JP6814470B2 - モルヒナン誘導体 - Google Patents

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    • C07D489/02Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula: with oxygen atoms attached in positions 3 and 6, e.g. morphine, morphinone
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Description

本発明は、オピオイドκ受容体アゴニスト作用を有するモルヒナン誘導体に関する。
オピオイド受容体にはμ、δ、κの3つのタイプが知られている。μ受容体に対して強い親和性を示すモルヒネは、古くから鎮痛薬として使用されている。しかし、オピオイドμ受容体アゴニストは、μ受容体を介して依存形成、呼吸抑制等の有害事象を引き起こすことが知られている。
一方κ受容体アゴニストも鎮痛作用を有するが、モルヒネで見られる有害事象には関与しないことが知られている。
その一方、κ受容体アゴニストは一般に鎮静作用や薬物嫌悪作用を有することが知られている。唯一、嫌悪性が分離したκ受容体アゴニストとしてナルフラフィンがあげられるが、ナルフラフィンも鎮静作用が鎮痛用量で発現するため、止痒薬としての承認は得られたが、鎮痛薬として承認を受けたκ受容体アゴニストはいまだ存在しない。
従って、鎮静作用や薬物嫌悪作用を示さないκ受容体選択的なアゴニストは、鎮痛薬をはじめとする優れたオピオイドκ受容体に関連する疾患や症状の治療又は改善、予防薬として期待される。
特許文献1には、次式(A)、
で表される化合物がオピオイドκ受容体に選択的に結合するとの記載がある。しかし、その選択性は依然充分ではなかった。
また、特許文献2には、次式(B)、
で表わされる化合物が報告されている。この化合物はオピオイドκ受容体選択的な結合及び鎮痛作用を有するとの記載がある。しかし、その鎮痛活性は満足のいくものではなかった。
一方、特許文献3には、次式(C)、
(C)
で表される化合物(ナルフラフィン)が報告されている。この化合物はオピオイドκ受容体に由来する強力な鎮痛活性を示すとの記載がある。しかし、鎮痛用量において鎮静作用が発現するため、鎮痛薬として臨床使用する事はできなかった。
従って、臨床上有用なオピオイドκ受容体選択的、かつ鎮痛作用の強いアゴニストは見出されていない。
特開2008−179554号公報 特開2009−196933号公報 特許第2525552号公報
本発明の目的は、鎮静作用や薬物嫌悪作用の抑制された、オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状の治療または又は改善、予防に有効な医薬を提供することにある。
斯かる実情の下、本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定のモルヒナン誘導が高いオピオイドκ受容体選択性及びオピオイドκ受容体に対する強力なアゴニスト活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次の一般式(I)、
(式中、Rは水素、C1−6アルキルから選択され、nは0〜2の整数を表す)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するオピオイドκ受容体に関連する疾患の治療又は改善、予防剤に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する鎮痛薬に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する止痒薬に関する。
ロータロッド試験による鎮静作用確認試験の結果を示す図。
次に本発明をさらに詳しく説明する。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
Rは水素原子、またはC1−6アルキル基を示すが、ここでC1−6アルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖状のアルキル基又はイソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の分岐状のアルキル基を示し、メチル基が好ましい。
nは0〜2の整数を示し、好ましくは1である。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩において、薬学的に許容される塩としては、好ましくは酸付加塩が挙げられ、酸付加塩としては、例えば(イ)塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸との塩、(ロ)ギ酸、酢酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、マレイン酸等の有機カルボン酸との塩、(ハ)メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸との塩との塩が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、立体異性体としてはシス、トランス異性体、ラセミ体や光学活性体等が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、水和物又は溶媒和物としても存在することができる。従って、本発明の化合物は、その全ての結晶型及び水和若しくは溶媒和物を含むものである。
次に、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の製造方法を次に示す。
(式中、R及びnは前記と同じ。)
(第一工程)
原料(a)及び2−クロロアクリロニトリルをベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のようなエーテル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン等のような脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等のような非プロトン性極性溶媒中、80〜190℃で3〜24時間反応させた後、あるいは封管内で、マイクロウェーブ合成装置によりマイクロウェーブを照射して反応させた後、加水分解により化合物(b)を合成することができる。加水分解反応は、公知の酸や塩基を用いて行うことができるが、塩基の方が好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のようなエーテル類;メタノール、エタノール等のアルコール溶媒中に、1〜10mol/lの水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等の無機塩基性水溶液を1〜5当量加え、加熱還流下で1〜24時間反応させることによって行われる。
出発原料(a)は一般公知の方法により合成することができる。例えばJ.Chem.Soc.C,1966,617、J.Chem.Soc.C,1969,2569、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1994,911記載の方法により合成することができる。

(第二工程)
水素雰囲気下、化合物(b)をジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のようなエーテル類;メタノール、エタノール等のアルコール類等の溶媒中、金属触媒、例えばニッケル(ラネーニッケル等)、パラジウム(パラジウム-活性炭素(Pd/C)、パールマン触媒(Pearlman‘s catalyst:Pd(OH)等)) 、白金(アダムス触媒(PtO)等)の存在下、室温〜加熱還流下で1〜24時間反応させることにより、化合物(c)を合成することができる。

(第三工程)
不活性ガス雰囲気下、化合物(c)にジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のようなエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のようなハロゲン化炭化水素類等の溶媒中、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)等の塩基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアミノピリジン,N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、プロカイン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸リチウム等の無機塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物又はN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)等を−78℃〜室温で30分〜5時間反応させることにより化合物(d)を合成することができる。

(第四工程)
不活性ガス雰囲気下、化合物(d)にジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等の溶媒中、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の0価のパラジウム触媒あるいは酢酸パラジウム、(ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン))パラジウム等の2価のパラジウム触媒とXantphos、DPEPhos、(±)−BINAP等のホスフィン配位子及びトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、プロカイン等の有機塩基:炭酸カリウム、炭酸リチウム等の無機塩基の存在下、2,4,6−トリクロロフェニルホルメートを0℃〜加熱還流下で1〜24時間反応させることにより、化合物(e)を合成することができる。

(第五工程)
化合物(e)を水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基;塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸;あるいはp−トルエンスルホン酸等の有機酸等の存在下、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のようなエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のようなケトン類、酢酸等の溶媒又はこれらの混合溶媒中、室温〜120℃、1〜24時間加水分解させることにより化合物(f)を合成することができる。

(第六工程)
化合物(f)にベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のようなエーテル類:塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のようなハロゲン化炭化水素類:メタノール、エタノール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン等のような脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等のような非プロトン性極性溶媒中、N,N−ジメチルアミノピリジン,トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、プロカイン等の有機塩基:炭酸カリウム、炭酸リチウム等の無機塩基の存在下、アミン(g)をO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、N,N’−ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルフォリニウム クロライド n水和物(DMT−MM)等の縮合剤を用い、0℃〜加熱還流下で1〜12時間反応させることにより、化合物(h)を合成することができる。

また、化合物(h)は以下のように化合物(e)から直接合成することもできる。
化合物(e)にジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のようなエーテル類等の溶媒中、N,N−ジメチルアミノピリジン,トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、プロカイン等の有機塩基:炭酸カリウム、炭酸リチウム等の無機塩基の存在下、アミン(g)を0℃〜加熱還流下で1〜12時間反応させることにより、化合物(h)を合成することができる。

(第七工程)
化合物(h)に塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のようなハロゲン化炭化水素類等の溶媒中、三臭化ホウ素を−30〜50℃で30分〜5時間反応させることにより、発明化合物(I)を得ることができる。
(第一工程)〜(第七工程)により得られる化合物については、必要に応じ、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。
さらに必要に応じて常法により酸付加塩を形成することができ、例えば発明化合物(I)を、酢酸エチル等の有機溶媒:メタノール、エタノール等のようなアルコール類:あるいは水等の極性溶媒中、本発明化合物(I)を塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、マレイン酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機スルホン酸等の存在下、室温又は適宜加熱することにより行われる。
次に薬理試験結果について述べる。
本発明化合物は、試験例1によりオピオイドκ受容体に対して強力な親和性を示すこと、試験例2よりオピオイドκ受容体に対して強力なアゴニスト活性を有すること、試験例3より強力な鎮痛作用を示すこと及び試験例4より既存薬との比較で鎮静作用を示さないことが確認された。さらに、本発明化合物が薬物嫌悪作用を有さないことは確認できている。
オピオイドκ受容体に関連する疾患や症状としては、例えば心血管系障害、消化器系疾患、血液系疾患、呼吸器系疾患、肝疾患、神経系障害、泌尿器系障害、疼痛、咳嗽、掻痒、虚血性脳疾患、薬物依存などが挙げられる。
従って、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、高いオピオイドκ受容体選択性及びオピオイドκ受容体に対する強力なアゴニスト活性を有することから、これらの疾患や症状の治療や改善、予防に有効である。
そして、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、ヒトに対して非経口投与、固形若しくは液体形態での経口投与等のための製薬上許容し得る担体とともに組成物を処方することができる。また、用途にあわせて他の鎮痛薬や止痒薬と併用することも可能である。
経口投与のための固形製剤としてはカプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤等が挙げられる。この固形製剤の調製にあたっては賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などを用いることができる。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合には、更に、緩衝剤を用いてもよい。錠剤及び丸剤には腸溶性被膜を施してもよい。
注射剤のための本発明組成物の形態としては、製薬上許容し得る無菌水若しくは非水溶液、懸濁液若しくは乳濁液が挙げられる。適当な非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。このような組成物は補助剤、例えば防腐剤、湿潤剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤及び分散剤をも含有することができる。
これら組成物は例えば細菌保持フィルターによる濾過により、又は使用直前に減菌剤あるいは若干の他の減菌注射可能な媒質に溶解し得る無菌固形組成物の形態で減菌剤を混入することにより減菌することができる。
点眼投与のための製剤は、好ましくは本発明化合物に加えて、溶解補助剤、保存剤、等張化剤及び増粘剤等を加えることができる。
経口投与のための液体製剤には、当業者間で普通に使用される不活性希釈剤、例えば水を含む製薬上許容し得る乳剤、溶液、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシール剤が挙げられる。かかる不活性希釈剤に加えて、組成物には補助剤例えば湿潤剤、乳化、懸濁剤、ならびに甘味、調味及び香味剤も配合することができる。
経直腸投与のための製剤は、好ましくは本発明化合物に加えて賦形剤例えばカカオ脂若しくは坐剤ワックスを含有していてもよい。
投与量は、通常成人においては、有効成分である上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を、注射剤においては、0.01μg〜1g/日、好ましくは0.0001〜200mg/日、経口投与においては、0.1μg〜10g/日、好ましくは0.001〜2000mg/日投与されるが、年齢、症状等により増減することができる。また、所望によりこの一日量を2〜4回に分割して投与することもできる。
次に、参考例、実施例及び試験例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
(4R,4aR,7S,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−14−オン(1)の合成
(4R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−2,3,4,7a−テトラヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン(J.Chem.Soc.C,1966,617、J.Chem.Soc.C,1969,2569およびJ.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1994,911の記載の方法で合成)(2.0g,5.63mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液(10mL)をマイクロウェーブ反応用のバイアルに入れ、2−クロロアクリロニトリル(4.5mL,56.6mmol)を加えて密封したものを3本用意した。マイクロフェーブ合成装置にて、それぞれマイクロウェーブを照射し、180℃、10barの条件下で30分間反応させた。放冷後、3本のバイアルの内容物を合わせ、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25−50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製した。得られた2−クロロアクリロニトリル付加体をエタノール(144mL)に溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(36mL)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、水(200mL)を加え、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25−50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物1(2.5g,44%)を無色アモルファスとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08−0.20(m,2H),0.45−0.60(m,2H),0.77−0.91(m,1H),1.87(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),2.07(ddd,J=5.4,12.8,12.8Hz,1H),2.17(d,J=18.8Hz,1H),2.32−2.55(m,4H),2.77(dd,J=5.4,11.9Hz,1H),3.17(d,J=18.3Hz,1H),3.32(d,J=18.8Hz,1H),3.63(s,3H),3.65(d,J=6.9Hz,1H),3.83(s,3H),4.68(d,J=1.4Hz,1H),5.70(d,J=8.7Hz,1H),5.88−5.93(m,1H),6.57(d,J=7.8Hz,1H),6.66(d,J=7.8Hz,1H).
(参考例2)
(4R,4aS,7S,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6(5H)−オン(2)の合成
化合物1(2.43g,6.18mmol)をエタノール(100mL)に溶解し、5%パラジウム−活性炭素(2.01g)を加えた。水素雰囲気下、60℃で12時間撹拌し、放冷後にセライトろ過した。ろ液を減圧下にて濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加え、クロロホルムで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。残渣をメタノールに溶解後ろ過し、再結晶により精製し、表題化合物2(2.25g,92%)を無色板状晶(融点:164−165℃)
として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.06−0.16(m,2H),0.43−0.56(m,2H),0.73−0.86(m,1H),1.01(dddd,J=3.2,3.2,12.8,12.8Hz,1H),1.26(ddd,J=6.0,12.8,12.8Hz,1H),1.49−1.61(m,1H),1.68(dd,J=3.7,13.3Hz,1H),1.76(ddd,J=6.0,12.8,12.8Hz,1H),2.01(ddd,J=5.8,12.8,12.8Hz,1H),2.22(d,J=19.7Hz,1H),2.29−2.42(m,4H),2.70(dd,J=5.8,11.9Hz,1H),3.07(d,J=18.3Hz,1H),3.13(d,J=6.4Hz,1H),3.46−3.55(m,1H),3.53(s,3H),3.89(s,3H),4.60(s,1H),6.63(d,J=8.2Hz,1H),6.76(d,J=8.2Hz,1H).
(参考例3)
(4R,4aS,7S,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−イル トリフルオロメタンスルホネート(3)の合成
アルゴン雰囲気下、11%KHMDSトルエン溶液(5.5mL,2.75mmol)を無水THF(4mL)に加え、−78℃に冷却した。化合物2(885mg,2.24mmol)の無水THF(4mL)溶液およびN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(1.1g,3.36mmol)の無水THF(2mL)溶液を順次加え、1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、室温に昇温した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15−25%ジエチルエーテル/ヘキサン)で精製し、表題化合物3(1.17g,99%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08−0.20(m,2H),0.46−0.61(m,2H),0.76(ddd,J=2.8,9.6,12.8Hz,1H),0.80−0.92(m,1H),1.03(ddd,J=5.6,12.4,12.4Hz,1H),1.43(dddd,J=2.4,2.4,12.4,12.4Hz,1H),1.65(dd,J=2.4,13.3Hz,1H),1.79(ddd,J=5.6,9.6,12.4Hz,1H),1.91(ddd,J=5.6,12.8,12.8Hz,1H),2.26−2.45(m,4H),2.62(dd,J=5.6,12.0Hz,1H),3.09(d,J=18.3Hz,1H),3.42(d,J=6.4Hz,1H),3.58(s,3H),3.90(s,3H),4.62(d,J=2.4Hz,1H),6.54(s,1H),6.61(d,J=8.2Hz,1H),6.76(d,J=8.2Hz,1H).
(参考例4)
2,4,6−トリクロロフェニル(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキシレート(4)の合成
化合物3(1.07g,2.03mmol)をトルエン(15mL)に溶解し、ぎ酸2,4,6−トリクロロフェニル(564mg,2.50mmol)、酢酸パラジウム(46mg,0.205mmol)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(234mg,0.404mmol)を加えた。アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(0.34mL)をゆっくりと滴下し、室温で10時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:6)で精製し、表題化合物4(1.1g,90%)を無色アモルファスとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.09−0.21(m,2H),0.47−0.62(m,2H),0.74−0.84(m,1H),0.85−0.96(m,1H),0.98(ddd,J=5.5,12.8,12.8Hz,1H),1.43−1.54(m,1H),1.66−1.76(m,2H),1.81(ddd,J=5.5,12.8,12.8Hz,1H),2.28−2.51(m,4H),2.63(dd,J=4.6,11.9Hz,1H),3.12(d,J=18.3Hz,1H),3.51(d,J=6.9Hz,1H),3.56(s,3H),3.90(s,3H),4.65(d,J=1.4Hz,1H),6.63(d,J=8.0Hz,1H),6.77(d,J=8.0Hz,1H),7.40(s,2H),8.07(s,1H).
(参考例5)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボン酸 塩酸塩(5)の合成
化合物4(54.9mg,0.0909mmol)をTHF(2mL)に溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を加え、60℃で撹拌した。7時間後に6M水酸化ナトリウム(1mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、2−プロパノール/クロロホルム(1:4)で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をメタノール(3mL)に溶解し、1M塩化水素−酢酸エチル溶液(0.3mL,0.300mmol)を加え攪拌した。ジエチルエーテル(50mL)を少しずつ加えた後、氷冷下に30分間置き、析出した白色沈殿をろ取し、白色固体(融点:137−138℃)の表題化合物5(25mg,60%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ(ppm):0.47−0.64(m,2H),0.75−0.94(m,3H),1.11−1.30(m,2H),1.34−1.46(m,1H),1.61−1.73(m,1H),1.93−2.17(m,2H),3.03(dd,J=6.9,19.7Hz,1H),3.08−3.24(m,2H),3.29−3.53(m,3H),3.56(s,3H),3.89(s,3H),4.50(d,J=6.9Hz,1H),4.67(d,J=1.1Hz,1H),6.81(d,J=8.2Hz,1H),6.95(d,J=8.2Hz,1H),7.71(s,1H).
(参考例6)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−N−フェニル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド(6)の合成
化合物5(45mg,0.0978mmol)をジクロロメタン(4mL)に懸濁し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.280mmol)、アニリン(10μL,0.110mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)(39mg,0.110mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40−60%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物6(47mg,96%)を無色アモルファスとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08−0.19(m,2H),0.45−0.59(m,2H),0.71−0.80(m,1H),0.87−1.01(m,2H),1.27−1.38(m,1H),1.61(dd,J=2.3,12.8Hz,1H),1.82(ddd,J=5.2,12.8,12.8Hz,1H),1.91(ddd,J=5.2,9.9,12.1Hz,1H),2.27−2.43(m,4H),2.60(dd,J=5.2,11.9Hz,1H),3.10(d,J=18.3Hz,1H),3.48(d,J=6.4Hz,1H),3.72(s,3H),3.91(s,3H),4.55(d,J=2.3Hz,1H),6.63(d,J=8.0Hz,1H),6.77(d,J=8.0Hz,1H),7.10(dd,J=7.8,7.8Hz,1H),7.34(dd,J=7.8,7.8Hz,2H),7.64(d,J=7.8Hz,2H),7.97(s,1H),9.91(s,1H).
(参考例7)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド(7)の合成
化合物4(31.7mg,0.0525mmol)をTHF(2mL)に溶解し、ベンジルアミン(13μL,0.119mmol)、トリエチルアミン(19μL,0.136mmol)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(1.0mg,0.0082mmol)を加え、50℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(28%アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:400)で精製した。表題化合物7(20mg,74%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08−0.18(m,2H),0.46−0.58(m,2H),0.67−0.77(m,1H),0.85−0.98(m,2H),1.26(dddd,J=2.3,2.3,11.9,11.9Hz,1H),1.59(dd,J=2.3,12.8Hz,1H),1.72−1.90(m,2H),2.25−2.44(m,4H),2.60(dd,J=5.0,11.9Hz,1H),3.08(d,J=18.3Hz,1H),3.46(d,J=6.4Hz,1H),3.49(s,3H),3.89(s,3H),4.47(d,J=2.3Hz,1H),4.53(dd,J=5.5,14.7Hz,1H),4.60(dd,J=5.5,14.7Hz,1H),6.61(d,J=8.0Hz,1H),6.75(d,J=8.0Hz,1H),7.25−7.39(m,5H),7.85(s,1H),8.12(br t,J=5.5Hz,1H).
(参考例8)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−N−フェネチル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド(8)の合成
化合物4(135.7mg,0.225mmol)をTHF(4mL)に溶解し、トリエチルアミン(63μL,0.452mmol)、フェネチルアミン(46μL,0.365mmol)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(2.8mg,0.0229mmol)を加え、50℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50−70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物8(108mg,91%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08−0.17(m,2H),0.45−0.57(m,2H),0.64−0.74(m,1H),0.83−0.95(m,2H),1.18(dddd,J=2.3,2.3,12.4,12.4Hz,1H),1.56(dd,J=2.3,13.1Hz,1H),1.71−1.85(m,2H),2.23−2.41(m,4H),2.57(dd,J=5.0,11.9Hz,1H),2.89(t,J=6.9Hz,2H),3.06(d,J=18.3Hz,1H),3.35(s,3H),3.43(d,J=6.9Hz,1H),3.61−3.69(m,2H)3.88(s,3H),4.39(d,J=2.3Hz,1H),6.60(d,J=8.0Hz,1H),6.77(d,J=8.0Hz,1H),7.18−7.35(m,5H),7.80(s,1H),7.85(br t,J=5.0Hz,1H).
(参考例9)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−N−メチル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド(9)の合成
化合物4(24.5mg,0.0406mmol)をTHF(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(13μL,0.0933mmol)、ベンジルメチルアミン(26μL,0.202mmol)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(1.3mg,0.0106mmol)を加え、50℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(28%アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:200)で精製した。表題化合物9(18.3mg,86%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.06−0.19(m,2H),0.44−0.60(m,2H),0.65−0.94(m,2.4H),1.00(ddd,J=5.5,12.4,12.4Hz,0.6H),1.30−1.43(m,0.4H),1.55−1.76(m,2H),1.81−2.03(m,1.6H),2.23−2.46(m,4H),2.47−2.66(m,1H),2.92(s,1.2H),2.95(s,1.8H),3.05(d,J=18.3Hz,0.4H),3.09(d,J=18.3Hz,0.6H),3.31(d,J=5.5Hz,0.4H),3.43(d,J=5.5Hz,0.6H),3.54(s,1.8H),3.59(s,1.2H),3.89(s,1.2H),3.90(s,1.8H),4.48−4.91(m,3H),6.58(d,J=8.4Hz,0.4H),6.60(d,J=8.0Hz,0.6H),6.66−6.72(m,1H),6.73(d,J=8.0Hz,0.4H),6.75(d,J=8.0Hz,0.6H),7.24−7.41(m,5H).
(実施例1)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−N−フェニル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド 塩酸塩(10)の合成
化合物6(26.3mg,0.0527mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、氷冷下、1.0M三臭化ほう素ジクロロメタン溶液(0.26mL,0.260mmol)を加え、室温で50分間撹拌した。氷冷下で28%アンモニア水(1.5mL)を加え、さらに室温で10時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6mL)を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−3%メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物10のフリー体(23.5mg,95%)を無色アモルファスとして得た。フリー体を酢酸エチル(2mL)に溶解し、1M塩化水素−酢酸エチル溶液(0.2mL,0.200mmol)を加えた。ジエチルエーテル(4mL)を加えて氷冷下で30分間撹拌後、生じた白色沈殿をろ取し、表題化合物10を得た。
(フリー体)
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.07−0.20(m,2H),0.44−0.59(m,2H),0.62−0.73(m,1H),0.79−0.96(m,2H),1.22−1.37(m,1H),1.54−1.73(m,2H),1.79(ddd,J=5.0,12.8,12.8Hz,1H),2.22−2.39(m,3H),2.43(dd,J=6.0,12.4Hz,1H),2.59(dd,J=5.0,11.7Hz,1H),3.06(d,J=18.3Hz,1H),3.48(d,J=6.4Hz,1H),4.43(s,1H),5.71(brs,1H),6.56(d,J=8.2Hz,1H),6.77(d,J=8.2Hz,1H),7.05−7.13(m,1H),7.25−7.34(m,2H),7.58(d,J=8.0Hz,d,1H),7.58(d,J=8.0Hz,1H),7.77(s,1H),9.35−9.52(m,1H).
(実施例2)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド 塩酸塩(16)の合成
化合物7(20mg,0.039mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、氷冷下、1.0M三臭化ほう素ジクロロメタン溶液(0.2mL,0.200mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)および28%アンモニア水(5mL)を加え、3時間撹拌した。クロロホルムで3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(28%アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:400)にて精製し、表題化合物11のフリー体(11.6mg,61%)を無色油状物として得た。フリー体を化合物10と同様の方法で塩酸塩とし、表題化合物11を得た。
(フリー体)
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08−0.18(m,2H),0.45−0.57(m,2H),0.59−0.69(m,1H),0.78−0.94(m,2H),1.17−1.31(m,1H),1.54−1.66(m,2H),1.74(ddd,J=5.0,12.6,12.6Hz,1H),2.23−2.46(m,4H),2.60(dd,J=5.0,11.7Hz,1H),3.06(d,J=18.3Hz,1H),3.45(d,J=6.4Hz,1H),4.36(s,1H),4.47(dd,J=6.0,15.0Hz,1H),4.53(dd,J=6.0,15.0Hz,1H),5.95(brs,1H),6.55(d,J=8.2Hz,1H),6.72(d,J=8.2Hz,1H),7.22−7.38(m,5H),7.47(s,1H),7.45−7.53(m,1H).
(実施例3)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−N−フェネチル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド 塩酸塩(12)の合成
化合物8(50mg,0.0949mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、氷冷下、1.0M三臭化ほう素ジクロロメタン溶液(0.48mL,0.480mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。氷冷下で28%アンモニア水(3mL)を加え、さらに室温で1.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1−5%(28%アンモニア水:メタノ−ル=1:9)/クロロホルム)にて精製し、表題化合物12のフリー体(43.5mg,92%)を無色油状物として得た。フリー体を化合物10と同様の方法で塩酸塩とし、表題化合物12を得た。
(フリー体)
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.09−0.20(m,2H),0.46−0.60(m,2H),0.61−0.71(m,1H),0.78−0.93(m,2H),1.19−1.30(m,1H),1.55−1.85(m,3H),2.23−2.47(m,4H),2.60(dd,J=5.0,11.9Hz,1H),2.89(t,J=7.2Hz,2H),3.07(d,J=18.3Hz,1H),3.44(d,J=6.4Hz,1H),3.56−3.64(m,2H),4.37(d,J=1.2Hz,1H),5.72(brs,1H),6.56(d,J=7.8Hz,1H),6.75(d,J=7.8Hz,1H),6.85−6.98(m,1H),7.19−7.27(m,3H),7.29−7.37(m,3H).
(実施例4)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−N−メチル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド 塩酸塩(13)の合成
化合物9(38.3mg,0.0727mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、氷冷下、1.0M三臭化ほう素ジクロロメタン溶液(0.36mL,0.360mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。氷冷下で28%アンモニア水(1.3mL)を加え、さらに室温で1.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)およびクロロホルム(3mL)を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(28%アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:300)にて精製し、表題化合物13のフリー体(36.5mg,100%)を無色油状物として得た。フリー体を化合物10と同様の方法で塩酸塩とし、表題化合物13を得た。
(フリー体)
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.01−0.20(m,2H),0.37−0.59(m,2H),0.65−1.05(m,3H),1.23−1.39(m,1H),1.58−1.96(m,3H),2.20−2.48(m,4H),2.49−2.67(m,1H),2.91−3.17(m,4H),3.29(d,J=5.2Hz,0.6H),3.43(d,J=5.2Hz,0.4H),4.57(s,1H),4.61−4.99(m,3H),6.50−6.60(m,1H),6.72−6.80(d,J=8.2Hz,1H),6.84(s,1H),7.25−7.43(m,5H).
(参考例10)
細胞膜分画標本の作製
細胞膜分画標本は、それぞれのオピオイド受容体タイプを個別に安定発現させたChinese Hamster Ovary細胞(CHO細胞)から作製した。継代培養により十分量確保されたオピオイド受容体安定発現CHO細胞は、トリプシン処理で剥離後、遠心分離にて細胞沈査とした。得られた沈査は、50mM Tris−HCl,5mM MgClおよび1mM EGTAを含むice−cold Tris buffer(pH7.4)中にて、氷冷下でホモジナイズされ、その後、懸濁液は、超高速遠心機にて遠心分離(48,000xg、20分間、4℃)された。得られた沈査は、10%スクロースを含むice−cold Tris buffer(pH7.4)中にて再度ホモジナイズされ、タンパク定量の後に再懸濁液の濃度を5,000μg/mLに調製して細胞膜標本とし、実験に使用するまで−80℃で保存した。
(試験例1)
オピオイド受容体結合試験
オピオイド受容体結合試験では、各種オピオイド受容体への選択的リガンドとして、[H]DAMGO(μオピオイド受容体)、[H]DPDPE(δオピオイド受容体)および[H]U−69,593(κオピオイド受容体)の放射性リガンド(以上全てPerkinElmer Co.,Ltd.,MA,USA)を用い、被験化合物との結合置換反応試験を行った。実験では、細胞膜標本(75μg/well)を96穴マイクロプレートに播種し、それぞれの放射性リガンド(各2nM)と各種濃度の被験化合物を加え、25℃、300rpmにて2時間のインキュベーションを行った。インキュベーション終了後、FilterMate cell harvester(PerkinElmer Co.,Ltd.)を使用し、4℃で50mM Tris−HCl(pH7.4)に予め浸したFiltermat B glass filter(PerkinElmer Co.,Ltd.)上で濾過した。濾過後、50mM Tris−HCl(pH7.4)でglass filterを3回洗浄した後、乾燥機でglass filterを60℃にて90分間乾燥させた。乾燥後、90℃のホットプレート上にて、glass filterにMeltilex B/HS(PerkinElmer Co.,Ltd.)を融解浸透させ、glass filterをクリアフィルムケースに入れてMicrobeta2(PerkinElmer Co.,Ltd.)用測定カセットに装填した。Glass filter上の放射活性は、Microbeta2(PerkinElmer Co.,Ltd.)により測定し、非特異的結合は、非放射性リガンド(μ:DAMGO,δ:DPDPE,κ:U−69,593,各10μM)存在下および非存在下における結合能の差により算出した。オピオイド受容体結合試験にて得られる平衡阻害定数(Ki値)は、GraphPad Prism6(GraphPad Software,Inc.,CA,USA)を用い、実験における逆S字曲線から得られるIC50値をCheng and Prusoff式(Ki=IC50/(1+L/Kd))に適用して算出した。式中のLは放射性リガンドの濃度とし、解離定数Kd値は、放射性リガンドと非放射性リガンドの置換実験から算出した。
その結果を表1に記載する。

DAMGO:
[D−Ala,N−MePhe,Gly−Ol]enkephalin

DPDPE:
[D−Pen2,5]−enkephalin hydrate

U−69,593:
(+)−(5α,7α,8β)−N−Methyl−N−[7−(1−pyrrolidinyl)−1−oxaspiro[4.5]dec−8−yl]−benzeneacetamide
表1に示すとおり、本発明の化合物13は、オピオイドκ受容体に対して強力な親和性を示した。
(試験例2)
35 S]GTPγS結合試験
35S]GTPγS結合試験では、GTP−GDP交換反応に基づいた被験化合物によるオピオイド受容体作動活性を評価した。実験では、細胞膜標本(75μg/well)を96穴マイクロプレートに播種し、各種濃度の被験化合物、30μM guanosine−5‘−diphosphate(GDP:Sigma−Aldrich Co.,MO.USA)および100pM[35S]GTPγS(PerkinElmer Co.,Ltd.)を加え、25℃、300rpmにて2時間のインキュベーションを行った。インキュベーション終了後、FilterMate cell harvester(PerkinElmer Co.,Ltd.)を使用し、50mM Tris−HCl(pH7.4)に4℃で予め浸したFiltermat B glass filter(PerkinElmer Co.,Ltd.)上で濾過した。濾過に続けて、50mM Tris−HCl(pH7.4)でglass filterを3回洗浄した後、乾燥機でフィルターを60℃にて90分間乾燥させた。乾燥後、90℃のホットプレート上にて、glass filterにMeltilex B/HS(PerkinElmer Co.,Ltd.)を融解浸透させ、glass filterをクリアフィルムケースに入れてMicrobeta2(PerkinElmer Co.,Ltd.)用測定カセットに装填した。Glass filter上の放射活性は、Microbeta2(PerkinElmer Co.,Ltd.)により測定し、非特異的結合は、非放射性リガンド(10μM GTPγS:Sigma−AldricH Co.)存在下および非存在下における結合能の差により算出した。[35S]GTPγS結合試験にて得られる被験化合物の50%有効濃度(EC50値)は、GraphPad Prism6(GraphPad Software,Inc.,CA,USA)を用い、実験で得られるS字曲線から算出した。
その結果を表2に記載する。
表2に示すとおり、本発明の化合物13は、オピオイドκ受容体に対して強力なアゴニスト活性を有することが確認された。
(試験例3)
酢酸ライジング試験
被験化合物の鎮痛作用は、酢酸ライジング試験により評価した。実験には、ICR系雄性マウスを用い、試験開始前にプラスチック製オープンフィールドへ30分馴化させた。馴化後、マウスは、被験化合物(0.3−10μg/kg)あるいは生理食塩水を皮下投与(s.c.)にて投与され、一度オープンフィールドへ戻された。被験化合物皮下投与30分後、0.6%酢酸水溶液を腹腔内投与(i.p.)で同じマウスに追加投与した。酢酸水溶液投与10分後より、マウスにおいて誘発されるライジング反応(腹腔を床に押し付けて伸びをするような身もだえ反応)回数を10分間計測し、このライジング反応回数を対照群(生理食塩液投与群)と比較して、被験化合物の鎮痛効果を評価した。その結果を表3に記載する。
表3に示すとおり、本発明の化合物13は、強力な鎮痛作用を示すことが確認された。
(試験例4)
ロータロッド試験
被験化合物の鎮静作用(運動協調性障害作用)は、ロータロッド試験により評価し、実験には、事前にロータロッド訓練により運動課題を習得したマウスを使用した。ロータロッド訓練は、マウスが、3rpmで回転する回転軸棒上(直径3cm、KN−75、夏目製作所)に60秒間馴化して運動学習を獲得するまで、適度な休息時間を設けながら繰り返し訓練し、その後、3rpm 180秒間、4rpm 180秒間、および5rpm 180秒間の計3回のトレーニングを設けた。すべての訓練の後、90分から120分間の休息を設け、マウスの負担を軽減させた。なお、訓練によっても運動学習を獲得できなかったマウスは、実験には使用しなかった。
ロータロッド試験では、被験化合物投与前にプレ値として5rpm 300秒間 (カットオフ値300秒) における総落下回数と初回落下までの回転軸棒上での滞在時間を測定した。プレ値の測定後、被験化合物(1−30μg/kg)もしくは生理食塩液をマウスに皮下投与(s.c.)で処置し、被験化合物投与後120分値における被験化合物の鎮静作用を、8rpm 300秒間における総落下回数で評価し、その結果を図1に記載する。
図1に示すとおり、本発明の化合物13はナルフラフィンと比較し鎮静作用を示さないことが確認された。

Claims (6)

  1. 次の一般式(I)、
    (式中、Rは水素、C1−6アルキルから選択され、nは0〜2の整数を表す)
    で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  2. (a)(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−N−フェニル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド
    (b)(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド
    (c)(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−N−フェネチル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド
    (d)(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジヒドロキシ−N−メチル−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−6−カルボキサミド
    から選択される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  3. 請求項1又は2いずれか1項に記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
  4. オピオイドκ受容体に関連する疾患の治療又は、改善、予防剤である請求項3記載の医薬。
  5. 鎮痛薬である請求項3又は4記載の医薬。
  6. 止痒薬である請求項3又は4記載の医薬。
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