JP6824021B2 - 脱穀機の排ワラ処理装置 - Google Patents
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Description
このような構造の排ワラ処理装置では、排ワラの細断作業中には、開閉カバーを起立させて排ワラ切断装置の排ワラ導入口を開き、長ワラ放出作業では、開閉カバーを倒伏させて排ワラ導入口を閉じている。
したがって、脱穀装置側の選別風の流れに混入したワラ屑等の塵埃が、排ワラの細断作業中には起立した開閉カバーによって後方への流動を阻まれ、排ワラ切断装置の特に穂先側の横側方へ流動する傾向がある。
このため、排ワラ切断装置の横側方へ漏れ出た選別風に混在していた塵埃が、排ワラ切断装置の横側方に配備されている開閉カバーの駆動用モータ付近に堆積し、その駆動用モータや駆動用モータから開閉カバーへの連係機構の作動に悪影響を及ぼす虞がある点で改善の余地がある。
したがって、開閉カバーが起立姿勢となった細断作業状態で、唐箕の選別風が排ワラ切断装置の横側方へ向けて流れ出る度合いを低減することができ、選別風に混在する塵埃が、開閉カバーの駆動用モータや駆動用モータから開閉カバーへの連係機構の存在する箇所に降りかかる虞を少なくできる利点がある。
したがって、通風口の位置が下方である場合に比べて、排出される風量は変わらないとしても、排出風に含まれる塵埃の大きさは比較的小さく、かつ量も比較的少なくて済む。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した自脱型コンバインの作業走行時における前進側の進行方向(図1における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1は、本発明に係る排ワラ処理装置4が適用された自脱型コンバインを示す側面図、図2は同平面図である。
これらの図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム10が左右一対のクローラ式走行装置11上に搭載されている。機体フレーム10上には、運転座席や操縦搭をキャビン内に装備した運転部12、及び前記運転部12の下方にエンジン13を位置させた原動部14が備えられている。上記のエンジン13の駆動力がクローラ式走行装置11に伝達されることによって、自走可能な走行機体1が構成されている。
さらに、前記機体フレーム10の前部には刈取前処理装置2を連結してあり、前記機体フレーム10上で前記原動部14の後側に、脱穀装置3、及びグレンタンク15を設け、前記脱穀装置3の後部に排ワラ処理装置4を設けて、稲、麦などを収穫するコンバインが構成されている。
リフトシリンダ17を収縮させて、刈取前処理装置2を下降作業状態にして走行機体1を走行させると、刈取前処理装置2は、刈り取り対象の植立穀稈を引起し装置22よって引起し処理しながらバリカン型の刈刃21によって刈取り処理し、刈取穀稈を機体後方向きに搬送して脱穀装置3の脱穀フィードチェーン33に供給するように構成してある。リフトシリンダ17を伸長させて刈取前処理装置2を持ち上げると、刈刃21や引起し装置22が地面上から高く上昇した上昇非作業状態となる。
脱穀フィードチェーン33で株元側を挟持搬送される刈取穀稈の穂先側が脱穀ケース30内で脱穀処理され、脱穀された被処理物のうち、回収対象の脱穀粒は、揺動選別装置32で選別されてグレンタンク15に供給され、排出オーガ16から機外に取り出される。その他のワラ屑等の塵埃は脱穀装置3の終端部から機外へ排出される。
排ワラ切断装置5では、供給された排ワラを、細断して下方へ落下放出する、もしくは、細断せずに長ワラのまま後方から放出する状態、の何れかに処理形態を変更して放出することができる。
図3は、脱穀装置3を示す縦断側面図である。この図に示すように、脱穀装置3は、脱穀ケース30内の上部で扱胴31を備えた脱穀部3Aと、脱穀ケース30内の下部で揺動選別装置32を有した選別部3Bとを備えている。
脱穀装置3の後方側には排ワラ処理装置4が備えられている。
この排ワラ処理装置4は、図3及び図5に示すように、脱穀フィードチェーン33から受け継いだ排ワラを、後方の排ワラ切断装置5に向けて搬送供給する排ワラ搬送装置40と、排ワラ切断装置5と、これらの排ワラ搬送装置40及び排ワラ切断装置5の上方側を覆う上部カバー43とを備えている。
排ワラ搬送装置40は、無端回動搬送チェーン41、及びその無端回動搬送チェーン41の下方に沿って位置させた挟持搬送レール42を備えている。この排ワラ搬送装置40が、図2及び図3に示すように脱穀フィードチェーン33の搬送終端部から、脱穀ケース30の後方側に位置する上部カバー43の下側空間にわたって配設されている。
つまり、排ワラ搬送装置40は、前半部が脱穀ケース30の内部に侵入した状態で配設され、搬送始端側が脱穀フィードチェーン33の搬送終端部の横側方付近に位置している。排ワラ搬送装置40の後半部は、脱穀ケース30の後端部上方側箇所に形成された搬出口30bを通して、さらに後方側へ延設され、搬送終端部が排ワラ処理装置4の上部カバー43の下側空間で、排ワラ切断装置5の上方に位置している。
この排ワラ搬送装置40では、脱穀フィードチェーン33の搬送終端から受け継いだ脱穀排ワラの株元側を、無端回動搬送チェーン41と挟持搬送レール42とによって挟持し、図2に示すように稈身方向での全長が排ワラ処理装置4の内部に引き込まれるように、後方斜め右方向に搬送し、その搬送終端から下方の排ワラ切断装置5へ落下供給する。
図3乃至図5に示すように、排ワラ切断装置5は、脱穀装置3の機体後部に連結されたカッターケース50を備えるとともに、カッターケース50の内部に、駆動カッター部6Aと受刃カッター部6Bとを回転自在に備えたものである。
駆動カッター部6Aは、駆動力が伝達される切断駆動軸60と、その切断駆動軸60に装着された多数の切断刃60aと、を備えている。受刃カッター部6Bは、前記切断駆動軸60に並設された受刃回転軸61と、その受刃回転軸61に装着された多数の受刃61aとを備えている。
切断駆動軸60と受刃回転軸61とは、側面視で切断刃60aの一部と受刃61aの一部とが、部分的に重複した状態となるように、互いの軸間距離を設定して並設されている。
この左右の軸支部材62,62に支持させることによって、切断駆動軸60の両端部がカッターケース50の右側の側壁部50Rと左側の側壁部50Lとにわたって架設された状態に支持される。
受刃回転軸61の左右両側の軸端部も、ボールベアリング等を備えた軸支部材(図示せず)によって支持されている。この両端部の軸支部材を介して、受刃回転軸61がカッターケース50の右側の側壁部50Rと左側の側壁部50Lとにわたって架設された状態で支持されている。
また、左右両側の側壁部50L,50Rの上側には、排ワラ搬送装置40から落下供給される排ワラを受け入れ可能な起立姿勢a1と、排ワラ搬送装置40から落下供給される排ワラを機体後方側へ流下排出させる閉塞姿勢a2と、に姿勢切換可能に構成された開閉カバー52が備えられている。
左右両側の側壁部50L,50Rは、その上縁が後下がりの傾斜縁に形成されており、開閉カバー52は、その閉塞姿勢a2で左右両側の側壁部50L,50Rの後下がりの傾斜縁に沿った後傾姿勢となる。
したがって、開閉カバー52がカッターケース50の上方側を閉じる閉塞姿勢a2では、排ワラ搬送装置40の搬送終端から落下供給される排ワラが、排ワラ切断装置5には供給されずに、開閉カバー52の上面の傾斜に沿って後方側へ流下案内されることになる。
カッターケース50の下端縁よりも下方側には、細断排ワラの飛散を抑制する落下案内用のスカート部材53が垂設されている。
そして、駆動モータ56の作動を制御する制御装置(図示せず)が運転部12に備えられており、制御装置からの動作指令に応答して、駆動モータ56が開閉カバー52の姿勢を変更するように構成されている。
切り欠き溝部57L,57Rの上下方向幅は、切断駆動軸60の軸径よりも少し大きい幅に形成されており、側壁部50L,50Rに対する軸支部材62,62の連結を解除した状態では、切り欠き溝部57L,57R内で切断駆動軸60を溝長さ方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。
この後部カバー部材51は、前述したように下部揺動軸心x1の回りで揺動開閉可能に構成されている。したがって、図6に示すように、後部カバー部材51を下部揺動軸心x1の上側に起立した姿勢とすることで、後部カバー部材51が切り欠き溝部57L,57Rの延長方向と交差する方向に沿い、切り欠き溝部57L,57Rの端部開口を閉塞した状態となる。
後部カバー部材51を、下部揺動軸心x1の回りで後方回動させて図5に示すように垂れ下がり姿勢とすることで、切り欠き溝部57L,57Rの端部開口は開放された状態となり、後方側から切断駆動軸60の脱着を行うことが可能となる。
図3乃至図6に示すように、上部カバー43は、脱穀ケース30の天井壁30Aの後端部から、その天井壁30Aに沿って後方側へ延長された上面板44と、排ワラ搬送装置40の後端よりも後方側位置で、排ワラ搬送装置40を後方側から遮蔽する後面板45とを備えている。
しかし、上部カバー43には、その上面板44部分に、唐箕35からの選別風を外部へ抜くための通風口46が形成されている。したがって、開閉カバー52と後面板45との重複箇所で後方側への流れを阻害されていた選別風を、通風口46を介して外部へ排出させることができる。これによって、上部カバー43の内部空間における選別風の多くが、排ワラ切断装置5の横側部に存在するモータカバー58等が存在する箇所へ漏れ出す度合いを軽減できる。
このようにダクト47を備えることで、通風口46から排出される選別風の排出方向を、後方側へある程度方向付けして、選別風に含まれる塵埃が左右方向や上方側へ拡散することを制限している。
(1)上記した実施形態では、通風口46の上側にダクト47を取り付けた構造のものを例示したが、そのようなダクト47を用いずに、通風口46のみを設けたものであってもよい。また、この場合に、上面板44のうちで、通風口46が存在する部位と、通風口46よりも後方側の部位との間に、後方側の部位が低くなるような傾斜又は段差を設けて、通風口46が後方向きに開口するように形成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、図7に示すように、ダクト47内に横断流ファン等で構成される排気ファン48を設けてもよい。この排気ファン48は、ダクト47の横側部位置に備えた電動モータ49で駆動され、上部カバー43の下側空間に存在する選別風等を吸い出すように作動する。
電動モータ49の駆動は、運転部12に設けた操作スイッチ(図示せず)等で人為的に操作可能に、あるいは、脱穀装置3内に備えた被処理物量の検出センサ(図示せず)の感知結果に基づいて、処理量が多いときに作動するように構成するとよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、図示はしないが、脱穀装置3の扱胴31へ駆動力を伝達する動力伝達系から、ベルト伝動機構等を介して排気ファン48に対する回転動力が伝達されるものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
この場合にも、開閉カバー52が閉塞姿勢a2である場合に比べて、上部カバー43の下側空間から後方側への選別風の流れが阻害される状態となるが、上部カバー43の下側空間から選別風を、通風口46を介して外部へ排出させることにより、選別風の多くが、排ワラ切断装置5の横側部に存在するモータカバー58等が存在する箇所へ漏れ出す度合いを軽減できる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
5 排ワラ切断装置
35 唐箕
40 排ワラ搬送装置
43 上部カバー
46 通風口
47 ダクト
48 排気ファン
52 開閉カバー
a1 起立姿勢
a2 閉塞姿勢
Claims (6)
- 脱穀ケース内に脱穀部及び揺動選別部を備えた脱穀装置と、
前記脱穀ケースの後方に接続された排ワラ処理装置と、が備えられ、
前記排ワラ処理装置に、切断刃及び受刃を備えた排ワラ切断装置と、前記排ワラ切断装置の上方へ向けて排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、前記排ワラ切断装置及び前記排ワラ搬送装置を上方から覆う上部カバーと、が備えられ、
前記排ワラ切断装置には、前記切断刃と前記受刃を内装するカッターケース、及び前記カッターケースの後部位置における左右方向の横向き軸心を揺動支点にして揺動開閉可能な開閉カバーが備えられ、
前記開閉カバーが、前記排ワラ搬送装置から落下供給される排ワラを受け入れ可能な起立姿勢と、前記排ワラ搬送装置から落下供給される排ワラを機体後方側へ流下排出させる閉塞姿勢と、に姿勢切換可能に構成され、
前記上部カバーに、脱穀装置側における唐箕の選別風を外部へ抜く通風口が後方向きに形成されている脱穀機の排ワラ処理装置。 - 前記通風口に、前記唐箕の選別風を機体後方に案内するダクトが取り付けられている請求項1記載の脱穀機の排ワラ処理装置。
- 前記通風口は、前記上部カバーの上面に形成されている請求項1又は2記載の脱穀機の排ワラ処理装置。
- 前記ダクトの内部に排気ファンが備えられている請求項2記載の脱穀機の排ワラ処理装置。
- 前記排気ファンに、前記脱穀装置の扱胴へ駆動力を伝達する動力伝達系から動力が伝達されている請求項4記載の脱穀機の排ワラ処理装置。
- 前記通風口は、前記上部カバーの左右両端部にわたって形成されている請求項1〜5のいずれか一項記載の脱穀機の排ワラ処理装置。
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