JP2014081212A - 炉心溶融物保持装置および原子炉格納容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】原子炉の炉心溶融物保持構造物の設置のコストを増加させることなく設置容易化を図る。
【解決手段】炉心溶融物保持装置は、互いに隣接して全体で炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、を備える。炉心溶融物保持ブロック17内に形成された貫通孔21が互いに連通していて、炉心溶融物保持ブロック17内の貫通孔21へ冷却材を導入する冷却材導入部29が、冷却材排出部81よりも低い位置に配置されていて、冷却材導入部29から冷却材排出部81に向かって、炉心溶融物保持ブロック17内に形成された貫通孔21の高さ位置が次第に高くなるように配列されている。
【選択図】図1
【解決手段】炉心溶融物保持装置は、互いに隣接して全体で炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、を備える。炉心溶融物保持ブロック17内に形成された貫通孔21が互いに連通していて、炉心溶融物保持ブロック17内の貫通孔21へ冷却材を導入する冷却材導入部29が、冷却材排出部81よりも低い位置に配置されていて、冷却材導入部29から冷却材排出部81に向かって、炉心溶融物保持ブロック17内に形成された貫通孔21の高さ位置が次第に高くなるように配列されている。
【選択図】図1
Description
この発明の実施形態は、炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を保持する炉心溶融物保持装置および、炉心溶融物保持装置を備えた原子炉格納容器に関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断により冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
しかしながら、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。
このような事態に至った場合、高温の炉心溶融物が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器底部を溶融貫通して、格納容器内の床上に落下するに至る。炉心溶融物は格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。発生した非凝縮性ガスは格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器を破損させる可能性があり、また、コンクリートの溶融浸食により格納容器バウンダリを破損させたり格納容器構造強度を低下させたりする可能性がある。結果的に、炉心溶融物とコンクリートの反応が継続すると格納容器破損に至り、格納容器内の放射性物質が外部環境へ放出される恐れがある。
この炉心溶融物とコンクリートの反応を抑制するためには、炉心溶融物を冷却し、炉心溶融物底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K以下)に冷却するか、炉心溶融物とコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。そのため、炉心溶融物が落下した場合に備えて、例えば特許文献1および2に記載されるような、様々な対策が提案されている。
溶融炉心の保持対策の必要性は、国内外で高まっており、新規に建設する原子炉ではもちろんのこと既設の原子炉についても同様である。特に既設の原子炉では、アクシデントマネジメントにより安全性を担保しており、既設の原子炉についても、炉心溶融物保持構造物を設置する等のハードウエアによるシビアアクシデント対策を施すことが望まれている。しかしながら、溶融炉心の保持対策として、上記特許文献1および2等に記載される従来技術を適用して炉心溶融物保持装置等の溶融炉心を保持するための構造物(以下、「炉心溶融物保持構造物」と称する。)を製作(設置)することは、炉心溶融物保持構造物の設置を前提として製作されていない既設の原子炉はもちろんのこと、新設する原子炉であっても、必ずしも容易ではない。
従来技術を適用して炉心溶融物保持構造物を新設の原子炉に設置する場合、溶融炉心の保持と保持するための構造物を熱的に保護するために耐熱材を敷き詰め、この耐熱材への熱的浸食を押さえるために冷却水を供給する冷却手段を設けている必要があるため、冷却流路となる配管等を設置した上で耐熱材を敷き詰めなくてはならない。また、設置スペースとして冷却流路分の高さも必要となる等の設置上の制約がある。そのため、炉心溶融物保持構造物の設置は必ずしも容易ではない。
また、従来技術を適用して炉心溶融物保持構造物を既設の原子炉に設置する場合、炉心溶融物保持構造物の設置を前提として製作されていない既設の原子炉では設置する空間を有していない、または、空間的な余裕があるものの設置方法の制約があり、新設の原子炉に設置する場合よりも制約が多く、炉心溶融物保持構造物の設置は必ずしも容易ではない。
そこで、既設の原子炉や新設の原子炉への炉心溶融物保持構造物の設置を少しでも容易にするために、耐熱材の下部に冷却手段を設置しない炉心溶融物保持構造物を設置することも考えられるが、この場合には、高温の炉心溶融物による熱的浸食に耐え得る高い耐熱性を有する高価な耐熱材を使用する必要があり、炉心溶融物保持構造物のコストが高くなってしまうという問題がある。
本発明の実施形態は、上記課題を考慮してなされたものであり、炉心溶融物保持構造物の設置のコストを増加させることなく設置容易化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る炉心溶融物保持装置は、原子炉の炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を受け止めて保持する炉心溶融物保持装置であって、互いに隣接して全体で前記炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、前記炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、を備え、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔が互いに連通しており、前記複数の炉心溶融物保持ブロックで連通された前記貫通孔へ冷却材を導入する冷却材導入部が、前記複数の炉心溶融物保持ブロックで連通された前記貫通孔から冷却材を排出する冷却材排出部よりも低い位置に配置されていて、前記冷却材導入部から前記冷却材排出部に向かって、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔の高さ位置が次第に高くなるように配置されていること、を特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係る炉心溶融物保持装置は、原子炉の炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を受け止めて保持する炉心溶融物保持装置であって、互いに隣接して全体で前記炉心溶融物が保持される底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックを備え、前記貫通孔内の下部には、上昇流を得るような不連続な突出形状を設けるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係る炉心溶融物保持装置は、原子炉の炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を受け止めて保持する炉心溶融物保持装置であって、互いに隣接して全体で前記炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な上部貫通孔と、前記上部貫通孔の下方に位置して冷却材が流通可能な下部貫通孔とが形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、前記炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、を備え、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記上部貫通孔が互いに連通するとともに前記下部貫通孔が互いに連通しており、連通された前記下部貫通孔を通って供給された冷却材が、連通された前記上部貫通孔を通って排出されるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係る原子炉格納容器は、原子炉容器を格納する原子炉格納容器であって、当該原子炉格納容器は、互いに隣接して全体で炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、前記炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、を備え、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔が互いに連通しており、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内の前記貫通孔へ冷却材を導入する冷却材導入部が、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内の前記貫通孔から冷却材を排出する冷却材排出部よりも低い位置に配置されていて、前記冷却材導入部から前記冷却材排出部に向かって、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔の高さ位置が次第に高くなるように配置されていること、を特徴とする。
本発明の実施形態によれば、炉心溶融物保持構造物の設置のコストを増加させることなく設置容易化を図ることができる。
以下、本発明に係る炉心溶融物保持装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図2は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的平面図である。ただし、図2では、冷却材99および炉心溶融物27が存在しない状態で示している。図3は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態における炉心溶融物保持ブロックの一つを取り出して示す斜視図である。図4は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
図1は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図2は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的平面図である。ただし、図2では、冷却材99および炉心溶融物27が存在しない状態で示している。図3は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態における炉心溶融物保持ブロックの一つを取り出して示す斜視図である。図4は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
水冷却型原子炉の格納容器10内に、軸を鉛直方向とする円筒状のペデスタル11が設置されている。ペデスタル11により原子炉圧力容器(原子炉容器)13が支持されている。ただし、原子炉圧力容器(原子炉容器)13の支持構造については図示を省略する。ペデスタル11で囲まれた空間の底部に円形のペデスタル床14が形成されている。通常時は、原子炉圧力容器13内に炉心(図示せず)が収納されている。
ペデスタル床14の上に、底面がほぼ円形の支持台15が配置されている。支持台15の外周はペデスタル11の内周面から離れていて、支持台15の外周とペデスタル11の内周面との間に環状の外周ギャップ22が形成されている。
支持台15の上面は、中央を通る1本の中央水平線101(図2)に沿って最も低い谷が形成され、この中央水平線101の両側に、中央水平線101から離れるに従って高くなる階段面が形成されている。この階段面に沿って複数の炉心溶融物保持ブロック17が、中央水平線101に垂直な方向に配列されて載置されている。
各炉心溶融物保持ブロック17は、たとえば図3に示すように、外形が直方体であって、上面部18と、下面部19と、2個の側面部20とを有し、中央に、断面が長方形の貫通孔21が形成されている。
炉心溶融物保持ブロック17は、支持台15の上の階段状の面に沿って隙間なく敷き詰められている。このとき、炉心溶融物保持ブロック17内の貫通孔21が相互に連通して、中央水平線101からその中央水平線101に垂直な方向に外周に向かって上昇しながら連続して延びる流路が形成されている。
支持台15の周辺に沿って、支持台15の上方にライザー部23が形成されている。ライザー部23は、たとえば、炉心溶融物保持ブロック17と同様の複数個のブロックを、その内部を貫通する穴が鉛直方向に延びてつながるように積み上げたものである。
ライザー部23の下端部の内面は、最外周に配置された炉心溶融物保持ブロック17aの外周面が隣接していて、ここで、炉心溶融物保持ブロック17a内の貫通孔21が、ライザー部23と連通していて、炉心溶融物保持ブロック17a内の貫通孔21からの冷却材の冷却材排出部81を形成している。
支持台15の下面には中央水平線101に垂直な水平方向に延びる溝26が形成されている。また、中央水平線101に沿って配置された炉心溶融物保持ブロック17bの底部には底部開口(冷却材導入部)29が形成され、この底部開口29が、中央水平線101に沿って配置された炉心溶融物保持ブロック17bの貫通孔21に連通している。また、底部開口29は、支持台15の下面の溝26と連通している。これにより、炉心溶融物保持ブロック17の貫通孔21と外周ギャップ22とが連通している。
なお、ここでは支持台15の下面に溝26を形成することとしたが、特にこれに限るものではなく、ペデスタル床14と支持台15の下面との間に冷却材が入り込むのに十分な隙間を形成できればよく、例えば、支持台15の下面とペデスタル床14の上面とを3本以上の支柱で固着するような構成としてもよい。
以上説明した構成により、外周ギャップ22を下降した冷却材が、支持台15の底部の溝26を通って、中央部(中央水平線101に沿った位置)にある炉心溶融物保持ブロック17bの底部開口29に至り、さらに炉心溶融物保持ブロック17bの貫通孔21に流入し、炉心溶融物保持ブロック17の貫通孔21を順次上昇して最外周の炉心溶融物保持ブロック17aから、冷却材排出部81を通ってライザー部23内に入り、ライザー部23内を上昇する流路が形成されている。
このように構成された炉心溶融物保持装置で、原子炉事故により原子炉圧力容器13内の炉心が溶融した場合に、炉心溶融物27が炉心溶融物保持ブロック17の上に落下することを想定する。炉心溶融物27が落下する前から、ペデスタル11内に冷却材(水)99を入れておき、炉心溶融物保持ブロック17、支持台15、ライザー部23を含む全体を冷却材で満たしておく。これによって、装置全体を冷却しておき、炉心溶融物27をライザー部23で囲まれた内側(内周側)で保持する。
このとき、炉心溶融物27を保持する炉心溶融物保持ブロック17の上面部18は炉心溶融物27から吸熱するとともに、側面部20および下面部19へ放熱(伝熱)して炉心溶融物27を冷却する。冷却材は外周ギャップ22内を下降して、溝26を通って底部開口29から、最下部すなわち中央部にある炉心溶融物保持ブロック17b内の貫通孔21に取り込まれる。貫通孔21内の冷却材は外部の熱を吸収して気化し、蒸気は炉心溶融物保持ブロック17内の貫通孔21内を順次上昇して、最上部すなわち外周部にある炉心溶融物保持ブロック17a内の貫通孔21を通って、冷却材排出部81からライザー部23へ送られ、ライザー部23から上方へ排出される。
図1で、液体の冷却材(冷却水)の流れを実線矢印で示し、気体状の冷却材(蒸気)の流れを点線の矢印で示している。
炉心溶融物保持ブロック17では、上面部18の上面が被冷却(除熱)物である炉心溶融物27に接して、炉心溶融物27の熱が上面部18に伝わる。そして、上面部18からさらに貫通孔21内の冷却材や、炉心溶融物保持ブロック17の側面部20や下面部19に伝わる。そのため、炉心溶融物保持ブロック17の特に上面部18は熱伝導性はなるべく高い方が好ましい。また、上面部18は、炉心溶融物27と直接触れるため、耐熱性もなるべく高い方が好ましい。
炉心溶融物保持ブロック17の貫通孔21内の冷却材は、炉心溶融物27からの熱によって沸騰し、蒸気泡が発生する。蒸気泡は浮力によって上方に向かって動く。貫通孔21は、炉心溶融物保持装置全体の外側すなわちライザー部23に向かって上昇する傾斜を有しているので、貫通孔21内の冷却材はライザー部23に向かってスムーズに流れる。これにより冷却能力が高くなる。
この実施形態によれば、従来よりも設置コストを増加させることなく、炉心溶融物保持装置の設置を容易にすることができる。また、炉心溶融物保持装置は、炉心溶融物保持ブロック17の上面部18で炉心溶融物27を保持することができる。さらに、貫通孔21を通して冷却材を流すことができるので、冷却材の沸騰伝熱によって、保持した炉心溶融物27を効果的に冷却し、かつ貫通孔21内で発生した蒸気泡を効果的に排除できることから冷却能力を向上させることができる。
上記説明で、ペデスタル床14の上に支持台15が配置されているものとした。この場合、ペデスタル床14と支持台15とを別個のものとしてペデスタル床14の上に支持台15を載置してもよいし、ペデスタル床14と支持台15とを一体のものとして形成してもよい。
また、上記説明で、支持台15の底部の溝26に代えて、この溝26と同様に中央水平線101に垂直な水平方向に延びる貫通孔を設けて、この貫通孔を通じて外周ギャップ22と中央部の炉心溶融物保持ブロック17bの底部開口29とを連絡するようにしてもよい。
また、上記説明で、支持台15の上面は、中央を通る1本の中央水平線101に沿って最も低い谷が形成され、この中央水平線101の両側に階段面が形成されているものとしたが、この変形例として、支持台15の上面を、中央がくぼんだ円錐状とすることもできる。この場合は、炉心溶融物保持ブロック17を隙間なく配列するためには、各炉心溶融物保持ブロック17の平面形状を、くぼみの中央から外周に向かって広がるような扇形とするのが好ましい。
[第2の実施形態]
図5は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとライザー部を拡大して示す立断面図である。
図5は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとライザー部を拡大して示す立断面図である。
この第2の実施形態は第1の実施形態の変形であって、互いに隣接する炉心溶融物保持ブロック17の当該隣接部に、互いに嵌合するような凹凸部80が設けられている。図5に示す例では、炉心溶融物保持ブロック17の貫通孔21の連結面に嵌合するような段差が設けられている。炉心溶融物保持ブロック17を配置していく際に、前記段差部を嵌合するように位置決めしていく。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、既設炉に炉心溶融物保持装置を設置する場合、現場にて、複数の炉心溶融物保持ブロック17を並べて組み立てる際に、各炉心溶融物保持ブロック17の位置決めが容易になる。また、特に、ライザー部23を組み立てる際に、複数個のブロックを、その内部を貫通する穴が鉛直方向に延びてつながるように積み上げたものとする場合は、この実施形態のようにブロック同士の接続部を嵌合することにより、ライザー部23が地震等の振動によって崩壊する危険性を軽減できる。
さらに、組み立て後に、一定の方向に拘束されるような固定金具等(図示せず)を用いれば、地震等の振動による崩壊の危険性をさらに軽減できる。
[第3の実施形態]
図6は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図7は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
図6は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図7は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
この実施形態では、ペデスタル床14の上に、底面がほぼ円形の支持台31が配置されている。支持台31の外周はペデスタル11の内周面から離れていて、支持台31の外周とペデスタル11の内周面との間に環状の外周ギャップ22が形成されている。
支持台31の上面には、第1の実施形態とほぼ同様に、中央を通る1本の中央水平線101(図2)に沿って最も低い谷が形成され、この中央水平線101の両側に、水平線101から離れるに従って高くなる傾斜面が形成されている。この傾斜面には段が設けられておらず、連続した傾斜平面になっている。この傾斜平面に、その傾斜方向に沿って複数の炉心溶融物保持ブロック33が配列されて載置されている。
各炉心溶融物保持ブロック33の外形は、たとえば図7に示すように、ほぼ平行六面体であって、鉛直平面で隣接する炉心溶融物保持ブロック33と接している。炉心溶融物保持ブロック33それぞれに、傾斜平面の傾斜方向に沿って延びる貫通孔35が形成されている。これらの貫通孔35は連通し、中央水平線101(図2)から中央水平線101に垂直方向に外周に向かって上昇しながら連続して延びる流路が形成されている。この実施形態では、炉心溶融物保持ブロック33内の貫通孔35が互いになめらかに接続される。
上述以外の構成、たとえばライザー部23などの構成は、第1の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、炉心溶融物保持ブロック33内の貫通孔35が互いになめらかに接続されるので、炉心溶融物保持ブロック33内の貫通孔35を通る冷却材の流れがなめらかになる。このため、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1の実施形態に比べて、炉心溶融物保持ブロック33内の貫通孔35を通る冷却材の流動抵抗が小さくなり、効率的に冷却材の流量を増やすことができる。
[第4の実施形態]
図8は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
図8は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
この実施形態では、第1の実施形態における支持台を用いないが、ペデスタル床14の上に、複数の平板状の台座40を並べ、適当な枚数を積み重ねることにより、第1の実施形態における支持台と同様な階段状の面を形成する。そして、この階段状の面に炉心溶融物保持ブロック41を載せて並べる。炉心溶融物保持ブロック41それぞれには傾斜した貫通孔42が形成されている。炉心溶融物保持ブロック41を配列したときに、炉心溶融物保持ブロック41内の貫通孔42同士が連通し、中央水平線101(図2)から中央水平線101に垂直方向に外周に向かって上昇しながら連続して延びる流路が形成されている。この実施形態では、各炉心溶融物保持ブロック41の外形は第1の実施形態(図3)と同様に直方体であるが、炉心溶融物保持ブロック41内の貫通孔42は傾斜して形成されていて、互いになめらかに接続される。
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、複数の平板状台座40を並べることにより、階段状の面を実現するので、製造が容易である。また、各貫通孔42が傾斜していて互いになめらかに連通するため、第3の実施形態と同様に、炉心溶融物保持ブロック41内の貫通孔42内部の冷却材の流動抵抗を抑制できる。
なお、この実施形態の変形例として、炉心溶融物保持ブロック41それぞれに形成する貫通孔42を図3および図4の貫通孔21と同様に水平方向にすることもできる。その場合は、複数の炉心溶融物保持ブロック41の貫通孔42が連通してできる冷却材流路は、第1の実施形態と同様に、水平流路が段階的に上昇するような流路になる。
[第5の実施形態]
図9は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第5の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
図9は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第5の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
この実施形態は第4の実施形態の変形であって、各炉心溶融物保持ブロック41の上面部18それぞれの上を覆うように高さ調整用上板44が配置されている。高さ調整用上板44は、たとえば平板状台座40と同じ形状・寸法のものでよい。適当な枚数の高さ調整用上板44を積み重ねることにより、最上層の高さ調整用上板44の上面を全体でほぼ同じ高さに揃える。高さ調整用上板44の材料は、熱伝導率の高いものが良く、たとえば銅製のものがよい。
最上層の高さ調整用上板44の上面全体がほぼ同じ高さに揃えられたその上全体を覆うように水平に広がる高融点材板45が載置されている。この高融点材板45は、炉心溶融物27の温度よりも融点が高い材料たとえばタングステン等の高融点材を用いることが好ましい。高融点材板45の熱伝導率は高さ調整用上板44の熱伝導率よりも低くてもよい。
一般的に、炉心溶融物27(図1参照)が落下してこれを炉心溶融物保持装置で受け止める際、高温流体状である炉心溶融物27が構造体を熱的に浸食するジェットインピジメント現象が発生する。この実施形態によれば、炉心溶融物27の温度よりも融点が高い高融点材板45が炉心溶融物27に接するので、その他の部分のジェットインピジメントによる損傷を回避できる。高融点材板45がたとえばタングステン製である場合に、高融点材板45を載せる部分の上面に段差があるとタングステン板設置が難しくなる。またタングステンは加工性が悪いので、単純な板状とすることが望ましい。この実施形態では、高さ調整用上板44を適当な枚数積み重ねることにより、タングステン製の高融点材板45を広くて段差のない平坦な面の上に載せることができるので、施工が容易である。
また、高さ調整用上板44を銅などの高熱伝導材とすることにより、除熱性能を向上させることができる。
[第6の実施形態]
図10は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図11は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
図10は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図11は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
この実施形態では、第1の実施形態における支持台15(図1)が存在しない。ペデスタル床14からペデスタル11の内周に沿って環状のライザー部50が設けられている。ライザー部50の内側のペデスタル床14の上に複数の炉心溶融物保持ブロック52が敷き詰められている。この実施形態では、炉心溶融物保持ブロック52は同一の水平面上に配列されている。
炉心溶融物保持ブロック52は、たとえば第1の実施形態の炉心溶融物保持ブロック17(図3)とほぼ同様の直方体であって、上面部18と、下面部53と、これらを接続する2個の側面部とを有し、水平方向の貫通孔54が形成されている。ただし、下面部53は、図11に示すように、厚さが貫通孔54の方向に変化している。これにより、炉心溶融物保持ブロック52を配列したときに貫通孔54の下面が波打つような形状になっている。しかも、互いに隣接する炉心溶融物保持ブロック52の接続部で、貫通孔54の下面の傾斜が不連続的に変化している。
ライザー部50は、第1の実施形態と同様に、たとえば、直方体のブロックであって、それぞれに、鉛直方向に延びる貫通孔が形成され、これらの貫通孔が鉛直方向に連絡している。
複数の炉心溶融物保持ブロック52のうち最外周のものは、ライザー部50と連通していて、この連通部に冷却材排出部81が形成されている。
この実施形態によれば、炉心溶融物保持ブロック52内の貫通孔54内部を冷却材が流通する際に下面部53の傾斜によって、貫通孔54内で上面部18へ向かう上昇流が発生する。これにより、貫通孔54内の上面部18での熱伝達が促進される。
上面部18の上に炉心溶融物27が到達すると、炉心溶融物27からの熱により、貫通孔54内では冷却水が蒸発して蒸気泡が発生する。蒸気泡の発生量は炉心溶融物27の崩壊熱量に比例するため、熱出力の高いプラントほど崩壊熱量も大きくなる。発明者らの試験によれば、貫通孔54が水平方向に延びていて蒸気泡の発生が多くなると、貫通孔54の上面(上面部18側)が完全に蒸気泡で覆われ、この部分の熱伝達率が低下する。その結果、実質的に、壁面に液が接している側面および下面部53のみで炉心溶融物27を冷却(除熱)することになる。これにより、除熱面積が実質的に減少し、冷却材による除熱量の低下やドライアウトにより、炉心溶融物保持ブロック52などが溶解する危険性が出てくる。
この実施形態では、下面部53の上面が冷却材の流れ方向に傾斜し、冷却材の上部方向への上昇流を促進する。これにより、貫通孔54の上面(上面部18側)が蒸気泡により完全に乾ききる前に一定量の冷却材が供給され、貫通孔54の上面(上面部18側)での熱伝達が促進される。これにより、実質的な除熱面積の減少を防ぎ、冷却効果を維持できることが可能である。
なお、図10に示す構成ではペデスタル11の内周面とライザー部50の外周面が接しているが、変形例として、ペデスタル11の内周面とライザー部50の外周面との間に環状のギャップ(図示せず)を設けてもよい。
[第7の実施形態]
図12は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第7の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
図12は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第7の実施形態における互いに隣接する一連の3個の炉心溶融物保持ブロックとその周辺を拡大して示す立断面図である。
この実施形態は第6の実施形態の変形であって、第6の実施形態として説明した図10に示す構成は、この実施形態でも共通である。
炉心溶融物保持ブロック57は、たとえば第1の実施形態の炉心溶融物保持ブロック17(図3)とほぼ同様の直方体であって、上面部18と、下面部19と、これらを接続する2個の側面部20とを有し、水平方向の貫通孔21が形成されている。この第7の実施形態では、各炉心溶融物保持ブロック57の貫通孔21の出口部に撹拌板60が配置されている。撹拌板60は、貫通孔21の出口部で貫通孔21の下部を塞ぐように配置され、撹拌板60の上方は開口している。
その他の構成は第6の実施形態と同様である。
この第7の実施形態によれば、各炉心溶融物保持ブロック57の貫通孔21を水平方向に通過する際に、冷却材が撹拌板60の上を越える流れとなるために、上向きの流れが生じ、流れが撹拌される。これにより、第6の実施形態と同様に、貫通孔21の上面(上面部18側)が蒸気泡により完全に乾ききる前に一定量の冷却材が供給され、貫通孔21の上面(上面部18側)での熱伝達が促進される。これにより、実質的な除熱面積の減少を防ぎ、冷却効果を維持できる。
[第8の実施形態]
図13は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図14は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施形態における炉心溶融物保持ブロックの一つを取り出して示す斜視図である。
図13は本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図14は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施形態における炉心溶融物保持ブロックの一つを取り出して示す斜視図である。
この実施形態では、ペデスタル床14の上に支持台65が配置されている。支持台65の上面には、第3の実施形態(図6)の支持台31と同様に、傾斜平面が形成されており、この傾斜平面の上に、複数の炉心溶融物保持ブロック67が互いに隣接して配列されている。炉心溶融物保持ブロック67は、図14に示すように、上面部68と下面部69と2枚の側面部70とを有し、さらに、上面部68と下面部69の間に仕切り板71を有する。仕切り板71の上には上部貫通孔72が形成され、仕切り板71の下には下部貫通孔73が形成されている。
上部貫通孔72および下部貫通孔73の流れ方向で互いに隣接する炉心溶融物保持ブロック67の上部貫通孔72同士および下部貫通孔73同士は互いに連通している。図13に示すように、複数の炉心溶融物保持ブロック67が、支持台65の傾斜平面に沿って並べられ、上部貫通孔72および下部貫通孔73が中央部から周辺部に向かって上り勾配となるように配列されている。各炉心溶融物保持ブロック67の外形は平行六面体であって、支持台65の斜面に沿って並べられたときに、上部貫通孔72および下部貫通孔73それぞれが、なめらかに傾斜して連通する。
複数の炉心溶融物保持ブロック67の中央部の炉心溶融物保持ブロック67の中央寄りの部分には、仕切り板71が途切れた上下連通部75が形成され、ここで上部貫通孔72と下部貫通孔73とが連通している。
複数の炉心溶融物保持ブロック67のうちの最外周のものの外周を取り囲むように環状のライザー部82が配置されている。このライザー部82は、たとえば、炉心溶融物保持ブロック67と同様に2個の平行な貫通孔が形成されたブロックを鉛直方向に積み上げて形成されている。ただし、ライザー部82を構成する各炉心溶融物保持ブロックは、外形が直方体であるものとする。
ライザー部82を構成する各ブロックの2個の平行な貫通孔は、それぞれが上下方向に連通するように配列され、これにより、内側流路83と外側流路84が形成されている。内側流路83の下端は上部貫通孔72に連通し、外側流路84の下端は下部貫通孔73に連通している。
この実施形態では、冷却材は、ライザー部82の外側流路84を通って下降し、最外周の炉心溶融物保持ブロック67の下部貫通孔73を通って下降しながら中央へ向かい、中央(最下部)の炉心溶融物保持ブロック67内の上下連通部75を通って上部貫通孔72に入る。冷却材は上部貫通孔72内を通って上昇するときに炉心溶融物27からの熱によって加熱され、沸騰(蒸発)しながら外周に向かって流れ、冷却材排出部81からライザー部82の内側流路83の下部に流入する。その後、冷却材は内側流路83内を上昇してライザー部82の上方に達する。
この実施形態では、冷却材の供給流路と排出流路を一体化して構成可能であり、第1の実施形態で示したように支持台の中に配管や溝等を用いて別途流路を設ける必要がない。
また、第6および第7の実施形態で示したような供給流路と排出流路が同一な場合、周期的な往復流(冷却材の流入と排出の繰返し現象)の発生に伴い、蒸気泡の逆流など効率的に蒸気泡を排出することが難しくなる。理想的には供給流路と排出流路を分離した方が好ましく、この第8の実施形態の構成にすれば、簡易に供給流路と排出流路を分離した構造が得られる。
この第8の実施形態では、簡易に供給流路と排出流路を分離した構造により、貫通孔を通して内部の空洞に冷却材を一方向に供給、排出することができる。これにより、冷却材との沸騰伝熱によって発生した蒸気泡の逆流なども起こらず、保持した炉心溶融物27を安定的に冷却し、かつ発生した蒸気泡を効果的に排除でき、冷却能力を向上させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
たとえば、上記各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。より具体的な例としては、第2の実施形態における、互いに隣接する炉心溶融物保持ブロック同士の相互隣接部に互いに嵌合する凹凸部を設けるという特徴は、第3〜第8の実施形態のいずれにも適用できる。
10・・・格納容器、11・・・ペデスタル、13・・・原子炉圧力容器(原子炉容器)、14・・・ペデスタル床、15・・・支持台、17、17a、17b・・・炉心溶融物保持ブロック、18・・・上面部、19・・・下面部、20・・・側面部、21・・・貫通孔、22・・・外周ギャップ、23・・・ライザー部、26・・・溝、27・・・炉心溶融物、29・・・底部開口(冷却材導入部)、31・・・支持台、33・・・炉心溶融物保持ブロック、35・・・貫通孔、40・・・平板状台座、41・・・炉心溶融物保持ブロック、42・・・貫通孔、44・・・高さ調整用上板、45・・・高融点材板、50・・・ライザー部、52・・・炉心溶融物保持ブロック、53・・・下面部、54・・・貫通孔、57・・・炉心溶融物保持ブロック、60・・・撹拌板、65・・・支持台、67・・・炉心溶融物保持ブロック、68・・・上面部、69・・・下面部、70・・・側面部、71・・・仕切り板、72・・・上部貫通孔、73・・・下部貫通孔、75・・・上下連通部、80・・・凹凸部、81・・・冷却材排出部、82・・・ライザー部、83・・・内側流路、84・・・外側流路、99・・・冷却材
Claims (7)
- 原子炉の炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を受け止めて保持する炉心溶融物保持装置であって、
互いに隣接して全体で前記炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、
前記炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、
を備え、
前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔が互いに連通しており、
前記複数の炉心溶融物保持ブロックで連通された前記貫通孔へ冷却材を導入する冷却材導入部が、前記複数の炉心溶融物保持ブロックで連通された前記貫通孔から冷却材を排出する冷却材排出部よりも低い位置に配置されていて、前記冷却材導入部から前記冷却材排出部に向かって、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔の高さ位置が次第に高くなるように配置されていること、を特徴とする炉心溶融物保持装置。 - 前記支持台は、原子炉容器を支持する筒状のペデスタルに囲まれたペデスタル床の上に隙間を設けて載置されていること、を特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
- 前記複数の炉心溶融物保持ブロック全体の上にわたる水平面が形成されるように前記複数の炉心溶融物保持ブロックそれぞれの上に載置された複数の高さ調整用上板と、
前記高さ調整用上板の上に形成されて前記水平面の上を覆うように配置された前記炉心溶融物の融点よりも融点の高い高融点材板と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炉心溶融物保持装置。 - 原子炉の炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を受け止めて保持する炉心溶融物保持装置であって、
互いに隣接して全体で前記炉心溶融物が保持される底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックを備え、
前記貫通孔内の下部には、上昇流を得るような不連続な突出形状を設けるようにしたことを特徴とする炉心溶融物保持装置。 - 原子炉の炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で炉心溶融物を受け止めて保持する炉心溶融物保持装置であって、
互いに隣接して全体で前記炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部は冷却材が流通可能な上部貫通孔と、前記上部貫通孔の下方に位置して冷却材が流通可能な下部貫通孔とが形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、前記炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、
を備え、
前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記上部貫通孔が互いに連通するとともに前記下部貫通孔が互いに連通しており、連通された前記下部貫通孔を通って供給された冷却材が、連通された前記上部貫通孔を通って排出されるように構成されていることを特徴とする炉心溶融物保持装置。 - 前記複数の炉心溶融物保持ブロックの全体の外周を囲むように立設されてその内部に上下方向に延びる上下方向冷却材流路が形成されたライザー部をさらに有し、
前記複数の炉心溶融物保持ブロックの内部に形成された前記貫通孔が前記ライザー部内に形成された前記上下方向冷却材流路に接続されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の炉心溶融物保持装置。 - 原子炉容器を格納する原子炉格納容器であって、
当該原子炉格納容器は、
互いに隣接して全体で炉心溶融物が保持される傾斜底面を形成するように配置され、それぞれの内部に冷却材が流通可能な貫通孔が形成された複数の炉心溶融物保持ブロックと、
前記炉心溶融物保持ブロックを支持する支持台と、
を備え、
前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔が互いに連通しており、
前記複数の炉心溶融物保持ブロック内の前記貫通孔へ冷却材を導入する冷却材導入部が、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内の前記貫通孔から冷却材を排出する冷却材排出部よりも低い位置に配置されていて、前記冷却材導入部から前記冷却材排出部に向かって、前記複数の炉心溶融物保持ブロック内に形成された前記貫通孔の高さ位置が次第に高くなるように配置されていること、を特徴とする原子炉格納容器。
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-
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