JP2013192475A - 収穫機 - Google Patents
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Abstract
【課題】収穫物タンクの上方に近接する位置に配置した案内ダクトに阻害されることなく収穫物タンクを排出姿勢に設定できる収穫機を構成する。
【解決手段】フィーダCの搬送終端部からトウモロコシが供給される収穫物タンク4が、揺動軸芯Qを中心にして貯留姿勢と排出姿勢とに姿勢切換自在に支持されている。フィーダCから排出される非収穫物を収穫物タンク4の外方に排出する案内ダクト58が、作業時において収穫物タンク4の上部開口に近接する作業位置Mと、収穫物タンク4が排出姿勢に設定される際に収穫物タンク4との接触を回避する待避位置Hとに切換自在に備えられた。
【選択図】図10
【解決手段】フィーダCの搬送終端部からトウモロコシが供給される収穫物タンク4が、揺動軸芯Qを中心にして貯留姿勢と排出姿勢とに姿勢切換自在に支持されている。フィーダCから排出される非収穫物を収穫物タンク4の外方に排出する案内ダクト58が、作業時において収穫物タンク4の上部開口に近接する作業位置Mと、収穫物タンク4が排出姿勢に設定される際に収穫物タンク4との接触を回避する待避位置Hとに切換自在に備えられた。
【選択図】図10
Description
本発明は、収穫部で収穫された収穫物を搬送機構で上方に搬送し、この搬送機構の搬送終端部から収穫物タンクの上部開口に落下供給して貯留する収穫機に関する。
上記のように構成された収穫機として特許文献1には、サトウキビを刈り取り、細断し、細断したサトウキビを搬送機構(文献では横搬送部)で斜め上方に搬送し、細断されたサトウキビを搬送終端部から収穫物タンク(文献では収容部)の上部開口に落下供給する構成が記載されている。
この特許文献1では、搬送機構の搬送終端位置から送り出されるサトウキビからトラッシュを分離する手段として、トラッシュを吹き飛ばすシロッコファンと、トラッシュを吸引して排出する軸流ファンと、この軸流ファンで送り出されるトラッシュを後方に案内するダクトとが示されている。
搬送機構の搬送終端部から排出される収穫物から茎の一部や葉を除去する構成は、サトウキビ以外を収穫対象とする収穫機にも必要とされる。
具体的例を挙げると、多数の実を内方した房状のトウモロコシを収穫する収穫機では、房状のトウモロコシを収穫する際にトウモロコシの他に茎の細片や葉の一部等が含まれるのが普通であり、このように茎の細片や葉の一部等の非収穫物を収穫物タンクの外方に送り出すため、特許文献1では茎の細片や葉の一部等の非収穫物を高い位置から後方に排出する案内ダクトを備えている。
収穫機の全体的な高さを抑制するために、収穫物タンクの上部開口に近接する位置に案内ダクトを配置することが合理的である。しかしながら、搬送機構からの収穫物を収穫する貯留姿勢と、貯留した収穫物の排出を行う排出姿勢とに切換自在に構成される収穫物タンクを想定すると、姿勢変更時に収穫物タンクに案内ダクトが接触することも考えられ、接触を回避する構成が望まれる。
本発明の目的は、収穫物タンクの上方に近接する位置に案内ダクトを配置した構成であっても、この案内ダクトに阻害されることなく収穫物タンクを排出姿勢に設定できる収穫機を合理的に構成する点にある。
本発明の特徴は、収穫部で収穫された収穫物を搬送機構で上方に搬送し、この搬送機構の搬送終端部から収穫物タンクの上部開口に落下供給して貯留する収穫機であって、
前記収穫物タンクが、前記収穫物を貯留する貯留姿勢と、前記収穫物の排出を行う排出姿勢とに姿勢切換自在に構成され、前記搬送機構の搬送終端位置に、この搬送機構から収穫物とともに排出される非収穫物を前記収穫物タンクの前記上部開口より外方に案内する案内ダクトを備えると共に、この案内ダクトを支持する支持機構を備え、前記支持機構は前記案内ダクトを、作業時に設定される作業位置と、前記収穫物タンクが前記貯留姿勢から前記排出姿勢に切り換えられる際に前記収穫物タンクとの接触を回避する待避位置とに位置変更自在に支持している点にある。
前記収穫物タンクが、前記収穫物を貯留する貯留姿勢と、前記収穫物の排出を行う排出姿勢とに姿勢切換自在に構成され、前記搬送機構の搬送終端位置に、この搬送機構から収穫物とともに排出される非収穫物を前記収穫物タンクの前記上部開口より外方に案内する案内ダクトを備えると共に、この案内ダクトを支持する支持機構を備え、前記支持機構は前記案内ダクトを、作業時に設定される作業位置と、前記収穫物タンクが前記貯留姿勢から前記排出姿勢に切り換えられる際に前記収穫物タンクとの接触を回避する待避位置とに位置変更自在に支持している点にある。
この構成によると、収穫時には収穫物タンクを貯留姿勢に設定し、案内ダクトを作業位置に設定することにより搬送機構で搬送される収穫物は上部開口より収穫物タンクに落下供給される。また、搬送機構の搬送終端部から収穫物とともに排出される非収穫物は案内ダクトにより収穫物タンクの上部開口より外方に排出される。そして、収穫物タンクから収穫物を排出する場合には、案内ダクトを収穫物タンクとの接触を回避する待避位置に設定することにより、収穫物タンクを容易に排出姿勢に設定できる。
従って、収穫物タンクの上方に近接する位置に案内ダクトを配置した構成であっても、この案内ダクトに阻害されることなく収穫物タンクを排出姿勢に設定できる収穫機が構成された。
従って、収穫物タンクの上方に近接する位置に案内ダクトを配置した構成であっても、この案内ダクトに阻害されることなく収穫物タンクを排出姿勢に設定できる収穫機が構成された。
本発明は、前記収穫物タンクが前記貯留姿勢から前記排出姿勢へ姿勢が切り換えられる際に、この姿勢の切換に連係して、前記案内ダクトを前記作業位置から前記待避位置に変位させる連係作動機構を備えても良い。
これによると、収穫物タンクを貯留姿勢から排出姿勢に切り換えた場合には、この切換に連係して、連係作動機構が案内ダクトを作業位置から待避位置に変更することになり、作業者が人為的に位置変更を行わずに済む。
本発明は、前記連係作動機構が、前記収穫物タンクの姿勢切換時の移動力を前記案内ダクトに伝えることで、前記案内ダクトを前記待避位置に変位させるワイヤを備えて構成されても良い。
これによると、収穫物タンクを貯留姿勢から排出姿勢に切り換えた場合には、ワイヤの操作力により案内ダクトが作業位置から待避位置に変位することになり、案内ダクトを作動させるアクチュエータを備えずに済む。
本発明は、前記案内ダクトが、平面視において前記収穫物タンクの上方に重なる位置に配置されても良い。
これによると、案内ダクトを側方に張り出す位置に配置する必要がないので、この案内ダクトを収穫機の側方に張り出す形態で備えずに済む。
本発明は、前記支持機構が、前記案内ダクトを前記作業位置より前記収穫物タンクに近接する格納位置に変位自在に支持するように構成されても良い。
これによると、案内ダクトを格納位置に変位させることにより、案内ダクトの上方への突出を抑制することが可能となり、梁や桁等の接触を抑制し、例えば、納屋等に収容する際にも納屋等の天井壁などへの接触を回避し、納屋等の格納スペースも小さくする。
本発明は、前記支持機構が、切換軸芯を中心にした揺動により、前記案内ダクトを前記作業位置と、前記待避位置とに切換自在に支持する軸支構成を有しても良い。
これによると、切換軸芯を中心にした揺動により案内ダクトを作業位置と待避位置とに切り換えるので、例えば、スライドする部材やリンク機構により平行に移動する部材等を有する構成と比較して、変位のための構成が簡単になり部品点数も少なくて済む。
本発明は、前記収穫物タンクが、揺動軸芯を中心にした揺動により前記貯留姿勢と前記排出姿勢とに切換自在に構成されても良い。
これによると、揺動軸芯を中心にして収穫物タンクを揺動させる簡単な構成により収穫物タンクを貯留姿勢と排出姿勢とに設定できることになり、収穫物タンクを支持する構成を少ない部品点数で高い強度で構成できる。
本発明は、前記案内ダクトが、上壁と、これに連なる側壁とを備えることにより下方に開放する案内空間が形成されても良い。
これによると、案内空間が上壁と側壁とを備え下方に開放する形状に形成されているので、例えば、底壁を有する構成と比較すると構成が簡単で、非収穫物の詰まりが発生し難いものとなる。
本発明は、前記案内ダクトが、前記搬送機構から排出される前記非収穫物の排出方向の延長上に配置される直線部と、この直線部に送られる前記非収穫物を側方に案内する湾曲部とを備えて構成されても良い。
これによると、搬送機構から排出された非収穫物は、排出方向の延長上の直線部に送り込まれ、次に湾曲部から側方に案内される形態となり、排出された際の速度を利用して側方に排出できる。
本発明は、前記案内ダクトが、前記湾曲部の半径方向の外周側に前記非収穫物の下方への落下を抑制する落下規制壁を下方位置に形成して構成されても良い。
これによると、搬送機構から排出された非収穫物は、直線部から湾曲部に達した際に遠心力により半径方向の外周側に集中して下方に流れ出すことも考えられるが、この下方への流れ出しを落下規制壁が規制して収穫物タンクの内部に入り込む不都合を解消できる。
本発明は、前記搬送機構が、前記搬送終端位置において前記収穫物を送り出すために開放する排出口が形成されると共に、この排出口から前記収穫物とともに排出される非収穫物を風圧により前記案内ダクトの方向に送り出す排塵ファンを備えても良い。
これによると、搬送機構の搬送終端位置の排出口から収穫物が排出される際には、収穫物と共に排出される非収穫物を排塵ファンの風圧により案内ダクトに送り込み、この案内ダクトから排出することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成・収穫作業の概要〕
〔全体構成・収穫作業の概要〕
図1〜図3に収穫機の一例としてのトウモロコシ収穫機を示している。このトウモロコシ収穫機は、収穫物の一例としてのトウモロコシを収穫対象とするものであり、機体フレームAの前部位置に前車輪1を備え、後部位置に後車輪2を備え、機体フレームAの前部位置にキャビン3を備えている。また、機体フレームAの前端に収穫部Bを備え、この収穫部Bで収穫したトウモロコシを後方上方に搬送する搬送機構としてのフィーダCを備えている。このトウモロコシ収穫機では、機体フレームAの後端の収穫物タンク4を備え、前車輪1と後車輪2との中間位置に残稈処理装置Dを備えている。
図1、図2、図4に示すように、機体フレームAは、前後に延びる左右一対の主フレーム6と、この前部位置で前述したキャビン3を支持するように高レベルに備えられるキャビンフレーム7と、主フレーム6の前後方向の中央位置でエンジン類を支持する原動部フレーム8と、主フレーム6の後部位置で収穫物タンク4を支持するタンクフレームTFとを連結した構成を有している。主フレーム6の中央位置で原動部フレーム8にエンジン10が支持され、主フレーム6の前部位置には左右の前車輪1に駆動力を伝える前輪駆動ケース11が支持され、主フレーム6の後部位置には左右の後車輪2をステアリング作動させるステアリング駆動機構12が備えられている。尚、収穫物タンク4は、トウモロコシを貯留するために図10に示す貯留姿勢と、トウモロコシの排出を行うため図12に示す排出姿勢とに姿勢切換自在に構成されている。
前輪駆動ケース11にはエンジン10からの走行伝動機構13を介して駆動力が伝えられる。主フレーム6の前後方向の中央位置には収穫作業系に駆動力を分配して伝える作業ケース14が備えられている。作業ケース14にはエンジン10から駆動力が作業伝動機構(図示せず)を介して伝えられる。作業ケース14から収穫部Bと、フィーダCと、残稈処理装置Dとに駆動力を伝える伝動機構が形成されている。
構成は詳述しないが、残稈処理装置Dは、横向き姿勢の駆動軸に対して複数の破砕刃を、下方に開放する処理ケースの内部に備えた構成を有しており、駆動軸の駆動回転により破砕刃によりトウモロコシが収穫された後の残稈を細断破砕し、土壌に拡散させる処理を行う。
走行伝動機構13は、動力を伝える無端ベルトを備えると共に、この無端ベルトの張力の設定により動力の断続を行うベルトテンション式の走行クラッチ(図示せず)を備えている。これと同様に作業伝動機構(図示せず)は、動力を伝える無端ベルトを備えると共に、この無端ベルトの張力の設定により動力の断続を行うベルトテンション式の作業クラッチ(図示せず)を備えている。このような構成から、走行クラッチの入り操作により走行機体の走行が可能となり、作業クラッチの入り操作により収穫部B、フィーダC、残稈処理装置D等の駆動が可能となる。
キャビン3は前面にフロントガラス21を備え、側部に開閉自在にドア22を備えている。キャビン3の内部には作業車が着座する運転座席(図示せず)と、ステアリング操作具(図示せず)とが配置され、ステアリング操作具の操向操作に連動して後車輪2のステアリング駆動機構12が制御される。キャビンフレーム7の左側部には、図1、図3、図5、図6に示すように、縦向き姿勢の姿勢変更軸23を中心に姿勢変更自在にラダー24を備えている。
ラダー24は両側のサイドプレートに挟まれる位置に複数のステップを階段状に備えた一般的な構造を有すると共に、ラダー24の左右方向の一方に上方に大きく突出する大型の第1手摺25Aを備え、他方に小型の第2手摺25Bを備えている。図5に示す如くキャビン3のドア22の外方には主ステップ26を備え、この主ステップ26の外端位置に、前後向き姿勢の揺動支軸27Aを中心にして揺動自在に補助ステップ27を備えている。
ラダー24は、突出させた突出姿勢と、非使用時において走行機体の前後方向に沿わせる格納姿勢と、これらの中間となる中間姿勢と設定自在に構成されている。この突出姿勢と格納姿勢と中間姿勢とにロックするロックピン28がロックバネ28Aによって突出付勢状態で備えられ、このロックピン28が係入する3つのロック孔24Aがラダー24に形成されている。主ステップ26の近傍位置には、このロックピン28によるロック解除を行うロック解除ペダル29を備え、このロック解除ペダル29のアーム部29Aはアーム支軸29Bにより主ステップ26の下側で支持され、踏み込み操作によりロックピン28をロック孔24Aから引き抜く操作力を作用させるように構成されている。
このような構成から、キャビン3に搭乗する際には姿勢変更軸23を中心にした揺動によりのラダー24を突出姿勢に設定し、補助ステップ27を突出姿勢に設定することでロックピン28が突出姿勢に対応するロック孔24Aに係入するロック状態に達する。この姿勢で作業者は第1手摺25Aと第2手摺25Bとを握ってラダー24を登り、補助ステップ27と主ステップ26に足を掛ける形態でのキャビン3への搭乗が可能となる。また、作業を行う場合には、作業者がロック解除ペダル29を踏み込む操作によりロック状態を解除した後に、第1手摺25A等を作業者が操作してラダー24を格納姿勢に設定することで、ロックバネ28Aの付勢力によりロックピン28が格納姿勢に対応したロック孔24Aに係入する状態に達し、ラダー24の側方への張り出しが抑制される。
作業者がキャビン3から地上に降りる場合には、ロック解除ペダル29の踏み込み操作によりロックピン28によるロック状態を解除し、ラダー24を突出姿勢に設定し、補助ステップ27を側方に張り出す姿勢に設定する操作が行われる。尚、このトウモロコシ収穫機を停車させた場合には、ラダー24はロックピン28によるロックにより突出姿勢に維持され、補助ステップ27も側方に突出する姿勢に保持される。
植物としてのトウモロコシは、植立する茎稈に対し収穫時期に多数の実を内包する複数の房状部を作る。この房状部の包葉の内部に多数の種子(穀物としてのトウモロコシ)が含まれ、この種子は棒状の芯の外面に整列する形態で形成される。本発明においてトウモロコシと称する場合には、棒状の芯の外周に多数の種子を備えたもの(収穫物の具体例)を指す。
このトウモロコシ収穫機では、収穫作業時に前車輪1の駆動により走行機体を走行させ、キャビン3の内部のステアリング操作具で後車輪2のステアリング駆動機構12を制御することにより操向制御が行われる。また、収穫作業時には、収穫部Bで収穫したトウモロコシがフィーダCから収穫物タンク4に搬送され、この収穫物タンク4の上部開口4Aから内部に落下供給する形態で貯留される。この収穫時に圃場に残された茎稈は残稈処理装置Dにより破砕処理される。
収穫物タンク4は、走行機体に対して横向き姿勢の揺動軸芯Qを中心にして揺動自在に支持されると共に、この収穫物タンク4の両側部に配置された油圧シリンダ17の駆動力により、上部開口4Aが上方に向かう格納姿勢と、図12に示す如く上部開口4A後方に向かう排出姿勢とに切換自在に構成されている。この収穫物タンク4の姿勢切換構成の詳細は後述する。
〔収穫部〕
収穫部Bは、走行機体の前部位置において、横向き姿勢の昇降軸芯Pを中心にして揺動自在に支持されると共に、油圧式の昇降シリンダ31の駆動力により昇降自在となる。
収穫部Bは、走行機体の前部位置において、横向き姿勢の昇降軸芯Pを中心にして揺動自在に支持されると共に、油圧式の昇降シリンダ31の駆動力により昇降自在となる。
この収穫部Bは、図1〜図4、図7、図9に示すように、横方向に並列する3列の導入経路が形成され、各々の導入経路を挟む位置に左右一対の収穫ロール32を備え、この上部位置に左右一対の無端搬送チェーン33を備え、上下方向でこれらの中間位置に分離プレート34を備えている。複数の収穫ロール32と複数の無端搬送チェーン33との後方位置にはトウモロコシを横方向の中央位置に移送するオーガ35を備えている。更に、走行機体の左右方向での中央位置には、オーガ35の横方向の中央位置に移送されたトウモロコシを、後方上方に搬送するように斜め姿勢となるフィーダCが備えられている。
収穫ロール32は、導入経路と平行する姿勢の回転軸芯を中心に回転自在に支持され、前端位置に先細りのスクリュー部32Aを備え、これより後方側の外周には複数の収穫羽根32Bを備えている。無端搬送チェーン33は、多数の突起が形成されると共に、前部位置の前部スプロケットと後部位置の後部スプロケットとに巻回されている。また、収穫ロール32を駆動すると共に、後部スプロケットの駆動により無端搬送チェーン33を駆動する駆動ケース37がオーガ35の前方位置に配置されている。オーガ35は、オーガケース36に収容され、外周にはスクリュー羽根体35Aが形成されている。
前述した作業ケース14からの駆動力を駆動ケース37と、オーガ35とに供給することにより、導入経路を挟む位置に配置される一対の収穫ロール32は、図9に矢印で示す方向に駆動回転され、無端搬送チェーン33は導入経路に沿って後方(オーガ側)に循環駆動され、オーガ35はスクリュー羽根体35Aで左右方向の中央側にトウモロコシを搬送するように駆動される。
この構成から、導入経路に茎稈が導入された場合には、収穫ロール32の収穫羽根32Bが茎稈を下方に引く力を継続的に作用させ、茎稈に房状に形成されているトウモロコシを分離プレート34の上面に接触させ、このトウモロコシを上方に引きちぎる形態で茎稈から分離する。このように分離したトウモロコシは無端搬送チェーン33でオーガ35のスクリュー羽根体35Aにより走行機体の横幅方向の中央に搬送され、フィーダCに供給される。
〔フィーダ〕
フィーダCは、図7及び図8に示すように、前端側の駆動スプロケット41と、後端側の従動スプロケット42とに亘ってフィードチェーン43を巻回し、このフィードチェーン43に対して設定間隔で複数の搬送プレート44を備え、これらをフィーダケース45に内装して構成されている。このフィーダCは、フィードコンベアとして機能するものであり、フィーダケース45の後端部には下方に開放する排出口45Aが形成され、この排出口45Aからトウモロコシ(収穫物の具体例)とともに放出される葉の一部や稈身の一部等の非収穫物を風圧により吹き飛ばす排塵ファンEがフィーダケース45の下側に備えられている。
フィーダCは、図7及び図8に示すように、前端側の駆動スプロケット41と、後端側の従動スプロケット42とに亘ってフィードチェーン43を巻回し、このフィードチェーン43に対して設定間隔で複数の搬送プレート44を備え、これらをフィーダケース45に内装して構成されている。このフィーダCは、フィードコンベアとして機能するものであり、フィーダケース45の後端部には下方に開放する排出口45Aが形成され、この排出口45Aからトウモロコシ(収穫物の具体例)とともに放出される葉の一部や稈身の一部等の非収穫物を風圧により吹き飛ばす排塵ファンEがフィーダケース45の下側に備えられている。
排出口45Aは、フィーダケース45の下壁を取り除くことにより、左右の側壁と、上壁とを残して後方に開放する形態で形成され、この排出口45Aの後方で、かつ、フィーダケース45の後端部にはフィードコンベアによる搬送方向の延長方向に開放する開放空間Vが排出口45Aと連なる領域に形成されている。尚、開放空間Vも後方に開放しており、フィーダケース45を取り囲む左右の側壁と、上壁とを残して後方に開放する形態で形成され、この開放空間Vの内部でフィードチェーン43の搬送方向の延長上には、比較的大型の葉や稈身等の処理物を排出する排出装置Fを備えている。
排塵ファンEは、ファンケース51の内部に横向き姿勢のファン軸52と一体回転する複数の送風翼体53を備え、送風翼体53の回転によりファンケース51の側面から吸引した空気を、ファンケース51に連設されたダクト部52Aから後方上方に送り出すように構成されている。この排塵ファンEでは、ファン軸52に対して作業ケース14からの駆動力が伝えられ、ダクト部52Aからの空気の送り出し方向がフィーダケース45の排出口45Aのトウモロコシの放出方向に対して直交する方向に設定されている。
排出装置Fは、上下位置に配置される一対の搬送軸55と一体回転する搬送ローラ56を備えて構成されている。この排出装置Fは搬送プレート44による非収穫物の搬送方向の延長上に配置され、比較的大型の茎の一部や葉の一部を挟み込み、後方に放擲する形態で排出する機能を有している。
この排出装置Fから排出される葉の一部や稈身の一部等の非収穫物を収穫物タンク4の上部開口4Aより外方に案内する案内ダクト58が、フィーダケース45の開放空間Vに連なる位置に備えられている。この案内ダクト58は、排出装置Fの後方位置で、平面視において収穫物タンク4の上方に重複する位置に配置されている。また、排塵ファンEから送り出された空気の一部は、開放空間Vの内部に流れ込み、フィーダケース45の後端から案内ダクト58の内部に流れ込むように構成されている。
案内ダクト58は、収穫物タンク4が貯留姿勢にある場合には、収穫物タンク4の上方に近接する作業位置Mにセットされ、収穫物タンク4が排出姿勢に切換られた場合に、この収穫物タンク4に接触しない待避位置Hに移動させるように作動自在に構成されている。この構成の詳細は後述する。
排塵ファンEのファン軸52に対して作業ケース14からの駆動力が伝えられるベルト式の伝動系が形成されている。また、一対の搬送軸55に対して排塵ファンEのファン軸52から駆動力を伝えるベルト式の伝動系が形成され、排塵ファンEと排出装置Fとが連動して駆動されるように構成されている。
この構成から、収穫作業時にはフィーダCで搬送されるトウモロコシが排出口45Aから収穫物タンク4の上部開口4Aに落下供給するように排出され、このトウモロコシは収穫物タンク4に貯留される。また、トウモロコシに混ざり込む小さな葉や稈身等の非収穫物が排出口45Aから放出される際には、排塵ファンEからの風圧により吹き飛ばされ、収穫物タンク4の上部開口4Aに落ち込むことはない。フィーダCで搬送される比較的大型の葉や稈身等の処理物は排出装置Fの一対の搬送ローラ56の間に挟み込む形態で後方に比較的高速で搬送され、排塵ファンEからの空気の流れとともに案内ダクト58により案内される形態で収穫物タンク4の外方に排出される。
このフィーダCでは非収穫物を一対の搬送ローラ56で挟持して搬送する構成であるが、この構成に代えて、例えば、非収穫物を細断するカッター類を備えることにより、案内ダクト58に対して細断された非収穫物を送り込むように構成しても良い。
〔収穫物タンク〕
図1〜図4及び図10、図11に示すように、タンクフレームTFは、前後一対の横長フレーム67と、この横長フレーム67の外端位置同士を連結する縦長フレーム68とを連結することにより平面視で矩形に構成されている。このタンクフレームTFの左右の縦長フレーム68の後部位置の上面に第1フレーム71が立設され、この第1フレーム71の上端部と縦長フレーム68の上面とに連結する斜め姿勢の第2フレーム72が備えられている。また、左右の第1フレーム71の上端部と、後部側の横長フレーム67の中央部の上面とを結ぶ位置に連結される斜め姿勢の補強フレーム73が備えられている。
図1〜図4及び図10、図11に示すように、タンクフレームTFは、前後一対の横長フレーム67と、この横長フレーム67の外端位置同士を連結する縦長フレーム68とを連結することにより平面視で矩形に構成されている。このタンクフレームTFの左右の縦長フレーム68の後部位置の上面に第1フレーム71が立設され、この第1フレーム71の上端部と縦長フレーム68の上面とに連結する斜め姿勢の第2フレーム72が備えられている。また、左右の第1フレーム71の上端部と、後部側の横長フレーム67の中央部の上面とを結ぶ位置に連結される斜め姿勢の補強フレーム73が備えられている。
具体的な構成として、縦長フレーム68の後端位置の上面に第1ブラケット71Aが固設され、この第1ブラケット71Aに対して第1フレーム71の下端が連結している。また、縦長フレーム68の中間位置の上面に対して第2ブラケット72Aが固設され、この支持ブラケット75に対して第2フレーム72の下端が連結している。更に、後端側の横長フレーム67の中央位置の上面に補助ブラケット73Aが固設され、この補助ブラケット73Aに対して一対の補強フレーム73の下端が連結している。尚、収穫物タンク4を支持するためのフレーム構成は、これに限るものではなく、第1フレーム71の下端を縦長フレーム68の上面に対して溶接等の技術により直接的に固定して良く、これと同様に第2フレーム72の下端を縦長フレーム68の上面に直接的に固定して良く、補強フレーム73の下端を横長フレーム67の上面に直接的に固定しても良い。
左右の第1フレーム71の上端位置に軸受部74を備え、この軸受部74に対して収穫物タンク4の側面に突設した軸部4Bが支承されている。特に、収穫物タンク4の左右の側壁の外部には前後に延びる姿勢の補強体4Sが備えられ、この補強体4Sの後端位置に前述した軸部4Bが外方に向けて突設されている。また、左右の軸受部74を結ぶ直線(左右の軸部4Bを結ぶ直線と一致する)が揺動軸芯Qとなる。
この第1フレーム71と第2フレーム72とでフレームユニットが構成され、第2フレーム72の下端部の上面に固設された支持体72Bに対して油圧シリンダ17のシリンダ部17Aの下端が揺動自在に支持されている。また、収穫物タンク4の補強体4Sに対して側面に支持部材4Tが固設され、この支持部材4Tに対して単動型の油圧シリンダ17のピストンロッド部17Bの先端が揺動自在に支持されている。
つまり、第1フレーム71と第2フレーム72とで構成されるフレームユニットが機体フレームAの後端位置の左右の2箇所に配置され、夫々のフレームユニットに油圧シリンダ17を備えることにより、油圧シリンダ17は収穫物タンク4を左右から挟み込む位置に配置される。また、左右のフレームユニットの中間の空間に左右のフレームユニットを機体フレームAに連結するように補強フレーム73が備えられている。このような構成において、左右の油圧シリンダ17を収縮状態に設定することで収穫物タンク4を図10に示す貯留姿勢に維持し、左右の油圧シリンダ17の駆動により伸長させることで収穫物タンク4を揺動軸芯Qを中心にして揺動させて図12に示す排出姿勢に設定できる。
〔案内ダクト〕
図3、図10、図11に示すように、案内ダクト58は、平面視においてフィーダCから非収穫物が排出される排出方向の延長上に配置される直線部58Aと、この直線部58Aで案内される非収穫物を側方に案内する湾曲部58Bと、これに連なる排出案内部58Cとが一体的に形成して内部に案内空間を形成している。この案内ダクト58は、上壁58Tとこれに連なる一対の側壁58Sとを一体的に形成することにより下方に開放する断面形状を有すると共に、湾曲部の半径方向での外側には非収穫物の下方への落下を抑制する落下規制壁59を下方位置に形成している。
図3、図10、図11に示すように、案内ダクト58は、平面視においてフィーダCから非収穫物が排出される排出方向の延長上に配置される直線部58Aと、この直線部58Aで案内される非収穫物を側方に案内する湾曲部58Bと、これに連なる排出案内部58Cとが一体的に形成して内部に案内空間を形成している。この案内ダクト58は、上壁58Tとこれに連なる一対の側壁58Sとを一体的に形成することにより下方に開放する断面形状を有すると共に、湾曲部の半径方向での外側には非収穫物の下方への落下を抑制する落下規制壁59を下方位置に形成している。
図3に示すように、案内ダクト58の直線部58Aの案内経路幅は、フィーダCの後端において排出装置Fから非収穫物が排出される排出経路幅より充分に広く設定されている。また、この案内ダクト58における案内経路幅は、直線部58Aの部位が最も広く、経路の下流側ほど狭くなり、排出案内部58Cにおいて最も狭くなるように設定されている。このような構成から、フィーダCの搬送終端位置から案内ダクト58に送り込まれた非収穫物は、案内空間の直線部58Aにおいて後方に向けて直線的に送られ、湾曲部58Bにおいて流動方向が側方に変更され、更に、排出案内部58Cにおいて側方に排出される。また、この排出案内部58Cの案内経路幅が直線部58Aの案内経路幅より狭く設定されているので、排出案内部58Cで空気の流れを高めて高速での排出を実現する。
この案内ダクト58では、非収穫物を未刈り側に排出するように案内方向が設定されているが、この案内方向を既刈側に設定しても良い。
フィーダCの後端の近部位置を挟む位置に左右一対の支柱60が走行機体に立設する状態で備えられている。夫々の支柱60の上端位置に取り付けた支持アーム部60Aに対して横向き姿勢の切換支軸61を備え、この切換支軸61の切換軸芯Rを中心に回転自在に支持した連結ブラケット62に案内ダクト58に連結している。このように切換支軸61の切換軸芯Rを中心にして揺動自在に支持することにより案内ダクト58は、図10に示す格納位置Lと、作業位置Mと、待避位置Hとに切換自在に支持されている。また、案内ダクト58を位置変更自在に支持するための切換支軸61と連結ブラケット62とを備えた軸支構成で支持機構Tが構成されている。
この収穫機では、収穫物タンク4が貯留姿勢から排出姿勢に切換られた場合に、この切換に連係して案内ダクト58を作業位置Mから待避位置Hに切り換える連係作動機構Sを備えると共に、収穫物タンク4が貯留姿勢にある状態で、人為操作により案内ダクト58を格納位置Lに作動させる切換レバー64を備えている。
左右の連結ブラケット62の一方と一体的に揺動する操作アーム63を備え、走行機体の後部位置には第2フレーム72に対して横向き姿勢の軸芯を中心にして揺動自在に切換レバー64を備えている。切換レバー64は、人為操作により格納設定位置Laと作業設定位置Maとに切換保持できるようにレバーガイド65に対して係止自在に備えられている。
連係作動機構Sは、インナワイヤ66Aとアウタワイヤ66Bとで成る操作ワイヤ66が用いられ、インナワイヤ66Aの一端を収穫物タンク4に連結すると共に、この一端側のアウタワイヤ66Bの端部を切換レバー64に支持している。また、インナワイヤ66Aの他端を操作アーム63に連結すると共に、この他端側のアウタワイヤ66Bを補強体4Sに支持している。
この連係作動機構Sでは案内ダクト58の自重が操作ワイヤ66に張力を作用させる構成であり、収穫物タンク4を貯留姿勢に設定した場合には、インナワイヤ66Aに作用する張力により案内ダクト58が作業位置Mにセットされる。そして、収穫物タンク4を排出姿勢に設定した場合には、図12に示すように、姿勢の切換に伴うインナワイヤ66Aの張力により案内ダクト58を待避位置Hまで案内ダクト58を揺動させる作動を行わせ、案内ダクト58に接触させることなく収穫物タンク4を排出姿勢に設定できる。
また、収穫物タンク4が貯留姿勢にある状態で、切換レバー64を作業設定位置Maから格納設定位置Laに操作した場合には、アウタワイヤ66Bの端部の位置を調節してインナワイヤ66Aの張力を低下させるため案内ダクト58の自重により案内ダクト58を格納位置Lに設定することが可能となる。
つまり、収穫物タンク4が貯留姿勢にある場合に切換レバー64を作業設定位置Maに設定保持することにより、図10に示すように、案内ダクト58が収穫物タンク4の上方に重複する作業位置Mに保持される。これによりフィーダCの搬送後端位置から排出された非収穫物は、案内ダクト58の内部に送り込まれ、その被収穫物の動慣性と排塵ファンEからの風とにより案内ダクト58の内部を流動する形態で送られ、収穫物タンク4の外方に排出することが可能となる。
また、収穫物タンク4が排出姿勢に切り換えられる場合には、この排出姿勢への切換に連係して操作ワイヤ66のインナワイヤ66Aの引き操作力が操作アーム63に伝えられ、図12に示す如く、操作アーム63と、切換支軸61と、連結ブラケット62とを切換軸芯Rを中心に一体的に回転させ案内ダクト58を待避位置Hに設定できる。このように待避位置Hに設定した後に収穫物タンク4を排出姿勢に揺動させても、この収穫物タンク4が案内ダクト58に接触することがなく円滑な作動を実現する。
更に、収穫物タンク4が貯留姿勢にある状態で切換レバー64を作業設定位置Maから格納設定位置Laに操作することにより、操作ワイヤ66のインナワイヤ66Bの張力が低下し、案内ダクト58が自重により下方に揺動して収穫物タンク4に近接する格納位置Lに設定される。このように案内ダクト58を格納位置Lに設定することにより案内ダクト58の上方への突出量を小さくして走行機体の全体の高さを低くして路上走行時に上下方向への振動を小さくすると共に、地上構造物の梁や桁等の接触を抑制し、納屋等に収容する際にも納屋等の天井壁などへの接触を回避する。
〔実施形態の作用・効果〕
このように本発明のトウモロコシ収穫機では、収穫作業時には収穫部Bで収穫されたトウモロコシがフィーダCで後方上方に搬送され、このフィーダの排出口45Aから排出され、上部開口4Aから収穫物タンク4に落下供給される形態で貯留される。また、排出口45Aからトウモロコシが排出される際には、葉の一部や稈身の一部等の非収穫物も排出されるが、これらの非収穫物は排塵ファンEの風圧により吹き飛ばされ収穫物タンク4の内部に落下することが抑制される。
このように本発明のトウモロコシ収穫機では、収穫作業時には収穫部Bで収穫されたトウモロコシがフィーダCで後方上方に搬送され、このフィーダの排出口45Aから排出され、上部開口4Aから収穫物タンク4に落下供給される形態で貯留される。また、排出口45Aからトウモロコシが排出される際には、葉の一部や稈身の一部等の非収穫物も排出されるが、これらの非収穫物は排塵ファンEの風圧により吹き飛ばされ収穫物タンク4の内部に落下することが抑制される。
フィーダCにはトウモロコシの他に比較的大きいサイズの葉の一部や稈身の一部等の非収穫物が搬送されることもあり、このように比較的大型の非収穫物は、フィーダCの搬送終端部の排出装置Fの一対の搬送ローラ56に挟持される形態で後方に排出される。この排出速度は比較的高速度であり、排出された非収穫物は案内ダクト58の直線部58Aから湾曲部58Bに送られ、更に、排出案内部58Cから収穫物タンク4の外方に放擲する形態で排出される。
このトウモロコシ収穫機では、例えば、非収穫物を排塵ファンEの風圧によって吹き飛ばす構成を採用することも考えられるが、風圧によって単純に吹き飛ばす構成では排塵ファンEから離れる位置ほど風圧が低下し、非収穫物を排出する距離も低下する。これに対して案内ダクト58を備えることにより排塵ファンEから送り出される空気の流れの拡がりを抑制し、排塵ファンEから離れた部位においても高い風圧を作用させて非収穫物の排出を行えるようにしている。
案内ダクト58は、上壁58Tと側壁58Sとを備え、底壁を備えず下方に開放する構造であるため、排塵ファンEからの風が開放する下部から搬送経路に流れ込み、非収穫物を送り出す方向へ風圧を作用させるため非収穫物を円滑に排出する。特に、非収穫物が案内ダクト58に送られる際には、湾曲部58Bに非収穫物に遠心力が作用し、非収穫物が溢れる形態で下方に落下することも考えられるが、この湾曲部58Bの半径方向の外周側に形成された落下規制壁59により落下が規制され、収穫物タンク4の内部に落下する不都合を招くことはない。
収穫物タンク4の姿勢切換に連係して案内ダクト58の位置を切り換える連係作動機構Sを備えているため、収穫物タンク4が貯留姿勢にある場合には、案内ダクト58を上部開口4Aの上方に近接する作業位置Mに設定する。また、収穫物タンク4が排出姿勢に切換られる際には、連係作動機構Sが収穫物タンク4との接触を回避する待避位置Hまで案内ダクト58を移動させることにより、案内ダクト58に接触させずに収穫物タンク4の姿勢の切換が実現する。また、切換レバー64を人為操作することにより案内ダクト58を作業位置Mと格納位置Lとに切り換えることも可能となる。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
(a)前述した実施形態の操作ワイヤ66に代え、切換レバー64の人為操作力をチェーンにより案内ダクト58に伝えて姿勢変更を行うように作動機構を構成する。
具体的には、図13に示すように、第1フレーム71の上端部分に横向き姿勢の軸芯を中心にして回転自在に操作スプロケット81を備え、この操作スプロケット81を回転操作するための切換レバー64を備え、この切換レバー64を格納設定位置Laと作業設定位置Maと待避設定位置Haとに保持するレバーガイド65を備える。切換支軸61に連結することで切換支軸61と一体回転する作動スプロケット82を切換軸芯Rと同軸芯で備え、操作スプロケット81と作動スプロケット82とに亘って無端チェーンとして構成される操作チェーン83を巻回する。
このように構成することにより、切換レバー64を作業設定位置Maに設定保持することで案内ダクト58が作業位置Mに保持され、切換レバー64を待避設定位置Haに操作することによりこの操作力が操作スプロケット81から操作チェーン83を介して作動スプロケット82に伝えられ、切換支軸61と一体的に操作アーム63を回転させることで切換軸芯Rを中心にした揺動により案内ダクト58を待避位置Hに設定できる。また、切換レバー64を格納設定位置Laに設定保持することにより、案内ダクト58が自重により下方に揺動して格納位置にLに設定される。
この別実施形態(a)では、操作スプロケット81を揺動軸芯Qと同軸芯上に配置しているが、揺動軸芯Qと離間する位置に配置しても良い。また、この構成において操作スプロケット81を電動モータ等のアクチュエータで駆動するように構成しても良い。このようにアクチュエータを備えることにより任意のタイミングで案内ダクト58の位置を変更することも可能となる。
(b)図14に示すように、収穫物タンク4の貯留姿勢から排出姿勢への切り換えに連係して案内ダクト58を作業位置Mから待避位置Hに切り換える連係ワイヤ85を用いた連係作動機構Sを備える。
連係作動機構Sを構成する連係ワイヤ85としてインナワイヤ85Aをアウタワイヤ85Bの内部に作動自在に収納した構成のものが使用され、切換支軸61に形成した操作アーム63にインナワイヤ85Aの一端を連結し、支柱60に対してアウタワイヤ85Bの一端側を支持している。また、収穫物タンク4の外壁面にインナワイヤ85Aの他端を連結し、第1フレーム71に固設したブラケット86に対してアウタワイヤ85Bの他端を支持している。
このような構成から、収穫物タンク4を貯留姿勢に設定した場合には、案内ダクト58が作業位置Mにセットされる。そして、収穫物タンク4を排出姿勢に設定した場合には、連係ワイヤ85の張力により待避位置Hまで案内ダクト58を揺動させる作動を行わせ、案内ダクト58に接触させることなく収穫物タンク4を排出姿勢に設定できる。
つまり、この別実施形態(b)では、収穫物タンク4を貯留姿勢から排出姿勢に切り換えた場合には、収穫物タンク4の姿勢変更に伴い、連係ワイヤ85のインナワイヤ85Aに作用する張力が操作アーム63に作用する。この張力の作用により切換支軸61が回転し、この回転により案内ダクト58の後端側が上方に持ち上げる形態で揺動して待避位置Hに達するのである。
(c)前述した別実施形態(b)に規制した連係作動機構Sを電動モータ等のアクチュエータにより案内ダクト58の位置の切換を行えるように構成する。具体的には、収穫物タンク4の姿勢を検出するセンサを備え、このセンサにより作動開始を検出した場合にアクチュエータを作動させる、あるいは、油圧シリンダ17を作動させる制御信号の検出に基づいてアクチュエータを作動させる等の制御系を備えて連係作動機構Sを構成する。
このように構成することにより、例えば、収穫物タンク4の作動が開始の直前、あるいは、作動開始の早期に案内ダクト58を作業位置Mから待避位置Hに切換ることも可能となり、収穫物タンク4と案内ダクト58との接触を確実に回避させることも可能となる。また、アクチュエータにより案内ダクト58の切換を行う制御系を備えるものでは任意のタイミングでアクチュエータを作動させて待避位置Hに設定することや、格納位置Lに設定することも可能となる。
(d)案内ダクト58をフィーダCの後端位置に対して姿勢変更自在に支持する。このように構成することにより、案内ダクト58を支持するための支柱60が不要となり部品点数の低減が実現する。
(e)収穫物タンク4に貯留されたトウモロコシの排出方向を側方に向けるように、揺動軸芯Qを前後向きに設定しても良い。
本発明は、収穫物を上方に搬送して収穫物タンクに貯留する搬送機構を備え、搬送機構の終端部から非収穫物を排出する構成を備え、姿勢変更により収穫物の排出を行う収穫機に利用することができる。
4 収穫物タンク
4A 上部開口
45A 排出口
58 案内ダクト
58A 直線部
58B 湾曲部
58T 上壁
58S 側壁
59 落下規制壁
85 ワイヤ(連係ワイヤ)
B 収穫部
C 搬送機構(フィーダ)
E 排塵ファン
M 作業位置
H 待避位置
L 格納位置
R 切換軸芯
S 連係作動機構
T 支持機構
4A 上部開口
45A 排出口
58 案内ダクト
58A 直線部
58B 湾曲部
58T 上壁
58S 側壁
59 落下規制壁
85 ワイヤ(連係ワイヤ)
B 収穫部
C 搬送機構(フィーダ)
E 排塵ファン
M 作業位置
H 待避位置
L 格納位置
R 切換軸芯
S 連係作動機構
T 支持機構
Claims (11)
- 収穫部で収穫された収穫物を搬送機構で上方に搬送し、この搬送機構の搬送終端部から収穫物タンクの上部開口に落下供給して貯留する収穫機であって、
前記収穫物タンクが、前記収穫物を貯留する貯留姿勢と、前記収穫物の排出を行う排出姿勢とに姿勢切換自在に構成され、
前記搬送機構の搬送終端位置に、この搬送機構から収穫物とともに排出される非収穫物を前記収穫物タンクの前記上部開口より外方に案内する案内ダクトを備えると共に、この案内ダクトを支持する支持機構を備え、
前記支持機構は前記案内ダクトを、作業時に設定される作業位置と、前記収穫物タンクが前記貯留姿勢から前記排出姿勢に切り換えられる際に前記収穫物タンクとの接触を回避する待避位置とに位置変更自在に支持する収穫機。 - 前記収穫物タンクが前記貯留姿勢から前記排出姿勢へ姿勢が切り換えられる際に、この姿勢の切換に連係して、前記案内ダクトを前記作業位置から前記待避位置に変位させる連係作動機構を備えている請求項1記載の収穫機。
- 前記連係作動機構が、前記収穫物タンクの姿勢切換時の移動力を前記案内ダクトに伝えることで、前記案内ダクトを前記待避位置に変位させるワイヤを備えて構成されている請求項2記載の収穫機。
- 前記案内ダクトが、平面視において前記収穫物タンクの上方に重なる位置に配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記支持機構が、前記案内ダクトを前記作業位置より前記収穫物タンクに近接する格納位置に変位自在に支持するように構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記支持機構が、切換軸芯を中心にした揺動により、前記案内ダクトを前記作業位置と、前記待避位置とに切換自在に支持する軸支構成を有している請求項1〜4のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記収穫物タンクが、揺動軸芯を中心にした揺動により前記貯留姿勢と前記排出姿勢とに切換自在に構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記案内ダクトが、上壁と、これに連なる側壁とを備えることにより下方に開放する案内空間が形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記案内ダクトが、前記搬送機構から排出される前記非収穫物の排出方向の延長上に配置される直線部と、この直線部に送られる前記非収穫物を側方に案内する湾曲部とを備えて構成されている請求項8記載の収穫機。
- 前記案内ダクトが、前記湾曲部の半径方向の外周側に前記非収穫物の下方への落下を抑制する落下規制壁を下方位置に形成して構成されている請求項9記載の収穫機。
- 前記搬送機構が、前記搬送終端位置において前記収穫物を送り出すために開放する排出口が形成されると共に、この排出口から前記収穫物とともに排出される非収穫物を風圧により前記案内ダクトの方向に送り出す排塵ファンを備えている請求項1〜10のいずれか一項に記載の収穫機。
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JP2012060825A JP2013192475A (ja) | 2012-03-16 | 2012-03-16 | 収穫機 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018037543A1 (ja) * | 2016-08-25 | 2018-03-01 | 株式会社クボタ | サトウキビ収穫機 |
WO2018037542A1 (ja) * | 2016-08-25 | 2018-03-01 | 株式会社クボタ | サトウキビ収穫機 |
US10939562B2 (en) | 2019-03-26 | 2021-03-02 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Multilayer board and manufacturing method of the same |
-
2012
- 2012-03-16 JP JP2012060825A patent/JP2013192475A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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