JP6822052B2 - ベルト搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト搬送装置及び画像形成装置に関する。
画像形成装置では、像担持体、転写体、あるいは転写媒体である記録材の搬送手段として無端状のベルト部材を用いたベルト搬送装置を備えたものがある。ベルト搬送装置のベルト部材は、複数の張架手段としての複数のローラに張架されて搬送移動されるが、このときベルト搬送方向と直行する方向(主走査方向・ベルト幅方向)にベルト位置が移動するベルト寄りや、ベルト搬送方向が主走査方向に傾斜するベルト斜行が発生することがある。このようなベルト寄りやベルト斜行を抑制するものとして、無端状のベルト部材が巻き掛けられる複数のローラのうちの少なくとも1つのローラを、調整手段によってその向きや位置を変更して姿勢調整するものが知られている。調整手段によって姿勢調整されるローラは、ステアリングローラと称され、例えば、特許文献1では、調整手段に対しベルト部材の搬送方向において上流側に位置する少なくとも1つのローラとベルト部材との間の摩擦係数が、少なくとも1つのローラに対し、ベルト部材の搬送方向において隣接する2つのローラとベルト部材との間の摩擦係数より小さくした構成が提案されている。
ステアリングローラを用いてベルト寄りやベルト斜行を抑制する場合、ステアリングローラの傾きに対し得られる補正の感度や、必要補正範囲における感度の線形性を十分確保する必要がある。すなわち、ベルト位置補正感度を大きくするには、ベルト部材を張架するローラのレイアウトにおける制約が大きくなる。そこで、本発明者が、ステアリングローラを用いたベルト装置の構成をコンピュータの解析ソフトなどを用いて解析したところ、ステアリングローラの傾きにより生じるベルト位置の補正感度に対して大きく影響する要因としては、特許文献1で本出願人が提案している摩擦係数を小さくする構成だけでは十分ではないことがわかった。
それは、ステアリングローラの上流には、ベルト部材に当接するクリーニング部材などの負荷手段が配置されることが多い。この場合、この負荷手段がローラ位置での張力に影響して摩擦力を変えてしまい、特許文献1のように摩擦係数の大小関係を規定するだけでは摩擦力そのものの大小関係を狙い通りに設定することが難しい場合があるためである。
本発明は、ベルト部材に当接する負荷手段による摩擦力の影響を考慮してベルト位置補正感度を大きくすることが可能な新たな構成を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るベルト搬送装置は、複数の張架手段に巻き掛けられた無端状のベルト部材と、ベルト部材を搬送移動させる駆動手段と、複数の張架手段のうちの何れかの張架手段をベルト部材に張力を付与する張力付与方向に付勢する張力付与手段と、複数の張架手段のうちの少なくとも1つの張架手段の一端を他端に対してベルト幅方向に直交する方向に相対的に移動させることで、何れかの張架手段の姿勢を調整する調整手段と、ベルト部材に当接し、ベルト部材の搬送に対する負荷を生じさせる負荷手段を有し、駆動手段によりベルト部材を搬送移動し、調整手段によりベルト位置を補正するベルト搬送装置であって、張力付与手段の付勢力により生じるベルトテンションをTb、負荷手段の負荷により生じるベルトテンションをTcとし、調整手段で姿勢調整される張架手段に対し、ベルト搬送方向の上流側に位置する少なくとも1つの張架手段とベルト部材の間のベルト巻付角をθ1、摩擦係数をμ1、少なくとも1つの張架手段に対し、ベルト搬送方向で隣接する2つの張架手段とベルト部材の間のベルト巻付角をθ2、θ3、摩擦係数をμ2、μ3としたとき、ベルト巻付角θ1及び摩擦係数μ1と、ベルト巻付角θ2、θ3及び摩擦係数μ2、μ3との関係が、
μ1×cos((180−θ1)/2)×(Tb+Tc)<μ2×cos((180−θ2)/2)×(Tb+Tc)
μ1×cos((180−θ1)/2)×(Tb+Tc)<μ3×cos((180−θ3)/2)×(Tb+Tc)となることを特徴としている。
本発明によれば、ベルト部材に当接する負荷手段による摩擦力の影響を考慮することで、摩擦そのものの大小関係を狙い通りに設定することができるため、ベルト補正感度を大きくすることができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を説明する概略図。 ベルト寄り・斜行検出手段の一構成を示す拡大斜視図。 本発明に係るベルト搬送装置の構成と第1の調整手段の構成を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係るベルト搬送装置の制御系の構成を示すブロック図。 本発明に係るベルト搬送装置のレイアウト条件を模式的に示す図。 ベルト回転状態において、各ローラとベルト部材の間に作用する摩擦力を説明する図。 本発明に係るベルト搬送装置の別な構成と第1および第2の調整手段の構成を模式的に示す斜視図。 本発明に係るベルト搬送装置の別な構成と第1および第2の調整手段の構成を模式的に示す斜視図。 解析に用いたレイアウト条件1のベルト搬送装置の構成の説明する図。 解析に用いたレイアウト条件2のベルト搬送装置の構成の説明する図。 レイアウト条件1と2におけるステアリングローラの傾きと、ステアリングローラが傾いた時に得られるベルト位置補正感度を示す図。 レイアウト条件1における各ローラからベルトに働く軸方向の力と、それにより変形したベルトの姿勢を求めた特性図。 レイアウト条件2における各ローラからベルトに働く軸方向の力と、それにより変形したベルトの姿勢を求めた特性図。 レイアウト条件1において、図12とはステアリングローラの傾斜が異なる場合の各ローラからベルトに働く軸方向の力と、それにより変形したベルトの姿勢を求めた特性図。 レイアウト条件2において、図13とはステアリングローラの傾斜が異なる場合の各ローラからベルトに働く軸方向の力と、それにより変形したベルトの姿勢を求めた特性図。 レイアウト条件2と摩擦係数を1/3にしたときのステアリングローラの傾きと、ステアリングローラが傾いた時に得られるベルト位置補正感度を示す図。 レイアウト条件2と摩擦係数を1/3にしたときの各ローラからベルトに働く軸方向の力と、それにより変形したベルトの姿勢を求めた特性図。 図17に対してステアリングローラの傾斜を強くした場合における各ローラからベルトに働く軸方向の力と、それにより変形したベルトの姿勢を求めた特性図。 本発明に係る画像形成装置の別な実施形態を説明する概略図。 本発明に係る画像形成装置の別な実施形態を説明する概略図。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。実施形態において、同一の機能や同一構成を有するものには同一の符号を付し、重複説明は適宜省略する。図面は一部構成の理解を助けるために部分的に省略する場合もある。なお、図中Y、M、C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対応した構成部材に付す添え字であり、適宜省略する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略図である。この画像形成装置100は、現像器を並設した像担持体としての複数の感光体ドラムを有し、無端ベルトであり転写体(中間転写体)としての中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成するプリンタである。画像形成装置は、像であるトナー像が形成される複数の像担持体として、4つの感光体ドラム101、102、103、104を備えている。画像形成装置は、中間転写ベルト218に1次転写部N1、N2、N3、N4で転写されたトナー像を記録材Pに転写する転写部となる2次転写部N5を有している。2次転写部N5よりも記録材搬送方向下流側には定着装置240が配置され、2次転写部N5と定着装置240の間には記録材搬送装置230が配置されている。記録材搬送装置230は、複数の張架手段としてのローラ231、232と、ローラ231、232に巻き掛けられて張架された無端ベルトからなる搬送ベルト233を備えている。
画像形成装置では、画像形成時に、4つの感光体ドラム101、102、103、104を矢印方向(反時計方向)に回転駆動し、その表面を帯電器111、112、113、114でそれぞれ均一に帯電した後、露光装置121、122、123、124によって、入力される画像情報に応じた露光走査を行い、各感光体に静電潜像を形成する。
画像形成装置では、イエロー(Y)の現像器131により感光体ドラム101上の静電潜像にトナーを付着させてイエローのトナー像として現像し、マゼンタ(M)の現像器132により感光体ドラム102上の静電潜像にトナーを付着させてマゼンタのトナー像として現像する。画像形成装置では、シアン(C)の現像器133により感光体ドラム103上の静電潜像にトナーを付着させてシアンのトナー像として現像し、ブラック(K)の現像器134により感光体ドラム104上の静電潜像にトナーを付着させてブラックのトナー像として現像する。
これらイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、ブラックのトナー像は、感光体ドラム101、102、103、104に当接して矢印Aで示すベルト移動方向に搬送移動される中間転写ベルト218上に、中間転写ベルト218を介して感光体ドラム101、102、103、104と対向配置された1次転写部材105,106,107,108によって形成された1次転写部N1、N2、N3、N4で転写される。これにより、中間転写ベルト218上には、4色のトナー像が重ねられる。4色のトナー像は、給紙部から搬送されてきた記録材Pに、2次転写部N5で2次転写されることでフルカラー画像として転写される。
記録材搬送装置230は、何れか一方のローラを駆動モータで回転駆動することで、搬送ベルト233を、図1中、反時計回り方向に搬送移動して2次転写部N5を通過した記録材Pを定着装置240へと搬送する。記録材搬送装置230のローラ231は、搬送ベルト233を介して従動ローラ213と中間転写ベルト218に対向配置されていて、2次転写部N5を構成している。このため、フルカラー画像が転写された記録材Pは、記録材搬送装置230によって定着装置240へと搬送され、熱と圧力により画像定着が成されたのち、排紙ローラ250によってトレイ上へと排出される。
無端ベルトである中間転写ベルト218は、複数の張架手段として互いにほぼ平行に配置された複数のローラ211,212,213、214,215とともにベルト搬送装置200を構成している。本実施形態では、ベルト搬送装置200を用いて転写装置である中間転写ユニットを構成している。
図2を用いてベルト寄り・斜行検出手段について説明する。
中間転写ベルト218の1次転写面となる表面218aには、符号Wで示す主走査方向でありベルト幅方向の一定位置(例えば非画像領域の端部)に、ベルト搬送方向全周にわたって検出ライン201が形成されている。検出ライン201に対向する位置には、ベルト寄り・斜行検出手段205が配置されている。ベルト寄り・斜行検出手段205は、検出ライン201の主走査方向Wへの位置を光学的に検出するものである。
本実施形態において、ベルト寄り・斜行検出手段205は、図3に示すように、中間転写ベルト218の表面218aにおいて副走査方向(ベルト搬送方向A)に間隔を空けて2つ配置されている。すなわち、一方のベルト寄り・斜行検出手段205は副走査方向(ベルト搬送方向A)における上流側に配置され、他方のベルト寄り・斜行検出手段205は副走査方向(ベルト搬送方向A)における下流側に配置されている。本実施形態において、画像形成装置100は、制御手段300と複数のベルト寄り・斜行検出手段205を備えている。
図4に示すように、2つのベルト寄り・斜行検出手段205は、信号線を介して制御手段300に接続されている。制御手段300は、中央演算回路となるCPU300aと、記憶手段としてのROM300bとRAM300cを備えたコンピュータで構成されている。制御手段300では、一方のベルト寄り・斜行検出手段205が検出ライン201の主走査方向Wへの位置を順次検出することにより主走査方向Wへの位置におけるベルト寄りを検出する。すなわち、制御手段300には、ベルト位置の寄り基準値が予め設定されていて、ベルト寄り・斜行検出手段205からのベルト検出情報が一定時間この寄り基準値に達する、あるいは寄り基準値を超えると、ベルト寄りが発生していると判定し、ベルト寄り検出情報を出力する寄り判定機能(寄り判定部)を備えている。ベルト検出情報が一定時間継続して寄り基準値を超える場合を条件としたのは、過渡的な移動の検出を避けるためである。
制御手段300には、2つのベルト寄り・斜行検出手段205で順次検出される検出ライン201の主走査方向Wでのベルト位置の差分を算出し、ベルト斜行であるか否かを判定する斜行基準値と差分値とを比較して、当該差分値が斜行基準値に達する、あるいは斜行基準値を超えるとベルト斜行が発生していると判定し、ベルト斜行検出情報を出力する斜行判定機能(斜行判定部)を備えている。
本実施形態に係るベルト搬送装置200では、中間転写ベルト218に予め高精度に形成した検出ライン201のベルト主走査方向Wの移動をベルト寄り・斜行検出手段205、205という2つの光学センサによって検出することで、ベルト寄りとベルトの斜行を検出している。このため、中間転写ベルト218のベルトエッジの位置を検出することでベルト寄り・斜行を検出する構成と比較し、予め測定したエッジデータを参照したり、エッジ位置の周期的な変動を平均化したデータを記憶手段に記憶させておく必要はなく、低コストの構成で、無駄時間のない高速なベルト寄り検出、制御が可能となる。
次にベルト搬送装置200の構成について図3を用いて説明する。
ベルト搬送装置200は、複数の張架手段としてのローラ211〜215に巻き掛けられた無端状のベルト部材としての中間転写ベルト218と、中間転写ベルト218を搬送移動させる駆動手段としての駆動モータ219と、複数のローラ211〜215のうちの何れかのローラを、中間転写ベルト218に張力を付与する張力付与方向Dに付勢する張力付与手段としてのコイルバネ221,221と、複数のローラ211〜215のうちの少なくとも1つのローラの一端を他端に対してベルト幅方向Wに直交する方向Bに相対的に移動させることで、ローラの姿勢を調整する調整手段とし第1の調整手段となる電動のアクチュエータ216を有している。ベルト幅方向Wに直交する方向Bはステアリング方向ともいう。アクチュエータ216は、図4に示すように、制御手段300に信号線を介して接続されていて、制御手段300によって、その駆動が制御されるように構成されている。このベルト搬送装置200は、駆動モータ219によりローラ211を回転駆動することで、中間転写ベルト218を搬送移動し、アクチュエータ216を作動することでベルト位置を補正するように構成されている。第1の調整手段となるアクチュエータ216は、ベルト搬送方向Aと直行する方向(主走査方向W)のベルト位置(主走査方向位置)を調整するベルト寄り位置調整手段を構成している。
中間転写ベルト218は、その幅方向となる主走査方向Wに幅を有している。複数のローラ211、212、213、214、215は主走査方向Wに中間転写ベルト218の幅よりも長く延びていて、ベルト搬送装置200の側板に回転自在に支持されている。複数のローラ中のうち、ローラ211は駆動ローラとして構成されている。以下ローラ211を駆動ローラ211と称する。中間転写ベルト218は、駆動ローラ211が駆動モータ219によって回転駆動されることで、ベルト搬送方向Aに回転駆動される。
駆動ローラ211および従動回転するローラ212、213、214(以下、従動ローラ212、213、214と称す)は、その軸がベルト搬送装置200の側板に回転自在に支持されていると共に、その軸中心が移動しないように支持されている。これに対し、複数のローラの1つであるローラ215(以下、ステアリングローラ215と称す)は、その回転軸2150の両端が、中間転写ベルト218に張力を付与すべく張力付与方向Dに変位可能にベルト搬送装置200の側板などに支持されていて、その軸2150の中心が移動自在とされている。この回転軸2150の両端は、張力付与方向Dに付勢手段としてのコイルバネ221、221によって付勢されている。中間転写ベルト218は、コイルバネ221、221のバネ力が作用している、ステアリングローラ215によって主走査方向Wの全域に渡ってほぼ一定の張力で張架されている。つまり、ステアリングローラ215は、テンションローラとしても機能している。
ステアリングローラ215は、中間転写ベルト218に生じた寄りを補正するものである。ステアリングローラ215の回転軸2150の両端は、ピボット軸受等の支持部材222、222で主走査方向(ベルト幅方向)Wと直交する方向Bに揺動可能に支持されている。ステアリングローラ215の一端215a側には、第1の調整手段でありベルト寄り補正手段としてのアクチュエータ216が設けられている。アクチュエータ216は、電動駆動源であり、オン/オフにより往復動作可能なロッド216aを有している。このロッド216aの先端は、回転軸2150の一端側を支持する支持部材222に当接するように配置されている。このため、ステアリングローラ215は、アクチュエータ216のオン/オフによるロッド216aの移動方向に往復移動(揺動)されるように構成されている。すなわち、ステアリングローラ215の軸線方向に位置する一端215aは、ステアリングローラ215の軸線方向に位置する他端215bに対してベルト幅方向Wに直交する方向Bに相対的に移動可能とされていて、アクチュエータ216により、その姿勢が調整可能とされている。
ステアリングローラ215を用いてベルト寄りやベルト斜行を抑制する場合、ステアリングローラ215を傾けることで、その位置や向きを変更する。しかし、ステアリングローラ215の傾きに対し得られる補正の感度や、必要補正範囲における感度の線形性を十分確保するためには、すなわち、ベルト位置補正感度を大きくするには、無端ベルトである中間転写ベルト218を張架するローラのレイアウトにおける制約が大きくなる。しかし本発明者が、ステアリングローラを用いた画像形成装置の構成をコンピュータの解析ソフトなどを用いて解析したところ、ステアリングローラ215の傾きにより生じるベルト位置の補正感度に対して大きく影響する要因として、ローラのレイアウト以外に別な要因があることが明らかとなった。
以下、この解析の内容について説明する。
図9、図10は、この解析に用いた無端ベルト、ローラ構成レイアウト条件1、2を示す。レイアウト条件1に対しレイアウト条件2は、各ローラ径、ベルト周長、第1、第2従動ローラの位置関係、第1から第3従動ローラにおけるベルトの巻付範囲角度等の主要な条件は共通である。また、ステアリングローラである第2従動ローラと、ベルト搬送方向Aの下流側に位置する第1従動ローラとの間隔が共通であるのに対し、第2従動ローラと、これよりもベルト搬送方向Aの上流側に位置する第3従動ローラの間隔(X1、X2)が異なり、レイアウト条件1の間隔X1よりもレイアウト条件2の間隔X2の方が約半分の間隔となっている。間隔(X1、X2)は、ベルト搬送方向距離に相当する。
図9、図10において、駆動ローラにより無端ベルトを回転駆動し、第2従動ローラをステアリングローラとし張力付与方向Dと直行する方向B(ステアリング条件)に傾けた場合、あるステアリングローラの傾き(A)のとき得られるベルト幅方向(主走査方向)Aのベルト位置補正感度と、2.5倍のステアリングローラの傾き(2.5A)のとき得られるベルト位置補正感度の関係を図11に示す。図11から、傾きAにおける補正感度は、レイアウト条件2よりもレイアウト条件1の方が、2倍以上の補正感度が得られることがわかる。このことからステアリングローラ(第2従動ローラ)とその上流側に位置するローラ(第3従動ローラ)の間隔が大きい方がより大きなベルト位置補正感度が得られることがわかる。
また、傾き2.5Aにおける補正感度は、レイアウト条件1では傾きAのときの約2.5倍となり、傾きに対する補正感度の関係は線形挙動に近い。それに対し、レイアウト条件2では、傾きAのときの約2倍程度の補正感度となっており、傾きと補正感度が比例しない非線形挙動となっていることがわかる。このことからステアリングローラ(第2従動ローラ)とその上流側に位置するローラ(第3従動ローラ)の間隔が大きい方が、より線形挙動に近いベルト位置補正感度が得られることがわかる。
ここで、上述の解析条件において、各ローラから無端ベルトに働く軸方向の力と、それにより変形した無端ベルトの姿勢を求めた。レイアウト条件1の傾きAの結果を図12、傾き2.5Aの結果を図13、レイアウト条件2の傾きAの結果を図14、傾き2.5Aの結果を図15に示す。図12乃至図15に示すように、レイアウト条件1、2ともに、ローラから無端ベルトに働く軸方向の力(ローラ軸方向荷重)は、ステアリングローラである第2従動ローラと、このローラよりもベルト搬送方向Aの上流側にある第3従動ローラで逆方向の大きな力が生じる。その影響により、無端ベルトは第2従動ローラとその上流側の第3従動ローラの間で大きくベルト幅方向(主走査方向ベルト位置)に変形し、他のローラ位置ではほとんど変形していない。
傾きAのときレイアウト条件1とレイアウト条件2で、第2従動ローラと第3従動ローラで無端ベルトに働く逆向きの軸方向の力に大きな差はない。しかしが、第2従動ローラと第3従動ローラの間の無端ベルトのベルト幅方向の変形(変形姿勢)は、レイアウト条件1の方が大きい。これは、レイアウト条件1では、第2従動ローラと第3従動ローラの間隔X1がレイアウト条件2の間隔X2よりも大きいため、軸方向の力に対し大きく変形するためである。ベルト全体の変形状態は、上述のように第2従動ローラと第3従動ローラの間の変形が大きく影響するため、レイアウト条件2よりもレイアウト条件1の方がベルト1周の姿勢の変形が大きく、ベルト位置補正の原理であるローラに対するベルトの進入角度が大きくなる。このため、レイアウト条件2よりもレイアウト条件1の補正感度が大きくなる。
また、レイアウト条件1において、第2従動ローラと第3従動ローラの間の無端ベルトのベルト幅方向への変形は、傾きAでの変形に対し傾き2.5Aでの変形は約2.5倍となっている。このため、ベルト全体の変形状態も約2.5倍となり、約2.5倍の補正感度が得られる。それに対し、レイアウト条件2においては、第2従動ローラと第3従動ローラの間の無端ベルトのベルト幅方向への変形は、傾きAでの変形に対し傾き2.5Aでの変形は約2倍となっている。このため、ベルト全体の変形状態も約2倍となり、約2倍の補正感度となる。これは、上述のように、レイアウト条件2では、第2従動ローラと第3従動ローラの間隔X2がレイアウト条件1の間隔X1よりも小さく、軸方向の力に対し変形しにくいためである。レイアウト条件2では、第2従動ローラと第3従動ローラで無端ベルトに対して作用する逆向きの軸方向の力に対し、無端ベルトのベルト幅方向への変形が許容範囲を超え、無端ベルトとローラの間で軸方向のすべりが生じる。このため、ステアリングローラとなる第2従動ローラの傾きを大きくし、第2従動ローラと上流側に位置する第3従動ローラで、無端ベルトに作用する逆向きの軸方向の力が大きくなっても、無端ベルトとローラのすべりにより無端ベルトの変形が大きくならず、補正感度を大きくすることができない。
以上の解析結果から、ベルト位置補正感度を大きくし、かつ、ステアリングローラ(第2従動ローラ)の傾きに対してベルト位置補正感度を線形に近い挙動とすることにより、第2従動ローラの姿勢変化(ステアリング)によるベルト位置補正範囲を十分に確保するためには、ステアリングローラ(第2従動ローラ)と、そのベルト移動方向の上流側に位置するローラ(第3従動ローラ)の間隔を大きく確保することが有効であることがわかる。しかしながら、これはレイアウト構成の大きな制約条件となることは明らかである。
また、特許文献1や特開2012−233967号公報では、テンションローラと中間転写ベルトの間の摩擦係数を、テンションローラにベルト搬送方向の上流側および下流側で隣接する2つのローラと中間転写ベルトの間の摩擦係数より小さくすることで、テンションローラに対しベルトから働く軸方向の力の影響を削減し、ベルトのねじれを防止できることが示されている。
このことから、本発明者は、ステアリングローラである第2従動ローラの上流側に隣接するローラ(第3従動ローラ)に対し、これと同様の構成をとり、本来、ステアリングローラ(第2従動ローラ)の上流側に隣接するローラ(第3従動ローラ)から無端ベルトに働く軸方向の力を削減、微小化することで、ステアリングローラの上流側に隣接するローラ(第3従動ローラ)のさらに上流側に隣接するローラ(第4従動ローラ)から無端ベルトに対し軸方向の力を働かせることができる。これにより、無端ベルトに対し互いに反対方向の軸方向の力が働くローラ間のベルト搬送方向における間隔(軸間距離)が拡大し、姿勢変化(ステアリング)によるベルト位置補正感度を大きくするとともに、ステアリングローラ(第2従動ローラ)の傾きに対するベルト位置補正感度を線形とすることが出来ると考え、以下の解析を行った。
図10に示すレイアウト条件2おいて、無端ベルトと第3従動ローラの摩擦係数を約1/3に変更した状態で、駆動ローラにより無端ベルトを回転駆動し、第2従動ローラをテンションと直行方向(ステアリング条件)に傾けたとする。この場合に、あるステアリングローラの傾き(A)のとき得られるベルト幅方向(主走査方向)のベルト位置補正感度と、2.5倍のステアリングローラ(第2従動ローラ)の傾き(2.5A)のとき得られるベルト位置補正感度の関係を図16に示す。
図16から、傾きAにおける補正感度は、従来の摩擦係数条件のときより約1.8の補正感度が得られることがわかる。このことからステアリングローラ(第2従動ローラ)の上流側に隣接するローラ(第3従動ローラ)と無端ベルトの摩擦力を低減することで、より大きなベルト位置補正感度が得られることがわかる。また、傾き2.5Aにおける補正感度は、傾きAのときの約2.5倍となり、傾きに対する補正感度の関係は線形挙動に近づくことがわかる。
ここで、上述の解析条件において、各ローラから無端ベルトに働く軸方向の力と、それにより変形した無端ベルトの姿勢を求めた。傾きAの結果を図17、傾き2.5Aの結果を図18に示す。図17、図18に示すように、ローラから無端ベルトに働く軸方向の力(ローラ軸方向荷重)は、ステアリングローラである第2従動ローラと、第2従動ローラよりもベルト搬送方向の上流側に配置された第3従動ローラのさらに上流側にある第4従動ローラで逆方向の大きな力が生じる。その影響により、無端ベルトは、第2従動ローラと第4従動ローラの間で大きくベルト幅方向(主走査方向ベルト位置)に変形し、他のローラ位置ではほとんど変形していない。また、第2従動ローラと第4従動ローラの間の無端ベルトのベルト幅方向への変形は、傾きAでの変形に対し傾き2.5Aでの変形は約2.5倍となっている。このため、ベルト全体の変形状態も約2.5倍となり、約2.5倍の補正感度が得られる。
以上の結果から、本発明者は、以下のメカニズムを推測した。
ステアリングローラ(第2従動ローラ)の傾きによりステアリングローラから無端ベルトに対し軸方向の力が働くことで、無端ベルトがベルト幅方向に変形する。この変形の影響で、隣接する上流側ローラ(第3従動ローラ)で無端ベルトの傾きにより、ステアリングローラ(第2従動ローラ)とは反対方向の軸方向の力が働く。
隣接する上流側のローラと無端ベルトの間の摩擦力が小さい場合、ローラからベルトに働く力は小さいため、ベルトは変形しない。
ステアリングローラで生じるベルト変形は維持され、さらに上流側のローラ(第4従動ローラ)で無端ベルトが傾きにより、ステアリングローラとは反対方向の軸方向の力が働く。
ローラとベルトの間の摩擦が小さくない場合、ローラからベルトに働く力によりベルトは変形する。
従来の摩擦係数条件では、無端ベルトに対する反対方向の軸方向の力が生じる第2従動ローラと第3従動ローラの間隔が小さく、軸方向の力に対し無端ベルトが変形し難かったが、本解析の摩擦係数条件では、無端ベルトに対する反対方向の軸方向の力が生じるローラが、第2従動ローラと第4従動ローラとなり、両ローラの間隔が大きく、軸方向の力に対し変形し易いため、ステアリングローラ(第2従動ローラ)によるベルト位置補正感度を大きく、さらに、ステアリングローラ(第2従動ローラ)の傾きに対するベルト位置補正感度を線形に近づけることができたと考えられる。
(第1の実施形態)
そこで、本実施形態では、上述の解析結果を踏まえ、図3に示したベルト搬送装置200に、図5に示すレイアウト条件を適用して、同レイアウト条件に設定したものである。上流側とは、ベルト移動方向Aの上流側であり、下流側とは、ベルト移動方向Aの下流側を示す。なお、図5において、ステアリングローラ215は、第2従動ローラに相当し、従動ローラ214は第3従動ローラに相当し、従動ローラ213は第4従動ローラに相当する。
図5は、図3に示したベルト搬送装置200を模式的に示すものである。図5において、ステアリングローラ215に対し、中間転写ベルト218は、135°の巻付角θ2で巻付いており、巻付角θ2の2等分線方向にN2のテンション力をステアリングローラ215から付与されている。このテンション力N2により、ステアリングローラ215に巻付く中間転写ベルト218の上流側および下流側には、ベルトテンションTbが生じ、ベルトテンションTb、テンション力N2、巻付角θ2(=135°)には以下の関係が成り立つ。
N2=2×cos((180−θ2)/2)×Tb
よって、N2=1.85×Tb
ステアリングローラ215と中間転写ベルト218の間に生じる摩擦力は、巻付角範囲における垂直抗力×摩擦力となるが、これは、ステアリングローラ215から中間転写ベルト218に作用するテンション力×摩擦力で近似できる。このため、ステアリングローラ215と中間転写ベルト218の間の摩擦係数をμ2とすると、両者の間に生じる摩擦力F2は、以下の式で近似できる。
F2≒μ2×N2
よって、F2≒μ2×1.85Tb
ステアリングローラ215よりもベルト移動方向Aの上流側に配置されている従動ローラ214では、中間転写ベルト218が巻付角θ1=90°で巻付いている。本実施形態において、ステアリングローラ215の上流側ベルトテンションと従動ローラ214の下流側ベルトテンションは釣り合うように構成されていて、従動ローラ214から中間転写ベルト218に作用するテンション力N1は、N1=2×cos45°×Tb=1.41Tbとなる。
従動ローラ214と中間転写ベルト218の間の摩擦係数をμ1とすると、両者の間に生じる摩擦力F1は、F1≒μ1×1.41Tbとなる。
同様に、従動ローラ214よりもベルト移動方向Aの上流側に配置されている従動ローラ213において、テンション力N3は、N3=1.85Tbとなる。
従動ローラ213と中間転写ベルト218の間の摩擦係数をμ3とすると、両者の間に生じる摩擦力F3は、F3≒μ3×1.85Tbとなる。
次に、ベルト回転状態において、各ローラと中間転写ベルト218の間に作用する摩擦力を図6により説明する。
図6において、従動ローラ213と従動ローラ214の間に設置された負荷手段としてのクリーニングブレード220からは、中間転写ベルト218の回転に対し、一定の摩擦負荷(クリーニング摩擦負荷)が作用する。このため、クリーニングブレード220よりもベルト移動方向Aの下流側に位置するステアリングローラ215、従動ローラ214においては、ベルト回転停止時のベルトテンションTbに対しクリーニング摩擦負荷により生じるテンション変化(負荷)Tcが加わったベルトテンション(Tb+Tc)が生じる。ここで、Tcは、Tbと同じ方向に作用し、符合が+となるため、ベルトテンションは回転停止時よりも|Tc|だけ増加する。これに対し、クリーニングブレード220よりもベルト移動方向Aの上流側に位置する従動ローラ213では、ベルト回転停止時のベルトテンションTbに対し、クリーニング摩擦負荷により生じるテンション変化Tcが加わったベルトテンション(Tb+Tc)が生じる。しかし、TcはTbと逆方向に作用し、符合が−となるため、ベルトテンションは回転停止時よりも|Tc|だけ減少する。
以上より、ベルト回転状態においては、各ローラと中間転写ベルト218の間に作用する摩擦力Fnは、各ローラに巻付くベルト両側のベルトテンションを(Tb+Tc)、各ローラと中間転写ベルト218の巻付角をθn、各ローラと中間転写ベルト218の間の摩擦係数をμnとすると、
Fn≒μn×2×cos((180−θn)/2)×(Tb+Tc)
となり、μn×cos((180−θn)/2)×(Tb+Tc)の値により決定されることになる。
図6において、ステアリングローラ215と中間転写ベルト218の摩擦係数μ2、ステアリングローラ215のベルト移動方向Aの上流側にある従動ローラ214と中間転写ベルト218の摩擦係数μ1、従動ローラ214のベルト移動方向Aの上流側にある従動ローラ213と中間転写ベルト218の摩擦係数μ3に対し、以下の関係が成り立つように設定している。
0.707×μ1×(Tb+Tc)<0.924×μ2×(Tb+Tc)
0.707×μ1×(Tb+Tc)<0.924×μ3×(Tb+Tc)
ここで、ベルト回転停止時であれば、Tc=0となるため、従動ローラ214の摩擦係数μ1に対し、μ2、μ3を(0.707/0.924)倍以上とすることにより上記関係が成り立つ。
しかしながら、ベルト回転状態では、Tcの影響により、ステアリングローラ215、従動ローラ214ではベルトテンションが増加し、従動ローラ213ではベルトテンションが減少する。
このため、
0.707×μ1×(Tb+Tc)<0.924×μ2×(Tb+Tc)の関係は、Tcの影響を受けず、
0.707×μ1<0.924×μ2となり、摩擦係数μ1に対し、摩擦係数μ2を(0.707/0.924)倍以上にすることにより成り立つ。
しかし、0.707×μ1×(Tb+Tc)<0.924×μ3×(Tb+Tc)の関係は、従動ローラ214と従動ローラ213でTcの符号が逆となり、従動ローラ214のベルトテンションよりも、従動ローラ213のベルトテンションが増大する。このため、上記の関係が成り立つためには、Tcの大きさに応じて、摩擦係数μ1に対し、摩擦係数μ3を十分に大きな値とする必要がある。
ここで、従動ローラ214と中間転写ベルト218の間の摩擦係数μ1に対し、従動ローラ213と中間転写ベルト218の間の摩擦係数μ3を大きくする方法としては、以下が考えられる。
(1)従動ローラ214の表面をフッ素樹脂等の低摩擦材料でコーティングし、摩擦係数μ1を十分小さくする。
(2)従動ローラ213の表面をゴム系材料等の高摩擦材料でコーティングし、摩擦係数μ3を十分大きくする。
(3)従動ローラ213が当接する中間転写ベルト218の裏面をゴム系材料等の高摩擦材料でコーティングし、従動ローラ214が当接する中間転写ベルト218の表面よりも十分に摩擦係数を大きくすることで、摩擦係数μ1よりも、摩擦係数μ3を十分大きくする。
また、摩擦係数の設定とともに、図6のレイアウト構成を変更し、各ローラと中間転写ベルト218の摩擦力を最適な関係とすることも可能である。負荷Tcを考慮しても、従動ローラ214から中間転写ベルト218に作用するテンション力N1に対し、従動ローラ213から中間転写ベルト218に作用するテンション力N3が大きくなる必要がある。このためには、図6の構成に対し、従動ローラ214のベルト巻付角θ1を小さくする、および、従動ローラ213のベルト巻付角θ3を大きくすることにより、各ローラと中間転写ベルト218の摩擦力を最適な関係とすることも可能である。
以上のような構成により、従動ローラ214と中間転写ベルト218の間の摩擦力が、ステアリングローラ215、従動ローラ213と中間転写ベルト218の間の摩擦力より小さくなるよう設定できる。
このとき、ベルト寄りの補正のため、図3に示すアクチュエータ216により矢印Bの方向にステアリングローラ215を揺動することにより、ステアリングローラ215から生じる軸方向の力により中間転写ベルト218は変形する。ステアリングローラ215のベルト移動方向Aの上流側にある従動ローラ214に対し中間転写ベルト218の傾きが生じるが、従動ローラ214(従動ローラ3に相当)と中間転写ベルト218の摩擦が小さいため、従動ローラ214では中間転写ベルト218は変形せず、さらに上流側の従動ローラ213(従動ローラ4に相当)に対し中間転写ベルト218の傾きが生じる。これに対し、従動ローラ213では中間転写ベルト218に対しステアリングローラ215とは逆向きの軸方向の力が作用し、ステアリングローラ215と従動ローラ213の間で中間転写ベルト218が幅方向に大きく変形する。このため、ステアリングローラ215の傾きに対する補正感度は大きく、さらに、ステアリングローラ215の傾きに対してベルト位置補正感度を線形に近い挙動とすることができ、ステアリングによるベルト位置補正範囲を十分に確保することができる。
つまり、本実施形態では、張力付与手段の付勢力により生じるベルトテンションをTb、クリーニングブレード220の負荷により生じるベルトテンションをTcとし、調整手段で姿勢調整されるステアリングローラ215に対し、ベルト搬送方向Aの上流側に位置する少なくとも1つのローラ(従動ローラ214)と中間転写ベルト218の間のベルト巻付角をθ1、摩擦係数をμ1、少なくとも1つの従動ローラ214に対し、ベルト搬送方向Aで隣接する2つの張架手段となるステアリングローラ215と従動ローラ213と中間転写ベルト218の間のベルト巻付角をθ2、θ3、摩擦係数をμ2、μ3としたとき、
μ1×cos((180−θ1)/2)×(Tb+Tc)<μ2×cos((180−θ2)/2)×(Tb+Tc)
μ1×cos((180−θ1)/2)×(Tb+Tc)<μ3×cos((180−θ3)/2)×(Tb+Tc)
となるように構成した。
このような構成すると、中間転写ベルト218に当接すクリーニングブレード220による摩擦力の影響を考慮することがで、摩擦そのものの大小関係を狙い通りに設定することができるため、ベルト補正感度を大きくすることができる。
アクチュエータ216で姿勢調整されるステアリングローラ215とベルト移動方向Aの上流側の従動ローラ214の間で生じるベルト幅方向への変形の大きさでベルト寄り補正感度が決定され、ベルト幅方向への変形はステアリングローラ215とベルト移動方向Aの上流側の従動ローラ214のベルト搬送方向距離が大きいほど大きくなる。ステアリングローラ215のベルト移動方向Aの上流側で隣接する従動ローラ213と中間転写ベルト218の間の摩擦力を小さくする、つまり、摩擦係数×垂直抗力を小さくすることで、ベルト幅方向への変形が生じる張架手段をステアリングローラ215と隣接する従動ローラ214よりさらに上流側の従動ローラ213に変更できる。このため、ステアリングローラ215とベルト幅方法への変形を生じる従動ローラ213のベルト搬送方向Aへの距離(長さ)を大きくすることができ、ベルト寄り補正感度を大きくすることができる。
また、このような構成のベルト搬送装置200を、フルカラー画像を形成可能な画像形成装置の中間転写ユニットに用いることで、中間転写ベルト218に転写されるカラーのトナー像の画像歪みや色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
さらに、本実施形態のように、寄りガイド部材等、ベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、ベルトの寄りを補正するので、大幅な高速化が可能であるとともに、確実な寄り補正動作が可能なベルト搬送装置を小型・低コストに実現できる。
ここで、画像形成動作のために、ステアリングローラ215と従動ローラ213の間に、従動ローラ214以外にさらに従動ローラを配置し、中間転写ベルト218を張架する必要がある場合、配置する従動ローラにおいても従動ローラ214と同様にステアリングローラ215、従動ローラ213よりも中間転写ベルト218との間の摩擦力を小さくすることで、配置する従動ローラでは中間転写ベルト218の変形は生じず、ステアリングローラ215と従動ローラ213の間で、中間転写ベルト218の変形を生じさせることができ、同様の効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ステアリングによりローラから中間転写ベルト218に働く軸方向の力は、ステアリングローラ215であると、その上流側の従動ローラ213で逆方向の大きな力が生じる。このため、その影響により中間転写ベルト218はステアリングローラ215とその上流側のローラ213の間で大きく幅方向に変形すると説明した。
しかし、更なる解析の結果、ステアリングローラ215のベルト移動方向Aの上流側に隣接するローラのベルト巻付角(ローラ全周のうちベルトが接触している範囲の角度)が小さい(略40度以下)場合は、ステアリングローラ215から中間転写ベルト218に働く軸方向の力は小さく、このローラにおけるベルト幅方向への変形も小さいことが明らかとなった。これは、中間転写ベルト218との摩擦係数が小さいローラにおける挙動と同様であり、この場合、ステアリングローラ215から中間転写ベルト218に働く軸方向の大きな力に対し、逆方向の大きな力が働くのは、ベルト巻付き角が小さい(略40度以下)ローラを除き、ステアリングローラ215とステアリングローラ215よりもベルト搬送方向Aの上流側に配置されベルト搬送方向Aへの距離(ベルト搬送距離)が最も近いローラ(従動ローラ214)である。このため、この従動ローラ214とステアリングローラ215の間で中間転写ベルト218が大きく幅方向に変形する。このため、第1の実施形態において、ステアリングローラ215の上流側に隣接するローラとして、ベルト巻付角が略40度以下となるローラを構成に加えなければ、ステアリングローラ215と従動ローラ213の間で、中間転写ベルト218の変形を生じさせることができ、第1の実施形態の効果を確実に得ることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態に係るベルト搬送装置200Aは、図7に示すように、ベルト寄り調整機能と斜行調整機能を備えている。つまり、本実施形態では、調整手段として第1の調整手段と第2の調整手段を備えている。第1の調整手段の構成は、図3と同様であるので、ここでは説明を省略し、第2の調整手段の構成について主に説明する。
第2の調整手段によって姿勢調整される張架手段は、第1の調整手段で姿勢制御されるステアリングローラ215よりもベルト搬送方向Aの上流側において隣接する従動ローラ214である。第2の調整手段は、ベルト搬送方向Aに対するベルト傾きを補正するベルト傾斜調整手段であり、本実施形態では電動のアクチュエータ217によって構成されている。アクチュエータ217は、図4に示すように制御手段300に信号線を介して接続されていて、制御手段300によって、その駆動が制御されるように構成されている。
本実施形態において、従動ローラ214は、ステアリングローラ214と称する。ステアリングローラ214は中間転写ベルト218に生じた傾斜を補正するものである。ステアリングローラ214の回転軸2140の両端は、ピボット軸受等の支持部材223,223で主走査方向(ベルト幅方向)Wと直交する方向Bに揺動可能に支持されている。ステアリングローラ214の一端214a側には、第2の調整手段でありベルト傾斜補正手段としてのアクチュエータ217が設けられている。アクチュエータ217は、電動駆動源であり、オン/オフにより往復動作可能なロッド217aを有している。このロッド217aの先端は、回転軸2140の一端側を支持する支持部材223に当接するように配置されている。このため、ステアリングローラ214は、アクチュエータ217のオン/オフによるロッド217aの移動方向に往復移動(揺動)されるように構成されている。すなわち、ステアリングローラ214の軸線方向に位置する一端214aは、ステアリングローラ214の他端214bに対してベルト幅方向に直交する矢印方向に相対的に移動可能(往復移動可能)とされていて、アクチュエータ217により、その姿勢が調整可能とされている。
本実施形態において、制御手段300は、ベルト寄り・斜行検出手段205で検出されるベルト寄り検出情報に基づき、アクチュエータ216を駆動し、発生したベルト主走査方向への移動と逆の方向に中間転写ベルト218が移動するようステアリングローラ215を揺動するように構成されている。このアクチュエータ216の作動を制御することにより、ベルト寄りは一定範囲に制御され、寄りガイド部材等を設けることなく、ベルト寄りを抑制することが可能である。
本実施形態において、制御手段300は、ベルト寄り・斜行検出手段205で検出されるベルト寄り検出情報に基づき、アクチュエータ217を駆動し、発生したベルト主走査方向への移動と逆の方向にベルトが傾斜するようステアリングローラ214を揺動するように構成されている。このアクチュエータ217の作動を制御することにより、ベルト斜行は一定範囲に制御され、画像歪み、色ずれを防止可能とされている。
本実施形態において、ステアリングローラ214と中間転写ベルト218の摩擦力は、隣接するステアリングローラ215および従動ローラ213と中間転写ベルト218の摩擦力より小さい値とすることで、上述のように、ステアリングローラ215においては、ステアリングローラ215の傾きに対する補正感度を大きくすることができる共に、ステアリングローラ215の傾きに対してベルト位置補正感度を線形に近い挙動とすることができ、ステアリングによるベルト位置補正範囲を十分に確保することができる。
また、ベルト寄りの補正には、ステアリングローラ215と上流側の従動ローラ213で中間転写ベルト218を変形させる必要がある。しかし、ベルト斜行の補正には、ステアリングローラ214の傾きによりステアリングローラ214に入るベルトの傾きに対し、ステアリングローラ214から出る中間転写ベルト218の傾きを変化させることで補正できる。このため、上流側の従動ローラ213との距離や中間転写ベルト218とステアリングローラ215の間の摩擦は影響しない。よって、中間転写ベルト218との摩擦が小さく、上流側の従動ローラ213との距離(ベルト搬送距離)が近いステアリングローラ214においても、ベルト斜行を問題なく補正することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態に係るベルト搬送装置200Bは、図8に示すように、ベルト寄り調整機能と斜行調整機能を備えている。本実施形態では、ステアリングローラ215の回転軸215aではなく、ステアリングローラ214の回転軸214aの両端がテンション方向に付勢手段であるコイルバネ224,224によって付勢されている。このため中間転写ベルト218はほぼ一定テンションで張架されている。つまり、図3、図7に示したベルト搬送装置200、200Aでは、ステアリングローラ215が中間転写ベルト218を一定のテンションで張架するためのテンションローラとして機能していた。これに対し図8に示すベルト搬送装置200Bでは、ステアリングローラ214をテンションローラとしている。
ベルト寄りを補正するステアリングローラ215では、中間転写ベルト218に対し軸方向の力を作用させ、中間転写ベルト218を変形させる。このため、ステアリングローラ215には中間転写ベルト218から軸方向の反力が作用する。ステアリングローラ215がテンションローラの場合、一般的にテンションローラは両端をバネ等で付勢された構成であることが多い。このため、中間転写ベルト218からの反力により不要な傾きが生じ、中間転写ベルト218にねじれが生じる懸念がある。しかしながら、図8に示すように、ステアリングローラ214をテンションローラとした場合、ステアリングローラ214は、中間転写ベルト218との間の摩擦力が小さく、中間転写ベルト218から受ける反力も小さいため、不要な傾きが生じにくく、ベルトねじれの問題を回避することができる。
このように、ステアリングローラ214と中間転写ベルト218の摩擦力は、隣接するステアリングローラ215および従動ローラ213と中間転写ベルト218の摩擦力より小さい値とすることで、ステアリングローラ214の傾きに対する補正感度を大きくすることができる。また、ステアリングローラ214の傾きに対してベルト位置補正感度を線形に近い挙動とすることができ、ステアリングによるベルト位置補正範囲を十分に確保することができる。
第1ないし第4の実施形態では、ベルト搬送装置200、200A、200Bを、画像形成装置の中間転写ユニットに適用しているので、小型、低コストな構成で、中間転写ベルト218の寄りおよび斜行を確実に補正することで、中間転写ベルト218の寄りを安定に制御できるとともに、画像の色ずれを確実に補正できる。
(第5の実施形態)
図1に示す画像形成装置では、ベルト搬送装置200を転写装置である中間転写ユニットに適用したが、ベルト搬送装置200やベルト搬送装置200A、200Bの適用例としては、中間転写ユニットに限定するものではない。
本実施形態に係る画像形成装置100Aは、図19に示すように、トナー像が形成される像担持体としての複数の像担持体となる4つの感光体ドラム101、102、103、104と、各感光体に形成されたトナー像を転写する位置に記録材Pを搬送するベルト状の搬送部材2180と、搬送部材2180を回転移動可能に支持する複数の張架手段としての駆動ローラ211と従動ローラ212、213、214、215とを有する記録材搬送手段を備えている。そして、本実施形態においては、この記録材搬送手段として、ベルト搬送装置200、200A又は200Bの何れかを適用するものである。トナー像を転写する位置とは、感光体ドラム101、102、103、104と対向配置されていて、1次転写部材106,107,108,109によって各感光体と対向する搬送部材2180と感光体の間に形成される転写部N6、N7、N8、N9である。記録材搬送手段は、これら転写部N6、N7、N8、N9に対して記録材Pを吸着搬送するものである。
感光体ドラム101、102、103、104に形成されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、ブラックのトナー像は、感光体ドラム101、102、103、104に当接して矢印方向に回転する搬送部材2180に吸着されて搬送される記録材Pが、転写部N6、N7、N8、N9に搬送されて通過することで重ね合わせてフルカラー画像として転写される。フルカラー画像が転写された記録材Pは、定着装置240へと搬送され、熱と圧力により画像定着が成されたのち、排紙ローラ250によってトレイ上へと排出される。
このような構成の画像形成装置の記録材搬送手段としてベルト搬送装置200、200A又は200Bの何れかを用いると、上述した第1の調整手段や第2の調整手段により搬送部材2180の主走査方向Wの位置である寄りや斜行を調整することができる。本実施形態では、ベルト搬送装置200Aの構成を適用したものとして説明する。すなわち、本実施形態では、ステアリングローラ215を第1の調整手段であるアクチュエータ216により記録材Pの搬送方向Eと直行する方向の位置が調整可能とし、第2の調整手段となるアクチュエータ217によりステアリングローラ214を記録材Pの搬送方向Eに対する傾きが補正可能としている。
その結果、搬送部材218に吸着されて記録材搬送方向Eに搬送れる記録材Pの、記録材搬送方向Eと直交する方向Bの位置が調整可能とされるとともに、記録材搬送方向Eに対する記録材Pの傾きが補正可能となる。よって、小型、低コストで確実な搬送部材2180の寄り補正動作を達成する構成で、搬送部材2180の寄りおよび斜行を確実に補正では、搬送部材2180の寄りを安定的に制御できるとともに、記録材P上の画像の色ずれも確実に補正できる。
制御手段300としては、ベルト搬送装置200、200A、200Bが独立して有する場合でもよいし、画像形成装置が備えている画像形成プロセスに基づいて各部を制御する制御手段に、斜行判定機能(斜行判定部)やベルト寄り補正機能およびベルト斜行補正機能を持たせて、当該制御手段を用いてもよい。
図5、図6で説明したベルト搬送装置200の構成としては、図20に示した画像形成装置100Bの、中間転写ベルト218を備えた中間転写ユニットに適用してもよい。このような構成とすることにより、小型、低コストな構成で、無端ベルトである中間転写ベルト218の寄りや斜行を確実に補正でき、中間転写ベルト218の寄りを安定に制御することや、画像の色ずれを確実に補正することができる。
また、図20において、中間転写ベルト218とベルト状の転写部材である2次転写ベルト265の間の転写部となる2次転写部N5には、記録材Pにカラー画像を2次転写するために、転写バイアス電圧が印加されるとともに、高い転写圧が付与されている。具体的には、中間転写ベルト218を張架し、2次転写部N5に対向する2次転写対向ローラである従動ローラ213に対し、転写部材としての2次転写ベルト265を張架し、2次転写部N5に対向するとともに、転写バイアス電圧を印加する2次転写ローラとしてのローラ261が、数10から数100Nの力で押圧された状態で回転する。このローラ261の回転は、駆動手段で駆動回転される場合と従動回転の場合がある。
さらに、記録材Pに対する2次転写の効率を向上するために、従動ローラ213、ローラ261の少なくとも一方は、変形可能な弾性体で構成され、従動ローラ213とローラ261の間には、ベルト搬送方向Aとベルト幅方向Wに、ある程度の幅を有する2次転写ニップが形成される。このとき、2次転写ニップにおいて従動ローラ213と中間転写ベルト218の間には、大きな摩擦力が生じる。
上述したようにローラ215をステアリングローラとした場合、ベルト位置補正感度を大きく、線形に近い挙動とするためは、ローラ215(ステアリングローラ)の上流側ローラである従動ローラ214と中間転写ベルト218の間の摩擦力を小さくし、隣接するローラ215(ステアリングローラ)、従動ローラ213と中間転写ベルト218の間の摩擦力を大きくする必要がある。この場合、従動ローラ213を2次転写対向ローラとすることで、中間転写ベルト218との間の摩擦力を大きくすることが可能である。
なお、従動ローラ213をステアリングローラとした場合も、従動ローラ213と中間転写ベルト218の間の摩擦力を大きくすることは出来るが、従動ローラ213を上述の調整手段216でステアリング動作させた場合、2次転写ニップが変化し、記録材Pへの安定した2次転写動作に支障となる可能性があるため、ローラ215を調整手段216によって調整されるステアリングローラとする構成の方が望ましい。
このように、転写体である中間転写ベルト218に転写されたトナー像を記録材Pに転写する二次転写部N5を有するとともに、調整手段で調整されるローラ215に対しベルト搬送方向上流側に位置する張架手段としてのローラ214にベルト搬送方向で隣接する2つの張架手段の一方の従動ローラ213は、転写体である中間転写ベルト218および記録材Pを介し二次転写部N5と当接する転写部対向張架手段である。このため、寄りガイド部材等、ベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能であるとともに、小型、低コストの構成で、無端ベルトの寄りおよび斜行を確実に補正することで、画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
図20に示した画像形成装置100Bは、図1の画像形成装置100の構成に対し、二次転写部N5から定着装置240までの構成が異なっている。この異なっている部分以外は、図1と図20に示した画像形成装置は基本的には同一構成であるので、この違う部分を中心に説明する。
図20は示す画像形成装置100Bは、図5、図6で説明したベルト搬送装置200の構成を、ベルト状の転写部材としての二次転写ベルト265を備えたユニットである2次転写ベルト機構260に適用したものである。2次転写ベルト機構260は、複数の張架手段としてのローラ261、262、263、264と、ローラ261、262、263、264に巻き掛けられて張架された無端ベルトからなる転写部材としての二次転写ベルト265を備えている。2次転写ベルト機構260と定着装置240の間には、二次転写部N5を通過した記録材Pを定着装置240に向かって搬送する搬送装置270が配置されている。搬送装置270は、複数の張架手段としてのローラ271、272と、ローラ271、272に巻き掛けられて張架された無端ベルトからなる搬送部材としての搬送ベルト273を備えている。
このような構成の画像形成装置100Bにおいては、記録材Pに2次転写されずに中間転写ベルト218上に残った残トナーや、中間転写ベルト218から2次転写ベルト265に転写された不要トナーが、中間転写ベルト218や2次転写ベルト265にそれぞれ当接する負荷手段としてのクリーニングブレード220、266により除去される。
2次転写ベルト機構260は、中間転写ユニットと比較し、記録材Pを給紙部から2次転写部N5に搬送する搬送機構や、2次転写部N5から定着装置240に搬送する搬送装置270を、記録材搬送方向Eの前後に配置する必要があるため、小型省スペース化する必要がある。
また、2次転写ベルト機構260においても、中間転写ユニットと同様に、上術のステアリング機構、張力付与手段としてのテンション機構、クリーニング機構および二次転写ベルト265に転写されるトナー像の画像濃度や位置ずれを検出するためのテスト画像検出機構等を配置する必要があり、ローラ261〜264で無端ベルトからな2次転写ベルト265を張架搬送する必要がある。これらの理由から、各ローラの間隔を大きくすることが困難であり、ベルト位置補正感度を大きく、線形に近い挙動とするためには、ステアリングローラの上流側ローラと2次転写ベルト265の間の摩擦力を小さく、隣接する2つのローラと二次転写ベルト265の間の摩擦力を大きくする必要がある。
そこで、2次転写ベルト機構260に、図5、図6で説明したベルト搬送装置200の構成(調整手段の配置や摩擦係数大小関係などの設定)を適用することにより、小型、低コストな構成で、無端ベルトである2次転写ベルト265の寄りや斜行を確実に補正でき、2次転写ベルト265の寄りを安定に制御することや、記録材Pの搬送傾き、つまり記録材P上の画像の傾きを確実に補正できる。
また、図20において、中間転写ベルト218と2次転写ベルト265の間に形成される2次転写部N5には、記録材Pにカラー画像を2次転写するために、転写バイアス電圧が印加されるとともに、高い転写圧が付与される。具体的には、中間転写ベルト218を張架し2次転写部N5に対向する2次転写対向ローラであるローラ261に対し、2次転写ベルト265を張架して2次転写部N5に対向するとともに、転写バイアス電圧を印加するローラ261が、数10から数100Nの力で押圧された状態で回転する。さらに、記録材Pに対する2次転写の効率を向上するために、従動ローラ213、ローラ(二次転写ローラ)261の少なくとも一方は、変形可能な弾性体で構成され、従動ローラ213とローラ261の間には、ベルト搬送方向Aとベルト幅方向Wに、ある程度の幅を有する2次転写ニップが形成される。このとき、2次転写ニップにおいてローラ(二次転写ローラ)261と2次転写ベルト265の間には、大きな摩擦力が生じる。ローラ263をステアリングローラとした場合、ベルト位置補正感度を大きく、線形に近い挙動とするためは、ローラ263(ステアリングローラ)の上流側ローラであるローラ262と2次転写ベルト265の間の摩擦力を小さく、隣接するローラ263、ローラ(二次転写ローラ)261と2次転写ベルト265の間の摩擦力を大きくする必要がある。このため、ローラ261を2次転写ローラとすることで、2次転写ベルト265との間の摩擦力を大きくできる。
ローラ261をステアリングローラとした場合も、ローラ261と2次転写ベルト265の間の摩擦力を大きくすることが出来るが、ローラ261を上記の調整手段でステアリング動作させた場合、2次転写ニップが変化し、記録材Pへの安定した2次転写動作の支障となる可能性がある。このため、ローラ262を上記の調整手段でステアリング動作させるステアリングローラとする構成のほうが望ましい。
つまり、図20に示す画像形成装置100Bは、像であるトナー像が形成される複数の像担持体として、4つの感光体ドラム101、102、103、104と、感光体ドラム101、102、103、104のトナー像が転写される転写体である中間転写ベルト218と、複数の張架手段であるローラ261〜264によって回転移動可能に支持され、中間転写ベルト218に転写されたトナー像を記録材Pに転写するベルト部材で構成された転写部材としての二次転写ベルト265を備えた転写ユニットである2次転写ベルト機構260を備えている。そして、図20に示す画像形成装置100Bは、2次転写ベルト機構260が調整手段216により2次転写ベルト機構260の主走査方向位置を調整可能とされている。
調整手段216と上流側張架手段の間で生じるベルト幅方向変形の大きさでベルト寄り補正感度が決定され、ベルト幅方向変形は調整手段216と上流側張架手段のベルト搬送方向距離が大きいほど大きくなる。調整手段216の上流側隣接張架手段214とベルトの間の摩擦力を小さくすることで、ベルト幅方向変形が生じる張架手段を調整手段隣接張架手段よりさらに上流側の張架手段である従動ローラ213に変更でき、調整手段216とベルト幅方法変形を生じる従動ローラ213のベルト搬送方向距離を大きくすることができるとともに、従動ローラ213と中間転写ベルト218の間は転写圧により作用する摩擦力は大きくなるため、すべりを防止することができ、ベルト寄り補正感度を大きくすることができる。
このため、寄りガイド部材等、ベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能であるとともに、小型、低コストな構成で、無端ベルトの寄りおよび斜行を確実に補正することで、画像歪みを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、調整手段216で調整される張架手段であるローラに対し、ベルト搬送方向上流側に位置するローラにベルト搬送方向で隣接する2つの張架手段の一方は、転写部材である二次転写ベルト265および記録材Pを介して中間転写ベルト218と当接する転写体対向張架手段である。この場合でも、寄りガイド部材等、ベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能であるとともに、小型、低コストな構成で、無端ベルトの寄りおよび斜行を確実に補正することで、画像歪みを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
本実施形態に係る画像形成装置は、調整手段として第1の調整手段216と第2の調整手段217を備えていて、これらでローラ位置を調整する構成であってもよい。この場合、第1の調整手段216によりに2次転写ユニット260の搬送方向と直行する方向の位置が調整可能とされ、第2の調整手段217により2次転写ユニット260の搬送方向に対する傾きが補正可能とされている。
このため、寄りガイド部材等、ベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能であるとともに、小型、低コストな構成で、無端ベルトの寄りおよび斜行を確実に補正することで、画像歪みを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
本発明に係る画像形成装置はプリンタに限定するものではなく、複写機、ファクシミリの単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナなどのうち、少なくとも2つ以上の機能を備えた複合機であってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
100、100A、100B 画像形成装置
101〜104 複数の像担持体
200、200A、200B ベルト搬送装置、転写装置、記録材搬送手段
211〜213 複数の張架手段
213 転写部対向張架手段
214,215 複数の張架手段、姿勢調整される張架手段
214a、215a 張架手段の一端
214b、215b 張架手段の他端
216 調整手段、第1の調整手段、ベルト寄り位置調整手段
217 調整手段、第2の調整手段、ベルト傾斜調整手段
218 無端状のベルト部材、ベルト状の転写体、ベルト状の搬送部材
219 駆動手段
220、266 負荷手段
224 張力付与手段
260 転写ユニット
261〜264 複数の張架手段
265 転写部材
A ベルト搬送方向
B 直交する方向
D 張力付与方向
E 記録材搬送方向
N5 転写部
P 記録材
Tb、Tc ベルトテンション
X1、X2 ベルト搬送距離
W ベルト幅方向
θ1〜θ3 ベルト巻付角
μ1〜μ3 摩擦係数
特開2015−087455号公報

Claims (14)

  1. 複数の張架手段に巻き掛けられた無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材を搬送移動させる駆動手段と、
    前記複数の張架手段のうちの何れかの張架手段を前記ベルト部材に張力を付与する張力付与方向に付勢する張力付与手段と、
    前記複数の張架手段のうちの少なくとも1つの張架手段の一端を他端に対してベルト幅方向と直交する方向に相対的に移動させることで、前記何れかの張架手段の姿勢を調整する調整手段と、
    前記ベルト部材に当接し、前記ベルト部材の搬送に対する負荷を生じさせる負荷手段を有し、
    前記駆動手段により前記ベルト部材を搬送移動し、前記調整手段によりベルト位置を補正するベルト搬送装置であって、
    前記張力付与手段の付勢力により生じるベルトテンションをTb、前記負荷手段の負荷により生じるベルトテンションをTcとし、前記調整手段で姿勢調整される張架手段に対し、ベルト搬送方向の上流側に位置する少なくとも1つの張架手段と前記ベルト部材の間のベルト巻付角をθ1、摩擦係数をμ1、前記少なくとも1つの張架手段に対し、前記ベルト搬送方向で隣接する2つの張架手段と前記ベルト部材の間のベルト巻付角をθ2、θ3、摩擦係数をμ2、μ3としたとき、前記ベルト巻付角θ1及び摩擦係数μ1と、前記ベルト巻付角θ2、θ3及び摩擦係数μ2、μ3との関係が、
    μ1×cos((180−θ1)/2)×(Tb+Tc)<μ2×cos((180−θ2)/2)×(Tb+Tc)
    μ1×cos((180−θ1)/2)×(Tb+Tc)<μ3×cos((180−θ3)/2)×(Tb+Tc)
    となるベルト搬送装置。
  2. 前記調整手段で姿勢調整される張架手段よりも前記ベルト搬送方向の上流側で隣接する少なくとも1つの張架手段は、前記ベルト部材を張架する張架手段のうち、ベルト巻付角が略40度以下である張架手段を除いた前記張架手段の中で、前記調整手段で姿勢調整される張架手段に対し、前記ベルト搬送方向の上流側においてベルト搬送距離が近い張架手段である請求項1に記載のベルト搬送装置。
  3. 前記調整手段は、前記複数の張架手段のうちの何れかの張架手段の姿勢を調整する第1の調整手段と、前記複数の張架手段のうちの前記第1の調整手段によって姿勢調整される張架手段以外の張架手段の一端を他端に対して前記ベルト幅方向に直交する方向に相対的に移動させる第2の調整手段を有し、
    前記駆動手段により前記ベルト部材を搬送し、前記第1の調整手段および第2の調整手段により前記ベルト位置を補正するとともに、
    前記第2の調整手段によって姿勢調整される張架手段は、前記第1の調整手段で姿勢制御される張架手段よりも前記ベルト搬送方向の上流側において隣接する張架手段である請求項1又は2に記載のベルト搬送装置。
  4. 前記第1の調整手段は、前記ベルト搬送方向と直行する方向の前記ベルト位置を調整するベルト寄り位置調整手段であり、
    前記第2の調整手段は、前記ベルト搬送方向に対するベルト傾きを補正するベルト傾斜調整手段である請求項3に記載のベルト搬送装置。
  5. 前記張力付与手段で張力を付与される張架手段は、前記調整手段で姿勢調整される張架手段よりも前記ベルト搬送方向の上流側において隣接する少なくとも1つの張架手段である請求項1又は2に記載のベルト搬送装置。
  6. 像が形成される像担持体と、
    前記像担持体上の像が転写されるベルト状の転写体と、前記転写体を回転移動可能に支持する複数の張架手段を有する転写装置を備えた画像形成装置であって、
    前記転写装置は、前記請求項3又は4に記載のベルト搬送装置であり、
    前記第1の調整手段により前記転写体の搬送方向と直行する方向の位置が調整可能とされ、前記第2の調整手段により前記転写体の搬送方向に対する傾きが補正可能とされた画像形成装置。
  7. 像が形成される像担持体と、
    前記像担持体上の像が転写されるベルト状の転写体と、前記転写体を回転移動可能に支持する複数の張架手段を有する転写装置を備えた画像形成装置であって、
    前記転写装置は、前記請求項1、2又は5に記載のベルト搬送装置であり、
    前記調整手段により前記転写体の主走査方向位置を調整可能とされた画像形成装置。
  8. 像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成された像を転写する位置に記録材を搬送するベルト状の搬送部材と、前記搬送部材を回転移動可能に支持する複数の張架手段とを有する記録材搬送手段を備えた画像形成装置であって、
    前記記録材搬送手段は、前記請求項3又は4に記載のベルト搬送装置であり、
    前記第1の調整手段により前記記録材の搬送方向と直行する方向の位置が調整可能とされ、前記第2の調整手段により前記記録材の搬送方向に対する傾きが補正可能とされた画像形成装置。
  9. 像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成された像を転写する位置に記録材を搬送するベルト状の搬送部材と、前記搬送部材を回転移動可能に支持する複数の張架手段とを有する記録材搬送手段を備えた画像形成装置であって、
    前記記録材搬送手段は、前記請求項1、2又は5に記載のベルト搬送装置であり、
    前記調整手段により前記記録材の主走査方向位置を調整可能とされた画像形成装置。
  10. 前記像担持体は、色の異なる像がそれぞれ形成される複数の像担持体であって、
    前記転写体には、前記複数の像担持体に形成された異なる色の像が転写される請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  11. 請求項に記載の画像形成装置において、
    前記転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する転写部を有するとともに、前記調整手段で調整される張架手段に対しベルト搬送方向上流側に位置する張架手段にベルト搬送方向で隣接する2つの張架手段の一方は、転写体であるベルト部材および記録材を介し転写部と当接する転写部対向張架手段であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 像が形成される像担持体と、
    前記像担持体上の像が転写される転写体と、
    複数の張架手段によって回転移動可能に支持され、前記転写体に転写された像を記録材に転写するベルト部材で構成された転写部材を備えた転写ユニットを備えた画像形成装置であって、
    前記転写ユニットは請求項3又は4に記載のベルト搬送装置であり、
    前記第1の調整手段により前記転写ユニットの搬送方向と直行する方向の位置が調整可能とされ、前記第2の調整手段により前記転写ユニットの搬送方向に対する傾きが補正可能とされた画像形成装置。
  13. 像が形成される像担持体と、
    前記像担持体上の像が転写される転写体と、
    複数の張架手段によって回転移動可能に支持され、前記転写体に転写された像を記録材に転写するベルト部材で構成された転写部材を備えた転写ユニットを備えた画像形成装置であって、
    前記転写ユニットは、請求項、2又は5に記載のベルト搬送装置であり、
    前記調整手段により前記転写ユニットの主走査方向位置を調整可能とされた画像形成装置。
  14. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記調整手段で調整される張架手段に対し、ベルト搬送方向上流側に位置する張架手段にベルト搬送方向で隣接する2つの張架手段の一方は、前記転写部材である無端ベルトおよび前記記録材を介し前記転写体と当接する転写体対向張架手段であることを特徴とする画像形成装置。
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