JP6824834B2 - 作業機の冷却制御システム及び作業機 - Google Patents
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Description
作業機の冷却制御システムは、出力軸を有する原動機と、前記原動機の出力軸の回転動力によって回転するファンと、前記ファンが装着されたハウジングと、前記原動機の出力軸の回転動力によって回転し、且つ、前記ハウジングとの間に形成されたギャップに導入された流体によって当該ハウジングと共に回転するロータと、前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定する流体設定部と、前記ファンの実回転数を検出するファン回転検出装置と、前記ファンの目標回転数を取得する目標回転取得部と、前記ファンの実回転数とファンの目標回転数との差分に対して比例制御を行う比例制御部と、前記差分に対して積分制御を行う積分制御部と、前記差分に対して微分制御を行う微分制御部と、前記ファンの回転数における不安定領域である第1範囲を記憶する記憶部と、前記ファンの目標回転数を変更する目標変更部と、を備え、前記積分制御部は、前記差分が閾値以上である場合に前記積分制御を行わず、前記差分が閾値未満になった場合に前記積分制御を開始し、前記目標変更部は、前記記憶部に記憶された前記第1範囲を参照し、前記ファンの目標回転数が前記第1範囲外である場合には前記ファンの目標回転数を変更せず、前記ファンの目標回転数が前記第1範囲内である場合に前記第1範囲の上限値又は下限値に、予め定められた設定値を加算又は減算することで前記ファンの目標回転数を変更する。
作業機の冷却制御システムは、前記目標変更部は、前記減算値が前記第1範囲内である場合には、前記第1範囲の下限値に予め定められた設定値を減算し、前記減算した値を前記ファンの目標回転数に設定する。
図6は、ホイルローダの全体図である。
まず、作業機として、ホイルローダを例にあげ説明する。なお、作業機は、ホイルローダに限定されず、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ、バックホー等であっても、その他の作業機であってもよい。
図1、2に示すように、作業機の冷却制御システムは、冷却装置20を備えている。冷却装置20は、原動機18を動力源として駆動する装置であって、粘性の流体を用いた粘性式のクラッチファンである。冷却装置20は、回転軸21と、ロータ22と、ハウジング(ケース)23と、流体設定部(流体設定装置)24と、ファン25とを有している。
ハウジング23は、回転軸21に軸受33を介して回転自在に支持されている。ハウジング23の外側には、複数枚の羽根を有するファン25が装着されている。したがって、ハウジング23を回転させることによってファン25を回転させることができる。
さて、図1に示すように、制御装置40は、第1検出装置(原動回転検出装置)41と、第2検出装置43と、比例制御部44と、積分制御部45と、微分制御部46とを備えている。第1検出装置41は、エンジン18の実際の回転数(実回転数)を検出する装置である。即ち、第1検出装置41は、出力軸19の付近に設けられ、エンジン18の出力軸19の実回転数を検出する。第2検出装置43は、ファン25(ハウジング23)の実回転数を検出する装置である。即ち、ファン25又はハウジング23の近傍に設けられ、ファン25の実回転数を検出する。
図5に示すように、制御装置40は、第2検出装置43で検出されたファンの実回転数(F2)と、ファンの目標回転数(F1)との差分(F1−F2)を求める。比例制御部44は、ファンの実回転数F2とファンの目標回転数F1との差分(F1−F2)に対して、予め設定された設定された比例ゲインを掛けて(乗算して)比例制御(P制御)を行う。
微分制御部46は、ファンの実回転数F2とファンの目標回転数F1との差分(F1−F2)に対して、予め設定された設定された微分ゲインを掛けて(乗算して)微分制御(D制御)を行う。
さて、PID制御において、少なくとも積分制御(I制御)を含む制御を実行すると、ファンの実回転数F2とファンの目標回転数F1との差分(F1−F2)であるP成分を積分計算して算出した積分成分(I成分)が過度に積算されて、ファンの実回転数F2の遷移が不安定になる場合がある、即ち、過度な積分成分の積算によってPID制御系が安定せず、ファンの目標回転数F1が変更されるとファンの実回転数F2がオーバシュートを起こしてしまう。その結果、ファンの実回転数F2がファンの目標回転数F1に追従するための時間が長くなったり、ファンの実回転数F2が振動することにより騒音(うなり音)が発生する場合がある。
例えば、積分制御部45は、ファンの目標回転数F1(rpm)とファンの実回転数F2(rpm)との差分の絶対値が予め定められた閾値Aよりも大きい場合、例えば、予め記憶部47に記憶された積分ゲインを用いずに、当該処理で用いる制御ゲインを零にセットすることで、実質的に積分制御を実行しない。また、積分制御部45は、ファンの目標回転数F1(rpm)とファンの実回転数F2(rpm)との差分の絶対値が予め定められた閾値Aよりも小さくなった場合、予め記憶部47に記憶された積分ゲインによって積分制御を実行する。
制御装置40の記憶部47は、ファンの目標回転数F1における不安定領域Lである第1範囲を記憶している。不安定領域L1は、ファンの目標回転数F1を最小から最大まで変化させてファンの実回転数F2の挙動を測定することにより求めた範囲である。
制御装置40は、目標変更部48を備えている、目標変更部48は、制御装置40を構成する電気・電子部品、当該制御装置40に組み込まれたプログラム等から構成されている。
目標変更部48は、記憶部47に記憶されたファンの目標回転数F1の領域[a,b]を参照し、ファンの目標回転数F1が領域[a,b]に含まれる場合、上限値aに予め定められた設定値cを加算(a+c)して、加算値をファンの目標回転数F1に設定する。或いは、目標変更部48は、ファンの目標回転数F1の領域[a,b]を参照し、ファンの目標回転数F1が領域[a,b]に含まれる場合、下限値bに設定値cを減算(b-c)して、減算値(第1減算値)をファンの目標回転数F1に設定する。上限値aに対して加算する正の設定値cと、下限値bに対して減算する正の設定値cとは異なる値にしてもよい。この実施形態では、設定値cは50rpmであるが、これに限定されない。
なお、目標変更部48によって変更されたファンの目標回転数F1が、冷却装置20におけるファンの最大回転数超又は最小回転数以下になる場合は、ファンの目標回転数F1を最大回転数或いは最小回転数に固定するか、或いは、一時的に目標変更部48よるファンの目標回転数F1の変更を実行しない。
目標変更部48は、ファンの目標回転数F1をエンジンの実回転数E1よりも予め低くすることで、ファンの目標回転数F1の変更時におけるファンの実回転数F2の応答性を向上させている。即ち、目標変更部48は、第1検出装置41で検出されたエンジンの実回転数E1から所定回転数を減算した減算値(第2減算値)を、ファンの目標回転数F1に設定することで、ファンの実回転数F2の応答性を向上させている。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 機体
3 作業装置
4 支持フレーム
5 前輪
6 後輪
9 リフトアーム
10 バケット
12 リフトシリンダ
13 バケットシリンダ
14 運転席
16 ステアリング
17 操作装置
18 原動機
19 出力軸
20 冷却装置
21 回転軸
22 ロータ
22a ラビリンス部
23 ハウジング
23a 壁部
23b ギャップ
23c 貯蔵室
23d 流路
24 流体設定部(流体設定装置)
25 ファン
30 プーリ
31 プーリ
32 駆動ベルト
33 軸受
40 制御装置
41 第1検出装置
43 第2検出装置
44 比例制御部
45 積分制御部
46 微分制御部
47 記憶部
48 目標変更部
Claims (4)
- 出力軸を有する原動機と、
前記原動機の出力軸の回転動力によって回転するファンと、
前記ファンが装着されたハウジングと、
前記原動機の出力軸の回転動力によって回転し、且つ、前記ハウジングとの間に形成されたギャップに導入された流体によって当該ハウジングと共に回転するロータと、
前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定する流体設定部と、
前記ファンの実回転数を検出するファン回転検出装置と、
前記ファンの目標回転数を取得する目標回転取得部と、
前記ファンの実回転数とファンの目標回転数との差分に対して比例制御を行う比例制御部と、
前記差分に対して積分制御を行う積分制御部と、
前記差分に対して微分制御を行う微分制御部と、
前記ファンの回転数における不安定領域である第1範囲を記憶する記憶部と、
前記ファンの目標回転数を変更する目標変更部と、
を備え、
前記積分制御部は、前記差分が閾値以上である場合に前記積分制御を行わず、前記差分が閾値未満になった場合に前記積分制御を開始し、
前記目標変更部は、前記記憶部に記憶された前記第1範囲を参照し、前記ファンの目標回転数が前記第1範囲外である場合には前記ファンの目標回転数を変更せず、前記ファンの目標回転数が前記第1範囲内である場合に前記第1範囲の上限値又は下限値に、予め定められた設定値を加算又は減算することで前記ファンの目標回転数を変更する作業機の冷却制御システム。 - 前記原動機の実回転数を検出する原動回転検出装置を備え、
前記目標変更部は、前記原動回転検出装置で検出された原動機の実回転数から所定回転数を減算した減算値を前記ファンの目標回転数に設定する請求項1に記載の作業機の冷却制御システム。 - 前記目標変更部は、前記減算値が前記第1範囲内である場合には、前記第1範囲の下限値に予め定められた設定値を減算し、前記減算した値を前記ファンの目標回転数に設定する請求項2に記載の作業機の冷却制御システム。
- 請求項1〜3のいずれかの作業機の冷却制御システムを備えた作業機。
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