JP6825433B2 - 虚像表示装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員が視認する虚像を表示する虚像表示装置及びコンピュータプログラムに関する。
従来より、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)のような人間の目の錯覚を利用して実際に映像が表示された位置と異なる空間上に映像を視認させる虚像表示装置がある。
ここで、HUDにより表示された虚像を周辺環境に重畳して案内を行う場合には、虚像が周辺環境に対して適切な位置に重畳していることが重要である。例えば、前方の障害物を警告するマークを虚像として表示する場合には、警告対象となる障害物に重畳する位置に虚像を表示することによって、乗員に障害物を確実に把握させることができ、効果的な案内を行うことが可能となる。そこで、センサやカメラ等を用いて虚像の重畳する対象となる対象物(障害物等)の位置を検出し、検出した対象物の位置に重畳するように虚像の表示位置の制御を行っている。しかしながら、乗員が乗車する車両が移動することによって、乗員が視認する対象物の位置(即ち乗員に対する対象物の相対位置)が変化し、表示する虚像の位置が対象物の位置からズレる問題があった。また、特に他車両や歩行者等の移動体が上記対象物である場合には、対象物の移動によって更に大きなズレとなる可能性がある。
そこで、乗員から視認される対象物の今後の位置の変位を予測することによって上記位置のズレを防止する技術が考えられる。例えば特開2011−223242号公報には、電子カメラにおいて焦点調整や露出制御等を行う為に、被写体の今後の動きを予測して追尾する技術について開示されており、このような追従技術をHUDに用いることも考えられる。
特開2011−223242号公報(第8−9頁)
ここで、上記特許文献1に記載の追尾技術をHUDに用いた場合には、乗員から見た対象物の移動速度や移動方向が一定である場合には、適切な虚像の重畳表示が可能であると考えられる。しかしながら、電子カメラの被写体と比べて、乗員から見た道路上を移動する対象物は、移動速度や移動方向の変化の発生頻度や変化量や大きい為、上記追尾補正を行うことによって虚像の表示位置のチャタリング(ブレ、ガタつき、揺れ等)が発生してしまい、乗員に違和感を与えてしまうという問題があった。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、虚像を対象物に適切に重畳させて車両の乗員に視認させるとともに、虚像の表示位置のチャタリングの発生についても抑えた虚像表示装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る虚像表示装置は、車両に搭載され、映像表示面に表示された映像を前記車両の乗員に視認させることによって、前記映像の虚像を前記乗員の視線前方にある対象物に重畳させて視認させる虚像表示装置であって、前記車両の挙動を取得する車両情報取得手段と、前記対象物の挙動を取得する対象物情報取得手段と、前記車両の挙動と前記対象物の挙動とに基づいて、前記乗員から視認される前記対象物の今後の位置の変位を予測するとともに、予測された位置の変位に基づいて虚像の表示位置を補正する補正手段と、前記対象物と前記虚像の重畳状態を取得する重畳状態取得手段と、前記対象物と前記虚像の重畳状態に基づいて前記補正手段による補正の実施の有無を切り替える補正切換手段と、を有し、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値未満の場合に前記補正手段による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値以上の場合に前記補正手段による補正を実施しない
尚、「虚像の表示位置」とは、絶対位置ではなく、虚像を視認する乗員の視線との相対位置によって定義される。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、車両に搭載され、映像表示面に表示された映像を前記車両の乗員に視認させることによって、映像の虚像を乗員の視線前方にある対象物に重畳させて視認させるコンピュータプログラムである。具体的には、コンピュータを、前記車両の挙動を取得する車両情報取得手段と、前記対象物の挙動を取得する対象物情報取得手段と、前記車両の挙動と前記対象物の挙動とに基づいて、前記乗員から視認される前記対象物の今後の位置の変位を予測するとともに、予測された位置の変位に基づいて虚像の表示位置を補正する補正手段と、前記対象物と前記虚像の重畳状態を取得する重畳状態取得手段と、前記対象物と前記虚像の重畳状態に基づいて前記補正手段による補正の実施の有無を切り替える補正切換手段と、して機能させるとともに、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値未満の場合に前記補正手段による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値以上の場合に前記補正手段による補正を実施しない。
前記構成を有する本発明に係る虚像表示装置及びコンピュータプログラムによれば、虚像の表示位置の補正を行うことによって虚像を対象物に適切に重畳させて車両の乗員に視認させることが可能となる一方で、対象物と虚像の重畳状態に基づいて補正の実施の有無を切り替えることにより、補正の実施を必要最低限に抑え、虚像の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。特に、虚像と対象物との対応関係が明確であり、補正の実施が必須でない状況で補正の実施を行わないことにより、虚像の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。
本実施形態に係る虚像表示装置の概略構成図である。 本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。 本実施形態に係るHUDの内部構成を示した図である。 本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。 車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 乗員から視認される警告対象物の今後の位置の予測例を示した図である。 乗員から視認される警告対象物の位置が変位した場合において乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 補正実施判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 警告対象物の周囲に虚像の重畳対象となる他の警告対象物がある場合において、虚像の表示位置の補正処理を行わない場合を示した図である。 警告対象物の周囲に虚像の重畳対象となる他の警告対象物がある場合において、虚像の表示位置の補正処理を行う場合を示した図である。 警告対象物の周囲に虚像の重畳対象となる他の警告対象物がない場合において、虚像の表示位置の補正処理を行わない場合を示した図である。 警告対象物の周囲に虚像の重畳対象となる他の警告対象物がない場合において、虚像の表示位置の補正処理を行う場合を示した図である。
以下、本発明に係る虚像表示装置を具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る虚像表示装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る虚像表示装置1の概略構成図である。
図1に示すように虚像表示装置1は、車両2に搭載されたナビゲーション装置3と、同じく車両2に搭載されるとともにナビゲーション装置3と接続されたヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)4とを基本的に有する。
ここで、ナビゲーション装置3は、目的地までの推奨経路を探索したり、車両2の現在位置を検出したり、サーバから取得したりメモリに格納された地図データに基づいて車両2の現在位置周辺の地図画像を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内や障害物に対する警告案内をHUD4とともに行う機能を有する。尚、上記機能の全てをナビゲーション装置3が備えている必要はなく、少なくとも設定された案内経路に沿った移動案内や障害物に対する警告案内を行う機能を有していれば本願発明を構成することが可能である。尚、ナビゲーション装置3の構造の詳細については後述する。
一方、HUD4は、車両2のダッシュボード5内部に設置されており、内部には映像が表示される映像表示面である液晶ディスプレイ6を有する。そして、液晶ディスプレイ6に投射された映像を、後述のようにHUD4が備える凹面鏡7等を介し、更に運転席の前方のフロントウィンドウ8に反射させて車両2の乗員9に視認させるように構成されている。尚、液晶ディスプレイ6に表示される映像としては、車両2に関する情報や乗員9の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば乗員9に対して警告対象となる対象物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置3で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、本実施形態のHUD4では、フロントウィンドウ8を反射して乗員9が液晶ディスプレイ6に表示された映像を視認した場合に、乗員9にはフロントウィンドウ8の位置ではなく、フロントウィンドウ8の先の遠方の位置に液晶ディスプレイ6に表示された映像が虚像10として視認されるように構成される。尚、乗員9が視認できる虚像10は液晶ディスプレイ6に表示された映像であるが、凹面鏡7やその他のミラーを介することによって上下方向や左右方向が反転する場合があり、それらの反転を考慮して液晶ディスプレイ6の映像の表示を行う必要がある。また、凹面鏡7を介することによってサイズも変更する。
ここで、虚像10を生成する位置、より具体的には乗員9から虚像10までの距離(以下、虚像生成距離という)Lについては、HUD4が備える凹面鏡7の曲率、液晶ディスプレイ6と凹面鏡7との相対位置等によって適宜設定することが可能である。例えば、凹面鏡7の曲率が固定であれば、液晶ディスプレイ6において映像の表示された位置から凹面鏡7までの光路に沿った距離(光路長)によって虚像生成距離Lが決定される。例えば虚像生成距離Lが25mとなるように光路長が設定されている。尚、HUD4の構造の詳細については後述する。
また、車両のフロントバンパの上方やルームミラーの裏側等にはフロントカメラ11が設置される。フロントカメラ11は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラを有する撮像装置であり、光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、フロントカメラ11により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、フロントウィンドウ8越しに乗員9に視認される前方環境(即ち虚像10が重畳される環境)の状況等が検出される。尚、フロントカメラ11の代わりにミリ波レーダ等のセンサを用いても良い。
次に、上記虚像表示装置1を構成するナビゲーション装置3の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置3を示したブロック図である。
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置3は、ナビゲーション装置3が搭載された車両2の現在位置を検出する現在位置検出部12と、各種のデータが記録されたデータ記録部13と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU14と、ユーザからの操作を受け付ける操作部15と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ16と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ17と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ18と、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール19と、を有する。また、ナビゲーション装置3はCAN等の車載ネットワークを介して、前述したHUD4及びフロントカメラ11等が接続されている。
以下に、ナビゲーション装置3が有する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部12は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU14に出力する。そして、ナビゲーションECU14は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
また、データ記録部13は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部13はハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクを有していても良い。また、地図情報DB31は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置3が通信により取得する構成としても良い。
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設等の地点に関する地点データ34、各交差点に関する交差点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
ここで、リンクデータ32としては、例えば、該リンクを識別するリンクID、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクが構成する道路の道路種別等が記憶される。また、ノードデータ33としては、該ノードを識別するノードID、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。また、地点データ34としては、目的地への設定対象となる施設に関する各種情報が記憶される。例えば、施設を特定するID、施設名称、位置座標、ジャンル、住所等が記憶される。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)14は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の虚像生成処理プログラム(図4)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU14は、処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、車両情報取得手段は、車両2の挙動を取得する。対象物情報取得手段は、虚像を重畳させる対象となる対象物の挙動を取得する。補正手段は、車両2の挙動と対象物の挙動とに基づいて、乗員9から視認される対象物の今後の位置の変位を予測するとともに、予測された位置の変位に基づいて虚像の表示位置を補正する。重畳状態取得手段は、対象物と虚像の重畳状態を取得する。補正切換手段は、対象物と虚像の重畳状態に基づいて補正手段による補正の実施の有無を切り替える。
操作部15は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)を有する。そして、ナビゲーションECU14は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部15は液晶ディスプレイ16の前面に設けたタッチパネルを有していても良い。また、マイクと音声認識装置を有していても良い。
また、液晶ディスプレイ16には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、本実施形態では情報の表示手段としてHUD4を備えているので、上記地図画像等の表示をHUD4で行う構成とすれば液晶ディスプレイ16は省略しても良い。
また、スピーカ17は、ナビゲーションECU14からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
また、DVDドライブ18は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。尚、DVDドライブ18に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール19は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
次に、上記虚像表示装置1が有するHUD4の概略構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るHUD4の内部構成を示した図である。
図3に示すようにHUD4は、液晶ディスプレイ6と、凹面鏡7と、カバーガラス51と、制御回路部52と、CANインターフェース53とを基本的に有する。
ここで、液晶ディスプレイ6は光源としてバックライトを用い、前面に設けられた映像表示面に対して映像を表示する機能を有する映像表示装置である。バックライトとしては、例えばCCFL(冷陰極管)や白色LEDが用いられる。尚、映像を表示する手段としては、液晶ディスプレイ以外に、有機ELディスプレイ、プロジェクタとスクリーンの組み合わせ等を用いても良い。プロジェクタとスクリーンの組み合わせを用いた場合には、スクリーンが映像の表示される液晶表示面に相当する。
一方、凹面鏡7は、液晶ディスプレイ6に表示された映像を拡大して反射させて乗員9に視認させることによって、乗員9の前方に映像の虚像を生成する投影鏡である。尚、凹面鏡7としては、球面凹面鏡や、非球面凹面鏡、若しくは投影映像の歪みを補正するための自由曲面鏡が用いられる。尚、液晶ディスプレイ6に対して投射された映像は、凹面鏡7によって反射されるので、生成される虚像10は液晶ディスプレイ6に表示された映像と上下が反転した像となる。
また、カバーガラス51は、HUD4の上面に配置された透過性の板状部材である。そして、液晶ディスプレイ6に表示された映像は凹面鏡7によって反射され、カバーガラス51を介して乗員9に視認させる。尚、カバーガラス51としてはフレネルレンズを用いても良い。また、カバーガラス51としてフレネルレンズを用いる場合には、凹面鏡7の代わりに平面の鏡を用いることも可能である。
また、制御回路部52は、HUD4の全体の制御を行う電子制御ユニットである。ここで、制御回路部52は、演算装置及び制御装置としてのCPU、並びにCPUが各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM、制御用のプログラムのほか、虚像を生成する為の制御プログラム等が記録されたROM等の内部記憶装置を備えている。また、制御回路部52は、液晶ディスプレイ6と接続され、液晶ディスプレイ6の駆動制御を行う。
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース53は、車両内に設置された各種車載器や車両機器の制御装置間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、HUD4は、CANを介して、各種車載器や車両機器の制御装置(例えば、ナビゲーション装置3、AV装置等)と相互通信可能に接続される。それによって、HUD4は、ナビゲーション装置3やAV装置等から取得した情報を投影可能に構成する。
続いて、前記構成を有する虚像表示装置1の内、特にナビゲーション装置3において実行する虚像生成処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。ここで、虚像生成処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、車両2の乗員9に視認させる虚像10を、HUD4を用いて生成するプログラムである。尚、以下の図4及び図8にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置3が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
先ず、虚像生成処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、車両の進行方向前方に車両の乗員に対して警告対象となる対象物(以下、警告対象物という)があるか否か判定する。ここで、警告対象物は車両に乗車する乗員が注視すべき物とし、例えば他車両、歩行者、2輪車とする。尚、標識や信号機等の乗員が注視すべき他の物についても警告対象物に含めても良い。
また、車両の進行方向前方にある警告対象物の有無は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対してテンプレートマッチング等の画像処理を行うことによって検出しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて検出しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって取得しても良い。
そして、車両の進行方向前方に警告対象物があると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に警告対象物がないと判定された場合(S1:NO)には、当該虚像生成処理プログラムを終了する。
S2においてCPU41は、車両の進行方向前方にあると判定された警告対象物の具体的な位置を取得する。尚、警告対象物の位置は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対して画像処理を行うことによって取得しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて取得しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって取得しても良い。また、警告対象物の位置は絶対位置を取得しても良いし、乗員(自車両)に対する相対位置を取得しても良い。尚、警告対象物が複数ある場合には、複数の警告対象物の位置をそれぞれ取得する。
例えば以下ではフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対して画像処理を行うことによって警告対象物の位置を特定する方法について説明する。
先ず、CPU41は警告対象物のテンプレート画像のデータを生成する。例えば警告対象物が歩行者である場合には歩行者のテンプレート画像のデータを生成し、警告対象物が他車両である場合には車両のテンプレート画像のデータを生成し、フラッシュメモリ44等に格納する。尚、テンプレート画像のデータの生成方法については既に公知(例えば特開2011−223242号公報参照)であるので詳細は省略する。
そしてCPU41は、生成されたテンプレート画像を用いて、車両の進行方向前方にある警告対象物の位置をテンプレートマッチング処理により、当該虚像生成処理プログラムが終了するまで以後継続的に検出する。
具体的には、先ずテンプレートマッチング処理を行うための比較対象画像として、フロントカメラ11の撮像画像に対してターゲット画像を設定する。テンプレート画像の面積とターゲット画像の面積とは同一とする。
その後、CPU41は撮像画像内で警告対象物を探索する探索エリアを設定し、探索エリア内でターゲット画像を1画素ずつ或いは予め設定された所定画素ずつ移動させる一方で、移動後の各ターゲット画像とテンプレート画像との類似度を算出する。そして、CPU41は、探索エリア内で類似度が相対的に1番大きい条件を満たすターゲット画像の位置を警告対象物の移動先に特定する。具体的には、テンプレート画像とターゲット画像との各画素における差の和を算出し、差の和が小さいほど類似度が大きく、テンプレート画像とターゲット画像は類似していると判定する。
そして、CPU41は上記警告対象物の移動先の特定をフロントカメラ11で撮像した撮像画像の1フレーム毎に行うことによって、継続的に警告対象物の現在の位置を特定することが可能となる。
次に、S3においてCPU41は、HUD4に対して制御信号を送信し、HUD4の液晶ディスプレイ6に対して虚像10を生成する為の映像を出力する。例えば、本実施形態では警告対象物であることを示すアイコンの映像を出力する構成とする。尚、液晶ディスプレイ6における映像の表示位置は、映像に基づく虚像10を車両の乗員が視認した際に警告対象物と重複して虚像10が視認される位置とし、前記S2で取得された最新の警告対象物の位置に基づいて決定される。また、後述のように一定条件を満たした場合には、虚像10を警告対象物に重畳させる為の表示位置の補正処理についても行われる(S6)。
そして、前記S3において映像を出力することによって、図6に示すように車両の進行方向前方にある警告対象物61に重畳する虚像10が、車両の乗員から虚像生成距離L(例えば25m)離れた位置に視認されることとなる。その結果、乗員の視線を虚像10によって警告対象物61へと誘導し、警告対象物61をユーザに確実に視認させることが可能となる。尚、本実施形態では虚像生成距離Lは固定値とするが、例えば液晶ディスプレイ6を移動させることによって虚像生成距離Lを任意に変更可能にすることも可能である。また、虚像10の表示は、基本的に警告対象物がその後に車両の前方から消失するまで行われる。
また、警告対象物が複数ある場合には、基本的に乗員(自車両)に最も近い警告対象物のみを対象として虚像10が表示される。但し、複数の警告対象物のそれぞれに重畳して虚像10を表示しても良い。また、警告対象物の種類に基づいて虚像10を重畳させる警告対象物を選択しても良い。例えば、警告対象物として歩行者を含む場合には、歩行者を優先的に選択して虚像10を重畳させることが可能である。
次に、S4においてCPU41は、後述の補正実施判定処理(図8)を実行する。尚、補正実施判定処理は、後述のように警告対象物の今後の位置予測に基づく虚像の表示位置の補正処理を実施するか否かを判定する為の処理である。
続いて、S5においてCPU41は、前記S4の処理結果に基づいて虚像の表示位置の補正処理を実施するか否かを判定する。
そして、虚像の表示位置の補正処理を実施すると判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。それに対して、虚像の表示位置の補正処理を実施しないと判定された場合(S5:NO)には、S7へと移行する。
S6においてCPU41は、警告対象物の今後の位置予測に基づく虚像の表示位置の補正処理を開始する。尚、開始された補正処理は後述のS7において補正処理の機能がオフされるまで継続して実施される。
ここで、前記S6で実施される虚像の表示位置の補正処理について以下に説明する。
先ずCPU41は、乗員が乗車する自車両の挙動と虚像の重畳対象となる警告対象物の挙動とを取得する。尚、挙動としては特に移動速度と移動方向を取得し、自車両の移動速度や移動方向については車速センサ22やジャイロセンサ24等の各種センサを用いて取得する。一方、警告対象物の挙動については、上述したS2のテンプレートマッチング処理により現フレームにおいて特定した警告対象物の位置と、前フレームにおいて特定した警告対象物の位置とを比較して取得する。尚、ミリ波レーダ等のセンサを用いて取得しても良い。
続いてCPU41は、乗員が乗車する自車両の挙動と虚像の重畳対象となる警告対象物の挙動とに基づいて、乗員から視認される警告対象物の今後の位置の変位を予測する。具体的には、先ずCPU41は乗員から視認される警告対象物の移動方向と移動速度を示すベクトル(以下、移動ベクトルという)を算出する。
そしてCPU41は、算出した移動ベクトルから警告対象物の移動先を予測する。例えば、図6に示すように乗員から視認される警告対象物61が領域Gに位置する場合であって移動ベクトル62が特定できた場合には、警告対象物61は今後に領域Gから領域H、領域Iへと移動していくことが予測できる。そこで、CPU41は、領域Gの明るさの変化量を示すAE評価値と領域HのAE評価値との差分値を算出する。
その後、CPU41は、AE評価値の差分値に基づいてテンプレート画像の輝度レベルを補正する。そして、CPU41は、次フレームにおいて補正後のテンプレート画像を用いてテンプレートマッチング処理を行う。その結果、移動先として予測される方向のターゲット画像の輝度成分の変化に追随して、テンプレート画像の輝度成分を補正するので、テンプレートマッチング処理において警告対象物の検出精度を高めることができる。
なお、前記S6では警告対象物の移動ベクトルに基づいて探索エリアを狭める処理を行っても良い。その場合には、移動ベクトルに基づいて警告対象物の移動先を推定し、探索エリアを狭めることができる。
前記S6の虚像の表示位置の補正処理を行うことによって、図7に示すように乗員から視認した警告対象物61の位置が変位した場合であっても、警告対象物61の今後の位置予測に基づく虚像10の表示位置の補正が行われるので、虚像10の位置が警告対象物61の位置から大きくズレることなく、警告対象物61にできる限り重畳させた状態で虚像10を乗員に視認させることが可能となる。
一方、S7においてCPU41は、前記S6で開始された警告対象物の今後の位置予測に基づく虚像の表示位置の補正処理を終了する。虚像の表示位置の補正処理を行わないと、乗員から視認した警告対象物61の位置が変位した場合に虚像10の位置と警告対象物61の位置との間にズレを生じさせる虞はあるが、一方で虚像の表示位置のチャタリング(ブレ、ガタつき、揺れ等)の発生は防止できる。その後、S1へと戻る。
次に、前記S4において実行される補正実施判定処理のサブ処理について図8に基づき説明する。図8は補正実施判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S11においてCPU41は、前記S2において特定された警告対象物の位置を読み出す。尚、警告対象物が複数ある場合には各警告対象物の位置について読み出す。
次に、S12においてCPU41は、虚像10の重畳対象となる警告対象物の周囲(例えば5m以内)に他の警告対象物があるか否かを判定する。尚、本実施形態では、警告対象物が複数ある場合には基本的に乗員(自車両)に最も近い警告対象物のみを対象として虚像10が表示される。従って、乗員(自車両)に最も近い警告対象物以外の警告対象物が他の警告対象物となる。
そして、虚像10の重畳対象となる警告対象物の周囲に他の警告対象物があると判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。それに対して、虚像10の重畳対象となる警告対象物の周囲に他の警告対象物が無いと判定された場合(S12:NO)には、S16へと移行する。
S13においてCPU41は、虚像10の重畳対象となる警告対象物と虚像10との重畳状態を取得し、虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が50%以上か否かを判定する。尚、警告対象物と虚像10との重畳状態(より具体的には虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合)は、前記S2で特定した警告対象物の現在位置、該警告対象物の形状、液晶ディスプレイ6に対する映像の表示位置に基づいて算出される。また、前記S13の判定基準となる閾値は適宜変更することが可能であり、例えば40%や60%としても良い。但し、判定基準の閾値は後述のS16よりは高く設定する。
そして、虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が50%以上であると判定された場合(S13:YES)には、虚像10の表示位置の補正処理は行わないと判定する(S14)。それに対して、虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が50%未満(重畳していない場合も含む)と判定された場合(S13:NO)には、虚像10の表示位置の補正処理を行うと判定する(S15)。その後、S5へと移行し、前記S14又はS15の判定結果に基づいて虚像10の表示位置の補正処理の実施の有無を切り替える。
ここで、図9に示すように虚像10の重畳対象となる警告対象物61の周囲に他の警告対象物65が存在する場合であっても、警告対象物61と虚像10の重畳度合いが高い場合(具体的には虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が50%以上)については、現時点において虚像10によって警告対象となるのが警告対象物65でなく警告対象物61であることを乗員9は明確に把握することが可能となる。従って、そのような場合については、虚像の表示位置の補正処理を実施しないことにより虚像の表示位置のチャタリングの発生について防止することが可能となる。
一方で、図10に示すように虚像10の重畳対象となる警告対象物61の周囲に他の警告対象物65が存在する場合であって、警告対象物61と虚像10の重畳度合いが低い場合(具体的には虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が50%未満)については、虚像10によって警告対象となるのが警告対象物61であるか警告対象物65であるかを乗員9が明確に把握できない虞がある。従って、そのような場合については、虚像の表示位置の補正処理を実施することによって虚像10の表示位置を警告対象物61に重畳させることを優先する。
また、S16においてCPU41は、虚像10の重畳対象となる警告対象物と虚像10との重畳状態を取得し、虚像10の少なくとも一部が、警告対象物に対して重畳するか否か(即ち虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が0%より大きいか否か)を判定する。尚、警告対象物と虚像10との重畳状態は、前記S13と同様に前記S2で特定した警告対象物の現在位置、該警告対象物の形状、液晶ディスプレイ6に対する映像の表示位置に基づいて算出される。尚、前記S16では虚像10の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合が所定割合以上か否かを判定しても良い。但し、所定割合は前記S13よりも低い値とする。
そして、虚像10の少なくとも一部が、警告対象物に対して重畳すると判定された場合(S16:YES)には、虚像10の表示位置の補正処理は行わないと判定する(S17)。それに対して、虚像10が警告対象物に対して重畳していないと判定された場合(S16:NO)には、虚像10の表示位置の補正処理を行うと判定する(S18)。その後、S5へと移行し、前記S17又はS18の判定結果に基づいて虚像10の表示位置の補正処理の実施の有無を切り替える。
ここで、図11に示すように虚像10の重畳対象となる警告対象物61の周囲に他の警告対象物が存在しない場合には、警告対象物61と虚像10の重畳度合いが低くても僅かでも重複していれば、虚像10によって警告対象となるのが警告対象物61であることを乗員9は把握することが可能となる。従って、そのような場合については、虚像の表示位置の補正処理を実施しないことにより虚像の表示位置のチャタリングの発生について防止することが可能となる。
一方で、図12に示すように虚像10の重畳対象となる警告対象物61の周囲に他の警告対象物が存在しない場合であっても、警告対象物61と虚像10が重複していない場合については、虚像10によって警告対象となるのが警告対象物61であるかを乗員9が明確に把握できない虞がある。従って、そのような場合については、虚像の表示位置の補正処理を実施することによって虚像10の表示位置を警告対象物61に重畳させることを優先する。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る虚像表示装置1、虚像表示装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、虚像10を乗員9の視線前方にある警告対象物61に重畳させて視認させるとともに、乗員9が乗車する車両の挙動と警告対象物の挙動とに基づいて、乗員9から視認される警告対象物61の今後の位置の変位を予測し、予測された位置の変位に基づいて虚像10の表示位置を補正する(S6)。また、警告対象物61と虚像10の重畳状態を取得し(S13、S16)、警告対象物61と虚像10の重畳状態に基づいて補正の実施の有無を切り替える(S14、S15、S17、S18)ので、虚像10の表示位置の補正を行うことによって虚像10を警告対象物に適切に重畳させて車両の乗員に視認させることが可能となる一方で、警告対象物と虚像10の重畳状態に基づいて補正の実施の有無を切り替えることにより、補正の実施を必要最低限に抑え、虚像10の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではHUD4によって車両2のフロントウィンドウ8の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ8以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD4により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ8自身ではなくフロントウィンドウ8の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では、車両2に対して虚像表示装置1を設置する構成としているが、車両2以外の移動体に設置する構成としても良い。例えば、船舶や航空機等に対して設置することも可能である。また、アミューズメント施設に設置されるライド型アトラクションに設置しても良い。その場合には、ライドの周囲に虚像を生成し、ライドの乗員に対して虚像を視認させることが可能となる。
また、本実施形態では、周辺環境に重畳させて乗員9に視認させることにより案内を行う虚像10として、警告対象物の警告を行うアイコンの虚像を表示しているが、表示する虚像は他の虚像としても良い。例えば、矢印の虚像、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ画面等でも良い。
また、本実施形態では、乗員に警告対象となる警告対象物に対して虚像を重畳させることとしているが、虚像を重畳する対象となる対象物は警告対象物以外であっても良い。例えば、路面、施設等でも良い。
また、本実施形態では、警告対象物の周囲に他の警告対象物がある場合には、他の警告対象物がない場合よりも重畳度合いの判定の閾値が高く設定されているが、他の警告対象物以外の対象物(例えば路面、施設)等が警告対象物の周囲にある場合においても重畳度合いの判定の閾値を高く設定しても良い。
また、本実施形態では、S4の補正実施判定処理において警告対象物と虚像の重畳状態(重畳度合い)を示すパラメータとして、特に虚像の全体の内、警告対象物に対して重畳する割合を算出しているが、警告対象物と虚像の重畳状態を示すパラメータであれば他のパラメータを算出しても良い。例えば、警告対象物の全体の内、虚像に対して重畳する割合を算出しても良い。また、警告対象物と虚像が連続して重畳している時間を算出しても良い。
また、本実施形態では、虚像生成処理プログラム(図4)の処理をナビゲーション装置3のナビゲーションECU14が実行する構成としているが、実行主体は適宜変更することが可能である。例えば、HUD4の制御部、車両制御ECU20、その他の車載器が実行する構成としても良い。尚、HUD4の制御部が実行する場合には、本発明に係る虚像表示装置はHUD4のみで構成することも可能である。
また、本発明に係る虚像表示装置を具体化した実施例について上記に説明したが、虚像表示装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両(2)に搭載され、映像表示面(5)に表示された映像を車両の乗員(9)に視認させることによって、前記映像の虚像(10)を前記乗員の視線前方にある対象物(61)に重畳させて視認させる虚像表示装置(1)であって、前記車両の挙動を取得する車両情報取得手段(41)と、前記対象物の挙動を取得する対象物情報取得手段(41)と、前記車両の挙動と前記対象物の挙動とに基づいて、前記乗員から視認される前記対象物の今後の位置の変位を予測するとともに、予測された位置の変位に基づいて虚像の表示位置を補正する補正手段(41)と、前記対象物と前記虚像の重畳状態を取得する重畳状態取得手段(41)と、前記対象物と前記虚像の重畳状態に基づいて前記補正手段による補正の実施の有無を切り替える補正切換手段(41)と、を有する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像の表示位置の補正を行うことによって虚像を対象物に適切に重畳させて車両の乗員に視認させることが可能となる一方で、対象物と虚像の重畳状態に基づいて補正の実施の有無を切り替えることにより、補正の実施を必要最低限に抑え、虚像の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記対象物(61)と前記虚像(10)の重畳の度合いが閾値未満の場合に前記補正手段(41)による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値以上の場合に前記補正手段による補正を実施しない。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像と対象物との対応関係が明確であり、特に補正の実施が必須でない状況では補正の実施を行わないことにより、虚像の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記対象物(61)の周囲に前記虚像(10)の重畳対象となる他の対象物(65)がある場合には、前記対象物の周囲に前記他の対象物がない場合よりも前記閾値を高く設定する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像と対象物との対応関係が分かり難い状況では、補正をできる限り実施することにより、虚像と対象物との対応関係が乗員によって誤認されることを防止することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記対象物(61)と前記虚像(10)が重畳していない場合に前記補正手段(41)による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の少なくとも一部が重畳している場合に前記補正手段による補正を実施しない。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像と対象物との対応関係が明確であり、特に補正の実施が必須でない状況では補正の実施を行わないことにより、虚像の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記虚像(10)の全体の内、前記対象物(61)に対して重畳する割合が所定割合未満の場合に前記補正手段(41)による補正を実施する一方で、所定割合以上の場合に前記補正手段による補正を実施しない。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像と対象物との対応関係が明確であり、特に補正の実施が必須でない状況では補正の実施を行わないことにより、虚像の表示位置のチャタリングの発生についてできる限り減少させることが可能となる。
1 虚像表示装置
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 HUD
6 液晶ディスプレイ
8 フロントウィンドウ
10 虚像
14 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61 警告対象物
65 他の警告対象物

Claims (5)

  1. 車両に搭載され、映像表示面に表示された映像を前記車両の乗員に視認させることによって、前記映像の虚像を前記乗員の視線前方にある対象物に重畳させて視認させる虚像表示装置であって、
    前記車両の挙動を取得する車両情報取得手段と、
    前記対象物の挙動を取得する対象物情報取得手段と、
    前記車両の挙動と前記対象物の挙動とに基づいて、前記乗員から視認される前記対象物の今後の位置の変位を予測するとともに、予測された位置の変位に基づいて虚像の表示位置を補正する補正手段と、
    前記対象物と前記虚像の重畳状態を取得する重畳状態取得手段と、
    前記対象物と前記虚像の重畳状態に基づいて前記補正手段による補正の実施の有無を切り替える補正切換手段と、を有し、
    前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値未満の場合に前記補正手段による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値以上の場合に前記補正手段による補正を実施しない虚像表示装置。
  2. 前記対象物の周囲に前記虚像の重畳対象となる他の対象物がある場合には、前記対象物の周囲に前記他の対象物がない場合よりも前記閾値を高く設定する請求項に記載の虚像表示装置。
  3. 前記対象物と前記虚像が重畳していない場合に前記補正手段による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の少なくとも一部が重畳している場合に前記補正手段による補正を実施しない請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記虚像の全体の内、前記対象物に対して重畳する割合が所定割合未満の場合に前記補正手段による補正を実施する一方で、所定割合以上の場合に前記補正手段による補正を実施しない請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  5. 車両に搭載され、映像表示面に表示された映像を前記車両の乗員に視認させることによって、前記映像の虚像を前記乗員の視線前方にある対象物に重畳させて視認させるコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記車両の挙動を取得する車両情報取得手段と、
    前記対象物の挙動を取得する対象物情報取得手段と、
    前記車両の挙動と前記対象物の挙動とに基づいて、前記乗員から視認される前記対象物の今後の位置の変位を予測するとともに、予測された位置の変位に基づいて虚像の表示位置を補正する補正手段と、
    前記対象物と前記虚像の重畳状態を取得する重畳状態取得手段と、
    前記対象物と前記虚像の重畳状態に基づいて前記補正手段による補正の実施の有無を切り替える補正切換手段と、
    して機能させるとともに、
    前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値未満の場合に前記補正手段による補正を実施する一方で、前記対象物と前記虚像の重畳の度合いが閾値以上の場合に前記補正手段による補正を実施しないコンピュータプログラム
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