JP6804728B2 - 構造物の液状化対策構造の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、杭基礎を備えた構造物の液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策構造の設計方法に関する。
液状化層1の上に非液状化層2がある地盤Gは、地震時に液状化が生じると、例えば図13に示すように液状化層1より上の地盤G(上層の非液状化層2)が大きく変位する。そして、例えば図14に示すように、このような地盤Gに杭基礎(杭)3を備えた構造物(建物)4を構築した場合には、地震時に液状化が生じるとともに、地盤変位が急変する液状化層1と上層の非液状化層2、及び液状化層1とこの液状化層1よりも下層の非液状化層5の境界部分で杭3が損傷するおそれがある。
従来、この地盤Gの液状化に伴う杭3の損傷(構造物4の被害)を防止するために、地盤Gを液状化させないように地盤改良を行ったり、杭3を補強して液状化時に発生する荷重Fにも耐えられるようにする対策が多用されていた。しかしながら、地盤改良による対策では、特に液状化層1が深部まで連続的に存在する場合や非液状化層を間に挟んで複数の液状化層1が存在し、最下層の液状化層1が深部に存在する場合などに、莫大なボリュームの地盤Gを改良することが必要になるため、対策費用が非常に高額になるという問題があった。また、地盤改良による対策や杭3を補強する対策は、既存の杭基礎構造物4に採用することが難しいという問題があった。
これに対し、例えば図15に示すように、構造物4(上部構造4a)の根入れ部4bに、液状化層1より軟質な材料(軟質材6)を充填する液状化対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この対策では、液状化時に構造物4に作用する力Fを軟質材6で吸収することにより、構造物4に与える影響を軽減させるようにしている。
また、例えば図16に示すように、構造物4(上部構造4a)の周りに軽量材7を埋設する液状化対策も提案されている。この対策では、液状化時の地盤変位による受動抵抗を小さくすることにより、構造物4に与える影響を軽減させるようにしている。
さらに、例えば図17(図17(a):断面図、図17(b):平面図)に示すように、構造物4(上部構造4a)の周囲の地盤Gを壁状の砂8で置換する液状化対策も提案されている。この対策では、置換した壁状の砂8を液状化させることにより、液状化時の地盤変位を抑制して構造物4に与える影響を軽減させるようにしている。
さらに、構造物4の外周に沿って壁を設ける対策、いわゆるスカートウォール工法と称する対策もあり、このスカートウォール工法では、例えば図18に示すように、構造物4の外周に沿って基礎4cと連結した剛な壁(スカートウォール10)を設けて杭3の水平荷重を低減させるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−178997号公報 特開昭57−9925号公報
しかしながら、軟質材6を構造物4の根入れ部4bに充填する対策では、根入れ部4b周辺の地盤Gが軟らかくなることにより、構造物4(上部構造4a)の揺れを根入れ部4bで抑制する効果が小さくなってしまう。このため、液状化を生じることがない中小地震時には、逆に構造物4の揺れによって杭3の応力が増大して損傷が生じるおそれがある。
また、構造物4の周りに軽量材7を埋設する対策では、液状化時の地盤変位による受動抵抗を確実に小さくするために、軽量材7を大きな面積で埋設することが必要になるという問題があった。
構造物4の周囲の地盤Gを砂8で置換する対策においても、確実に壁状の砂8を液状化させるために、地下水位Tが地表面付近にあることが必要で、どのような条件下の構造物4であっても適用できる訳ではなく、その採用に大きな制限があるという問題があった。
また、スカートウォール工法においては、基礎4cと連結した剛な壁(スカートウォール10)が水平力を負担して杭3の水平荷重を低減させるためのものであり、地盤Gの液状化時に構造物4や杭3に作用する水平力を軽減させるためのものではない。すなわち、スカートウォール10は、構造物4の基礎4cと杭3の接合部分に作用するせん断力を減少させて、この接合部分の被害を軽減させるために設けられるのであって、液状化とは無関係なものである(液状化対策として設けられるものではない)。また、このようなスカートウォール10が液状化層1の上の非液状化層2内にあると、液状化時にかえって構造物4に作用する荷重(水平力)を増大させるおそれがある。また、スカートウォール10の下端より深い位置にある液状化層と下部非液状化層との境界で生じる杭応力は低減できないおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、大きな面積、ボリュームを要することなく、効果的に液状化による損傷を防止(軽減)することを可能にする構造物の液状化対策構造の設計方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の構造物の液状化対策構造の設計方法は、液状化層の上に非液状化層がある地盤に杭基礎を備えて構築される構造物の液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策構造の設計方法であって、前記杭基礎を囲繞するように設けられるとともに、上端部側を前記液状化層の上の非液状化層に配し、下端部側を前記液状化層の下の非液状化層に配して設けられ、前記杭基礎側の液状化層とその外側の液状化層を縁切りする縁切り部材を備え、前記縁切り部材の上端部は、前記構造物の下端よりも上方に配されており、前記構造物の諸元を設定する構造物諸元設定工程と、前記杭基礎、前記縁切り部材、および前記構造物の根入れ部のそれぞれの地盤ばねを算出する地盤ばね設定工程と、前記縁切り部材がない場合の地震時の地盤変位を一般地盤変位として算出する一般地盤変位算出工程と、前記杭基礎の前記縁切り部材内に位置する部分の地盤変位を基準にしつつ、前記一般地盤変位を前記地盤ばねを介して梁ばねモデルからなる構造物モデルに与えて前記縁切り部材の変位を算出し、該縁切り部材の変位を地震時の前記縁切り部材の内側の地盤変位として求める縁切り部材内地盤変位算出工程と、前記一般地盤変位を前記縁切り部材、前記構造物の根入れ部、および前記縁切り部材の下端より深い位置にある杭基礎に与え、且つ前記縁切り部材の内側の地盤変位を前記杭基礎に与えて、新たな前記縁切り部材の内側の地盤変位を求める縁切り部材内地盤変位更新工程と、前記縁切り部材内地盤変位更新工程を前記縁切り部材の変位の差が収束するまで繰り返し行い、前記縁切り部材の変位の差が収束した段階の前記縁切り部材の変位を前記縁切り部材の内側の地盤変位として決定する縁切り部材内地盤変位決定工程と、前記縁切り部材内地盤変位決定工程で決定した前記縁切り部材の内側の地盤変位を基にして前記杭基礎の地震時の応力を算定する杭応力算出工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明の構造物の液状化対策構造の設計方法によれば、液状化時の地震時地盤変位が大きく、液状化層と非液状化層との境界で杭応力が著しく大きくなる建物などの構造物に対しても、縁切り部材を設けることによって杭応力を大幅に低減させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、一般地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、縁切り部材の内側の地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、縁切り部材の内側の地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、縁切り部材の内側の地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、縁切り部材の内側の地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、縁切り部材の内側の地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の設計方法において、縁切り部材の内側の地盤変位を算出する際の説明に用いた図である。 実証実験で用いた模型を示す図である。 実証実験で用いた模型の絶縁部材(壁材)の納まり状態を示す図である。 実証実験の結果を示す図であり、(a)が杭基礎に生じる曲げモーメント、(b)が杭基礎に生じるせん断力を示す図である。 液状化層の上に非液状化層がある地盤の液状化時の変位を示す図である。 液状化による構造物の損傷に関する説明に用いた図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図及び平面図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図である。
以下、図1から図13を参照し、本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策構造の設計方法について説明する。本実施形態は、液状化時の構造物(杭基礎構造物)の被害を防止あるいは軽減させるための構造、及び該構造の設計方法に関するものである。
はじめに、本実施形態の構造物4は、図1に示すように、液状化層1の上に非液状化層(上層の非液状化層)2がある地盤Gに構築され、地盤G内に打設した複数の杭(杭基礎3)で上部構造4aを支持して構築されている。また、上部構造4aは、下端部側(根入れ部4b)を上層の非液状化層2に根入れして構築されている。
そして、本実施形態の構造物の液状化対策構造15は、複数の杭3側の液状化層1(本実施形態では構造物4の直下の液状化層1)とその外側の液状化層1とを縁切りさせるように縁切り部材16を構造物4の水平方向外側の地盤G内に設けて構成されている。また、本実施形態の縁切り部材16は、構造物4の外周に沿って連続的に設けられ、液状化層1に下端部16a側を根入れして設けられている。
さらに、縁切り部材16は、その上端部16bを上層の非液状化層2内に配し、下端部16a側を液状化層1の下の非液状化層(下層の非液状化層)5に根入れして設けられている。
なお、縁切り部材16は、その剛性、材質、厚さ等を特に限定する必要はない。また、杭3が設けられた液状化層1を囲繞するように配設されていれば、部分的に不連続であったり、部分的に切り欠き、孔などがあっても構わない。縁切り部材16は、地盤の液状化時に水は通しても極力土を透過させないものであればよい。
また、本実施形態では、縁切り部材16がその上端部16b側を構造物4の根入れ部4bに接するようにして設けられている。これに対し、縁切り部材16はその上端部を上層の非液状化層2内に配して設けられていてもよい。このとき、縁切り部材16の上端部が構造物4の下端よりも上方に配されていることがより好ましい。また、縁切り部材16は、根入れ部4bから離間して設けたり、根入れ部4bとの間を地盤改良するなどし、根入れ部4bとの間に介在層を設けて配設されていてもよい。
さらに、本実施形態の構造物4は、上記のような縁切り部材16(構造物の液状化対策構造15)を備えることにより、地震時に液状化層1の液状化に伴い杭基礎3に作用する応力を図2に示すように求め、求めた応力に基づいて杭基礎3が構築されている(杭基礎3の形状、耐力、剛性等の諸元が設定されている)。
まず、図2(及び図1)に示すように、杭3や縁切り部材16などの形状、各部材(や全体として)の耐力、剛性等の諸元を設定する(Step1:構造物諸元設定工程)。また、杭ばね、縁切り部材ばね(壁ばね)、根入ればね、すなわち、杭3、縁切り部材16、構造物4の根入れ部の地盤ばねを算定/設定する(Step2:地盤ばね設定工程)。
さらに、図2、図3(及び図1)に示すように、縁切り部材16(液状化対策構造15)がない場合の地震時地盤変位(以下、一般地盤変位という)を算出する(Step3:一般地盤変位算出工程)。
そして、図2、図4、図5、図6(及び図1)に示すように、杭3の縁切り部材16内に位置する部分の地盤変位を0とし(基準にし)、一般地盤変位を地盤ばねを介して構造物モデルに与えて縁切り部材16の変位を算出し、得られた縁切り部材16の変位を縁切り部材16で囲まれた内部の地盤変位とする(Step4、Step5:縁切り部材内地盤変位算出工程)。
さらに、本実施形態では、図2、図4、図5、図6、図7、図8、図9(及び図1)に示すように、一般地盤変位を縁切り部材16と根入れ4bに与え、且つ縁切り部材内地盤変位を杭3に与えて、新たな縁切り部材16内の地盤変位を算定する(Step6:縁切り部材内地盤変位更新工程)。この操作を縁切り部材16の変位の差が収束するまで繰り返し行う。そして、縁切り部材16の変位の差が収束した段階の縁切り部材変位を縁切り部材内地盤変位とする(Step7、Step8:縁切り部材内地盤変位決定工程)。
すなわち、縁切り部材16の変形は初期には未定であるため、本実施形態では、繰り返し計算などによって縁切り部材16の変形と杭に与える地盤変形が等しくなるようにし、このときの変位を縁切り部材内地盤変位として決定する。
さらに、本実施形態では、安全側に評価するため、地震力の方向に直交する面(面外変形を生じる縁切り部材16)の剛性のみを考慮して縁切り部材16の剛性を設定する。
次に、決定した縁切り部材内地盤変位を基に、慣性力と地盤変位を考慮した杭応力を算定する(Step9:杭応力算出工程)。このとき、例えば、建物慣性力による杭応力と地盤変位による杭応力の単純和あるいは自乗和平方で杭応力を求めたり、慣性力と地盤変位を同時に載荷して杭応力を算出して求める。
ここで、実換算で周期1秒、定常30波、最大加速度100cm/sの正弦波を地震動の入力波として行った実証実験について説明する。
この実証実験では、図10に示す実験模型を用いた。
土槽は800mm×400mm×325mmのせん断土層を用いた。地盤Gの下部非液状化層5は相対密度約100%の3号珪砂層を厚さ100mm(実換算3m)とし、液状化層1及び上部非液状化層2は相対密度50%の7号珪砂層を空中落下法で作成した。間隙流体は比重が1で粘性が30csのシリコンオイルとし、地下水位は地表から70mm(実換算2.1m)とした。
杭3は、直径12mm、肉厚0.5mm、長さ252mmの真鍮パイプ4本(杭間隔96mm)とした。杭先端はベアリングを用いてピン状態とした。杭頭はほぼ剛接合と見なせる。
基礎は平面が150mm×164mm、厚さが40mmのアルミ製とした。構造物慣性力が卓越しないように、構造物は基礎部分のみとし、構造物の比重は周囲の地盤とほぼ等しい程度に抑えるよう軽量化を図った。
縁切り部材(壁材)16は、厚さ0.3〜4.0のアルミ板とし、先端をウレタンに差し込むことで土槽底面からの振動が伝播しないようにした。また、縁切り部材16は、鉛直軸周りの曲げ剛性が結果に寄与しないように幅29〜36mmの板状の部材を各面5枚ずつ厚さ0.08mmのテフロン(登録商標)製のテープ(以下、テフロンテープという)で貼り合わせることにより作成した。また、側壁の面内剛性の影響を除くため、図11に示すように、側壁と前後面壁(隣り合う縁切り部材16)の間には1mmの隙間を空け、厚さ0.08mmのテフロンテープで留めるだけとした。杭3と縁切り部材(厚さ0.3mmを除く)16には7断面にひずみゲージを添付した。
主な模型諸元と相似則は表1に示す通りである。
Figure 0006804728
また、実験ケースは表2に示す通りであり、縁切り部材16を設けないC0、厚さを0.3〜4.0mmの範囲で変えたC0.3、C1.0、C2.0、C4.0の計5ケースとした。表2にはH400−200−8−13のH形鋼を900mmピッチで配置した山留め壁の曲げ剛性に対する縁切り部材16の曲げ剛性の比も併記している。すなわち、C0.3は、剛性比が山留め壁の1万分の1未満であり非常に小さい曲げ剛性の縁切り部材16を用いている。
Figure 0006804728
図12は、実証実験結果であり、液状化直後に液状化層境界で最大曲げモーメントが発揮される時刻(約12.6s)における曲げモーメント分布(図12(a))とせん断力分布(図12(b))を示している。
これらの結果から、縁切り部材16があることによって杭頭や液状化層1の上下境界付近の曲げモーメント、せん断力がともに2/3〜1/2程度に減少することが確認された。また、縁切り部材16の厚さによる効果の違いはほとんどなく、ごく薄い縁切り部材16であっても地震時地盤変位による杭3の応力低減効果が大きいことが確認された。
言い換えれば、縁切り部材16の機能/作用としては液状化した地盤のすり抜けを防止することが重要であり、その剛性の違いによる効果の差は小さいことが確認された。すなわち、縁切り部材16は液状化した地盤のすり抜けを防止することが可能であれば、非常に薄い部材、剛性が小さい部材でもよく、その剛性に関わりなく優れた杭応力低減効果を発揮できることが確認された。
したがって、本実施形態の構造物の液状化対策構造15及び構造物の液状化対策構造15の設計方法においては、液状化時の地震時地盤変位が大きく、液状化層1と非液状化層2、5との境界で杭応力が著しく大きくなる建物などの構造物4に対しても、縁切り部材16を設けることによって杭応力を大幅に低減させることが可能になる。
以上、本発明に係る構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策構造の設計方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、構造物4の構築時に縁切り部材16を設置もよいし(例えば土留め壁を縁切り部材16としてもよいし)、縁切り部材16としてシートパイルを地盤Gに打ち込むなどし、既存の構造物4に対して縁切り部材16(液状化防止構造15)を付加するようにしてもよい。
1 液状化層
2 上層の非液状化層
3 杭(杭基礎)
4 構造物
4a 上部構造
4b 根入れ部
4c 基礎
5 下層の非液状化層
6 軟質材
7 軽量材
8 砂
10 スカートウォール(壁、壁体)
15 構造物の液状化対策構造
16 縁切り部材
F 水平力(荷重)
G 地盤
T 地下水位

Claims (1)

  1. 液状化層の上に非液状化層がある地盤に杭基礎を備えて構築される構造物の液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策構造の設計方法であって、
    前記杭基礎を囲繞するように設けられるとともに、上端部側を前記液状化層の上の非液状化層に配し、下端部側を前記液状化層の下の非液状化層に配して設けられ、前記杭基礎側の液状化層とその外側の液状化層を縁切りする縁切り部材を備え、
    前記縁切り部材の上端部は、前記構造物の下端よりも上方に配されており、
    前記構造物の諸元を設定する構造物諸元設定工程と、
    前記杭基礎、前記縁切り部材、および前記構造物の根入れ部のそれぞれの地盤ばねを算出する地盤ばね設定工程と、
    前記縁切り部材がない場合の地震時の地盤変位を一般地盤変位として算出する一般地盤変位算出工程と、
    前記杭基礎の前記縁切り部材内に位置する部分の地盤変位を基準にしつつ、前記一般地盤変位を前記地盤ばねを介して梁ばねモデルからなる構造物モデルに与えて前記縁切り部材の変位を算出し、該縁切り部材の変位を地震時の前記縁切り部材の内側の地盤変位として求める縁切り部材内地盤変位算出工程と、
    前記一般地盤変位を前記縁切り部材、前記構造物の根入れ部、および前記縁切り部材の下端より深い位置にある杭基礎に与え、且つ前記縁切り部材の内側の地盤変位を前記杭基礎に与えて、新たな前記縁切り部材の内側の地盤変位を求める縁切り部材内地盤変位更新工程と、
    前記縁切り部材内地盤変位更新工程を前記縁切り部材の変位の差が収束するまで繰り返し行い、前記縁切り部材の変位の差が収束した段階の前記縁切り部材の変位を前記縁切り部材の内側の地盤変位として決定する縁切り部材内地盤変位決定工程と、
    前記縁切り部材内地盤変位決定工程で決定した前記縁切り部材の内側の地盤変位を基にして前記杭基礎の地震時の応力を算定する杭応力算出工程と、を備えていることを特徴とする構造物の液状化対策構造の設計方法。
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