JP6825987B2 - 溶融炉心保持冷却装置及び原子炉格納容器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、例えば水冷却型原子炉において溶融した炉心(以下、溶融炉心という。)を保持し、かつ冷却する溶融炉心保持冷却装置及びこれを備えた原子炉格納容器に関する。
原子炉格納容器で過酷事故が発生すると、原子炉圧力容器内への給水が停止し、原子炉圧力容器に接続された配管の破断により冷却水が喪失する可能性がある。このような場合、原子炉水位が低下し炉心が露出し、十分な冷却が行われなくなる。そのため、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。この溶融炉心は、原子炉圧力容器の下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器の下鏡を溶融して貫通した後、原子炉格納容器内の床上に落下するに至る。
そのため、従来から溶融炉心が落下した場合に備えて様々な対策が講じられている。その代表的なものがコアキャッチャー(以下、溶融炉心保持冷却装置ともいう。)と呼ばれるものである。このコアキャッチャーとは、落下した溶融炉心を耐熱材で受け止めて、注水手段と組み合わせて溶融炉心を冷却する設備である。
原子炉格納容器の内壁及び床を構成するペデスタル内壁及びペデスタル床に落下した溶融炉心の上面に冷却水を注水しても、溶融炉心の底部での除熱量が小さいと、崩壊熱によって溶融炉心の底部の温度が高温のまま維持される。そのため、上記ペデスタル内壁及びペデスタル床を構成するコンクリートに対して浸食を停止することができない。これに対処するため、従来から溶融炉心を底面から冷却する技術が種々提案されている。
その技術の一例として、コアキャッチャーを構成する鋼製等の構造物により溶融炉心を保持するとともに、その構造物を熱的に保護するために構造物の上面に耐熱材を敷き詰め、さらに構造物及び耐熱材の熱的浸食を抑えるため、冷却水を自然循環するシステムがある。
特許第3150451号公報 特開2007−225356号公報 特開2016−166772号公報
ところで、上述したシステムにおいて、構造物及び耐熱材を冷却するに十分な自然循環流量を得るためには、構造物に傾斜を設けた流路等が用いられている。このシステムでは、構造が複雑化し、構造物に流路となる配管等を設置した上で耐熱材を敷き詰めるため、装置が大型化する問題がある。
その一方で、システムの大型化を回避するため、原子炉格納容器のペデスタル内壁及びペデスタル床と、それらを熱的に保護する構造物との間に空間を設け、その空間に冷却水を供給するだけの構造とすることで、流路の構造を簡素化する技術がある。
この技術では、溶融炉心からの熱により冷却水が蒸発し、そこで発生した蒸気の影響で、流路への冷却水の流れが阻害され、構造物を保護するために必要な注水流量が比較的多くなる問題がある。また、構造物の下部に冷却流路を設けない場合には、溶融炉心を保持する耐熱材が熱的に浸食されることを見込んで設置するため、さらに大型化する問題がある。
さらに、既設炉における原子炉格納容器の下部構造は、溶融炉心を保持しかつ冷却する溶融炉心保持冷却装置を設置するための空間を有していない設計である。そのため、従来の溶融炉心保持冷却装置では、その設置スペースや設置方法の制約から既設炉への適用が困難である。
本実施形態が解決しようとする課題は、装置の小型化及び簡素化を図り、既設炉への適用が可能な溶融炉心保持冷却装置及びこれを備えた原子炉格納容器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本実施形態に係る溶融炉心保持冷却装置は、原子炉圧力容器を支持するペデスタル内壁と、その床面を形成するペデスタル床面からそれぞれ離隔して設置され、溶融炉心を保持する溶融炉心保持部と、 前記溶融炉心保持部と前記ペデスタル内壁との間であって、前記溶融炉心保持部に対して離隔して上下方向に設置されて前記溶融炉心を冷却する冷却水が通る上下配管と、前記溶融炉心保持部の上面に敷設された耐熱材と、前記溶融炉心保持部と前記ペデスタル床面との間に、前記冷却水の出口開口部を配置し、前記溶融炉心保持部の周方向に沿って一定間隔をあけて複数本設置されている注水用配管と、を備え、前記上下配管の下端が前記ペデスタル床面より上方の高さで、少なくとも前記溶融炉心保持部の下端の高さまで延びていることを特徴とする。
本実施形態に係る原子炉格納容器は、本実施形態に係る溶融炉心保持冷却装置を備えたことを特徴とする。
本実施形態によれば、装置の小型化及び簡素化を図り、既設炉へ適用することが可能となる。
各実施形態の溶融炉心保持冷却装置を適用した水冷却型原子炉を示す立断面図である。 本発明に係る第1実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。 本発明に係る第2実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。 図3の溶融炉心保持冷却装置を示す拡大平断面図である。 本発明に係る第3実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。 本発明に係る第4実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大平断面図である。 本発明に係る第5実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。 図7の溶融炉心保持冷却装置を示す拡大平断面図である。
以下、本実施形態に係る溶融炉心保持冷却装置及び原子炉格納容器について、図面を参照して説明する。
(原子炉格納容器)
図1は各実施形態の溶融炉心保持冷却装置を適用した水冷却型原子炉を示す立断面図である。
図1に示すように、原子炉格納容器1の内部には、原子炉圧力容器2が格納されている。この原子炉圧力容器2内には、原子炉の核燃料を装荷した炉心3が設置されている。原子炉圧力容器2は、円筒状のペデスタル内壁4によって支持されている。原子炉圧力容器2の下方には、下部ドライウェル5が形成され、この下部ドライウェル5は、ペデスタル内壁4により取り囲まれている。このペデスタル内壁4の底部には、その床面を形成するペデスタル床6が設置されている。下部ドライウェル5の上部には、ダイヤフラムフロア7を介して上部ドライウェル8が形成されている。
ペデスタル内壁4の径方向外側には、冷却水を蓄えるサプレッションチェンバ9が配置されている。このサプレッションチェンバ9とペデスタル内壁4との間には、ベント管10が形成されている。このベント管10は、下部ドライウェル5、上部ドライウェル8及びサプレッションチェンバ9を互いに連通させている。
ペデスタル内壁4には、下部ドライウェル5に冷却水を供給するための注水ライン11が設けられている。この注水ライン11には、図示しない冷却水源から十分な量の冷却水が供給されるようになっている。
溶融炉心保持冷却装置20を構成する溶融炉心保持部21は、下部ドライウェル5の内部であって、原子炉圧力容器2の下方に設置される。以下に、溶融炉心保持冷却装置20の各実施形態を説明する。
(第1実施形態)
(構 成)
図2は本発明に係る第1実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。なお、以下の各実施形態の溶融炉心保持冷却装置において、図1と同一の部分には、同一の符号を付して説明する。また、以下の説明における上下方向とは、原子炉格納容器1及び溶融炉心保持冷却装置20の設置状態における方向をいう。
図2に示すように、溶融炉心保持冷却装置20は、ペデスタル内壁4及びペデスタル床6の面からそれぞれ一定間隔を離隔して設置された溶融炉心保持部21と、ペデスタル床6の面上において溶融炉心保持部21を支持する支持部材22と、溶融炉心保持部21とペデスタル床6の面との間に形成された床面ギャップ23に設置されたドレンサンプ24と、溶融炉心保持部21とペデスタル内壁4との間に形成された壁面ギャップ25において、溶融炉心保持部21に対して接触しないように一定間隔を離隔して上下方向に設置された上下配管26と、注水ライン11にそれぞれ接続された上部注水用配管30及び底部注水用配管31と、を備える。
溶融炉心保持部21は、鋼製で有底円筒状に形成された保持部本体27と、この保持部本体27の上面及び内周面の全面に敷設された耐熱材28とを有する。この耐熱材28には、例えば酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の材質が用いられる。
上下配管26は、鋼製で長尺円筒状に形成され、ペデスタル内壁4に沿って周方向に一定間隔をあけて複数(例えば8本)設置されている。上下配管26は、その上端開口部が溶融炉心保持部21の外周面上端の高さまで延びており、その下端開口部が溶融炉心保持部21の外周面の下端を経てペデスタル床6の面の近傍の高さまで延びている。上下配管26内は、溶融炉心保持部21に保持された溶融炉心を冷却するための冷却水が流通する。
上部注水用配管30は、その下端が溶融炉心保持部21の開口端まで延び、かつ耐熱材28の上方に位置している。底部注水用配管31は、ペデスタル内壁4に沿って周方向に一定間隔をあけて複数(例えば8本)設置されている。具体的には、複数の底部注水用配管31は、複数の上下配管26の間にそれぞれ配置されている。複数の底部注水用配管31は、ペデスタル床6の面で屈曲して形成され、その先端の出口開口部32が溶融炉心保持部21の底面とペデスタル床6の面との間の床面ギャップ23まで延びている。
なお、上部注水用配管30は、図2に1本だけ図示しているが、溶融炉心保持部21の開口端の内周に沿って一定の間隔をあけて例えば3、4本設置されている。同様に、底部注水用配管31は、図2に1本だけ図示しているが、上述したように例えば8本設置されている。これらの設置形態は、他の実施形態でも同様である。
(作 用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、原子炉格納容器1で過酷事故が発生すると、炉心3が溶融し、その高温の溶融炉心が原子炉圧力容器2の下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器2の下鏡を溶融して貫通した後、溶融炉心保持部21の耐熱材28で受け止められる。
そして、注水ライン11から冷却水が上部注水用配管30を経て供給されて高温の溶融炉心が上部から直接冷却される。同時に、注水ライン11から冷却水が底部注水用配管31を経て溶融炉心保持部21の底面とペデスタル床6の面との間の床面ギャップ23に供給され、高温の溶融炉心は、溶融炉心保持部21の底面を通して冷却される。
次いで、冷却水が溶融炉心保持部21の底面より高い高さまで供給されると、溶融炉心からの崩壊熱を受けて保持部本体27の底面及び外周面から加熱蒸気が発生する。この加熱蒸気は、保持部本体27の底面及び外周面に沿って上昇し、通常はこの加熱蒸気が下降する冷却水の自然循環を阻害する気液対向流となる。
そこで、本実施形態では、溶融炉心保持部21とペデスタル内壁4との間に、溶融炉心保持部21に対して接触しないように一定間隔を離隔して上下配管26を設置している。これにより、冷却水が上下配管26内の流路を通るため、溶融炉心保持部21の底面及び外周面で発生して上昇する加熱蒸気と、下降する冷却水との間で起こる気液対向流の影響を緩和し、下降する冷却水の自然循環の流れを促進することができる。その結果、比較的小さい流路径の上下配管26でも溶融炉心保持部21の溶融炉心を冷却することが可能となる。換言すれば、上下配管26が加熱蒸気と冷却水を分離し、冷却水を通すことで溶融炉心保持部21を底面から冷却することができる。なお、ここで示す自然循環の流れを利用する冷却水とは、沸点以下の温度であれば冷却水と呼ぶこととする。
また、本実施形態では、冷却水の自然循環流量が十分に得られない場合においても、底部注水用配管31から溶融炉心保持部21の底部とペデスタル床6との間への冷却水を供給することにより、溶融炉心保持部21を冷却することができる。
さらに、本実施形態では、溶融炉心保持部21の上面に耐熱材28を敷設したことにより、冷却水が供給されて溶融炉心保持部21の冷却を開始するまで、保持部本体27の浸食を抑制することができる。
(効 果)
このように本実施形態によれば、溶融炉心保持部21とペデスタル内壁4との間に、溶融炉心保持部21に対して一定間隔を離隔して上下配管26を設置したので、溶融炉心保持冷却装置20を複雑化することなく、溶融炉心を効果的に冷却することが可能になる。そのため、従来のコアキャッチャーよりも小型化かつ簡素化した構成にも関わらず、従来と同様の溶融炉心の冷却性能及び保持性能を得ることが可能になる。また、溶融炉心保持冷却装置20を小型化したので、既設炉への適用が可能になる。
(第2実施形態)
(構 成)
図3は本発明に係る第2実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。図4は図3の溶融炉心保持冷却装置を示す拡大平断面図である。なお、本実施形態は、前記第1実施形態の変形例であって、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態は、図3及び図4に示すように前記第1実施形態の構成に加えて、溶融炉心保持部21の上面が上に開いた円錐形に形成されている。そのため、溶融炉心保持部21の上面は、外周から中心に向かって傾斜するように形成されている。
また、本実施形態では、底部注水用配管31がペデスタル内壁4に沿って複数本設けられている。底部注水用配管31は、ペデスタル内壁4に沿って周方向に一定間隔をあけて複数(例えば8本)設置されている。
具体的には、複数の底部注水用配管31は、複数の上下配管26の間にそれぞれ配置されている。複数の底部注水用配管31は、ペデスタル床6の面で屈曲して形成され、その先端の出口開口部32が溶融炉心保持部21の底面とペデスタル床6の面との間において溶融炉心保持部21の中心の近くまで延びている。
なお、底部注水用配管31は、上記のように複数本設置する以外に、1本設置するだけでもよい。
(作用及び効果)
本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、溶融炉心保持部21の床面を傾斜して形成したことにより、冷却水の自然循環を促進させることができる。
また、本実施形態によれば、複数の底部注水用配管31の先端が、床面ギャップ23内において溶融炉心保持部21の中心まで延びているので、加熱蒸気による気液対向流の影響を一段と緩和することができる。その結果、溶融炉心保持部21の冷却効果を促進することが可能となる。
(第3実施形態)
(構 成)
図5は本発明に係る第3実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。なお、本実施形態は、前記第2実施形態の変形例であって、前記第2実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態は、図5に示すように前記第2実施形態の構成に加えて、溶融炉心保持部21の耐熱材28の上面にコンクリートをドレンサンプ24の高さより高い位置まで打設し、コンクリート部35を形成している。このコンクリート部35には、ドレンサンプ24の上端開口部が露出するように固定されている。
コンクリート部35の材料は、Fe,Al等を混合することで、これらが溶融炉心中の金属成分と反応し、酸化物を形成することで、耐熱材28との共晶を防止する物質が用いられている。
なお、コンクリート部35の高さは、ドレンサンプ24の上端と同じ高さとしてもよい。また、ドレンサンプ24は、本実施形態では溶融炉心保持部21の外周寄りに設置しているが、その中心に設置してもよい。
(作 用)
前記第1、第2実施形態のように溶融炉心保持部21の下方にドレンサンプ24を設置した場合と比べて、本実施形態では、上方から見て溶融炉心保持部21による視覚的、構造的な干渉を防止することができる。そのため、点検、保守の際の作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、耐熱材28の上面にコンクリート部35を打設したことにより、耐熱材28を強固に固定することができる。
さらに、本実施形態では、前記第1、第2実施形態と同様の作用に加え、コンクリート部35の材料として溶融炉心と耐熱材28との共晶を防止する物質を用いたことにより、溶融炉心中の金属成分と耐熱材28中の酸化物との共晶による融点低下を抑制し、耐熱材28の浸食を抑制することができる。
(効 果)
このように本実施形態によれば、前記第1、第2実施形態の効果に加えて、溶融炉心保持部21の上面にコンクリート部35によりドレンサンプ24を固定したことにより、原子炉格納容器1内における下部のドレンサンプ24の点検保守における作業性を向上させるとともに、保持部本体27を熱的に遮蔽するために敷設した耐熱材28を強固に固定することができる。
また、本実施形態によれば、コンクリート部35の材料として溶融炉心と耐熱材28との共晶を防止する物質を用いたことから、耐熱材28の融点の低下を防止することで、浸食を抑制することができる。
(第4実施形態)
図6は本発明に係る第4実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大平断面図である。なお、本実施形態は、前記第1〜第3実施形態の変形例であって、前記第1〜第3実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
前記第1〜第3実施形態の構成では、上下配管26を断面形状が円管に形成したが、本実施形態の上下配管26Aは、図6に示すように鋼製で長尺角筒状に形成され、ペデスタル内壁4に沿って周方向に一定間隔をあけて複数(例えば8本)設置されている。
このように本実施形態によれば、前記第1〜第3実施形態と同様の効果に加え、上下配管26Aの断面形状を矩形に形成したことで、単位面積当たりの流路面積を円管の場合に比べて大きくとることができるため、圧力損失を減少させて冷却水が流れ易くなる。その結果、溶融炉心保持部21の冷却効果を一段と促進することができる。
(第5実施形態)
図7は本発明に係る第5実施形態の溶融炉心保持冷却装置及びその近傍を示す拡大立断面図である。図8は図7の溶融炉心保持冷却装置を示す拡大平断面図である。なお、本実施形態は、前記第1〜第4実施形態の変形例であって、前記第1〜第4実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
前記第1〜第4実施形態の支持部材22に代えて、本実施形態では、図7及び図8に示すように溶融炉心保持部21の底面の中央から径方向に放射状に延びるように複数の支持板37が設置されている。すなわち、本実施形態では、放射状に設置された支持板37によって溶融炉心保持部21を支持している。
また、複数の支持板37には、それぞれ台形状に形成され、流路間の冷却水の流れを促すための開口部38が形成されている。
このように本実施形態によれば、前記第1〜第4実施形態の効果に加え、溶融炉心保持部21の荷重を、冷却水の流れを乱さずに、支持することができる。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上記各実施形態では、高温の溶融炉心を冷却する冷却水を注水ライン11から供給するようにしたが、これに限らず例えばサプレッションチェンバ9内のサプレッションプールの水を冷却水として使用するようにしてもよい。この場合には、上部注水用配管30及び底部注水用配管31に接続した配管をサプレッションプール内まで設置し、この配管にポンプを設けるように構成すればよい。
また、上記各実施形態では、上下配管26の下端がペデスタル床6の面と溶融炉心保持部21の下端との中間の高さまで延びている例について説明したが、ペデスタル床6の面より上方の高さであって、少なくとも溶融炉心保持部21の下端の高さまで延びている高さであればよい。
さらに、上記各実施形態では、断面円形の上下配管26と、断面角形の上下配管26Aをペデスタル内壁4内において周方向に分散して配置した例について説明したが、これに限らず、例えば複数の上下配管26又は複数の上下配管26Aの内周部分をこれらの上下配管26及び複数の上下配管26Aと同一の高さの仕切板にて互いに接続し、複数の上下配管26又は複数の上下配管26Aを一体化するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、断面円形の上下配管26と、断面角形の上下配管26Aをペデスタル内壁4内において鉛直方向に設置した例について説明したが、これに限らず、若干傾いて上下方向に設置されていてもよい。なお、冷却水の自然循環を促進するためには、上記各実施形態のように鉛直方向に設置することが望ましい。
さらに、上記各実施形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
1…原子炉格納容器、2…原子炉圧力容器、3…炉心、4…ペデスタル内壁、5…下部ドライウェル、6…ペデスタル床、7…ダイヤフラムフロア、8…上部ドライウェル、9…サプレッションチェンバ、10…ベント管、11…注水ライン、20…溶融炉心保持冷却装置、21…溶融炉心保持部、22…支持部材、23…床面ギャップ、24…ドレンサンプ、25…壁面ギャップ、26,26A…上下配管、27…保持部本体、28…耐熱材、30…上部注水用配管、31…底部注水用配管、32…出口開口部、35…コンクリート部、37…支持板、38…開口部

Claims (9)

  1. 原子炉圧力容器を支持するペデスタル内壁と、その床面を形成するペデスタル床面からそれぞれ離隔して設置され、溶融炉心を保持する溶融炉心保持部と、
    前記溶融炉心保持部と前記ペデスタル内壁との間であって、前記溶融炉心保持部に対して離隔して上下方向に設置されて前記溶融炉心を冷却する冷却水が通る上下配管と、
    前記溶融炉心保持部の上面に敷設された耐熱材と、
    前記溶融炉心保持部と前記ペデスタル床面との間に、前記冷却水の出口開口部を配置し、前記溶融炉心保持部の周方向に沿って一定間隔をあけて複数本設置されている注水用配管と、を備え、
    前記上下配管の下端が前記ペデスタル床面より上方の高さで、少なくとも前記溶融炉心保持部の下端の高さまで延びていることを特徴とする溶融炉心保持冷却装置。
  2. 前記注水用配管は、前記出口開口部が前記溶融炉心保持部の中心まで延びるように配置されていることを特徴とする請求項に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  3. 前記溶融炉心保持部の上面を上に開いた円錐形に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  4. 前記溶融炉心保持部の上面の前記耐熱材上に打設されたコンクリート部と、このコンクリート部に固定されたドレンサンプと、をさらに有することを特徴とする請求項ないしのいずれか一項に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  5. 前記コンクリート部の材料は、前記溶融炉心と前記耐熱材との共晶を防止する物質であることを特徴とする請求項に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  6. 前記上下配管の断面形状が矩形に形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  7. 前記溶融炉心保持部を前記ペデスタル床面で支持する複数の支持板を有し、これらの支持板が前記溶融炉心保持部の中央から放射状に配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  8. 前記複数の支持板は、前記冷却水を流通させる開口部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の溶融炉心保持冷却装置。
  9. 請求項1ないしのいずれか一項記載の溶融炉心保持冷却装置を備えたことを特徴とする原子炉格納容器。
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