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本発明は、温感付与剤に関し、更に詳細には、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬と、生薬としてショウキョウ及びケイヒを含有し、解熱効果に優れるとともに、温感を付与し発熱時の悪寒や末梢冷感などの不快な症状を緩和することができる温感付与剤及びこれを利用した解熱鎮痛組成物に関する。
体温の上昇(発熱)は、体温調節中枢の異常により体温の設定温度が上昇することによって起こる。例えば、感染症では、細菌やウイルスなどの外因性発熱物質が体内に侵入すると、マクロファージ、単球などが刺激され、インターロイキン1、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロンなどの外因性発熱物質が産生される。これにより、アラキドン酸代謝が活性化され、プロスタグランジン(PG)の合成が促進される結果、視床下部の体温調節中枢において体温の設定温度が上昇する。設定温度が上昇すると、皮膚血管を収縮させて放熱を抑制したり、筋肉を震わせ熱生産を促進させることで体温を上昇させる。
感染症などにおける発熱は、免疫細胞を活性化するとともに、細菌やウイルスの増殖を防ぐための正常な生体防御反応である。しかし、発熱は代謝に影響するため、脈拍数や呼吸数の増加、頭痛、眩暈、食欲減退、意欲減退などの不快な状態をもたらす。また体温上昇時には、筋肉を震わせて熱を産生するが、その際に不快な寒気を感じることがある。この反応が強い状態がいわゆる悪寒戦慄であり、骨格筋の不随意的な震えを伴う。また、放熱抑制のために皮膚血管が収縮するのに伴い、手足などに不快な末梢冷感を感じることもある。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs(non-steroidal anti-inflammatory drugs))は、抗炎症・鎮痛・解熱作用を併せもつステロイド以外の薬物群の総称であり、その化学構造から酸性系と塩基性系に分類され、酸性系には、サリチル酸系、フェナム酸系、酢酸系、プロピオン酸系等が含まれる。NSAIDsは、主として、アラキドン酸代謝においてシクロオキシナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジン(PG)の合成を抑制することによって視床下部の体温調節中枢に作用し、体温の設定温度を下方に修正して解熱効果を示す。NSAIDsの投与によって体温が低下すれば、脈拍数や呼吸数の増加などの高熱による不快な状態を緩和することができる。しかし、体温上昇時の悪寒や四肢冷感に対しては、十分に緩和、軽減させるものとはいえなかった。また一般に、NSDIDs投与により解熱すると、発汗などで消耗し、脱力感を伴うことが知られており、減退した食欲や意欲を速やかに回復させることが困難な場合もあった。
従って、本発明は、発熱時の悪寒や四肢冷感などの不快な症状を軽減するとともに、解熱時の脱力感を緩和し得る医薬組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行っていたところ、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬に、生薬成分であるショウキョウ及びケイヒを組み合わせることによって、解熱効果が向上するとともに、ぽかぽか感やぬくぬく感といった、体が温まる感覚が得られ、そのため体温上昇時の悪寒や末梢冷感が軽減され、さらに解熱時の脱力感が緩和されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、ショウキョウ及びケイヒを含有することを特徴とする温感付与剤である。
また本発明は、上記温感付与剤を含有する解熱鎮痛組成物である。
本発明の温感付与剤は、優れた解熱効果を示すとともに、服用後速やかに、ぽかぽか感やぬくぬく感といった、体が温まる感覚が生じ、それが持続するため、発熱時の悪寒や末梢冷感を軽減し、さらに解熱時の脱力感などの不快な症状を緩和することができる。
試験例1における各群のラット(溶媒投与群(対照)、イブプロフェン及び生薬併用群(IBP+生薬)、イブプロフェン単独投与群(IBP))の体温変化を示すグラフである。
本発明の温感付与剤は、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬と、生薬としてショウキョウ及びケイヒを含有するものである。本発明において、温感とは、ぽかぽか感やぬくぬく感といった、体が温まる感覚をいう。
上記プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬としては、例えば、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ロキソプロフェン、ザルトプロフェン、フェノプロフェン、アルミノプロフェン又はこれらの薬学上許容される塩などが例示でき、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム等が、温感付与効果に優れるため好ましく、特にイブプロフェンが好適である。本発明の温感付与剤中のプロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬の配合量は、通常成人1人当たりの投与量として20〜2000mg程度であり、具体的には、例えば、イブプロフェンでは、成人1日当たりの投与量として90〜600mgであることが好ましく、さらに200〜600mgが好ましく、特に300〜600mgであることが好ましい。その他のプロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬を用いる場合、成人1日当たりの投与量として、ナプロキセン、チアプロフェン酸、オキサプロジン及びアルミノプロフェンは、120〜600mg、フルルビプロフェンは24〜120mg、ケトプロフェンは30〜150mg、プラノプロフェンは45〜225mg、ロキソプロフェンナトリウムは36〜180mg(無水物として換算)、ザルトプロフェンは48〜240mg、フェノプロフェンは360〜1800mgを、それぞれ配合することが好ましい。
上記ショウキョウは、ショウガ科のショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の根茎そのまま、または、これに一般的な生薬の加工処理が施されたものが含まれ、ショウキョウ、ショウキョウ末、ショウキョウエキス等が例示される。ショウキョウとしては、例えばコルク皮をはぎ、そのまま又は縦に割り石灰と均等にかき混ぜ乾燥したものなどが用いられる。ショウキョウ末とは、ショウキョウを常法に従って粉末化したものであり、ショウキョウエキスは、ショウキョウ又はショウキョウ末を水、エタノール等の溶媒で抽出処理し、必要に応じ濃縮、乾燥等したものである。本発明の温感付与剤中のショウキョウの配合量は、成人1日当たりの投与量として、原生薬換算量で100〜1000mg、好ましくは100〜500mg、より好ましくは100〜300mgである。
ケイヒは、クスノキ科クスノキ属の植物トンキンニッケイ(Cinnamomum cassia)またはその同属植物であるセイロンニッケイ(Cinnamomum verum)などの樹皮そのまま、またはこれに一般的な生薬の加工方法が施されたものが含まれ、ケイヒ、ケイヒ末、ケイヒエキス等が例示される。ケイヒとしては、例えば、幹及び枝の皮をそのまま、または周皮を多少除いたものなどが用いられる。ケイヒ末は、ケイヒを常法により粉末化したものであり、ケイヒエキスは、ケイヒ又はケイヒ末を水、エタノール等の溶媒で抽出処理し、必要に応じ濃縮、乾燥等したものである。本発明の温感付与剤中のケイヒの配合量は、成人1日当たりの投与量として、原生薬換算量で100〜1000mg、好ましくは200〜600mg、より好ましくは300〜500mgである。
本発明の温感付与剤は、上記プロピオン酸系非ステロイド抗炎症薬、ショウキョウ及びケイヒに加えて、さらに、製剤分野で一般的に使用され得る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤添加剤を添加して製剤化される。
上記賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの賦形剤は1種または2種以上を使用することができる。
結合剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、プルラン、デキストリン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メタクリル酸コポリマー等のアクリル酸誘導体、セラック、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等が挙げられる。これらの結合剤は1種または2種以上を使用することができる。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、バレイショデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン等が挙げられる。これらの崩壊剤は1種または2種以上を使用することができる。
滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの滑沢剤は1種または2種以上を使用することができる。
本発明の温感付与剤の剤形は特に限定されるものではなく、錠剤の他、カプレット、硬カプセル剤、軟カプセル剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤などの内服固形製剤や経口液剤などが例示される。また、必要に応じてフィルムコーティングや糖衣を施し、上記製剤のコーティング製剤とすることもできる。これらは、通常行われている製剤化方法に従って製造することができる。
以上のようにして得られた温感付与剤に、さらに必要に応じ、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、鎮咳去痰薬、中枢神経興奮薬、制酸剤、ビタミン、生薬(ショウキョウ及びケイヒを除く)等を配合し、本発明の解熱鎮痛組成物を製造することができる。
抗ヒスタミン薬又は抗アレルギー薬としては、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エバスチン、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルピノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
上記鎮咳去痰薬としては、アンブロキソール塩酸塩、塩酸アロクラミド、クエン酸チペピジン、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩水和物、ジブナートナトリウム、チペピジンヒベンズ酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、ペントキシベリンクエン酸塩、ジメモルファンリン酸塩、ノスカピン、ノスカピン塩酸塩水和物、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、L-カルボシステイン、L-エチルシステイン塩酸、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、エプラジノン塩酸塩等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
上記中枢神経興奮薬としては、安息香酸ナトリウムカフェイン、無水カフェイン、カフェイン水和物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
上記制酸剤としては、グリシン、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシワム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
上記ビタミンとしては、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して添加してもよい。
生薬としては、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、カジュツ、カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、ジリュウ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。但し、カンゾウは高血圧、むくみ、カリウム喪失などを主症状とする偽アルドステロン症を発症する可能性があるため、配合しないことが好ましい。また、生薬としてショウキョウ及びケイヒのみを配合することが好ましい。
本発明の解熱鎮痛組成物は、さらに必要に応じ、製剤分野で一般的に使用され得る添加剤を加え、種々の剤形に製剤化される。使用できる添加剤の種類やとり得る剤形は、上記温感付与剤と同様である。
以上のようにして得られる本発明の解熱鎮痛組成物は、解熱効果に優れるとともに、ぽかぽか感やぬくぬく感といった、体が温まる感覚を付与することができ、発熱に伴う悪寒や四肢冷感を軽減し、さらに解熱時の脱力感を緩和し得るため、感冒用等の医薬として好適である。特に、投与後速やかに温感が感じられ、それが一定期間持続するため、発熱初期に投与することで体温上昇に伴う悪寒や四肢冷感を軽減し、あるいは予防することができる。
次に、実施例等を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
イブプロフェン、ショウキョウ及びケイヒ含有感冒用解熱鎮痛組成物の調製
イブプロフェン450g、ショウキョウ末200g、ケイヒ末400g、クロルフェニラミンマレイン酸塩7.5g、ジヒドロコデインリン酸塩24g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩60g、無水カフェイン75g、乳糖70g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース150g、結晶セルロース849.5gの混合物に局方エタノール675gを添加し、常法により湿式造粒後、乾燥・整粒し、造粒末を得た。この造粒末2391gに、タルク34.5g、ステアリン酸マグネシウム34.5g、を添加し均一に混合し、打錠用粉末を得た。この打錠用粉末を圧縮成型し、その後、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、マクロゴールの混合被膜液を調製し、常法によりフィルムコーティング錠とし、6錠(成人1日量)中に、イブプロフェン450mg、ショウキョウ末200mg、ケイヒ末400mgを含有する錠剤を得た(本発明品1)。
比 較 例 1
ショウキョウ末、ケイヒ末に代えてチアミン硝化物24g、アスコルビン酸300gを用い、結晶セルロースで全量を補正した以外は実施例1と同様にして、6錠(成人1日量)中にイブプロフェン450mgを含有する錠剤を得た(比較品1)。
試 験 例 1
解熱作用試験
7週齢のSD系雄性ラットの頸背部に、イソフルラン麻酔下においてパン酵母生理食塩懸濁液を皮下投与することにより酵母誘発発熱モデルを作製し、被験物質投与後の直腸温を測定して体温変化を調べた。
誘発物質である20%(w/v)パン酵母生理食塩水をイソフルラン麻酔下において、10mL/kgの割合で頸背部に皮下投与した。酵母投与14時間後に、誘発した動物について直腸温、体重を測定し、直腸温を指標に5匹ずつ3群に分けた。
群分け後、被験物質又は溶媒(0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)水溶液)を強制経口投与し、1、2、4及び6時間後に直腸温を測定し、投与直前(0時間)の直腸温との差を求めた。結果を図1に示す。
被験物質は、以下の群構成に従い投与した。
イブプロフェン及び生薬併用群:
イブプロフェン75mg/kg、ジヒドロコデインリン酸塩4mg/kg、dl−メチルエフェドリン塩酸塩10mg/kg、ショウキョウ乾燥エキス6.7mg/kg、ケイヒ乾燥エキス4.8mg/kg、無水カフェイン12.5mg/kg及びクロルフェニラミンマレイン酸塩1.25mg/kgの用量で0.5%CMC水溶液に懸濁させて投与した。
イブプロフェン単独投与群:
イブプロフェン75mg/kg、ジヒドロコデインリン酸塩4mg/kg、dl−メチルエフェドリン塩酸塩10mg/kg、無水カフェイン12.5mg/kg及びクロルフェニラミンマレイン酸塩1.25mg/kgの用量で0.5%CMC水溶液に懸濁させて投与した。
本試験により、実施例の解熱作用は、イブプロフェンと生薬を併用することにより、イブプロフェン単独投与よりも解熱作用が増強されることが確認された。つまり、イブプロフェン、ケイヒ、ショウキョウの配合剤が優れた解熱効果を有することが明らかであった。
試 験 例 2
温感付与試験
健常成人を対象とし、本発明品1または比較品1の製剤を服用した後の発熱の体感度合を比較した。5人の被験者が、昼食後、本発明品1の錠剤2錠(1日量(6錠)としてイブプロフェン450mg、ショウキョウ末200mg、ケイヒ末400mg)または比較品1の錠剤2錠(1日量(6錠)としてイブプロフェン450mg)を服用し、0.5、1、1.5、2時間後に、以下の基準に基づき発熱の体感度合を評価した。結果を表1に示す。
(基準)
+:明らかに発熱
±:発熱
−:変化なし
Figure 0006804190
本発明品を服用後の発熱の体感は、個人の時間差はあるが、服用後0.5時間〜1.5時間に明らかに発熱感の体感が観察された。それに対して比較品では発熱の体感は全時間で得られなかった。本来、イブプロフェンは解熱鎮痛剤に分類され、解熱作用を有する。ところが、ショウキョウ、ケイヒを配合することにより、イブプロフェンの影響で熱は下がっているにもかかわらず、心地よい温感を得られることが明らかになった。
本発明の温感付与剤は、優れた解熱効果を示すとともに、ぽかぽか感やぬくぬく感といった、体が温まる感覚を付与し、発熱時の悪寒、末梢冷感や解熱時の脱力感などの不快な症状を緩和、軽減することができるため、感冒用の医薬等に利用可能なものである。

Claims (6)

  1. イブプロフェンと、生薬としてショウキョウ及びケイヒのみを含有することを特徴とする温感付与剤。
  2. 成人1日当たりの配合量が、イブプロフェン20〜2000mg、ショウキョウ100〜1000mg、ケイヒ100〜1000mgである請求項1記載の温感付与剤。
  3. 発熱時の悪寒軽減作用を有するものである請求項1または2に記載の温感付与剤。
  4. 発熱時の末梢冷感軽減作用を有するものである請求項1または2に記載の温感付与剤。
  5. 解熱時の脱力感緩和作用を有するものである請求項1または2に記載の温感付与剤。
  6. 請求項1または2に記載の温感付与剤を含有する解熱鎮痛組成物(但し、ショウキョウ及びケイヒ以外の生薬を含有するものを除く)。
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