JP6828589B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
像担持体の表面(以下、「像担持体表面」ともいう)は、帯電、現像、転写、クリーニング等の各工程で、さまざまな物理的ストレスや電気的ストレスを受け、経時的に表面状態が変化する。
この問題を解消すべく、像担持体とクリーニング部材間の摩擦力を低減し、像担持体及びクリーニング部材の両方を保護すること、及びクリーニング性を向上させることを目的として、像担持体に潤滑剤(保護剤)を供給することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
これに対し、発泡体ローラの場合には、発泡体層が面で保護剤と接触しているため、弱い圧力で削り取る作用に近くなり、研削力が原理的に強くない。
このような発泡体ローラは、発泡体層の表面のセル内にトナーや保護剤の粉などの粒子を抱き込むことで研削力が発揮されることが判かっている。
研削量が少ない状態での使用時間が長くなると、像担持体表面にフィルミングが発生しやすく、程度がひどくなると画像上に白筋となって現れる。
また、低温環境下においては、クリーニング不良も発生しやすくなり、この場合は黒筋状の異常画像となって現れてしまう。
これは逆転写と呼ばれ、この逆転写現象により、下流側の作像ユニットには上流側からの逆転写トナーが入力されるため、上流側の作像ユニットよりもクリーニング装置や保護剤塗布装置への転写残トナー入力量は多くなる。
このため、各作像ユニットにおいて保護剤の供給量が不均一となり、画質の低下を来たす要因となっていた。このように、複数の作像ユニットからなる画像形成装置において保護剤塗布装置を使用する際は、作像ユニットの設置位置による保護剤研削力の変化に十分留意する必要があった。
本実施形態を説明する前に、従来における保護剤の供給構成の変遷を説明する。
電子写真方式による画像形成装置は、一般的にドラム形状やベルト形状をした像担持体としての感光体を回転させつつ一様に帯電し、レーザー光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、これを現像装置により可視像化して、更に被転写体(具体的には、中間転写体としての中間転写ベルトや、シートを吸着搬送する転写体としての転写ベルト等を含む)上に転写している。
これを防ぐため、一般的には、転写工程を経た後に、像担持体上に残存するトナー成分等をクリーニング工程にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、次工程での帯電が行われる。
このため、近年では直流(DC)成分に交流(AC)成分を重畳した、AC重畳帯電方式が多く用いられるようになった。
AC成分を重畳した近接帯電方式は、装置の小型化及び高画質化を実現できると同時に、帯電均一性を保ちながら帯電部材と像担持体とを非接触にできる。このことから、帯電部材自身の劣化も抑制することができるため、装置の小型化、高画質化、高耐久化に対しては非常に優位な技術であると言える。
また、AC重畳帯電は、像担持体表面を活性化させるため、像担持体表面とトナーとの間の付着力が増加し、クリーニング性に対しても不利な構成である。
更に、近年では高画質の観点からトナーの小径化、球形化が進められており、クリーニング性に対しての余裕度は低くなる一方である。
特許文献2では、感光体やクリーニングブレードの寿命を延ばすため、感光体表面にステアリン酸亜鉛を主成分とする固体潤滑剤を供給し、感光体表面に潤滑皮膜を形成することが提案されている。
特許文献3では、像担持体表面に脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含む保護剤を供給することが提案されている。この構成においては、ステアリン酸亜鉛を単独で使用した時と比較してクリーニング性が大幅に向上し、クリーニング部をすり抜けるトナーの量が格段に減っていることが確認されている。
しかしながら、固形潤滑剤をブラシローラへバネで押圧する構成においては、固形潤滑剤が削れていくに従いバネが伸びていくため、必然的に押圧力は弱まっていく。その結果、固形潤滑剤の削れ量は低下していき、感光体や中間転写ベルトへ供給される潤滑剤の量も低下するため、感光体や中間転写ベルトを十分に保護することができなくなる。
しかしながら、ブラシローラで削り取って供給する方式では、ブラシローラが回転することによって保護剤の粉が大量に飛散してしまい、大量の保護剤がムダになっている。また、経時でブラシ繊維の毛倒れや劣化が激しい。
そのため、特許文献5のような経時で同じ加圧力を保つことができる保護剤加圧機構を使用しても、保護剤消費量が経時で安定せず、長期にわたり保護剤を一定の量で供給できない。
特に保護剤が圧縮成形でブロック状に形成されている場合ではその程度が激しい。
また、発泡体ローラの場合には、ブラシローラに比べ比較的安価に製造できるため、保護剤塗布手段の低コスト化にも寄与する。
しかしながら、発泡体ローラは、上記のように固形保護剤に対する研削作用が小さい。
以下に、本発明の第1の実施形態を説明する。まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の構成の概要を説明する。カラー複写機100は、タンデム型で中間転写方式の構成を有している。
カラー複写機100は、装置本体101と、装置本体101の上面に設けられたスキャナ102と、該スキャナ102の上部に設けられた原稿自動搬送装置(ADF)103とを有している。
装置本体101の下部には、複数の給紙カセット104a、104b、104c、104dを備えた給紙部104が設けられている。
装置本体101の略中央部には、被転写体で且つ中間転写体としての無端状の中間転写ベルト105が配置されている。
第3支持ローラ108の近傍には、二次転写後に中間転写ベルト105上に残留する転写残トナーを除去する中間転写体クリーニング装置109が設けられている。
第1支持ローラ106と第2支持ローラ107との間に張り渡された中間転写ベルト105上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの作像ユニットであるプロセスカートリッジ12Y、12M、12C、12Kが横に並べられて複数配置され、タンデム画像形成部10が構成されている。これら4つの色順は一例であり、これに限定される趣旨ではない。
中間転写ベルト105を挟んで第3支持ローラ108と反対の側には、二次転写手段としての二次転写ローラ110が配置されている。
二次転写ローラ110により中間転写ベルト105上のトナー画像が、給紙部104から給紙される記録媒体としての用紙に最終的に転写される。
二次転写ローラ110の左側には、用紙上のトナー画像を定着する定着装置111が設けられている。定着装置111は、無端ベルト状の定着ベルト111aに加圧ローラ111bを押し当てる構成を有している。
定着装置111の下方には、タンデム画像形成部10と略平行に、用紙の両面に画像を記録する場合に用紙を反転する用紙反転装置112が備えられている。
感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像は、一次転写手段としての転写ローラ6にて中間転写ベルト105上に重ねて転写される。給紙部104から給紙され、あるいは手差しトレイ113から給紙された用紙上に二次転写ローラ110により重ねトナー画像が一括転写される。
転写ローラ6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。画像転写後の用紙は、定着装置111へと送り込まれ、ここで熱と圧力を加えられてトナー画像を定着された後、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上に排出・スタックされる。
画像転写後の中間転写ベルト105は、中間転写体クリーニング装置109により残留トナーを除去され、タンデム画像形成部10による再度の画像形成に備える。
画像形成装置としては、上述のタンデム型中間転写方式のものに限定される趣旨ではなく、複数のトナー像を順次記録媒体上に重ねて転写した後定着するタンデム型直接転写方式等であってもよい。
プロセスカートリッジ12には、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する帯電手段3と、現像手段5と、クリーニング手段4と、保護剤塗布手段2とが一体に収容されている。なお、上記帯電手段は帯電装置とも、上記現像手段は現像装置とも、上記クリーニング手段はクリーニング装置とも、上記保護剤塗布手段は保護剤塗布装置とも、それぞれ呼ばれる後述の装置構成を具備している。
保護剤塗布手段2は、感光体ドラム1の回転方向におけるクリーニング手段4の下流側に配置されている。
感光体ドラム1に対する帯電ローラ3aの配置は、感光体ドラム1の表面に対して微小な間隙をもって配設される近接方式又は感光体ドラム1の表面に接触させる方式のどちらでも可能である。帯電ローラ3aは、上記電源に接続されており、所定の電圧が印加される。その電圧は、DC電圧にAC電圧を重畳させた電圧である。AC電圧を印加することにより、感光体ドラム1の表面をより均一に帯電することができる。
クリーニング手段4は、クリーニングブレード41と、クリーニングブレード41を感光体ドラム1の表面に押圧するクリーニング押圧機構42などから成る。クリーニング押圧機構42としてコイルバネを例示できるが、これに限定される趣旨ではなく、例えばゴム弾性を有する部材や板バネ、その他の弾性部材でも良い。
感光体ドラム1の表面には、転写工程後に部分的に劣化した保護剤やトナー成分等が残存しているが、クリーニングブレード41により表面残存物が清掃され、クリーニング手段4内のトナー回収室へ回収される。クリーニング手段4のクリーニングブレード41は、感光体ドラム1の表面に、感光体ドラム1の回転方向に対向するように当接、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
発泡体ローラ22は、感光体ドラム1と線速差をもって接触回転し、その表面に保持された保護剤を感光体ドラム1の表面に供給する。
保護層形成機構24は、感光体ドラム1の表面に当接するブレード24aと、ブレード24aを支持するブレード支持体24bと、ブレード24aが感光体ドラム1の表面に当接するようにブレード支持体24bを押圧するバネ等の押圧手段24cを有している。
押圧力付与機構23及び保護層形成機構24の押圧手段24cとしてはバネに限定される趣旨ではなく、例えばゴム弾性を有する部材や板バネ、その他の弾性部材でも良い。
保護層が形成された感光体ドラム1は、帯電後、レーザーなどの露光によって静電潜像が形成され、現像手段5により現像されて可視化され、プロセスカートリッジ12外の転写ローラ6などにより、中間転写ベルト105へ転写される。
保護剤の材料としては、均一に素早く像担持体表面に延展し、像担持体表面を保護すると同時に、クリーニングブレード41を保護するために潤滑性を付与する働きを持つ材料が好ましい。
具体的には無機潤滑剤、脂肪酸金属塩、ワックス類、オイル類、フッ素樹脂等が挙げられるが、本発明では保護剤として脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)と無機微粒子(C)とを混合して用いる。
また、保護剤の形態としては、本発明においては供給量の調整が容易であること、装置の小型化が図れること等から、ブロック状に成形されたものを用いる。
成形手段としては、材料を溶融して型に流し込んだ後に冷却固化させる溶融成形、粉体材料をそのまま圧縮して成形品を得る圧縮成形等、公知の方法を用いることができる。本発明においては、硬度の調整が容易であることからより弱い力で研削でき、像担持体上に供給できる点で、圧縮成形が好ましい。
但し、ステアリン酸亜鉛は均一成膜性に優れる反面、クリーニング性の課題がある。通常の作像プロセスでは転写後の残トナーを像担持体上から除去する手段としてブレードクリーニング方式が採用されているが、ステアリン酸亜鉛を使用すると、帯電ハザードが加わった際にクリーニングブレードからトナーがすり抜けやすくなる傾向にある。
無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、スメクタイト、ハイドロタルサイト化合物、フッ化カルシウム、グラファイト、板状アルミナ、セリサイト、合成マイカ等があるがこれに限るものではない。
中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本発明においては最も好ましく用いられる。
なお、これらの無機潤滑剤は、疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
そこで、本発明では、無機潤滑剤(B)に加えて、更に無機微粒子(C)を添加することにより、無機微粒子(C)によって無機潤滑剤(B)を除去する作用を付与している。
なお、本発明においては、上記に例示した無機微粒子(C)を適宜複数種類混合して使用しても良い。
保護層が形成された感光体ドラム1は、高電圧電源により直流電圧もしくはこれに交流電圧を重畳させた電圧を印加した帯電ローラ3aを、接触又は近接させ、微小空隙での放電による帯電が行われる。この際、保護層の一部は電気的ストレスにより分解や酸化が生じ、また、保護層表面への気中放電生成物の付着が生じる。
従って、通常の状態では保護剤塗布手段2内にはトナーが侵入しにくい構成となっている。
これらのゴムからなるブレードは、感光体ドラム1との接点部分を低摩擦係数材料でコーティングや含浸処理しても良い。また、弾性体の硬度を調整するために、他の有機フィラーや無機フィラーに代表される充填材を分散しても良い。
ブレード24aの厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5mm程度であれば好ましく使用でき、1〜3mm程度であれば更に好ましく使用できる。
また、ブレード24aのブレード支持体24bからの突出量(撓みを持たせることができるいわゆる自由長)についても同様に押圧で加える、力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15mm程度であれば好ましく使用でき、2〜10mm程度であれば更に好ましく使用できる。
弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mm程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1mm程度であればより好ましく使用できる。
また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施しても良い。
感光体ドラム1に対するブレード24aの押圧力は、保護剤が延展し保護層や保護膜の状態になる力で十分であり、線圧として5gf/cm以上80gf/cm以下であることが好ましく、10gf/cm以上60gf/cm以下であることがより好ましい。
発泡体ローラ22の製造方法としては、ポリウレタンフォーム原料から予め弾性層となるポリウレタンフォームをブロック状に形成し、必要な形状に切り出して表面を研磨して、芯材を挿入する。
その後、発泡ポリウレタンを回転させながら、研磨刃を当てて軸方向に平行に刃を移動させ、所定のスポンジ厚まで切削するトラバース研削方法と、芯金を収納した発泡体ローラ成形型にポリウレタンフォーム原料を注入し、発泡硬化させる方法とがあるが、これらに限るものではない。
ポリウレタンフォーム原料としては、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒及び発泡剤、整泡剤等の助剤を加えたものが用いられる。
通常、ポリイソシアネート以外の成分は予め混合し、成形の直前にポリイソシアネート成分と混合して用いられる。
本発明においては、ポリオール成分としては、加工性、ポリウレタンフォーム層の硬度等の調整が容易なことから、ポリエーテルポリオールといわれるポリオールが好ましいが、これに限るものではない。
ポリエーテルポリオールとしても、従来公知の各種ポリエーテルポリオールの中から適宜選択して使用することができるが、これに限るものではない。
エチレンオキシドを5モル%以上端末に結合したポリエーテルポリエーテルポリオールを使用すると、成形性が良いとされている。
発泡体層としてのポリウレタンフォーム層の製造に用いるポリイソシアネートとしては、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から適宜選択して使用することができる。
例えば、2、4−及び2、6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びカーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等があげられ、これらは単独で、又は二種以上を組み合せて用いても良い。
例えば、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等のアミン系触媒、ジオクチルスズ、ジステアリルスズジブチレート等の有機金属系触媒、これらの変性触媒等があげられるが、これに限るものではない。
なお、自身に活性水素を有するジメチルアミノエタノール等の反応性触媒であっても良い。触媒を適宜選択し、その使用量をコントロールすることで、ポリウレタンフォーム層のセル壁幅、開口セル径、硬度や通気量等を調整することができる。
ポリウレタンフォーム層の製造に用いる整泡剤としては、ポリウレタンフォーム製造に使用されるものであればいずれでも使用できるが、シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
また、他の発泡剤を併用することもできる。
発泡剤の使用量や条件を変えることにより、ポリウレタンフォーム層のセル壁幅、セル径、硬度や通気量等をコントロールすることができる。
ポリウレタンフォーム層の原料には、ポリウレタンフォーム層のセルの独立気泡性、連続気泡性をコントロールするように架橋剤、破泡剤等が配合されていて良く、また、所望の導電性を付与するための導電剤、帯電防止剤等が添加されていても良い。
架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の従来公知のものがあげられる。
その他添加剤として、導電剤、難燃剤、減粘剤、顔料、安定剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤等については、公知の物を必要に応じて配合することができる。
保護剤21としてブロック状の成形体を使用する場合、発泡体層のセル数及び硬度を調整することによって、像担持体(感光体ドラム1)表面に供給される保護剤粒子の粒径を制御できる。
例えば、セル数を多くしたり、硬度を低減したりすると、保護剤粒子の粒径は小さくなり、より均一な保護層を形成できる。
図3(a)に示すように、発泡体層の表面において軸方向の両端部と中央部とで測定箇所を任意に3点選択する。ここでは22bが端部の測定箇所、22aが中央部の測定箇所である。
次いで、各測定箇所において周方向にさらに2点ずつ選択して、合計9点の測定箇所を決定する。次に、マイクロスコープを用い、それぞれの測定箇所の写真画面を観察する。
そして、図3(b)に示すように、写真画面の中心部に実寸1インチ(約25mm)に対応する長さの線を引き、その線内に何個のセルSがあるかをカウントし、9点の平均値を求める。たとえ僅かでも25mmの線に接触したセルSは1つとしてカウントする。
例えば、図3(b)に示すようなケースではセル数は12個である。
発泡体ローラ22における芯金については、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属や樹脂などの非金属からなる円筒体であるが、これに限るものではない。また、予め芯金上に接着層を設けておくこともできる。
上述した芯金を収納した発泡体ローラの成形型を用いる製造方法では、成形型内表面にフッ素樹脂コーティング剤、離型剤等の離型層を設けておくことが好ましく、複雑な加工を必要とせず、好適な開口性を有するポリウレタンフォーム層を容易に形成することができる。
ブラック用の作像ユニット12Kは、他の作像ユニット12Y、12M、12Cよりも中間転写ベルト105の移動方向下流側に位置している。
そのため、カラー画像形成時において、ブラック用の作像ユニット12Kの感光体ドラム1Kと一次転写ローラ6Kとの間に形成される一次転写部(ニップ)に進入する中間転写ベルト105の表面部分には、他の作像ユニット12Y、12M、12Cで転写されたトナー像TYMCが付着している。
一方、感光体ドラム1K上のトナー像TKもその全てが中間転写ベルト105へ転写されるわけではなく、その一部が一次転写部を通過する。そのため、一次転写部の感光体表面の移動方向下流側における感光体ドラム1Kの表面部分には、トナー像TKの転写残トナーとトナー像TYCMの逆転写トナーとが混在した不要トナーT’YCMKが付着した状態となっている。
図4は、感光体ドラム1のクリーニング手段4に入力される転写残トナーの入力量[mg/cm2]を横軸に取り、縦軸に保護剤供給量[g/km]を取って、転写残トナーの入力量と、保護剤供給量との関係を示すグラフ・特性図である。転写残トナーの入力量が多いほど保護剤供給量も多いことが判明している。
これは、クリーニング手段4からすり抜けたトナーが保護剤塗布手段2に入力され、発泡体ローラ22が保護剤21を削る際に入力されたトナーが研削剤の役目を果たすため、保護剤供給量が多くなると考えられる。
逆に、最上流の作像ユニットは、下流側の他の作像ユニットに比べて保護剤供給量は少なくなる。
この研削作用は、無機微粒子(C)の円形度に依存し、円形度の小さい、いわゆる異形形状である方が研削作用の大きいことが判った。これは、円形度の小さい粒子ほど他の物質に押し付けられた際に、より角張った部分が当接しやすく、相手を削る作用が大きくなるためと推測される。
(円形度)=(粒子投影像の面積に相当する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
本発明の実施形態においては、無機微粒子100個について上記測定を行い、その平均値を円形度の値としている。
しかしながら、帯電部材を像担持体表面に接触又は近接して帯電を行う帯電装置では、前述のように放電が像担持体表面近傍の領域で行われるため、像担持体への電気的ストレスが大きくなりがちである。
本発明のように、最上流の作像ユニットに設けられた保護剤中の無機微粒子(C)の円形度を、他の作像ユニットに設けられた保護剤中の無機微粒子(C)の円形度よりも小さくすることにより、長期間にわたり保護剤を各作像ユニット間で均一に且つ安定して供給でき、像担持体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質(画質の均一化)の確保が可能となる。
以下、実施例に即して本発明を詳細に説明するが、本発明の構成はこれに限られたものではない。なお、実施例中の「部」は全て重量部を表す。また、表2、表3中ステーションという記載は、作像ユニットを表している。
(保護剤の作製)
表1に示す粒状又は顆粒状の保護剤処方1〜16の組成物(脂肪酸金属塩(A)、無機潤滑剤(B)、無機微粒子(C))を、表中の混合比(重量基準)に従って混合した。混合は、ワンダーブレンダー(WB−1、販売元:大阪ケミカル株式会社)を用い、25000rpmの回転速度で10秒間の混合を2度行い、試料の混合物粉体とした。
成型後、固形物を型から外し、8mm×8mm×320mmに整形して、金属製支持体に両面テープで貼り付け、保護剤1〜11、14〜16を作製した。
成形後、固形物を型から外して金属製支持体に両面テープで貼り付け、保護剤12、13を作製した。
リコー製カラーMFP imagio MP C5000の最上流ステーションであるY(イエロー)ステーション(最上流の作像ユニット)から感光体ユニットを取り出し、保護剤として保護剤2を使用した。更に、保護剤塗布部材であるブラシローラの代わりに、セル数が70(個/inch)、硬度(硬さ)が150N、連続気泡型のポリウレタン層を設けた発泡体ローラを取り付けた。なお、ウレタンローラの芯金はブラシローラと同一の物を用い、発泡ウレタン層の厚さは発泡体ローラの外径がブラシローラの外径と同一となるよう調整した。
また、保護剤の発泡体ローラに対する加圧力を6N(計算値)に設定した。なお、imagio MP C5000のシステムでは保護剤の目標供給量として0.20g/km前後が必要である。
次に、それ以外のC(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)のステーションからも各感光体ユニットを取り出し、保護剤として保護剤1を使用した以外はYステーションの感光体ユニットと同様の改造を行った後、それぞれのステーションに各感光体ユニットを搭載した。このようにして、本発明の画像形成装置を作製した。
なお、imagio MP C5000は、タンデム中間転写システムを用いており、ステーションは中間転写体である中間転写ベルトの移動方向に対して上流側からY、C、M、Kの順となっている。
上記のように改造したimagio MP C5000機を10℃、15%RHの低温低湿環境に設置し、A4版、画像面積率20%チャートを用いて1000枚連続通紙を行い、各ステーションの保護剤供給量(感光体駆動距離に対する保護剤減少量:単位g/km)を測定した。
続いて同一条件でランニング試験を10000枚まで継続し、クリーニング不良に基づく縦筋(スジ)画像の有無を500枚毎にチェックした。クリーニング不良が発生した場合は、最初に縦筋画像が確認できた時点の枚数と、クリーニング不良が発生したステーションを記録した。クリーニング不良が発生しなかったサンプルについては、更に計80000枚までランニング試験を継続し、ランニング終了前1000枚(79000〜80000枚)の各走行距離間での保護剤の供給量の測定を行った。
なお、imagio MP C5000では保護剤を加圧する機構に特許文献4の技術が採用されており、加圧力は経時でほぼ一定である。従って、ランニングに伴う保護剤供給量の変化は、保護剤の加圧機構には影響されない。
実施例1において、imagio MP C5000の各ステーション(作像ユニット)に搭載する保護剤を表2のように変えた以外は、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例11]
実施例2において、発泡体ローラのポリウレタン層をセル数が50(個/inch)、硬度が250N、連続気泡型とした以外は実施例2と同様に評価を行った。
実施例2において、発泡体ローラのポリウレタン層をセル数が60(個/inch)、硬度が310N、連続気泡型とした以外は実施例2と同様に評価を行った。
実施例1において、imagio MP C5000の各ステーションに搭載する保護剤を表2のように変えた以外は、実施例1と同様に評価を行った。
実施例2において、保護剤供給部材としてimagio MP C5000に搭載されているブラシローラをそのまま用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。
更に、評価後の帯電ローラ汚れ、感光体汚れのいずれも少なく、長期にわたって良好な品質を維持できる。
また、実施例2と実施例10との比較から、保護剤ブロックとして圧縮成形体を使用することで、保護剤供給量をより安定して確保できる。
比較例5では、保護剤塗布部材としてブラシを用いているため、初期の保護剤供給量が非常に多く、かつランニング後の供給量も低下するため、長期にわたり安定した画像を提供することが困難である。
第1の態様は、感光体ドラム1などの像担持体と、像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し現像する現像手段5などの現像手段と、トナー像を中間転写ベルト105などの被転写体に転写する転写ローラ6などの転写手段と、像担持体の表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段2などの保護剤塗布手段と、を備えた作像ユニット12などの作像ユニットが被転写体の移動方向に複数配置された画像形成装置であって、保護剤塗布手段は、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤と無機微粒子とを含有した固形状の保護剤21などの保護剤と、保護剤を削り取って像担持体に供給する保護剤供給部材と、を有し、保護剤供給部材は、表面に発泡体層を有する発泡体ローラ22などの発泡体ローラからなり、複数の作像ユニットのうち、被転写体の移動方向の最上流に位置する最上流の作像ユニットに設けられた保護剤中の無機微粒子の円形度が、他の作像ユニットに設けられた保護剤中の無機微粒子の円形度よりも小さい。
かかる第2の態様によれば、最上流の作像ユニットにおける無機微粒子の研削効果が特に良好な範囲に制御され、保護剤供給量の安定を維持しながら、像担持体への副作用も少ない。
かかる第3の態様によれば、最上流の作像ユニット以外の他の作像ユニットにおける無機微粒子の研削効果が特に良好な範囲に制御され、保護剤供給量の安定性に対してより優れた効果が得られる。
かかる第4の態様によれば、保護剤の硬度調整が容易であり研削しやすいことから、保護剤供給量が経時で安定している。
かかる第5の態様によれば、アルミナの良好な研削性が発揮され、本発明の効果が特に大きい。
かかる第6の態様によれば、ステアリン酸亜鉛の良好な像担持体(感光体等)の表面保護性が発揮され、特に像担持体汚れが少ない。
かかる第7の態様によれば、窒化ホウ素の良好な潤滑性が発揮され、特に帯電部材(帯電ローラ等)の汚れ低減効果が大きい。
例えば、本発明に係る「保護剤」は、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤と無機微粒子とを含有した固形状の保護剤に限らず、無機微粒子に代えて有機微粒子を用いても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 保護剤塗布手段
3 帯電手段
4 クリーニング手段
5 現像手段
6 転写ローラ(転写手段の一例)
12 作像ユニット、プロセスカートリッジ
21 保護剤
22 発泡体ローラ(保護剤供給部材の一例)
105 中間転写ベルト(被転写体の一例)
Claims (7)
- 像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し現像する現像手段と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、
前記像担持体の表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、を備えた作像ユニットが前記被転写体の移動方向に複数配置された画像形成装置であって、
前記保護剤塗布手段は、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤と無機微粒子とを含有した固形状の保護剤と、該保護剤を削り取って前記像担持体に供給する保護剤供給部材と、を有し、
前記保護剤供給部材は、表面に発泡体層を有する発泡体ローラからなり、
前記複数の作像ユニットのうち、前記被転写体の移動方向の最上流に位置する最上流の作像ユニットに設けられた前記保護剤中の無機微粒子の円形度が、他の作像ユニットに設けられた前記保護剤中の無機微粒子の円形度よりも小さい画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記最上流の作像ユニットに設けられた前記保護剤中の前記無機微粒子の円形度が、0.60以上0.90未満であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
前記最上流の作像ユニット以外の他の作像ユニットに設けられた前記保護剤中の前記無機微粒子の円形度が、0.90以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3の何れか1つに記載の画像形成装置において、
前記保護剤が、前記脂肪酸金属塩と前記無機潤滑剤と前記無機微粒子とを含む粒状又は顆粒状の原料を、型内で圧縮成型されるブロック状の成形体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜4の何れか1つに記載の画像形成装置において、
前記無機微粒子が、アルミナであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜5の何れか1つに記載の画像形成装置において、
前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛を主成分とすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
前記無機潤滑剤が、窒化ホウ素であることを特徴とする画像形成装置。
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