JP6802692B2 - 杭頭免震接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物における基礎杭の杭頭に免震装置を介して躯体を免震支持するための杭頭免震接合構造に関するものである。
各種建物において、基礎杭の杭頭に免震装置を介して躯体を免震支持することにより、地震によって地盤から建物の躯体へ伝達される震動を減衰させ、躯体に生じる応力や変形を減少させることが知られている。
図5は、従来の技術による杭頭免震接合構造を示すもので、参照符号101は地盤Gに打設された鋼管コンクリート杭からなる基礎杭、参照符号102は基礎杭101の杭頭101aを覆うように形成されたコンクリート台座、103は杭頭101aを外周側から包囲する鋼管からなる外筒体、104は建物の基礎スラブ、105は上下のフランジ1051,1052及びその間の積層ゴム1053からなる免震装置、106は外筒体103の上端に溶接された鋼板等からなるベースプレート、107は免震装置105上に支持された建物の躯体である。
コンクリート台座102は杭頭101aにおける鋼管1011とその外周側の外筒体103の間にコンクリートを充填することによって形成されたもので、免震装置105の下部フランジ1052とベースプレート106を挟むように、円周方向複数のボルト1054及びこれに螺合した高ナット1055が設けられ、高ナット1055にはアンカー筋109が緊結されている。
基礎杭101の杭頭101aにおける鋼管1011の外周面には支圧治具108が円周方向複数個所に取り付けられている。この支圧治具108は、鋼板などの金属板で制作されたものであって、略水平な板状の支圧フランジ108aと、この支圧フランジ108aに上下から直交するように設けられた補強リブ108bからなり、溶接等によって鋼管1011の外周面に固定されている。また、免震装置105の下部フランジ1052をボルト1054と共に緊結している高ナット1055には、アンカー筋109が螺合しており、支圧治具108,108の間の位置を通ってコンクリート台座102内を鉛直下方へ延びている。
上記構成の杭頭免震接合部の施工においては、まず地盤Gに基礎杭101を打設した後、その杭頭101aの周囲の地盤を必要な深さまで根切り掘削し、杭頭101aにおける鋼管1011の外周面に、支圧治具108を円周方向所定間隔で溶接し、さらに外筒体103を杭頭101aに外挿して仮固定する。次に、外筒体103の上端に、ボルト1054及び高ナット1055を介してアンカー筋109が予め取り付けられたベースプレート106を設置し、ベースプレート106の内周孔106aから、杭頭101aと外筒体103の間の空間へコンクリートを打設し、このコンクリートが経時的に硬化することによってコンクリート台座102が構築されたら、ベースプレート106上に免震装置105を取り付ける。
この杭頭免震接合構造によれば、免震装置105を介してベースプレート106へ作用する躯体107などの上部構造体からの荷重は、ベースプレート106からコンクリート台座102へ伝達されて基礎杭101へ伝達されたり、ベースプレート106に高ナット1055を介して緊結されたアンカー筋109からもコンクリート台座102へ伝達されたりして、コンクリート台座102から支圧治具108を介して基礎杭101へ伝達される。そして、支圧治具108によってコンクリート台座102との間での荷重伝達が効率よく行われるため、アンカー筋109のみを介して荷重伝達を行う場合に比較して、杭頭101aとベースプレート106との間のレベル差を小さくすることができ、その結果、施工の際に杭頭101a周囲の地盤Gの根切りの掘削土量も少なくすることができる(下記の先行技術文献参照)。
特開2015−190302号公報
しかしながら、上記従来の杭頭免震接合構造によれば、アンカー筋109は、支圧治具108と平面的に干渉する部分には配置することができないため、アンカー筋109の配置が周方向に不均一となり、したがって地震等による水平剪断力の方向によって、抵抗力の大きさにばらつきがあった。
また、施工において、外筒体103の上端にベースプレート106を設置する際には、外筒体103の内周へ挿入されていくアンカー筋109が支圧治具108と干渉しないように、ベースプレート106を適宜回転させながら位置合わせを行う必要があるため、作業が煩雑であった。しかも支圧治具108の形状が複雑であるため、杭頭101aの鋼管1011の外周面に支圧治具108を円周方向所定間隔で現場溶接するには、熟練した溶接技能が必要であり、これらの点で改善の余地があった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、杭頭免震接合構造において、水平剪断力の方向による抵抗力を均一化し、かつ施工性を向上させることにある。
頭免震接合構造の第一の態様は、外周部が鋼管からなる基礎杭の杭頭と、前記杭頭の外周側を包囲し、内周面と前記杭頭の前記外周部との間にコンクリートで充填されるべき環状隙間を構築する外筒体と、前記外筒体の上端に被せら、前記環状隙間の上に並ぶ複数のボルト挿通孔と中央領域に設けられて前記環状隙間につながる入口孔とを有するベースプレートと、上端が前記ベースプレートの前記ボルト挿通孔に結合され、前記環状隙間を略鉛直方向にのびる複数のアンカー筋と、前記環状隙間を埋めるように前記杭頭と前記外筒体との間に充填されたコンクリートを備え、コンクリートで前記複数のアンカー筋が埋まるように構築されたコンクリート台座と、下部フランジを備え、前記下部フランジが前記ベースプレートに取り付けられた免震装置と、周方向へ連続又は断続して延び、水平方向の幅寸法よりも杭頭と接合された内周面における鉛直方向の寸法が大きく、前記幅寸法が前記アンカー筋と干渉しない程度の大きさに設定され、前記杭頭の外周面に接合されると共に前記コンクリート台座に埋設された支圧リングと、を備えることを特徴とするものである。
上記第一の態様によれば、基礎杭の杭頭の外周面に取り付けた支圧リングは、免震装置からベースプレートを介してコンクリート台座に加わる躯体の荷重を基礎杭へ伝達するものである。そしてこの支圧リングは、周方向へ連続又は断続して延びるものであることから、鉛直方向の荷重の伝達を周方向均一に行うことができ、しかも、支圧リングに鉛直方向の荷重が作用しても、支圧リングは、水平方向の幅寸法よりも杭頭と接合された内周面における鉛直方向の寸法が大きいため、支圧リングを下側から起こす(上側へ倒す)回転力が生じにくく、荷重の伝達を効率良く行うことができる。
上記第一の態様において、周方向に連続した第二支圧リングが、外筒体の内周面に接合されると共にコンクリート台座に埋設されてもよい。
筒体の内周面に接合された第二支圧リングは、免震装置からベースプレートを介して外筒体に加わる躯体の荷重を、コンクリート台座へ伝達するものである。したがって杭頭の外周面に接合された支圧リングとの間で、コンクリート台座を介して荷重の伝達を効率良く行うことができる。また、第二支圧リングは周方向へ連続していることから、溶接等による外筒体の内周面への接合を容易に行うことができ、しかも荷重の伝達を周方向均一に行うことができる。また、この第二支圧リングは、外筒体に対する補強機能も有する。
第一の態様においてアンカー筋が設けられる利点として、免震装置からベースプレートに加わる荷重の一部を、高ナット及びアンカー筋を介してコンクリート台座へ伝達することができ、このアンカー筋によって、地震等による水平剪断力に対する抵抗力を増大することができる。
ンカー筋が円周方向等配状に設けられてもよい。
ンカー筋が円周方向等配状に設けられる、地震等による水平剪断力の方向に対する抵抗力のばらつきを抑制する利点がある
上記第一の態様に係る杭頭免震接合構造によれば、周方向へ延びる支圧リングによって、鉛直方向の荷重を効率よく伝達することが可能であり、施工も容易になり、しかもアンカー筋を周方向に所望間隔で配置しやすいため、地震等による水平剪断力の方向に対する抵抗力のばらつきを抑制することができる。
本発明に係る杭頭免震接合構造の第一の実施の形態を示すもので、(A)は要部鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B’断面図である。 第一の実施の形態における支圧リングを示す斜視図である。 本発明に係る杭頭免震接合構造の第二の実施の形態を示すもので、(A)は要部鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B’断面図、(C)は(A)におけるC‐C’断面図である。 本発明に係る杭頭免震接合構造の第三の実施の形態を示す要部鉛直断面図である。 従来の技術に係る杭頭免震接合構造の一例を示すもので、(A)は部分鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B’断面図である。
以下、本発明に係る杭頭免震接合構造の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず図1に示す第一の実施の形態において、参照符号1は地盤Gに打設された鋼管コンクリート杭からなる基礎杭であり、すなわちコンクリートパイル11の外周に鋼管12が一体化されると共に、コンクリートパイル11の上端内周に中詰めコンクリート13を充填した複合構造となっている。
参照符号2は基礎杭1の杭頭1aを外周側及び上側から覆うように形成されたコンクリート台座である。このコンクリート台座2は、杭頭1aにおける鋼管12の上部とその外周側の外筒体3の間にコンクリートを充填することによって形成されたものである。
参照符号3は杭頭1aを外周側から包囲する鋼管からなる外筒体、4は建物の基礎スラブ、5は上下のフランジ51,52及びその間の積層ゴム53からなる免震装置、6は外筒体3の上端に跨って設置された鋼板等からなるベースプレート、7は免震装置5上に支持された建物の躯体である。免震装置5の下部フランジ52は、円周方向複数のボルト54及びこれに螺合した高ナット55によってベースプレート6に緊結されると共にアンカー筋31と結合されている。
基礎杭1の杭頭1aにおける鋼管12の上部外周面には、支圧リング14が鉛直方向複数段取り付けられている。この支圧リング14は、例えば鋼板などの金属板を切断することによって断面形状が略長方形状をなす帯状鋼材を円環状に曲げて製作されたものであって、溶接等によって鋼管12の外周面に接合されると共にコンクリート台座2に埋設されており、図2に示すように、上下面が平坦で、水平方向の幅寸法(径方向幅)L1よりも鋼管12の上部外周面と接合された内周面14aにおける鉛直方向の寸法L2が大きいものとなっている。
また、支圧リング14の外周側には、複数のアンカー筋31が配置され、コンクリート台座2に埋設されている。各アンカー筋31は、その上端31aが、免震装置5の下部フランジ52とベースプレート6をボルト54との間に挟むように緊結する高ナット55の下部に螺合しており、支圧リング14と外筒体3の間の位置を、略鉛直方向へ延びている。
上記構成において、その施工の際には、まず地盤Gに基礎杭1を打設した後、その杭頭1aの周囲の地盤を必要な深さまで根切り掘削し、その底部に適当な厚さで捨てコンクリート21を打設する。また、基礎杭1の杭頭1aにおける鋼管12の上部外周面に、所要数の支圧リング14を嵌め込んで溶接する。そしてこのときの支圧リング14の溶接作業は、通常の下向き溶接で行うことができ、高度な熟練技術を要しないため、施工性が良く、しかも溶接の失敗による損傷などを生じにくい。
次に、外筒体3を基礎杭1の杭頭1aの外周空間へ同心的に外挿すると共に捨てコンクリート21上に設置してから、この外筒体3の上端に、内周孔6aが開設された円盤状のベースプレート6を同心的に設置する。
ベースプレート6には、予め支圧リング14より大径かつ外筒体3より小径の仮想円周に沿って、不図示の複数のボルト挿通孔が周方向等配状に開設されており、このボルト挿通孔に、上側からそれぞれボルト54が挿通されると共に、ベースプレート6の下側から高ナット55が各ボルト54に螺合され、各高ナット55には、アンカー筋31がその上端31aをねじ込むことにより取り付けられている。すなわち、外筒体3上にベースプレート6を同心的に設置する際には、アンカー筋31は支圧リング14より外周側に挿入され、かつ周方向等配位置にあるため、ベースプレート6を適宜回転させながら位置合わせを行う必要がない。
なお、基礎杭1の杭頭1aとベースプレート6及び外筒体3との間には、必要に応じて不図示の補強筋を配設しても良い。
次に、ベースプレート6の内周孔6aから、基礎杭1の杭頭1aと外筒体3と捨てコンクリート21とベースプレート6との間の空間へ、コンクリートを打設する。そしてこのコンクリートが経時的に硬化することによって、杭頭1a、捨てコンクリート21、支圧リング14、外筒体3、アンカー筋31、及びベースプレート6等と一体化されたコンクリート台座2が構築されたら、いったん高ナット55からボルト54を取り外して、ベースプレート6上に免震装置5を設置し、ベースプレート6のボルト挿通孔と、これに対応して免震装置5の下部フランジ52に開設された不図示のボルト挿通孔とを互いに位置合わせしてボルト54を挿通し、高ナット55と結合することによって、免震装置5を取り付ける。
なお、杭頭1aの周囲の根切り掘削部は、掘削土によって適時に埋め戻す。
上記第一の実施の形態によれば、免震装置5を介してベースプレート6へ作用する躯体7などの上部構造体からの鉛直荷重のうち、下方向への荷重は、ベースプレート6からコンクリート台座2へ伝達され、上方向への荷重は、下部フランジ52からボルト54及び高ナット55を介して結合されたアンカー筋31からコンクリート台座2へ伝達され、コンクリート台座2から支圧リング14を介して基礎杭1へ伝達される。支圧リング14は環状に延びるものであるため、鉛直方向の荷重の伝達を周方向均一に行うことができる。
そして支圧リング14は、その水平方向の幅寸法(径方向幅)L1が小さいものであっても、円周方向へ連続していると共に、杭頭1aにおける鋼管12の上部外周面と接合された内周面14aの鉛直方向の寸法L2が幅寸法L1よりも大きいため、荷重が作用しても、支圧リング14を下側から起こす(上側へ倒す)回転力が生じにくく、コンクリート台座2との間での鉛直方向の荷重の伝達を効率良く行うことができる。その結果、杭頭1aとベースプレート6との間のレベル差を小さくすることができ、その結果、施工の際に杭頭1a周囲の地盤Gの根切りの掘削土量も少なくすることができる。
また、アンカー筋31は、上述のような荷重伝達機能のほか、地震等による水平剪断力に対するコンクリート台座2の抵抗力を増大させる機能を有する。そしてこのアンカー筋31は、コンクリート台座2に周方向等配状に埋設されているため、水平剪断力の方向に対する抵抗力を均一化することができ、したがってどの方向から水平剪断力が作用しても同等の抵抗力を発揮することができる。しかも、各アンカー筋31が十分な抵抗力を発揮しやすいため、コンクリート台座2に所定の剛性を付与するのに必要なアンカー筋31の数を減少して施工コストを低減することができる。
次に、図3は本発明に係る杭頭免震接合構造の第二の実施の形態を示すものである。この第二の実施の形態において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、支圧リング14のほか、外筒体3の内周面に、圧縮力として荷重が伝達される支圧リング14よりも低い位置に、第二支圧リング15が取り付けられている点にある。すなわち、支圧リング14と第二支圧リング15は基礎杭1の杭頭1aにおける鋼管12の外周面と外筒体3の内周面に鉛直方向へ互い違いに配置されている。
この第二支圧リング15も、支圧リング14と同様、例えば鋼板などの金属板を切断することによって断面形状が略長方形状をなす帯状鋼材を円環状に曲げて製作されたものであって、溶接等によって外筒体3の内周面に接合されると共にコンクリート台座2に埋設されており、上下面が平坦で、水平方向の幅寸法(径方向幅)よりも、外筒体3の内周面と接合された内周面における鉛直方向の寸法が大きいものとなっている。
また、支圧リング14の径方向幅と第二支圧リング15の径方向幅の和は、基礎杭1の杭頭1aにおける鋼管12の外周面と外筒体3の内周面との間の径方向幅よりも小さく、上端31aがそれぞれ高ナット55の下部に螺合した複数のアンカー筋31が、支圧リング14の外周と第二支圧リング15の内周との間の径方向中間に位置して、コンクリート台座2に埋設され、略鉛直方向へ延びている。
この場合の施工においては、上述した第一の実施の形態と同様、まず地盤Gに基礎杭1を打設した後、その杭頭1aの周囲の地盤を必要な深さまで根切り掘削し、その底部に適当な厚さで捨てコンクリート21を打設する。また、基礎杭1の杭頭1aにおける鋼管12の上部外周面に所要数の支圧リング14を嵌め込んで溶接する。
一方、予め外筒体3の内周面に第二支圧リング15を嵌め込んで溶接しておき、この外筒体3を基礎杭1の杭頭1aの外周空間へ同心的に外挿すると共に捨てコンクリート21上に設置してから、この外筒体3の上端に、内周孔6aが開設された円盤状のベースプレート6を同心的に設置し、このベースプレート6の外周部を外筒体3の上端に溶接する。
ベースプレート6には、予め支圧リング14の外径より大径かつ第二支圧リング15の内径より小径の仮想円周に沿って不図示の複数のボルト挿通孔が周方向等配状に開設されており、このボルト挿通孔に、上側からそれぞれボルト54が挿通されると共に、ベースプレート6の下側から高ナット55が各ボルト54に螺合され、各高ナット55には、アンカー筋31がその上端31aをねじ込むことにより取り付けられている。すなわち、外筒体3上にベースプレート6を同心的に設置する際には、アンカー筋31は支圧リング14と第二支圧リング15の間に挿入され、かつ周方向等配位置にあるため、ベースプレート6を適宜回転させながら位置合わせを行う必要はない。
なお、この形態においても、基礎杭1の杭頭1aとベースプレート6及び外筒体3との間には、必要に応じて不図示の補強筋を配設しても良い。
次に、ベースプレート6の内周孔6aから、基礎杭1の杭頭1aと外筒体3と捨てコンクリート21とベースプレート6との間の空間へ、コンクリートを打設する。そしてこのコンクリートが経時的に硬化することによって、杭頭1a、捨てコンクリート21、支圧リング14、第二支圧リング15、外筒体3、アンカー筋31、及びベースプレート6等と一体化されたコンクリート台座2が構築されたら、いったん高ナット55からボルト54を取り外して、ベースプレート6上に免震装置5を設置し、ベースプレート6のボルト挿通孔と、これに対応して免震装置5の下部フランジ52に開設された不図示のボルト挿通孔とを互いに位置合わせしてボルト54を挿通し、高ナット55と結合することによって、免震装置5を取り付ける。
上記第二の実施の形態によれば、免震装置5を介してベースプレート6へ作用する躯体7などの上部構造体からの鉛直荷重のうち、下方向への荷重は、ベースプレート6からコンクリート台座2へ伝達され、上方向への荷重は、ベースプレート6と一体の外筒体3から第二支圧リング15を介してコンクリート台座2へ伝達されると共に下部フランジ52からボルト54及び高ナット55を介して結合されたアンカー筋31からもコンクリート台座2へ伝達され、コンクリート台座2から支圧リング14を介して基礎杭1へ伝達される。支圧リング14及び第二支圧リング15は環状に延びるものであるため、鉛直方向の荷重の伝達を周方向均一に行うことができる。
そして支圧リング14及び第二支圧リング15は、その水平方向の幅寸法(径方向幅)が小さいものであっても、円周方向へ連続していると共に、杭頭1aにおける鋼管12の上部外周面と接合された支圧リング14の内周面の鉛直方向の寸法、及び外筒体3の内周面と接合された第二支圧リング15の外周面の鉛直方向の寸法が大きいため、荷重が作用しても、第二支圧リング15を下側から起こす(上側へ倒す)回転力が生じにくく、コンクリート台座2との間での鉛直方向の荷重の伝達を効率良く行うことができる。その結果、杭頭1aとベースプレート6との間のレベル差を小さくすることができ、その結果、施工の際に杭頭1a周囲の地盤Gの根切りの掘削土量も少なくすることができる。
そしてこの実施の形態においても、アンカー筋31は、コンクリート台座2に周方向等配状に埋設されることによって、水平剪断力の方向に対する抵抗力のばらつきを抑制することができ、コンクリート台座2に所定の剛性を付与するのに必要なアンカー筋31の数を減少して施工コストを低減することができる。
なお、図3に示す例では、支圧リング14と第二支圧リング15が鉛直方向へ互い違いに配置された構成となっているが、必ずしも互い違いでなくても良く、例えば複数の支圧リング14のうち下側の支圧リングと、複数の第二支圧リング15のうち上側の第二支圧リングがほぼ同じ高さに配置されていても良い。
次に、図4は本発明に係る杭頭免震接合構造の第三の実施の形態を示すものである。すなわち本発明に係る杭頭免震接合構造は、図4に示すように、ベースプレート6に対する免震装置5の下部フランジ52の結合手段と、ベースプレート6へのアンカー筋31の結合手段とを互いに異なる位置に設けても良い。詳細には、ベースプレート6上への免震装置5の下部フランジ52の取付を、ボルト56と、これに螺合した袋ナット57によって行い、また、ベースプレート6の下側に袋ナット58を溶接し、この袋ナット58に、アンカー筋31の上端を螺合により固定している。
このように、本発明に係る杭頭免震接合構造を第三の実施の形態のような構成とすることによって、様々な径の杭に対して所望の引張抵抗力を有するアンカー筋31を選択することができる。また、第三の実施の形態によれば、ベースプレート6に対する免震装置5の下部フランジ52の結合手段と、ベースプレート6へのアンカー筋31の結合手段とを互いに異なる位置に設けることで、アンカー筋31の配置に関して自由度を高めることができる。例えば、基礎スラブ4の配筋および杭径を考慮して、アンカー筋31の配置を適宜設定することができる。
また、上述した各実施の形態では、支圧リング14及び第二支圧リング15は、帯状鋼材を円環状に曲げて製作されたものとしたが、円周方向へ複数個所で断続して延びるものであっても良い。
1 基礎杭
1a 杭頭
12 鋼管
14 支圧リング
15 第二支圧リング
2 コンクリート台座
3 外筒体
31 アンカー筋
4 基礎スラブ
5 免震装置
54,56 ボルト
55 高ナット
57 袋ナット
58 袋ナット
6 ベースプレート
G 地盤

Claims (4)

  1. 外周部が鋼管からなる基礎杭の杭頭と
    記杭頭の外周側を包囲し、内周面と前記杭頭の前記外周部との間にコンクリートで充填されるべき環状隙間を構築する外筒体と、
    前記外筒体の上端に被せら、前記環状隙間の上に並ぶ複数のボルト挿通孔と中央領域に設けられて前記環状隙間につながりコンクリートの入口用に設けられた入口孔とを有するベースプレートと、
    上端が前記ベースプレートの前記ボルト挿通孔に結合され、前記環状隙間を略鉛直方向にのびる複数のアンカー筋と、
    前記環状隙間を埋めるように前記杭頭と前記外筒体との間に充填されたコンクリートで構築され、コンクリートで前記複数のアンカー筋が埋まるように構築されたコンクリート台座と、
    下部フランジを備え、前記下部フランジが前記ベースプレートに取り付けられた免震装置と、
    周方向へ連続又は断続して延び、水平方向の幅寸法よりも杭頭と接合された内周面における鉛直方向の寸法が大きく、前記幅寸法が前記アンカー筋と干渉しない程度の大きさに設定され、前記杭頭の外周面に接合されると共に前記コンクリート台座に埋設された支圧リングと、
    を備えることを特徴とする杭頭免震接合構造。
  2. 杭頭と、
    前記杭頭の外周側を包囲する外筒体と、
    前記外筒体の上端に被せられるベースプレートと、
    前記ベースプレートに第一結合手段で結合されて前記外筒体の内側へのびるアンカー筋と、
    前記杭頭と外筒体との間に設けられ前記アンカー筋が埋め込まれるコンクリート台座と、
    下部フランジを備え、前記下部フランジが前記ベースプレートに第二結合手段で結合される免震装置と、
    周方向へ連続又は断続して延び、水平方向の幅寸法よりも杭頭と接合された内周面における鉛直方向の寸法が大きく、前記杭頭の外周面に接合されると共に前記コンクリート台座に埋設された支圧リングと、
    を備え、
    前記第一結合手段と前記第二結合手段とが前記ベースプレートの異なる部位に設けられることを特徴とする杭頭免震接合構造。
  3. 周方向に連続した第二支圧リングが、前記外筒体の内周面に接合されると共に前記コンクリート台座に埋設され
    前記アンカー筋が前記支圧リングの外側かつ前記第二支圧リングの内側を略鉛直方向にのびることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭頭免震接合構造。
  4. 前記外筒体は環状の下端面を持ち、前記下端面は前記杭頭を囲むようにのびて前記外筒体の厚みに等しい幅を持ち、前記下端面が前記杭頭のまわりに打設されたコンクリート層に接し、少なくとも1つの前記支圧リングよりも深い位置であって前記コンクリート層に達しない位置で前記アンカー筋の端が終端するように構築された請求項1〜3のいずれか1項に記載の杭頭免震接合構造
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