JP6808457B2 - 脱墨パルプの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は脱墨パルプの製造方法に関する。
環境負荷低減等の観点から、近年、古紙材料の再利用が進んでいる。古紙材料には、新聞古紙材料や、オフィスなどから排出される機密古紙等が存在する。後者は粘着異物を多く含むため再生紙の外観等を低下させるという問題があり、特許文献1には精選除塵工程に供する前に脱水濃縮および希釈することで粘着異物を低減する方法が提案されている。
特開2013−159865号公報
特許文献1の方法は一度濃縮したスラリーを再度希釈する工程を必須とするので効率面や、新たな設備導入に起因するコスト面において課題がある。
特許文献1に記載の方法は粘着異物を多く含む古紙材料の処理方法に関するが、このように従来は比較的異物が少ない古紙材料と比較的異物が多い古紙材料を混合して一つのラインで処理する方法が主流であった。しかし、この方法では異物が多い古紙材料に合わせて厳しい条件で処理を行う必要があるため、スクリーンやフローテーターを用いる工程で多くの原料が無駄にされ、歩留が悪いという問題があった。
発明者らは、2つの製造ラインを併用することで、低コストでかつ効率よく比較的異物が少ない古紙材料と比較的異物が多い古紙材料を共に処理して脱墨パルプを製造できるとの着想を得て、本発明を完成した。すなわち、前記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)(A1)第1古紙原料を離解してスラリーを得る工程、および(A2)前記スラリー中の異物を除去して第1スラリーを得る工程を含む第1ラインと、
(B1)第2古紙原料を離解してスラリーを得る工程、および(B2)前記スラリー中の異物を除去する工程により第2スラリーを得る工程、を含む第2ラインと、を備え、
(B3)当該第2スラリーを、第1ラインの工程A1とA2の間、または工程A2以降に導入する工程をさらに備える、脱墨パルプの製造方法。
(2)前記第1古紙原料は、当該原料あたりの直径100μm以上の粘着異物の量が2,000mm/kg以下、または60g/mの手すきシートとした場合に直径100μm以上のダートの量が3,500mm/m以下であり、
前記第2古紙原料は、当該原料あたりの直径100μm以上の粘着異物の量が1,000mm/kg超、または60g/mの手すきシートとした場合に直径100μm以上のダートの量が1,000mm/m超である、(1)に記載の製造方法。
(3)前記第2古紙原料の前記粘着異物の量が2,000mm/kg超もしくは前記ダートの量が2000mm/m超である、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記工程B2において、スリット幅が0.20mm以下であるスリットスクリーンを使用する、(1)〜(3)に記載の製造方法。
(5)前記工程B2において、1次スリットスクリーン、および2次スリットスクリーンを使用する、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記1次スリットスクリーンによって、前記スラリーを粘着異物およびダートをより多く含む画分S1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s1に分画し、
画分S1を前記2次スリットスクリーンに供給することをさらに含む、(5)に記載の製造方法。
(7)前記工程B2において、1次ホールスクリーン、1次スリットスクリーン、2次ホールスクリーンおよび2次スリットスクリーンを使用する、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記1次ホールスクリーンによって、前記スラリーを粘着異物およびダートをより多く含む画分H1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分h1に分画し、
画分h1を1次スリットスクリーンに供給し、
前記1次スリットスクリーンによって、画分h1を粘着異物およびダートをより多く含む画分S1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s1に分画し、
画分H1と画分S1を前記2次ホールスクリーンに供給する、(7)に記載の製造方法。
(9)前記工程B2において、低濃度クリーナー処理を行う、(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)前記工程B2において、2次スリットスクリーンの後に、3次スリットスクリーン処理を行う、(7)〜(9)のいずれかに記載の製造方法。
(11)前記工程B1において、第2古紙原料をpH7以上pH12未満の条件下で離解する、(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法。
(12)前記工程B1において、第2古紙原料濃度が3〜15重量%である条件下で離解する、(1)〜(11)のいずれかに記載の製造方法。
(13)前記第1ラインが、(A3)異物が除去されたスラリーを脱墨する工程をさらに含む、(1)〜(12)のいずれかに記載の製造方法。
(14)前記A3工程の後に、(A4)脱墨されたスラリー中の異物を精選除去する工程をさらに含む、(13)に記載の製造方法。
本発明により、古紙材料から脱墨パルプを低コストでかつ効率よく製造できる。すなわち、古紙材料から異物の少ない脱墨パルプを高い歩留りで製造することができる。
本発明の製造方法の概要を示す図 工程B2の一態様を示す図 工程B2の別の態様を示す図
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X〜Y」はその端値であるXおよびYを含む。
本発明の製造方法は、メインラインである第1ラインとサブラインである第2ラインを備える。図1を参照して本発明の製造方法の概要を説明する。図1中、A1およびA2は工程を示し、1は第1古紙原料、11はスラリー、12は異物が除去された第1スラリー、13は脱墨されたスラリーを示す。B1およびB2は工程を示し、2は第2古紙原料、21はスラリー、22は異物が除去された第2スラリーを示す。以下、詳細を説明する。
1.第1ライン
本発明の製造方法は、メインラインである第1ラインを含む。第1ラインは以下の工程を含む。
(A1)第1古紙原料を離解してスラリーを得る工程
(A2)前記スラリー中の異物を除去する工程
(1)工程A1
本工程では第1古紙原料1を離解する。第1古紙原料とは、従来より古紙原料として使用されてきた原料である。例えば、直径100μm以上の粘着異物の量が2,000mm/kg以下もしくは直径100μm以上のダートの量が3,500mm/m以下である原料である。粘着異物量は1,500mm/kg以下が好ましく、1,000mm/kg以下がより好ましい。ダート量は3,000mm/m以下が好ましく、2,000mm/m以下がより好ましい。粘着異物量は0.10mmスリットのフラットスクリーン残渣を集めてシート状にし、画像解析して直径が100μm以上の粘着異物の総面積を算出し、これを古紙原料の重量で除して求められる。ダート量は古紙原料を用いて60g/mの手すきシートを作成し、画像解析して直径が100μm以上のダートの総面積を求め、これをシートの面積で除して測定できる。円形でない粘着異物またはダートについては、最大径を前記直径として定義する。第1古紙原料は新聞古紙材料や選別雑誌古紙材料等から調製できる。
離解はパルパー等を用いて定法に従い実施できる。パルパーには固形分濃度3〜5重量%で処理する低濃度パルパー、同濃度5〜18重量%で処理する中濃度パルパー、同濃度18〜25重量%で処理する高濃度パルパーが存在するが、本工程においては異物微細化防止の観点から低濃度パルパーを用いることが好ましい。原料を離解することによりスラリー11を調製できる。
(2)工程A2
本工程ではスラリー11中の異物を除去して第1スラリー12を得る。異物除去は粗選スクリーンを用いて実施することが好ましい。粗選スクリーンとしてはスリットスクリーンやホールスクリーンが挙げられる。スリットスクリーンのスリット幅は0.15〜0.30mmが好ましく、ホールスクリーンのホール径は1.0〜3.0mmが好ましい。当該スリット幅およびホール径は、後述する工程A4で用いるスクリーンのものよりも大きい。異物除去に供するスラリーの固形分濃度は1〜5重量%であることが好ましい。
第1ラインは、(A3)異物が除去された第1スラリー12を脱墨する工程、さらに(A4)脱墨されたスラリー中の異物を精選除去する工程を含んでいてもよい。
(3)工程A3
本工程では異物が除去された第1スラリー12を脱墨する。脱墨はフローテーターを用い定法に従って実施できる。脱墨処理に供するスラリーの固形分濃度は0.5〜2.0重量%であることが好ましい。本工程において公知の脱墨剤を用いてもよい。
(4)工程A4
本工程では脱墨されたスラリー中の異物を精選除去する。精選除去は前述の異物除去よりも小さな異物の除去を目的とする処理である。処理は精選スクリーンを用いて実施することが好ましい。精選スクリーンとしてはスリットスクリーンを用いて行うことが好ましい。この場合、スリット幅は0.15〜0.30mmが好ましく、0.10〜0.20mmがより好ましい。
第1ラインは、古紙原料から脱墨パルプを製造するのに通常採用される洗浄工程等、他の工程を含んでいてもよい。
2.第2ライン
第2ラインは第1ラインに対するサブラインである。第2ラインは以下の工程を含む。
(B1)第2古紙原料を離解してスラリーを得る工程
(B2)前記スラリー中の異物を除去する工程により第2スラリーを得る工程
(B3)当該第2スラリーを、第1ラインの工程A1とA2の間、またはA2以降に導入する工程
(1)工程B1
本工程では第2古紙原料2を離解する。第2古紙原料とは、従来より古紙原料として使用されてきた原料に加え、異物の量が多いため従来は使用することができなかった原料を含む。例えば、パルプあたりの、直径100μm以上の粘着異物の量が1,000mm/kg超もしくは直径100μm以上のダートの量が1,000mm/m超である原料である。粘着異物量の下限は、1500mm/kg超、2000mm/kg超とすることができる。また、粘着異物量の上限は、3,500mm/kg以下、2,500mm/kg以下とすることができる。ダート量の下限値は2,000mm/m超、3,000mm/m超とすることができる。ダート量の上限値は、3,500mm/m以下、3,000mm/m以下とすることができる。第2古紙原料は、いわゆる機密古紙のダンボール封入品や破砕品等から調製できる。ダンボール封入品とは、段ボールに入れられたまま回収された古紙である。破砕品とはシュレッダ等で刻まれた古紙であり、短冊状のものやさいの目状のものがあり、ビニール袋に入れられて回収されることが多い。
離解はパルパー等を用いて定法に従い実施できる。本工程は第2古紙原料濃度が3〜15重量%である条件で実施することが好ましい。また、本工程は中性〜アルカリ領域で実施することが好ましく、具体的にはpH7以上pH12未満の条件下で実施することが好ましい。これらの条件で本工程を実施することにより粘着異物を除去しやすくなる。離解することによりスラリー21を調製できる。
(2)工程B2
本工程ではスラリー21中の異物を除去する。本工程ではスリットスクリーンやホールスクリーンを用いることが好ましい。スリットスクリーンのスリット幅は0.25mm以下が好ましく、0.20mm以下がより好ましい。ホールスクリーンのホール径は1.0〜2.0mmが好ましく、1.2〜1.5mmがより好ましい。異物除去に供するスラリーの固形分濃度は1〜5重量%であることが好ましい。
本工程においては、1次スリットスクリーンおよび2次スリットスクリーンを用いることが好ましい。この態様を図2に示す。1次スリットスクリーン101によって、スラリー21を粘着異物およびダートをより多く含む画分S1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s1に分画し、画分S1を2次スリットスクリーン102に供給することがより好ましい。さらに、2次スリットスクリーン102によって、画分S1を粘着異物およびダートをより多く含む画分S2と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s2に分画することが好ましい。1次スリットスクリーンに供給されるスラリー21の固形分濃度は1〜3重量%であることが好ましい。画分s2を画分s1に導入して両者を合流することができる。画分s1、画分s2、または両者は、1次スリットスクリーン101に再度導入してもよい。
本工程においてはスリットスクリーンとホールスクリーンを併用してもよい。その一態様を図3に示す。1次ホールスクリーン201によって、スラリー21を粘着異物およびダートをより多く含む画分H1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分h1に分画する。1次ホールスクリーンに供給されるスラリー21の固形分濃度は1〜5重量%であることが好ましい。
画分h1を1次スリットスクリーン101に供給して粘着異物およびダートをより多く含む画分S1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s1に分画する。画分H1と画分S1を2次ホールスクリーン202に供給する。画分h2を、2次スリットスクリーン102に導入して画分s2を得て、h1と合流してもよい。図示してないが画分s2を1次ホールスクリーン201に供給してもよい。さらに、2次スリットスクリーン102の後に3次スリットスクリーンを設けてもよい。
さらに、本工程においては低濃度クリーナー処理を行うことが好ましい。低濃度クリーナーとは低濃度の微細異物を除去する装置であり、例えば自由旋回流タイプのものがある。低濃度クリーナー処理は任意の位置で1〜複数回実施してよいが、例えば1次スリットスクリーンと2次スリットスクリーンの間において実施することが好ましい。
(3)工程B3
本発明は、異物量が多い下級古紙原料(第2古紙原料)を一定レベルに精製してスラリーとし、当該スラリーを第1ラインの工程A1とA2の間、または工程A2以降に導入する。工程A3(脱墨工程)を備える場合は、前記スラリーを工程A1とA2の間、または工程A2と工程A3の間に導入することが好ましい。この構成によって、第2古紙原料と第1古紙原料とを同時に脱墨処理できるので、従来は洋紙の原料に使用することが想定されていなかった下級古紙原料を、洋紙等用の脱墨パルプに再生できる。工程A1からのスラリーまたは工程2からのスラリー(第1スラリー):第2スラリーの重量比は、95:5〜7030が好ましく、90:10〜8020が好ましい。
[実施例1]
(1)第1ライン
<A1工程>
80重量%の新聞古紙と20重量%の選別雑誌古紙を混合して第1古紙原料を調製した。
パルパー(フォイト社製)を用いて以下の条件で当該材料を離解してスラリーを得た。
パルプ濃度:15重量%
温度:40℃
撹拌時間:15分
添加薬剤:苛性ソーダ/ケイ酸ソーダ/過酸化水素/脱墨剤(リポブライトDP830K、日華化学社製)=8.0/3.0/2.1/2.0(kg/(パルプ+水の合計量1t))
得られたスラリーをパルパー底部のストレーナー(φ5.0mm)に通過させて3重量%のスラリーを得た。パルパーでのリジェクト率は2.3重量%であった。離解時のpHは11.0であった。当該スラリーのダート量は1837mm/m、粘着異物の量は1740mm/kgであった。
<A2工程>
当該スラリーをホール径1.4mmのホールスクリーン(フォイト社製)に供給した。通過流をスリット幅0.25mmの1次スリットスクリーン(フォイト社製)に供給して異物が多い画分(非通過流)と少ない画分(通過流)に分離した。異物が多い画分をスリット幅0.25mmの2次スリットスクリーン(フォイト社製)に供給した。2次スリットスクリーンの通過流を1次スリットスクリーンに再度供給した。
このようにして第1ラインを形成した。結果を表1に示す。当該ラインの処理流量は124m/h、歩留は96%であった。
(2)第2ラインB−1
<B1工程>
第2古紙原料として板紙向け雑誌古紙を準備し、パルパー(フォイト社製)を用いて以下の条件で当該材料を離解してスラリーを得た。
パルプ濃度:15重量%
温度:40℃
撹拌時間:15分
添加薬剤:苛性ソーダ/ケイ酸ソーダ/過酸化水素/脱墨剤(リポブライトDP830K、日華化学社製)=8.0/3.0/2.1/2.0(kg/(パルプ+水の合計量1t))
得られたスラリーをパルパー底部のストレーナー(φ6.0mm)に通過させて3重量%のスラリーを得た。結果を表1に示す。離解時のpHは10.9であった。当該スラリーのダート量は25332mm/m、粘着異物の量は1427mm/kgであった。
<B2工程>
当該スラリーをホール径1.4mmのホールスクリーン(フォイト社製)に供給した。通過流をスリット幅0.25mmの1次スリットスクリーン(フォイト社製)に供給し、異物の少ない画分s1(通過流)と異物の多い画分S1(非通過流)を得た。S1をホール径1.4mmの2次ホールスクリーン(フォイト社製)に供給した。通過流を0.25mmの2次スリットスクリーン(フォイト社製)にさらに供給し、異物の少ない画分s2(通過流)と異物の多い画分S2(非通過流)を得た。画分s2を1次スリットスクリーンに再度供給した(カスケード)。
<B3工程>
B2工程の1次スリットスクリーン通過流を、第1ラインのA2工程で処理されたスラリー、すなわち1次スリットスクリーンの通過流に導入した。このようにして第2ラインを形成した。
定常状態において第1古紙原料由来のスラリーと、第2古紙原料由来のスラリーとの重量比は、85:15であった。
(3)生成したスラリー
このようにして得られたスラリーの、ダート量は4684mm/m、粘着異物の量は139mm/kgであり、総歩留は96%であった。結果を表2に示す。
(4)異物等の測定方法
<ダート量>
1)古紙原料スラリーを用いて60g/mの手すきシートを作成した。
2)画像解析装置(アポジーテクノロジー社製、Spec Scan2000)を用いて当該シートを画像解析して、直径が100μm以上のダートの総面積を求めた。円形でないダートについては最大径を直径とみなした。
3)総面積をシート面積で除してダート量を求めた。
<粘着異物量>
1)スリット幅0.10mmのフラットスクリーンに古紙原料スラリーを供給して、残渣を集めてシート状物を得た。
2)前記画像処理装置を用いて当該シート状物を画像解析して、直径が100μm以上の粘着異物の総面積を算出した。円形でない粘着異物については最大径を直径とみなした。
3)総面積を古紙原料の重量で除して粘着異物量を求めた。
[実施例2]
(1)第1ライン
実施例1と同じものを使用した。
(2)第2ラインB−2
<B1工程>
60重量%の新聞古紙、20重量%の選別雑誌古紙、および20重量%の板紙向け雑誌古紙を混合して第2古紙原料を調製した。パルパー(フォイト社製)を用いて第2古紙原料を離解し、15重量%のスラリーを得た。離解時のpHは11.1であった。当該スラリーのダート量は2761mm/m、粘着異物の量は3269mm/kgであった。
<B2工程>
当該スラリーをホール径1.4mmの1次ホールスクリーン(フォイト社製)に供給した。通過流をスリット幅0.25mmの1次スリットスクリーン(フォイト社製)に供給し、異物の少ない画分s1(通過流)と異物の多い画分S1(非通過流)を得た。S1をホール径1.4mmの2次ホールスクリーン(フォイト社製)に供給した。通過流を0.25mmの2次スリットスクリーン(フォイト社製)にさらに供給し、異物の少ない画分s2(通過流)と異物の多い画分S2(非通過流)を得た。画分s2を1次スリットスクリーンに再度供給した(カスケード)。
<B3工程>
B2工程の1次スリットスクリーン通過流を、第1ラインのA2工程で処理されたスラリーに導入した。このようにして第2ラインを形成した。定常状態において第1古紙原料由来のスラリーと、第2古紙原料由来のスラリーとの重量比は、85:15であった。
(3)生成したスラリー
このようにして得られたスラリーの、ダート量は1884mm/m、粘着異物の量は162mm/kgであり、総歩留は96%であった。
[実施例3]
B2工程におけるスリットスクリーンのスクリーン幅を0.20mmとした以外は実施例2と同様にして、スラリーを得た。
[実施例4]
B2工程において、2次スリットスクリーンの後に低濃度クリーナー(フォイト社製)を設置し、画分s2を当該低濃度クリーナーに供給して、その通過流を、1次スリットスクリーンからの通過流に導入した(フォアワード)以外は実施例3と同様にして、スラリーを得た。
[実施例5]
B2工程において、2次スリットスクリーンの後に、スリット幅0.20mmの3次スリットスクリーン(フォイト社製)を設置し、画分s2を当該3次スリットスクリーンに供給して、その通過流を1次スリットスクリーンからの通過流に導入した(フォアワード)以外は実施例3と同様にして、スラリーを得た。
[比較例1]
第1ラインを使用せず、第2ラインB−1のみを使用してスラリーを得た。
[比較例2]
第1ラインのみを使用し、当該ラインに第1古紙原料と、実施例2で使用した第2古紙原料を、重量比85:15の割合で供給してスラリーを得た。
これらの結果を表1、2に示す。
表3から、第2ラインを設けず、第2ラインに用いる原料を第1ラインに使用した比較例1は、実施例1〜5と比較して異物の量(ダート量)が多かった。また、第2ラインを設けず、第1ラインに用いる原料と第2ラインに用いる原料の両方を第1ラインに使用した比較例2は、実施例1〜5と比較して歩留りが悪かった。したがって、本発明の製造方法により異物が少ない脱墨パルプのスラリーを高い歩留にて効率良く得ることができることが明らかである。
A1〜A2 工程A1〜A2
1 第1古紙原料
11 スラリー
12 第1スラリー
13 脱墨されたスラリー
B1〜B2 工程B1〜B2
2 第2古紙原料
21 スラリー
22 第2スラリー
101 1次スリットスクリーン
102 2次スリットスクリーン
201 1次ホールスクリーン
202 2次ホールスクリーン
S1、S2、H1 異物をより多く含む画分
s1、s2、h1、h2 異物をより少なく含む画分

Claims (14)

  1. (A1)第1古紙原料を離解してスラリーを得る工程、および(A2)前記スラリー中の異物を除去して第1スラリーを得る工程を含む第1ラインと、
    (B1)第2古紙原料を離解してスラリーを得る工程、および(B2)前記スラリー中の異物を除去する工程により第2スラリーを得る工程、を含む第2ラインと、を備え、
    (B3)当該第2スラリーを、第1ラインの工程A1とA2の間、または工程A2以降に導入する工程をさらに備え、
    前記第1古紙原料は、当該原料あたりの直径100μm以上の粘着異物の量が2,000mm /kg以下、または60g/m の手すきシートとした場合に直径100μm以上のダートの量が3,500mm /m 以下であり、
    前記第2古紙原料は、当該原料あたりの直径100μm以上の粘着異物の量が1,000mm /kg超、または60g/m の手すきシートとした場合に直径100μm以上のダートの量が1,000mm /m 超である、
    脱墨パルプの製造方法。
  2. 前記第1スラリー:第2スラリーの重量比が95:5〜70:30である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2古紙原料の前記粘着異物の量が2,000mm/kg超もしくは前記ダートの量が2000mm/m超である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記工程B2において、スリット幅が0.20mm以下であるスリットスクリーンを使用する、請求項1〜3に記載の製造方法。
  5. 前記工程B2において、1次スリットスクリーン、および2次スリットスクリーンを使用する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記1次スリットスクリーンによって、前記スラリーを粘着異物およびダートをより多く含む画分S1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s1に分画し、
    画分S1を前記2次スリットスクリーンに供給することをさらに含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記工程B2において、1次ホールスクリーン、1次スリットスクリーン、2次ホールスクリーンおよび2次スリットスクリーンを使用する、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記1次ホールスクリーンによって、前記スラリーを粘着異物およびダートをより多く含む画分H1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分h1に分画し、
    画分h1を1次スリットスクリーンに供給し、
    前記1次スリットスクリーンによって、画分h1を粘着異物およびダートをより多く含む画分S1と粘着異物およびダートをより少なく含む画分s1に分画し、
    画分H1と画分S1を前記2次ホールスクリーンに供給する、
    請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記工程B2において、低濃度クリーナー処理を行う、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記工程B2において、2次スリットスクリーンの後に、3次スリットスクリーン処理を行う、請求項7〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記工程B1において、第2古紙原料をpH7以上pH12未満の条件下で離解する、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記工程B1において、第2古紙原料濃度が3〜15重量%である条件下で離解する、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記第1ラインが、(A3)異物が除去されたスラリーを脱墨する工程をさらに含む、請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記A3工程の後に、(A4)脱墨されたスラリー中の異物を精選除去する工程をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。
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