JP6801621B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートの側方から乗物に衝撃が加わった場合に、その乗物用シートに着座している乗員の側方でエアバッグを展開及び膨張させて、乗員を衝撃から保護するサイドエアバッグ装置に関する。
乗員が着座している車両用シートの側方から、側突等により車両に衝撃が加わった場合に、その衝撃から乗員を保護する装置として、サイドエアバッグ装置が広く知られている。このサイドエアバッグ装置は、エアバッグ及びガス発生器を有するエアバッグモジュールを備える。エアバッグモジュールは、車両用シートにおけるシートバックの車外側の側部に設けられた収納部に収納される。
このサイドエアバッグ装置によれば、車両のサイドドア等の側壁部に対し側方から衝撃が加わると、ガス発生器から膨張用ガスがエアバッグに供給される。この膨張用ガスによりエアバッグが展開及び膨張し、一部を収納部に残した状態で車両用シートから飛び出す。その後もエアバッグは、乗員と側壁部との間を前方へ向けて展開及び膨張する。展開及び膨張したエアバッグが、乗員と車内側へ進入してくる側壁部との間に介在して乗員を拘束するとともに、側壁部を通じて乗員へ伝わる側方からの衝撃を緩和する。
上記サイドエアバッグ装置の一態様として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。このサイドエアバッグ装置では、エアバッグモジュールABMが図14に示す受圧板(圧力板)81をさらに備えている。受圧板81は、展開及び膨張するエアバッグ82を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させるためのものであり、上下方向に細長い形状をなしており、エアバッグ82の後側に配置されている。なお、図14中の二点鎖線は、展開及び膨張する前のエアバッグ82を示している。
エアバッグ82の後部の上下方向に離間した複数箇所には、フラップ(布片)83が、縫製により取付けられている。そして、エアバッグ82と各フラップ83との間の隙間に受圧板81が差し込まれることにより、受圧板81がエアバッグモジュールABMに組付けられている。
特開2014−19393号公報
ところが、上記従来のサイドエアバッグ装置では、複数のフラップ83により受圧板81をエアバッグ82の後部に組付けるために、エアバッグ82の複数箇所にフラップ83を縫製により取付ける作業が必要となる。また、エアバッグ82と各フラップ83との間の狭い隙間に受圧板81を差し込むといった繁雑な作業も必要となる。そのため、受圧板81の組付け性の点で改良の余地がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアバッグモジュールにおける受圧板の組付け性向上を図ることのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記課題を解決するサイドエアバッグ装置は、折り畳まれた状態のエアバッグと、少なくともガス噴出部が前記エアバッグ内に配置されたガス発生器とを備えるエアバッグモジュールが、乗物用シートに着座している乗員の側方に設けられた収納部に収納され、前記乗物用シートの側方から乗物に加わる衝撃に応じて前記ガス発生器から膨張用ガスを前記エアバッグに供給し、同エアバッグを前記乗員の側方で前方へ向けて展開及び膨張させるサイドエアバッグ装置であって、前記エアバッグモジュールは、前記エアバッグの外側に配置されて前記ガス発生器に係止され、かつ展開及び膨張する前記エアバッグを通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧板を備え、前記エアバッグモジュールは、前記受圧板の主要部と、折り畳まれた状態の前記エアバッグのうち、少なくとも前記受圧板が配置された部分とに巻き付けられた状態で被せられ、かつ展開及び膨張する前記エアバッグにより破断されるエアバッグカバーをさらに備え、前記エアバッグカバーは巻き付け方向において互いに異なる複数箇所で前記ガス発生器に係止されている。
上記の構成によれば、受圧板は、ガス発生器の少なくともガス噴出部が自身の内部に配置されたエアバッグの外側に配置されて、同ガス発生器に係止される。そのうえで、エアバッグカバーが、受圧板の主要部と、折り畳まれた状態のエアバッグのうち、少なくとも受圧板が配置された部分とに巻き付けられた状態で被せられる。そして、エアバッグカバーは、巻き付け方向において互いに異なる複数箇所でガス発生器に係止される。この係止により、エアバッグカバーが、受圧板の主要部と、折り畳まれた状態のエアバッグのうち、少なくとも受圧板が配置された部分とに巻き付けられた状態に保持される。エアバッグとエアバッグカバーとの間の受圧板は、エアバッグ及びガス発生器に組付けられた状態となる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記エアバッグカバーは、挿入口を有し、かつ前記ガス発生器の少なくとも前記ガス噴出部が配置されたエアバッグと前記受圧板の少なくとも主要部とが、前記挿入口を通じて挿入されて収容されるカバー本体を備えるとともに、前記カバー本体に接続され、かつ前記挿入口を塞ぐ蓋部を備え、前記エアバッグカバーは、前記挿入口が前記蓋部により塞がれることで、前記エアバッグ及び前記受圧板に巻き付けられた状態で被せられるものであり、前記エアバッグカバーは、前記カバー本体と、前記挿入口を塞いだ状態の前記蓋部とにおいて前記ガス発生器に係止されていることが好ましい。
上記の構成によれば、受圧板の組付けに際し、エアバッグカバーでは、カバー本体に接続された蓋部が開放されて挿入口が開口される。折り畳まれた状態のエアバッグと、ガス発生器のうちエアバッグ内に配置された少なくともガス噴出部を含む部分と、ガス発生器に係止された受圧板の少なくとも主要部とが、挿入口を通じてカバー本体内に収容される。挿入口が蓋部によって塞がれることで、エアバッグカバーが、エアバッグ及び受圧板に巻き付けられた状態で被せられる。さらに、エアバッグカバーは、カバー本体と、挿入口を塞いだ状態の蓋部とにおいてガス発生器に係止される。この係止により、蓋部が挿入口を塞いだ状態に保持される。受圧板の少なくとも主要部は、エアバッグ及びガス発生器とともにエアバッグカバーによって覆われた状態となり、エアバッグ及びガス発生器に組付けられた状態となる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記ガス発生器は、軸線に沿って延びる長尺状のガス発生器本体と、前記ガス発生器本体から前記軸線に対し直交する方向へ突出して、前記エアバッグ、前記受圧板及び前記エアバッグカバーに対しそれぞれ挿通される取付突起とを備え、前記エアバッグカバーは、前記取付突起の挿通される箇所から前記巻き付け方向へ離れた箇所に係止孔を有しており、前記エアバッグカバーは、前記エアバッグ、前記受圧板及び前記エアバッグカバーに挿通された前記取付突起に対し、前記係止孔において掛け止められることにより前記ガス発生器に係止されていることが好ましい。
上記の構成によれば、ガス発生器本体から突出する取付突起が、エアバッグ、受圧板及びエアバッグカバーに対しそれぞれ挿通される。エアバッグ、受圧板及びエアバッグカバーは、上記挿通によりそれぞれガス発生器に係止される。エアバッグカバーが、受圧板の主要部と、折り畳まれた状態のエアバッグのうち、少なくとも受圧板が配置された部分とに巻き付けられた状態で被せられる。そして、エアバッグカバーは、取付突起の挿通される箇所から巻き付け方向へ離れた箇所に形成された係止孔において、同取付突起に掛け止められる。この掛け止めにより、エアバッグカバーは、巻き付け方向において互いに異なる2箇所でガス発生器に係止される。
上記サイドエアバッグ装置において、前記ガス発生器は、長尺状をなし、かつ一方の端部に前記ガス噴出部を有するガス発生器本体と、前記ガス発生器本体の他方の端部に接続されて、前記エアバッグカバーの外部に配置されるハーネスとを備え、前記受圧板は、同受圧板の主要部を構成し、かつ前記エアバッグカバーが巻き付けられる受圧本体部と、前記受圧本体部から突出して、前記エアバッグカバーに形成された窓部を通じて同エアバッグカバーの外部に露出し、前記ハーネスが引っ掛けられる掛止部とを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、受圧板の主要部を構成する受圧本体部にエアバッグカバーが巻き付けられた状態では、同受圧本体部から突出する掛止部が、窓部を通じてエアバッグカバーの外部に露出する。ガス発生器本体のガス噴出部とは反対側の端部に接続され、かつエアバッグカバーの外部に配置されたハーネスは、掛止部に引っ掛けられる。ハーネスは、掛止部に係止されて動きを拘束され、ふらつくことを抑制される。
また、上記のように、受圧板が掛止部を有しているため、ハーネスを引っ掛ける箇所を別途設けなくてもすむ。
上記サイドエアバッグ装置において、前記受圧板は樹脂により形成されていることが好ましい。
ここで、仮に、受圧板が金属材料を加工することによって形成された場合、加工面にバリと呼ばれる硬質の突起が発生するおそれがある。硬質のバリを有する受圧板が用いられると、バリに触れたエアバッグを傷つける懸念がある。
この点、上記の構成によるように、受圧板として樹脂によって形成されたものが用いられれば、バリが発生したとしても、そのバリは、金属のバリほど硬くない。そのため、バリがエアバッグを傷つける現象が起こりにくい。
上記サイドエアバッグ装置において、前記ガス発生器は、上下方向へ延びる長尺状をなし、かつ下端部に前記ガス噴出部を有するガス発生器本体を備え、前記受圧板の上端は、前記ガス発生器本体の上端に対し同じ又は低い箇所に位置し、前記受圧板の下端は、前記ガス噴出部の下端に対し同じ又は低い箇所に位置していることが好ましい。
上記の構成によれば、ガス発生器本体のガス噴出部から膨張用ガスが噴出されると、その膨張用ガスの供給を受けたエアバッグは、折り状態を解消(展開)しながら膨張する。このとき、エアバッグのうち後方に受圧板がある部分では、膨張用ガスの圧力が受圧板によって受け止められ、前方へ向かう反力が発生される。この反力により、エアバッグが前方へ向けて、より的確に展開及び膨張する。
ここで、膨張用ガスは、エアバッグのうち、ガス噴出部に近い箇所に最初に供給され、ガス噴出部から遠い箇所には、近い箇所に遅れて供給される。そのため、早期に反力を発生させて、エアバッグを前方へ展開及び膨張させるうえでは、少なくともガス噴出部に近い箇所に受圧板が配置されることが重要である。ただし、この重要性は、ガス噴出部から遠ざかる箇所では、ガス噴出部に近い箇所に比べると低くなる。
この点、受圧板の下端が上記の条件を満たす箇所に位置することで、ガス発生器本体の下端部のガス噴出部の近くに受圧板が位置する。そのため、ガス噴出部から噴出された膨張用ガスの圧力は、受圧板のうちガス噴出部に近い箇所によって受け止められ、前方へ向かう反力が発生される。
これに対し、ガス発生器本体の上端よりも高い箇所には受圧板が位置しない。そのため、膨張用ガスの圧力は、ガス発生器本体の上端よりも高い箇所では受圧板によって受け止められない。しかし、そのことが、反力によりエアバッグを前方へ展開及び膨張させることに及ぼす影響は少ない。むしろ、受圧板の上端の位置が低くなって、受圧板の長さが短くなり、受圧板のコストを低減する効果が得られる。
上記サイドエアバッグ装置によれば、エアバッグモジュールにおける受圧板の組付け性向上を図ることができる。
一実施形態におけるサイドエアバッグ装置が設けられた車両用シートを乗員とともに示す側面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及び側壁部の位置関係を示す平断面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及び側壁部の位置関係を示す図であり、車両の前方から見た断面図。 一実施形態において、エアバッグモジュールが組込まれたシートバックにおける車外側の側部の内部構造を示す部分平断面図。 一実施形態において、エアバッグモジュールがサイドフレーム部に締結された状態を示す縦断面図。 一実施形態におけるエアバッグモジュールの平断面図。 一実施形態におけるエアバッグモジュールを車外側から見た部分側面図。 一実施形態におけるエアバッグモジュールを車内側から見た部分側面図。 一実施形態におけるエアバッグモジュールを後方から見た部分背面図。 (a),(b)は、一実施形態における受圧板の斜視図。 一実施形態において、リテーナの挿入されたエアバッグに受圧板が装着された状態を示す図であり、車外側から見た側面図。 一実施形態において、リテーナの挿入されたエアバッグに受圧板が装着された状態を示す図であり、図11とは反対側(車内側)から見た側面図。 (a)〜(c)は、エアバッグ内のリテーナにインフレータが装着されて、エアバッグカバーの蓋部がカバー本体に係止される様子を説明する説明図。 従来のサイドエアバッグ装置におけるエアバッグ、受圧板及びフラップの位置関係を示す部分平断面図。
以下、車両用のサイドエアバッグ装置の一実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の車幅方向における中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とする。また、車両用シートには、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員が着座しているものとする。
図1〜図3に示すように、乗物としての車両10において、側壁部11の車内側の近傍には、乗物用シートとして車両用シート12が配置されている。ここで、側壁部11とは、車両10の側部に配置された車両構成部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応する側壁部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応する側壁部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション13及びシートバック14を備えている。シートクッション13は、車体の床に設置されたレール(図示略)に対し、前後位置調整可能に取付けられている。シートバック14は、シートクッション13の後部から上側ほど後方に位置するように傾斜した状態で起立しており、傾斜角度を調整可能に構成されている。車両用シート12は、シートバック14が前方を向く姿勢で車室内に配置されている。このように配置された車両用シート12の幅方向は、車幅方向と合致する。
次に、シートバック14における車外側の側部の内部構造について説明する。
シートバック14の内部には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図4に示すように、シートバック14内の車外側部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工等することによって形成されている。サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド16が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成されたバックボード17が配置されている。なお、シートパッド16は表皮によって被覆されているが、図4ではその表皮の図示が省略されている。
シートパッド16内において、サイドフレーム部15の車外側近傍には収納部18が設けられている。この収納部18は、車両用シート12に着座している乗員P1の側方に位置する。この収納部18には、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールABMが組込まれている。
収納部18の角部からは、斜め前かつ車外側に向けてスリット19が延びている。シートパッド16の前側の角部16cとスリット19とによって挟まれた箇所(図4において二点鎖線の枠で囲んだ箇所)は、後述するエアバッグ40によって破断される破断予定部21を構成している。
エアバッグモジュールABMは、ガス発生器30、エアバッグ40、エアバッグカバー50及び受圧板60を主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。
<ガス発生器30>
ガス発生器30は、その主要部をなすガス発生器本体31と、ガス発生器本体31をサイドフレーム部15に取付けるための取付突起とによって構成されている。
図4及び図5に示すように、ガス発生器本体31は、インフレータ32と、そのインフレータ32を覆うリテーナ36とを備えており、全体が軸線L1に沿って略上下方向へ延びる長尺状をなしている。ここでは、インフレータ32として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ32は略円柱状をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。ガス発生器本体31は、その下端部にガス噴出部33を有している。ガス噴出部33の外周部には、膨張用ガスを噴出する複数のガス噴出孔33aが設けられている。また、ガス発生器本体31のガス噴出部33とは反対側の端部である上端部には、インフレータ32への作動信号の入力配線となるハーネス34(図7等参照)が、コネクタ35を介して接続されている。
なお、インフレータ32としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ36はガス発生器本体31の外周部分を構成している。このリテーナ36は、膨張用ガスの噴出する方向を制御するディフューザとして機能するとともに、インフレータ32をエアバッグ40等と一緒にサイドフレーム部15に締結する機能を有する部材である。リテーナ36の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって略筒状に形成されている。リテーナ36は、その上端部が縮径するように、かしめられることにより、インフレータ32の上端部に係止されている。
取付突起は、リテーナ36に固定された一対のボルト37によって構成されている。両ボルト37は、リテーナ36の上下方向に互いに離間した箇所から車内側へ向けて突出している。両ボルト37の突出する方向は、ガス発生器本体31の軸線L1に対し直交する方向の1つである。
なお、ガス発生器本体31は、インフレータ32とリテーナ36とが一体になったものであってもよい。また、ガス発生器本体31は、インフレータ32のみによって構成されてもよい。この場合には、取付突起(ボルト37)はインフレータ32に直接固定される。
<エアバッグ40>
図1〜図3に示すように、エアバッグ40は、1枚の布片(基布、パネル布等とも呼ばれる)を、その幅方向における中央部に設定された折り線39(図1参照)において二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を結合させることによって形成されている。ここでは、エアバッグ40の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置するものを布部41といい、車外側に位置するものを布部42というものとする。
なお、本実施形態では、折り線39がエアバッグ40の後端部に位置するように布片が二つ折りされているが、折り線39がエアバッグ40の他の端部、例えば、前端部、上端部、下端部等に位置するように布片が二つ折りされてもよい。また、エアバッグ40は、折り線39に沿って分割された2枚の布片からなるものであってもよい。さらに、エアバッグ40は、3枚以上の布片からなるものであってもよい。
エアバッグ40は、車両用シート12と側壁部11との間で展開及び膨張したときに、乗員P1の上半身の多くの部分、例えば腰部PPから肩部PSにかけての部位に対応する領域を占有し得る形状及び大きさに形成されている。
上記布片としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えば、ポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
二つ折りされた布片の上記結合は、それらの周縁部に設けられた周縁結合部43においてなされている。本実施形態では、周縁結合部43は、二つ折りされた布片の周縁部のうち、後端部等を除く部分を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。なお、周縁結合部43は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば、接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
図1及び図5に示すように、エアバッグ40の後端部であって上下方向における中間部分(上端部寄りの箇所)には、ガス発生器30の挿入口44が上方に向けて開口されている。また、車内側の布部41において挿入口44の下方となる2箇所には、ガス発生器30のボルト37を挿通させるためのボルト孔45があけられている(図6参照)。
そして、ガス発生器本体31は、ガス噴出部33がインフレータ32の下端部に位置し、かつ上部ほど後側に位置するように傾斜した姿勢にされて、挿入口44を通じて、エアバッグ40の後端部内に挿入されている。ガス噴出部33は、エアバッグ40内に配置されている。ガス発生器本体31の上端部及びハーネス34は、エアバッグ40の外部に露出されている(図7等参照)。
各ボルト37は、車内側の布部41の対応するボルト孔45に挿通されている。この挿通により、ガス発生器30が、車内側の布部41に対し位置決めされた状態で係止されている。
図4に示すように、上記エアバッグ40は、ガス発生器本体31よりも前側部分が折り畳まれることにより、コンパクトな形態にされている。これは、エアバッグ40を、シートバック14における限られた大きさの収納部18に対し、収納に適したものとするためである。エアバッグ40を折り畳む態様としては、例えば、ロール折り、蛇腹折り等が適している。ロール折りは、エアバッグ40の一方の端部を中心とし、その周りに他の部分を巻き付ける折り態様である。蛇腹折りは、エアバッグ40を、一定幅ずつ交互に折り方向を変えながら折り返す折り態様である。
図11及び図12に示すように、エアバッグ40において、折り畳まれた部分の上部と下部とには、それぞれ結束テープ46が巻き付けられている。これらの結束テープ46により、エアバッグ40は折り畳まれた状態に保持されている。
<エアバッグカバー50>
図6〜図9に示すように、エアバッグカバー50は、折り畳まれた状態のエアバッグ40を包み込み、エアバッグモジュールABMの搬送時や、収納部18への組付け前等に、折り畳まれた形状が崩れる(折りがほどける)のを抑制するためのものであり、ラッピングクロス、ラッピングシート等とも呼ばれる。エアバッグカバー50は、不織布等の布によって形成されている。ガス発生器30のうち、エアバッグ40から露出している部分(ガス発生器本体31の上端部とハーネス34)は、エアバッグカバー50によって包まれておらず、同エアバッグカバー50から露出している。
エアバッグカバー50は、カバー本体51及び蓋部56を備えている。カバー本体51は、エアバッグカバー50の主要部を構成する部分であり、複数の布片によって形成されている。カバー本体51では、隣り合う布片の一部の周縁部同士が熱溶着等の結合手段によって結合されている。この態様で結合がなされた箇所には、カバー本体51の上端部、下端部、前端部等が含まれている。カバー本体51の後部では、隣り合う布片間の一部に、周縁部同士が結合されていない箇所が設定されており、この箇所により挿入口52(図6参照)が構成されている。
複数の布片には、車内側の布片53と車外側の布片54とが含まれている。車内側の布片53において、挿入口52から前方へ離間した箇所であって、上下方向に互いに離間した一対の箇所には、ボルト孔55があけられている。そして、ガス発生器本体31のうち、上端部を除く多くの部分が挿入され、かつ折り畳まれた状態のエアバッグ40が、カバー本体51内に収容されている。さらに、ガス発生器30の一対のボルト37が、上記車内側の布片53における対応するボルト孔55に挿通されている。挿通された各ボルト37は、カバー本体51の外部に露出している。
蓋部56は、カバー本体51において、車外側の布片54の後端部に繋がった状態で一体に形成されている。なお、蓋部56はカバー本体51とは別部材によって構成され、熱溶着等の固定手段によって車外側の布片54に固定されてもよい。蓋部56は、挿入口52が塞がれるように、カバー本体51の後部に被せられるものである。蓋部56において、上下方向に互いに離間した一対の箇所には、係止孔としてのボルト孔57があけられている。両ボルト孔57は、上記ボルト37の挿通されるボルト孔55からエアバッグカバー50の後述する巻き付け方向へ離れた箇所に位置している。そして、カバー本体51から露出している上記一対のボルト37が、挿入口52を塞いだ蓋部56の対応するボルト孔57に挿通されることで、蓋部56がガス発生器30に係止されている。蓋部56が挿入口52を塞いだ状態では、同蓋部56が車内側の布片53の後部に車内側から重ね合わされる。上記係止により、蓋部56が挿入口52を塞いだ状態に保持されている。
蓋部56の下部には、エアバッグカバー50の内外を連通させる孔からなる窓部58が開口されている。
エアバッグカバー50には、エアバッグ40が展開及び膨張した時に、そのエアバッグ40によって押圧されて破断される開裂部(図示略)が設けられている。開裂部は、例えば、エアバッグカバー50に形成されたスリットによって構成されている。
<受圧板60>
図6に示すように、受圧板60は、展開及び膨張するエアバッグ40を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させるためのものであり、折り畳まれた状態のエアバッグ40とエアバッグカバー50との間に配置されている。受圧板60は、受圧本体部61及び掛止部66を備えており、全体が硬質の樹脂材料によって形成されている。
図10(a),(b)、図11及び図12に示すように、受圧本体部61は、受圧板60の主要部を構成する部分であり、上記カバー本体51内に配置される部分である。受圧本体部61は、後壁部62、内壁部63及び外壁部65を備えて構成されている。後壁部62は、車幅方向に一定の幅を有し、上記ガス発生器30と同様、上部ほど後側に位置するように傾斜している。内壁部63は、後壁部62の車内側の側縁部から斜め上前方へ向けて突出している。内壁部63において、略上下方向に互いに離間した一対の箇所には、ボルト孔64があけられている。外壁部65は、後壁部62の車外側の側縁部から斜め上前方へ向けて突出している。
掛止部66は、エアバッグカバー50の外部に配置されたハーネス34が引っ掛けられる箇所であり、後壁部62の下部に形成されている。より詳しくは、後壁部62の下部には、矩形状の孔67が形成されている。掛止部66は、孔67の車内側の縁部67aを起点とし、車外側の縁部67bに向けて延びている。掛止部66の多くの部分は、受圧本体部61から後方へ突出している。掛止部66の先端部は、孔67の車外側の縁部67bから後方へ離間している。こうした構成により、掛止部66は、前後方向に弾性変形可能である。
そして、折り畳まれたエアバッグ40を、内壁部63及び外壁部65によって車幅方向の両側から挟み込み、かつ後壁部62を同エアバッグ40の後面に接近又は接触させた状態で、受圧板60がエアバッグ40に対し後側から装着されている。さらに、エアバッグ40に挿通された一対のボルト37が、内壁部63の対応するボルト孔64に挿通されることにより、受圧板60がガス発生器30に係止されている。
上記のように受圧板60がエアバッグ40に装着され、かつガス発生器30に係止された状態では、受圧板60の上端60aは、ガス発生器本体31の上端よりも低い箇所に位置している。また、受圧板60の下端60bは、ガス噴出部33の下端よりも低い箇所に位置している(図5等参照)。
その上で、図6に示すように、受圧本体部61とエアバッグ40とガス発生器本体31の上端部を除く大部分とは、カバー本体51内に収容され、かつ挿入口52を蓋部56によって塞がれることで、エアバッグカバー50によって包み込まれている。
受圧本体部61から後方へ突出している掛止部66は、蓋部56の窓部58を通じてエアバッグカバー50の外部に露出している。そして、エアバッグカバー50の外部(後方)において上下方向に延びるように配置されたハーネス34の一部が、掛止部66に引っ掛けられて、係止されている。
図4及び図5に示すように、上記エアバッグモジュールABMは収納部18に配設されている。ガス発生器30から延びて、エアバッグ40、受圧板60及びエアバッグカバー50に対しそれぞれ挿通されたボルト37が、サイドフレーム部15に対し車外側から挿通され、同ボルト37に対し、車内側からナット38が締付けられている。この締付けにより、ガス発生器30が、エアバッグ40、受圧板60及びエアバッグカバー50と一緒に、上部ほど後側に位置するように傾斜した状態でサイドフレーム部15に固定されている。
なお、ガス発生器30は、上述したボルト37及びナット38とは異なる部材によってサイドフレーム部15に固定されてもよい。この場合でも、ガス発生器30は、取付突起においてサイドフレーム部15に固定される。
サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールABMのほかに、図1に示す衝撃センサ71及び制御装置72を備えている。衝撃センサ71は加速度センサ等からなり、側壁部11を通じて車両10に対し外側方から加わる衝撃を検出する。制御装置72は、衝撃センサ71からの検出信号に基づきインフレータ32の作動を制御する。
さらに、車両10には、車両用シート12に着座している乗員P1を拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図1等ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について、状況毎に説明する。
<エアバッグモジュールABMの製造>
エアバッグモジュールABMの製造に際しては、ガス発生器30におけるリテーナ36の上端部を除く多くの部分が挿入口44を通じて、展開状態のエアバッグ40の後端部内に挿入される。リテーナ36から突出する一対のボルト37が、エアバッグ40における車内側の布部41の対応するボルト孔45に挿通される(図5参照)。この挿通により、リテーナ36が、車内側の布部41に対し位置決めされた状態で係止される。リテーナ36の上端部は、挿入口44からエアバッグ40の外部に露出する。
エアバッグ40のうち、リテーナ36の挿入された後端部を除く多くの部分が、折り畳まれる。この折り畳みにより、エアバッグ40がコンパクトな形態になる(図11、図12参照)。
折り畳まれたエアバッグ40に対し後側から受圧板60が装着される。この装着の際には、一対のボルト37が、受圧板60の対応するボルト孔64に挿通される(図12参照)。この段階では、受圧板60はボルト孔64においてボルト37に係止されているだけであり、受圧板60がボルト37から外れ、エアバッグ40から脱落するおそれがある。
これに対しては、エアバッグカバー50では、カバー本体51に接続された蓋部56が開放されて挿入口52が開口される(図6の二点鎖線参照)。受圧板60がエアバッグ40及びリテーナ36とともに挿入口52を通じてカバー本体51内に収容される(図13(a)参照)。この収容の際には、上記一対のボルト37が、カバー本体51における対応するボルト孔55に挿通される(図8参照)。この際、リテーナ36の上端部は、カバー本体51から露出される。
図13(a),(b)に示すように、蓋部56は、挿入口52が塞がれるように、カバー本体51の後部に被せられる。すなわち、エアバッグカバー50が、受圧板60の主要部(受圧本体部61)と、折り畳まれた状態のエアバッグ40のうち、少なくとも受圧板60が配置された部分とに巻き付けられた状態で被せられる。ボルト37が蓋部56のボルト孔57に挿通されることで、蓋部56がリテーナ36に係止される。表現を変えると、エアバッグカバー50は、巻き付け方向において互いに異なる複数箇所(カバー本体51及び蓋部56の2箇所)のボルト孔55,57でガス発生器30に係止される。また、別の表現をすると、エアバッグカバー50は、ボルト37に対しボルト孔57において掛け止められることにより、巻き付け方向において互いに異なる2箇所でガス発生器30に係止される。この係止により、エアバッグカバー50が、受圧板60の主要部と、折り畳まれた状態のエアバッグ40のうち、少なくとも受圧板60が配置された部分とに巻き付けられた状態に保持され、蓋部56が、挿入口44を塞いだ状態に保持される(図6参照)。エアバッグ40とエアバッグカバー50との間の受圧板60の受圧本体部61は、エアバッグ40と、リテーナ36の上端部を除く大部分と一緒に、エアバッグカバー50によって覆われた状態となり、エアバッグ40及びリテーナ36に対し組付けられた状態となる。
このように、本実施形態では、エアバッグ40を包み込むためのエアバッグカバー50を利用している。そして、蓋部56によって挿入口52を塞ぎ、この状態で蓋部56のボルト孔57をガス発生器30のボルト37に引っ掛けることで、蓋部56をリテーナ36に係止している。このような簡単な作業を行うだけで、受圧板60を組付けることができる。
従って、図14に示す従来のものとは異なり、エアバッグ82の複数箇所にフラップ83を縫製により取付けなくてもすむ。また、エアバッグ82と各フラップ83との間の狭い隙間に受圧板81を差し込むといった繁雑な作業を行わなくてもすむ。その結果、エアバッグモジュールABMにおける受圧板60の組付け性が向上する。
また、挿入口52が蓋部56によって塞がれた状態では、受圧板60の掛止部66が、窓部58を通じてエアバッグカバー50の外部に露出する。
ここで、仮に、受圧板60が金属材料を加工することによって形成された場合には、加工面にバリと呼ばれる硬質の突起が発生するおそれがある。硬質のバリを有する受圧板60が用いられると、バリに触れたエアバッグ40を傷つける懸念がある。
この点、本実施形態では、受圧板60として樹脂材料によって形成されたものが用いられているため、バリが発生したとしても、そのバリは、金属のバリほど硬くない。そのため、バリがエアバッグ40を傷つける現象を起こりにくくすることができる。
次に、図13(a)〜(c)に示すように、上端部にハーネス34が接続され、かつガス噴出部33を下端部に有するインフレータ32が、上記リテーナ36に対し、上方から挿通される。インフレータ32がリテーナ36の所定の位置まで挿通されると、リテーナ36の上端部が縮径するようにかしめられることにより、インフレータ32に係止される。この際、受圧板60の上端60aは、リテーナ36の上端よりも下方に位置しており、かしめ作業の妨げとなりくい(図5参照)。ハーネス34のインフレータ32との接続部分は、エアバッグカバー50の外部に露出している。また、ハーネス34の全体はエアバッグカバー50の外部に位置している。
ハーネス34が、エアバッグカバー50(蓋部56)の後面に沿って下方へ引き延ばされる。蓋部56の窓部58から露出している受圧板60の掛止部66に、上記ハーネス34が引っ掛けられる。すると、ハーネス34は、掛止部66に係止されて動きを拘束され、ふらつくことを抑制される(図7〜図9参照)。
上記のように、受圧板60が掛止部66を有しているため、ハーネス34を引っ掛ける箇所を別途設けなくてもすむ。
<サイドエアバッグ装置の非作動時>
側壁部11に対し衝撃が加わったことが衝撃センサ71によって検出されないときには、制御装置72からインフレータ32に対し、これを作動させるための作動信号が出力されず、膨張用ガスが噴出されない。図4に示すように、エアバッグ40は、折り畳まれた状態で収納部18に収納され続ける。
<サイドエアバッグ装置の作動時>
これに対し、車両10の走行中等に、側突等により側壁部11に所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ71によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置72からインフレータ32に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、ガス噴出部33のガス噴出孔33aから膨張用ガスが噴出される。
膨張用ガスの供給を受けたエアバッグ40は、折り状態の解消(展開)を伴いながら膨張する。この膨張するエアバッグ40によって、エアバッグカバー50が押圧されて、開裂部が破断される。エアバッグ40は、破断された箇所からエアバッグカバー50の外部に出る。
図6に示すように、インフレータ32から膨張用ガスが噴出されたとき、エアバッグ40のうち後方に受圧板60がある箇所では、膨張用ガスの圧力が受圧板60、特に後壁部62によって受け止められ、前方へ向かる反力が発生される。この反力により、エアバッグ40が前方へ向けて、より的確に展開及び膨張する。
エアバッグ40の膨張は、折り畳まれた順とは逆の順に、折り状態の解消を伴いながらなされる。このように展開及び膨張するエアバッグ40によってシートバック14のシートパッド16が押圧され、破断予定部21(図4参照)において同シートパッド16が破断される。エアバッグ40は、その一部を収納部18に残した状態で、破断された箇所を通じてシートバック14から、前方へ飛び出す。
その後も膨張用ガスが供給されるエアバッグ40は、図2及び図3において二点鎖線で示すように、側壁部11と、車両用シート12に着座している乗員P1の上半身との間で前方へ向けて展開及び膨張する。
乗員P1の上半身(腰部PPから肩部PSにかけての領域)が、展開及び膨張したエアバッグ40によって押圧され、拘束される。その結果、側壁部11を通じて伝わる側方からの衝撃が、エアバッグ40によって緩和されて、上半身が保護される。
ここで、図5に示すように、膨張用ガスは、エアバッグ40のうち、ガス噴出部33に近い箇所に最初に供給され、ガス噴出部33から遠い箇所には、近い箇所に遅れて供給される。そのため、早期に反力を発生させて、エアバッグ40を前方へ展開及び膨張させるうえでは、少なくともガス噴出部33に近い箇所に受圧板60が配置されることが重要である。ただし、この重要性は、ガス噴出部33から遠ざかる箇所では、ガス噴出部33に近い箇所に比べると低くなる。
この点、本実施形態では、受圧板60の下端60bがガス噴出部33の下端よりも低い箇所に位置することで、ガス発生器本体31の下端部のガス噴出部33の近く、すなわち、ガス噴出部33と同じ高さはもちろんのこと、それに近い高さに受圧板60が位置する。そのため、ガス噴出部33から噴出された膨張用ガスの圧力は、受圧板60のうちガス噴出部33に近い箇所によって受け止められ、前方へ向かう反力が発生される。
これに対し、ガス発生器本体31の上端よりも高い箇所はもちろんのこと、同じ高さにも受圧板60が位置しない。そのため、膨張用ガスの圧力は、ガス発生器本体31の上端部の近くでは受圧板60によって受け止められない。しかし、そのことが、反力によりエアバッグ40を前方へ展開及び膨張させることに及ぼす影響は少ない。むしろ、受圧板60の上端60aの位置が低くなって、受圧板60の上下方向の長さが短くなり、受圧板60のコストを低減する効果が得られるようになる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<エアバッグモジュールABMの収納部18について>
・車両用シート12のシートバック14に代えて側壁部11に収納部18が設けられ、ここにエアバッグモジュールABMが組込まれてもよい。
<ガス発生器30について>
・ガス発生器30は、少なくともガス噴出部33がエアバッグ40内に配置されることを条件に、上記実施形態とは異なる態様でエアバッグ40に対し配置されてもよい。例えば、ガス発生器30の全体がエアバッグ40内に収容されるように配置されてもよい。
・取付突起は、ガス発生器本体31を乗物に固定することのできるものであることを条件に、ボルトとは異なる部材に変更されてもよい。
<エアバッグ40について>
・エアバッグ40は、その略全体が上記実施形態のように膨張するものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・エアバッグ40として、内部が、複数の部屋(膨張室)に区画されたものが用いられてもよい。
・乗員P1の上半身のうち、サイドエアバッグ装置によって保護される部位が、上記実施形態とは異なる部位に変更されてもよい。この場合、エアバッグ40の形状や大きさが、乗員P1の上半身の対象となる部位を保護できる形状や大きさに変更される。
<エアバッグカバー50について>
・エアバッグカバー50は、受圧板60及びエアバッグ40に被せられた状態で、長さ方向における両端部が開放されたものであってもよい。
この場合、エアバッグカバー50は、上記実施形態とは異なり、カバー本体51及び蓋部56といった形態を採らない。エアバッグカバー50の全体が、受圧板60の主要部と、折り畳まれた状態のエアバッグ40とに対し巻き付けられ、巻き付け方向において互いに異なる複数箇所でガス発生器30に係止される。この係止により、エアバッグカバー50が巻き付けられた状態に保持される。エアバッグ40とエアバッグカバー50との間の受圧板60は、エアバッグ40及びガス発生器30に組付けられた状態となり、上記実施形態と同様の効果が得られる。
・エアバッグカバー50は、巻き付け方向における3箇所以上の複数箇所でガス発生器30に係止されてもよい。
<受圧板60について>
・受圧板60が、樹脂とは異なる硬質の材料によって形成されてもよい。例えば、バリによるエアバッグ40に対する傷つきの問題が解消されれば、金属材料によって受圧板60が形成されてもよい。
・例えば、リテーナ36が、かしめ以外の方法でインフレータ32に係止されたり、ガス発生器本体31がインフレータ32のみによって構成されたりする場合には、受圧板60の上端60aの高さは、ガス発生器本体31の上端と同じ高さに設定されてもよい。この場合でも、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・受圧板60の下端60bの高さは、ガス噴出部33の下端と同じ高さに設定されてもよい。この場合でも、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・掛止部66が、ハーネス34を引っ掛けることのできるものであることを条件に、受圧板60において後壁部62とは異なる箇所に設けられてもよい。
・掛止部66が、エアバッグモジュールABMを構成する部材のうち、受圧板60とは異なる部材に設けられてもよい。この場合、受圧板60は受圧本体部61のみによって構成される。受圧板60は、全体(受圧本体部61)がエアバッグ40とエアバッグカバー50との間に配置される。
<その他>
・上記サイドエアバッグ装置は、シートバック14が車両の前方とは異なる方向、例えば側方を向く姿勢で車両用シート12が配置された車両において、その車両用シート12に対し側方(車両の前後方向)から衝撃が加わった場合に、同衝撃から乗員P1の上半身を保護するタイプのサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
・上記サイドエアバッグ装置が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
・上記サイドエアバッグ装置は、車両以外の乗物、例えば航空機、船舶等における乗物用シートに装備されるサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
10…車両(乗物)、12…車両用シート(乗物用シート)、18…収納部、30…ガス発生器、31…ガス発生器本体、33…ガス噴出部、34…ハーネス、37…ボルト(取付突起)、40…エアバッグ、50…エアバッグカバー、51…カバー本体、52…挿入口、56…蓋部、57…ボルト孔(係止孔)、58…窓部、60…受圧板、60a…上端、60b…下端、61…受圧本体部、66…掛止部、ABM…エアバッグモジュール、L1…軸線、P1…乗員。

Claims (5)

  1. 折り畳まれた状態のエアバッグと、少なくともガス噴出部が前記エアバッグ内に配置されたガス発生器とを備えるエアバッグモジュールが、乗物用シートに着座している乗員の側方に設けられた収納部に収納され、前記乗物用シートの側方から乗物に加わる衝撃に応じて前記ガス発生器から膨張用ガスを前記エアバッグに供給し、同エアバッグを前記乗員の側方で前方へ向けて展開及び膨張させるサイドエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグモジュールは、前記エアバッグの外側に配置されて前記ガス発生器に係止され、かつ展開及び膨張する前記エアバッグを通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧板を備え、
    前記エアバッグモジュールは、前記受圧板の主要部と、折り畳まれた状態の前記エアバッグのうち、少なくとも前記受圧板が配置された部分とに巻き付けられた状態で被せられ、かつ展開及び膨張する前記エアバッグにより破断されるエアバッグカバーをさらに備え、前記エアバッグカバーは巻き付け方向において互いに異なる複数箇所で前記ガス発生器に係止され、
    前記ガス発生器は、長尺状をなし、かつ一方の端部に前記ガス噴出部を有するガス発生器本体と、前記ガス発生器本体の他方の端部に接続されて、前記エアバッグカバーの外部に配置されるハーネスとを備え、
    前記受圧板は、同受圧板の主要部を構成し、かつ前記エアバッグカバーが巻き付けられる受圧本体部と、前記受圧本体部から突出して、前記エアバッグカバーに形成された窓部を通じて同エアバッグカバーの外部に露出し、前記ハーネスが引っ掛けられる掛止部とを備えているサイドエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグカバーは、挿入口を有し、かつ前記ガス発生器の少なくとも前記ガス噴出部が配置されたエアバッグと前記受圧板の少なくとも主要部とが、前記挿入口を通じて挿入されて収容されるカバー本体を備えるとともに、前記カバー本体に接続され、かつ前記挿入口を塞ぐ蓋部を備え、
    前記エアバッグカバーは、前記挿入口が前記蓋部により塞がれることで、前記エアバッグ及び前記受圧板に巻き付けられた状態で被せられるものであり、
    前記エアバッグカバーは、前記カバー本体と、前記挿入口を塞いだ状態の前記蓋部とにおいて前記ガス発生器に係止されている請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記ガス発生器は、軸線に沿って延びる長尺状のガス発生器本体と、前記ガス発生器本体から前記軸線に対し直交する方向へ突出して、前記エアバッグ、前記受圧板及び前記エアバッグカバーに対しそれぞれ挿通される取付突起とを備え、
    前記エアバッグカバーは、前記取付突起の挿通される箇所から前記巻き付け方向へ離れた箇所に係止孔を有しており、
    前記エアバッグカバーは、前記エアバッグ、前記受圧板及び前記エアバッグカバーに挿通された前記取付突起に対し、前記係止孔において掛け止められることにより前記ガス発生器に係止されている請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記受圧板は樹脂により形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記ガス発生器は、上下方向へ延びる長尺状をなし、かつ下端部に前記ガス噴出部を有するガス発生器本体を備え、
    前記受圧板の上端は、前記ガス発生器本体の上端に対し同じ又は低い箇所に位置し、前記受圧板の下端は、前記ガス噴出部の下端に対し同じ又は低い箇所に位置している請求項1〜のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
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