを演算する。尚、最大外挿継続時間tgの演算方法については後述する。そして、フュージョン物標の外挿は、その外挿を開始してからの継続時間(外挿継続時間)が所定の最大外挿継続時間tg以上になるまで継続され、外挿継続時間が最大外挿継続時間tgに到達すると終了する。但し、フュージョン物標の外挿は、外挿継続時間が最大外挿継続時間tgに到達する前に、その外挿によるフュージョン物標に対応した推定物標に対して統合されるセンサ物標が現れ、当該センサ物標がその推定物標に統合されたとき終了する。
一時的に周辺レーダセンサ16aの死角領域Rdr又は死角領域Rdlに入った立体物が、死角領域Rdr又は死角領域Rdlから出てきた場合、外挿によるフュージョン物標に対応した推定物標に対してグルーピング条件を満たすセンサ物標が検出される。この場合、DSECUは、当該センサ物標及び当該推定物標を統合してフュージョン物標を生成し、フュージョン物標の外挿を終了する。これによって、上述した誤判定が発生する可能性を低減することができる。
これに対し、外挿継続時間が最大外挿継続時間tg以上になるまで、外挿によるフュージョン物標に対応した推定物標に対してグルーピング条件を満たすセンサ物標が検出されない場合、そのフュージョン物標は死角領域に一時的に入っているのではなく、自車両SVの周囲に存在しなくなった可能性が高い。従って、この場合、DSECUは、フュージョン物標がロストしたと判定する。
(存在確率の演算)
後述するように、DSECUは、フュージョン物標の存在確率に基づいて、最大外挿継続時間を演算する。そのため、DSECUは、フュージョン物標を更新した場合、更新したフュージョン物標の存在確率を演算する。具体的に述べると、DSECUは、下記(A)式にて、前回フュージョン物標の存在確率に、所定の存在確率rup×Cyを加算して、今回の演算におけるフュージョン物標の存在確率Trstを算出する。

Trst=Trstpre+rup×Cy・・・(A)
(Trst:今回の演算におけるフュージョン物標の存在確率、Trstpr:前回フュージョン物標の存在確率、rup:存在確率の上昇率、Cy:演算サイクル数)
従って、周辺レーダセンサ16aによって、統合できるセンサ物標が継続して検出され続けられ、フュージョン物標を更新できる演算サイクル数が多くなるほど(継続して生成し続ける時間が長くなるほど)、存在確率は大きくなるように演算される。このとき、DSECUは、図8に示されたように、存在確率の上昇率rupをフュージョン物標の縦相対速度Vxobjの大きさ(絶対値)が大きくなるほど、大きくなるように設定する。
これにより、下記のような縦相対速度Vxfの大きさが小さいフュージョン物標の存在確率は、大きくなりにくくなる。
・路面、壁及び路側物等を誤検知(誤検出)したときに生じる縦相対速度Vxfの大きさが小さいフュージョン物標及びセンサゴーストを検知(検出)したときに生じる縦相対速度Vxfの大きさが小さいフュージョン物標
・自車両と略等速の他車両を検知したときに生じる縦相対速度Vxobjの大きさが小さいフュージョン物標
一方で、大きな速度を有し、且つ、遠方から接近してくるようなフュージョン物標の存在確率は、大きくなりやすい。
(最大外挿継続時間の演算)
DSECUは、フュージョン物標の存在確率に基づいて、最大外挿継続時間を演算する。具体的に述べると、DSECUは、図9に示されたように、存在確率が大きくなるほど最大外挿継続時間が長くなり、且つ、縦相対速度Vxfの大きさが小さくなるほど最大外挿継続時間が長くなるように、最大外挿継続時間を演算する。
(本実施装置の効果)
以上説明したように、本実施装置は、フュージョン物標が継続して更新される(生成される)演算回数(演算サイクル数)に比例して増加するパラメータである存在確率を、フュージョン物標に対して設定している。これにより、フュージョン物標が生成されて認識され続けている期間が長くなるほど大きくなる適切な存在確率を設定することができると共に、その存在確率が大きくなるほど長くなる適切な最大外挿継続時間を決定することができる。
その結果、一つの立体物から得られるセンサ物標が、以下のように検出される場合において、一つの立体物に対応するフュージョン物標の認識が短期間且つ一時的に途切れてしまう可能性を低くすることができる。
・一つの立体物から得られる複数の異なるセンサ物標が、交互に検知を繰り返す場合
・一つの立体物から得られる一つのセンサ物標が、短期間且つ一時的に検知及びロストを繰り返す場合
以下では、本実施装置の効果について図10及び図11を参照しながらより具体的に説明する。図10及び図11において、一つの立体物hから得られるセンサ物標Bfr1及びセンサ物標Bfc1が交互に検出されている。
具体的に述べると、時刻t0から時刻t1の直前までの期間、右前方周辺センサ16FRによって立体物hから得られたセンサ物標Bfr1が検出されている。時刻t1から時刻t4の直前までの期間、センサ物標Bfr1が検出されていない。センサ物標Bfr1が一時的に検出されていない時刻t1から時刻t4の直前までの間の、時刻t2から時刻t3の直前までの期間、中央前方周辺センサ16FCによって立体物hから得られたセンサ物標Bfc1が検出されている。そして、時刻t3以降であって、時刻t4から時刻t5の直前までの期間、再び右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が検出されている。
このような状況下にて、フュージョン物標Fhに存在確率を設定して、その存在確率に基づいて最大外挿継続時間を決定する場合の例(以下、「実施例」と称呼される。)について、図10を参照しながら説明する。フュージョン物標Fhに存在確率を設定しないで、センサ物標に存在確率を設定して、その存在確率に基づいてセンサ物標の最大外挿継続時間を決定する場合の例(以下、「参考例」と称呼される。)について、図11を参照しながら説明する。尚、図11の参考例は、フュージョン物標の外挿を行わないで、センサ物標の外挿を行うようになっている。この場合、前回センサ物標のセンサ物標情報に基づいて推定したセンサ物標情報を、センサ物標の物標情報に置換することによって、センサ物標を外挿している。
図10の実施例に示されるように、DSECUは、時刻t0にて、右前方周辺センサ16FRによって検出された一つの立体物hから得られたセンサ物標Bfr1によって、立体物hに対応するフュージョン物標Fhを生成する。時刻t0から時刻t1の直前までの期間、DSECUは、センサ物標Bfr1によってフュージョン物標Fhを生成し続ける。従って、この期間、フュージョン物標Fhの存在確率は上昇する。
時刻t1にて、右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が検出されなくなり、且つ、周辺レーダセンサ16aよって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されなくなる。すると、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を開始する。更に、このとき、DSECUは、最大外挿継続時間tg1を、時刻t1のフュージョン物標Fhの存在確率Trst1の大きさに基づいて最大外挿継続時間tg1を決定する。
時刻t1から時刻t2の直前までの期間、右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が検出されず、且つ、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されていない。従って、この期間、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を継続する。尚、フュージョン物標の外挿を行っている期間、DSECUは、フュージョン物標の存在確率を変化させないで維持する。
フュージョン物標Fhの外挿中の時刻t2にて、中央前方周辺センサ16FCによって立体物hから得られたセンサ物標Bfc1を検出する。すると、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を終了するとともに、センサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成する。
時刻t2から時刻t3の直前までの期間、DSECUは、センサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成し続ける。従って、この期間、フュージョン物標の存在確率は、維持されていた存在確率Trst1から再び上昇する。
時刻t3にて、中央前方周辺センサ16FCによってセンサ物標Bfc1が検出されなくなり、且つ、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されなくなる。すると、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を開始する。更に、DSECUは、最大外挿継続時間tg2を、時刻t3のフュージョン物標Fhの存在確率Trst2の大きさに基づいて決定する。このとき、時刻t3のフュージョン物標Fhの存在確率Trst2は、時刻t1のフュージョン物標の存在確率Trst1より大きくなっているので、最大外挿継続時間tg2は、最大外挿継続時間tg1より長い時間に決定される。
時刻t3から時刻t4の直前までの期間、中央前方周辺センサ16FCによってセンサ物標Bfc1が検出されず、且つ、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されていない。従って、この期間、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を継続する。
フュージョン物標Fhの外挿中の時刻t4の直前にて、右前方周辺センサ16FRによって立体物hから得られたセンサ物標Bfr1が再び検出される。すると、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を終了するとともに、センサ物標Bfr1によってフュージョン物標Fhを生成する。更に、DSECUは、時刻t4から時刻t5の直前まで検出され続けているセンサ物標Bfr1によってフュージョン物標Fhを生成し続ける。
時刻t5にて、右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が再び検出されなくなり、且つ、周辺レーダセンサ16aよって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されなくなる。すると、DSECUは、フュージョン物標Fhの外挿を開始する。更に、このとき、DSECUは、最大外挿継続時間tg3を、時刻t5のフュージョン物標の存在確率Trst3の大きさに基づいて決定する。このとき、時刻t5のフュージョン物標Fhの存在確率Trst3は、時刻t2のフュージョン物標の存在確率Trst2より大きくなっているので、最大外挿継続時間tg3は、最大外挿継続時間tg2より長い時間に決定される。
時刻t5から最大外挿継続時間tg3が経過する時点である時刻t6まで、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られるセンサ物標が検出されていない。すると、時刻t6にて、DSECUは、フュージョン物標をロストと判定する。
これに対して、図11の参考例に示されるように、DSECUは、時刻t0にて、右前方周辺センサ16FRによって検出された一つの立体物hから得られたセンサ物標Bfr1によって、立体物hに対応するフュージョン物標Fhを生成する。
時刻t0から時刻t1の直前までの期間、DSECUは、右前方周辺センサ16FRによって検出できているセンサ物標Bfr1によってフュージョン物標Fhを生成し続ける。この期間、右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が検出され続けているので、センサ物標Bfr1の存在確率は上昇する。
時刻t1にて、右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が検出されなくなると、DSECUは、センサ物標Bfr1の外挿を開始する。更に、このとき、DSECUは、最大外挿継続時間tg1’を、時刻t1のセンサ物標Bfr1の存在確率Trst1’の大きさに基づいて決定する。
時刻t1から時刻t2の直前までの期間、右前方周辺センサ16FRによってセンサ物標Bfr1が検出されていない。従って、この期間、DSECUは、センサ物標Bfr1の外挿を継続する。尚、センサ物標Bfr1の外挿を行っている期間、DSECUは、センサ物標Bfr1の存在確率を変化させないで維持する。更に、この期間、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されていない。従って、DSECUは、外挿中のセンサ物標Bfr1によってフュージョン物標Fhを生成する。
センサ物標Bfr1の外挿中の時刻t2にて、中央前方周辺センサ16FCによって立体物hから得られたセンサ物標Bfc1を検出する。すると、DSECUは、外挿中のセンサ物標fr1及びセンサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成する。
時刻t2から時刻t2aの直前の時点までの期間、中央前方周辺センサ16FCによって立体物hから得られたセンサ物標Bfc1を検出しており、センサ物標Bfr1は依然として検出できていないままであるので、外挿中である。従って、DSECUは、外挿中のセンサ物標Bfr1、及び、中央前方周辺センサ16FCによって検出できているセンサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成し続ける。
時刻t1から最大外挿継続時間tg1’が経過した時点である時刻t2aにて、中央前方周辺センサ16FCによって立体物hから得られたセンサ物標Bfc1を検出しており、外挿中のセンサ物標Bfr1は依然として検出できていないままである。従って、DSECUは、センサ物標Bfr1をロストと判定する。このとき、センサ物標Bfr1についての存在確率はリセット(初期値(例えば、「0」)に設定)される。更に、DSECは、中央前方周辺センサ16FCによって検出できているセンサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成する。
時刻t2aから時刻t3の直前の時点までの期間、DSECUは、中央前方周辺センサ16FCによって検出できているセンサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成し続ける。尚、時刻t2aから時刻t3の直前までの期間、中央前方周辺センサ16FCによってセンサ物標Bfc1が検出され続けているので、センサ物標Bfc1の存在確率は、初期値から上昇する。
時刻t3にて、中央前方周辺センサ16FCによってセンサ物標Bfc1が検出されなくなると、DSECUは、センサ物標Bfc1の外挿を開始する。更に、このとき、DSECUは、最大外挿継続時間tg2’を、時刻t3のセンサ物標Bfc1の存在確率Trst2’の大きさに基づいて決定する。更に、このとき、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されていない。従って、DSECUは、外挿中のセンサ物標Bfc1によってフュージョン物標Fhを生成する。
ここで、参考例によれば、存在確率が、センサ物標ごとに設定されているので、存在確率Trst2’は、センサ物標が検出されている時刻t2から時刻t3の期間に対応した大きさになる。フュージョン物標Fhとして認識できている期間t0から時刻t2の直前までの期間は、存在確率Trst2’には反映されていない。従って、存在確率Trst2’は、実施例の存在確率Trst2のように、時刻t2から時刻t3に加えて期間t0から時刻t2の期間も反映させた場合ほど大きくならずに、最大外挿継続時間tg2’も短くなってしまう。
従って、参考例によれば、次のセンサ物標Bfr1が検出される時刻t4より前のタイミングの時刻t3aにて、最大外挿継続時間tg2’が経過してしまう。従って、DSECUは、時刻t3aにてセンサ物標Bfc1をロストと判定する。更に、DSECUは、t3aから時刻t4の直前までの期間、周辺レーダセンサ16aによって立体物hから得られる他のセンサ物標も検出されていないので、この期間、フュージョン物標をロストと判定する。
これに対して、実施例によれば、存在確率がフュージョン物標Fhに設定されているので、存在確率Trst2は、フュージョン物標Fhが認識されている時刻t0から時刻t3の期間に対応した大きさになる。即ち、フュージョン物標Fhとして認識できている期間t0から時刻t3までの期間が、フュージョン物標Fhの存在確率に正確に反映されている。従って、最大外挿継続時間tg2も、フュージョン物標Fhの存在確率に応じた適切な長さに設定される。
その結果、一つの立体物から得られる複数の異なるセンサ物標が、交互に検知を繰り返す場合において、フュージョン物標の認識が短期間且つ一時的に途切れてしまう可能性を低くすることができる。同様に、一つの立体物から得られる一つのセンサ物標が、短期間且つ一時的に検知及びロストを繰り返す場合において、フュージョン物標の認識が短期間且つ一時的に途切れてしまう可能性を低くすることができる。
(具体的作動)
次に、本実施装置の具体的な作動について説明する。DSECUのCPU(以下、単に「CPU」と称呼される。)は、所定のタイミングになると、所定時間(所定演算周期)Δtが経過する毎に、図12、図13及び図15に示したルーチンを実行する。
従って、CPUは、所定のタイミングになると図12の新規物標生成ルーチンのステップ1200から処理を開始してステップ1205に進み、前述した前回フュージョン物標が存在していないか否かを判定する。換言すると、CPUは、前回の演算時(一演算周期Δt前)においてフュージョン物標が生成も更新もされていなかったか否かを判定する。前回フュージョン物標が存在していない場合、CPUはステップ1205にて「Yes」と判定して、以下に述べるステップ1210乃至ステップ1220の処理を順に行った後、ステップ1295に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1210:CPUは、今回の演算時において周辺レーダセンサ16aによって検知されているセンサ物標(即ち、今回検知センサ物標)を取得する。尚、図には示されていないが、CPUは、ステップ1210にてセンサ物標が一つも取得されなかった場合、ステップ1295に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1215:CPUは、上述した新規物標生成グルーピング処理を行い、新規のフュージョン物標を生成する。
ステップ1220:CPUは、フュージョン物標情報である「物標幅Wf、物標長さLf及びフュージョン物標の座標位置(Xf,Yf)、縦相対速度Vxf等」を演算する。なお、本例において、フュージョン物標の座標位置(Xf,Yf)は、フュージョン物標の中心位置の座標(Xfc,Yfc)である。フュージョン物標の縦相対速度Vxfは、例えば、フュージョン物標に属するセンサ物標の縦相対速度Vxobjの平均値を算出することにより求めることができる。このとき、CPUは、新規に生成されたフュージョン物標情報に、フュージョン物標情報の一つである識別情報(ID)を付与する。
尚、ステップ1205の処理の時点で前回フュージョン物標が存在している場合、CPUはステップ1205にて「No」と判定してステップ1295に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、所定のタイミングになると、図13に示した既存フュージョン物標トラッキングルーチンのステップ1300から処理を開始してステップ1310に進み、前回フュージョン物標が存在しているか否かを判定する。換言すると、CPUは、前回の演算時(一演算周期Δt前)においてフュージョン物標が生成又は更新されていたか否かを判定する。前回フュージョン物標が存在していない場合、CPUはステップ1310にて「No」と判定し、ステップ1395に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
前回フュージョン物標が存在している場合、CPUはステップ1310にて「Yes」と判定してステップ1315に進み、今回の演算時において周辺レーダセンサ16aによって検知されているセンサ物標(即ち、今回検知センサ物標)を取得する。
その後、CPUはステップ1320に進み、前述した方法に則って、前回フュージョン物標情報に基づいて推定物標を生成する。このとき、推定物標の識別情報は、その推定物標が生成された元となった前回フュージョン物標情報の識別情報と同一に設定される。
その後、CPUはステップ1325に進み、ステップ1320にて生成した推定物標に基づいて、前述した第1グルーピング処理を実施する。即ち、CPUは、ステップ1315にて取得したセンサ物標を前回フュージョン物標に紐づける(関連付ける)ように、推定物標に対して上記グルーピング条件を満足するセンサ物標(今回検知センサ物標)同士を統合することによって今回フュージョン物標を更新(生成)する。
その後、CPUはステップ1330に進み、ステップ1315にて取得したセンサ物標のうち、推定物標に統合できないと判定されたセンサ物標が存在しているか否かを判定する。
推定物標に統合できないと判定されたセンサ物標が存在している場合、CPUはステップ1330にて「Yes」と判定してステップ1335に進み、第2グルーピングフラグXg2の値を「1」に設定する。その後、CPUはステップ1340に進む。尚、第2グルーピングフラグXg2の値は、自車両SVのイグニッション・キー・スイッチがオフからオンに変更されたときに実行される図示しないイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
これに対し、推定物標に統合できないと判定されたセンサ物標が存在していない場合、CPUはステップ1330にて「No」と判定してステップ1340に直接進む。
CPUは、ステップ1340に進むと、図14に示したルーチンの処理を行なうことにより、物標情報更新処理及びロスト判定処理を行なう。より具体的に述べると、CPUは、ステップ1340に進んだとき図14のステップ1400を介してステップ1405に進み、任意の推定物標を選択する。次いで、CPUはステップ1410に進み、ステップ1325の第1グルーピング処理において「推定物標に統合できると判定されたセンサ物標」の数(グルーピング物標数)が「1」以上であるか否かを判定する。
グルーピング物標数が「1」以上である場合、CPUは、ステップ1410にて「Yes」と判定する。そして、CPUはステップ1415に進み、フュージョン物標を構成するように統合したセンサ物標のセンサ物標情報に基づいて、そのフュージョン物標のフュージョン物標情報である「物標幅Wf、物標長さLf及び中心位置の座標(Xfc、Yfc)、縦相対速度Vxf等」を演算する。更に、CPUは、フュージョン物標情報に含まれる連続外挿フレーム数fの値を「0」に設定する。この連続外挿フレーム数fの値については後述する。
CPUは、ステップ1415の処理を終了するとステップ1420に進み、フュージョン物標情報を、ステップ1415にて演算したフュージョン物標情報へと更新する。次いで、CPUは、存在確率の上昇率rupを、ステップ1420にて更新したフュージョン物標のフュージョン物標情報のうちの縦相対速度Vxfの大きさ(絶対値)をブロックBK1に示したルックアップテーブルM1(以下、「マップ」とも称呼される。)に適用することにより演算する。CPUは、前回の存在確率Trstpre、存在確率の上昇率rup及び演算サイクル数Cyを(A)式に適用して今回の存在確率Trstを演算する。
Trst=Trstpre+rup×Cy・・・(A)
次いで、CPUはステップ1425に進み、今回の演算時における推定物標の総てが選択されたか否かを判定する。推定物標の総てが選択されていない場合、CPUはステップ1425にて「No」と判定してステップ1405に戻り、未選択の推定物標を選択する。これに対し、推定物標の総てが選択されていた場合、CPUはステップ1425にて「Yes」と判定し、ステップ1495を経由して図13のステップ1395へと進む。
一方、CPUがステップ1410の処理を行う時点において、ステップ1405にて選択した推定物標に対して統合できると判定されたセンサ物標の数(グルーピング物標数)が「0」である場合、前述したフュージョン物標の外挿処理を行う。即ち、この場合、CPUはステップ1410にて「No」と判定してステップ1425に進み、「ステップ1405にて選択され且つ統合できるセンサ物標の数が「0」であった推定物標の元となった前回フュージョン物標」が既に外挿中でないか否かを判定する。実際には、CPUは、この判定を、この前回フュージョン物標に対する連続外挿フレーム数fの値が「0」であるか否か判定することによって実施する。
連続外挿フレーム数fの値は、前回フュージョン物標が外挿中ではない場合に前述のステップ1415にて「0」に設定されている。よって、CPUがステップ1425の処理を行なう場合、連続外挿フレーム数fの値が「0」であれば、前回フュージョン物標は「既に外挿中」ではないと判定できる。この場合、CPUは、ステップ1425にて「Yes」と判定してステップ1430に進み、フュージョン物標の外挿処理を継続させる時間の最大値である最大外挿継続時間tgを決定する。具体的に述べると、CPUは、前回フュージョン物標の存在確率Trstpre及び推定物標の縦相対速度の大きさ(絶対値)をブロックBK2に示したマップM2に適用することによって、最大外挿継続時間tgを演算することにより、最大外挿継続時間tgを決定する。
その後、CPUはステップ1435に進み、前述したフュージョン物標の外挿処理を実行し、今回の演算タイミングにおけるフュージョン物標のフュージョン物標情報(今回フュージョン物標情報)を、推定物標の物標情報に更新する。即ち、今回フュージョン物標情報は推定物標の物標情報により置換される。その後、CPUはステップ1440に進み、フュージョン物標の連続外挿フレーム数fの値を「+1」だけインクリメントする。尚、以下では、ステップ1435の処理を行った後であって、連続外挿フレーム数fが1以上のフュージョン物標は「外挿中のフュージョン物標」と称呼される。
一方、CPUがステップ1425の処理を行う時点において、「ステップ1405にて選択され且つ統合できるセンサ物標の数が「0」であった推定物標の元となった前回フュージョン物標」が「外挿中のフュージョン物標」である場合(即ち、連続外挿フレーム数fが「1」以上である場合)、CPUはステップ1425にて「No」と判定する。そして、CPUはステップ1445に進み、最大外挿継続時間tgから外挿継続時間(演算周期Δt×連続外挿フレーム数f)を減算することにより、残余外挿時間tg’を演算する。
その後、CPUはステップ1450に進み、ステップ1445にて演算した残余外挿時間tg’が0以下であるか否かを判定する。
残余外挿時間tg’が0より大きい場合、CPUはステップ1450にて「No」と判定してステップ1435に進み、フュージョン物標の外挿処理を実施する。このように、「外挿中のフュージョン物標」は、ステップ1410にて推定物標に対してグルーピングできたセンサ物標の数が1以上にならない限り、演算周期Δtが経過する毎に繰り返し行われる。その後、CPUは、ステップ1440にて連続外挿フレーム数fの値を更新し、ステップ1425へと進む。
これに対して、フュージョン物標の外挿処理が繰り返して行われて残余外挿時間tg’が0以下となった場合、CPUはステップ1450にて「Yes」と判定してステップ1455に進み、「外挿中のフュージョン物標」をロストしたと判定する。即ち、CPUは、外挿中のフュージョン物標が消失したと判定する。尚、このとき、CPUは、連続外挿フレーム数fの値を「0」に設定しておく。
ところで、前述したように、推定物標に統合できないと判定されたセンサ物標が存在している場合、図13のステップ1335にて第2グルーピングフラグXg2の値が「1」に設定される。第2グルーピングフラグXg2の値が「1」に設定されると、図15に示した第2グルーピングルーチンが以下に述べるように実行され、その結果、推定物標に統合できないと判定されたセンサ物標に基づいて新規のフュージョン物標が生成される。
CPUは、所定のタイミングになると図15のルーチンのステップ1500から処理を開始して、ステップ1510に進み、第2グルーピングフラグXg2の値が「1」であるか否かを判定する。
第2グルーピングフラグXg2の値が「1」である場合、CPUはステップ1510にて「Yes」と判定して、以下に述べるステップ1515乃至ステップ1525の処理を順に行った後、ステップ1595に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1515:CPUは、前述した第2グルーピング処理を実行する。
ステップ1520:CPUは、ステップ1515にて生成された新規のフュージョン物標のフュージョン物標情報を、決定する。
ステップ1525:第2グルーピングフラグXg2の値を「0」に設定する。
尚、ステップ1510の処理の時点で第2グルーピングフラグXg2の値が「0」である場合、CPUはステップ1510にて「No」と判定してステップ1595に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態においては、追従車間距離制御及び車線維持制御の実行中であることが、車線変更支援制御を実行するための前提となっているが、必ずしも、そのような前提は必要としない。
10…運転支援ECU、15…車速センサ、16a…周辺レーダセンサ、16FC…中央前方周辺センサ、16FR…右前方周辺センサ、16FL…左前方周辺センサ、16RR…右後方周辺センサ、16RL…左後方周辺センサ、16b…カメラセンサ、17…操作スイッチ、52…転舵用モータ、53…ウインカーレバースイッチ

Claims (1)

  1. それぞれが、自車両の周囲に送信するレーダ波の立体物による反射点をセンサ物標として検出し、前記検出したセンサ物標の前記自車両に対する縦距離、横位置及び相対速度を含むセンサ物標情報を取得するための位置速度情報を検出する複数のレーダセンサと、
    所定時間が経過する毎に、前記センサ物標に基づいて前記自車両の周囲に存在する立体物を示すフュージョン物標を生成し、前記生成したフュージョン物標の前記自車両に対する位置及び速度を前記センサ物標情報に基づいて算出するフュージョン物標生成手段と、
    前記フュージョン物標の存在確率を演算する存在確率演算手段と、
    前記所定時間前に生成されていた前記フュージョン物標である特定フュージョン物標に対応するセンサ物標が検出されなくなった場合、当該特定フュージョン物標に対応する前記センサ物標が検出されない限り、前記特定フュージョン物標の前記自車両に対する位置及び速度に基づいて、当該特定フュージョン物標に対応する外挿フュージョン物標を生成する外挿処理を行う外挿処理手段と、
    前記外挿処理を最大外挿継続時間以上行ったときに当該外挿処理を行った前記センサ物標が存在しないと判定するセンサ物標存在判定手段と、
    前記存在確率及び前記特定フュージョン物標の縦相対速度に基づいて前記外挿処理を行う時間の最大値である最大外挿継続時間を演算する最大外挿継続時間演算手段と
    を備え、
    前記存在確率演算手段は、
    前記フュージョン物標が生成されている場合に当該フュージョン物標の縦相対速度の大きさが大きくなるほど前記存在確率の上昇率が大きくなるように当該フュージョン物標の縦相対速度に基づいて当該存在確率の上昇率を求めるとともに、前記フュージョン物標が継続して生成されている時間に対応する値と前記存在確率の上昇率とに基づいて決定される前記存在確率の増大量を積算することによって前記存在確率を算出するように構成され、
    前記最大外挿継続時間演算手段は、
    前記存在確率が大きくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなり、且つ、前記縦相対速度の大きさが小さくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなるように、前記最大外挿継続時間を演算するように構成された、
    物標検出装置。
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