JP6822919B2 - 管路施設内検査システム - Google Patents

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Description

本発明は、管路施設内検査システムに係り、特に、長手方向に延在する構造物、例えば下水管などの管路施設内を移動して画像を取得し、管路施設の内面の状態を把握する管路施設内検査システムに関する。
近年、下水管の老朽化の問題が大きくなりつつある。老朽化が進行するとひび割れや破損などの異常が発生する。その結果、土砂が管外から管内に入って地中に空隙ができ、それが原因となって下水管の上の道路が陥没する事故が発生している。そこで、下水管のひび割れや破損などの異常を効率的に把握する技術が必要となっている。このようなニーズに対し、移動体を下水管の中に移動させ、管内の状態をモニタする技術が提案されている。
管内の状態は画像でモニタされるが、移動体が備える撮影装置で撮影した画像がマンホールから水平方向にどの程度の距離の画像であるかを知ることが必要である。これに対し、例えば特許文献1のように移動体の移動距離を計測する技術が提案されている。
特許文献1では、管路内を移動させる移動体に広角レンズを有する全方位カメラを搭載し、この移動体を管路内で移動させることによって全方位カメラで管路の内面を撮影し、全方位カメラで撮影された画像を画像処理手段で平面画像に変換し、これを地上の表示監視盤で表示する旨開示されている。そして、特許文献1では、全方位カメラを搭載する移動体の位置測定は、同軸ケーブル(電力供給及び画像信号の送信に供される)を巻き取るガイドローラの回転数を距離に変換することで行う旨記載されている。
特開2004−333285号公報
しかしながら特許文献1に記載される、一端が移動体に接続される同軸ケーブルを巻き取るガイドローラの回転数を移動距離に換算する方式では、仮にケーブルのテンションコントロールをした場合であっても、ケールにたるみが生じ得る可能性があり、それによって換算される移動距離に誤差が含まれる虞がある。また、そもそも特許文献1では、無線通信及びバッテリー(電池)駆動の移動体については何ら考慮されていない。
そこで、本発明は、ケーブル或いは水平方向の移動距離センサを要することなく、長手方向に延在する管路施設内を検査のために撮像される画像データから移動体の移動距離を取得し得る管路施設内検査システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明に係る管路施設内検査システムは、撮像装置を搭載し、長手方向に延在する管路施設内を移動する移動体と、前記移動体の移動を制御する制御端末と、前記撮像装置により撮像される画像データを処理する画像処理装置と、を備え、前記画像処理装置は、前記管路施設内において長手方向に異なる2地点にて前記撮像装置にて撮像された第1の画像データ及び第2の画像データを取得し、前記第1の画像データ又は第2の画像データから特定領域を抽出する領域抽出部と、抽出された特定領域が、他方の画像データ内で対応する領域を探索する探索部と、前記第1の画像データ及び第2の画像データにおける特定領域間の位置の偏差を求める位置差分抽出部と、抽出された位置の偏差に基づき前記管路施設の内面から前記撮像装置までの距離を求める内面距離算出部と、
前記特定領域の視野角と前記内面から前記撮像装置までの距離に基づき、前記2地点の間の距離を求める移動距離算出部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ケーブル或いは水平方向の移動距離センサを要することなく、長手方向に延在する管路施設内を検査のために撮像される画像データから移動体の移動距離を取得し得る管路施設内検査システムを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1の管路施設内検査システムの全体概略構成図である。 実施例1に係る画像処理装置の機能ブロック図である。 実施例1に係る画像処理装置の主要部のブロック線図である。 図1に示す撮像装置により撮像される直視画像の模式図である。 撮像された画像データから抽出する第1の領域及び第2の領域の位置の一例を示す模式図である。 長手方向に延在する構造物(管路施設)の内面を異なる2地点から撮像する撮像装置の位置関係を示す模式図である。 撮像画像データから抽出する第1の領域が、第1の画像データと第2の画像データで異なる位置にあることを示す模式図である。 撮像画像データから抽出する第2の領域が、第1の画像データと第2の画像データで異なる位置にあることを示す模式図である。 撮影画像データから抽出する第1の領域と第2の領域の位置が、第1の画像データと第2の画像データで異なる位置にあり、それぞれ異なる偏差を有することを示す模式図である。 第1の画像データと第2の画像データにおける光学的幾何関係を示す模式図である。 第2の画像データに含まれる第2の領域と画像中心の位置関係を示す模式図である。 第2の画像データに含まれる第2の領域に対する軸方向からの角度の光学的幾何関係を示す模式図である。 撮像装置の光学的特性を示した模式図である。 第2の画像データに含まれる第2の領域に対する軸方向からの角度の光学的幾何関係を示す模式図である。 表示部の画面表示例の一例である。 表示部の画面表示例の他の例である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の管路施設内検査システムを構成する画像処理装置の機能ブロック図である。 撮像装置により撮像される直視画像の模式図である。 撮像された画像データから抽出する第1の領域の位置の一例を示す模式図である。 撮像画像データから抽出する第1の領域が、第1の画像データと第2の画像データで異なる位置にあることを示す模式図である。 撮影画像データから抽出する第1の領域の位置が、第1の画像データと第2の画像データで異なる位置にあり、それらの偏差を有することを示す模式図である。 第1の画像データと第2の画像データにおける光学的幾何関係を示す模式図である。
本明細書において、本発明に係る管路施設内検査システムが検査対象とする長手方向に延在する構造物すなわち管路施設としては、例えば、下水道管、ガス管、トンネル、集合管、内容物を抜いて気体で置換した水道管、蒸気配管、オイル配管、伏せ越し管、放流渠、マンホール、煙突などがあり、これらのいずれかに限定されるものではない。また、長手方向に延在する構造物(管路施設)は横断面が円形である必要はなく、横断面が矩形であっても良い。
また、管路施設内を撮像する撮像装置を搭載し管路施設内を移動する移動体として、例えば、ドローン等の飛行体、車輪又はクローラを有する車型の移動体、又は船などが含まれ、これらのいずれかに限定されるものではない。
以下では一例として、管路施設として下水道管を対象とし、移動体としてドローン等の飛行体を用いる場合を想定し、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
<管路施設内検査システムの構成>
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の管路施設内検査システムの全体概略構成図である。図1に示すように、管路施設内検査システム1は、撮像装置5を搭載する移動体2(ドローン等の飛行体)、移動体用コントローラー(制御端末)3、及び電子端末4から構成される。図1に示す状態では、移動体2が左側の開口部(マンホール)6を通り、長手方向に延在する構造物(管路施設)60内を右側の開口部(マンホール)6側へと飛行している状態を示している。
作業員は、移動体用コントローラー(制御端末)3を操作し、移動体2を、長手方向に延在する構造物(管路施設)60(以下、下水道管称する場合もある)内を下水52に接触することなく飛行させる。例えば、長手方向に延在する構造物(管路施設)60(下水道管)内を点検・調査(ひび割れや破損の点検)するために移動体2に搭載される撮像装置5からの画像データ(管内において長手方向に撮像した直視画像)を、移動体用コントローラー(制御端末)3の表示部にて、作業員が確認することで、移動体2を所望の移動経路にて移動させることができる。
図1において、黒塗り矢印にて示すように、移動体2は、左側の開口部(マンホール)6より下水道管60内に侵入し、下水道管内を右側の開口部(マンホール)6側へと飛行しつつ下水道管60の内面をモニタリングし、右側の開口部(マンホール)6を通り、下水道管60の外へと帰還する。なお、これに代えて、移動体2が、点線矢印にて示すように、左側の開口部(マンホール)6より下水道管60内に侵入し、下水道管60内を右側の開口部(マンホール)6側へと飛行しつつ下水道管60の内面をモニタリング(ひび割れや破損の点検)し、右側の開口部(マンホール)6付近或いは右側の開口部(マンホール)6の直下に到達した時点で折り返し、左側の開口部(マンホール)6を通り長手方向に延在する構造物(管路施設)60(下水道管)外へ帰還するよう、移動体用コントローラー(制御端末)3により操作しても良い。
このように、長手方向に延在する構造物(管路施設)60(下水道管)内を移動しつつ、移動体2に搭載された撮像装置5により撮像された画像データは、無線通信により電子端末4へ送信される。電子端末4は、詳細後述する画像処理装置7(図示せず)を備え、画像処理装置7(図示せず)は受信された画像データに対し各種の処理を実行し、少なくとも移動体2の移動距離を求める。
なお、移動体2と移動体用コントローラー(制御端末)3の間での無線通信、及び、移動体2と電子端末4の間での無線通信をより安定に実現するため、左右の開口部(マンホール)6を通過し、下水道管60内へと延伸するよう送受信アンテナ(図示せず)を設置することが望ましい。また、移動体2はバッテリーを電源とするため、当該バッテリーの残量を監視する電圧センサ等を、移動体2に搭載することが望ましい。
<画像処理装置の構成>
図2は本実施例に係る画像処理装置の機能ブロック図であり、図3は本実施例に係る画像処理装置の主要部のブロック線図である。
図2に示すように、画像処理装置7は、移動体2から送信される撮像装置5による長手方向に延在する構造物(管路施設)60(下水道管)内の撮像された画像データを受信可能とする通信I/F31、受信された画像データ中の特定領域(詳細後述する)を抽出する領域抽出部14、探索部(マッチング部)20、位置差分算出部26、左右内面距離算出部32、視野角算出部36、移動距離算出部38、積算部40、記憶部33、及び表示制御部34を備え、これらは内部バス112にて相互に接続されている。また、画像処理装置7は、表示制御部34に接続される表示部42を有する。領域抽出部14、探索部(マッチング部)20、位置差分算出部26、左右内面距離算出部32、視野角算出部36、移動距離算出部38、積算部40、及び表示制御部34は、例えば、CPU等のプロセッサ、プログラムを格納するROM、ROMより読み出されたプログラムをプロセッサが実行する過程のデータ等を一時的に格納するRAM等の記憶装置にて実現される。
記憶部33は、通信I/F31を介して受信される移動体2から送信される撮像装置5による長手方向に延在する構造物(管路施設)60(下水道管)内の撮像された画像データ、詳細後述する積算部40にて算出された移動距離積算値、及び上記画像データが撮像された日時と、を紐づけて、所定の記憶領域に格納する。また、記憶部33は、検査対象となる長手方向に延在する構造物(管路施設)60の管路網図を予め所定の記憶領域に格納している。
図3に示すように、画像処理装置7に入力される情報は、第1の画像データ12および第2の画像データ10である。第1の画像データ12及び第2の画像データ10は、下水道管60内において長手方向に撮影した直視画像であり、ここでその模式図を図4に示す。図4は、図1に示す撮像装置5により撮像される直視画像の模式図である。なお、図4では分かりやすさのため、下水52及び下水道管60の継ぎ目54も示している。
[領域抽出部]
図3に示すように、第2の画像データ10は、領域抽出部14に入力される。領域抽出部14は、特定領域として、第2の画像データ10から、第2の画像データ10の第1の領域16、第2の画像データ10の第2の領域18の2つの領域を抽出する。これら第2の画像データ10の第1の領域16及び第2の画像データ10の第2の領域18は、画像中心から対称で、相互にできるだけ離れた位置にあることが望ましい。例えば、撮像された画像データから抽出する第1の領域及び第2の領域の位置の一例を示す模式図である図5に示すように、第2の画像データ10の左端付近を第2の画像データの第1の領域16として、また、第2の画像データ10の右端付近を第2の画像データの第2の領域18として用いるのが望ましい。下水道管60のように下方に液体が流れており、その表面の特徴が短時間で変化してしまう場合には、画像データの下端付近を第1の領域及び第2の領域として用いないことが望ましい。これら第2の画像データ10の第1の領域16及び第2の画像データ10の第2の領域18は、いずれも第2の画像データ10の端付近に位置することが望ましいが、レンズの歪みが大きい場合や、ブレ或いはピントのずれがある場合には必ずしも端である必要はない。第2の画像データ10の第1の領域16及び第2の画像データ10の第2の領域18の領域の大きさについては限定されないが、以降の処理を高速化したい場合には小さく設定することが望ましい。
以下、第2の画像データ10の第1の領域16を画像の左端付近に、第2の画像データ10の第2の領域18を画像の右端付近の小領域に設定した場合について説明する。
[探索部(マッチング部)]
図3に示すように、探索部(マッチング部)20は、領域抽出部14により抽出された第1の領域16を有する第2の画像データ10を、内部バス112(図2)を介して入力する。探索部(マッチング部)20には、通信I/F31(図2)を介して受信された第1の画像データ12が内部バス112を介して転送される。ここで、第1の画像データ12は第2の画像データ10の撮像範囲よりも広範囲を撮像したものとする。すなわち、第1の画像データ12の撮像位置は、第2の画像データ10の撮像位置よりも後方に位置する。移動体2に搭載される撮像装置5により画像を撮像する場合には、移動体2の進行方向側の画像データを撮像することが一般的であることから、第1の画像データ12は、第2の画像データ10よりも過去の時点で撮像されることになる。第1の画像データ12及び第2の画像データ10の撮像位置の関係を図6に示す。図6は、長手方向に延在する構造物(管路施設)60(下水道管)の内面を異なる2地点から撮像する撮像装置の位置関係を示す模式図である。図6では便宜上2台の撮像装置56及び撮像装置58が描かれているが、実際上は、白抜き矢印にて示すように、1台の撮像装置が移動体2よって移動した前と後の位置関係を示している。第1の画像データ12を撮像する位置にある撮像装置56が、第2の画像データ10を撮像する位置にある撮像装置58よりも左側、すなわち後方に位置する(以下では、第1の画像データ12を撮像した位置56、第2の画像データを撮像した位置58と称する場合もある)。
探索部(マッチング部)20は、第1の画像データ12の中で、第2の画像データ10の第1の領域16がもっとも整合する領域を探索する。この際には第1の画像データ12の全領域を探索しても良いが、第1の画像データ12と第2の画像データ10の撮像時刻の差が短い場合には、第2の画像データ10の第1の領域16の存在した付近の座標で第1の画像データ12を探索することが良い。
具体的には、検査対象である長手方向に延在する構造物(管路施設)60内の内面に仮に、文字或いは内面に付着する特徴的な形状を有する汚れがある場合には、これらは特徴量となり得る。よって、探索部(マッチング部)20は、第2の画像データ10の第1の領域16内に存在する文字或いは汚れの輪郭を既知の画像処理にて抽出すると共に、同様に第1の画像データ12内に存在する文字或いは汚れの輪郭を既知の画像処理にて抽出する。そして、探索部(マッチング部)20は、抽出された第2の画像データ10の第1の領域16内に存在する文字或いは汚れの輪郭のパターンをテンプレートとし、同様に文字或いは汚れの輪郭が抽出され第1の画像データ12に対しパターンマッチング処理を実行する。これにより、第1の画像データ12の中で、第2の画像データ10の第1の領域16がもっとも整合する領域が特定領域として抽出(探索)される。
なお仮に、検査対象である長手方向に延在する構造物(管路施設)60内の内面に上述のような、特徴量となり得る内面に付着する汚れ或いは文字などが存在しない場合には、探索部(マッチング部)20は、例えば、継ぎ目54の画像の第2の画像データ10と第1の画像データ12の面積比を求め、求めた面積比に基づき第1の画像データ12における第2の画像データ10内の第1の領域16に相当する座標(画素)を決定し、特定領域として抽出(探索)する構成としても良い。面積比に代えて、継ぎ目54の画像における周方向の長さの比を求め、求めた長さの比に基づき第1の画像データ12における第2の画像データ10内の第1の領域16に相当する座標(画素)を決定し、特定領域として抽出(探索)しても良い。
図7は、撮像画像データから抽出する第1の領域が、第1の画像データ12と第2の画像データ10で異なる位置にあることを示す模式図であって、探索結果の例を示す模式図である。図7の下図に示すように、探索部(マッチング部)20により、抽出した第1の領域16が第1の画像データ12中で対応する領域62が示されている。図7の上図に示す第2の画像データ10の第1の領域16の位置、及び図7の下図に示す抽出した第1の領域16が第1の画像データ12中で対応する領域62の位置から成る第1の領域の対応情報22(図3)が、内部バス112を介して、位置差分算出部26及び視野角算出部36へ転送される。
探索部(マッチング部)20は、第2の画像データ10の第2の領域18についても、上記と同様の処理を実行する。図8は、撮像画像データから抽出する第2の領域が、第1の画像データ12と第2の画像データ10で異なる位置にあることを示す模式図であって、探索結果の例を示す模式図である。図8の下図に示すように、探索部(マッチング部)20により、抽出した第2の画像データ10の第2の領域18が第1の画像データ12中で対応する領域64が示されている。上述の第1の領域の場合と同様に、図8の上図に示す抽出した第2の画像データ10の第2の領域18の位置、及び図8の下図に示す抽出した第2の領域18の第1の画像データ12中で対応する領域64の位置から成る第2の領域の対応情報24(図3)が、内部バス112を介して、位置差分算出部26及び視野角算出部36へ転送される。
[位置差分算出部]
位置差分算出部26は、第2の画像データ10の第1の領域16が第1の画像データ12の中でどの程度ずれているかを計算する。このずれは、第2の画像データ10の第1の領域16と、第2の画像データ10の第2の領域18を結ぶ線と平行な方向(水平方向)に向かう偏差とする。このずれの情報は、第1の領域の位置の偏差28として、内部バス112を介して左右内面距離算出部32へ転送される。
同様に、位置差分算出部26は、第2の画像データ10の第2の領域18が第1の画像データ12の中でどの程度ずれているかを計算する。このずれは、第2の画像データ10の第2の領域16と、第2の画像データ10の第2の領域18を結ぶ線上方向に向かう偏差とする。このずれの情報は、第2の領域の位置の偏差30として、内部バス112を介して左右内面距離算出部32へ転送される。
[左右内面距離算出部]
図9は、撮影画像データから抽出する第1の領域と第2の領域の位置が、第1の画像データ12と第2の画像データ10で異なる位置にあり、それぞれ異なる偏差を有することを示す模式図である。第1の領域の位置の偏差28が、第2の領域の位置の偏差30に比べて大きい例を示している。
左右内面距離算出部32は、第1の領域の位置の偏差28及び第2の領域の位置の偏差30の値に基づき、長手方向に延在する構造物(管路施設)60の内面から撮像装置までの距離を計算する。図10は、第1の画像データ12と第2の画像データ10における光学的幾何関係を示す模式図である。撮像装置5の焦点距離76により、第1の画像データ12が投影される等価画像平面66には第2の画像データ10の第1の領域16と第2の画像データ10の第2の領域18も映り込む。その映り込む位置は、第2の画像データ10が投影される等価画像平面68の上での第2の画像データ10の第1の領域16と第2の画像データ10の第2の領域18の投影位置とは、それぞれ第1の領域の位置の偏差28及び第2の領域の位置の偏差30だけずれることになる。これは、撮像装置5を搭載する移動体2が、長手方向に延在する構造物(管路施設)60内の水平方向中央部よりも左側に所定量ずれた状態で、長手方向に延在する構造物(管路施設)60内の長手方向に沿って直進することに因るものである。
第1の領域の位置の偏差28と第2の領域の位置の偏差30の比率は、幾何学的な位置関係に基づき、撮像装置5の視野角に関する係数、第1の画像データ12を撮像した位置56と第2の画像データを撮像した位置58との差分70、左側内面との距離72、右側内面との距離74を用いて以下の式(1)で表すことができる。ただし、dL:第1の領域の位置の偏差28、dR:第2の領域の位置の偏差30、L:左側内面との距離72、R: 右側内面との距離74、m:第1の画像データ12を撮像した位置56と第2の画像データ10を撮像した位置58との差分70、a:撮像装置の視野角に関する係数である。
dL:dR=a・m+R:a・m+L ・・・(1)
ここで、第1の画像データ12を撮像した位置56と第2の画像データ10を撮像した位置58との差分70が、左側内面との距離72及び右側内面との距離74に比べて十分に小さければ、視野角が90°のときでaはたかだか1.0(広角カメラの場合、視野角は一般的に90°であり式(1)における視野角に関する係数は1.0)であるため、式(1)の右辺の微小項となるa・mを無視することができ、
dL:dR=R:L ・・・(2)
式(2)が成り立つ。撮像装置5が動画データを撮像する装置の場合、1秒間に50フレームから60フレームの画像データを撮像できるのが普通であり、第1の画像データ12を撮像した位置56と第2の画像データ10を撮像した位置58との差分70を十分小さく設定できる。換言すれば、移動体2の移動速度を考慮しても、1秒間に50フレームから60フレームの画像データが取得されることからフレーム差分をとれば、第1の画像データ12を撮像した位置56と第2の画像データ10を撮像した位置58との差分70はかなり小さい値となる。すなわち、上記式(2)を用いることで、第1の領域の位置の偏差28及び第2の領域の位置の偏差30の値に基づき、長手方向に延在する構造物(管路施設)60の左右内面から撮像装置5までの距離の比率を算出することができる。
図3に示すように、左右内面距離算出部32には、長手方向に延在する構造物(管路施設)60の内面の断面寸法50も入力され、これと上述の長手方向に延在する構造物(管路施設)60の左右内面から撮像装置5までの距離の比率を用いることで、左側内面との距離72及び右側内面との距離74が計算される。なお、上記長手方向に延在する構造物(管路施設)60の内面の断面寸法50は記憶部33(図2)の所定の記憶領域に予め格納されている。
長手方向に延在する構造物(管路施設)60の横断面形状が円形の円管の場合、長手方向に延在する構造物(管路施設)60の内面の断面寸法50として直径Cが与えられるとすると、以下の式(3)及び式(4)により距離を計算できる。ここで、L:左側内面との距離72、R:右側内面との距離74、dL:第1の領域の位置の偏差28、dR:第2の領域の位置の偏差30である。
L=C×(dR÷(dL+dR)) ・・・(3)
R=C×(dL÷(dL+dR)) ・・・(4)
横断面形状が矩形の場合には、直径Cに代えて矩形の幅Wを乗じることで、左側内面との距離72、右側内面との距離74を、以下の式(5)及び式(6)により計算できる。
L=W×(dR÷(dL+dR)) ・・・(5)
R=W×(dL÷(dL+dR)) ・・・(6)
[視野角算出部]
視野角算出部36は、詳細後述する半視野角48を求める。視野角算出部36には、内部バス112を介して、図3に示すように、探索部(マッチング部)20より第1の領域の対応情報22及び第2の領域の対応情報24が転送されると共に、左右内面距離算出部32より左側内面との距離72及び右側内面との距離74が転送される。まず、第2の領域の対応情報24に含まれる右側の第2の画像データ10の第2の領域18について述べる。
図11は、第2の画像データ10に含まれる第2の領域18と画像中心78の位置関係を示す模式図である。先ず、視野角算出部36は、図11に示すように、第2の画像データ10の第2の領域18が第2の画像データ10の画像中心78からずれている画素の個数、すなわち画像中心78からの画素数80を計算する。これは、画像データから容易に求めることができる。
この場合の第2の画像データ10に含まれる第2の領域18に対する軸方向(光軸)からの角度の光学的幾何関係を示す模式図を図12に示す。第2の画像データ10を撮像する位置にある撮像装置58が長手方向に延在する構造物(管路施設)60の軸方向を向いている場合、第2の画像データ10の第2の領域18は軸方向(光軸)からの半視野角48に位置する。半視野角48(視野角のうち光軸に対し片側のみのなす角度)は、画像中心78からの画素数80に基づき以下の手順で求めることができる。
図13は、撮像装置の光学的特性を示した模式図である。横軸は画像中心からの画素数、縦軸は半視野角(軸方向からの角度)である。画像中心78からずれている画素の数が0の場合、半視野角は0である。画像中心78からの画素数が増えるに従い、軸方向(光軸)からの角度(半視野角)も大きくなる。この光学的特性の形状は撮像装置5によって異なるが、撮像装置5に固有の特性であるため、予め撮像装置5の仕様に基づいて、或いは簡単な模擬撮像試験で得ることができる。この光学的特性の数式或いはテーブルを用いることにより、画像データから半視野角48(軸方向からの角度)を求めることができる。なお、図13に示す撮像装置の光学的特性は、記憶部33(図2)の所定の記憶領域に予め格納されている。
視野角算出部36は、求めた半視野角48を移動距離算出部38へ内部バス112を介して転送する。
[移動距離算出部]
移動距離算出部38は、内部バス112を介して、視野角算出部36により求められた半視野角48、及び、左右内面距離算出部32により求められた左側内面との距離72及び右側内面との距離74を入力し、第1の画像データ12及び第2の画像データ10を撮像した間に移動体2が移動した距離を以下のようにして計算する。図14は、第2の画像データ10に含まれる第2の領域16に対する軸方向からの角度の光学的幾何関係を示す模式図である。図14において、Xは右側内面との距離74、θは軸方向からの角度(半視野角)、dは撮像装置と第2の画像データ10の第2の領域18までの軸方向の距離84である。このうちXとθは上述したように求めることができる。dは幾何学的関係によって次式(7)により計算できる。
=X・tan(90°−θ) ・・・(7)
同様にして、抽出した第2の領域18が第1の画像データ12中で対応する領域64についても、撮像装置と第2の画像データ10の第2の領域18までの軸方向の距離84を求めることができる。これをdb2とすると、第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮像した位置の差分70はdb2−dとなる。
さらに同様にして、第1の領域16の対応情報22に含まれる第2の画像データ10の第1の領域16、及び、抽出した第1の領域16が第1の画像データ12中で対応する領域62を用いて、第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮像した位置の差分70を求めることができる。第1の画像データ12を撮像する位置にある撮像装置56及び第2の画像データ10を撮像する位置にある撮影装置58(図10)が、いずれも長手方向に延在する構造物(管路施設)60の軸方向を完全に向いている場合には、第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮像した位置の差分70の2つの値は等しくなるはずである。2つの値が異なる場合には、撮像装置5の向きがずれているか、あるいは長手方向に延在する構造物(管路施設)60が曲がっていると見做せ、その平均値を用いて移動距離とするのが良い。
以上のように、移動距離算出部38は、左側内面との距離72、右側内面との距離74、及び半視野角48を用いて第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮影した位置の差分70を求める。移動距離算出部38により求められた第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮影した位置の差分70は、内部バス112を介して積算部40へ転送される。
[積算部]
積算部40は、内部バス112を介して移動距離算出部38より転送される、第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮影した位置の差分70の値を所定の周期にて積算し、移動距離積算値46を求める。すなわち、積算部40は、移動体2に搭載される撮像装置5により撮像される画像データが連続的に存在する場合、上述の移動距離算出部38により所定の周期にて求められる2地点間の距離(第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮影した位置の差分70の値)を積算し、移動距離積算値46を求める。
積算部40は、所定の周期にて求めた移動距離積算値46を、表示制御部34へ内部バス112を介して転送する。
[表示制御部及び表示部の画面表示]
図15は、表示部42の画面表示例の一例である。図15に示すように表示部42の表示画面90は、第1表示領域91及び第2表示領域92から構成される。図15に示す例では、第1表示領域91に検査対象画像である管路内(下水道管60内)の直視画像が表示され、第2表示領域92に管路網図と移動体2の移動軌跡を示す黒塗り矢印及び移動距離積算値46が数値34mとして表示される場合を示している。
表示制御部34は、積算部40により所定の周期にて求められた移動距離積算値46が内部バス112を介して転送されると、移動距離積算値46が求められたときの管路内(下水道管60内)の直視画像を記憶部33より読み出し内部バス112を介して表示部へ転送することにより、第1表示領域91に検査対象画像である管路内(下水道管60内)の直視画像を表示させる。また、表示制御部34は、管路網図を記憶部33より読み出し、当該管路網図中における移動距離積算値46に相当する黒塗り矢印を生成し、移動距離積算値46の数値と共に表示部42へ内部バス112を介して転送することにより、第2表示領域92に管路網図と移動体2の移動軌跡を示す黒塗り矢印及び移動距離積算値46の数値34mを重畳して表示させる。
なお、図15に示す例では、第2表示領域92に地下に埋設された管路網図と移動体2の移動軌跡を示す黒塗り矢印及び移動距離積算値46の数値34mを重畳して表示させる一例を示しているが、これに限られるものではない。例えば、管路網図に加え地上の構造物(道路、建物など)を重畳表示する構成としても良い。また、第2表示領域92に移動距離積算値46の数値のみを表示する構成としても良い。
また、表示部42を有する(画像処理装置7が実装された)電子端末4としては、例えば、一般的なモニタを有する計算機、モバイルパソコン、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、或は携帯電話などいずれでもよく、特に限定されるものではない。
現地で実際に使う場合、移動体2の操縦のため作業員は電子端末4の表示画面90を見ておれない場合や、屋外で周辺が明るすぎるため表示画面90が良く見えない場合が生じ得る。このような場合は、移動距離(移動距離積算値46)を音或いは音声などの音声情報としてスピーカから出力する機能を備えることが好ましい。これにより、効率的に作業を進めることができる。
撮像装置5が移動体2に搭載される場合、2枚の画像データ(第1の画像データ12及び第2の画像データ10)の撮像時刻には違いがある。その時刻情報を用いて、2枚の画像データを撮像した時間差を求めることができる。第1の画像データ12を撮像した位置と第2の画像データ10を撮像した位置の差分70をこの時間差で除算することで、移動体の移動速度を計算することができる。表示画面90に、この移動速度も数値或いは図として表示するのが好ましい。
撮像装置5を搭載する移動体2の移動速度が過度に速過ぎると、撮像される画像データにブレが生じ得る。下水道管60内をモニタするための画像データにブレがあることは望ましくないため、移動体2の移動速度は一定レベル以下とする必要がある。実際に使用する際に、移動体2の速度の情報を知り得ると撮像に有効である。しかし、作業員が移動体2の操縦のため表示画面90を見ておれない場合や、屋外で周辺が明るすぎるため表示画面90が良く見えない場合がある。このような場合にも、移動速度を音或いは音声などの音声情報としてスピーカから出力する機能を備えることが好ましい。
さらに、撮像された画像データにブレが生じるレベルの速度に達する、或いはそのレベルの速度に近づくとアラーム音を発報する機能を備えることが好ましい。移動体2が仮に自律移動可能な場合には、上述のようにして得た移動速度に基づき移動体2の移動速度を自動制御しても良い。
移動体は前進するばかりではなく、後退する場合もある。その場合にも撮像装置5や移動体の位置を把握するため、積算部40ではマイナスの移動距離も加算、すなわち減算できることが望ましい。この際も、数値あるいは図として移動距離積算値46が出力されることが望ましい。
なお、図15においては、第1表示領域91及び第2表示領域92を異なる領域に配される表示画面90の例を説明したが、これに限られず、表示画面90が第1表示領域91のみを有し、直視画像が表示される第1表示領域91の例えば右下部に上述の第2の表示領域92をスーパーインポーズにて表示させる構成としても良い。
図16は、表示部42の画面表示例の他の例である。図16に示すように、表示部42の表示画面90は、第1表示領域91及び第2表示領域92から構成される。第2表示領域92には、管路網図と移動体2の移動軌跡を示す黒塗り矢印及び移動距離積算値46の数値が重畳表示される。この状態で、作業員或いはユーザにより、第2表示領域92内に表示される移動体2の移動軌跡を示す黒塗り矢印の所望の位置にカーソルが移動されクリックされると、当該クリックにより指定された位置までの移動距離積算値46が数値として第2表示領域92に表示される。図16に示す例では、指定された位置までの移動距離積算値46が17mである場合を示している。表示制御部34は記憶部33に格納される直視画像のうち、指定された位置までの移動距離積算値46が17mにおける直視画像を読み出すことで、第1表示領域91に移動距離積算値46が17mにおける直視画像が表示される。このように、ユーザ或いは作業員は、直視画像により下水道管60内のひび割れや破損の点検の見落としが仮にあった場合においても、下水道管60内の所望の位置における直視画像を容易に確認することが可能となる。
なお、本実施例では、画像処理装置7を電子端末4に実装する場合を一例として説明したが、画像処理装置7の一部の機能を移動体2に実装する構成としても良い。この場合、例えば、上述の図2に示した画像処理装置7の機能ブロックのうち、通信I/F31、領域抽出部14、探索部(マッチング部)20、位置差分算出部26、左右内面距離算出部32、視野角算出部36、移動距離算出部38、及び積算部40を移動体2に実装し、その他を電子端末4に実装すれば良い。また、通信I/F31と、領域抽出部14、探索部(マッチング部)20、位置差分算出部26、左右内面距離算出部32、視野角算出部36、移動距離算出部38、及び積算部40のうち少なくともいずれか一つを移動体2に実装し、その他を電子端末4に実装することで機能分散させる構成としても良く、機能分散のさせ方は適宜設定すれば良い。
また、本実施例では、第2の画像データ10中の第1の領域16及び第2の領域18を基準とする場合を一例として説明したが必ずしもこれに限られるものではなく、第1の画像データ12における2つの特定領域を基準として、上述の処理を実行する構成としても良い。
以上の通り、本実施例によれば、ケーブル或いは水平方向の移動距離センサを要することなく、長手方向に延在する管路施設内を検査のために撮像される画像データから移動体の移動距離を取得し得る管路施設内検査システムを提供することが可能となる。
また、本実施例によれば移動体の軽量化が可能となり、電池(バッテテリー)により駆動される移動体の移動時間の減少を防止しつつ移動体に搭載される撮像装置による撮像位置を把握することができる。
さらに、本実施例によれば、移動体の移動速度の情報に基づいてブレの少ない高品質の画像データの撮像が可能となる。
図17は、本発明の他の実施例に係る実施例2の管路施設内検査システムを構成する画像処理装置の機能ブロック図である。管路施設内検査システム1の全体構成については、実施例1と同様であり、本実施例では管路施設内検査システム1を構成する画像処理装置7aが後述する内面距離算出部32aを有する点が実施例1と異なる。以下では、実施例1と同様の構成要素に同一の符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
図17に示すように、本実施例の画像処理装置7aは、上述の実施例1における左右内面距離算出部32に代えて内面距離算出部32aを有する点に特徴がある。
図18は、撮像装置2により撮像される直視画像の模式図である。上述の実施例1における図4と比較すると明らかなように、図18に示される直視画像における長手方向に延在する構造物(管路施設)の継ぎ目54は、直視画像の水平方向略中央に位置している。
図19は、撮像された画像データから抽出する第1の領域の位置の一例を示す模式図である。図19に示すように本実施例では、領域抽出部14は、特定領域として、第2の画像データ10から、第2の画像データ10の第1の領域16のみを抽出する。すなわち、本実施例では、第2の画像データ10から抽出される特定領域は1つの領域のみである。
図20に撮像画像データから抽出する第1の領域16が、第1の画像データ12と第2の画像データ10で異なる位置にあることを示す模式図を示す。探索部(マッチング部)20は、領域抽出部14により抽出された第1の領域16を有する第2の画像データ10に基づき、上述の実施例1と同様に、第1の画像データ12の中で、第2の画像データ10の第1の領域16がもっとも整合する領域を探索する。図20に示すように、探索部(マッチング部)20により、抽出した第1の領域16が第1の画像データ12中で対応する領域62が示されている。図20の上図に示す第2の画像データ10の第1の領域16の位置、及び図20の下図に示す抽出した第1の領域16が第1の画像データ12中で対応する領域62の位置から成る第1の領域の対応情報22が、内部バス112を介して、位置差分算出部26及び視野角算出部36へ転送される。
位置差分算出部26及び視野角算出部36については実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図21は、撮影画像データから抽出する第1の領域16の位置が、第1の画像データ12と第2の画像データ10で異なる位置にあり、それらの偏差を有することを示す模式図である。内面距離算出部32aは、図21に示す第1の領域の位置の偏差28の値に基づき、長手方向に延在する構造物(管路施設)60の内面から撮像装置までの距離を計算する。図22は、第1の画像データ12と第2の画像データ20における光学的幾何関係を示す模式図である。図22に示すように、撮像装置5を搭載する移動体2は、長手方向に延在する構造物(管路施設)60内の水平方向略中央部を移動することが、第1の画像データを撮像する位置にある撮像装置56及び第2の画像データを撮像する位置にある撮像装置58より分かる。点線で示すように、仮想的に第2の領域18が抽出された場合を想定すると、第1の領域の位置の偏差28と第2の領域の位置の偏差30とは等しくなる。従って図22に示すように、左側内面との距離72と右側内面との距離74も当然等しい値となることから、本実施例の内面距離算出部32aは、左側内面との距離72のみを求めることで足りることが分かる。
移動距離算出部38及び積算部40並びに表示部42につても実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上の通り本実施例によれば、撮像装置により撮像される画像データから1つの特定領域のみを抽出することで、最終的に移動距離積算値を求めることが可能となるため、実施例1の効果に加え、画像処理装置7aにおける処理負荷を低減することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1…管路施設内検査システム
2…移動体
3…移動体用コントローラー(制御端末)
4…電子端末
5…撮像装置
6…開口部(マンホール)
7,7a…画像処理装置
10…第2の画像データ
12…第1の画像データ
14…領域抽出部
16…第2の画像データの第1の領域
18…第2の画像データの第2の領域
20…探索部(マッチング部)
22…第1の領域の対応情報
24…第2の領域の対応情報
26…位置差分算出部
28…第1の領域の位置の偏差
30…第2の領域の位置の偏差
31…通信I/F
32…左右内面距離算出部
32a…内面距離算出部
33…記憶部
34…表示制御部
36…視野角算出部
38…移動距離算出部
40…積算部
42…表示部
46…移動距離積算値
48…半視野角
50…長手方向に延在する構造物(管路施設)の内面の断面寸法
52…下水
54…長手方向に延在する構造物(管路施設)の継ぎ目
56…第1の画像データを撮像する位置にある撮像装置
58…第2の画像データを撮像する位置にある撮像装置
60…長手方向に延在する構造物(管路施設)
62…抽出した第1の領域が第1の画像データ中で対応する領域
64…抽出した第2の領域が第1の画像データ中で対応する領域
66…第1の画像データが投影される等価画像平面
68…第2の画像データが投影される等価画像平面
70…1の画像データを撮像した位置と第2の画像データを撮像した位置の差分
72…左側内面との距離
74…右側内面との距離
76…焦点距離
78…画像中心
80…画像中心からの画素数
84…撮像装置と第2の画像データの第2の領域までの軸方向の距離
90…表示画面
91…第1表示領域
92…第2表示領域
112…内部バス

Claims (8)

  1. 撮像装置を搭載し、長手方向に延在する管路施設内を移動する移動体と、
    前記移動体の移動を制御する制御端末と、
    前記撮像装置により撮像される画像データを処理する画像処理装置と、を備え、
    前記画像処理装置は、
    前記管路施設内において長手方向に異なる2地点にて前記撮像装置にて撮像された第1の画像データ及び第2の画像データを取得し、前記第1の画像データ又は第2の画像データの右側に第1の領域を特定領域として抽出し、左側に第2の領域を特定領域として抽出する領域抽出部と、
    抽出された特定領域が、他方の画像データ内で対応する領域を探索する探索部と、
    前記第1の画像データ及び第2の画像データにおける前記第1の領域間の位置の偏差と、前記第2の領域間の位置の偏差を求める位置差分抽出部と、
    抽出された前記第1の領域間の位置の偏差と、前記第2の領域間の位置の偏差に基づき前記管路施設の内面から前記撮像装置までの距離を求める内面距離算出部と、
    前記特定領域の視野角と前記内面から前記撮像装置までの距離に基づき、前記2地点の間の距離を求める移動距離算出部とを有することを特徴とする管路施設内検査システム。
  2. 請求項1に記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記画像処理装置は、
    所定の周期にて、前記移動距離算出部により求められる2地点の間の距離を積算し、積算移動距離を求める積算部を有することを特徴とする管路施設内検査システム。
  3. 請求項2に記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記画像処理装置は、
    前記積算部により求められた積算移動距離を表示情報及び/又は音声情報として出力する出力装置を備えることを特徴とする管路施設内検査システム。
  4. 請求項1に記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記画像処理装置は、前記移動距離算出部により求められる2地点の間の距離を、前記第1の画像データ及び第2の画像データの撮像時刻の差で除算することにより、撮像装置を搭載する前記移動体の移動速度を求める移動速度算出部を備えることを特徴とする管路施設内検査システム。
  5. 請求項4に記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記画像処理装置は、
    前記移動速度算出部により求めた前記移動体の移動速度が、所定の値を越えた場合には、警報を表示情報又は音声情報として出力する出力装置を備えることを特徴とする管路施設内検査システム。
  6. 請求項2記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記撮像装置を搭載する移動体が前記管路施設内を後退する場合には、前記積算部は2地点の間の移動距離を積算移動距離から減算することを特徴とする管路施設内検査システム。
  7. 請求項5に記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記出力装置は表示部を有し、
    前記表示部の表示画面は、前記撮像装置により撮像される前記管路施設内における直視画像を表示する第1表示領域と、少なくとも前記積算部により求められた積算移動距離を表示情報として表示する第2表示領域と、を有することを特徴とする管路施設内検査システム。
  8. 請求項7に記載の管路施設内検査システムにおいて、
    前記第2表示領域に、前記積算部により求められた積算移動距離と予め記憶された管路網図を重畳表示することを特徴とする管路施設内検査システム。
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