本発明は、エリアセンサを解像度の低い動画撮影機能で動作させ、動画撮影された画像データに対して印刷する画像領域を計算し、印刷画像領域と読取結果の画像を画像投影装置から投影することが特徴になっている。以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の内部構成の概略を示す図である。同図において、画像形成装置100は、スキャナ101、画像読取装置(以下、ドキュメントスキャナと称す。)102、給紙部103、画像形成装置本体104および操作部114から基本的に構成されている。
画像形成装置本体104内には、タンデム方式の作像部105、レジストローラ108、光書き込み装置109、定着部110および両面トレイ111が設けられている。レジストローラ108は作像部105に給紙部103から搬送路107を介して記録紙を供給するためのもので、転写する中間転写ベルト113上の画像と記録紙の画像形成位置とのタイミングを合わせて作像部105側に記録紙を搬送する。作像部105には、YMCK4色に対応して4本の感光体ドラム112が並設され、各感光体ドラム112の回りは帯電器、現像器106、転写器、クリーナ、および除電器を含む作像要素が配置されている。また、転写器と感光体ドラム112との間には両者のニップに挟持された状態で駆動ローラと従動ローラとの間に張架された前記中間転写ベルト113が配置されている。
このように構成されたタンデム方式の画像形成装置では、YMCKの色毎に各色に対応する感光体ドラム112に光書き込みを行い、現像器106で各色のトナー毎に現像し、中間転写ベルト113上に例えばY,M,C,Kの順で1次転写する。そして、4色重畳されたフルカラーの1次転写された画像を給紙部103から搬送路107を介して搬送されてきた記録紙に2次転写した後、定着部110で定着する。定着部110で画像が定着された記録紙は、定着部110の搬送装置により搬送され、排紙トレイ上に排紙される。このような一連の動作によりフルカラーの画像が記録紙上に形成される。
図2は図1におけるドキュメントスキャナの詳細を示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)はドキュメントスキャナの照明装置を矢印A方向(下面側)から見た図である。
ドキュメントスキャナ102は、エリアセンサ(撮像装置)201、原稿を照らす照明装置205、原稿250を載置する原稿台203、エリアセンサ201と照明装置205を支持する支持部204、および投影装置206を備えている。原稿台203の原稿を載置する領域には、例えば後述の図10に示すように最大原稿サイズより大きな黒く色付けされた原稿載置領域が設定されている。なお、特に符号は付していないが、原稿載置領域には中央を通る十字の白線が引かれ、領域をさらに4つに分割している。
図2の例では、原稿台203に対して上向きに原稿250をセットして、その上方に位置するエリアセンサ201を用いて原稿スキャンを実施する。したがってエリアセンサ201が原稿の上方に位置し、原稿250を撮像する撮像手段として機能する。このような形態のドキュメントスキャナ102では読取画像に室内照明の写り込みや、撮影者自身の影の写り込み(以後、外来影響)が発生する。そこで、本実施形態に係るドキュメントスキャナ102では、これらの外来影響を抑制する照明装置205が装備されている。照明装置205は、本実施形態では、複数のLED202をエリアセンサ201の両側の長手方向に2列平行に配置してLED照明としている。照明装置205はユーザのスキャン指示にあわせて点灯・消灯を行う。
ユーザは原稿台203に原稿250をセットして、スキャンしたいページを開き、操作部114のスタートボタンを押下することにより、照明装置205が点灯し、原稿スキャンが行われる。その後、ユーザがページをめくり、操作部114のスタートボタン押下を繰り返すことにより、連続スキャンを実現する。また、操作部114からの選択動作により、スキャン後の読取画像データについて紙出力を実行すること、あるいは図示しないUSBメモリなどの記憶装置へのデータ出力を選択実行することが可能である。また、投影装置206は、エリアセンサ201の前側に並設され、印刷用紙の範囲である枠画像あるいは読み取った後の印刷する画像の結果を原稿台203側に投影し、ユーザに枠画像および読取画像の情報を提示する。
図3は図1の画像形成装置のハード構成を示すブロック図である。同図において、画像形成装置は画像形成装置本体104とドキュメントスキャナ102とを備えた構成となっている。
ドキュメントスキャナ102は、制御デバイス301、記憶装置302、制御インターフェース(以下、I/Fと称する。)303、画像I/F304、エリアセンサ201、照明装置205および投影装置206を含む。
制御デバイス301は、エリアセンサ201、照明装置205および投影装置206など各種デバイスの制御および画像処理を行う。記憶装置302は例えば画像データなどの大容量のデータを読み書き可能に保持するHDD(ハードディスク装置)などの大容量メモリからなる。制御I/F303は画像形成装置本体104との間で制御指示の遣り取りを行うインターフェースである。画像I/F304は画像形成装置本体104との間で画像データを遣り取りするインターフェースである。
制御デバイス301は、CPU301a、ROM301b、RAM301c、NV−RAM301dの各モジュールを含む。ROM(Read Only Memory、以下、同様。)301bは、ドキュメントスキャナ102内でのデータの管理および周辺モジュールを制御するためのプログラムを格納している。CPU(Central Processing Unit、以下、同様。)301aはROM301bに格納されたプログラムの手順にしたがって所定の処理を実行する。RAM(Random Access Memory、以下、同様。)301cは、CPU301aが処理するときのワークメモリであり、エリアセンサ201からのデータを一時記憶するバッファおよびバッファに記憶されたデータを処理するメモリ等に使われる。NV−RAM301dは、電源を切っても保持したいデータを格納しておくための不揮発性RAMである。
画像形成装置本体104は、本体制御コントローラ210、画像処理デバイス220および本体制御デバイス230を含む。本体制御コントローラ210、画像処理デバイス220および本体制御デバイス230は、制御デバイス301と同様にCPU210a,220a,230a、ROM210b,220b,230c、RAM210c,220c,220c、NV−RAM210d,220d,230dを備えている。これらの各制御要素の機能は制御デバイス301の制御要素と同様である。なお、制御デバイス301、画像処理デバイス220、本体制御デバイス230は必要に応じて所望の部分をASIC(application specific integrated circuit)に置き換えることもできる。また、本体制御コントローラ210は、外部と通信を行うための通信部211を備えている。
画像形成装置本体104には、前記作像部105などの作像要素からなるプリンタエンジン215が含まれ、画像処理デバイス220はプリンタエンジン215を制御して記録紙に画像を形成させる。そのため、CPU220aとバス接続されたエンジンI/F221を備え、エンジンI/F221を介してプリンタエンジン215を制御する信号を送信し、プリンタエンジン215側から画像形成に必要各部の情報を受信する。また、画像形成のための情報およびプログラムを保持するための記憶装置としてHDD222を備えている。
画像形成装置本体104には、ユーザI/Fとして操作部114と操作表示部(図では、単に表示部と記載)232が設けられ、操作部I/F231と表示部I/F233を介して本体制御デバイス230と通信可能に接続されている。
図4は図2における投影装置206の動作イメージを示す図である。投影装置206はエリアセンサ201で読み取った画像データと給紙部103の用紙の設置情報および操作部114のユーザ操作結果に基づき、原稿台203に対して枠画像501aを投影する。枠画像501aは、前記設置情報およびユーザ操作結果に基づいて算出された、給紙用紙の印刷サイズ枠、あるいは読み取った画像データと給紙用紙の印刷サイズ枠である。このように枠画像501aを投影することにより、印刷出力される状態をユーザに通知する。
図5は図4に印刷領域を示す枠の投影を行うためのドキュメントスキャナの機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置本体104は、原稿用紙指示部509、給紙用紙検知部511および用紙情報生成部510の各機能部を含む。給紙用紙検知部511は給紙部103の給紙トレイ103aに搭載された用紙サイズと向きを検出する機能を備えている。用紙情報生成部510は、ユーザが原稿用紙指示部509から指定した原稿用紙サイズと、給紙用紙検知部511で検知された用紙サイズと向きとから用紙情報を生成し、ドキュメントスキャナ102側に送る。なお、図のブロックでは「部」は省略している(以下、同様。)。
具体的には、原稿用紙指示部509は操作部114において液晶画面に表示される「A4横」、「A4縦」あるいは「A3」などの用紙サイズを操作部114の操作画面からユーザがサイズを選択することにより原稿の用紙サイズの情報を作成する。
給紙用紙検知部511は給紙部103の給紙トレイ103aに設置された、例えば、エンドフェンス511aとサイドフェンス511bの位置を検出して、用紙サイズを検知する。詳細は図8を参照して後述する。なお、給紙用紙検知部511は給紙部103の給紙トレイ103a内部に例えば複数の反射型センサを設置し、給紙トレイ103aを閉めたときに用紙のサイズと向きをセンサの光の反射によって検知するように構成することもできる。また、給紙用紙検知部511は、前記位置を検出した結果として入力された給紙用紙情報から給紙用紙のサイズを判断する給紙用紙サイズ判断手段として機能する。
検出された結果は第1トレイが「A4縦」、第2トレイが「A4横」など画像形成装置100の保有する給紙トレイ103aの数に応じて、情報が検出され作成される。
操作部114でユーザにより用紙サイズが「A3」と指示された場合、原稿用紙指示部509からは「A3」という情報が用紙情報生成部510に入力される。また、給紙用紙検知部511から、全ての給紙トレイ103aの情報が用紙情報生成部510へ入力される。入力される全ての給紙トレイ103aの情報は、例えば、第1給紙トレイ:「A4縦」、第2給紙トレイ:「A4横」、第3給紙トレイ:「A3横」、第4給紙トレイ:「A4縦」のように4段給紙トレイの場合には4つの情報である。
用紙情報生成部510では原稿用紙指示部509から入力された「A3」という情報に対して、また、給紙用紙検知部511から入力された情報に対して、以下の2点の情報が生成され、給紙用紙情報としてドキュメントスキャナ102に入力される。
(1) 最大の給紙トレイ情報 → 第3給紙トレイ:「A3横」
(2) 選択された原稿用紙指示に対する対応給紙トレイ情報 → 第3給紙トレイ:「A3横」
ここで、原稿用紙指示部509で「A4縦」等が選択された場合には、(2)の情報が変更される。
ドキュメントスキャナ102は、画像投影部501、投影画像生成部502、枠画像生成部503、枠位置算出部504、画像入力部505、フォーマット変換部506、画像サイズ情報生成部507および枠サイズ算出部508の各機能部を含む。
画像入力部505はエリアセンサ201から入力された画像データを受け取り、記憶装置302に画像データを格納する。フォーマット変換部506は入力された画像データに対して、RGBフォーマット以外であった場合に、RGBフォーマットへと変換を行う。一例として、YCbCr422フォーマットの画像に対して、一般的な計算を行い、RGB888フォーマットの画像データへと変換を行うような計算処理を行う。
画像サイズ情報生成部507はフォーマット変換部506で変換された画像データに対して、エリアセンサ201の解像度とあわせて画像サイズ情報を生成する。本実施形態では固定の画像サイズ情報の場合について説明するが、エリアセンサ201がズーム機能などの拡大縮小機能を備えている場合、あるいは支持部204が可動の場合(伸縮する場合)などについては、画像サイズが変化する。そのような場合には、画像サイズ情報生成部507は画像サイズの変化に合わせて画像サイズ情報を生成する。
ドキュメントスキャナ102は、用紙情報生成部510から用紙情報を受け取った後、その用紙情報を枠サイズ算出部508へと送る。枠サイズ算出部508は用紙情報生成部510から受け取った用紙情報と画像サイズ情報生成部507によって生成された画像サイズ情報を受け取り、投影に使用する枠のサイズを算出する。
ここで、ドキュメントスキャナ102は画像投影部501の解像度と投影サイズ情報を持っている。これに対して、枠サイズ算出部508は用紙情報生成部510から入力された情報および画像サイズ情報生成部507から入力された画像サイズ情報を比較して、枠画像サイズの算出を行う。
原稿台203の位置に対して投影サイズが1024x768画素で横450mmx縦300mmとし、給紙トレイ「A3横」の場合について説明する。
最大の給紙用紙のサイズ情報が「A3横」なので、
A3用紙サイズ → 縦297x横420(mm)
投影サイズ → 縦300x横450(mm)
縦の割合 → 297/300=0.99≒0.9(投影内に収めるため、小数点第2以下切捨て)
横の割合 → 420/450=0.93≒0.9(投影内に収めるため、小数点第2以下切捨て)
縦、横の割合のうち最小のもの → 0.9
以上から、原稿の最大投影サイズは
縦:768x0.9=690(画素)
横:1024x0.9=920(画素)
となる。
この原稿の最大投影サイズに対応して枠画像のサイズが決定される。枠画像はA3横のため、縦690x横920(画素)となる。また、「A4縦」の場合には横幅が半分となるため、枠画像は縦690x横460(画素)となる。
枠サイズ算出部508で枠画像のサイズが算出された後、そのサイズ情報は枠位置算出部504と枠画像生成部503に枠画像サイズ情報として送られる。
枠位置算出部504では送られてきた枠画像サイズ情報から以下のようにして枠位置を算出する。
投影画像データの解像度が縦768x横1024(画素)であり、枠画像サイズが縦690x横920(画素)とした場合、横方向については
1024−920=104
が枠画像の外の部分となり、
104/2=52
が片側の枠画像の外となる。そのため、52画素目が枠画像501aの左側となる。同様に縦方向は(768−690)/2=39が枠画像501aの片側の外となり、39ライン目が枠画像501aの上側となる。そこで、上から39ライン目、左から52画素目が枠画像501aの左上として枠位置を算出し、枠位置情報を生成し、枠画像生成部503へ送る。この状態を図6に示す。図6は算出された枠位置の状態を示す図である。
枠画像生成部503では送られてきた枠画像サイズ情報と枠位置情報から投影用の画像を生成する。本実施形態では、縦768x横1024画素の画像データに対して、
左上位置:(縦、横)=(39、52)
右下位置:(縦、横)=(729、972)
となるように画像データとして四角の枠を描画する。その際の線の太さは解像度と投影サイズに合わせて変更するが、ここでは1画素分として説明する。また、線の色についてもここでは赤色を例として説明する。
画像データとしてはまずは背景を原稿台の色と同じ黒色として描画し、その背景の上に上記の座標にあわせて赤色の線を描画する。これによって、枠画像データを生成することができる。
投影画像生成部502では以下の2つの機能を切り替えて実施する。
(1)原稿読取前は画像入力部505からの画像データと枠画像データを合成した合成画像データを投影する。
(2)原稿読取後(スタートキー押下)は枠画像データと印刷画像とを合成した画像データを投影する。この場合、操作部114でプレビュー機能などによりユーザが選択可能に構成することもできる。
したがって、枠画像生成部503が前記撮像手段から出力された画像信号に対して、前記判断した用紙サイズを枠画像として生成する枠画像生成手段として機能する。また、投影画像生成部502が前記撮像手段から出力される画像信号に前記枠画像生成手段で生成した枠画像を合成する画像合成手段として機能し、画像投影部501が画像合成手段によって合成された画像を投影する投影手段として機能する。
画像投影部501は、このようにして投影画像生成部502で生成されたいずれかの合成画像データによる画像を原稿台203に向けて投影する。
ユーザがスタートキーなどの印刷開始指示を行った場合には、エリアセンサ201で印刷画像を取得する。その際、画像投影部501から投影している画像については撮影する瞬間のみ投影する処理を停止し、撮影後、再度投影を実施することで、原稿以外の情報が撮影画像に写りこむことを防止する。
図7は図5に示したドキュメントスキャナ102のCPU301aが実行する制御手順を示すフローチャートである。
画像形成装置100は電源投入後、ユーザの操作待ち状態となる。ユーザが操作部114に対して、ドキュメントスキャナモードを選択することで、本フローチャートの動作が
開始される。それ以外のモードとして、通常のコピーモードあるいはスキャナモードなどがあるが、ここでは既知の技術のため、割愛する。
STARTでは、画像形成装置100は電源投入後、ユーザの操作待ち状態となる。
ユーザが操作部114に対して、ドキュメントスキャナモードを選択したときに以下の処理が開始される(S101)。それまで、ドキュメントスキャナモードの選択待ちとなる。
ドキュメントスキャナモードが選択されると、エリアセンサ201は、定期的に画像取得を行う動画モードにて動作する(S102)。エリアセンサ201は、解像度の低い動画モード(動画撮影機能)で動作させ、読み取った動画データを定期的に記憶装置302に撮影画像データとして保存する(S103)。その際、フォーマット変換部506が画像データのフォーマット変換を行う。
画像サイズ情報生成部507は、記憶装置302に保存した撮影画像データから画像サイズ情報を取得する(S104)。そして、操作部114に対して原稿サイズをユーザが指定しているか否かを確認する(S105)。原稿サイズの指定が完了していない場合、完了まで待ち、原稿サイズの指定が完了すると、次のステップへ進む。
用紙情報生成部510は、原稿用紙指示部509で選択された原稿用紙のサイズ情報と給紙トレイ103aにセットされた用紙情報を検知する給紙用紙検知部511から原稿と用紙のサイズと向き情報をそれぞれ取得し、用紙情報を生成する(S106)。
枠サイズ算出部508は、用紙情報生成部510から用紙情報を取得し、さらに画像サイズ情報生成部507から画像サイズ情報を取得し、投影に使用する枠のサイズを算出して枠画像サイズ情報を生成する(S107)。
枠位置算出部504は、枠サイズ算出部508から枠画像サイズ情報を取得し、さらに画像サイズ情報生成部507から画像サイズ情報を取得し、投影に使用する枠の位置を算出して枠位置情報を生成する(S108)。
枠画像生成部503は、枠サイズ算出部508から枠画像サイズ情報を取得し、さらに枠位置算出部504から枠位置情報を取得して投影に使用する枠画像データを生成する(S109)。
投影画像生成部502は、枠画像生成部503から枠画像データを取得し、さらにフォーマット変換部506が記憶装置302に保存した撮影画像データを取得する。そして、枠画像データと撮影画像データを合成した合成画像データを生成し、画像投影部501に送る(S110)。
画像投影部501は受け取った画像データに基づく画像(枠画像)を原稿台203に向けて投影する(S111)。すなわち、画像投影部501は枠画像の投影を開始する。次いで、印刷開始のスタートキーあるいはそれと同じ意味合いのキーの押下を待つ(S112)。そして、スタートキーが押下されると(S112:Yes)、操作部114で印刷結果のプレビュー表示機能を有効としているか否かを判断する(S113)。
この判断で、印刷結果のプレビュー表示機能を有効としている場合(S113:Yes)には、印刷用の撮影を実施し、制御デバイス301にて印刷時に行う処理を入力画像データに行い、投影データとして作成する。そして、その作成した画像データに対して、枠画像を付与し、両者を合成した画像を原稿台203に投影する(S114)。
この状態で、ユーザの再度のスタートキー押下を待つ(S115)。ここでは表示にOKなどのキーを搭載して、スタートキーの代替としても良い。そして、スタートキーが押下されると(S115:Yes)、画像形成装置本体104で印刷を実施する。一方、S113でプレビュー表示機能を使用しない場合には、スタートキーの押下1回で印刷を実施する(S117)。
図8は給紙トレイにおける用紙のセット状態と枠投影の関係を示す図である。
給紙用紙検知部511は給紙部103の給紙トレイ103aに設置され、給紙トレイ103aに積載された用紙のサイズと方向を検知する機能部である。本実施形態では、例えば、エンドフェンス511aとサイドフェンス511bの位置を検出して、用紙サイズを確定する機能を備えている。例えば、A3用紙を搭載した場合には用紙の方向が固定なためエンドフェンスおよびサイドフェンスは図8(a)に示すように用紙の大きさに合わせてセットすることとなる。A4用紙の場合には横方向か縦方向の2種類に用紙を搭載できるため、その方向にあわせてエンドフェンス511aあるいはサイドフェンス511bが短くなり、用紙の方向を検知することができる。図8(b)はA4縦、図8(c)はA4横の場合を示している。
図8では、エンドフェンス511aの位置を検出する図示しない検出装置(センサ)およびサイドフェンス511bの位置を検出する図示しない検出装置(センサ)を備え、前記各位置をそれぞれ検出装置(センサ)で検出し、その検出情報に基づいて表示する枠画像501aを枠画像生成部503で生成する。サイドフェンス511bの位置情報は枠画像501aの縦方向の長さと連動し、エンドフェンス511aの位置情報は枠画像501aの横方向の長さと連動する。また、原稿サイズに対して、サイドフェンス511bあるいはエンドフェンス511aの位置が定型の原稿サイズとずれている場合には、給紙トレイ103aのセット状態に問題があるため、画像形成装置本体104の表示部232に給紙トレイ103aでの用紙のセットを再度やり直す指示などの警告を表示するようにする。
なお、図8では、左側の縦並びが給紙トレイ103aの状態の例を、中央の縦並びが枠画像501aの投影の例を、右側の縦並びが動画投影の例を、それぞれ示す。
図9は、図5の構成に原稿検知/枠検知部701を追加し、枠画像に対する原稿位置の検知を行う機能構成を示すブロック図である。
原稿検知/枠検知部701は、画像入力部305から入力された撮影画像データに対して投影を行っている枠画像の検出と原稿がその枠画像に対してどの位置にあるか、また正常に印刷できる撮影状態にあるかを判定する機能部である。原稿検知/枠検知部701は前記原稿の載置位置を検知する原稿検知手段として機能する。原稿検知/枠検知部701は制御デバイス301のCPU301aにプログラムにより設定されており、ソフトウェアによって構成された機能部である。その他、各部および各部の機能は図5の各部と同一なので、重複する説明は省略する。
図10は原稿検知/枠検知部701における原稿検知の判定方法を示す説明図である。(a)は画像データの領域分割を示す図、(b)は原稿なしの状態を示す図、(c)は原稿ズレ1の状態を示す図、(d)は原稿ズレ2を示す図、(e)は原稿OK判定1を示す図、(f)は原稿OK判定2を示す図、(g)は原稿OK判定3を示す図である。
原稿検知/枠検知部701は、図10(a)に示すように、表示する画像データを第1の領域(1)〜第4の領域(4)の4つの領域に分割して画像検出を行う。その際、本実施形態では、第1の領域(1)〜第4の領域(4)において枠画像501aの外と内を別の領域として画像検出を実施する。つまり、第1の領域(1)外、第1の領域(1)内、・・・というように領域を8分割する。
まず、表示画像データに対して、第1の領域(1)内の枠画像501aに隣接した画素に対して、カラー情報が黒か否かを判断する。第1の領域(1)内の枠画像501aの下側((1)−1)の画素のカラー情報が「黒」の場合は、枠内上側に原稿250がないと判定する。また、第1の領域(1)内の枠画像501aの左側((1)−2)の画素のカラー情報が「黒」の場合には枠内右側に原稿250がないと判定する。なお、ここでいう「黒」を図面では濃い網点で示している。なお、「黒」の領域305aは、前述のように予めドキュメントスキャナ102の原稿台203上に設けられた原稿載置領域であり、画像入力部305からの入力画像データに含まれ、原稿位置判断に使用される。
同様に第2の領域(2)内についても判定を行い、上側((2)−1)と左側((2)−2)に原稿250がないか判定し、第3の領域(3)内は右側((3)−2)と下側((3)−1)について、第4の領域(4)内は左側((4)−2)と下側((4)−1)について、それぞれ判定する。
図10(b)の状態では第1の領域(1)内〜第4の領域(4)内の前記判定した領域の画素のカラー情報に「黒」が検出される。そこで、この状態のときには、枠画像501a周辺には原稿250がないと判定する。
枠画像501a周辺に原稿250がないと判定した場合には引き続き中心部に原稿250がないか判定する。第1の領域(1)内では左下((1)−3)、第2の領域(2)内では右下((2)−3)、第3の領域(3)内では左上((3)−3)、第4の領域(4)内では右上((4)−4)の各範囲を対象とする。その際、原稿台203のマーキングなどにより誤検出を行うことがあるため、第1の領域(1)内〜第4の領域(4)内の各対象範囲においてはその境界から数画素(ここでは10画素と規定する)離れた範囲とし、原稿台203のマーキングがない範囲となるように指定する。原稿台203のマーキングについては枠情報などを投影しているため、マーキングについても投影すればマーキングに伴う誤検知が発生しないので、この対応は不要となる。
第1の領域(1)内〜第4の領域(4)内の中心部に寄った前記範囲((1)−3、(2)−3、(3)−3、(4)−3)の画素においてカラー情報が「黒」か否かを判定し、「黒」と判定できる場合には、中心部にも原稿250がないため、原稿250が枠画像501a内に存在しないと判断し、枠画像501aの色を例えば赤色に設定し、枠画像生成部503へ通知する。
逆に前記範囲((1)−3、(2)−3、(3)−3、(4)−3)のカラー情報に「黒以外」がある場合には、原稿250が枠画像501a内に存在するとして、枠画像501aの色を例えば青色に設定し、枠画像生成部503へ通知する。その際の原稿状態は図10(g)となる。
枠画像501a周辺に原稿250があると判定する場合は以下のようになる。
第1の領域(1)内〜第4の領域(4)内の枠画像501aに隣接した領域((1)−1、(1)−2、(2)−1、(2)−2、(3)−1、(3)−2、(4)−1、(4)−2)の画素のカラー情報が「黒以外」を検出した場合、その部分に原稿250があると判定し、枠画像501a内に原稿250があると判断する。
その際、領域((1)−1、(1)−2、(2)−1、(2)−2、(3)−1、(3)−2、(4)−1、(4)−2)の全ての画素のカラー情報が「黒以外」を検出した場合には枠画像501a内に原稿250が入っていると判断できるため、枠画像501aの色を青色に設定し、枠画像生成部503へ通知する。その際の原稿状態は図10(e)および(f)となる。
また、領域((1)−1、(1)−2、(2)−1、(2)−2、(3)−1、(3)−2、(4)−1、(4)−2)のいずれかの領域の画素のカラー情報で「黒」を検出した場合には、原稿250が枠画像501aの外にずれている可能性があるため、枠画像501a周辺の外の領域((1)−4、(1)−5、(2)−4、(2)−5、(3)−4、(3)−5、(4)−4、(4)−5)の画素についてカラー情報が「黒」か否かを判定する。
この判定表の一例を下記に示す。
表1 原稿検知の判定一覧(第1の領域(1))
(1)−1 (1)−2 (1)−3 (1)−4 (1)−5 判定
黒 黒 黒 − − 原稿なし
黒 黒 黒以外 − − 原稿あり
黒以外 黒 黒 黒 黒 ※1
黒 黒以外 黒 黒 黒 ※1
黒以外 黒 黒以外 黒 黒 原稿あり
黒 黒以外 黒以外 黒 黒 原稿あり
黒以外 黒 黒 黒以外 黒 ※1
黒 黒以外 黒 黒 黒以外 ※1
黒以外 黒 黒以外 黒以外 黒 ※2
黒 黒以外 黒以外 黒 黒以外 ※3
黒以外 黒以外 黒以外 黒 黒 原稿あり
黒以外 黒以外 黒以外 黒以外 黒 原稿あり
黒以外 黒以外 黒以外 黒 黒以外 原稿あり
黒以外 黒以外 黒以外 黒以外 黒以外 原稿あり
※1:小さい原稿の可能性があるため、原稿台のマーキング中心へ原稿を移動する警告を表示
※2:(3)−1、(3)−3、(3)−4の判定情報を加味して判定を行う。
:(3)−3が「黒」あるいは(3)−3が「黒以外」で(3)−1が「黒」の場合には※1
:(3)−1、(3)−3「黒以外」の場合には原稿あり
※3:(2)−2、(2)−3、(2)−5の判定情報を加味して判定を行う。
:(2)−3が「黒」あるいは(2)−3が「黒以外」で(2)−2が「黒」の場合には※1
:(2)−2、(2)−3「黒以外」の場合には原稿あり
表1記載以外の検知結果については原稿台203にゴミや汚れがあるとして、原稿台203のクリーニングを指示する警告を表示部232に表示する。また、投影する枠に情報を追加して表示しても良い。
また、表1のような判定を第2の領域(2)〜第4の領域(4)の各領域についても実施する。
ただし、第2の領域(2)の場合は、判定結果が※2の場合、(4)−1、(4)−3、(4)−4の判定情報を加味して判定を行う。なお、判定結果が※3の場合、(1)−2、(1)−3、(1)−5の判定情報を加味して判定を行う。
また、第3の領域(3)の場合は、判定結果が※2の場合、(1)−1、(1)−3、(1)−4の判定情報を加味して判定を行う。また、判定結果が※3の場合、(4)−2、(4)−3、(4)−5の判定情報を加味して判定を行う。
また、第4の領域(3)の場合は、判定結果が※2の場合、(2)−1、(2)−3、(2)−4の判定情報を加味して判定を行う。なお、判定結果が※3の場合、(3)−2、(3)−3、(3)−5の判定情報を加味して判定を行う。
例として、図10(c)、(d)、(e)では以下のような判定となる。
図10(c)の場合、第1の領域(1)では、(1)−1が黒、(1)−2が黒以外、(1)−3が黒以外、(1)−4が黒、(1)−5が黒以外であるため、判定結果は※3になる。つまり、(2)−2、(2)−3、(2)−5の判定情報を加味して、第1の領域(1)の判定を再度行う。ここでは、(2)−2が黒、(2)−3が黒以外であるため、第1の領域(1)の判定結果は※1になる。また、第2の領域(2)では、(2)−1が黒、(2)−2が黒、(2)−3が黒以外であるため、判定結果は原稿ありになる。また、第3の領域(3)では、(3)−1が黒以外、(3)−2が黒以外、(3)−3が黒以外、(3)−4が黒以外、(3)−5が黒以外であるため、結果は原稿ありになる。また、第4の領域(4)では、(4)−1が黒以外、(4)−2が黒、(4)−3が黒以外、(4)−4が黒以外、(4)−5が黒であるため、判定結果は※2になる。つまり、(2)−1、(2)−3、(2)−4の判定情報を加味して、第4の領域(4)の判定を再度行う。ここでは、(2)−1が黒、(2)−3が黒以外であるため、第4の領域(4)の判定結果は※1になる。この結果に基づいて、原稿台203のマーキング中心へ原稿250を移動する警告表示を投影により行う(図11)。
図10(d)の場合、第1の領域(1)では、(1)−1が黒、(1)−2が黒以外、(1)−3が黒以外、(1)−4が黒、(1)−5が黒以外であるため、判定結果は※3になる。つまり、(2)−2、(2)−3、(2)−5の判定情報を加味して、第1の領域(1)の判定を再度行う。ここでは、(2)−2が黒、(2)−3が黒以外であるため、第1の領域(1)の判定結果は※1になる。また、第2の領域(2)では、(2)−1が黒、(2)−2が黒、(2)−3が黒以外であるため、判定結果は原稿ありになる。また、第3の領域(3)では、(3)−1が黒以外、(3)−2が黒以外、(3)−3が黒以外、(3)−4が黒以外、(3)−5が黒以外であるため、結果は原稿ありになる。また、第4の領域(4)では、(4)−1が黒以外、(4)−2が黒、(4)−3が黒以外、(4)−4が黒以外、(4)−5が黒であるため、判定結果は※2になる。つまり、(2)−1、(2)−3、(2)−4の判定情報を加味して、第4の領域(4)の判定を再度行う。ここでは、(2)−1が黒、(2)−3が黒以外であるため、第4の領域(4)の判定結果は※1になる。この結果に基づいて原稿台203のマーキング中心へ原稿250を移動する警告表示を投影により行う(図11)。
図10(e)の場合、第1の領域(1)では、(1)−1が黒以外、(1)−2が黒以外、(1)−3が黒以外、(1)−4が黒以外、(1)−5が黒以外であるため判定結果は原稿ありになる。第2の領域(2)では、(2)−1が黒以外、(2)−2が黒以外、(2)−3が黒以外、(2)−4が黒以外、(2)−5が黒以外であるため判定結果は原稿ありになる。第3の領域(3)では、(3)−1が黒以外、(3)−2が黒以外、(3)−3が黒以外、(3)−4が黒以外、(3)−5が黒以外であるため判定結果は原稿ありになる。第4の領域(4)では、(4)−1が黒以外、(4)−2が黒以外、(4)−3が黒以外、(4)−4が黒以外、(4)−5が黒以外であるため判定結果は原稿ありになる。この結果に基づいて原稿ありと判断し、その状態で原稿を読み込めばよい。
なお、図10(e),(f),(g)の場合、原稿検知/枠検知部701は、枠画像501aの内側に原稿(原稿画像250a)があることを検知しているので、その旨、および色を変更する旨を枠画像生成部503に通知し、当該通知を受けた前記枠画像生成部503は枠画像501aの投影情報、ここでは色情報を赤から青に変更する。これにより、ユーザは原稿250の載置位置が枠画像501aの読取範囲内であることを画像投影部501からの投影画像により確認することができる。
図11は、原稿台のマーキング中心へ原稿を移動する警告表示の投影例を示す図である。投影による警告画像550は、画像投影部501から例えば「原稿が用紙からはみ出します(印刷OK→スタートキー)」というメッセージとして投影される。この投影による警告画像550では、原稿250が用紙からはみ出した状態で印刷しても良い場合は、ユーザはスタートキーを押して、印刷の開始を指示する。そうでない場合には、画像投影部501からの投影画像を見て、原稿250の位置を修正する。
図12は枠検出および原稿検出の処理を含むドキュメントスキャナ102のCPU301aが実行する制御手順を示すフローチャートである。図12では、図7のフローチャートのS111以降に枠検出および原稿検出の処理を追加した制御手順である。
S101からS111までは、図7のフローチャートの処理と同一なので、説明は割愛する。
また、図7のフローチャートの相違点を明確にするため、S111の次ステップをS212として説明する。
S111で投影画像データを生成した後、投影装置206から枠画像501aを投影し、その後、エリアセンサ201で撮影した撮影画像データで枠のサイズが枠サイズ算出部508および枠位置算出部504で算出した算出結果と合っているか否かを判断する(S212)。撮影画像データの枠サイズが枠画像サイズ情報と合っている場合、さらに、撮影画像データの枠位置が枠位置情報とあっているかを判断し、合っていれば、S214に移行する。S214では、原稿検知結果がOKか否かを判断する。すなわち、原稿の載置位置が図10(e),(f),(g)の状態にあり枠画像501a内にあれば、OKと判断し、この処理から抜ける。原稿の載置位置が枠画像501aから外にズレていれば、図11に示すように警告表示を行う(S215)。この警告にしたがって原稿の載置位置が修正され、枠画像501a内に収まるまで、この処理を繰り返す。
S212で、撮影画像データの枠サイズが枠画像サイズ情報と合っていない場合、または撮影画像データの枠サイズが枠画像サイズ情報と合っているが、撮影画像データの枠位置が枠位置情報とあっていない場合は、投影する枠画像501aを修正するためS213に移行する。すなわち、撮影画像データの枠サイズが枠画像サイズ情報と合っていない場合、撮影画像データの枠位置が枠位置情報とあっていない場合は、投影する枠画像501aを修正する。
S213では、枠画像生成部503が画像データから投影枠を補正する補正処理を実行し、ステップ106に戻って以降の処理を繰り返す。S213の補正処理では、撮影画像データから枠サイズ情報と枠位置情報にそれぞれ該当する情報を作成し、枠サイズ算出部508および枠位置算出部504で比較して補正処理を実行する。以下、詳細に説明する。
前述のように本実施形態では、縦768x横1024画素の画像データに対して、
左上位置:(縦、横)=(39、52)
右下位置:(縦、横)=(729、972)
となるように画像データとして四角の枠を描画している。そのため、撮影画像データにおいても枠は前記位置で投影している。
そこで、撮影画像データの1画素目から主走査方向に順番に画素の確認を行い、「黒以外」の画素を抽出し、該当する最初の画素を見つけ出す。なお、枠画像501aが赤色あるいは青色であるため、赤色、青色を検出するようにしても良い。また、主走査方向に一通り確認が終了したら、副走査方向に1ラインシフトし、同じく主走査方向に順番に画素の確認を行う。その際、左上位置(39、52)で「黒以外」の色を最初に検出できれば、枠位置の開始点は正常である。それ以外の場所から最初の「黒以外」の色が検知された場合には異常であるため、その座標情報を撮影時枠位置情報の左上位置に保存する。同様にして、右下まで「黒以外」の色があるかを探索していき、最後の画素まで探索を行った後、「黒以外」の色の画素が検出される最後の画素が右下位置となり、その情報を撮影時枠位置情報の右下位置として保存する。
また、最初の「黒以外」の色を発見した横ラインに対しては連続した「黒以外」の色が何画素あるかをあわせて集計する。これが枠サイズの横の情報となる。正常であれば920画素となり、その値を撮影時枠サイズ情報の横幅として保存するが、それ以外の画素数であれば、異常として撮影時枠サイズ情報の横幅として保存する。同様に次に連続した「黒以外」の色が探索できるのが枠の下ラインとなるため、最初のラインからの画素数を計算し、縦幅として撮影時枠サイズ情報として保存する。
以上のように検出することができた各種情報については、撮影時枠サイズ情報は枠サイズ算出部508へ、撮影時枠位置情報は枠位置算出部504へと入力する。枠サイズ算出部508および枠位置算出部504は入力された情報と元から保持していた枠サイズ情報および枠位置情報とを比較し、補正処理を行う。
例えば、ドキュメントスキャナ102のエリアセンサ201の搭載部がなんらかの外力が働き下方向に少し傾いた場合、入力された画像の枠は少し大きくなる。例えば、計算の位置と大きさが、
左上位置:(縦、横)=(39、52)
右下位置:(縦、横)=(729、972)
枠縦長さ:690画素
枠横長さ:920画素
であり、実際の位置と大きさが、
左上位置:(縦、横)=(34、47)
右下位置:(縦、横)=(734、977)
枠縦長さ:700画素
枠横長さ:930画素
である場合、実際の位置と大きさは入力画像データから抽出することで判断できるため、この結果と計算の値とを比較する。この例では、サイズを縦10画素、横10画素縮小し、位置を内側に5画素ずつシフトさせる。すなわち、98.9%の倍率で縮小処理することになる。このようにして補正した後の位置と大きさは、
左上位置:(縦、横)=(44、57)
右下位置:(縦、横)=(724、967)
枠縦長さ:680画素
枠横長さ:910画素
となる。
図13は投影した枠画像と原稿を検知して、印刷用紙にあわせたサイズへの自動的な拡大/縮小処理を行う機能構成を示すブロック図である。
図13に示した機能構成は、図9に示したドキュメントスキャナ102に対して拡大/縮小部1101を追加した構成となっている。その他の構成は、図9に示したドキュメントスキャナ102と同一である。拡大/縮小部1101は、原稿検知/枠検知部701の原稿のサイズおよび位置の検出情報と枠サイズ算出部508および枠位置算出部504の枠サイズ情報および枠位置情報を取得し、原稿の拡大倍率あるいは縮小倍率を算出する。拡大/縮小部1101は、さらに、算出した原稿の拡大倍率あるいは縮小倍率に基づいて撮影画像データに拡大あるいは縮小の処理を施した後、記憶装置302に保存する。その他の各部の構成および機能は図5および図9を参照して説明した通りである。
図14は撮影画像データによる画像と拡大/縮小部1101で処理した画像、同図(a)は撮影画像データによる画像、同図(b)は原稿の外形検知の状態を示し、同図(c)は拡大/縮小した後の投影画像をそれぞれ示す。
図14(a)に示すように投影している枠画像501aの内側に原稿250が入っていると検知できている場合に、拡大/縮小の判断を行う。原稿検知/枠検知部701から原稿250が枠画像501aの内側に入っているフラグが入力された後、拡大/縮小部1101は拡大/縮小処理を実施するか否かを判断する。
ここでは、原稿検知/枠検知部701の原稿ありの結果に対して、拡大/縮小の判断は以下のようになる。
拡大:図10(a)において(1)−3、(2)−3、(3)−3、(4)−3のいずれかが黒以外の場合
縮小:図10(a)において*−4、*−5のいずれかが黒以外の場合(*は(1)〜(4)が該当)
つまり、拡大時は枠画像501aの外に原稿250がはみ出していないと判断できること、また縮小時には枠画像501aの外に原稿250がはみ出していると判断できることが条件となる。この判断後、拡大あるいは縮小の処理を実施する。
拡大/縮小の処理にあたって、まずは原稿250の外形を検出する。外形の検出方法については原稿250と背景のエッジ検出を行い、そのエッジ検出された部分を直線とし、その直線の交点を形成するものを外形と判断する公知の技術を使用する。その他の公知技術であってもよい。ただし、原稿250が撮影領域最大となっている場合には、原稿250と背景のエッジ検出が行えないため、その場合には撮影領域最大範囲を外形として検出する。検出された外形に対して、枠サイズ情報および枠位置情報と比較して倍率計算を行う。
倍率計算を行う例として、例えば、
枠:縦690x横920(画素)
原稿:縦460x横690(画素) → A4横相当の場合
という条件で縦横の倍率計算を行うと、
縦:690 / 460 = 1.5
横:920 / 690 = 1.33
となり、縦横比を一定にするため、倍率としては1.33倍となる。この倍率が原稿250の拡大後のサイズとすると、拡大後のサイズは、縦611x横917(画素)となる。
そこで、計算された倍率で記憶装置302に保存してある撮影画像データを拡大し、記憶装置302に保存する。投影画像生成部502では拡大した撮影画像データと枠画像生成部503で生成した枠画像501aを合成した画像データを生成し、画像投影部501から合成した画像データの画像を投影する。図14(c)は、このように拡大処理した場合に投影したときの状態を示す図である。縮小の場合についても拡大と同様に枠と原稿の外形から縦横の倍率計算を行い、処理を実施する。
図15は拡大/縮小処理を伴うドキュメントスキャナ102のCPU301aの制御手順を示すフローチャートである。
この処理手順では、まず、原稿250があるか否かの判断を待つ(S301)。原稿250があるか否かは、図10に示した領域分割での原稿検知処理の結果に基づいて判断される。S301で原稿ありと判断されると、撮影画像データから原稿250の外形を検出し、原稿サイズを算出する(S302)。次いで、枠サイズ情報および枠位置情報とS302で算出した原稿サイズから倍率の計算を行う(S303)。
S303の倍率の計算結果に対して、1倍の場合には拡大/縮小はできないため、1倍のときはNOの処理として終了する(S304)。拡大/縮小の余地があれば、S303で計算した拡大/縮小の倍率で撮影画像データを処理し、枠画像501aと合成して画像投影する(S305)。投影後、操作部114に「拡大/縮小印刷を実行しますか?」という通知を行い、ユーザの指示を待つ(S306)。
ユーザが同意し、印刷指示を行った場合にはS307へ移行し、拡大/縮小処理をした撮影画像データで印刷処理を行う。一方、ユーザが元のまま印刷する指示を行った場合にはS308へ移行し、拡大/縮小処理をしない撮影画像データで印刷処理を行う。
このようにして、枠画像501aと読み取った画像の画像データを合成し、原稿台203上の原稿250に対して枠画像501aと読み取った画像の画像データを合成した画像を投影する。ユーザはこの投影画像を見ながら、原稿250の位置を調整し、原稿画像を読み取らせることができる。
このように本実施形態では、エリアセンサ201を解像度の低い動画モードで動作させ、動画撮影された画像データから印刷する画像領域を計算し、投影装置206から原稿250に向けて印刷画像領域と読取結果の画像の投影するように構成されている。これにより、印刷用紙に対する原稿読取領域と読み取り結果をユーザに提示することができる。その結果、撮影領域、特に用紙へと撮影データを印刷する場合に、用紙サイズに収まる形で撮影が行われることをユーザは認識することができる。また、用紙に対してどの程度の大きさで印刷されるようになるのかまで投影装置206から投影される映像で理解することができる。これにより、従来、トップショットスキャナにおいて原稿250の設置位置を示すことができないという問題は解消することができた。
これまで説明してきた本実施形態における画像読取装置の処理は、図5、図9および図13に示した各機能部の機能としてソフトウェアにより実行される。ソフトウェアはプログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば記憶装置302であるHDDあるいはROM301bに記憶され、ドキュメントスキャナ102の制御デバイス301のCPU301aがRAM301cをバッファおよびワークエリアとして使用しながらプログラムで定義された手順を実行する。また、この処理方法の一部をネットワーク上に有し、通信回線を通して実現することもできる。
また、このプログラムは、図16に示すように、前記記録媒体を介して、インターネットなどの通信網140によってパーソナルコンピュータなどの装置(1)141、(2)142、(3)143に配布することができる。すなわち、このプログラムは、例えばコンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスクに、あらかじめインストールした状態で提供することができる。また、このプログラムは記録媒体に一時的あるいは永続的に格納し、コンピュータにユニットとして組み込み、あるいは着脱式の記録媒体として利用することで、パッケージソフトウェアとして提供することができる。
記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク、DVD、BD、磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。プログラムは、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)やインターネットといったネットワークを介して、有線または無線でコンピュータに転送し、そのコンピュータにおいて、内蔵するハードディスクなどの記憶装置にインストールさせるようにすることができる。
このように本発明は、画像読取装置の形態に加えてコンピュータに実行させるためのプログラムとしての形態も、あるいは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。
以上のように、本発明を本実施形態に対応させれば、次のような効果を奏する。なお、以下の説明では、特許請求の範囲における各構成要素と本実施形態の各部について対応を取り、両者の用語が異なる場合には後者をかっこ書きで示し、また、対応する参照符号を付して両者の対応関係を明確にした。
(1)原稿250の上方に位置し、前記原稿250を撮像する撮像手段(エリアセンサ201)と、入力された給紙用紙情報から給紙用紙のサイズを判断する給紙用紙サイズ判断手段(給紙用紙検知部511)と、前記撮像手段から出力された画像信号に対して、前記判断した用紙サイズを枠画像として生成する枠画像生成手段(枠画像生成部503)と、前記撮像手段から出力される画像信号に前記枠画像生成手段で生成した枠画像501aを合成する画像合成手段(投影画像生成部502)と、前記画像合成手段によって合成された画像を投影する投影手段(画像投影部501、投影装置206)と、を備えた本実施形態にかかる画像読取装置(ドキュメントスキャナ102)によれば、印刷用紙に対する原稿読取領域と読取結果をユーザに提示することができる。これにより、ユーザが印刷用紙に対する原稿読取領域と読取結果の関係を把握することが可能となり、ユーザは投影画像を見て、画像読取時に画像が読取範囲の外に出てしまわないようにして原稿を読み取らせることができる。
(2)前記入力された給紙用紙情報から前記給紙用紙の方向を判断する給紙用紙方向判断手段(エンドフェンス511aの位置を検出する検出装置およびサイドフェンス511bの位置を検出する検出装置)を備え、前記枠画像生成手段(枠画像生成部503)は前記給紙用紙方向判断手段が判断した前記給紙用紙の方向に合わせて前記枠画像の投影情報を変更する(例えば赤線から青線へと変更する)本実施形態によれば、原稿台203の上に載置した原稿250の上に撮像手段によって読み取った画像の画像信号に枠画像501aを合成した画像を投影するので、原稿250上の投影画像を見れば、給紙用紙に対する原稿の印刷状態を直ちに判別することができる。
(3)前記原稿250の載置位置を検知する原稿検知手段(原稿検知/枠検知部701)を備え、前記原稿検知手段は、撮影画像データの枠サイズが枠画像サイズ情報とあっているか否かを判断し、前記枠画像生成手段(枠画像生成部503)は、前記撮影画像データの枠サイズが枠画像サイズ情報とあっていない場合、または、撮影画像データの枠位置が枠位置情報とあっていない場合(S212:No)は、前記枠画像を修正する(S213→S106…S212)本実施形態によれば、原稿の載置が不適な場合に投影情報を修正して原稿を読み取らせることができる。
(4)前記原稿250の載置位置を検知する原稿検知手段(原稿検知/枠検知部701)を備え、前記原稿検知手段が、前記枠画像501aの外側に前記原稿250があることを検知した場合、前記投影手段(投影装置206)からその旨原稿上に警告投影を行う本実施形態によれば、原稿載置位置が不適なことをユーザに知らせることができる。
(5)前記撮像手段(エリアセンサ201)が解像度の低い動画撮影機能で前記原稿250を撮像する本実施形態によれば、動画撮影された画像データを使用して印刷用紙に対する原稿読取領域をユーザに提示することが可能になる。その際、解像度の低い動画撮影機能で動作させるので、制御回路に負担を掛けずに迅速に投影処理を行うことができる。
(6)前記撮像手段(エリアセンサ201)によって撮影された画像から前記原稿250と前記枠画像501aの大きさおよび位置を検出し、拡大あるいは縮小の倍率を計算し、前記枠画像にあわせて原稿画像を拡大あるいは縮小する拡大縮小手段(拡大/縮小部1101)を備えた本実施形態によれば、前記画像を原稿サイズに基づいて拡大あるいは縮小し、最適な印刷サイズで印刷させることができる。
(7)前記拡大縮小手段(拡大/縮小部1101)によって拡大あるいは縮小された画像を、前記枠画像生成手段(枠画像生成部503)によって生成された前記枠画像501aにあわせて前記投影手段(投影装置206)から投影する本実施形態によれば、ユーザは印刷状態を原稿250上に投影された画像により確認することができる。
(8)前記(1)ないし(7)のいずれかの画像読取装置を備えた本実施形態に係る画像形成装置100によれば、前記(1)ないし(7)の効果を画像形成装置においても奏することができる。
(9)原稿250の上方に位置する撮像手段(エリアセンサ201)が前記原稿を撮像するステップ(S103)と、給紙用紙サイズ判断手段(給紙用紙検知部511)が、入力された給紙用紙情報から給紙用紙のサイズを判断するステップ(S106)と、枠画像生成手段(枠画像生成部503)が前記撮像手段から出力された画像信号に対して、前記判断した用紙サイズを枠画像501aとして生成するステップ(S109)と、画像合成手段(投影画像生成部502)が、前記撮像手段から出力される画像信号に前記枠画像生成手段で生成した枠画像を合成するステップ(S110)と、投影手段(画像投影部501、投影装置206)が前記画像合成手段によって合成された画像を投影するステップ(S111)と、を備えた本実施形態に係る原稿画像投影方法によれば、前記(1)で述べた効果を奏することができる。
(10)コンピュータ(CPU301a)に、原稿250の上方に位置する撮像手段(エリアセンサ201)により前記原稿を撮像する手順(S103)と、入力された給紙用紙情報から給紙用紙のサイズを給紙用紙サイズ判断手段(給紙用紙検知部511)により判断する手順(S106)と、前記撮像手段から出力された画像信号に対して、前記判断した用紙サイズを枠画像生成手段(枠画像生成部503)により枠画像501aとして生成する手順(S109)と、前記撮像手段から出力される画像信号に前記枠画像生成手段で生成した枠画像を画像合成手段(投影画像生成部502)により合成する手順(S110)と、前記画像合成手段によって合成された画像を投影手段(画像投影部501、投影装置206)により投影する手順(S111)と、を実行させるためのプログラムをインストールし、コンピュータが当該プログラムを実行することにより、前記(1)で述べた効果を奏する画像読取処理を行うことができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。