JP6816041B2 - Zesteホモログ2エンハンサー阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、Zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)を阻害し、従って、癌細胞の増殖の阻害および/またはアポトーシスの誘導に有用である化合物に関する。
エピジェネティック修飾は、細胞増殖、分化、および細胞生存を含む多くの細胞プロセスの調節に重要な役割を果たす。グローバルなエピジェネティック修飾は癌に共通しており、DNAおよび/またはヒストンのメチル化のグローバルな変化、ノンコーディングRNAの調節不全、ならびにヌクレオソームリモデリングを含み、癌遺伝子、腫瘍抑制因子およびシグナル伝達経路の異常な活性化または不活性化をもたらす。しかしながら、癌において起こる遺伝子突然変異とは異なり、これらのエピジェネティック変異は、関与する酵素の選択的阻害によって逆転させることができる。ヒストンまたはDNAのメチル化に関与する数種のメチル化酵素が、癌において調節不全となっていることが知られている。従って、特定のメチル化酵素の選択的阻害剤は、癌などの増殖性疾患の治療に有用であると思われる。
EZH2(ヒトEZH2遺伝子:Cardoso, C, et al; European J of Human Genetics, Vol. 8, No. 3 Pages 174-180, 2000)は、ヒストンH3のリシン27をトリメチル化することによって(H3K27me3)標的遺伝子をサイレンシングする働きをするポリコームリプレッサー複合体2(PRC2)の触媒サブユニットである。ヒストンH3は、真核細胞のクロマチン構造に含まれる5つの主要なヒストンタンパク質のうちの1つである。ヒストンは、主要な球状ドメインと長いN末端テールを特徴とし、「糸を通したビーズ」構造のようなヌクレオソームの構造に関わっている。ヒストンタンパク質は、高度に翻訳後修飾を受けるが、5つのヒストンのうちヒストンH3が最も大規模な修飾を受ける。用語「ヒストンH3」は、単独では、配列変異体間または修飾状態間を区別しないという点で意図的にあいまいな用語である。ヒストンH3は、新たに浮上したエピジェネティック分野で重要なタンパク質であり、その配列変異体および様々な修飾状態は動的かつ長期的な遺伝子調節に役割を果たすと考えられる。
EZH2発現の増強は、前立腺、***、皮膚、膀胱、肝臓、膵臓、頭頸部の腫瘍を含む多くの固形腫瘍で見られており、癌の侵襲性、転移および不良な転帰と相関がある(Varambally et al. Nature 419:624-629, 2002; Kleer et al. Proc Natl Acad Sci USA 100: 11606-11611, 2003; Breuer et al. Neoplasia 6: 736-743, 2004; Bachmann et al. Prostate 65: 252-259, 2005; Weikert et al. Int. J. Mol. Med. 16: 349-353, 2005; Sudo et al. British Journal of Cancer 92:1754-1758, 2005; Bachmann et al. Journal of Clinical Oncology 24: 268-273, 2006)。例えば、高レベルのEZH2を発現する腫瘍では前立腺切除後の再発リスクの増大が見られ、高EZH2レベルを有する乳癌患者では、転移の増大、無病生存期間の短縮および死亡の増加が見られる(Varambally et al. Nature 419: 624-629, 2002; Kleer et al. Proc Natl Acad Sci USA 100: 11606-11611, 2003)。より最近では、EZH2と反対の働きをするH3K27デメチラーゼのUTX(遍在転写テトラトリコペプチド反復配列X(ubiquitously transcribed tetratricopeptide repeats X))における不活性化突然変異が、多くの固形腫瘍種および血液腫瘍種(腎臓腫瘍、膠芽腫、食道腫瘍、***腫瘍、結腸腫瘍、非小細胞肺腫瘍、小細胞肺腫瘍、膀胱腫瘍、多発性骨髄腫、および慢性骨髄性白血病を含む)で確認されており、低いUTXレベルが乳癌の低い生存率と相関し、UTX機能の低下がH3K27me3の増大および標的遺伝子の抑制をもたらすことが示唆される(Wang et al. Genes & Development 24: 327-332, 2010)。これらのデータを考え合わせると、H3K27me3レベルの増大が多くの腫瘍種で癌の侵襲性に寄与すること、およびEZH2活性の阻害が治療利益を提供し得ることが示唆される。
多くの研究が、siRNAまたはshRNAによるEZH2の直接的ノックダウンまたはSAHヒドロラーゼ阻害剤3−デアザネプラノシンA(DZNep)治療によるEZH2の間接的低下がin vitroで癌細胞株の増殖および浸潤を、そしてin vivoで腫瘍の成長を低下させることを報告している(Gonzalez et al., 2008, GBM 2009)。異常なEZH2活性が癌の進行をもたらす厳密な機構は知られていないが、多くのEZH2標的遺伝子が腫瘍抑制因子であり、このことは腫瘍抑制因子機能の低下が重要な機構であることを示唆する。さらに、不死化または初代上皮細胞におけるEZH2過剰発現は足場非依存性の増殖および浸潤を促進し、EZH2の触媒活性を必要とする(Kleer et al. Proc Natl Acad Sci USA 100:11606-11611, 2003; Cao et al. Oncogene 27: 7274-7284, 2008)。
従って、EZH2活性の阻害が細胞増殖および浸潤を低下させることを示唆する強い証拠が存在する。よって、EZH2活性を阻害する化合物は、癌の治療に有用であると思われる。
潜伏ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロウイルスは、ウイルスの長い末端反復(LTR)に位置するヒストンの脱アセチル化およびメチル化の結果として発現抑制される。潜伏感染したJurkat T細胞系統を使用したクロマチン免疫沈降試験により、EZH2が発現抑制されたHIVプロウイルスのLTRに高レベルで存在し、プロウイルスの再活性化の後に速やかに変位(displaced)することが示された。EZH2のノックダウンは、最大40%の潜伏HIVプロウイルスを誘導した。また、EZH2のノックダウンは、潜伏プロウイルスの、外部刺激、例えば、T細胞受容体刺激に対する感受性を増加させ、再活性化したプロウイルスの潜伏状態への逆戻りを遅延化した。同様に、外部刺激への応答性が乏しかった細胞集団は、H3K27me3では豊富に存在し、H3K9me3では比較的少ないHIVプロウイルスを有していた。これらの知見は、PRC2が媒介する発現抑制は、HIV潜伏性の重要な特徴であり、ヒストンメチル化の阻害は、潜伏HIVプールを根絶するためにデザインされた誘導戦略で有用な役割を果たすかもしれないことを示唆する(Friedman et al. J. Virol. 85: 9078-9089, 2011)。さらなる研究により、プロウイルスのプロモーターでのH3K27脱メチル化が、潜伏HIVの、休止CD4T細胞のex vivo培養物におけるボリノスタットの効果に対する感受性を増加させることが示された(Tripathy et al. J. Virol. 89: 8392-8405, 2015)。
本発明は、式(I):
Figure 0006816041
Figure 0006816041
は、単結合または二重結合を表し;
は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
およびRは、それぞれ水素であるか、あるいは、RおよびRは一緒になって−CHCH−または−CHCHCH−を表し;
は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
は、水素または(C−C)アルキルであり;
は、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和または不飽和6員環であり、該環は、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、-CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される1、2または3個の基によって置換されていてもよい。]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の別の側面は、固形腫瘍の癌細胞にアポトーシスを誘導する方法、固形腫瘍を治療する方法に関する。
本発明の別の側面は、式(I)の化合物と薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物に関する。
別の側面では、例えば癌細胞においてアポトーシスを誘導することにより、EZH2により媒介される障害の治療(treatment)に使用するための医薬(medicament)の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
別の側面において、本発明は、EZH2により媒介される疾患の治療のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明はさらに、EZH2により媒介される疾患の治療における有効治療物質としての式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
別の側面において、本発明は、療法(therapy)に使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の側面では、EZH2により媒介される障害の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
別の側面では、細胞増殖疾患の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
別の側面では、固形腫瘍、例えば、脳腫瘍(神経膠腫)、膠芽腫、白血病、リンパ腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−ダクロス病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部癌、腎臓(kidney)癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎(renal)癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、および甲状腺癌の治療を含む、癌の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
別の側面では、本発明の式(I)の化合物を他の有効成分と共投与する方法が提供される。
別の側面では、EZH2により媒介される障害の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1種の抗新生物薬との組合せが提供される。
別の側面では、細胞増殖疾患の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1種の抗新生物薬との組合せが提供される。
別の側面では、固形腫瘍、例えば、脳腫瘍(神経膠腫)、膠芽腫、白血病、リンパ腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−ダクロス病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、および甲状腺癌の治療を含む、癌の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1種の抗新生物薬との組合せが提供される。
本発明は、上記した式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
別の態様において、本発明はまた、式(II)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する:
Figure 0006816041
[式中、
Figure 0006816041
は、単結合または二重結合を表し;
、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
およびRは、それぞれ水素であるか、あるいは、RおよびRは一緒になって−CHCH−またはCHCHCH−を表し;
は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
は、水素または(C-C)アルキルであり;
それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]。
別の態様において、本発明はまた、式(III)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する:
Figure 0006816041
[式中、
Figure 0006816041
は、単結合または二重結合を表し;
、X、X、X、おおよびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
nは、1または2であり;
は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
は、水素または(C−C)アルキルであり;
それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]。
別の態様において、本発明はまた、式(IV)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する:
Figure 0006816041
[式中、
、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
nは、1または2であり;
は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
は、水素または(C−C)アルキルであり;
それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]。
別の態様において、本発明はまた、式(IV)(a)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する:
Figure 0006816041
[式中、
、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
nは、1または2であり;
は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
は、水素または(C−C)アルキルであり;
それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]。
別の態様において、本発明はまた、式(V)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する:
Figure 0006816041
[式中、
、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
nは、1または2であり;
は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
は、水素または(C−C)アルキルであり;
それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]。
一態様において、本発明は、
Figure 0006816041
が、単結合を表す、式(I)、(II)、または(III)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、
Figure 0006816041
が、二重結合を表す、式(I)、(II)、または(III)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが(C−C)アルキルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。特定の態様において、本発明は、Rが−NHである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。別の態様において、本発明は、RおよびRが、それぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、またはn−ブチルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。特定の態様において、本発明は、RおよびRがそれぞれメチルである、式(I)の化合物に関する。
別の特定の態様において、本発明は、RおよびRがそれぞれ水素である、式(I)または(II)の化合物に関する。別の態様において、本発明は、RおよびRが一緒になって−CHCH−または−CHCHCH−を表す、式(I)または(II)の化合物に関する。特定の態様において、本発明は、RおよびRが一緒になって−CHCH−を表す、式(I)または(II)の化合物に関する。別の特定の態様において、本発明は、RおよびRが一緒になって−CHCHCH−を表す、式(I)または(II)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。別の態様において、本発明は、Rがメチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。別の態様において、本発明は、Rがメチルまたはクロロである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。特定の態様において、本発明は、Rがメチルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。別の特定の態様において、本発明は、Rであるクロロである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが水素、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。他の態様において、本発明は、Rが水素、メチル、またはエチルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。特定の態様において、本発明は、Rがエチルである、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、シクロヘキシル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−ジオキサニル、1,4−ジチアニル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、およびトリアジニルからなる群から選択され、該記群のそれぞれが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、およびトリアジニルからなる群から選択され、該群のそれぞれが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい、フェニルである、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよい、フェニルである、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい、ピリジニルである、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよい、ピリジニルである、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ピリダジニル、ピリミジニル、またはピラジニルであり、それそれが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、シクロヘキシル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−ジオキサニル、および1,4−ジチアニルからなる群から選択され、該群のそれぞれが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、シクロヘキシル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、およびチオモルホリニルからなる群から選択され、該群のそれぞれが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよい、シクロヘキシルである、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、Rが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、およびモルホリニルからなる群から選択され、該群のそれぞれが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、X、X、X、X、およびXが、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも3個がCHである、式(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、X、X、X、X、およびXが、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの1個以下がNであり、かつ、X、X、X、X、およびXの少なくとも3個がCHである、式(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、X、X、X、X、およびXが、それぞれ独立して、NまたはCHであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも3個がCHである、式(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、X、X、X、X、およびXが、それぞれ独立して、CHまたはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも3個がCHである、式(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、それぞれのRが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される、式(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の態様において、本発明は、それぞれのRが、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、およびメトキシから独立して選択される、式(II)、(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
特定の態様において、本発明は、nが1である、式(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
別の特定の態様において、本発明は、nが2である、式(III)、(IV)、(IV)(a)、または(V)の化合物に関する。
本発明の具体的な化合物には、
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
(R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
(R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イリデン)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボキサミド;
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
(R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
(R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((6−メトキシピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
(R)−2−(1−(1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;または
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((1−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
あるいは、その薬学的に許容可能な塩が含まれる。
絶対的ではないが一般に、本発明の塩は薬学的に許容可能な塩である。塩基性アミンまたは他の塩基性官能基を含有する開示の化合物の塩は、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、α−ヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸または桂皮酸など)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などの有機酸で処理することを含む、当技術分野で公知の任意の好適な方法によって作製することができる。薬学的に許容可能な塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブトレート(フェニルbutrates)、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、マンデル酸塩、およびスルホン酸塩(キシレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩およびナフタレン−2−スルホン酸塩が含まれる。
カルボン酸または他の酸性官能基を含有する開示の化合物の塩は、好適な塩基と反応させることにより作製することができる。このような薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な陽イオンを与える塩基を伴って形成される得るものであり、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩、ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、ならびにリシンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸といった生理学的に許容可能な有機塩基から作製される塩が含まれる。
薬学的に許容可能でない他の塩も本発明の化合物の製造に有用である場合があり、これらは本発明のさらなる側面をなすと考えられるべきである。シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩などのこれらの塩は、それら自体は薬学的に許容可能なものではないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容可能な塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に有用であり得る。
式(I)の化合物またはその塩は、立体異性体の形態(例えば、それは1以上の不斉炭素原子を含有する)で存在し得る。個々の立体異性体(鏡像異性体およびジアステレオマー)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、式(I)の化合物または塩は、式で示される以外の互変異性形で存在してもよく、これらも本発明の範囲内に含まれると理解される。本発明は、本明細書の上記で定義される特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを含むと理解されるべきである。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、ならびに精製された鏡像異性体または鏡像異性体的/ジアステレオマー的に富化された混合物を含む。本発明は以上に定義される特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを含むと理解されるべきである。
本発明はまた、1以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子に置き換わっているということ以外は、式(I)および下記に挙げられたものと同一である同位体標識化合物も含む。本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容可能な塩に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iが挙げられる。
上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および前記化合物の薬学的に許容可能な塩は、本発明の範囲内である。同位体で標識された本発明の化合物、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬剤および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、H同位体および炭素−14、すなわち、14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のために特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影)において特に有用であり、総て脳撮像において有用である。さらに、重水素、すなわち、Hなどのより重い同位体による置換により、より大きい代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増大または用量要求の低減から生じる特定の治療利益を得ることができ、それ故、状況によっては好ましいことがある。本発明の式(I)および下記の同位体標識化合物は一般に、以下のスキームおよび/または実施例で開示された手順を実施することにより、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手し得る同位体標識試薬を用いることによって製造可能である。
本発明はさらに、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と1以上の賦形剤(薬学分野において担体および/または希釈剤とも呼ばれる)とを含んでなる医薬組成物(医薬処方物とも呼ばれる)を提供する。賦形剤は、その処方物の他の成分と適合し、かつ、そのレシピエント(すなわち、患者)に有害でないという意味で薬学的に許容可能である。
好適な薬学的に許容可能な賦形剤は、選択される特定の投与形によって異なる。さらに、好適な薬学的に許容可能な賦形剤は、その組成物中で役立ち得る特定の機能に関して選択されてもよい。例えば、ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、均一な投与形の製造を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、安定な投与形の製造を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、ひと度患者に投与された本発明の1または複数の化合物の、ある器官または身体部分から別の器官または身体部分への運搬または輸送を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、患者のコンプライアンスを向上させるそれらの能力に関して選択されてよい。
好適な薬学的に許容可能な賦形剤には、下記の種類の賦形剤:希釈剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、被覆剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、沈殿防止剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、矯味剤、着色剤、固化防止剤、湿潤剤(hemectants)、キレート剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、および緩衝剤が含まれる。当業者ならば、ある種の薬学的に許容可能な賦形剤は2つ以上の機能を果たす場合があり、どれくらいの量の賦形剤がその処方物中に存在するか、他のどんな成分がその処方物中に存在するかによって選択的機能を果たし得ることを認識するであろう。
当業者ならば、本発明において使用するための適当な量の好適な薬学的に許容可能な賦形剤を選択できるだけの当技術分野の知識および技能を持っている。さらに、薬学的に許容可能な賦形剤を記載し、好適な薬学的に許容可能な賦形剤を選択する上で有用となり得る、当業者に利用可能な多くの情報源が存在する。例としては、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当技術分野で慣用される方法のいくつかは、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されている。
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形であり得る。このような単位は、式(I)の化合物もしくはその塩の治療上有効な量、または所望の治療上有効な量を達成するために所与の時点で複数の単位投与形が投与され得るような治療上有効な量の画分を含有してよい。好ましい単位用量処方物は、本明細書の上記に挙げたように、有効成分の一日用量もしくは分割用量、またはその適切な画分を含有するものである。さらに、このような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
医薬組成物は、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路などの適切ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば有効成分を1または複数の賦形剤と会合させることにより、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
経口投与に適合される場合、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤などの離散単位;散剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;可食フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションであり得る。本発明の化合物もしくはその塩、または本発明の医薬組成物はまた、「速溶性」医薬として投与するために、キャンディ、ウエハース、および/または舌テープ(tongue tape)処方物中に配合してもよい。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与の場合、有効薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの経口用非毒性の薬学的に許容可能な不活性担体と組み合わせてもよい。散剤または顆粒剤は、化合物を適切な微細サイズに粉砕し、例えばデンプンまたはマンニトールのような可食炭水化物などの医薬担体を同様に粉砕したものと混合することによって調製される。香味剤、保存剤、分散剤、および着色剤も存在してよい。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を作製し、成形されたゼラチンまたは非ゼラチン系の剤皮に充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に添加することができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセル剤が摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加することができる。
さらに、所望される場合または必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた本混合物に配合することができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの投与形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、打錠することにより調剤される。粉末混合物は、適宜粉砕された化合物を、上記の希釈剤または基剤、ならびに場合によりカルボキシメチルセルロース、およびアルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤とともに混合することによって調製される。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アカディア糊、またはセルロース系もしくはポリマー材料の溶液などの結合剤を湿らせ、スクリーンに通すことによって造粒することができる。造粒の別法として、粉末混合物を打錠機にかけることができるが、その結果、形成の不完全なスラッグが崩壊して顆粒となる。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油の添加により、錠剤成形鋳型への粘着を防ぐように滑沢化することができる。次に、滑沢化された混合物が打錠される。本発明の化合物または塩は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、造粒またはスラッグ化工程を経ずに、直接打錠することもできる。セラックの封止コート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる半透明の保護コーティングを提供することができる。異なった用量を識別するために、これらコーティングに色素を添加することができる。
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口液は、所与量が所定量の有効成分を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップ剤は、本発明の化合物またはその塩を、適宜着香した水溶液に溶かすことにより調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁液は、本発明の化合物または塩を非毒性ビヒクルに分散させることにより処方することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの着香添加剤、天然甘味剤、サッカリン、または他の人工甘味剤なども添加することができる。
必要に応じて、経口投与のための単位投与処方物をマイクロカプセル化することができる。処方物はまた、放出を延長または持続させるために、例えば、粒子状材料をポリマーまたはワックスなどでコーティングまたは包埋することにより調製することもできる。
本発明においては、錠剤およびカプセル剤が医薬組成物の送達のために好ましい。
本発明の別の側面によれば、式(I)の化合物またはその塩と少なくとも1種類の賦形剤とを混合(または混入)することを含んでなる、医薬組成物の調製方法が提供される。
本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける治療の方法を提供する。本発明の化合物および組成物は、細胞増殖性疾患を治療するために使用される。本明細書で提供される方法および組成物により治療され得る病的状態には、限定されるものではないが、癌(以下にさらに述べる)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、限定されるものではないが、手術、血管形成術などを含む医療行為後に誘発される増殖などが含まれる。細胞は過増殖状態でも低増殖状態(異常な状態)でないと考えられてもなお治療が必要な場合があると認識される。例えば、創傷治癒中、細胞は「正常に」増殖しているといえるが、増殖の促進が望ましいと考えられる。よって、一態様では、本発明は、これらの障害または状態のいずれか1つに罹患したまたは罹患しようとしている細胞または患者への適用を含む。
本明細書で提供される組成物および方法は、特に、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、皮膚癌、子宮頸癌、精巣癌などの腫瘍を含む癌の治療に有用であると思われる。それらは特に転移性または悪性腫瘍の治療に特に有用である。より詳しくは、本発明の組成物および方法により治療可能な癌としては、限定されるものではないが、星状細胞癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞癌、喉頭癌、肺癌、経口癌、卵巣癌、前立腺癌および甲状腺癌および肉腫などの腫瘍種が含まれる。より具体的には、これらの化合物は、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原生癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;消化管:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質性細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞性腺腫、血管腫;胆道:胆嚢癌、乳頭部癌、胆管癌;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍、脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫および巨細胞腫;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸(子宮頸癌、腫瘍前子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌);血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子(moles)異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および副腎:神経芽細胞腫を治療するために使用することができる。よって、本明細書に示される「癌性細胞」という用語は、上記で特定された病態のいずれか1つの侵された、または関連する細胞を含む。
本発明の化合物および組成物は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の治療(treat)又は治癒(cure)に使用することができる。一態様において、患者に治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、HIV感染を治療する方法が提供される。別の態様において、HIV患者に治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、HIV感染を治癒する方法が提供される。別の態様において、HIV感染の治療に使用するための医薬(medicament)の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。別の態様において、HIV感染の治癒に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。別の態様において、HIV感染の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。別の態様において、HIV感染の治癒に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本化合物は、他の治療薬、特に、本化合物の活性を増強するまたは消失時間を延長する薬剤と組み合わせるか、または共投与することができる。本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と少なくとも1つの他の治療方法の使用を含んでなる。一態様では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と外科的療法を含んでなる。一態様では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と放射線療法を含んでなる。一態様では、組合せ療法は、本発明によれば、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの支持療法剤(例えば、少なくとも1つの制吐薬)の投与を含んでなる。一態様では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの他の化学療法薬の投与を含んでなる。ある特定の態様では、本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの抗新生物薬の投与を含んでなる。さらに別の態様では、本発明は、本開示のEZH2阻害剤はそれら自体、活性または有意に活性はないが、単独療法として活性があってもなくてもよい別の療法と組み合わせた際に、その組合せが有用な治療転帰を与える療法計画を含んでなる。
用語「共投与する」およびその派生語は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載のEZH2阻害化合物と、化学療法および放射線療法を含む癌治療において有用であることが知られているさらなる1または複数の有効成分との同時投与またはいずれかの個別逐次投与様式を意味する。さらなる1または複数の有効成分という用語は、本明細書で使用する場合、癌治療を必要とする患者に投与した際に有利な特性を示すことが知られる、または示す任意の化合物または治療薬を含む。好ましくは、投与が同時でない場合、これらの化合物は互い近接した時間に投与される。さらに、化合物が同じ投与形で投与されるかどうかは問われず、例えば、ある化合物を局所投与し、別の化合物を経口投与してもよい。
一般に、治療される感受性腫瘍に対して活性を有する抗新生物薬が、本発明において特定の癌の治療に共投与され得る。このような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T. Devita and S. Hellman (編), 第6版(2001年2月15日), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見出せる。当業者は、関与する薬物および癌の特定の特性に基づいて、薬剤のどの組合せが有用であるかを識別することができる。本発明において有用である典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドなどの微小管阻害剤;白金配位錯体;ナイトロジェンマスタード、オキサアザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、およびトリアゼンなどのアルキル化剤;アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシンなどの抗生物質;エピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;プリンおよびピリミジン類似体および抗葉酸化合物などの代謝拮抗剤;カンプトテシンなどのトポイソメラーゼI阻害剤;ホルモンおよびホルモン類似体;アザシチジンおよびデシタビンなどのDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫治療薬;アポトーシス促進剤;ならびに細胞周期シグナル伝達阻害剤が挙げられる。
一般に、治療される感受性新生物に対して活性を有する任意の化学療法薬は、特定の薬剤が本発明の化合物を使用する療法に臨床上適合する限り、本発明の化合物と組み合わせて使用してよい。本発明において有用な典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質、細胞***抑制薬、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼIおよびII阻害剤、ホルモンおよびホルモン類似体;レチノイド、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞増殖または増殖因子機能の阻害剤、血管新生阻害剤、およびセリン/トレオニンまたは他のキナーゼ阻害剤を含むシグナル伝達経路阻害剤;サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;モノクローナル、ワクチンまたは他の生物薬剤を含む、アンチセンス療法および免疫治療薬が挙げられる。
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と組み合わせて使用することができる優良な(select)抗腫瘍剤(oncology agent)としては、これらに限定されるわけではないが、5−フルオロウラシル、アバレリクス、アビラテロン、トラスツズマブ エムタンシン(ado-trastuzumab emtansine)、アファチニブ、アフリベルセプト、アレクチニブ、アナストロゾール、アテゾリズマブ、アキシチニブ、ベリノスタット、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブ ベドチン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カルフィルゾミブ、セリチニブ、セツキシマブ、クロファラビン、コビメチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダラツムマブ、ダサチニブ、デガレリクス、デノスマブ、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、エロツズマブ、エンザルタミド、エピルビシン、エリブリン、エルロチニブ、エベロリムス、フィルグラスチム、フルタミド、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ オゾガマイシン、ゴセレリン、イブリツモマブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、イキサゾミブ、ラパチニブ、レナリドミド、レンバチニブ、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド、メクロレタミン、ネシツムマブ、ネララビン、ネツピタント、ニロチニブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オラパリブ、オマセタキシン、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ、パロノセトロン、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド、ペルツズマブ、プレリキサフォル、ポマリドミド、ポナチニブ、プララトレキサート、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、リツキシマブ、ロラピタント、ロミデプシン、シプリューセル−T、ソニデジブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、チピラシル、トポテカン、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トリフルリジン、トリプトレリン、ウリジン、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、ビンクリスチン、ビスモデギブ、およびボリノスタットが挙げられる。
ヌクレオシド類似体は、デオキシヌクレオチド三リン酸に変換され、複製中のDNAにシトシンの代わりに組み込まれる化合物である。DNAメチルトランスフェラーゼは、修飾された塩基に共有結合して、不活性な酵素およびDNAメチル化の低下をもたらす。ヌクレオシド類似体の例としては、骨髄異形成障害の治療に使用されるアザシチジンおよびデシタビンが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤としては、皮膚T細胞リンパ腫の治療のためのボリノスタットが含まれる。HDACは、ヒストンの脱アセチル化を介してクロマチンを修飾する。さらに、HDACは、多くの転写因子およびシグナル達分子を含む多様な基質を有する。他のHDAC阻害剤も開発中である。
シグナル伝達経路阻害剤は、細胞内変化を引き起こす化学プロセスを遮断または阻害する阻害剤である。本明細書で使用する場合、この変化は細胞増殖または分化または生存である。本発明において有用なシグナル伝達阻害剤としては、限定されるものではないが、受容体チロシンキナーゼ、非受容体型チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断剤、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ、ミオイノシトールシグナル伝達およびRas癌遺伝子の阻害剤が含まれる。シグナル伝達経路阻害剤は、上記の組成物および方法において本発明の化合物と組み合わせて使用され得る。
受容体キナーゼ血管新生阻害剤はまた、本発明において使用が見出せる。VEGFRおよびTIE−2に関連する血管新生の阻害剤は、シグナル伝達阻害剤に関して上記で述べられている(両方とも受容体チロシンキナーゼ)。他の阻害剤も本発明の化合物と組み合わせて使用可能である。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないが、そのリガンドと結合する抗VEGF抗体;血管新生を阻害するインテグリン(αβ)の小分子阻害剤;エンドスタチンおよびアンギオスタチン(非RTK)も本発明の化合物と組み合わせた場合に有用であるといえる。VEGFR抗体の一例は、ベバシズマブ(アバスチン(AVASTIN)(商標))である。
増殖因子受容体のいくつかの阻害剤が開発中であり、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアプタマーが含まれる。これらの増殖因子受容体阻害剤はいずれも、本明細書に記載の組成物および方法/使用のいずれにおいても本発明の化合物と組み合わせて使用可能である。トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(商標))は、増殖因子機能の抗erbB2抗体阻害剤の一例である。増殖因子機能の抗erbB1抗体阻害剤の一例は、セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(商標)、C225)である。ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(商標))は、VEGFRに対するモノクローナル抗体の一例である。上皮細胞増殖因子受容体の小分子阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ラパチニブ(Tykerb(商標))およびエルロチニブ(タルセバ(TARCEVA)(商標))が挙げられる。メシル酸イマチニブ(グリベック(GLEEVEC)(商標))は、PDGFR阻害剤の一例である。VEGFR阻害剤の例としては、パゾパニブ(ボトリエント(Votrient)(商標))、ZD6474、AZD2171、PTK787、スニチニブおよびソラフェニブが挙げられる。
微小管阻害剤または有糸***阻害剤は、細胞周期のM期、すなわち有糸***期の間に腫瘍細胞の微小管に対して活性である細胞周期特異的薬剤である。微小管阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられる。
ジテルペノイドは、天然源に由来し、細胞周期のG/M期に作用する細胞周期特異的抗癌剤である。ジテルペノイドは、微小管のβ−チューブリンサブユニットと結合することによりこのタンパク質を安定化させると考えられている。その後タンパク質の分解が阻害され、有糸***が停止し、細胞死をたどると思われる。ジテルペノイドの例としては、限定されるものではないが、パクリタキセルおよびその類似体であるドセタキセルが挙げられる。
パクリタキセル、5β,20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサ−ヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4,10−ジアセテート2−ベンゾエートの(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンとの13−エステルは、タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)から単離された天然ジテルペン生成物であり、注射液タキソール(TAXOL)(商標)として市販されている。パクリタキセルは、テルペンのタキサンファミリーのメンバーである。パクリタキセルは、1971年にWaniら(J. Am. Chem, Soc., 93:2325. 1971)によって初めて単離され、化学法およびX線結晶学的方法によってその構造が同定された。その活性の1つの機構は、パクリタキセルの、チューブリンと結合し、それにより癌細胞増殖を阻害する能力に関連している。Schiff et al., Proc. Natl, Acad, Sci. USA, 77:1561-1565 (1980); Schiff et al., Nature, 277:665-667 (1979); Kumar, J. Biol, Chem, 256: 10435-10441 (1981)。いくつかのパクリタキセル誘導体の合成および抗癌活性に関する総説としては、D. G. I. Kingston et al., Studies in Organic Chemistry vol. 26, “New trends in Natural Products Chemistry 1986”, Attaur-Rahman, P.W. Le Quesne編(Elsevier, Amsterdam, 1986) pp 219-235を参照。
パクリタキセルは、米国における難治性卵巣癌の治療における臨床使用(Markman et al., Yale Journal of Biology and Medicine, 64:583, 1991; McGuire et al., Ann. lnt, Med., 111:273,1989)および乳癌の治療(Holmes et al., J. Nat. Cancer Inst., 83:1797,1991)に承認されている。パクリタキセルは、皮膚における新生物(Einzig et. al., Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 20:46)および頭頸部癌(Forastire et. al., Sem. Oncol., 20:56, 1990)の治療のための潜在的候補である。またこの化合物は、多発性嚢胞腎疾患(Woo et. al., Nature, 368:750. 1994)、肺癌、およびマラリアの治療にも可能性を示している。パクリタキセルで患者を治療すると、閾値濃度(50nM)を超える投与期間に関連して(Kearns, C.M. et. al., Seminars in Oncology, 3(6) p.16-23, 1995)、骨髄抑制が起こる(複数の細胞系譜、Ignoff, R.J. et. al, Cancer Chemotherapy Pocket Guide, 1998)。
ドセタキセル、(2R,3S)−N−カルボキシ−3−フェニルイソセリン,N−tert−ブチルエステルの5β−20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4−アセテート2−ベンゾエートとの13−エステルの三水和物は、注射液としてタキソテール(TAXOTERE)(商標)として市販されている。ドセタキセルは、乳癌の治療に指示される。ドセタキセルは、ヨーロッパイチイの針葉から抽出した天然の前駆物質10−デアセチル−バッカチンIIIを使用して製造された、パクリタキセル(前項参照)の半合成誘導体である。ドセタキセルの用量制限毒性は好中球減少である。
ビンカアルカロイドは、ニチニチソウ由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。ビンカアルカロイドは、チューブリンと特異的に結合することによって細胞周期のM期(有糸***)に作用する。その結果、結合されたチューブリン分子は、重合して微小管になることができない。有糸***は中期で停止し、細胞死をたどると考えられている。ビンカアルカロイドの例としては、限定されるものではないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビンが挙げられる。
ビンブラスチン、硫酸ビンカロイコブラスチンは、注射液としてベルバン(VELBAN)(商標)として市販されている。ビンブラスチンは、種々の固形腫瘍の第二選択療法として指示される可能性があるが、精巣癌、ならびにホジキン病、リンパ球性および組織球性リンパ腫を含む種々のリンパ腫の治療に主として指示される。骨髄抑制がビンブラスチンの用量制限副作用である。
ビンクリスチン、ビンカロイコブラスチンの22−オキソ−硫酸塩は、注射液としてオンコビン(ONCOVIN)(商標)として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の治療に指示されており、ホジキンおよび非ホジキン悪性リンパ腫の治療計画の中でも使用されている。脱毛および神経学的作用がビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、程度は低いが、骨髄抑制および胃腸粘膜炎作用が生じる。
酒石酸ビノレルビンの注射液(ナベルビン(NAVELBINE)(商標))として市販されているビノレルビン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノルビンカロイコブラスチン[R−(R,R)−2,3−ジヒドロキシブタン二酸(1:2)(塩)]は、半合成ビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、単剤として、またはシスプラチンなどの他の化学療法薬と組み合わせて、種々の固形腫瘍、特に、非小細胞肺癌、進行性乳癌、およびホルモン不応性前立腺癌の治療に指示される。骨髄抑制がビノレルビンの最も一般的な用量制限副作用である。
白金配位錯体は、非細胞周期特異的抗癌剤であり、DNAと相互作用する。白金錯体は、腫瘍細胞に侵入し、アクア化を受け、DNAとの鎖内架橋および鎖間架橋を形成し、腫瘍に対して有害な生物学的作用を引き起こす。白金配位錯体の例としては、限定されるものではないが、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられる。
シスプラチン、シス−ジアンミンジクロロ白金は、注射液としてプラチノール(PLATINOL)(商標)として市販されている。シスプラチンは、主として転移性の精巣癌および卵巣癌ならびに進行性膀胱癌の治療に指示される。シスプラチンの主な用量制限副作用は、腎毒性(水分補給と利尿により管理可能)、および耳毒性である。
カルボプラチン、ジアンミン[1,1−シクロブタン−ジカルボキシレート(2−)−O,O’]白金は、注射液としてパラプラチン(PARAPLATIN)(商標)として市販されている。カルボプラチンは、主として進行性卵巣癌の第一選択および第二選択治療に指示される。骨髄抑制がカルボプラチンの用量制限毒性である。
アルキル化剤は、非細胞周期特異的抗癌剤 (non-phase anti-cancer specific agents)であり、かつ、強力な求電子試薬である。一般に、アルキル化剤は、アルキル化によって、リン酸基、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびイミダゾール基などのDNA分子の求核部分を介してDNAと共有結合を形成する。このようなアルキル化によって核酸機能が破壊され細胞死に至る。アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルムスチンなどのニトロ尿素;ならびにダカルバジンなどのトリアゼンが挙げられる。
シクロホスファミド、2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキシアザホスホリン2−オキシド一水和物は、注射液または錠剤としてシトキサン(CYTOXAN)(商標)として市販されている。シクロホスファミドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、および白血病の治療に指示される。脱毛、悪心、嘔吐および白血球減少がシクロホスファミドの最も一般的な用量制限副作用である。
メルファラン、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−L−フェニルアラニンは、注射液または錠剤としてアルケラン(ALKERAN)(商標)として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫および切除不能な卵巣上皮癌の待期療法に指示される。骨髄抑制がメルファランの最も一般的な用量制限副作用である。
クロラムブシル、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、ロイケラン(LEUKERAN)(商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、ならびにリンパ肉腫、巨大濾胞性リンパ腫、およびホジキン病などの悪性リンパ腫の待期療法に指示される。骨髄抑制がクロラムブシルの最も一般的な用量制限副作用である。
ブスルファン、ジメタンスルホン酸1,4−ブタンジオールは、マイレラン(MYLERAN)(商標)錠剤として市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の待期療法に指示される。骨髄抑制がブスルファンの最も一般的な用量制限副作用である。
カルムスチン、1,3−[ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素は、BiCNU(商標)として凍結乾燥物質の単一バイアルとして市販されている。カルムスチンは、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫用に、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、待期療法に指示される。遅発性骨髄抑制がカルムスチンの最も一般的な用量制限副作用である。
ダカルバジン、5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドは、材料の単一バイアルとしてDTIC−Dome(商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性悪性黒色腫の治療、および他の薬剤と組み合わせてホジキン病の第二選択治療に指示される。悪心、嘔吐、および食欲不振がダカルバジンの最も一般的な用量制限副作用である。
抗生物質系抗新生物薬は、非細胞周期特異的薬剤であり、DNAと結合するかまたはDNAにインターカレートする。一般に、このような作用によって安定なDNA複合体かまたは鎖の切断が生じ、それにより核酸の通常機能が乱れ、細胞死に至る。抗生物質系抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン;ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントロサイクリン;ならびにブレオマイシンが挙げられる。
ダクチノマイシンは、アクチノマイシンDとしても知られ、注射液の形態でコスメゲン(COSMEGEN)(商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療に指示される。悪心、嘔吐および食欲不振がダクチノマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ダウノルビシン、(8S−シス−)−8−アセチル−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、リポソーム注射形態としてダウノキソーム(DAUNOXOME)(商標)として、または注射液としてセルビジン(CERUBIDINE)(商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ球性白血病および進行性HIV関連カポジ肉腫の治療における寛解導入に指示される。骨髄抑制がダウノルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ドキソルビシン、(8S,10S)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリコロイル,7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、注射可能な形態としてルベックス(RUBEX)(商標)またはアドリアマイシンRDF(ADRIAMYCIN RDF)(商標)として市販されている。ドキソルビシンは、主として急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病の治療に指示されるが、いくつかの固形腫瘍およびリンパ腫の治療における有用成分でもある。骨髄抑制がドキソルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ブレオマイシン、ストレプトミセス・ヴェルチシルス(Streptomyces verticillus)の株から単離された細胞傷害性グリコペプチド系抗生物質の混合物は、ベレノキサン(BLENOXANE)(商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、扁平上皮癌、リンパ腫、および精巣癌の待期療法に指示される。肺毒性および皮膚毒性がブレオマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
トポイソメラーゼII阻害剤としては、限定されるものではないが、エピポドフィロトキシンが挙げられる。
エピポドフィロトキシンは、マンドレイク植物由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。エピポドフィロトキシンは、一般に、トポイソメラーゼIIとDNAとの三元複合体を形成してDNA鎖の切断を引き起こすことによって、細胞周期のS期およびG期において細胞に影響を及ぼす。この鎖切断が蓄積し、細胞死をたどる。エピポドフィロトキシンの例としては、限定されるものではないが、エトポシドおよびテニポシドが挙げられる。
エトポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液またはカプセル剤としてベプシド(VePESID)(商標)として市販されており、一般にVP−16として知られている。エトポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、精巣癌および非小細胞肺癌の治療に指示される。骨髄抑制がエトポシドの最も一般的な副作用である。白血球減少の発生率の方が、血小板減少(leukopenialeukopenia)よりも重大となる傾向がある。
テニポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−テニリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液としてブモン(VUMON)(商標)として市販されており、一般にVM−26として知られている。テニポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、小児における急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制がテニポシドの最も一般的な用量制限副作用である。テニポシドは、白血球減少(leukopenialeukopenia)および血小板減少の両方を誘発し得る。
代謝拮抗性抗新生物薬は、DNA合成を阻害すること、またはプリンもしくはピリミジン塩基の合成を阻害し、それによりDNA合成を制限することによって細胞周期のS期(DNA合成)に作用する、細胞周期特異的抗新生物薬である。その結果、S期は進行せず、細胞死をたどる。代謝拮抗性抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メルカプトプリン(mecaptopurine)、チオグアニン、およびゲムシタビンが挙げられる。
5−フルオロウラシル、5−フルオロ−2,4−(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5−フルオロウラシルを投与すると、チミジル酸合成が阻害され、またRNAおよびDNAの両方に組み込まれる。その結果は一般に細胞死である。5−フルオロウラシルは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、乳癌、結腸癌、直腸癌、胃癌、および膵癌の治療に指示される。骨髄抑制および粘膜炎が5−フルオロウラシルの用量制限副作用である。他のフルオロピリミジン類似体としては、5−フルオロデオキシウリジン(フロクスウリジン)および5−フルオロデオキシウリジン一リン酸が挙げられる。
シタラビン、4−アミノ−1−β−D−アラビノフラノシル−2(1H)−ピリミジノンは、シトサール−U(CYTOSAR-U)(商標)として市販されており、一般にAra−Cとして知られている。シタラビンは、成長中のDNA鎖へのシタラビンの末端組み込みによってDNA鎖の伸長を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示すと考えられている。シタラビンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。他のシチジン類似体としては、5−アザシチジンおよび2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が挙げられる。シタラビンは、白血球減少(leukopenialeukopenia)、血小板減少、および粘膜炎を誘発する。
メルカプトプリン、1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオン一水和物は、プリントール(PURINETHOL)(商標)として市販されている。メルカプトプリンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。メルカプトプリンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制および胃腸粘膜炎が、高用量のメルカプトプリンの副作用と予想される。有用なメルカプトプリン類似体はアザチオプリンである。
チオグアニン、2−アミノ−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオンは、タブロイド(TABLOID)(商標)として市販されている。チオグアニンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。チオグアニンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。白血球減少(leukopenialeukopenia)、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制がチオグアニン投与の最も一般的な用量制限副作用である。しかしながら、消化管副作用も起こり、用量制限となり得る。他のプリン類似体としては、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビンが挙げられる。
ゲムシタビン、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン一塩酸塩(β−異性体)は、ジェムザール(GEMZAR)(商標)として市販されている。ゲムシタビンは、S期にて、またG1/S境界を通る細胞の進行を遮断することによって、細胞期特異性を示す。ゲムシタビンは、シスプラチンと組み合わせて局所進行性非小細胞肺癌の治療に指示され、また単独で局所進行性膵癌の治療に指示される。白血球減少(leukopenialeukopenia)、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制が、ゲムシタビン投与の最も一般的な用量制限副作用である。
メトトレキサート、N−[4[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、メトトレキサートナトリウムとして市販されている。メトトレキサートは、プリンヌクレオチドおよびチミジル酸の合成に必要とされるジヒドロ葉酸レダクターゼの阻害を介して、DNAの合成、修復、および/または複製を阻害することによって、特にS期に細胞周期作用を示す。メトトレキサートは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、絨毛癌、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、ならびに乳癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、および膀胱癌の治療に指示される。骨髄抑制(白血球減少、血小板減少、および貧血)および粘膜炎が、メトトレキサート投与の予想される副作用である。
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として入手可能または開発中である。カンプトテシン細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられている。カンプトテシンの例としては、限定されるものではないが、イリノテカン、トポテカン、および下記の7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの種々の光学形態が挙げられる。
イリノテカンHCl、(4S)−4,11−ジエチル−4−ヒドロキシ−9−[(4−ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン塩酸塩は、注射液カンプトサール(CAMPTOSAR)(商標)として市販されている。
イリノテカンは、その活性代謝物SN−38とともにトポイソメラーゼI−DNA複合体と結合する、カンプトテシンの誘導体である。細胞傷害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリンテカンまたはSN−38の三元複合体と複製酵素との相互作用により引き起こされる回復不能な二本鎖切断の結果として生じると考えられている。イリノテカンは、結腸または直腸の転移性癌の治療に指示される。イリノテカンHClの用量制限副作用は、好中球減少を含む骨髄抑制、および下痢を含むGI作用である。
トポテカンHCl、(S)−10−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−エチル−4,9−ジヒドロキシ−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14−(4H,12H)−ジオン一塩酸塩は、注射液ハイカムチン(HYCAMTIN)(商標)として市販されている。トポテカンは、トポイソメラーゼI−DNA複合体と結合して、DNA分子のねじれ歪みに応答してトポイソメラーゼIにより引き起こされる一本鎖切断の再連結を妨げるカンプトテシンの誘導体である。トポテカンは、転移性の卵巣癌および小細胞肺癌の第二選択治療に指示される。トポテカンHClの用量規制副作用は、骨髄抑制、主に好中球減少である。
さらに、式(I)の化合物は、HIVの治療または治癒に有用であり得る1種以上のその他の薬剤と組み合わせて使用することができる。
そのような薬剤の具体例としては、これらに限定されるわけではないが:
ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、例えば、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビル ジピボキシル、ホジブジン(fozivudine)、トドキシル、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、及び類似の薬剤;
非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(イムノカル、オルチプラズなどの抗酸化活性を有する薬剤を含む)、例えば、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ(efavirenz)、ロビリデ、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761,TMC−278,TMC−125,エトラビリン、及び類似の薬剤;
プロテアーゼ阻害剤、例えば、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、及び類似の薬剤;
侵入、結合及び融合阻害剤、例えば、エンフュービルタイド(enfuvirtide)(T-20)、T−1249、PRO−542、PRO−140、TNX−355、BMS−806、BMS−663068、及びBMS−626529、5−Helix、並びに類似の薬剤;
インテグラーゼ阻害剤、例えば、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビル、カボテグラビル、及び類似の薬剤;
成熟阻害剤、例えば、PA−344及びPA−457、並びに類似の薬剤;
CXCR4及び/又はCCR5阻害剤、例えば、ビクリビロク(Sch−C)、Sch−D、TAK779、マラビロク(UK427、857)、TAK449、並びに、WO02/74769、PCT/US03/39644、PCT/US03/39975、PCT/US03/39619、PCT/US03/39618、PCT/US03/39740、及びPCT/US03/39732に開示されたもの、並びに類似の薬剤
が挙げられる。
本発明の化合物を、HIVの予防または治療に有用な1種以上の薬剤と組み合わせて使用することができるさらなる具体例は、表1に記載されている。
Figure 0006816041
Figure 0006816041
本発明の化合物とHIV剤との組み合わせの範囲は、上記の組み合わせに限定されず、原理上、HIVの治療または治癒に有用な、いかなる医薬組成物との組み合わせも含まれる。注意すべき点は、本発明の化合物とその他のHIV剤とのそのような組み合わせにおいて、別々に投与されてもよいし、一緒に投与されてもよいことである、さらに、1種の薬剤は、他の薬剤(単数または複数)の投与の前、該投与と同時、または該投与の後であってもよい。
本発明の化合物は、HIVの予防又は治療のためのさらなる化合物の有無にかかわらず、加えて薬理学的エンハンサーとして有用な1種以上の薬剤と併用して使用されてもよい。このような薬理学的エンハンサー(又は薬物動態的ブースター(pharmakinetic booster))の例には、限定されるものではないが、リトナビル、GS−9350及びSPI−452が含まれる。リトナビルは、10−ヒドロキシ−2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1−1[2−(1−メチルエチル)−4−チアゾリル]−3,6−ジオキソ−8,11−ビス(フェニルメチル)−2,4,7,12−テトラアザトリデカン−13−酸,5−チアゾリルメチルエステル,[5S−(5S,8R,10R,11R)]であり、ノルビルとしてAbbott park, IllinoisのAbbott Laboratoriesから入手できる。リトナビルは、HIV感染の治療のための他の抗レトロウイルス剤と適応されるHIVプロテアーゼ阻害剤である。リトナビルは、P−グリコプロテイン(Pgp)細胞輸送系に加えてP450仲介薬剤代謝も阻害し、それにより、生体内の活性化合物の濃度増加をもたらす。GS−9350は、薬理学的エンハンサーとして、Foster City CaliforniaのGilead Sciencesにより開発されている化合物である。SPI−452は、薬理学的エンハンサーとして、Gaithersburg, MarylandのSequoia Pharmaceuticalsにより開発されている化合物である。
本明細書には、EZH1および/またはEZH2を阻害することによって改善することができ、それによって、例えば、メチル化により活性化される標的遺伝子およびメチル化により抑制される標的遺伝子の発現のレベルを調節したり、シグナル伝達タンパク質の活性を調節したりする、自己免疫および炎症性の病態および疾患の治療または予防法が提供される。方法は、本明細書に記載された薬剤の治療的有効量を、ヒト(例えば、それを必要とするヒト)に投与することを含んでなりうる。
炎症は、外傷に対する、一群の血管性、細胞性、および神経性の応答を意味する。炎症は、単球、好中球、および顆粒球などの炎症細胞組織への移動として特徴付けられることができる。これは通常、内皮バリアー機能の減少および組織への浮腫を伴う。炎症は、急性または慢性のいずれかとして分類されることができる。急性炎症は、有害な刺激に対する体の初期応答であり、血液から傷害組織への血漿および白血球の移動の増加によって達成される。生化学的な事象のカスケードが伝播し、傷害組織内の局所血管系、免疫系、およびさまざまな細胞を巻き込んで、炎症反応を成熟させる。長期の炎症は、慢性炎症として知られ、炎症の部位に存在する細胞の種類の漸進的な変化を導き、炎症プロセスから同時に起こる組織の破壊および治癒を特徴とする。
炎症は、感染症に対する免疫応答の一部として、または外傷に対する急性の応答として起こる場合、有益であり、通常は自己限定的である。しかし、炎症はさまざまな病態の下で有害な可能性がある。これには、感染体に応えて過剰な炎症が生じることが含まれ、臓器障害および死(例えば、敗血症の場合)につながる可能性がある。そのうえ、慢性炎症は、一般に有害であり、組織への重篤で不可逆的な障害を引き起して、数多くの慢性疾患の根源にある。そのような場合では、外来物質に対する慢性の応答はまた、自己組織に対するバイスタンダー(bystander)障害につながる可能性があるが、免疫応答はしばしば、自己組織(自己免疫)に向けられる。
従って、抗炎症治療の目的は、この炎症を減じること、存在する場合、自己免疫を阻害すること、および生理的プロセスまたは治癒および組織修復の進行を可能にすることである。
下記に例示されるように、薬剤は、筋骨格系炎症、血管炎症、神経炎症、消化器系炎症、眼炎症、生殖系の炎症、他の炎症を含む、体のいかなる組織および臓器の炎症を治療するのに使用されうる。
筋骨格系炎症は、筋骨格系のいかなる炎症病態、特に手、手首、ひじ、肩、あご、脊椎、首、臀部、膝(knew)、足首、および足の関節を含む骨格関節を冒す炎症病態、ならびに腱などの筋肉を骨に結合させる組織を冒す病態を指す。本発明の化合物で治療されうる筋骨格系炎症の例としては、関節炎(例えば、変形性関節症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、急性および慢性感染性関節炎、痛風および偽痛風に伴う感染性関節炎、ならびに若年性特発性関節炎)、腱炎、滑膜炎、腱鞘炎、滑液包炎、結合織炎(線維筋痛症)、上顆炎、筋炎、ならびに骨炎(例えば、ページェット病、恥骨骨炎、および嚢胞性線維性骨炎(osteitis fibrosa cystic)を含む)が挙げられる。
眼炎症は、眼瞼を含む眼のいかなる構造体の炎症を指す。本発明において治療されうる眼炎症としては、例えば、眼瞼炎、眼瞼皮膚弛緩症、結膜炎、涙腺炎、角膜炎、乾性角結膜炎(ドライアイ)、強膜炎、睫毛乱生、およびブドウ膜炎が挙げられる。
本発明において治療されうる神経系の炎症としては、例えば、脳炎、ギラン・バレー症候群、髄膜炎、神経性筋強直症、ナルコレプシー、多発性硬化症、脊髄炎、および統合失調症が挙げられる。
本発明において治療されうる血管系またはリンパ系の炎症としては、例えば、動脈硬化(arthrosclerosis)、関節炎、静脈炎、血管炎、およびリンパ管炎が挙げられる。
本発明において治療されうる消化器系の炎症病態としては、例えば、胆管炎、胆嚢炎、腸炎、小腸結腸炎、胃炎、胃腸炎、回腸炎、および直腸炎が挙げられる。
本発明において治療されうる生殖系の炎症病態としては、例えば、子宮頸管炎、絨毛羊膜炎、子宮内膜炎、副***、臍炎、卵巣炎、***、卵管炎、卵管卵巣膿瘍、尿道炎、腟炎、外陰炎、および外陰部痛が挙げられる。
薬剤を使用して、炎症性の構成要素を有する自己免疫の病態を治療しうる。そのような病態としては、急性汎発性全身性脱毛症(alopecia universalise)、ベーチェット病、シャーガス病、慢性疲労症候群、自律神経失調症、脳脊髄炎、強直性脊椎炎、再生不良性貧血、化膿性汗腺炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、巨細胞性動脈炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発動脈炎、混合結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、オプソクローヌスミオクローヌス症候群(opsocionus myoclonus syndrome)、視神経炎、オード甲状腺炎(ord's thyroiditis)、天疱瘡、結節性多発動脈炎、多発筋痛症、ライター症候群、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、温式自己免疫性溶血性貧血、間質性膀胱炎、ライム病、斑状強皮症、サルコイドーシス、硬皮症、潰瘍性大腸炎、および白斑が挙げられる。
薬剤を使用して、炎症性の構成要素を有するT細胞媒介性過敏性疾患を治療しうる。そのような病態としては、接触過敏症、接触皮膚炎(例えばツタウルシによるもの)、蕁麻疹(uticaria)、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎)、およびグルテン過敏性腸症(セリアック病(Celliac disease))が挙げられる。
本発明において処理治療されうる他の炎症病態としては、例えば、虫垂炎、皮膚炎、皮膚筋炎、心内膜炎、結合織炎、歯肉炎、舌炎、肝炎、化膿性汗腺炎、虹彩炎、喉頭炎、乳腺炎、心筋炎、腎炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎(percarditis)、腹膜炎(peritonoitis)、咽頭炎、胸膜炎、肺臓炎、前立腺炎(prostatistis)、腎盂腎炎、および口内炎(stomatisi)、移植による拒否反応(腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(例えば島細胞)、骨髄、角膜、小腸などの臓器、皮膚同種異系移植片、皮膚同種同系移植片、および心臓弁異種移植片(xengraft)、血清病(sewrum sickness)、ならびに移植片対宿主病を含む)、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、セクザリー症候群(Sexary’s syndrome)、先天性副腎過形成症、非化濃性甲状腺炎、がんに伴う高カルシウム血症、天疱瘡、水疱性疱疹状皮膚炎、重症多形性紅斑、剥脱性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、季節性または通年性アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、接触皮膚炎、アトピー性(astopic)皮膚炎、薬物過敏(hypersensistivity)反応、アレルギー性結膜炎、角膜炎、眼部帯状疱疹、虹彩炎および虹彩毛様体炎(oiridocyclitis)、網脈絡膜炎、視神経炎、症候性サルコイドーシス、劇症または播種性肺結核化学療法、成人における特発性血小板減少性紫斑病、成人における続発性血小板減少症、後天性(自己免疫性)溶血性貧血、成人における白血病およびリンパ腫、小児の急性白血病、限局性腸炎、自己免疫性血管炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患、固形臓器移植拒絶、敗血症が挙げられる。
好ましい治療は、移植による拒否反応、乾癬性関節炎、多発性硬化症、1型糖尿病、ぜんそく、全身性エリテマトーデス(lupus erythematosis)、慢性肺疾患、および感染性の病態(例えば敗血症)に伴う炎症の治療にいずれか1つを含む。
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供され得る。このような単位は、治療される病態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態によって、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mgの式(I)の化合物を含有してよく、または医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供してもよい。好ましい単位用量組成物は、本明細書の上記に挙げたように、有効成分の一日用量もしくは分割用量、またはその適切な画分を含有するものである。さらに、このような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
医薬組成物は、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路などの適切ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば式(I)の化合物を1または複数の担体または賦形剤と会合させることにより、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
経口投与に適合した医薬組成物は、カプセル剤または錠剤などの離散単位;散剤または顆粒剤;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液;可食フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションとして提供され得る。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を作製し、成形されたゼラチン剤皮に充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に添加することができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセル剤が摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加することができる。
さらに、所望される場合または必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた本混合物に配合することができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム、例えば、アラビアガム、トラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの投与形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、打錠することにより調剤される。粉末混合物は、適宜粉砕された化合物を、上記の希釈剤または基剤、ならびに場合によりカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤とともに混合することによって調製される。粉末混合物は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油の添加により造粒することができる。次に、滑沢化された混合物が打錠される。本発明の化合物は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、造粒またはスラッグ化工程を経ずに、直接打錠することもできる。セラックの封止コート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる透明または不透明の保護コーティングを提供することができる。異なった単位用量を識別するために、これらコーティングに色素を添加することができる。
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口液は、所与量が所定量の式(I)の化合物を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップ剤は、本化合物を、適宜着香した水溶液に溶かすことにより調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁液は、本化合物を非毒性ビヒクルに分散させることにより処方することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの着香添加剤、または天然甘味剤、またはサッカリン、または他の人工甘味剤なども添加することができる。
必要に応じて、経口投与のための単位投与医薬組成物をマイクロカプセル化することができる。処方物はまた、放出を延長または持続させるために、例えば、粒子状材料をポリマーまたはワックスなどでコーティングまたは包埋することにより調製することもできる。
直腸投与に適合した医薬組成物は、坐剤または浣腸として提供してよい。
膣投与に適合した医薬組成物は、膣坐剤、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方物として提供してよい。
非経口投与に適合した医薬処方物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤および組成物を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性無菌注射液、ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。これらの医薬組成物は単位用量または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供されてよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水を加えるだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してよい。即時調合注射溶液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
医薬組成物は、特に上述した成分の他、対象とする処方物のタイプに関して当技術分野で慣例の他の薬剤を含んでよく、例えば、経口投与に好適なものは香味剤を含んでよいと理解されるべきである。
本発明の化合物の治療上有効な量は、例えば、意図するレシピエントの年齢および体重、治療を必要とする厳密な病態およびその重篤度、処方物の性質、および投与経路を含むいくつかの因子によって異なり、最終的には投薬を支持する担当者の裁量にある。しかしながら、貧血治療のための有効量の式(I)の化合物は一般に、0.001〜100mg/kgレシピエント体重/日の範囲、好適には0.01〜10mg/kg体重/日の範囲である。70kgの成体哺乳動物では、1日当たりの実際の量は好適には7〜700mgであり、この量は1日当たり単回用量で与えられてよく、合計一日用量が同じとなるように1日当たり数回(例えば、2回、3回、4回、5回または6回)の分割用量で与えられてよい。有効量の塩または溶媒和物などは、式(I)の化合物自体の有効量の割合として決定され得る。上記に挙げられた他の症状の治療にも同様の用量が適当であることが想定される。
定義
用語はそれらの許容される意味の範囲内で使用される。以下の定義は、定義された用語を限定するのではなく、明らかにすることを意味する。
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」は、明示された数の炭素原子を有する飽和、直鎖または分岐型炭化水素部分を表す。用語「(C−C)アルキル」は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル部分を意味する。例示的アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、およびt−ブチルが挙げられる。
「アルコキシ」は、酸素連結原子を通じて結合する上記アルキル基を含有する基を表す。用語「(C−C)アルコキシ」は、酸素連結原子を通じて結合する少なくとも1個かつ最大4個までの炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。本発明において有用な「(C−C)アルコキシ」基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、およびt−ブトキシが挙げられる。
「ハロ(C−C)アルキル」、「ヒドロキシ(C−C)アルキル」、または「(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル」など、用語「アルキル」が、他の置換基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキル」は、二価の直鎖または分岐鎖炭化水素基を包含することが意図され、その結合点はアルキル部分を介する。用語「ハロ(C−C)アルキル」は、直鎖または分岐鎖炭素基である1〜4個の炭素原子を含有するアルキル部分の1以上の炭素原子において、同じであっても異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を有する基を有する基を意味することを意図する。本発明において有用な「ハロ(C−C)アルキル」基の例としては、限定されるものではないが、−CF(トリフルオロメチル)、−CCl(トリクロロメチル)、1,1−ジフルオロエチル、2−フルオロ−2−メチルプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロエチルおよびヘキサフルオロイソプロピルが挙げられる。本発明において有用な「ヒドロキシ(C−C)アルキル」基の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、およびヒドロキシイソプロピルが挙げられる。本発明において有用な「(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル」基の例としては、限定されるものではないが、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシイソプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシイソプロピル、イソプロポキシメチル、イソプロポキシエチル、イソプロポキシイソプロピル、t−ブトキシメチル、t−ブトキシエチル、およびt−ブトキシイソプロピルが挙げられる。
「ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−」または「(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−」など、用語「アルコキシ」が、他の置換基と組み合わせて使用される場合、用語「アルコキシ−」は、酸素結合原子を通じて結合する二価の直鎖または分岐鎖炭化水素基を包含することが意図され、その他の置換基は、アルコキシ基のアルキル部分に結合する。本発明において有用な「ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−」基としては、限定されるものではないが、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシプロポキシ、およびヒドロキシブトキシが挙げられる。本発明において有用な「(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−」基としては、限定されるものではないが、メトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、メトキシブトキシ、エトキシエトキシ、エトキシプロポキシ、エトキシブトキシ、イソプロポキシエトキシ、イソプロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、t−ブトキシエトキシ、t−ブトキシプロポキシ、およびt−ブトキシブトキシが挙げられる。
本明細書において使用する場合、用語「シクロアルキル」は、特定の数の炭素原子を含有する非芳香族の飽和環式炭化水素環を表す。用語「(C−C)シクロアルキル」は、3〜6個の環炭素原子を有する非芳香族の環式炭化水素環を表す。本発明において有用な「(C−C)シクロアルキル」基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード置換基を表す。「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、基−OHを意味することが意図される。「シアノ」は、基−CNを意味することが意図される。「オキソ」は、二重結合酸素部分を表し、例えば、炭素原子に直接結合する場合には、カルボニル部分(C=O)を形成する。
本明細書において使用する場合、用語「てもよい(optionally)」は、次に記載される1または複数の事象が、発生しても、または発生しなくてもよいことを意味し、発生する1または複数の事象、および発生しない1または複数の事象の両方を含む。
本明細書において使用する場合、用語「治療」は、特定の病態を緩和すること、病態の1以上の症状を排除または軽減すること、病態の進行を緩徐化また排除すること、および過去に罹患したまたは診断された患者または対象者における病態の再発を遅延させることを意味する。
患者の疾患の「治癒」または患者の疾患を「治癒する」は、所定期間、ヒト免疫不全ウイルスもしくは症状、または、該ウイルスもしくは症状の進行の根絶、停止、休止または終了を表すために使用される。例えば、一態様において、「治癒」または「治癒する」は、単独でまたは1種以上の他の化合物と組み合わせて持続的ウイルス制御(例えば、その他の治療介入なしで、最小限2年後の、ヒト免疫不全ウイルスのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)テスト、bDNA(分岐鎖DNA)テストまたはNASBA(nucleic acid sequence based amplification)テストにより検出できないレベルの血漿ウイルス血症)を誘導又は維持する、治療的投与または投与の組み合わせを意味する。上記PCR、bDNAおよびNASBAテストは、当業者に公知および周知の技術を使用して実施される。例えば、ヒト免疫不全ウイルスもしくは症状、または、該ウイルスもしくは症状の進行の根絶、停止、休止または終了は、最小限2年間、持続され得る。
本明細書において使用する場合、用語「有効量」は、例えば、研究者または臨床医により求められる、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する薬物また医薬剤の量を意味する。
用語「治療的有効な量」は、そのような量を受容していない対応する対象者と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療の改善、治癒、もしくは改善、または疾患もしくは障害の進行速度の減少をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、正常な生理学的機能を増進するのに有効な量もその範囲内に含む。療法において使用するために、治療上有効な量の式(I)の化合物ならびにその塩は、粗化学物質として投与してもよい。加えて、前記有効成分は医薬組成物として提供してもよい。
化合物の製造
略号
AcOH 酢酸
AgO 酸化銀
Ar Arガス
BnCl ベンジルクロリド
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
BocO 二炭酸ジ−tert−ブチル
BuNCl テトラブチルアンモニウムクロリド
CHCl クロロホルム
CHCN アセトニトリル
CHNO ニトロメタン
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIBAL−H ジイソブチルアルミニウム水素化物
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
ES エレクトロスプレー
EtN トリエチルアミン
EtO ジエチルエーテル
EtOAc エチルアセテート
EtOH エタノール
h 時間(単数または複数)
水素ガス
HATU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
O 水
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
SO 硫酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
In(OTf) インジウム(III)トリフルオロメタンスルホネート
i−PrOH イソプロパノール
[Ir(OMe)(1,5−cod)] (1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)ダイマー
KF フッ化カリウム
KOtBu tert−ブトキシドカリウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LiAlH 水素化アルミニウムリチウム
LiBH ホウ化水素リチウム
LiClO 過塩素酸リチウム
MeOH メタノール
MgSO 硫酸マグネシウム
min 分(単数または複数)
M モル濃度(molar)
MS 質量分析
N 規定濃度(normal)
窒素ガス
NaBH ホウ化水素ナトリウム
NaBHCN シアノホウ化水素ナトリウム
NaBH(OAc) トリアセトキシホウ化水素ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaHMDS ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NBS N−ブロモコハク酸イミド
NHCl 塩化アンモニウム
NHOAc 酢酸アンモニウム
NHOH 水酸化アンモニウム
NMM N−メチルモルホリン
Pd/C 炭素上のパラジウム
五酸化二リン
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
POCl 塩化ホスホリル
(R,R)−[COD]Ir[cyPThrePHOX] ((4R,5R)−(+)−O−[1−ベンジル−1−(5−メチル−2−フェニル−4,5−ジヒドロオキサゾール−4−イル)−2−フェニルエチル](ジシクロヘキシルホスフィナイト)(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボレート
r.t. 室温
sat. 飽和
SOCl 塩化チオニル
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TiCl 塩化チタン(IV)
TMSCl 塩化トリメチルシリル
一般合成スキーム
本発明の化合物は、周知の標準的な合成法を含む様々な方法によって作製することができる。例示的な一般合成法を以下に示し、その後、本発明の具体的化合物を実施例において製造する。当業者ならば、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成法に適合しなければ、その置換基は反応条件に適した好適な保護基で保護されてもよい。保護基は、所望の中間体または目的化合物を提供するために、一連の反応の適切な時点で除去することができる。下記のスキームの総てにおいて、有機合成の一般原則に従い、要すれば、感受性または反応性の基に対する保護基が使用される。保護基は有機合成の標準的方法(T.W. Green and P.G.M. Wuts, (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons,保護基に関して引用することより本明細書の一部とされる)に従って操作される。これらの基は、化合物合成の都合のよい段階で、当業者に容易に明らかとなる方法を用いて除去される。方法の選択、ならびに反応条件およびそれらの実行順序は、本発明の化合物の製法と一致するものとする。出発材料は市販されているか、または市販の出発材料から、当業者に公知の方法を用いて製造される。
式(I)の特定の化合物は、スキーム1または類似の方法に従って調製することができる。適切に置換されたチオフェンカルバルデヒドとニトロメタンとの縮合によって対応するニトロビニルチオフェンが得られる。ニトロビニルの還元、次いで、生じたアミンの捕捉によって対応するウレタンが産出される。ウレタンをPOCl/POClで処理することによってラクタムが得られる。イリジウムを媒介したホウ素化、次いで、適切に置換されたトリフレートとのスズキ結合によって、対応する結合したオレフィンが得られる。オレフィンの還元、それに続く、適切に置換されたハロゲン化アルキルを用いたラクタム窒素のアルキル化によって修飾された(elaborated)チオフェンラクタムが得られる。ベンジルおよびtert−ブチルカルボニル保護基の除去によりピリドンが得られる。適切に置換されたアルデヒドを用いた還元的アミノ化により式(I)の化合物が得られる。
スキーム1:式(I)の化合物の合成
Figure 0006816041
式(I)のさらなる化合物は、スキーム2または類似の方法に従って調製することができる。適切に置換されたチオフェン−3−カルボン酸のエステル化によって対応するエステルがもたらされる。インジウムを媒介した、適切に置換された無水物(または塩化アシル)とのアシル化反応によって5−アシルチオフェンが得られる。適切に置換されたケトンとのマクマリー結合によって四置換オレフィンが得られる。エステルの鹸化、それに続く、生じたカルボン酸の、適切に置換されたアミンとの結合によって、ピリドンが得られる。適切に置換されたアルデヒドを用いた還元的アルキル化により式(I)の化合物が得られる。
スキーム2:式(I)の化合物の合成
Figure 0006816041
同様に、式(I)の化合物は、スキーム3または類似の方法に従って調製することができる。適切に置換されたチオフェン−3−カルボン酸のエステル化によって対応するエステルがもたらされる。インジウムを媒介した、適切に置換された無水物(または塩化アシル)とのアシル化反応によって5−アシルチオフェンが得られる。適切に置換されたケトンとのマクマリー結合によって四置換オレフィンが得られる。適切に置換されたハロゲン化アルキルとのアルキル化または適切に置換されたアルデヒドとの還元的アミノ化によって、置換された誘導体が得られる。エステルの鹸化、それに続く、生じたカルボン酸の、適切に置換されたアミンとの結合によって、式(I)の化合物が得られる。
スキーム3:式(I)の化合物の合成
Figure 0006816041
式(I)のさらなる化合物は、スキーム4または類似の方法に従って調製することができる。適切に置換されたケトンの、それに対応するワインレブアミド(Weinreb amide)からの生成は、適切なグリニャール(またはアルキルリチウム)試薬で成し得る。対応するビニルトリフラートの生成、それに続く、適切に置換されたブロモチオフェンへのパラジウムを媒介した結合によって三置換オレフィンが得られる。オレフィンの還元、それに続く、適切に置換されたハロゲン化アルキルとのアルキル化または適切に置換されたアルデヒドとの還元的アミノ化によって、置換された誘導体が得られる。エステルの鹸化、それに続く、生じたカルボン酸の適切に置換されたアミンとの結合によって、式(I)の化合物が得られる。
スキーム4:式(I)の化合物の合成
Figure 0006816041
スキーム1における六員環ラクタム中間体は、スキーム5または類似の方法に従って調製することもできる。イリジウムを媒介したホウ素化、それに続く、適切に置換されたトリフレートとのスズキ結合によって、対応する結合したオレフィンが得られる。オレフィンのイリジウムを媒介した不斉還元、それに続く臭素化によって、ブロモチオフェンが得られる。パラジウムを媒介した、ブロモチオフェンのイソオキサゾール−ボロナートとのスズキ結合、それに続く、開環により、ニトリルが得られる。ニトリルの還元および分子内アミド形成により修飾された(elaborated)チオフェンラクタム中間体が得られる。
スキーム5:ラクタム中間体の合成
Figure 0006816041
式(I)のさらなる化合物は、スキーム6または類似の方法に従って調製することができる。パラジウムを媒介した、上記スキーム5で調製されたブロモチオフェンのアリルアルコールとのHeck結合、それに続く、生じたアルデヒドの、適切に置換されたアミンを用いた還元的アミノ化により第2級アミンが得られる。エステルの鹸化および分子内アミド形成により修飾された(elaborated)チオフェンラクタムが得られる。メチルおよびtert−ブチルカルボニル保護基の除去によりピリドンが得られる。適切に置換されたアルデヒドを用いた還元的アルキル化により式(I)の化合物が得られる。
スキーム6:式(I)の化合物の合成
Figure 0006816041
実験
以下の指針は、本明細書に記載の総ての実験手順に当てはまる。反応は総て、特に断りのない限り、炉で乾燥させたガラス器具を用い、陽圧窒素下で行った。示されている温度は外部温度(すなわち、槽温)であり、およその数値である。空気および水分感受性の液体は、シリンジを介して移した。試薬は受け取ったものをそのまま使用した。使用溶媒は、販売者により「無水」として挙げられているものである。溶液中の試薬に関して挙げられているモル濃度はおよその数値であり、対応する標品に対して事前に滴定を行うことなく用いた。反応は総て、特に断りのない限り撹拌子により撹拌した。加熱は、特に断りのない限り、シリコーン油(silicon oil)を含有する加熱浴を用いて行った。マイクロ波照射(2.45GHzで0〜400W)により行う反応は、Biotageイニシエーター(商標)2.0装置をBiotage(商標)マイクロ波EXPバイアル(0.2〜20mL)およびセプタムおよびキャップとともに用いて行った。溶媒およびイオン電荷に基づいて使用した照射レベル(すなわち、高、通常、低)は、販売者の仕様書に基づいた。−70℃より低い温度への冷却は、ドライアイス/アセトンまたはドライアイス/2−プロパノールを用いて行った。乾燥剤として用いた硫酸マグネシウムおよび硫酸ナトリウムは無水級であり、互換的に使用された。「真空」または「減圧下」で除去されると記載されている溶媒は、回転蒸発によりこれを行った。
分取順相シリカゲルクロマトグラフィーは、RediSepもしくはISCO(商標)Goldシリカゲルカートリッジ(4g〜330g)を備えたTeledyne ISCO(商標) CombiFlash Companion装置、またはSF25シリカゲルカートリッジ(4g〜300g)を備えたAnalogix(商標) IF280装置、またはHP(商標)シリカゲルカートリッジ(10g〜100g)を備えたBiotage(商標) SP1装置を使用して行った。逆相HPLCによる精製は、特に断りのない限り、固相としてYMC-packカラム(ODS−A 75×30mm)を用いて行った。特に断りのない限り、25mL/分 A(CHCN−0.1%TFA):B(水−0.1%TFA)、10〜80%勾配A(10分)の移動相を、214nMでのUV検出とともに用いた。
PE Sciex(商標) API 150シングル四重極質量分析計(カナダ、オンタリオ州、ソーンヒル、PE Sciex)を、エレクトロスプレーイオン化法を陽イオン検出モードで用いて作動させた。ゼロエア発生器(アメリカ合衆国、マサチューセッツ州、へーバリル、Balston Inc.)から霧化ガスを生成し、65psiで送達し、カーテンガスは、Dewar液体窒素容器から50psiで送達される高純度窒素であった。エレクトロスプレーニードルにかけられる電圧は4.8kVであった。オリフィスは25Vに設定し、質量分析計は、0.2amuのステップマスを用い、プロファイルデータを回収しながら、0.5スキャン/秒の速度でスキャンを行った。
方法A LCMS。 サンプルを、Hamilton(商標)10μLシリンジを備えたCTC(商標) PAL オートサンプラー(ノースカロライナ州、キャルボロ、LEAP Technologies)を用いて質量分析計に導入し、Valco 10ポートインジェクションバルブに注入を行った。HPLCポンプはShimadzu LC-10ADvp(メリーランド州、コロンビア、Shimadzu(商標) Scientific Instruments)であり、0.3mL/分、および3.2分で4.5%Aから90%Bへの直線勾配、0.4分の保持で作動させた。移動相は容器Aの100%(HO 0.02%TFA)および容器Bの100%(CHCN 0.018%TFA)から構成された。固定相はAquasil(商標)(C18)であり、カラム寸法は1mm×40mmであった。検出は214nmでのUV、蒸発光散乱(ELSD)およびMSによった。
方法B、LCMS。 あるいは、LC/MSを備えたAgilent(商標) 1100分析HPLCシステムを用い、1mL/分、および2.2分で5%Aから100%Bへの直線勾配、0.4分保持で作動させた。移動相は、容器Aの100%(HO 0.02%TFA)および容器Bの100%(CHCN 0.018%TFA)から構成された。固定相は粒径3.5μmのZobax(商標)(C8)であり、カラム寸法は2.1mm×50mmであった。検出は214nmでのUV、蒸発光散乱(ELSD)およびMSによった。
方法C、LCMS。 あるいは、キャピラリーカラム(50×4.6mm、5μm)を備えたMDSSCIEX(商標) API 2000を用いた。HPLCは、CHCN:NHOAcバッファーで溶出するZorbax(商標) SB-C18(50×4.6mm、1.8μm)カラムを備えたAgilent(商標)-1200シリーズUPLCシステムにて行った。
H−NMRスペクトルは、Bruker(商標) AVANCE 400MHz装置を、再処理のために使用されるACD Spect manager v.10とともに用いて、400MHzで記録した。示されている多重度は、s=一重線、d=二重線、t=t三重線、q=四重線、quint=五重線、sxt=六重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線などであり、brは幅広のシグナルを示す。そうではないことが示されない限り、NMRはDMSO−d中のものである。
分析的HPLC:生成物は、Agilent(商標) 1100 Analyticalクロマトグラフィーシステムにより、4.5×75mm Zorbax(商標) XDB-C18カラム(3.5μm)を、2mL/分、HO(0.1%ギ酸)中、5%CHCN(0.1%ギ酸)から95%CHCN(0.1%ギ酸)への4分勾配、1分保持で用いて分析した。
中間体
中間体1
a)2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルニコチノニトリル
Figure 0006816041
トルエン(50mL)中、2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(5g,33.7mmol)の溶液を、BnCl(4.70mL,40.5mmol)およびAgO(8.60g,37.1mmol)で処理し、次いで一晩110℃で撹拌した。反応物を、セライト(商標)を介して濾過し、固体物をDCM(2x100mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOを介して濾過し、真空内濃縮し、残渣を得た。残渣を石油エーテル中20−30% DCMを用いて、真空でシリカのプラグを介して精製した。所望の画分を合わせ、濃縮し、2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルニコチノニトリル(9g,35.9mmol,収率>100%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.47−7.56(m,2H),7.31−7.43(m,3H),6.72(s,1H),5.51(s,2H),2.48(d,J=3.03Hz,6H).MS(ES)[M+H]239.0.
b)2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルニコチンアルデヒド
Figure 0006816041
不活性雰囲気下で、DCM(100mL)中、2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルニコチノニトリル(9g,35.9mmol)の冷却した(氷浴)溶液に、ゆっくりとトルエン(43.1mL,43.1mmol)中、1M DIBAL−Hの溶液をシリンジで添加した。反応物を20分間0℃で撹拌し、その時に氷浴を取り除き、反応物を一晩RTで撹拌した。LCMSは〜14%の出発材が残留していることを示した。追加の分量のトルエン(10.76mL,10.76mmol)中、1M DIBAL−Hを添加し、反応物をRTで撹拌し続けた。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を冷却(氷浴)し、1N HCl(50mL)で急冷した。**注意−発熱性。反応物をアルミニウム塩が自由に流動するまで30分撹拌した。反応物を2.5N NaOH(〜15mL,〜pH7.5)で中性化した。二相混合物を濾過し、濾液をDCM(100mL2X)で洗浄した。層を分離し、水性層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(brine)(30mL)で洗浄し、NaSOを介して濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(カラム:80グラムシリカ、溶出:0−5%ヘプタン中EtOAc、勾配:15分)によって精製した。所望の画分を合わせ、真空濃縮し、2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルニコチンアルデヒド(3.5g,14.36mmol,収率40.0%)をふわふわとした白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.58(s,1H),7.49(d,J=7.07Hz,2H),7.31−7.44(m,3H),6.67(s,1H),5.54(s,2H),2.59(s,3H),2.50(s,3H).MS(ES)[M+H]242.1,[M+Na]264.0.
c)(2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタノール
Figure 0006816041
MeOH(100mL)中、2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルニコチンアルデヒド(3.46g,14.34mmol)の懸濁液を不活性雰囲気下で保存し、氷浴中で0℃に冷却した。撹拌した懸濁液にNaBH(0.651g,17.21mmol)を2分割にして添加した。第一回分のホウ化水素が添加された後、懸濁液は溶液になった。反応物を0℃で10分間撹拌し、その時に氷浴を取り除き、反応物をRTで一晩撹拌した。反応溶液を真空除去し、残った白色固体残渣を飽和NaHCO(60mL)とEtOAc(125mL)とに分けた。水性層をEtOAc(125mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOを介して濾過し、真空濃縮し、(2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタノール(3.5g,14.39mmol,100%収率)を無色半透明の油状物として得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.44−7.53(m,2H),7.30−7.43(m,3H),6.63(s,1H),5.46(s,2H),4.72(s,2H),2.43(s,3H),2.35(s,3H),2.25(br.s.,1H).MS(ES)[M+H]244.1.
d)2−(ベンジルオキシ)−3−(クロロメチル)−4,6−ジメチルピリジン
Figure 0006816041
DCM(70mL)中、(2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタノール(3.5g,14.39mmol)の懸濁液を不活性雰囲気下で保存し、30分間ドライアイス/CHCN浴中で−40℃に冷却した。冷却した溶液にDCM(10.79mL,21.58mmol)中、2M SOClを1回で添加し、反応物を−40℃で撹拌し続けた。1時間後、LCMSは5%の出発材料が残っていることを示した。追加のDCM(1.439mL,2.88mmol)中、2M SOClを添加し、反応を継続させた。20分後、反応物を氷水に注ぎ、飽和NaHCO(30mL)でpHを7−8に調節した。水性層をDCM(125mL,2X)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOを介して濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(カラム:80グラムシリカ。溶出:0−10%EtOAc/ヘプタン。勾配:14分)によって精製し、2−(ベンジルオキシ)−3−(クロロメチル)−4,6−ジメチルピリジン(2.84g,10.74mmol,74.7%収率)を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.48−7.57(m,2H),7.30−7.45(m,3H),6.64(s,1H),5.47(s,2H),4.74(s,2H),2.43(s,3H),2.38(s,3H).MS(ES)[M+H]262.1.
中間体2
(Z)−tert−ブチル 4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
a)tert−ブチル 4−プロピオニルピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
窒素下で、0℃(氷浴)にて、THF(100mL)中、tert−ブチル 4−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート(10.0g,36.7mmol)の撹拌した溶液に、THF(28mL,56.0mmol)中、2N塩化エチルマグネシウムを添加した。反応物を0℃で4時間撹拌し、次いで飽和NHClで急冷し、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて乾燥させた。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (Isco(商標)RediSep Rf Gold 220g,0〜40%ヘキサン中EtOAc)によって精製した(UV陰性、EtOH中HSOで炭化させることによって視認された)。純粋画分を合わせ、蒸発させて乾燥させ、tert−ブチル 4−プロピオニルピペリジン−1−カルボキシレート(8.10g,33.6mmol,収率91%)を無色油状物として得た。MS(ES) [M+H]+−イソブチレン−18 167.9,[M+H]+−イソブチレン 186.0, M+Na+264.1.
b)(Z)−tert−ブチル 4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
窒素下で、−78℃で、THF(80mL)中、tert−ブチル 4−プロピオニルピペリジン−1−カルボキシレート(6.9g,28.6mmol)の撹拌した溶液に、THF(31mL,31.0mmol)中、1N NaHMDSを滴状添加した。反応物を1時間−78℃で撹拌した。次に、THF(50mL)中、1,1,1−トリフルオロ−N−(ピリジン−2−イル)−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)−メタンスルホンアミド(11.4g,31.8mmol)の溶液を5分間にわたり滴状添加した。反応物を−78℃で1時間、次いで30分間0℃で撹拌した。反応物を水(150mL)で急冷し、EtOAc(2x150mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (Isco(商標)RediSepRf Gold 220g,0〜20%ヘキサン中EtOAc)によって精製した(UV陰性、EtOH中HSOで炭化させることによって視認された)。純粋画分を合わせ、蒸発させて乾燥させ、(Z)−tert−ブチル 4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(9.15g,24.51mmol,収率86%)を無色油状物として得た。MS(ES) [M+H]+ −イソブチレン318.1.
中間体3
a)4−メチルチオフェン−3−カルボン酸メチル
Figure 0006816041
RTにて、窒素下で、THF(100mL)中、3−ブロモ−4−メチルチオフェン(20.0g,113mmol)の撹拌した溶液にTHF中、イソプロピル塩化マグネシウム塩化リチウム錯体1.3N(90mL,117mmol)を滴状添加した。反応物を一晩撹拌した。反応物を−78℃に冷却し、クロロギ酸メチル(12mL,155mmol)で処理した。反応物をRTに温め、1時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、30分撹拌し、(水相にとどまった白色懸濁液を形成した)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を真空下(4〜2mmHg)で44〜50℃(50〜75℃の油浴)にて短行程蒸留した。主画分および後の画分を合わせ、生成物4−メチルチオフェン−3−カルボン酸メチル(13.2g,85mmol,収率74.8%)を透明液体として得た。MS(ES)[M+H]156.8.
b)4−メチル−5−プロピオニルチオフェン−3−カルボン酸メチル
Figure 0006816041
CHNO(50mL)中、4−メチルチオフェン−3−カルボン酸メチル(5.0g,32.0mmol)の撹拌した溶液に、LiClO(4.0g,37.6mmol)、プロピオン酸無水物(5.87mL,38.4mmol)およびIn(OTf)(0.9g,1.601mmol)を添加した。反応物を50℃にて2時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を水(100mL)で希釈し、DCM(2x50mL)で抽出し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空下で乾燥するまで蒸発させた。残留褐色固体をシリカゲルクロマトグラフィー(Isco(商標) RediSepRf Gold 120g,0〜25%ヘキサン中EtOAc)(DCMでロード)によって精製した。純粋画分を合わせ、乾燥するまで蒸発させた。残留黄色固体をヘキサンで粉末化し、濾過し、真空下で乾燥させ、生成物4−メチル−5−プロピオニルチオフェン−3−カルボン酸メチル(4.60g,21.67mmol,収率67.7%)を白色固体として得た。MS(ES)[M+H]212.9.
中間体4
(2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタンアミン
Figure 0006816041
冷却(氷水浴)された2−メトキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(10g,61.7mmol)のEtO溶液(200mL)に、1M LiAlHのEtO溶液(123mL,123mmol)を滴下して加えた。氷水浴を取り除き、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を氷水浴で冷却し最小限量の水(さらなる水素が生じない程度まで)で反応停止させた。反応物を濾過し、不溶性物質を10:1 DCM/MeOHで洗浄した。有機濾液を合わせて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(0−30% MeOH/DCM;100g−HP−シリカゲルカラム)、(2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタンアミン(8.9g)を黄色半固体として得た。
実施例
実施例1
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
a)(Z)−4−メチル−2−(2−ニトロビニル)チオフェン
Figure 0006816041
4−メチルチオフェン−2−カルバルデヒド(10.0g,79.3mmol)、ニトロメタン(100mL)およびNHOAc(1.1g,14.27mmol)の溶液を100℃で4時間加熱した。反応物をRTに冷却し、真空下で濃縮した。残渣をEtOAc中で取り出し、1N HCl、水性(aq.)NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて乾燥させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Isco(商標)RediSepRf Gold 120g,0〜15%ヘキサン中EtOAc)によって精製した。純粋画分を合わせ、真空下で蒸発させて乾燥させ、(Z)−4−メチル−2−(2−ニトロビニル)チオフェン(9.63g,56.91mmol,収率71.8%)を黄色油状物(真空下で固体化した)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.10(d,J=13.4Hz,1H),7.47(d,J=13.4Hz,1H),7.27(s,1H),7.17(s,1H),2.31(d,J=0.8Hz,3H).MS(ES)[M+H]170.0.
b)(2−(4−メチルチオフェン−2−イル)エチル)カルバミン酸エチル
Figure 0006816041
窒素下で、2N LiBH(120mL,240mmol)の溶液に、TMSCl(60mL,473mmol)を10分にわたり滴状添加した。反応物は白色懸濁液になった。15分撹拌した後、THF(50mL)中、(Z)−4−メチル−2−(2−ニトロビニル)チオフェン(9.60g,56.74mmol)の溶液を約20分にわたりゆっくりと滴状添加した。活発なガス発生が見られた。反応物は触れたところ若干温まっていて、定期的に氷を加えながら水浴内で冷却した。反応物を4時間RTで撹拌し、次いで50℃まで温めて一晩撹拌した。反応物を氷浴内で冷却し、MeOH(200mL)で慎重に急冷した。1時間撹拌した後、反応物を真空下で濃縮し、粗製2−アミノエチル−4−メチルチオフェンを得た。MS(ES)[M+H]142.1.
DCM(200mL)および水(100mL)中、粗製2−アミノエチル−4−メチルチオフェンの冷却した(0℃)溶液に、NaCO(25g,235.9mmol)およびクロロギ酸エチル(0.710mL,7.39mmol)をゆっくりと滴状添加した。結果として得られた混合物をRTに温め、1時間撹拌した。反応物をセライト(商標)のパッドに濾過し通し、透明な濾液を分液漏斗に移した。下方有機相を除去し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (Isco(商標) RediSep Rf Gold 120g,10〜30%ヘキサン中EtOAc)によって精製した。純粋画分を合わせ、真空下で蒸発させて乾燥させ、(2−(4−メチルチオフェン−2−イル)エチル)カルバミン酸エチル(9.29g,43.55mmol,収率76.7%)を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.74(s,1H),6.66(s,1H),4.80(br.s.,1H),4.14(q,J=6.9Hz,2H),3.46(q,J=6.3Hz,2H),2.98(t,J=6.6Hz,2H),2.24(d,J=0.8Hz,3H),1.26(t,J=7.1Hz,3H).MS(ES)[M+H]214.1.
c)3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
(2−(4−メチルチオフェン−2−イル)エチル)カルバミン酸エチル(9.20g,43.13mmol)にPOCl(100mL,107mmol)およびP(14g,98.6mmol)を添加した。混合物を還流下で3時間加熱した(混合物は一時的にガム状ppt.を生成し、それは加熱することで次第に溶解した)。濃い反応混合物をRTに冷却し、真空下で蒸発させて乾燥させた。残渣を慎重に氷で急冷し、水性(aq.)NaCOで塩基性化し、DCMで抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Isco(商標)RediSep Rf Gold 80g,30〜80%ヘキサン中EtOAc)によって精製した。純粋画分を合わせ、真空下で蒸発させて乾燥させ、ヘキサンで粉末化し、濾過し、真空下で乾燥させ3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(2.22g,13.27mmol,収率30.78%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.72(m,1H),5.75(br.s.,1H),3.62(t,J=6.2Hz,2H),3.05(t,J=6.7Hz,2H),2.50(d,J=1.3Hz,3H).MS(ES)[M+H]168.0.
d)3−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
Ar下、[Ir(OMe)(1,5−cod)](106.4mg,0.161mmol)を含有する50mL丸底フラスコに、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.8mL,19.30mmol)を加え、次いで、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジン(85.6mg,0.319mmol)のn−ヘキサン(16mL)溶液を加えた。反応混合物を1分間攪拌し、その時点で、3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.785g,10.67mmol)のTHF(8mL)溶液を滴下して加えた。2時間攪拌して反応させた。反応をモニタリングし、LCMSによって完了を確認した(産物は、ボロン酸およびボロン酸ピナコールの混合物であることを示す)。反応が進行した結果、異質(heterogeneous)となった。同量の[Ir(OMe)(1,5−cod)]、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジン、および4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの追加が、反応を完了するために必要であった。混合物を減圧下で蒸発させて乾燥させた。残渣を少量の冷ヘキサンで砕き、濾過し、少量のヘキサンでリンスし、減圧下で乾燥させ、3−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(2.286g,7.80mmol,73% 収率)を褐色固体として得た。MS(ES)[M+H]212(ボロン酸),294.2(ボロン酸エステル).
e)(E)−tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
3−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.883g,6.42mmol)、(Z)−tert−ブチル 4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.524g,6.76mmol)、NaHCO(1.802g,21.45mmol)およびPd(PPh(735mg,0.636mmol)の1,4−ジオキサン(18mL)および水(4.50mL)溶液をArでフラッシュ(flush)し、キャップし、油浴中、70℃で2時間加熱した。反応混合物をCHCl及びHOで分画し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、シリカで吸収させた。カラムクロマトグラフィー(Isco(商標)CombiFlash Rf,30−90% 80:20:2 EtOAc/ヘキサン;40g カラム)で精製し、(Z)−tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.07g,5.30mmol,83% 収率)を淡黄色固体として得た。MS(ES)[M+H]391.
f)tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
200mL丸底フラスコをPd/C(4.25g,39.9mmol)でチャージし、Arでチャージした。i−PrOH(14mL)を加え、次いで、(Z)−tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.07g,5.30mmol)のMeOH(70mL)溶液を加えた。混合物を脱ガスし、H雰囲気下で24時間維持した。反応混合物をCelite(商標)で濾過し、次いで、0.2μM ナイロンディスクで濾過した。溶液をシリカで吸収させ、カラムクロマトグラフィー(Isco(商標)CombiFlash Rf;20−75% EtOAc/ヘキサンs;40g カラム)で精製し、tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.40g,3.57mmol,67.3% 収率)を白色固体として得た。
ラセミ産物をキラルHPLC(Chiralpak(商標),5ミクロン,30mm×250mm,230nm UV,100% MeOH)で決定した。決定した産物をTBMEで二回希釈し、濃縮し、次いで、真空オーブン(50℃)で乾燥し、以下の化合物を得た。
S−(+)−tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(670mg):96.6%ee,[α]=+40°(c=0.25,MeOH,24℃).MS(ES)[M+Na]415.2.
R−(−)−tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(690mg):99.74%ee;[α]=−39°(c=0.25,MeOH,21℃).MS(ES)[M+Na]415.2.
(注意:エチル基の絶対立体化学は、EZH2阻害に関するR−異性体の既知の選択性(preference)に基づいて割り当てられた。)
g)(R)−tert−ブチル 4−(1−(5−((2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
冷却された(0℃)、(R)−tert−ブチル 4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(690mg,1.758mmol)のDMF(6mL)溶液に、KOtBu(2.1mL,2.100mmol)を加えた。15分間攪拌して反応させ、その時点で2−(ベンジルオキシ)−3−(クロロメチル)−4,6−ジメチルピリジン(556mg,2.124mmol)のTHF(2.4mL)溶液を加えた。室温で40分間加温して反応させた。出発物質の消費の後、飽和NHCl(4mL)で反応を停止させ、蒸発させて乾燥させた。残渣をCHCl(10mL)及び飽和NaCO水溶液で分画し、有機層をNaSOで乾燥させ、シリカで吸収させ、そして、カラムクロマトグラフィー(Isco(商標)Companion;0−20% EtOAc/ヘキサン;40gカラム)で精製し、(R)−tert−ブチル 4−(1−(5−((2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(934mg,1.512mmol,86% 収率)を無色油状物として得た。MS(ES)[M+H]618.
h)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル 4−(1−(5−((2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(934mg,1.512mmol)とTFA(15mL,195mmol)との混合物を45℃で1時間加熱した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、MeOH(2mL)中に取り(take up)、シリカで吸収し、カラムクロマトグラフィー(Isco(商標)CombiFlash Rf;0−40% 80:20:2[CHCl/MeOH/NHOH]/CHCl w/0.5% イソプロピルアミン;40g カラム,5カラム容量 80:20:2 CHCl/MeOH/NHOHでプレフラッシュし、酸性部位を中和し、次いで、3カラム容量 CHCl w/0.5% イソプロピルアミンでプレフラッシュ)で精製した。フラクションを濃縮し、CHClに溶解し、HO(2×100mL)で洗浄し、余剰のイソプロピルアミンを除去した。有機層を濃縮し、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(691mg,1.616mmol,>100% 収率)を淡黄色固体として得た。MS(ES)[M+H]428.
i)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(100.1mg,0.234mmol)およびピコリンアルデヒド(64.7mg,0.604mmol)のDCM(2.5mL)溶液に、AcOH(60μL,1.048mmol)を加え、次いで、NaBH(OAc)(109mg,0.514mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して反応させ、その時点でNaHCOを塩基性になるまでゆっくりと加えた。混合物をCHClで抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をMeOH(2mL)に溶解し、シリカで吸収させ、カラムクロマトグラフィー(Isco(商標)CombiFlash Rf;0−30% 80:20:2[CHCl/MeOH/NHOH];12g カラム)で精製した。無色油状物をヘキサン(15mL)中に取り、超音波処理し、白色粉末が形成された。溶媒をデキャントし、固体を乾燥させ、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(66mg,0.121mmol,51.6% 収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.53(br.s.,1H) 8.39−8.50(m,1H) 7.73(td,J=7.58,1.77Hz,1H) 7.38(d,J=7.83Hz,1H) 7.18−7.27(m,1H)5.87(s,1H) 4.48(s,2H) 3.45−3.57(m,4H) 2.84(t,J=6.69Hz,3H) 2.66−2.79(m,2H) 2.30(s,3H) 2.16(s,3H) 2.12(s,3H) 1.91−2.00(m,1H) 1.77−1.91(m,3H) 1.29−1.43(m,3H) 1.11−1.26(m,2H) 0.71(t,J=7.33Hz,3H).MS(ES)[M+H]519.
実施例2
(R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
実施例1(i)の手順の後、(R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.1g,2mmol,63% 収率)を白色固体として調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.54(s,1H) 7.10−7.40(m,5H) 5.87(s,1H) 4.48(s,2H) 3.50(t,J=6.82Hz,2H) 3.38(d,J=2.53Hz,2H) 2.65−2.89(m,5H) 2.30(s,3H) 2.12(s,3H) 2.15(s,3H) 1.67−1.94(m,4H) 1.25−1.42(m,3H) 1.04−1.25(m,2H) 0.70(t,J=7.20Hz,3H).MS(ES)[M+H]518.
実施例3
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
実施例1(i)の手順の後、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(69mg,0.13mmol,51% 収率)を白色固体として調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.53(br.s.,1H) 8.40−8.54(m,2H) 7.27(d,J=6.06Hz,2H) 5.87(s,1H) 4.48(s,2H) 3.51(t,J=6.69Hz,2H) 3.43(s,2H) 2.63−2.91(m,5H) 2.30(s,3H) 2.16(s,3H) 2.09−2.14(s,3H) 1.74−1.97(m,4H) 1.28−1.42(m,3H) 1.10−1.28(m,2H) 0.71(t,J=7.20Hz,3H).MS(ES)[M+H]519.
実施例4
(R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
実施例1(i)の手順の後、(R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(64mg,0.11mmol,46% 収率)を白色固体として調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.53(br.s.,1H) 8.51(d,J=2.02Hz,1H) 7.86(dd,J=8.46,2.65Hz,1H) 7.43(d,J=8.34Hz,1H) 5.87(s,1H) 4.48(s,2H) 3.44−3.57(m,4H) 2.64−2.93(m,5H) 2.30(s,3H) 2.16(s,3H) 2.12(s,3H) 1.75−2.02(m,4H) 1.25−1.47(m,3H) 1.12−1.25(m,2H) 0.71(t,J=7.20Hz,3H).MS(ES)[M+H]553.
実施例5
N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イリデン)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボキサミド
Figure 0006816041
a)メチル4−メチル−5−(1−(ピペリジン−4−イリデン)プロピル)チオフェン−3−カルボキシレート塩酸塩
Figure 0006816041
不活性雰囲気下、冷却された(0℃)、亜鉛(16.76g,256mmol)のTHF(150mL)懸濁液に、TiCl(13.72mL,124mmol)を、シリンジを通じてフラスコの壁を安定して滴り落とすことによりゆっくり加えた。黄色粉末が垂直に(plumbs of yellow powder)攪拌した反応物から噴出した(TiClをゆっくり加えるように注意しなければならない)。フラスコの壁をTHF(60mL)で洗浄した。0℃で10分間攪拌して反応させた。氷浴を除去し、フラスコにコンデンサーを取り付け、反応物を70℃で1時間加熱した。コンデンサーを追加の漏斗(funnel)に置換し、メチル4−メチル−5−プロピオニルチオフェン−3−カルボキシレート(4g,18.84mmol)、tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(12.01g,60.3mmol)、およびピリジン(16.00mL,198mmol)のTHF(51.0mL,622mmol)溶液を30分かけて安定して滴り落とすことにより加えた。70℃で4日間攪拌して反応させた。反応物を冷却し、珪藻土、飽和NHCl(200mL)、およびEtOAc(400mL)の混合物に注ぎいれた。混合物を激しく攪拌し、次いで、デキャントし、珪藻土の層(bed)で濾過した。残留するスラッジをEtOAc(3×400mL)で抽出した。固形物(cake)を濾過し、EtOAc(200mL)で洗浄した。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をDCM(30mL)中に取り、不溶の塩を濾別した。DCMを真空で濃縮した。残渣をDCM(5mL)中に取り、シリカにかけ、カラムクロマトグラフィー(ISCO(商標)Redisep80gram カラムを使用,0−20% EtOAc/ヘプタンで12分間,60mL/分、次いで、20−60% EtOAc/ヘプタンで12分間)で精製した。産物は溶出しなかった。グラジエントを増加させて60−90%で5分間とし、次いで、90%で8分間維持した。所望のフラクションを合わせ、濃縮し、減圧下で乾燥させ、メチル4−メチル−5−(1−(ピペリジン−4−イリデン)プロピル)チオフェン−3−カルボキシレート塩酸塩(4.08g,12.79mmol,67.9% 収率)を黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δppm 8.84−9.00(m,2H),8.06(s,1H),3.87(s,3H),3.46−3.68(m,2H),2.84(br.s.,2H),2.40(t,J=6.06Hz,4H),2.24(s,3H),1.60−1.86(m,2H),0.95(t,J=7.45Hz,3H).
b)tert−ブチル4−(1−(4−(((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−3−メチルチオフェン−2−イル)プロピリデン)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
メチル4−メチル−5−(1−(ピペリジン−4−イリデン)プロピル)チオフェン−3−カルボキシレート塩酸塩(4g,12.66mmol)のDCM(20.37mL,317mmol)溶液に、EtN(2.295mL,16.46mmol)およびBocO(5.00mL,21.53mmol)を加えた。室温で反応を維持した。15分後、LCMSが反応の完了を示した。DCMを真空で除去し、残留する残渣をEtOAc(80mL)及び飽和NaHCO(35mL)で分画した。白色固体の塩を水性層から取り出した(cash out)。固形物を濾別し、層を分離した。有機層を水(20mL)、1N HCl(20mL)、および食塩水(10mL)で洗浄した。EtOAc層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、Boc−保護された中間体(4.63g)を得た。
上記残渣、MeOH(25mL)およびTHF(75mL)の混合物に、8M NaOH(4.12mL,32.9mmol)を加えた。懸濁液を50℃で一晩加熱した。反応をLCMSでモニタリングした。追加量の8M NaOH(4.12mL,32.9mmol)を加え、反応物を50℃で4時間加熱した。追加の8M NaOH(0.997mL,7.98mmol)を加え、反応物を50℃で0.5時間加熱した。有機溶媒を真空で除去し、残留する水性残渣を水(30mL)で希釈した。水性溶液を冷却し(氷浴)、pHを6N HCl(8.44mL,50.7mmol)で〜5−6に調整した。水を真空で除去し、残留する残渣を高減圧下で3日間乾燥し、カルボン酸中間体を得た。
上記残渣、DMF(34.3mL,443mmol)およびDCM(40.7mL,633mmol)の懸濁液に、NMM(5.57mL,50.7mmol)を加え、次いで、HATU(4.82g,12.66mmol)および3−(アミノメチル)−4,6−ジメチルピリジン−2(1H)−オン塩酸塩(2.509g,13.30mmol)を加えた。室温で16時間攪拌して反応させ、その時点で、固形物を濾過し、EtOAc(20mL)および水(20mL)で分画した。有機層を分離し、取っておいた。上記からの母液を濃厚な油状物が残るまで濃縮した(〜15−20mL)。油状の残渣を0.2N HCl(50mL)の攪拌溶液に滴下して加えた。固形物を回収し、EtOAc(100mL)及び水(30mL)で分画した。有機層を分離し、予め取っておいたEtOAc層と合わせた。合わせた溶液を食塩水(12mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、tert−ブチル4−(1−(4−(((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−3−メチルチオフェン−2−イル)プロピリデン)ピペリジン−1−カルボキシレート(4.63g,9.27mmol,73.2% 収率)を黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.43−11.59(m,1H),8.04(t,J=5.18Hz,1H),7.81(s,1H),5.88(s,1H),4.24(d,J=4.80Hz,2H),3.40(br.s.,2H),3.23(br.s.,2H),2.36(t,J=5.56Hz,2H),2.28(d,J=7.33Hz,2H),2.16−2.21(m,3H),2.12(s,3H),2.07(s,3H),1.90(t,J=5.43Hz,2H),1.39(s,9H),0.87(t,J=7.45Hz,3H).MS(ES)[M+H]500.2.
c)5−(1−(1−(2,2−ジフルオロプロピル)ピペリジン−4−イリデン)プロピル)−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−4−メチルチオフェン−3−カルボキサミド
Figure 0006816041
tert−ブチル4−(1−(4−(((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−3−メチルチオフェン−2−イル)プロピリデン)ピペリジン−1−カルボキシレート(4g,8.01mmol)のDCM(45mL)溶液に、4N HClの1,4−ジオキサン(10.01mL,40.0mmol)溶液を加えた。室温で一晩攪拌して反応させ、その時点で溶媒をデキャントして取り除いた。残留する残渣をMeOH(25mL)に溶解し、混合物を濃縮した。さらに3回MeOHからの精製(put and takes)を行い、中間体産物であるN−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−4−メチル−5−(1−(ピペリジン−4−イリデン)プロピル)チオフェン−3−カルボキサミド塩酸塩(3.45g,5.78mmol,72.2% 収率)を泡状物として得た。泡状物をひいて粉末し、さらなる精製なしで使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.56(br.s.,1H),8.91(br.s.,1H),8.03−8.12(m,1H),7.86(s,1H),5.89(s,1H),4.24(d,J=4.29Hz,2H),3.08−3.21(m,3H),2.96(br.s.,2H),2.60(t,J=5.94Hz,2H),2.24−2.37(m,2H),2.19(s,3H),2.10−2.15(m,5H),2.09(s,3H),0.88(t,J=7.45Hz,3H).MS(ES)[M+H]400.1.
d)N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イリデン)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボキサミド
Figure 0006816041
N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−4−メチル−5−(1−(ピペリジン−4−イリデン)プロピル)チオフェン−3−カルボキサミド塩酸塩(3.6g,6.03mmol)のMeOH(80mL)溶液に、DIPEA(3.16mL,18.08mmol)およびMgSO(1.814g,15.07mmol)を加えた。室温で5分間攪拌して反応させ、その時点で、2−メトキシイソニコチンアルデヒド(1.653g,12.05mmol)を加えた。15分間攪拌して反応させ、その時点で、AcOH(0.690mL,12.05mmol)を加えた。30分間攪拌して反応させ、その時点で、NaBHCN(2.273g,36.2mmol)を加えた。一晩攪拌して反応させ、その時点で、反応物を濾過し、固形物をMeOH(40mL)で洗浄し、次いで、DCM(40mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をDCM(100mL)および飽和NaHCO(15mL)および水(15mL)で分画した。相を分離し、有機相を食塩水(6mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカにチャージし、順相系フラッシュクロマトグラフィーで精製した。固形物をDCM(75mL)および飽和NHCl(25mL)で分画した。有機層を飽和NHCl(4×10mL)および食塩水(6mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イリデン)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボキサミド(1.2g,2.282mmol,37.9% 収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 11.47(s,1H),8.08(d,J=5.31Hz,1H),8.00(t,J=5.05Hz,1H),7.78(s,1H),6.94(d,J=5.31Hz,1H),6.73(s,1H),5.86(s,1H),4.23(d,J=5.05Hz,2H),3.83(s,3H),3.45(s,2H),2.39−2.45(m,4H),2.23−2.34(m,J=5.05Hz,4H),2.18(s,3H),2.11(s,3H),2.07(s,3H),1.91−1.99(m,J=4.29Hz,2H),0.86(t,J=7.33Hz,3H).MS(ES)[M+H]521.3.
実施例6
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
a)4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−3−カルボン酸メチル
Figure 0006816041
(1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(iridinum)(l)二量体(325mg,0.490mmol)が充填された100mL丸底フラスコに、撹拌しながら4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(7.10g,55.5mmol)を添加し、続けてn−ヘキサン(35mL)中、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジン(260mg,0.969mmol)を添加した。混合物を2分室温で撹拌し、4−メチルチオフェン−3−カルボン酸メチル(5g,32mmol)を滴状添加した。混合物を18時間室温で撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0〜100%DCM/ヘキサン)を用いて精製し、5.8gの生成物を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.36(s,12H),2.70(s,3H),3.87(s,3H),8.32(s,1H).MS(ES)[M+H]283.1.
b)tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)ビニルピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
1,4−ジオキサン(72mL)中、4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−3−カルボン酸メチル(2.65g,9.39mmol)溶液に、tert−ブチル4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ビニル)ピペリジン−1−カルボンキシレート(3.38g,9.39mmol)、NaCO(2.489g,23.48mmol)および水(24mL)を添加した。混合物を、Nをバブリング(bubbling)することによって10分脱気した。Pd(PPh(0.543g,0.470mmol)を添加し、混合物を1時間70℃で加熱した。反応混合物をRTに冷却し、EtOAc(3x)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0〜40%EtOAc/ヘキサン)を用いて抽出し、2.8gの生成物を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.27−1.55(m,11H),1.78(m,2H),2.26−2.46(m,4H),2.71(t,J=11.49Hz,2H),3.87(s,3H),4.18(br.s.,2H),5.13(s,1H),5.29−5.39(m,1H),8.02(s,1H).MS(ES)[M+Na]388.1.
c)(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
DCM(50mL)中、tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.2g,3.28mmol)および((4R,5R)−(+)−O−[1−ベンジル−1−(5−メチル−2−フェニル−4,5−ジヒドロオキサゾ−ル−4−イル)−2−フェニルエチル](ジシクロヘキシルホスフィナイト)(1,5−COD)イリジウム(I)テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸塩(63mg,0.036mmol)の溶液を、Parr shakerで、30分間、50psi水素圧で水素化した。混合物を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0〜40%EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、1.1gの産物を無色油状物として得た。生成物の光学的純度を、キラルHPLC(キラルパック(Chiralpak) AY−H,5ミクロン,4.6mmx150mm;245,250nmUV;90:10:0.1n−ヘプタン:EtOH:イソプロピルアミン,等張性,1.0ml/分)によって98%eeに決定した。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.03−1.33(m,5H),1.38−1.58(m,11H),1.88(d,J=12.38Hz,1H),2.37(s,3H),2.48−2.77(m,2H),2.94(quin,J=7.26Hz,1H),3.85(s,3H),4.05−4.15(m,1H),7.97(s,1H).MS(ES)[M+H]390.2.
d)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.1g,5.71mmol)のDMF(30mL)溶液に、NBS(1.322g,7.43mmol)を加え、混合物を室温で5時間攪拌した。混合物を水で反応停止し、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0−50% EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、1.98gの産物を薄茶色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.03−1.65(m,16H),1.86(d,J=12.88Hz,1H),2.21−2.30(m,3H),2.54−2.72(m,2H),2.85−2.98(m,1H),3.88−3.95(m,3H),4.08(d,J=13.64Hz,1H),4.17(d,J=13.64Hz,1H).MS(ES)[M+Na]468.1,470.1.
e)(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチル−5−(3−オキソプロピル)チオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(950mg,2.128mmol)のDMF(14mL)溶液に、プロパ−2−エン−1−オール(0.579mL,8.51mmol)、NaHCO(468mg,5.58mmol)、BuNCl(591mg,2.128mmol)およびPd(OAc)(23.89mg,0.106mmol)を加えた。混合物をArのバブリング(bubbling)により10分間脱ガスした。反応混合物を65℃で3時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、水(20mL)で反応停止させ、濾過した。濾液をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0−40% EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、680mgの産物を薄茶色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.04−1.69(m,16H),1.86(d,J=12.88Hz,1H),2.25(s,3H),2.55−2.77(m,2H),2.81−2.94(m,3H),3.26−3.46(m,2H),3.82−3.92(m,3H),4.05(br.s.,1H),4.15(br.s.,1H),9.84(t,J=1.26Hz,1H).MS(ES)[M+H]446.3.
f)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチル−5−(3−オキソプロピル)チオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(675mg,1.594mmol)のMeOH(14mL)溶液に、(2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタンアミン(371mg,2.231mmol)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。反応物を冷却し(0℃氷浴)、NaBH(109mg,2.87mmol)を加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌した。反応を飽和NaHCO水溶液で停止させ、EtOAc(3x)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0−100% EtOAc/ヘキサン,次いで、0−15% MeOH/DCM)を用いて精製し、550mgの産物を薄茶色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.17−1.76(m,16H),1.86(quin,J=7.33Hz,3H),2.19−2.95(m,14H),3.06(dq,J=15.51,7.46Hz,2H),3.75(s,2H),3.84(s,3H),3.94(s,3H),4.05−4.29(m,2H).MS(ES)[M+H]574.1.
g)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(530mg,0.924mmol)のMeOH(6mL)溶液に、8N NaOH(1.4mL,11.2mmol)を加えた。混合物を50℃で20時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、6N HCl水溶液(1.878mL,11.27mmol)で反応停止させ、濃縮した。残渣を減圧下で乾燥させ、DMSO(6mL)で処理した。この混合物に、EDC(354mg,1.847mmol)、HOAt(251mg,1.847mmol)、およびNMM(0.609mL,5.54mmol)を加えた。混合物を室温で5時間攪拌した。次いで、反応を水(20mL)で停止させた。生じた沈殿物を濾過により回収し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0−80% EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、450mgの産物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.00−1.68(m,18H),1.86(d,J=12.38Hz,1H),2.27(s,3H),2.35(s,3H),2.43(s,3H),2.53−2.79(m,4H),2.79−2.96(m,1H),3.29(t,J=6.32Hz,2H),3.97(s,3H),4.14(m,1H),4.80(d,J=14.15Hz,1H),4.89(d,J=14.15Hz,1H).MS(ES)[M+H]542.1.
h)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(350mg,0.646mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)溶液に、6N HCl(0.5mL,3mmol)を加えた。混合物を70℃で20時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣を減圧下で乾燥し、340mgの産物をオフホワイトの固体として得た(ビス−HCl塩)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 1.10−2.02(m,10H),2.15(s,3H),2.16(s,3H),2.14(s,3H),2.61−2.87(m,4H),2.93(t,J=7.33Hz,1H),3.13−3.34(m,4H),4.50(d,J=13.64Hz,1H),4.62(d,J=13.64Hz,1H),5.92(s,1H).MS(ES)[M+H]428.5.
i)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン、ビス−HCl(100mg,0.200mmol)のMeOH(2mL)溶液に、DIPEA(0.080mL,0.460mmol)、ピコリンアルデヒド(0.038mL,0.400mmol)、およびAcOH(0.038mL,0.659mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。NaBHCN(50.2mg,0.799mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を、逆相HPLCを用いて精製した。産物を含有するフラクションを1N HClで処理し、濃縮し、52mgの産物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,MeOH−d)δ 1.33(d,J=7.07Hz,3H),1.56−1.75(m,2H),1.80(d,J=11.87Hz,2H),2.16−2.37(m,6H),2.52(s,3H),2.65(s,3H),2.93−3.00(m,2H),3.03−3.24(m,3H),3.35−3.45(m,2H),3.55(d,J=11.62Hz,1H),3.64(d,J=12.38Hz,1H),4.59(s,2H),4.86(s,2H),6.98(s,1H),7.73(dd,J=7.07,5.56Hz,1H),7.85(d,J=7.83Hz,1H),8.20(td,J=7.83,1.52Hz,1H),8.73−8.86(m,1H).MS(ES)[M+H]519.4.
実施例7
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン、ビス−HCl(100mg,0.200mmol)のMeOH(1.5mL)溶液に、DIPEA(0.080mL,0.460mmol)、2−メトキシイソニコチンアルデヒド(54.8mg,0.400mmol)、およびAcOH(0.038mL,0.659mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。NaBHCN(50.2mg,0.799mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を、逆相HPLCを用いて精製した。産物を含有するフラクションを1N HClで処理し、濃縮し、54mgの産物を白色固体として得た(HCl塩)。H NMR(400MHz,MeOH−d)δ 1.32(d,J=7.10Hz,3H),1.60−1.87(m,4H),2.13−2.31(m,6H),2.51(s,3H),2.63(s,3H),2.90−3.18(m,5H),3.35−3.43(m,2H),3.45−3.54(m,1H),3.58(d,J=11.66Hz,1H),4.17(s,3H),4.46(s,2H),4.85(s,2H),6.93(s,1H),7.48(dd,J=5.83,1.27Hz,1H),7.64(s,1H),8.39(d,J=5.83Hz,1H).MS(ES)[M+H]549.7.
あるいは、実施例7の化合物は、以下の手順に従って調製してもよい。
a)メチル4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−3−カルボキシレート
Figure 0006816041
Ar下、500mL丸底フラスコに、(1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)ダイマー(1.3g,1.961mmol)を加えた。攪拌しながら、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(32mL,222mmol)を、シリンジを通じて加え、次いで、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(1.04g,3.87mmol)のn−ヘキサン(75mL)溶液を加えた(反応は、氷浴で5−10℃の冷却状態に維持した)。1分間攪拌した後、メチル4−メチルチオフェン−3−カルボキシレート(20.0g,128mmol)を加えた(ガス発生が観察された)。室温で一晩攪拌して反応させた。反応物を減圧下で蒸発させて乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィー(Isco(商標)RediSep Rf Gold 330g,0−10% EtOAcのヘキサン溶液)で精製した。精製フラクションを合わせ、蒸発させて乾燥させ、メチル4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−3−カルボキシレート(33.1g,117mmol,92% 収率)を無色油状物として得、減圧下でろう質の白色固形物に固化させた。MS(ES)[M+H]200.9(ボロン酸),283.1(ボロン酸エステル).
b)tert−ブチル4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
窒素下、−78℃で、tert−ブチル4−アセチルピペリジン−1−カルボキシレート(25g,110mmol)のTHF(250mL)溶液に、攪拌しながら、1N NaHMDSのTHF(130mL,130mmol)溶液を滴下して加えた。−78℃で1時間攪拌して反応させた。次いで、1,1,1−トリフルオロ−N−(ピリジン−2−イル)−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(45g,126mmol)のTHF(100mL)溶液を15分かけて滴下して加えた。−78℃で1時間攪拌して反応させ、次いで、0℃で30分間攪拌して反応させた。反応を冷水(500mL)で停止させ、EtOAc(2×250mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(Isco(商標)RediSep Rf Gold 330g,0−20% EtOAcのヘキサン溶液)で精製した(UVネガティブ、HSOのEtOH溶液を用いたチャーリング(charring)により可視化)。産物を含有するフラクションを合わせ、蒸発させて乾燥し、tert−ブチル4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(29.1g,81mmol,73.6% 収率)を無色油状物として得た(LCMSおよびH NMRは、〜16%のN−Boc−4−エチニルピペリジンを示した)。MS(ES)[M+H]304.0(−isoブチレン),283.1(−Boc).
c)tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
メチル 4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−3−カルボキシレート(50g,177mmol)、tert−ブチル4−(1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(76g,211mmol)およびNaCO(45g,536mmol)の1,4−ジオキサン(450mL)および水(150mL)溶液に、攪拌しながら、5分間のバブリングによりNをパージした。反応物にPd(PPh(8g,6.92mmol)をチャージし、N下、70℃で、1時間加熱した(激しくガス発生)。反応物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(500mL)および食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Isco(商標)RediSep Rf Gold 330g,0−20% EtOAc/ヘキサン)で精製し、tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(58.8g,161mmol,91% 収率)を淡黄色油状物として得た。MS(ES)[M+H]266.1(−Boc),[M+H]278.0(−イソブチレン,−MeOH),[M+H]310.1(−イソブチレン),[M+Na]388.1.
d)(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)ビニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(31.0g,85mmol)のDCM(500mL)溶液に、N流を10分間パージした。パージした溶液に、(R,R)−[COD]Ir[cyPThrePHOX](2.64g,1.527mmol)を加えた。混合物にH(50psi)をチャージし、22時間振盪し(Parr reactor)、その時点で、Celite(商標)で濾過し、DCM(50mL)で洗浄し、濃縮した。残渣の精製(330g Isco(商標)シリカカラム;グラジエントB:3−30%;A=ヘプタン;B=EtOAc)により、(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(30.9g,80mmol,94% 収率)を濃厚油状物として得た。MS(ES)[M+H]390.2.産物の光学純度をキラルHPLC(Chiralpak AY−H,5ミクロン,4.6mm×150mm;245,250nm UV;90:10:0.1 n−ヘプタン:EtOH:イソプロピルアミン,アイソクラチック(isocratic),1.0mL/分)により決定したところ、97.6%eeであった。
e)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(33.2g,90mmol)のDMF(500mL)溶液に、NBS(20.9g,117mmol)を加えた。反応を約4時間維持し、その時点で、水で希釈し、EtO(1.5L)で抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣の精製をカラムクロマトグラフィー(5−20% EtOAc/ヘキサン)により行い、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(34g,72.4mmol,80% 収率)を得た。MS(ES)[M+H]468.2,470.2(M+Na).
f)(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチル−5−(3−オキソプロピル)チオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(50g,112mmol)のDMF(1L)溶液に、プロパ−2−エン−1−オール(0.023L,560mmol)、BuNCl(37.4g,134mmol)およびNaHCO(37.6g,448mmol)を加えた。反応混合物をNで脱ガスし、Pd(OAc)(3.77g,16.8mmol)を加えた。反応混合物を65℃で2時間加熱し、その時点で、室温まで冷却した。混合物を水(1.3L)で希釈し、EtO(2x)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO)、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,10−40% EtOAc/ヘキサン)により精製し、(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチル−5−(3−オキソプロピル)チオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(42g,94mmol,84% 収率)を淡黄色油状物として得た。MS(ES)[M+H]446.2(M+Na) 464.3(M+MeCN).
g)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチル−5−(3−オキソプロピル)チオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(36.3g,86mmol)のMeOH(600mL)溶液に、(2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メタンアミン(16.38g,99mmol)を凍った固体として加えた。反応を室温で1.5時間維持した。次いで、反応物を氷浴で10分間冷却し、その時点で、NaBH(8.11g,214mmol)を固体として加えた(ある程度の泡立ち/ガス発生)。混合物を15分間攪拌した。氷浴を除去し、反応物を室温で2時間攪拌した。反応物を氷浴で再度冷却し、飽和NHCl水溶液(200mL)で反応を停止させた。氷浴を除去し、反応物を真空で〜1/4体積まで濃縮した。混合物を飽和NHCl水溶液で希釈し、EtOAc(2x)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ(15分間攪拌)、Celite(商標)で濾過し、濃縮し、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(55.5g,87mmol(HPLCによる90%純度に基づく),100% 収率)を油状物として得た。物質を真空で30分間乾燥させた。MS(ES)[M+H]574.5.
h)(R)−5−(1−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)エチル)−2−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボン酸
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(55g,96mmol)のMeOH(600mL)およびTHF(130mL)溶液に、5N NaOH(192mL,959mmol)を加えた。63℃で22時間攪拌して反応させ、その時点で、真空で濃縮した。残渣を水(400mL)およびDCM(400mL)で希釈し、氷浴で冷却した。混合物に、6N HCl(158mL,949mmol)を加えてpHを5−6(紙)に調整した。混合物を十分に攪拌し、層を分離した。水性層をDCM(200mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ(30分間攪拌)、Celite(商標)で濾過し、濃縮し、(R)−5−(1−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)エチル)−2−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボン酸(52.5g,87mmol,91% 収率)を得た。残渣を真空で2時間乾燥させた。MS(ES)[M+H]560.4.
i)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−5−(1−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)エチル)−2−(3−(((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)アミノ)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボン酸(52.5g,94mmol)、EDC(21.58g,113mmol)およびHOAt(15.32g,113mmol)のDMSO(400mL)溶液に、NMM(25.8mL,234mmol)を加えた。反応を18時間維持し、その時点で、氷水(1500mL)にゆっくりと注ぎいれた。混合物を40分間激しく攪拌した(オーバーヘッドスターラー)。混合物を濾過し、固形物を水で洗浄し、〜1時間空気乾燥した。依然として湿潤している固形物をDCMで溶解し、飽和NHCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、Celite(商標)で濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(330g Isco(商標)シリカカラム;グラジエントB:4−40%;A=ヘプタン.B=3:1 EtOAc/EtOH)により精製し、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(34.3g,60mmol,64% 収率)をガラス質の黄色固体として得た。MS(ES)[M+H]542.4.
j)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−メトキシ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(34.3g,63.3mmol)のMeOH(450mL)溶液に、4N HClの1,4−ジオキサン(222mL,886mmol)溶液を加えた。反応を室温で15分間維持し、次いで、70℃で24時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、能出した。残渣をDCM(500mL)および水(300mL)で希釈し、pHを濃NHOHで約11に調整した。混合物を15分間攪拌し、その時点で、層を分離した。水性層をDCMで抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。残渣を真空で18時間乾燥させ、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン(29.3g,65.1mmol,100% 収率)を得た。MS(ES)[M+H]428.3.
k)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン(20g,46.8mmol)のDCE(400mL)溶液に、2−メトキシイソニコチンアルデヒド(7.38g,53.8mmol)を加えた。5分間攪拌して反応させ、その時点で、AcOH(5.36mL,94mmol)を加えた。15分後、NaBH(OAc)(29.7g,140mmol)を固体として加え、室温で18時間攪拌して反応させた。反応物をDCM(100mL)および水で希釈した。pHを飽和NaHCOおよび飽和NaCOの組み合わせで10に調整した。混合物を30分間攪拌し、層を分離した。水性層をDCMで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を精製し(330g Isco(商標)GOLDシリカカラム;グラジエントB:10−90%;A=ヘプタン;B=3:1 EtOAc/EtOH+1% NHOH)、白色固体を得た。固体を10% EtOH/ヘプタンで処理し、濃縮した。次いで、残渣を100% ヘプタンで処理し、濃縮した。固体を真空オーブン中50℃で35時間乾燥させ、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン(19.9g,35.6mmol,76% 収率)を得た。H NMR(DMSO−d6):δ 11.56(s,1H),8.06(d,J=5.2Hz,1H),6.89(d,J=5.2Hz,1H),6.69(s,1H),5.90(s,1H),4.58−4.63(m,1H),4.49−4.54(m,1H),3.82(s,3H),3.39(s,2H),3.21−3.26(m,2H),2.85−2.91(m,1H),2.73−2.79(m,1H),2.67(t,J=7.3Hz,2H),2.16(s,3H),2.14(s,3H),2.12 2.15(m,3H),1.85−1.92(m,1H),1.75−1.81(m,1H),1.63−1.69(m,2H),1.40(br d,J=12.3Hz,1H),1.23−1.31(m,1H),1.17(d,J=6.9Hz,3H),1.14−1.27(m,2H),0.82−0.89(m,1H).MS(ES)[M+H]549.4.
実施例8
(R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン、ビス−HCl(80mg,0.160mmol)のMeOH(1.5mL)溶液に、DIPEA(0.064mL,0.368mmol)、5−クロロピコリンアルデヒド(45.3mg,0.320mmol)、およびAcOH(0.030mL,0.527mmol)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。NaBHCN(40.2mg,0.639mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を、逆相HPLCを用いて精製した。産物を含有するフラクションを1N HClで処理し、濃縮し、45mgの産物を白色固体として得た(HCl塩)。H NMR(400MHz,MeOH−d)δ 1.33(d,J=6.84Hz,3H),1.50−1.72(m,2H),1.72−1.89(m,2H),2.16−2.38(m,6H),2.53(s,3H),2.66(s,3H),2.91−3.19(m,5H),3.35−3.45(m,2H) 3.48−3.60(m,1H),3.64(d,J=12.42Hz,1H),4.46(s,2H),4.86(s,2H),7.01(s,1H),7.54(d,J=8.11Hz,1H),7.97(dd,J=8.24,2.41Hz,1H),8.70(d,J=1.77Hz,1H).MS(ES)[M+H]553.6.
実施例9
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン、ビス−HCl(80mg,0.164mmol)のMeOH(1.5mL)溶液に、DIPEA(0.066mL,0.378mmol)、6−メチルピコリンアルデヒド(39.8mg,0.329mmol)、およびAcOH(0.031mL,0.543mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。NaBHCN(36.2mg,0.576mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を、逆相HPLCを用いて精製した。産物を含有するフラクションを1N HClで処理し、濃縮し、43mgの産物を白色固体として得た(HCl塩)。H NMR(400MHz,MeOH−d)δ 1.33(d,J=7.10Hz,3H),1.58−1.77(m,2H),1.81(m,2H),2.15−2.34(m,6H),2.51(s,3H),2.63(s,3H),2.83(s,3H),2.89−3.01(m,2H),3.01−3.29(m,3H),3.35−3.45(m,2H),3.57(d,J=11.66Hz,1H),3.66(d,J=12.17Hz,1H),4.67(s,2H),4.85(s,2H),6.94(s,1H),7.86(d,J=7.86Hz,1H),7.95(d,J=7.60Hz,1H),8.37(t,J=7.86Hz,1H).MS(ES)[M+H]533.6.
実施例10
(R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン、ビス−HCl(80mg,0.164mmol)のMeOH(1.5mL)溶液に、DIPEA(0.066mL,0.378mmol)、6−メチルピコリンアルデヒド(39.8mg,0.329mmol)、およびAcOH(0.031mL,0.543mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。NaBHCN(36.2mg,0.576mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を、逆相HPLCを用いて精製した。産物を含有するフラクションを1N HClで処理し、濃縮し、46mgの産物を白色固体として得た(HCl塩)。H NMR(400MHz,MeOH−d)δ 1.24−1.39(m,3H),1.43−1.63(m,2H),1.67−1.86(m,2H),2.12−2.30(m,6H),2.50(s,3H),2.62(s,3H),2.88−3.10(m,5H),3.36−3.49(m,3H),3.53(d,J=12.67Hz,1H),4.30(s,2H),4.81−4.88(m,2H),6.91(s,1H),7.44−7.60(m,5H).MS(ES)[M+H]533.6.
実施例11
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
a)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(12g,32.7mmol)のDMF(70mL)溶液に、NBS(8.14g,45.7mmol)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を水に注ぎいれ、CHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0−50% EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(13.62g,30.5mmol,93% 収率)を無色油状物として得た。
b)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(イソオキサゾール−4−イル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−ブロモ−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(12.24g,27.4mmol)の1,4−ジオキサン(72mL)溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール(6.42g,32.9mmol)、NaCO(7.27g,68.5mmol)、および水(24mL)を加えた。混合物を、溶液を通じた窒素のバブリングにより10分間脱ガスした。Pd(PPh(1.584g,1.371mmol)を加え、混合物を80℃で5時間加熱した。次いで、混合物を水(100mL)で反応停止させ、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0−50% EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(イソオキサゾール−4−イル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(7.1g,16.34mmol,59.6% 収率)を淡褐色油状物として得た。H NMR(400MHz,MeOD−d)δ 8.94(s,1H),8.61(s,1H),4.91(s,1H),4.18−4.11(m,1H),4.04(dd,J=1.8,13.1Hz,1H),3.82(s,2H),3.33(td,J=1.5,3.2Hz,1H),3.02(dd,J=6.9,8.5Hz,1H),2.28(s,2H),1.93(br.s.,1H),1.47−1.44(m,9H),1.35−1.28(m,5H),1.21−1.08(m,2H),0.95−0.87(m,2H).
c)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(シアノメチル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(イソオキサゾール−4−イル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(7.5g,17.26mmol)のMeOH(20mL)溶液に、KF(3.01g,51.8mmol)の水溶液(20mL)を加えた。混合物を攪拌しながら100℃で60時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣を水(50mL)で処理し、EtOAc(3x)で抽出した。これらの抽出物を合わせ、NaSOで乾燥し、濃縮した。次いで。残渣をさらに減圧下で乾燥させ、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(シアノメチル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(6.06g,14.91mmol,86% 収率)を淡褐色油状物として得た。MS(ES)[M+Na]429.6.
d)(R)−tert−ブチル4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
冷却した(0℃)、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−(シアノメチル)−4−(メトキシカルボニル)−3−メチルチオフェン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(6.00g,14.76mmol)のEtOH(200mL)溶液に、塩化コバルト(II)六水和物(2.63g,11.07mmol)を加えた。15分間攪拌して反応させ、その時点で、NaBH(2.62g,69.4mmol)を15分かけて少しずつ加えた(ガス発生が観察された)。1時間攪拌して反応させ、その時点で、氷浴を取り除き、室温で18時間攪拌して反応させた。暗色の反応物をLCMSでモニタリングした。18時間後、大部分の産物、ある程度の不純物、および少量の非環状アミン中間体が存在していた。さらに2時間攪拌して反応させた。溶媒を真空で除去した。残渣を飽和NHClで処理し、pHを1M HClでpH〜7に調整した。混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。暗褐色残渣を真空で1時間乾燥させ、DCMに溶解し、フラッシュカラム(200g Isco(商標)GOLD シリカカラム;グラジエントB:5−75%,A:ヘプタン,B:3−1 EtOAc〜EtOH)で精製し、(R)−tert−ブチル4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(3.32g,8.33mmol,56.5% 収率)を得た。MS(ES)[M+Na]401.7.
e)(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 0006816041
冷却した(氷浴)、(R)−tert−ブチル4−(1−(3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.40g,6.34mmol)のDMF(50mL)溶液に、KOtBu(7.61mL,7.61mmol)を、シリンジを通じて1分かけて加えた。反応混合物を10分間攪拌し、その時点で、2−(ベンジルオキシ)−3−(クロロメチル)−4,6−ジメチルピリジン(1.826g,6.97mmol)を固体として加えた。混合物を30分間攪拌し、LCMSでモニタリングした。反応物を氷および飽和NHCl(200mL)の混合物に注ぎいれ、10分間攪拌した。EtO(200mL)を加え、混合物を15分間攪拌した。層を分離し、水性層をEtOで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を真空で1時間さらに乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(120g Isco(商標)GOLD シリカカラム.グラジエントB:5−40%.A:ヘプタン.B:EtOAc)で精製し、(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(3.30g,5.19mmol,82% 収率)をガラス質の固体として得た。MS(ES)[M+Na]604.9.
f)5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−((R)−1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
(R)−tert−ブチル4−(1−(5−((2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(3.3g,5.47mmol)のCHCl(40mL)溶液に、TFA(21.05mL,273mmol)を、シリンジを通じて1分かけて加えた。反応を10分間維持し、次いで、35℃で2時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、揮発分を真空で除去した。反応物をトルエンで希釈し、濃縮した(2x)。残渣を水で希釈し、NHOHでpH〜11までゆっくりと塩基性に変化させた。白色懸濁液をDCM(100mL)で処理し、15分間攪拌した。層を分離し、水性層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をTBMEで処理し、真空で濃縮し、5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−((R)−1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(2.60g,5.66mmol,104% 収率)を白色固体として得た。MS(ES)[M+Na]414.3.
g)(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.3g,3.14mmol)のDCE(40mL)溶液に、2−メトキシイソニコチンアルデヒド(0.474g,3.46mmol)を加えた。5分後、AcOH(0.540mL,9.43mmol)を加え、15分間攪拌して反応させた。混合物に、NaBH(OAc)(2.66g,12.57mmol)を固体として加えた。室温で2時間攪拌して反応させた。反応物をDCM(125mL)および水で希釈した。反応物を飽和NaHCOおよび飽和NaCOの混合物でpH〜10まで塩基性に変化させた。混合物を15分間攪拌し、層を分離し、水性層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラム(80g Isco(商標)GOLDシリカカラム.グラジエントB:8−75%.A:DCM.B:90:10:1 DCM/MeOH/NHOH)で精製した。残渣をTBMEで処理し、濃縮し、真空オーブン中40℃で18時間乾燥させ、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.19g,2.159mmol,68.7% 収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 1.12−1.32(m,6H) 1.38(d,J=12.17Hz,1H) 1.74−1.93(m,3H) 2.13(d,J=8.62Hz,6H) 2.26−2.36(m,3H) 2.71(d,J=11.15Hz,1H) 2.76−2.96(m,4H) 3.39(s,2H) 3.43−3.55(m,2H) 3.82(s,3H) 4.48(s,2H) 5.87(s,1H) 6.65−6.71(m,1H),6.89(dd,J=5.32,1.27Hz,1H) 8.06(d,J=5.58Hz,1H) 11.55(s,1H).MS(ES)[M+Na]535.4.
実施例12
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((6−メトキシピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン(8.6g,20.1mmol)のDCE(200mL)溶液に、6−メトキシピコリンアルデヒド(3.31g,24.13mmol)を加えた。5分間攪拌して反応させ、その時点で、AcOH(2.3mL,40mmol)を加えた。15分後、NaBH(OAc)(12.8g,60mmol)を固体として加え、室温で18時間攪拌して反応させた。反応物をDCM(200mL)および水で希釈した。pHを飽和NaHCOおよび飽和NaCOの組み合わせで10に調整した。混合物を30分間攪拌し、層を分離した。水性層をDCMで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣の精製により(200g Isco(商標)GOLDシリカカラム;グラジエントB:10−90%;A=ヘプタン;B=3:1 EtOAc/EtOH+1% NHOH)、白色固体を得た。
上記固体のEtOH(220mL)溶液に、Silicycleチオール樹脂(6g)を加え、混合物を50℃で48時間加熱し、その時点で、Celite(商標)のパッド(pad)を通じて濾過し、EtOH(2×15mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を10% EtOH/ヘプタン(100mL)で処理し、濃縮し、5% EtOH/ヘプタン(100mL)で処理し、濃縮し、100% ヘプタン(100mL)で処理し、濃縮した。産物を真空オーブン中45℃で60時間乾燥させ、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン(9.3g,16.5mmol,82% 収率)を白色固体として得た。H NMR(DMSO−d)δ 11.59(s,1H),8.06(d,J=5.1Hz,1H),6.89(dd,J=5.3,1.3Hz,1H),6.69(s,1H),5.90(s,1H),4.60(d,J=13.7Hz,1H),4.50(d,J=13.4Hz,1H),3.82(s,3H),3.39(s,2H),3.15−3.32(m,2H),2.62−2.92(m,5H),2.05−2.26(m,9H),1.74−1.93(m,3H),1.65(quin,J=6.6Hz,2H),1.40(d,J=11.9Hz,1H),1.09−1.31(m,6H).MS(ES)[M+H]549.4.
実施例13
(R)−2−(1−(1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン(100mg,0.234mmol)のMeOH(1.5mL)溶液に、シクロヘキサンカルバルデヒド(0.057mL,0.468mmol)およびAcOH(0.020mL,0.351mmol)を加えた。室温で2.5時間攪拌して反応させ、その時点でNaBHCN(58.8mg,0.935mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini C18(2)100A,AXIA,5ミクロン,30mm×100mm;254nm UV;38% CHCN/HO,0.1% ギ酸〜80% CHCN/HO,0.1% ギ酸,30.0mL/分)で精製し、(R)−2−(1−(1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン、ギ酸塩(47mg,0.079mmol,34% 収率)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,メタノール−d)δ 0.98−1.14(m,2H),1.20−1.44(m,6H),1.46−1.67(m,2H),1.67−1.90(m,11H),2.12−2.25(m,4H),2.28(s,3H),2.32(s,3H),2.71−2.90(m,3H),2.90−3.09(m,4H),3.35−3.46(m,3H),3.46−3.67(m,2H),4.73(d,J=13.94Hz,1H),4.82(d,J=13.94Hz,1H),6.15(s,1H).MS(ES)[M+H]524.4.
実施例14
(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((1−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン
Figure 0006816041
実施例13の一般的手順の後、(R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((1−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オンを調製した。H NMR(DMSO−d)δ 11.58(br.s.,1H) 5.91(s,1H) 4.46−4.67(m,2H) 3.20−3.27(m,2H) 2.62−2.90(m,6H) 2.12−2.19(m,9H) 1.98−2.08(m,3H) 1.61−1.77(m,3H) 1.30−1.48(m,6H) 1.11−1.27(m,11H) 0.81(s,3H).MS(ES)[M+H]538.4.
アッセイプロトコール
本明細書に含まれる化合物を、PRC2複合体内のEZH2のメチルトランスフェラーゼ活性を阻害するそれらの能力に関して評価した。ヒトPRC2複合体は、Sf9細胞で5メンバーのタンパク質(FLAG−EZH2、EED、SUZ12、RbAp48、AEBP2)のそれぞれを共発現させた後、共精製することにより作製した。酵素活性を、トリチウム化メチル基が3H−SAMから、ヒストンH3に由来するビオチニル化非メチル化ペプチド基質上のリシン残基へ転移される、シンチレーション近接アッセイ(SPA)で測定した。ペプチドはストレプトアビジンコーティングSPAビーズに捕捉され、得られたシグナルはViewLuxプレートリーダーで読まれた。
パートA 化合物の調製
1.100%DMSO中に、固体からの化合物の10mM原液を調製する。
2.384ウェルプレートに、DMSO対照用の第6列と第18列を残し、各試験化合物に関して100%DMSOで11点連続希釈系(1:4希釈、最高濃度10mM)を設定した。
3.希釈系プレートから反応プレート(Corning、384ウェル ポリスチレンNBSカタログ番号3673)に10nLの化合物を分注する。
パートB 試薬の調製
以下の溶液を調製する。
1.1×基本バッファー、50mM Tris−HCl、pH8、2mM MgCl:基本バッファー1L当たり、1M Tris−HCl、pH8(50mL)、1M MgCl(2mL)および蒸留水(948mL)を合わせる。
2.1×アッセイバッファー:1×アッセイバッファー10mL当たり、1x基本バッファー(9.96mL)、1M DTT(40μL)、および10%Tween−20(1μL)を合わせ、50mM Tris−HCl、pH8、2mM MgCl、4mM DTT、0.001%Tween−20の終濃度とする。
3.2×酵素溶液:2×酵素溶液10mL当たり、1×アッセイバッファー(9.99mL)および3.24μM EZH2 5メンバー複合体(6.17μL)を合わせ、1nMの最終酵素濃度とする。
4.SPAビーズ溶液:SPAビーズ溶液1mL当たり、ストレプトアビジンコーティングSPAビーズ(PerkinElmer、カタログ番号RPNQ0261、40mg)および1xアッセイバッファー(1mL)を合わせ、途中(working)濃度40mg/mLとする。
5.2×基質溶液:2×基質溶液10mL当たり、40mg/mLSPAビーズ溶液(375μL)、1mMビオチニル化ヒストンH3K27ペプチド(200μL)、12.5μM 3H−SAM(240μL;1mCi/mL)、1μM冷SAM(57μL)および1×アッセイバッファー(9.13mL)を合わせ、0.75mg/mLSPAビーズ溶液、10μMビオチニル化ヒストンH3K27ペプチド、0.15μM3H−SAM(〜12 uCi/mL 3H−SAM)および2.85μM冷SAMの終濃度とする。
6.2.67×クエンチ溶液:2.67×クエンチ溶液10mL当たり、1xアッセイバッファー(9.73mL)および10mM冷SAM(267μL)を合わせ、100μM冷SAMの終濃度とする。
パートC 384ウェルGrenier Bio−Oneプレートでのアッセイ反応
化合物の添加
1.10nL/ウェルの1000×化合物を試験ウェル(上記の通り)に区分する。
2.第6列および第8列(それぞれ高対照および低対照用)には10nL/ウェルの100%DMSOを区分する。
アッセイ
1.第18列に5μL/ウェルの1×アッセイバッファーを分注する(低対照反応)。
2.第1〜24列に5μL/ウェルの2×基質溶液を分注する。(注記:基質溶液は、マトリックス貯蓄槽(reservoir)に分注する前に、均一なビーズ懸濁液を確保するために混合されるべきである。)
3.第1〜17、19〜24列に5μL/ウェルの2×酵素溶液を分注する。
4.反応物を室温で60分間インキュベートする。
クエンチ
1.第1〜24列に6μL/ウェルの2.67×クエンチ溶液を分注する。
2.アッセイプレートを封止し、約1分間500rpmで回転させる。
3.暗順応プレートを約15〜60分ViewLux装置に入れる。
プレートの読み取り
1.Viewluxプレートリーダーにて、613nmの発光用フィルターまたは透明フィルター(300秒暴露)を用いてアッセイプレートを読み取る。
試薬の添加は手作業で行うこともできるし、または自動液体ハンドラーで行うこともできる。
結果
阻害パーセントは、各化合物濃度についてDMSO対照に対して計算し、得られた値は、ABASEデータフィッティングソフトウエアパッケージ内の標準的なIC50フィッティングパラメーターを用いて当てはめを行った。
例示的化合物は一般に、上記または類似のアッセイに従って試験し、EZH2の阻害剤であることが判明した。そのようなアッセイに従って試験された特定の生物活性を下表に挙げる。≦10nMのIC50値は、化合物の活性がアッセイにおける検出の限界に近づいていたことを示している。アッセイの実行を繰り返すと、若干異なるIC50値となる場合がある。
Figure 0006816041

Claims (14)

  1. 式(III):
    Figure 0006816041
    [式中、
    Figure 0006816041
    は、単結合または二重結合を表し;
    、X、X、X 、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
    nは、1または2であり;
    は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
    は、(C−C)アルキルであり;
    は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
    は、水素または(C−C)アルキルであり;
    それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]
    で表される、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  2. 式(IV):
    Figure 0006816041
    [式中、
    、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
    nは、1または2であり;
    は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
    は、(C−C)アルキルであり;
    は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
    は、水素または(C−C)アルキルであり;
    それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]
    で表される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  3. 式(V):
    Figure 0006816041
    [式中、
    、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの少なくとも2個は、CHであり;
    nは、1または2であり;
    は、−NH、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
    は、(C−C)アルキルであり;
    は、水素、ハロゲン、または(C−C)アルキルであり;
    は、水素または(C−C)アルキルであり;
    それぞれのRは、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON(C−C)アルキル(C−C)アルキル、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N(C−C)アルキル(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ−、および(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ−から独立して選択される。]
    で表される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  4. nが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  5. 、X、X、X、およびXが、それぞれ独立して、N、CH、またはCRであり、但し、X、X、X、X、およびXの1個以下がNであり、かつ、X、X、X、X、およびXの少なくとも3個がCHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  6. それぞれのRが、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、および(C−C)アルコキシから独立して選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  7. およびRが、それぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、またはn−ブチルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  8. が、メチルまたはクロロである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  9. が、水素、メチル、またはエチルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  10. 以下の化合物:
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
    (R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
    (R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
    N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イリデン)プロピル)−4−メチルチオフェン−3−カルボキサミド;
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    (R)−2−(1−(1−((5−クロロピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    (R)−2−(1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((2−メトキシピリジン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン;
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−(1−(1−((6−メトキシピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    (R)−2−(1−(1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;もしくは
    (R)−5−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−メチル−2−(1−(1−((1−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン−4−オン;
    または、その薬学的に許容可能な塩。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物。
  12. 癌を治療するために使用される、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記癌が、脳腫瘍(神経膠腫)、膠芽腫、白血病、リンパ腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−ダクロス病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、および甲状腺癌からなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる、EZH2により媒介される障害の治療に使用するための医薬。
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