JP6809310B2 - 電磁チャック装置の制御方法、及び電磁チャック装置 - Google Patents

電磁チャック装置の制御方法、及び電磁チャック装置 Download PDF

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Description

本発明は、電磁チャック装置の制御方法、及び電磁チャック装置に関する。
従来、工作物に対して切削、又は研削等の加工を行なう場合に電磁気による吸着力(磁気吸引力)を利用して工作物を面板上に固定する電磁チャック装置の技術がある。このような電磁チャック装置では、通常、8極や10極の極磁を用い、工作物に磁束を通して磁気力を発生させ、工作物を面板上の全面で吸着し強固に固定する。このため、工作物の被吸着面の平面度があまり良くない場合、工作物と直接接していない極磁の部分においても、工作物は電磁チャック装置によって吸着され面板の形状に倣い変形してしまう場合がある。この場合、工作物が変形した状態のまま、被吸着面以外の面が加工されるので、電磁チャック装置による吸着を解除した際には、拘束されていた変形が開放され、工作物の加工面が変形してしまう虞がある。
また、バッキングプレート(吸着支持部材)と呼称される部材を用いて工作物を支持する方法がある。なお、バッキングプレートとは、電磁チャック装置の面板と工作物の被吸着面との間に介在させる磁性体からなる部材である(バッキングプレートの一例としては、下記特許文献1〜5がある)。
バッキングプレートは、工作物の吸着面を嵩上げする部材である。よって、加工装置(研削盤,マシニングセンタなど)によって工作物の吸着面付近まで加工するときに、加工装置の工具が、電磁チャックの吸着面と接触(破損)することを防ぐことができる。また、工作物を電磁チャックに直接吸着させると、工作物と電磁チャックの吸着面とが直接接触して電磁チャックの吸着表面が変形(破損)し、平面度を保てなくなることがある。これに対し、工作物をバッキングプレートで支持することにより電磁チャックの吸着表面の変形(破損)を防止することができる。
特開平6−31602号公報 特開2016−112650号公報 特許第5416527号公報 特開2001−25910号公報 特開2014−213424号公報
しかしながら、上述した従来の対策方法では、各バッキングプレートを、S極又はN極のいずれかの磁極の上に配置している。このような配置では、バッキングプレートを、例えば、面板の周方向においてS極→N極→S極の順に配置した場合、最後の磁極(S極)と初めの磁極(S極)とは必ず同じ磁極の組み合わせとなる。このため、S極−S極間では磁路が形成できず、発生する磁気力が低下し、工作物に対する十分な吸着力(把持力)が得られないという課題がある。また、工作物を吸着(把持)する場合に工作物が変形するという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、磁気力による吸着によって面板上に工作物を把持する場合において、工作物を変形させず、且つ十分な把持力を発揮することが可能な電磁チャック装置の制御方法、及び電磁チャック装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の電磁チャック装置の制御方法は、電磁チャック本体の面板上面に形成される複数の磁極部を備え、制御装置が制御する前記磁極部の磁気力によって工作物を吸着する制御方法である。前記電磁チャック装置は、前記面板上面である前記磁極部の上面において各対向面が所定の隙間を有して対向し配置される一対の吸着支持部材を少なくとも3組備え、各前記一対の吸着支持部材が、それぞれ前記複数の磁極部のうちの隣り合う異なる種類の磁極部間の境界を挟んで配置され、各前記一対の吸着支持部材の各第一平面が、前記隣り合う磁極部の各上面に接触した状態において、前記制御方法は、前記各第一平面と背向する各第二平面を備えた各前記一対の吸着支持部材のうち前記各第二平面が前記工作物の前記被吸着面と接触する一対の吸着支持部材を確認する第一工程と、前記第一工程において、前記被吸着面との接触が確認された前記一対の吸着支持部材が固定される前記磁極部を前記制御装置が制御して前記磁気力を発生させ、接触した前記第二平面と前記被吸着面とを吸着させる第二工程と、を備える。
このように、この制御方法では、工作物が未研削状態であり、全体に歪みがある可能性のある場合、第一工程において、工作物が一対の吸着支持部材の上面に載置された状態で、工作物が接触する部分を確認し、その後、第二工程において、工作物が接触する部分のみ磁気力を発生させ、工作物を吸着によって固定する。このため、工作物を歪ませることなく、被吸着面に背向する端面(基準面)の加工が良好にできる。よって、加工した基準面(端面)を基準とし加工することで、加工精度の高い工作物が得られる。
また、上記課題を解決するため、請求項5の電磁チャック装置は、電磁チャック本体の面板上面に形成される複数の磁極部を備え、制御装置に制御される前記磁極部の磁気力によって工作物を前記面板上面に吸着する電磁チャック装置であって、前記電磁チャック装置は、前記面板上面である前記磁極部の上面において各対向面が所定の隙間を有して対向し配置される一対の吸着支持部材を少なくとも3組備え、各前記一対の吸着支持部材は、それぞれ前記複数の磁極部のうちの隣り合う異なる種類の磁極部間の境界を挟んで配置され、各前記一対の吸着支持部材の各第一平面が、前記隣り合う磁極部の各上面に接触し、前記制御装置は、前記各第一平面と背向する各第二平面を備えた各前記一対の吸着支持部材のうち前記各第二平面が前記工作物の前記被吸着面と接触する一対の吸着支持部材を確認する第一処理部と、前記第一処理部において、前記被吸着面との接触が確認された前記一対の吸着支持部材が固定される前記磁極部を制御して前記磁気力を発生させ、接触した前記第二平面と前記被吸着面とを吸着させる第二処理部と、を備える。これにより、上記請求項1で説明した制御方法によって得られるのと同じ効果を奏する電磁チャック装置が得られる。
本実施形態に係る研削盤の全体構成を示す概略図である。 G軸線を通る図1の電磁チャック本体部分及び図3の電磁チャック本体部分の断面図である(図3においては、II−II矢視断面図)。 図1の研削盤に備えられる電磁チャック本体の拡大平面図である。 図3における一対の吸着支持部材の拡大図である。 図4におけるQ視図である。 図4における一対の吸着支持部材を構成する各部を説明する図である。 工作物が支持される一対の吸着支持部材における支持部を説明する図である。 支持部における把持角度と工作物の変形量との関係を示すグラフである。 一対の吸着支持部材の間の隙間と工作物を通過する磁束密度との関係を示すグラフである。 一対の吸着支持部材と工作物との間を通過する磁束を説明する図である。 電磁チャック装置の作用を説明するフローチャートである。 変形例2における一対の吸着支持部材と、把持角度とを説明する図である。 変形例3における一対の吸着支持部材と、把持角度とを説明する図である。
<1.第一実施形態>
(1−1.研削盤の構成)
以下、本発明に係る電磁チャック装置60(保持装置に相当する)を、工作物Wに対して研削を行なう研削盤1に適用した第一実施形態について説明する。なお、図1においては、水平面で直交する方向をX軸線方向及びY軸線方向とし、X軸線方向及びY軸線方向に直交する方向をZ軸線方向とする。
図1〜図3に示すように、研削盤1は、ベッド2と、コラム3と、テーブル5と、砥石車9(砥石に相当)と、主軸台40と、電磁チャック装置60と、を備える。コラム3及びテーブル5はベッド2上に設けられる。また、本実施形態においては、工作物Wは、円環状の部材として説明する。ただし、工作物Wの形状は、あくまで一例であって、円環に限定されるものではない。
図1に示すように、コラム3は、砥石車9(砥石)がテーブル5上における工作物Wの研削位置に対し進退可能(相対移動可能)となるようベッド2上に配置される。コラム3は、駆動機構3Aによって、X軸線方向に往復移動(進退)可能に構成される。図1に示すように、コラム3の側面には、駆動機構31によって、Z軸線方向に昇降(進退)可能な砥石台4を備える。砥石台4は、駆動機構32によって、Z軸線回りに回転駆動可能なロータリー型の砥石車9(砥石に相当)を備える。砥石車9は、下方に延びる保持軸33の下端に保持される。
図2に示すように、主軸台40は、主軸本体41と、Z軸線方向と平行なG軸線回りに回転可能な工作主軸42とを備える。なお、図2は、図3に示す電磁チャック装置60が備える電磁チャック本体61の平面視におけるII−II矢視断面図である。主軸本体41には、図略の駆動機構が内蔵される。工作主軸42は、主軸本体41が備える駆動機構によってG軸線回りに回転可能となるよう主軸本体41に取り付けられる。工作主軸42は、主軸本体41の上端から若干突出して取り付けられる。そして、工作主軸42の上端には電磁チャック本体61が固定される。
テーブル5は、電磁チャック本体61が配置される位置に貫通穴52を備える。貫通穴52には、主軸台40の工作主軸42が、挿通される。そして、主軸本体41が、貫通穴52に対応するテーブル5の裏面に固定される。そして、電磁チャック本体61は、工作主軸42とともにG軸線回りに回転する。
(1−2.電磁チャック装置(保持装置)の構成)
次に、本発明に係る電磁チャック装置60(保持装置)の構成について、図1,図3〜図10に基づき詳細に説明する。電磁チャック装置60は、電磁チャック本体61と、8組の一対の吸着支持部材62,63と、制御装置64と、を備える。本発明に係る8組の一対の吸着支持部材62,63は、電磁チャック本体61の面板61a上面に設けられる。
電磁チャック本体61は、例えば鉄系の磁性材料によって、底部である面板61aを上側にして有底筒状に形成される。つまり、面板61aは、電磁チャック本体61の軸線方向から見た場合、外周が円形で形成される。
図3に示すように、本実施形態では面板61aの上面に、8個(複数に相当)の磁極部71〜78を備える。各磁極部71〜78は、面板61aのG軸線(主軸線、中心軸線)回りで周方向に等角度間隔で分割され、それぞれ扇状に形成される。8個の磁極部71〜78の上面高さは全て同一である。
なお、以降、磁極部71〜78の各上面を上面71a〜78aとする。また、分割された各磁極部71〜78の間の境界(線)を境界71L〜78Lとする。このとき、71Lは、磁極部71と磁極部72との間の境界(線)である。また、境界78Lは、磁極部78と磁極部71との間の境界(線)である。他の磁極部72〜77と他の境界72L〜77Lとの関係も同様である。
面板61aの上面と、磁極部71〜78の上面71a〜78aとは同一面である。8個の磁極部71〜78は、制御装置64の制御によって図略のコイルにそれぞれ電流が供給されると各々磁化される。磁化された8個の磁極部71〜78では、図3に示すようにS極及びN極が周方向に交互に形成される。なお、この態様に限らず、図3に示すS極をN極とし、N極をS極とするように制御してもよい。
ただし、後に詳述するが、本実施形態においては、未加工(未研削)状態の工作物Wの端面(被吸着面Wa)を磁極部71〜78の磁気力によって、吸着支持部材62,63の上面に吸着させる場合には、工作物Wの被吸着面Waを吸着支持部材62,63の上面に載置したときに、被吸着面Waが接触する吸着支持部材62,63の磁極部のみを制御装置64によって制御し、磁化させる。
また、加工済み(研削済み)状態であり、所定の平面度が確保された工作物Wの端面(被吸着面Wa)を磁極部71〜78の磁気力によって、吸着支持部材62,63の上面に吸着させる場合には、制御装置64の制御によって、全ての磁極部71〜78に磁気力を発生させる。なお、電磁チャック本体61は、内部に電磁コイル等を備えるが、公知であるので、その構成、及び作動についての詳細な説明は省略する。
(1−3.一対の吸着支持部材)
本実施形態では、上述したように、面板61aの上面に一対の吸着支持部材62,63を8組備えている。図3に示すように8組の各吸着支持部材62,63は、磁極部71,72の上面71a,72a、磁極部72,73の上面72a,73a、磁極部73,74の上面73a,74a、磁極部74,75の上面74a,75a、磁極部75,76の上面75a,76a、磁極部76,77の上面76a,77a、磁極部77,78の上面77a,78a及び磁極部78,71の上面77a,78aにそれぞれ跨って配置される。
つまり、各吸着支持部材62,63は、全ての境界71L〜78Lの周方向両側にそれぞれ配置される。なお、周方向とは、面板61aの中心軸線Gを中心とする面板61a上面における周方向をいうものとする。以降の説明において、説明なく「周方向」とのみ記載した場合は、この周方向のことをいうものとする。
8組の吸着支持部材62,63は、それぞれ同様の形状によって形成される。よって、以降では、主に磁極部76,77の上面76a,77aに配置される一対の吸着支持部材62,63のみを取り出し説明する。
図3に示すように、これから説明する吸着支持部材62,63は、8個の磁極部のうちの隣り合う磁極部76(N極),及び磁極部77(S極)間の境界76Lを挟んで配置される。また、図4,図5に示すように、一対の吸着支持部材62,63は、下面62a,63a(第一平面に相当)と、対向面62b,63bと、上面62c,63c(第二平面に相当)と、背向面62d,63dと、径方向内側面62e,63eと、径方向外側面62f,63fと、を備える六面体の部材である。図5、図6に示すように、下面62a,63aは、磁極部76,77の各上面76a,77aとそれぞれ接触面積(面積)S1,S1で接触する。
図4に示すように対向面62b,63bは、境界76Lを挟んだ状態で、且つ対向する各対向面62b,63bが所定の隙間α1を有した状態で相互に平行に配置される。また対向面62b,63bは、境界76L及び電磁チャック本体61の中心軸線を含む仮想平面と平行でもある。
所定の隙間α1は、下面62a,63aと平行で且つ背向し、各対向面62b,63bと直交し連続して形成される上面62c,63c(図6中の斜線部参照)の位置を、面板61a上面における周方向において、相互にできるだけ接近させるため設定されるものである。
なお、上面62c,63cは、接触する工作物Wの被吸着面Waを吸着し固定する部位である。図6に示すように、本実施形態においては、電磁チャック本体61の中心軸線方向から見た場合、上面62c,63cの各面積S2,S2(斜線部)は、下面62a,63aの接触面積S1,S1よりも小さく(S1>S2)、且つ境界76L側に寄って配置される。また、上面62c,63cでは、対向面62b,63b側の辺と対向する側の辺が面板61aの外周側から中心軸線(G)と交差する方向に向い傾斜して形成される。
このように、上面62c,63cを下面62a,63aより小さくした上で、さらに相互に接近させること、つまり所定の隙間α1を小さくすることにより、吸着支持部材62,63の上面62c,63cによって形成される工作物Wの被吸着面Wa(下面)を支持する支持部SP(図7参照)に応じた把持角度θ1を小さくすることができる。
なお、このとき、支持部SPとは、図7に示すように、面板61aの中心軸線方向からみた場合において、工作物Wの被吸着面Waと、吸着支持部材62,63の上面62c,63cとが交差する範囲のうち、上面62c,63cの間の隙間α1分を含んだ斜線部の範囲をいう。そして、把持角度θ1は、面板61aの中心軸線(G)と、中心軸線方向からみた多角形の支持部SPの各頂点と、を結んだ各線分同士がなす角度のうち最大となる角度をいうものとする(図7参照)。
これにより、工作物Wの被吸着面Wa(下面)を、例えば、3組の吸着支持部材62,63により3箇所で吸着し支持(固定)する場合には、被吸着面Waは、周方向においてそれぞれ把持角度θ1という十分狭い範囲で支持される。このため、被吸着面Waが、面板61aの上面の広い範囲で吸着固定された場合に生じやすい工作物Wの変形を効果的に抑制できる。なお、ここでいう、3箇所とは、3対の吸着支持部材62,63の各上面62c,63cが全て被吸着面Waと接触する状態をいうものとする。
なお、参考として把持角度θdeg(横軸)と工作物Wの変形量(縦軸)との関係を図8に示す。図8のグラフは、吸着支持部材62,63の支持幅の変化に対しての工作物Wの変形量を分析したものであり、CAE解析等によるものである(3点支持;3組の吸着支持部材62,63)。図8のグラフが示すように、把持角度θ2までの間においては、把持角度θが小さいほど工作物Wの変形量は小さいことがわかる。従って本実施形態で設定する所定の把持角度θ1は、0deg〜把持角度θ2までの間で設定されることが好ましい。
しかしながら、所定の把持角度θ1を小さくするため、所定の隙間α1を小さくするにも限度がある。つまり、所定の隙間α1が小さすぎると、例えば、吸着支持部材62を通過する磁束の一部又は大部分が、対向面62bと対向する吸着支持部材63の対向面63bに向かい漏れてしまう場合がある(空気中等に磁束が漏れる)。
なお、対向面62bと対向面63bとの間の隙間α(横軸)と、吸着支持部材62,63及び工作物Wを通過する磁束密度Bの大きさ(縦軸)との関係を参考として図9のグラフで示す。図9のグラフは、CAE解析等によるものである。図9のグラフが示すように、隙間αがα2を越えるまでは、隙間αの大きさが増加すると磁束密度Bは増加する。これは、対向面62bと対向面63bとの間を通過する磁束の量(漏れ磁束量)が減少するためである。しかし、隙間α2を越えると磁束密度Bは減少する。これは、磁束が通過する磁路の全体の長さが長くなり抵抗となるためである。従って、本実施形態で設定する所定の隙間α1は、所望の磁束密度Bが得られる範囲Ar1内で設定されることが好ましい。
所定の隙間α1及び所定の把持角度θ1は、上記の各条件を両立させるよう事前の検討によって予め求め設定される。これにより、吸着支持部材62,63の上面62c,63cには、良好に磁気力が発生し工作物Wに対して十分な吸着力を得ることができる。
そして、上記のように形成された上面62c,63c、下面62a,63a及び対向面62b,63bの各辺を接続して背向面62d,63d、径方向内側面62e,63e、及び径方向外側面62f,63fが形成される。図5に示すように、背向面62d,63dは、各対向面62b,63bに対してそれぞれ傾斜を有した状態で背向して形成される。
つまり、背向面62d,63dは、電磁チャック本体61の中心軸線方向において、下方から上方に向って各対向面62b,63bとの距離が漸減するよう傾斜している。また、背向面62d,63dは、面板61aの外周側から中心軸線に向い各対向面62b,63bとの距離が漸減するよう傾斜している。
なお、上記態様は、あくまで一例であって、吸着支持部材62,63は、少なくとも、下面、対向面、上面、及び背向面を備えていれば、どのように形成されても良い。また、上記において、各対向面62b,63bは、平行であると述べたが、この態様には限らない。各対向面62b,63bは、対向面62b,63b間を通過する磁束量、及び把持角度θ1等が許容される範囲内に入っていれば、相互に傾きを有して形成されても良い。
また、面板61aの上面において、8組の吸着支持部材62,63が配置される位置は、図3に示すように、面板61aの中心軸線を中心とする同一円周上である。なお、このとき、8組の吸着支持部材62,63の各位置はどのように定義し設定してもよい。例えば、上述した支持部SPの重心が、面板61aの中心軸線を中心とする同一円周上に配置されるようにしてもよい。
(1−4.制御装置)
制御装置64の一部は、電磁チャック装置60を構成するとともに、機能的構成として、コラム3の送りの制御、砥石台4の昇降の制御、主軸台40の回転と電磁チャック本体61の吸引の制御、砥石車9の回転の制御、及びデータやプログラムの記録等を行なう。制御装置64は、予め設定された制御データに基づき、各装置を制御することで研削を実施する。
また、制御装置64は、第一処理部64A〜第六処理部64Fを備える。第一処理部64Aは、工作物Wが、8組ある一対の吸着支持部材62,63の各第二平面62c,63c上に載置されたときに、工作物Wの被吸着面Waが接触する一対の吸着支持部材62,63は、どれであるか確認(特定)する。
具体的には、一対の吸着支持部材62,63のそれぞれには、例えばAEセンサ65が取り付けられる(図3参照)。そして、工作物Wが吸着支持部材62,63の上面62c,63cに載置される際、上面62c,63cと接触し発生させる振動がAEセンサ65によって検出され、第一処理部64Aに送信される。第一処理部64Aは、この信号に基づき、被吸着面Waと上面62c,63c(第二平面)とが接触した吸着支持部材62,63を特定する。そして、特定した吸着支持部材62,63を示す信号が、第二処理部64Bに送信される。
第二処理部64Bは、第一処理部64Aにおいて、被吸着面Waとの接触が確認された一対の吸着支持部材62,63が固定される磁極部が備えるコイルに通電し、該当する磁極部に磁気力を発生させる。つまり、接触が検出された一対の吸着支持部材62,63が固定される磁極部71〜78のうちのいずれかの磁極部を制御して磁気力を発生させる。これにより、接触した上面62c,63c(第二平面)と被吸着面Waとを吸着させる。
第三処理部64Cは、コラム3の送りの制御、砥石台4の昇降の制御、主軸台40の回転制御等を行ない、工作物Wの被吸着面Waと背向する工作物Wの端面を砥石車9によって研削加工する。
第四処理部64Dは、磁極部のコイルへの通電を停止して被吸着面Waの吸着を解除する。そして、図略の反転装置(ロボット)を制御して、端面が加工された工作物Wを表裏反転させる。これにより、第三処理部64Cによって研削加工された端面を被吸着面とする。なお、工作物Wの表裏を反転させることができれば、反転装置には、どのような装置を用いても良い。
第五処理部64Eは、各磁極部71〜78の各コイルを通電制御し、8組全ての吸着支持部材62,63の各上面62c,63cを上記被吸着面Waの全面に吸着させる。このとき、被吸着面Wa(平面研削等されている)は、良好な平面度を有している。このため、工作物Wは、8組全ての吸着支持部材62,63によって、歪むことなく非常に強固に吸着固定される。ただし、この態様に限らず、第二処理部64Bで吸着させた3組の吸着支持部材62,63のみによって被吸着面Waを吸着してもよい。被吸着面Waは、平面研削等を行なって、良好な平面度を有しているため、これによっても、十分強固に固定できる。又、3組の吸着支持部材62,63を超える4〜7組の一対の吸着支持部材62,63によって被吸着面Waを吸着しても良い。
第六処理部64Fは、再びコラム3の送りの制御、砥石台4の昇降の制御、主軸台40の回転制御等を行なう。これにより、第二処理部64Bで被吸着面Waとした端面、外周面及び内周面等をそれぞれ砥石車9等によって研削加工する制御を行なう。
次に、研削盤1における工作物Wの搬入、搬出等について説明する。研削加工前において、工作物Wは、電磁チャック本体61の面板61a上に固定された8組ある一対の各吸着支持部材62,63の各上面62c、63c上に搬入される(図3参照)。
このとき、工作物Wの搬入は、図略のロボットにより行われる。ロボットは、工作物Wの中心軸線を電磁チャック本体61の回転中心(中心軸線)と一致させた状態で、工作物Wを搬入するよう構成される。また、ロボットは、工作物Wの表裏を反転させる反転装置も兼ねる。さらに、ロボットは、例えば、すべての加工が終了した研削加工終了後の工作物Wの搬出も行なう。なお、工作物Wの搬入、反転及び搬出は、作業者の手作業により行なってもよく、その場合の上記中心位置合わせは、治具等を用いて行なう。
上記で説明した、例えばロボットによる搬入により、工作物Wは、8組ある一対の各吸着支持部材62,63の上面62c、63c上に載置される。このとき、8組ある一対の各吸着支持部材62,63の上面62c、63cのうち、通常、少なくとも3組の上面62c、63c上に被吸着面Waが接触して載置される。
(1−5.電磁チャック装置の詳細について)
次に、電磁チャック装置60の詳細について説明する。なお、以後においては、説明の都合上、このとき被吸着面Waが接触するのは、磁極部71,72、磁極部73,74及び磁極部76,77に固定される3組の吸着支持部材62,63の各上面62c、63cであると仮定して説明する。
制御装置64の制御により磁束が通過する磁極部76(N極),及び磁極部77(S極)は、相互に異なる磁極(N極とS極)の組み合わせで構成される。このため、図10に示すような磁束bの経路(磁路)が確実に形成される。磁路は、磁極部76(N極)→吸着支持部材62→工作物W→吸着支持部材63→磁極部77(S極)の順に形成される。なお、磁極部71(S極),72(N極)、及び磁極部73(S極),74(N極)等も同様である。
これにより、少なくとも3組の吸着支持部材62,63が工作物Wの被吸着面Waに3箇所で接触し支持する各支持部SPでは、発生する磁気力によって被吸着面Waが強固に吸着される。しかし、このとき、3組の各吸着支持部材62,63間では、対向面62b,63b間の隙間αが、小さな所定の隙間α1で設定されている。このため、それぞれ被吸着面Waと接触する各上面62c、63cが各吸着支持部材62,63の各対向面62b,63bと接続される側、即ち境界76L側にそれぞれ寄って形成されることになる。これにより、前述したように各支持部SP(図7参照)の把持角度θ1は十分小さい。
このように、工作物Wは、支持部SPの把持角度θ1が十分小さな、少なくとも3組の吸着支持部材62,63によって、周方向の少なくとも3箇所で支持される。従って、工作物Wは、各支持部SPでそれぞれ強固に吸着されているが、把持バランス及び把持による撓み力が最適な状態で、把持されている(把持バランス(工作物Wの重心位置が支持点群の内側)、把持による撓み力(支持点や工作物Wの形状による支持点間のずれから生じる工作物Wへの撓み力))。よって、工作物Wの全面が変形される虞は低い。また、工作物Wは、上述したように、少なくとも3組の吸着支持部材62,63によって強固に吸着保持される。このため、被吸着面Waと背向する端面の研削加工時に、砥石車9との接点において工作物Wが砥石車9から研削抵抗を受けても工作物Wが吸着支持部材62,63の上面の研削位置からずれる虞はない。これにより、工作物Wは、精度よく研削加工される。
(1−6.電磁チャック装置の制御方法)
電磁チャック装置60の制御方法について図11のフローチャートに基づき説明する。図11のフローチャートに示すように、ステップS10において、少なくとも両端面が未研削の工作物Wのいずれかの端面を各吸着支持部材62,63の上面62c、63cに上述したようにロボットによって載置する。
ステップS20(第一工程)では、上面62c、63cと工作物Wの被吸着面Waとの接触位置が第一処理部64Aによって確認(特定)される。具体的には、上述したように、各吸着支持部材62,63にそれぞれ設けられた各AEセンサ65が、工作物Wを各吸着支持部材62,63の上面62c、63cに載置する際に発生する振動を検出する。次に、AEセンサ65が取得した信号がそれぞれ第一処理部64Aに送信される。そして、第一処理部64Aにおいて、8組の吸着支持部材62,63のうち、工作物Wと接触した吸着支持部材62,63が特定される。なお、AEセンサ65は公知のセンサであるため、詳細な説明については省略する。
説明のため、ステップS20において、工作物Wの被吸着面Waは、例えば、磁極部71,72、磁極部73,74及び磁極部76,77に固定される3組の吸着支持部材62,63の各上面62c、63cに接触していることが特定(確認)できたものとする。
この場合、ステップS30において、特定した磁極部71,72、磁極部73,74及び磁極部76,77に固定される吸着支持部材62,63の情報を第一処理部64Aから第二処理部64Bに送信する。そして、ステップS40(第二工程)において、第二処理部64Bが、磁極部71,72、磁極部73,74及び磁極部76,77の各コイルに電流を供給(通電)する。
これにより、各3個の磁極部(磁極部71,72、磁極部73,74及び磁極部76,77)及び3組(3対)の吸着支持部材62,63を磁気化して工作物Wを強固に吸着する。このとき、工作物Wの被吸着面Waは、3組(3対)の吸着支持部材62,63のみによって吸着固定される。
このため、たとえ、未研削状態の被吸着面Waが変形し歪んでいても、接触していない部分が強制的に吸着支持部材62,63の上面62c,63cに吸着されて変形されることはない。以降、この工作物Wの位置を研削位置と称す。ステップS50では、この研削位置において、被吸着面Waと背向する端面に対して研削が行なわれる。
次に、ステップS60では、上記端面に対する研削が終了した後、第四処理部64Dの制御によって、図略の反転装置(ロボット)が作動され、研削位置において工作物Wが表裏を反転される。
次に、ステップS70では、第五処理部64Eの制御によって、各磁極部71〜78が備える各コイルに通電し、8組全ての吸着支持部材62,63の上面62c,63cを被吸着面Waに吸着させる。なお、ステップS70において、工作物Wは、新たに被吸着面とした高い精度の平面度を有した端面を8組の各吸着支持部材62,63の各上面62c、63cに強固に吸着固定する。このため、下記ステップS80によって工作物Wが砥石車9から受ける研削抵抗によって面板61a上でずれる虞はない。
そして、ステップS80では、第六処理部64Fの制御によって、再びコラム3の送りの制御、砥石台4の昇降の制御、主軸台40の回転制御を行なう。これにより、第二処理部64Bで被吸着面Waとした端面、外周面及び内周面等をそれぞれ砥石車9等によって研削加工する。これにより、加工精度のよい工作物Wが容易に得られる。
(1−7.その他の態様)
なお、上記第一実施形態においては、磁極部を8極とした。しかしこの態様には限らず、磁極部は、4極以上、及び偶数個であり、且つ製作が可能であれば何極であってもよい。
また、上記第一実施形態においては、工作物Wの被吸着面Waと、各吸着支持部材62,63の上面62c、63cとの接触を、AEセンサ65を用いて検出する構成とした。しかし、この態様には限らない。被吸着面Waと上面62c、63cとの接触は、作業者の目視によって行なってもよい。この場合、目視で確認した作業者が、確認した結果、即ち上面62c、63cが被吸着面Waと接触した吸着支持部材62,63が固定される磁極部の情報を制御装置64の第一処理部64Aに入力してやればよい。これによっても同様の効果が得られる。
また、工作物Wの被吸着面Waと、各吸着支持部材62,63の上面62c、63cとの接触を、AEセンサ65を用いず、別のセンサによって構成し検出しても良い。例えば、エアギャップセンサや光学センサによって検出してもよい。エアギャップセンサの場合、各吸着支持部材62,63の上面62c、63cと、工作物Wの被吸着面Waとの間に所定のエア圧力をかけ、エアが漏れる量から両者(上面62c、63c及び被吸着面Wa、以後同様)の間の隙間を推定し、推定した隙間から両者が接触しているか否かを判定する。また、両者の間の隙間から漏れる光の漏れ量から両者が接触しているか接触していないかを判定してもよい。さらには両者の間の電気抵抗から両者が接触しているか接触していないかを判定してもよい。
また、上記実施形態においては、ステップS40において、被吸着面Waに接触する吸着支持部材62,63は3組であり、接触した3組を吸着するものとして説明した。しかし、この態様にはかぎらない。実際には、被吸着面Waと吸着支持部材62,63の上面62c、63cとは、3組を超えて接触する場合もある。その場合は、接触したすべての吸着支持部材62,63に磁気力が発生するよう制御すればよい。
また、上記第一実施形態においては、3組の各吸着支持部材62,63は、それぞれ被吸着面Waと接触する各上面62c、63cが各吸着支持部材62,63の各対向面62b,63bと接続される側、即ち境界76L側にそれぞれ寄って形成された。しかし、この形態には限らない。変形例1(図略)として、各吸着支持部材62,63は、各上面62c、63cが、各下面62a、63aと平行で且つ同じ形状で形成されていてもよい。
また、変形例2として、3組の各吸着支持部材62A,63Aは、図12に示すように背向面62dA,63dAが対向面62b,63bに対して傾斜していない直方体形状の部材でもよい。この場合、各支持部SPの把持角度θ1は、図12に示す部分の角度をいうものとする。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記第一実施形態においては、一対の吸着支持部材62,63は、下面62a,63a(第一平面に相当)と、対向面62b,63bと、上面62c,63c(第二平面に相当)と、背向面62d,63dと、径方向内側面62e,63eと、径方向外側面62f,63fと、を備えたが、変形例3として、径方向内側面62e,63eを備えていなくてもよい(図13参照)。この場合、各支持部SPの把持角度θ1は、図13に示す部分の角度をいうものとする。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、荒加工、仕上げ加工など加工の種類(工程)によって、磁極部のコイルに通電する電圧や電流などを制御装置64で制御し、磁気力を変更(調整)して加工の種類(工程)に応じた最適な把持力(吸着力;加工で必要な工作物の保持力)を発生させるようにしてもよい。これにより、把持力による工作物の変形を防止できる。また、加工に不要である余分な把持力を低減させることができ、無駄なエネルギーを削減できる。
(1−8.実施形態による効果)
上記実施形態によれば、電磁チャック装置60の制御方法は、電磁チャック本体61の面板61a上面に形成される複数の磁極部71〜78を備え、制御装置64が制御する磁極部71〜78の磁気力によって工作物Wを吸着する電磁チャック装置60の制御方法である。電磁チャック装置60は、面板61a上面である磁極部71〜78の上面において各対向面62b,63bが所定の隙間α1を有して対向し配置される一対の吸着支持部材を少なくとも3組備え、各一対の吸着支持部材62,63が、それぞれ複数の磁極部71〜78のうちの隣り合う磁極部間の境界を挟んで配置され、各一対の吸着支持部材62,63の各第一平面62a,63aが、隣り合う磁極部の各上面に接触し固定された状態において、制御方法は、各第一平面62a,63aと背向し且つ各対向面62b,63bと連続して接続される各第二平面62c,63cを備えた各一対の吸着支持部材62,63のうち各第二平面62c,63cが工作物Wの被吸着面Waと接触する一対の吸着支持部材を確認する第一工程(ステップS20)と、第一工程(ステップS20)において、被吸着面Waとの接触が確認された一対の吸着支持部材62,63が固定される磁極部を制御装置64が制御して磁気力を発生させ、接触した第二平面62c,63cと被吸着面Waとを吸着させる第二工程(ステップS40)と、を備える。
このように、本発明に係る制御方法では、工作物Wが未研削状態であり、全体に歪みがある可能性のある場合には、第一工程(ステップS20)において、工作物Wを各一対の吸着支持部材62,63に載置した状態で、工作物Wが接触する部分を確認する。そして、第二工程(ステップS40)において、工作物Wが接触する部分のみ吸着させ固定するので、その後、工作物Wを歪ませることなく、被吸着面Waに背向する端面(基準面)の加工が良好にできる。このように、工作物Wを歪ませることなく基準面が加工できるため、加工した基準面(端面)を基準として加工することで、加工精度の良い工作物Wの加工が自在にできる。
また、上記実施形態によれば、第一工程(ステップS20)において、各第二平面62c,63cが、工作物Wの被吸着面Waと接触する一対の吸着支持部材62,63はセンサによって確認する。これにより、接触する一対の吸着支持部材62,63が精度よく検出できるので、工作物Wの被吸着面Waを吸着した時に、変形してしまう虞を大幅に抑制できる。また、自動化が可能となり効率的である。
また、上記実施形態によれば、第二工程(ステップS40)において、磁気力は、加工の種類に基づいて吸着力を変更する。これにより、加工の種類に応じた適切な把持力が得られる。よって、各加工において過大な把持力が発生することを適切に抑制できるので把持力による工作物Wの変形を良好に防止できる。また、加工にとって不要である余分な把持力を低減させることができるので、無駄なエネルギーを削減することができる。
また、上記実施形態によれば、センサは、AEセンサ65である。これにより、安価で且つ信頼性が高い結果が期待できる。
また、上記実施形態によれば、電磁チャック装置60は、電磁チャック本体61の面板61a上面に形成される複数の磁極部71〜78を備え、制御装置64に制御される磁極部71〜78の磁気力によって工作物Wを面板61a上面に吸着する電磁チャック装置60である。電磁チャック装置60は、面板61a上面である磁極部71〜78の上面において各対向面62b,63bが所定の隙間α1を有して対向し配置される一対の吸着支持部材62,63を少なくとも3組備える。各一対の吸着支持部材62,63は、それぞれ複数の磁極部71〜78のうちの隣り合う磁極部間の境界を挟んで配置され、各一対の吸着支持部材62,63の各第一平面62a,63aが、隣り合う磁極部の各上面に接触して固定される。制御装置64は、各第一平面62a,63aと背向し且つ各対向面62b,63bと連続して接続される各第二平面62c,63cを備えた各一対の吸着支持部材62,63のうち各第二平面62c,63cが工作物Wの被吸着面Waと接触する一対の吸着支持部材62,63を確認する第一処理部64Aと、第一処理部64Aにおいて、被吸着面Waとの接触が確認された一対の吸着支持部材62,63が固定される磁極部71〜78を制御して磁気力を発生させ、接触した第二平面62c,63cと被吸着面Waとを吸着させる第二処理部64Bと、を備える。これにより、上記で説明した制御方法によって得られるのと同じ効果を奏する電磁チャック装置60が得られる。
<2.その他>
なお、上記実施形態においては、本発明に係る電磁チャック装置60(保持装置)を研削盤1に適用したが、この態様には限らない。電磁チャック装置60はどのような加工機の保持装置として適用してもよい。また、加工機に限らず、部品を固定する固定具として、どのような装置に用いてもよい。これらによっても同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、電磁チャック装置60の磁極部71〜78の磁化は、磁極用鋼材(図略)に巻いたコイル(図略)に通電することで実現するものとした。しかし、この態様には限らない。電磁チャック本体61の磁極部71〜78の磁化は、電磁チャック本体61内の永久磁石(図略)を移動することによって実現させる方式のものでもよい。これによっても同様の効果が得られる。
1;研削盤、 9;砥石車(砥石)、 40;主軸台、 42;工作主軸、 60;電磁チャック装置、 61;電磁チャック本体、 61a;面板、 62,63;吸着支持部材、 62a,63a;第一平面(下面)、 62b,63b;対向面、 62c,63c;第二平面(上面)、 64;制御装置、 71〜78;磁極部、 71L〜78L;境界、 S1,S2;面積、 W;工作物、 S20;第一工程、 S40;第二工程、 64A;第一処理部、 64B;第二処理部、 65;センサ(AEセンサ)。

Claims (5)

  1. 電磁チャック本体の面板上面に形成される複数の磁極部を備え、制御装置が制御する前記磁極部の磁気力によって工作物を吸着する電磁チャック装置の制御方法であって、
    前記電磁チャック装置は、
    前記面板上面である前記磁極部の上面において各対向面が所定の隙間を有して対向し配置される一対の吸着支持部材を少なくとも3組備え、
    各前記一対の吸着支持部材が、それぞれ前記複数の磁極部のうちの隣り合う異なる種類の磁極部間の境界を挟んで配置され、各前記一対の吸着支持部材の各第一平面が、前記隣り合う磁極部の各上面に接触した状態において、
    前記制御方法は、
    前記各第一平面と背向する各第二平面を備えた各前記一対の吸着支持部材のうち前記各第二平面が前記工作物の被吸着面と接触する一対の吸着支持部材を確認する第一工程と、
    前記第一工程において、前記被吸着面との接触が確認された前記一対の吸着支持部材が固定される前記磁極部を前記制御装置が制御して前記磁気力を発生させ、接触した前記第二平面と前記被吸着面とを吸着させる第二工程と、
    を備える電磁チャック装置の制御方法。
  2. 前記第一工程において、
    前記各第二平面が、前記工作物の前記被吸着面と接触する前記一対の吸着支持部材はセンサによって確認する、請求項1に記載の電磁チャック装置の制御方法。
  3. 前記第二工程において、
    前記磁気力は、加工の種類に基づいて吸着力を変更する、請求項2に記載の電磁チャック装置の制御方法。
  4. 前記センサは、AEセンサである、請求項2又は3に記載の電磁チャック装置の制御方法。
  5. 電磁チャック本体の面板上面に形成される複数の磁極部を備え、制御装置に制御される前記磁極部の磁気力によって工作物を前記面板上面に吸着する電磁チャック装置であって、
    前記電磁チャック装置は、前記面板上面である前記磁極部の上面において各対向面が所定の隙間を有して対向し配置される一対の吸着支持部材を少なくとも3組備え、
    各前記一対の吸着支持部材は、
    それぞれ前記複数の磁極部のうちの隣り合う異なる種類の磁極部間の境界を挟んで配置され、
    各前記一対の吸着支持部材の各第一平面が、前記隣り合う磁極部の各上面に接触し、
    前記制御装置は、
    前記各第一平面と背向する各第二平面を備えた各前記一対の吸着支持部材のうち前記各第二平面が前記工作物の被吸着面と接触する一対の吸着支持部材を確認する第一処理部と、
    前記第一処理部において、前記被吸着面との接触が確認された前記一対の吸着支持部材が固定される前記磁極部を制御して前記磁気力を発生させ、接触した前記第二平面と前記被吸着面とを吸着させる第二処理部と、
    を備える、電磁チャック装置。
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