JP6816739B2 - 鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶や海洋構造物、ラインパイプ、圧力容器等に使用される鋼板、特に、母材としての低温靭性に優れるだけでなく、多層溶接継手を形成した際の当該継手部のCTOD特性にも優れる鋼板およびその製造方法に関するものである。
鋼の靭性の評価基準として、主にシャルピー試験が用いられており、構造物として用いられる厚さが30mm以上の厚鋼板については鋼板の靱性のみならず溶接部での靱性が要求される。近年のエネルギー需要の増加に対応し新たな資源を確保するために、海洋構造物等の建造地域がこれまで資源採掘を行っていなかった寒冷域に及んでいる。それに伴って、かような構造物に使用する鋼板に求められる靱性の保証温度も低温化してきている。また、2016年にIACS(国際船級協会連合)において統一規則が改定され、今後は船級毎にCTOD試験(Crack Tip Opening Displacement Test)の実施が要求されるようになる、可能性が高くなってきている。
ここで、CTOD試験とは、靭性評価部に疲労予き裂を導入した試験片を低温で曲げ試験し、破壊直前のき裂の開口量(塑性変形量)を測定して脆性破壊の発生抵抗を評価するものである。
鋼板を構造物に適用する場合は、多層溶接による施工が行われるのが一般的である。多層溶接の溶接熱影響部(以下、多層溶接HAZと称する)には、先行の溶接パスによる溶接線近傍の粗大な組織(Coarse Grain Heat Affected Zone:以下、CGHAZと称する)が、次層の溶接パスによりフェライト+オーステナイトの2相域に再加熱されて、粗大な基地組織中に島状マルテンサイト(Martensite-Austenite Constituent:以下、MAと称する)組織が混在したことによって、著しく靭性が低くなった領域(Inter Critically Coarse Grain Heat Affected Zone:以下、ICCGHAZと称する)が含まれることが知られている。ここで、特に、継手CTOD試験は、基本的に板の全厚にわたる試験となるため、多層溶接HAZを対象とする場合、疲労予き裂を導入する評価領域には、上記したICCGHAZ組織が含まれることになる。一方、継手CTOD試験により得られる継手CTOD特性は、評価領域で最も脆化する領域の靭性に支配されるため、多層溶接HAZの継手CTOD特性は、CGHAZ組織だけでなくICCGHAZ組織の靭性も反映される。このため、多層溶接HAZの継手CTOD特性の向上にはICCGHAZ組織の靭性向上も必要になる。
従来、HAZの靭性向上技術として、TiNの微細分散によるCGHAZのオーステナイト粒粗大化の抑制や、TiNのフェライト変態核利用が知られている。
さらに、REMを添加して生成したREM系酸硫化物の分散によるオーステナイト粒の粒成長抑制またはCaを添加して生成したCa系酸硫化物の分散によるオーステナイト粒の粒成長抑制に係る技術や、BNのフェライト核生成能と酸化物分散とを組み合わせる技術も用いられてきた。
例えば、特許文献1および特許文献2には、REMとTiN粒子によるHAZのオーステナイト組織の粗大化抑制技術が提案されている。また、特許文献3には、CaS利用によるHAZ靭性向上技術と熱間圧延による母材靭性向上技術が提案されている。
また、特許文献4には、ICCGHZの靭性低下対策として、低C化および低Si化することによりマルテンサイトの生成を抑制し、さらにCuを添加することにより母材強度を高める技術が提案されている。
なお、特許文献5には、偏析しやすい元素の量を制限して中心偏析部の硬度を下げること、TiNを用いて粗大粒を抑制すること、C,P,Ni量のバランスを最適化して靱性を改善すること、などを組み合わせて、−80℃の溶接部靱性および−60℃におけるCTOD特性を満足させる技術が提案されている。
特公平03−053367号公報 特開昭60−184663号公報 特許第5177310号 特許第3045856号 特開2017−2349号
溶接部の低温靱性およびCTOD特性のどちらか一方を向上させる技術は、数多く提案されているものの、その両方を確保する技術としては特性もしくは製造性の観点から決して十分とは言えず検討の余地があった。
例えば、特許文献1および特許文献2に開示の、REMとTiN粒子によるHAZのオーステナイト組織の粗大化抑制技術については、TiNは溶接時に高温に達するボンド部では溶解してしまうため、オーステナイト粒の粒成長抑制に対して十分な効果を発揮できない。
また、REM系酸硫化物やCa系酸硫化物はオーステナイト粒成長抑制には有効である。しかしながら、HAZのオーステナイト粒粗大化抑制による靭性向上の効果のみでは低い使用温度での継手CTOD特性を満足することはできない。BNのフェライト核生成能は、大入熱溶接で溶接熱影響部の冷却速度が遅く、HAZがフェライト主体となる組織の場合には有効であった。しかしながら、厚鋼板の場合、母材に含有される合金成分量が比較的高くなる一方で、多層溶接は入熱量が比較的小さいので、HAZ組織がベイナイト主体となり、その効果が得られない。
特許文献3に記載の技術では、−10℃での継手CTOD特性を満足するものの、−60℃という低温での継手靱性を確保する方途は示されていない。
特許文献4に記載の技術は、低温靱性およびCTOD値を満足するが、Cuの析出硬化を利用するため、圧延後の時効処理が必須であり、その分製造時のコストが増加することが問題であった。
特許文献5には、TMCP条件の下で低温域での継手靱性値とCTOD特性を両立させることが示されているものの、−80℃でのシャルピー靱性値および−60℃以下でのCTOD値を非常に高価な成分系で実現する点、コスト面からの改善の余地があった。
従来、造船用としてCTOD特性が要求される、板厚が30mmから100mmで降伏応力が480MPa以上の厚鋼板は、通常の焼入焼戻し法で製造されていた。しかし、この方法では安定した品質を確保するために溶質元素を多く添加する必要があり、溶接部の靱性が低くなる傾向があった。
そこで、本発明は、多層溶接を行った場合に母材並びに溶接部の靱性に優れる、具体的には−60℃における継手部靱性値:35J以上および−10℃におけるCTOD値:0.10mm以上を満足する、降伏応力(YS):480MPa以上かつ引張応力(TS):550MPa以上で板厚が30〜100mmの鋼板を低コストで提供することを目的とする。さらには、該鋼板の有利な製造方法について提案することを目的とする。
発明者等は、上記問題点を解決するための手法について鋭意検討を行い、以下の知見を得た。
(i)鋼中のCa、OおよびSを、下式で示される原子濃度比ACR(Atomic Concentration Ratio)を0〜1.0の範囲内に制御すると、硫化物の形態がMnの一部固溶したCa系硫化物とAl系酸化物との複合介在物となる。
ACR={[Ca]−(0.18+130×[Ca])×[O]}÷(1.25×[S])
(ii)介在物形態をCaおよびMnを含む硫化物とAlを含む酸化物とからなる複合介在物とすることによって、溶接線近傍の高温まで昇温される領域においても安定的に存在できるためオーステナイト粒粗大化効果を十分に発揮できる。さらに、複合介在物の周囲にMn希薄層が形成されるため、ベイナイトやアシキュラーフェライトの核生成効果を期待できる。
(iii)HAZの冷却時の核生成サイトは主にオーステナイト粒界である。このオーステナイト粒内に核生成効果を有する上記複合介在物を存在させることによって、オーステナイト粒界に加えオーステナイト粒内からも核生成が開始し、最終的に得られるHAZ組織が微細となり、HAZの靭性および継手CTOD特性が向上する。
(iv)炭素当量Ceqを0.45〜0.53の範囲に制御することにより、多層溶接HAZの基地組織の靭性向上が可能である。
(v)通常、スラブの板厚中心の元素偏析部には合金元素が濃化することで粗大な介在物が低密度で分散してしまう問題が生じる。しかしながら、板厚中心温度が950℃以上における圧下率が各パスで7%以上の全パスの累積圧下率が15%以上となる圧下を加えれば、板厚中心に加わる歪みを増加させ、粗大介在物を伸長、さらには分断させることにより、細かな介在物を高密度に分散させることができる。また、介在物によるHAZ靭性向上効果を確保することができるとともに、良好なCTOD特性を実現することができる。
本発明は、以上の知見を基に、更に検討を加えてなされたものであり、本発明の要旨構成は次のとおりである。
[1]質量%で、
C:0.01〜0.10%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.0〜1.8%、
P:0.01%以下、
S:0.0005〜0.0050%、
Al:0.001〜0.060%、
Ni:0.2〜2.0%、
Ti:0.005〜0.050%、
N:0.0015〜0.0065%、
O:0.0010〜0.0050%および
Ca:0.0005〜0.0060%
を、下記(1)式で定義されるACRが0を超え1.0以下および下記(2)式で定義されるCeqが0.45以上0.53以下となる範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物の成分組を有する鋼板。
ACR={[Ca]−(0.18+130×[Ca])×[O]}÷(1.25×[S])…(1)
Ceq=[C]+[Mn]/6+([Cu]+[Ni])/15+([Cr]+[Mo]+[V])/5)…(2)
(1)式および(2)式において、[ ]は該括弧内の元素の含有量(質量%)である。但し、含有されない元素はゼロとする。
[2]前記成分組成は、更に、質量%で、
Cu:0.05〜0.60%、
Cr:0.05〜0.50%、
Mo:0.05〜0.50%、
Nb:0.005〜0.035%、
V:0.01〜0.10%、
W:0.01〜0.50%、
B:0.0005〜0.0020%、
REM:0.0020〜0.0200%および
Mg:0.0002〜0.0060%
のうちの1種または2種以上を含む前記[1]に記載の鋼板。
[3]前記[1]または[2]に記載の成分組成の鋼素材を1000℃以上1200℃以下に加熱し、950℃以上の温度域における、平均圧下率/パスが7%以上のパスの累積圧下率が15%以上であり、かつ900℃未満の温度域における、平均圧下率/パスが3%以上のパスの累積圧下率が40%以上である、熱間圧延後、板厚中心での700−550℃間の平均冷却速度が1.5〜50℃/sとなる冷却を550℃以下まで行う鋼板の製造方法。
[4]前記[3]に記載の方法において、前記冷却後にさらに、Ac1変態点以下の温度で焼戻し処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
本発明によれば、多層溶接した際の継手において優れた靱性並びにCTOD特性が得られる鋼板およびその製造方法を提供することができ、産業上極めて有用である。
以下に本発明の各構成要件の限定理由について説明する。
1.化学成分について
はじめに、本発明の鋼の化学成分を規定した理由を説明する。なお、成分組成に関する「%」表示は全て「質量%」を意味する。
C:0.01〜0.10%
Cは、鋼の強度を向上させる元素であり、0.01%以上の含有を必要とする。しかし、Cを過剰に含有すると濃化した部分の硬度が高くなってしまい、母材および継手部の靱性、継手CTOD特性が低下する。このため、Cの上限は、濃化しても継手特性を劣化させない0.10%以下の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.08%、より好ましくは0.01〜0.50%である。
Si:0.6%以下
Siは0.6%を超えて過剰に含有すると、継手CTOD特性が低下する。このため、Siは0.6%以下の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01%以上0.3%以下、さらに好ましくは0.2%未満である。
Mn:1.0〜1.8%
Mnは、鋼の焼入れ性の向上を介して強度を向上させる元素である。しかしながら、過剰に添加すると、継手CTOD特性を著しく低下させる。このため、Mnは1.0〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.1〜1.7%の範囲である。
P:0.01%以下
Pは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼の靭性を低下させるため、できるだけ低減することが望ましい。特に、低温における継手靱性を確保するために通常より厳しく管理する必要がある。従って、低温靱性を低下させはじめる、0.01%以下とする。好ましくは0.080%以下である。
S:0.0005〜0.0050%
Sは、多層溶接HAZの靭性を向上させるための介在物に必要な元素であり、0.0005%以上の含有が必要である。しかしながら、0.0050%を超える含有は、逆に継手部の靱性およびCTOD特性を低下させるため、0.0050%以下に限定した。好ましくは0.003%以下、より好ましくは0.002%以下である。
Al:0.001〜0.060%
Alは、多層溶接HAZの靭性を向上させるための介在物に必要な元素であり、0.001%以上の含有が必要である。一方、0.060%を超える含有は、継手CTOD特性を低下させるため、0.060%以下に限定した。好ましくは、0.050%以下である。
Ni:0.2〜2.0%
Niは、母材と継手の両方の靭性を大きく劣化させることなく高強度化が可能な有用な元素である。そのためには、0.2%以上とする。しかし、2.0%を超えると強度上昇の効果が飽和すること、またコスト増加が問題となる。そのため、上限を2.0%とした。なお、より効果的に効果を得られるという観点から、強度上昇の飽和が発生する直前の1.8%以下が好ましい範囲である。
Ti:0.005〜0.050%
Tiは、TiNとして析出することでHAZのオーステナイト粒粗大化を抑制し、HAZ組織を微細化し、靭性を向上するのに有効な元素である。このような効果を得るためには0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.050%を超えて過剰に含有すると、固溶Tiや粗大TiCの析出によりHAZ靭性が低下するようになる。このため、Tiは0.005〜0.050%の範囲に限定した。好ましくは0.005〜0.040%、より好ましくは0.030%以下である。
N:0.0015〜0.0065%
Nは、TiNとして析出することでHAZのオーステナイト粒粗大化を抑制し、HAZ組織の微細化により、靭性向上に有効な元素である。このような効果を得るためには0.0015%以上の含有を必要とする。一方、0.0065%を超えて過剰に含有すると、HAZ靭性が低下するようになる。このため、0.0015〜0.0065%の範囲に限定した。好ましくは0.0015〜0.0055%である。
O:0.0010〜0.0050%
Oは、多層溶接HAZの靭性を向上させるための介在物に必要な元素であり、0.0010%以上の含有が必要である。一方、0.0050%を超える含有は、継手CTOD特性が低下するようになるため、本発明では0.0010〜0.0050%の範囲に限定した。好ましくは0.0010〜0.0045%、より好ましくは0.0040%以下である。
Ca:0.0005〜0.0060%
Caは、多層溶接HAZの靭性を向上させるための介在物に必要な元素であり、0.0005%以上の含有が必要である。一方、0.0060%を超える含有は、かえって継手CTOD特性が低下するため、本発明では0.0005〜0.0060%の範囲に限定した。好ましくは0.0007〜0.0050%である。
ACR:0を超え1.0以下
上記した(1)式に従うACRは、鋼中のCa、OおよびSの原子濃度比である。原理上、式中の値が0以下では硫化物系介在物の主要形態がMnSとなる。MnSは、融点が低く溶接時の溶接線近傍では溶解してしまうため、溶接線近傍でのオーステナイト粒粗大化抑制効果および溶接後の冷却時の変態核効果も得られない。一方で、上式の値が1.0を超えると、硫化物系介在物の主要形態はCaSとなり、CaS周囲に変態核となるために必要なMn希薄層が形成されないため変態核効果が得られない。従って、ACRが0を超え1.0以下となる範囲に、Ca、OおよびSの含有量を規制する。好ましくは、0.1以上0.9以下とする。
Ceq:0.45以上0.53以下
一般に、高強度になるほど添加元素の量が増し、上記した(2)式に従うCeqが増加する傾向にある。しかしながら、Ceqが増加すると、HAZ組織中の島状マルテンサイトやベイナイトといった靭性の劣る組織量の増加によりHAZ靭性が劣化してしまう。YS≧480MPaを確保しつつ、HAZ靭性向上技術の効果を維持させるための条件として0.53以下とした。一方、Ceqが0.45未満になると、目標としている強度を得ることが困難となるため、0.45以上とする。好ましくは、0.46以上0.51以下とする。
本発明に係る鋼板は、上記成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である、成分組成を基本とする。さらに、強度および靭性の調整や、継手靭性向上を目的として、Cu:0.05〜0.60%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.035%、V:0.01〜0.10%、W:0.01〜0.50%、B:0.0005〜0.0020%、REM:0.0020〜0.0200%、Mg:0.0002〜0.0060%の1種または2種以上を含有できる。
Cu:0.05〜0.60%
Cuは、母材および継手の靭性を大きく劣化させることなく高強度化を可能とする元素であり、そのためには0.05%以上で添加することが好ましい。一方、添加しすぎると靱性の低下につながり、またスケール直下に生成するCu濃化層起因の鋼板割れが問題となる。今回の目標とする特性を満足させるためには、0.60%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.50%以下である。
Cr:0.05〜0.50%
Crは、鋼の焼入れ性の向上を介して強度を向上させる元素であるが、過剰に添加すると継手CTOD特性を低下させるため、添加する場合は、0.05〜0.50%とする。
Mo:0.05〜0.50%
Moは、鋼の焼入れ性の向上を介して強度を向上させる元素であるが、過剰に添加すると継手CTOD特性を低下させる。このため、添加する場合は0.05〜0.50%とする。
Nb:0.005〜0.035%
Nbは、オーステナイト相の未再結晶温度域を広げる元素であり、未再結晶域圧延を効率的に行い、微細組織を得るために有効な元素である。その効果を得るためには0.005%以上の含有を必要とする。しかしながら、0.035%を超えると、継手部の靱性およびCTOD特性の低下を招くため、添加する場合は、0.005〜0.035%とする。
V:0.01〜0.10%
Vは、母材の強度を向上させる元素であり、0.01%以上の添加で効果を発揮する。しかし、0.10%を超えるとHAZ靭性の低下を招くため、添加する場合は、0.01〜0.10%とする。さらに好ましくは、0.02〜0.05%である。
W:0.01〜0.50%
Wは、母材の強度を向上させる元素であり、0.01%以上の添加で効果を発揮する。しかし、0.50%を超えるとHAZ靭性の低下を招くため、添加する場合は、0.01〜0.50%とする。より好ましくは、0.05〜0.35%である。
B:0.0005〜0.0020%
Bは、極微量の含有で焼入れ性を向上させ、それにより鋼板の強度を向上させるのに有効な元素であり、このような効果を得るには0.0005%以上で含有することが好ましい。しかし、0.0020%を超えて含有すると、HAZ靭性が低下するようになるため、添加する場合は、0.0005〜0.0020%とする。
REM:0.0020〜0.0200%
REMは、酸硫化物系介在物を形成することでHAZのオーステナイト粒成長を抑制しHAZ靭性を向上させる。このような効果を得るためには、0.0020%以上で含有することが好ましい。しかし、0.0200%を超える過剰の含有は、母材およびHAZの靭性を低下させるようになるため、添加する場合は0.0020〜0.0200%とする。
Mg:0.0002〜0.0060%
Mgは、酸化物系介在物を形成することで溶接熱影響部においてオーステナイト粒の成長を抑制し、溶接熱影響部靭性の改善に有効な元素である。このような効果を得るには0.0002%以上で含有することが好ましい。しかし、0.0060%を超える含有は、効果が飽和して含有量に見合う効果が期待できずに経済的に不利となるため、添加する場合は0.0002〜0.0060%とする。
2.製造方法について
鋼板の製造方法について、各条件の限定理由を以下に述べる。なお、以下の温度は特に断らない限り鋼素材または鋼板の厚み中心温度とする。厚み中心部の温度は、放射温度計で測定した鋼素材または鋼板の表面温度から、伝熱計算により求める。
[鋼素材の加熱条件:1000℃以上1200℃以下]
鋼素材は連続鋳造によるものとし、1000℃以上1200℃以下に加熱する。加熱温度が1000℃より低くなると後述する熱間圧延条件を満足できず、十分な効果が得られない。一方、加熱温度が1200℃よりも高くなると、オーステナイト粒が粗大になり制御圧延後に所望の細粒組織が得られなくなる。このため、加熱温度を1000℃以上1200℃以下に限定する。なお、好ましくは1050℃以上1180℃以下である。
[熱間圧延条件]
熱間圧延は、再結晶温度域のパス条件と未再結晶温度域のパス条件とを規定することが肝要である。まず、再結晶温度域である950℃以上の温度域において、平均圧下率/パスが7%以上のパスの累積圧下率が15%以上となる、圧延を行う。この圧延により再結晶させることにより、その後の組織を細かくするとともに、粗大な介在物を微細化・分散させる。なお、950℃未満の温度域での圧延では再結晶が起こり難くなり、オーステナイト粒の微細化が不十分となるため、950℃以上の圧延における圧下率を規定する必要がある。すなわち、平均圧下率/パスが7%未満では、圧延材全体に均一な圧下が加わらないためである。また、累積圧下率が15%未満では、充分に再結晶が行われないためである。なお、それぞれの条件の好ましい範囲は、累積圧下率が20%以上であり、圧下率/パスが8%以上である。
ここで、「平均圧下率/パス」とは、1パス当たりの圧下率の平均値のことである。この「平均圧下率/パスが7%以上のパスの累積圧下率」とは、1パス当たりの圧下率の平均値が7%以上となる圧延を行った全体の圧下率を示す。具体的には、1パス当たりの圧下率の平均値が7%以上となる圧延を行う直前の板厚(A)から、上述の圧延を終了したときの板厚(B)から求める圧下率([A−B]/A×100)である。
前記再結晶温度域での圧延に引き続く、未再結晶温度域では、900℃未満の温度域において、平均圧下率/パスが3%以上のパスの累積圧下率が40%以上となる、圧延を行う。すなわち、本発明鋼は900℃未満の温度域における圧延では再結晶が起こり難くなり、圧延で導入された歪みは再結晶に消費されずに蓄積され、圧延後の冷却時に変態核として作用する結果、最終組織が微細化する。
ここでの累積圧下率が40%未満では、鋼板全体の結晶粒の微細化効果が不十分になる。また、平均圧下率/パスが3%未満では板厚中央部に十分な圧下が加わらず、特に板厚中央部の結晶粒微細化効果が不十分となり、板厚位置による特性の不均一がより顕著になってしまう。なお、それぞれの条件の好ましい範囲は、累積圧下率が50%以上であり、圧下率/パスが4%以上である。これら一連の圧延、冷却により最終組織が微細化し、焼入、焼戻し製造に供する場合よりも低い添加元素量でもYS≧480MPaを確保できるとともに、溶接部靱性も向上する。
[冷却条件]
前記熱間圧延後の冷却は、700℃から550℃までの平均冷却速度を1.5〜50℃/sとし、この冷却を550℃以下まで行う。すなわち、700℃から550℃までの平均冷却速度が1.5℃/s未満になると、母材組織に粗大なフェライト相が生じるため、Subcritically reheated coarse-grain heat-affected zone (以下、SCCGHAZと称する)およびICCGHAZのCTOD特性が劣化する。一方、平均冷却速度が50℃/sよりも速くなると、母材強度の増加によりSCCGHAZおよびICCGHAZのCTOD特性が劣化するため、700℃から550℃までの平均冷却速度を1.5〜50℃/sに限定した。また、冷却停止温度が550℃を超えると、冷却による変態強化が不十分になり強度が不足するため、冷却停止温度は550℃以下とする。
なお、鋼板の強度を低下させて靭性を向上させる場合は、上記した冷却停止後、Ac1変態点以下で焼戻しを行ってもよい。焼戻し温度が変態点を超えてしまうと、オーステナイト組織が発生してしまい、圧延で得られた組織がキャンセルされてしまい諸特性が劣化することになる。
表1に示す各成分の供試鋼を溶製し連続鋳造によって鋼スラブとした。鋼種A〜Gは成分組成が本発明の範囲を満足する発明例であり、鋼種H〜Nは成分組成が本発明の範囲外の比較例である。これらの鋼スラブを用いて表2に示す製造条件により鋼板を製造した。かくして得られた鋼板について、引張試験を行って機械的特性を次のように測定した。さらに、得られた鋼板毎に、多層盛溶接継手を作製し、溶接継手について次のように評価を行った。これら測定および評価結果を表2に示す。
引張試験は、鋼板表面から板厚(t)の1/4位置において、板幅方向と平行に平行部直径14mmおよび平行部長さ70mmの丸棒引張試験片を採取し、EN10002−1に従って引張試験を行った。なお、表2に示す降伏強度は、上降伏点が現れた場合は上降伏応力を、上降伏点が現れなかった場合は0.2%耐力を示している。
継手のシャルピー試験およびCTOD試験に使用する溶接継手は、K開先形状、入熱量5.0kJ/mmのサブマージアーク溶接(多層溶接)を用いて作製した。
シャルピー試験は、溶接線(Fusion Line;FL)に2mmVノッチを入れた10×10mm断面の試験片を作製し、−60℃でシャルピー試験を行った。
CTOD試験は、BS規格EN10225(2009)に準拠し、板厚50mmまではt(板厚)×2t(板厚)、50mm超えはt(板厚)×t(板厚)の断面形状の試験片を用い、試験温度−10℃においてCTOD値(δ)を評価した。各鋼種に対し切欠位置ごとに3本ずつ試験し、CGHAZのCTOD値と、SC/ICHAZ境界のCTOD値のうち、最も低いCTOD値を表2に記載した。試験後、試験片破面で、疲労予亀裂の先端が同EN10225(2009)で規定するCGHAZと、SC/ICHAZ境界のそれぞれにあることを確認した。なお、多層溶接の継手CTOD試験の場合、切欠位置がCGHAZであっても、一定量のICCGHAZが含まれるため、試験結果には、CGHAZとICCGHAZの両方の靭性が反映される。
表2に試験結果を示す。No.1〜13は本発明の化学成分および製造条件ともに本発明の範囲を満足する発明例であり、母材の引張強度および優れた継手CTOD特性を示していた。
一方、No.14〜28は化学成分もしくは製造条件が本発明から外れる比較例であり、発明例と比較して母材特性および継手特性が劣位である。
Figure 0006816739
Figure 0006816739

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.01〜0.10%、
    Si:0.6%以下、
    Mn:1.0〜1.8%、
    P:0.01%以下、
    S:0.0005〜0.0050%、
    Al:0.001〜0.060%、
    Ni:0.2〜2.0%、
    Ti:0.005〜0.050%、
    N:0.0015〜0.0065%、
    O:0.0010〜0.0050%および
    Ca:0.0005〜0.0060%
    を、下記(1)式で定義されるACRが0を超え1.0以下および下記(2)式で定義されるCeqが0.45以上0.53以下となる範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物の成分組成を有し、−60℃における継手部靱性値:35J以上および−10℃におけるCTOD値:0.10mm以上を満足し、降伏応力(YS):480MPa以上かつ引張応力(TS):550MPa以上で板厚が30〜100mmである、鋼板。
    ACR={[Ca]−(0.18+130×[Ca])×[O]}÷(1.25×[S])…(1)
    Ceq=[C]+[Mn]/6+([Cu]+[Ni])/15+([Cr]+[Mo]+[V])/5)…(2)
    (1)式および(2)式において、[ ]は該括弧内の元素の含有量(質量%)である。但し、含有されない元素はゼロとする。
  2. 前記成分組成は、更に、質量%で、
    Cu:0.05〜0.60%、
    Cr:0.05〜0.50%、
    Mo:0.05〜0.50%、
    Nb:0.005〜0.035%、
    V:0.01〜0.10%、
    W:0.01〜0.50%、
    B:0.0005〜0.0020%、
    REM:0.0020〜0.0200%および
    Mg:0.0002〜0.0060%
    のうちの1種または2種以上を含む請求項1に記載の鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成の鋼素材を1000℃以上1200℃以下に加熱し、950℃以上の温度域における、平均圧下率/パスが7%以上のパスの累積圧下率が15%以上であり、かつ900℃未満の温度域における、平均圧下率/パスが3%以上のパスの累積圧下率が40%以上である、熱間圧延を施し、その後、700℃から550℃までの平均冷却速度が1.5〜50℃/sとなる冷却を550℃以下まで行う、−60℃における継手部靱性値:35J以上および−10℃におけるCTOD値:0.10mm以上を満足し、降伏応力(YS):480MPa以上かつ引張応力(TS):550MPa以上で板厚が30〜100mmである、鋼板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記冷却後にさらに、Ac1変態点以下の温度で焼戻し処理を行う鋼板の製造方法。

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