JP2017186049A - 包装材及び包装体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム樹脂との親和性を持たせることでアンチブロッキング剤の脱落を防ぎ、滑り特性、易低温ヒートシール性及び引裂性を兼ね備えた包装材を提供する。【解決手段】有機ケイ素化合物を含むラミネート層12、ラミネート層12の一方の面側に積層され、ラミネート層12よりも密度が高く、かつ熱可塑性エラストマー及び有機ケイ素化合物を含むシール層11と、によって包装材10を作製する。【選択図】図1
Description
本発明は、添加剤の親和性を利用して滑り特性を制御し、さらには易低温ヒートシール性も兼ね備えた包装材及びこれを用いた包装体の製造方法に関する。
現在、粉体や液体等を包装する包装体として、一般的にポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエステル等のフィルムが使用されている。このようなフィルムは、包装体に要求されるヒートシール性やその他積層基材との密着性が良く、安価であるという利点がある。
包装体の一例としては、シャンプーやボディソープ等の液体洗剤等の保存容器に利用されるスタンディングパウチがある。スタンディングパウチに求められる物性としては、加工時の滑り性、外力が加わった際の耐衝撃性や耐突刺性、包装体の自立性、包装材料を開封する際の引裂き性等が求められる。
包装体の一例としては、シャンプーやボディソープ等の液体洗剤等の保存容器に利用されるスタンディングパウチがある。スタンディングパウチに求められる物性としては、加工時の滑り性、外力が加わった際の耐衝撃性や耐突刺性、包装体の自立性、包装材料を開封する際の引裂き性等が求められる。
特に、スタンディングパウチを始めとした包装体の製造工程時に、材料である包装材の滑り性が低いと、成形時のハンドリング性が十分でないために製膜ライン中の包装材に皺が生じる原因となる。皺の発生した包装材は破棄しなければならないため、材料のロスの増加に伴う材料コスト増や、収率が低下するといった問題がある。
包装材の滑り性を向上するには、包装材の表面自由エネルギーを変更する必要がある。包装材の表面自由エネルギーを変更する方法としては、例えば、包装材表面に凹凸形状を付与し接触面積を少なくする方法がある。また、他の方法として、表面自由エネルギーを低くできるスリップ剤を添加する方法、物質が変形する際のエネルギー損失を少なくするためや接触時の表面積を増加させないために剛性の高い材料を使用する方法が挙げられる。
また、包装体全体の引裂き性を向上させる構成は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の易引裂性包装体は、二軸延伸ナイロンフィルムを基材とした積層フィルムに、ラミネート層よりも材料密度の高いシール層を組み合わせることが記載されている。
また、製膜ライン中のフィルム搬送時における滑り性を向上させる構造は、例えば、特許文献2に記載されている。特許文献2に記載の流体包装体は、特許文献1のようにポリオレフィン系フィルムの表層に二酸化珪素、炭酸カルシウム、球形シリコン、ゼオライト、ポリメチルメタクリレート等のアンチブロッキング剤と脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ワックス等のスリップ剤をフィルム全面に添加し、ポリオレフィンフィルムの滑り性を制御している。
しかしながら、剛性の高い材料をシール層に用いた場合、滑り性は向上するが、低温でのヒートシール性が見込めず、充分な高速充填適性が得られないという問題が生じる。また、表面凹凸を利用して滑り性を付与するためにアンチブロッキング剤をフィルム表層の全面に添加する構成は、長尺巻取り時、数多くの搬送ロールにアンチブロッキング剤が摩擦により脱落し、滑り性が変化するという問題が生じる。さらに、脱落してロールに付着したアンチブロッキング剤は、搬送されるフィルムの表面に傷をつけて外観不良を生じさせる恐れがある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、フィルム樹脂との親和性を持たせることでアンチブロッキング剤の脱落を防ぎ、滑り特性、易低温ヒートシール性及び引裂性を兼ね備えた包装材及び包装体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の包装材は、有機ケイ素化合物を含むラミネート層と、前記ラミネート層の一方の面の側に積層され、前記ラミネート層よりも密度が高く、かつ熱可塑性エラストマー及び有機ケイ素化合物を含むシール層と、を備える。
本発明の一態様の包装体の製造方法は、上記態様の包装材端部をシールして製袋する工程を含む。
本発明の一態様の包装体の製造方法は、上記態様の包装材端部をシールして製袋する工程を含む。
本発明は、フィルム樹脂との親和性を持たせることでアンチブロッキング剤の脱落を防ぎ、滑り特性、易低温ヒートシール性及び引裂性を兼ね備えた包装材及び包装体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態の包装材及び包装体を説明する。なお、本実施形態において、包装材は、熱可塑性樹脂材の包装材用フィルムに包装材として必要な機能層等を積層した部材をいい、包装体とは、包装材をシールして中に内容物を収容可能に加工したもの、または加工する工程にある包装材を指すものとする。
本実施形態の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す本実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す本実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[包装材の機能]
図1は、本発明の一実施形態の包装材を説明するための図である。図1に示した包装材10は、少なくとも、ラミネート層12と、ラミネート層12の一方の面s1の側に積層されたシール層11と、を備えている。シール層11は、ラミネート層12よりも密度が高い部材である。シール層11及びラミネート層12には、所望の物性を得るための添加剤が含まれていて、ラミネート層12は、有機ケイ素化合物を含んでいる。また、シール層11は、熱可塑性エラストマー及び有機ケイ素化合物を含んでいる。
以下、図1に示した包装材10に要求される機能について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の包装材を説明するための図である。図1に示した包装材10は、少なくとも、ラミネート層12と、ラミネート層12の一方の面s1の側に積層されたシール層11と、を備えている。シール層11は、ラミネート層12よりも密度が高い部材である。シール層11及びラミネート層12には、所望の物性を得るための添加剤が含まれていて、ラミネート層12は、有機ケイ素化合物を含んでいる。また、シール層11は、熱可塑性エラストマー及び有機ケイ素化合物を含んでいる。
以下、図1に示した包装材10に要求される機能について説明する。
(滑り性)
包装材10は、製造時の摩擦等によるアンチブロッキング剤の脱落を防ぎ、滑り性を制御するために有機ケイ素化合物を含んでいる。フィルムの主材料であるポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂は、反応基を持たないため一般にアンチブロッキング剤との親和性が低いとされている。さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体についても重合量によっては反応基が少ないためにアンチブロッキング剤との親和性は高くない。
このため、本実施形態は、フィルムの主材料である樹脂とアンチブロッキング剤の2つに親和する反応基をもつ有機ケイ素化合物をシール層11及びラミネート層12に添加した。有機ケイ素化合物の代表的な構造は、以下の通りである。
X3−nMenSi−R−Y
X:加水分解基、R:エチレンあるいはプロピレン基、Y:有機官能基
包装材10は、製造時の摩擦等によるアンチブロッキング剤の脱落を防ぎ、滑り性を制御するために有機ケイ素化合物を含んでいる。フィルムの主材料であるポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂は、反応基を持たないため一般にアンチブロッキング剤との親和性が低いとされている。さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体についても重合量によっては反応基が少ないためにアンチブロッキング剤との親和性は高くない。
このため、本実施形態は、フィルムの主材料である樹脂とアンチブロッキング剤の2つに親和する反応基をもつ有機ケイ素化合物をシール層11及びラミネート層12に添加した。有機ケイ素化合物の代表的な構造は、以下の通りである。
X3−nMenSi−R−Y
X:加水分解基、R:エチレンあるいはプロピレン基、Y:有機官能基
本実施形態のシール層11及びラミネート層12は、オレフィン系樹脂より製造された樹脂である。本実施形態は、上記構造を持つ有機ケイ素化合物を添加することで樹脂とアンチブロッキング剤の親和性を高め、アンチブロッキング剤を樹脂に留めることが可能になる。
(ヒートシール性)
さらにシール層11には熱可塑性エラストマーが添加されている。包装材の製袋時、一般的に包装材10を溶融状態とするために必要な温度はシール層11の材料が低密度であるほど低下し、包装材10をより低温でヒートシールすることが可能となる。しかし、本実施形態は、上述のように滑り性向上のためシール層11に高密度材料を使用しているため、低温でヒートシールすることが難しい。
そこで、本実施形態は、シール層11に熱可塑性エラストマーを添加することで、シール層11の融解熱量を小さくしている。これにより、本実施形態は、滑り性の向上と低温ヒートシール性の両立を図ることができる。
さらにシール層11には熱可塑性エラストマーが添加されている。包装材の製袋時、一般的に包装材10を溶融状態とするために必要な温度はシール層11の材料が低密度であるほど低下し、包装材10をより低温でヒートシールすることが可能となる。しかし、本実施形態は、上述のように滑り性向上のためシール層11に高密度材料を使用しているため、低温でヒートシールすることが難しい。
そこで、本実施形態は、シール層11に熱可塑性エラストマーを添加することで、シール層11の融解熱量を小さくしている。これにより、本実施形態は、滑り性の向上と低温ヒートシール性の両立を図ることができる。
(高密着強度)
また、シール層11とラミネート層12とには、主成分が同一組成である樹脂を用いることが好ましい。具体的には、後述するように、シール層11にオレフィンベースの熱可塑性樹脂を使用するのであれば、ラミネート層12にもオレフィンベースの熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。これにより、シール層11とラミネート層12の間の密着強度が高まり、シール層11とラミネート層12との間の強度を十分に保つことが可能となる。
また、シール層11とラミネート層12とには、主成分が同一組成である樹脂を用いることが好ましい。具体的には、後述するように、シール層11にオレフィンベースの熱可塑性樹脂を使用するのであれば、ラミネート層12にもオレフィンベースの熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。これにより、シール層11とラミネート層12の間の密着強度が高まり、シール層11とラミネート層12との間の強度を十分に保つことが可能となる。
(引裂き性)
一般的に、包装材を引裂くのに必要な力は、高密度な樹脂であるほど小さくなる。本実施形態は、シール層11に高密度の樹脂を使用しているため、包装材10全体の引裂力を高める効果を有し、包装材10を引裂く際の力を最小限に抑えることができる。
一般的に、包装材を引裂くのに必要な力は、高密度な樹脂であるほど小さくなる。本実施形態は、シール層11に高密度の樹脂を使用しているため、包装材10全体の引裂力を高める効果を有し、包装材10を引裂く際の力を最小限に抑えることができる。
次に、図1に示した包装材10と包装材10を構成するシール層11及びラミネート層について説明する。
[包装材]
本実施形態の包装材10の厚さは、一般的な包装材として使用される厚さであれば特に限られるものではないが、シール層11とラミネート層12の厚さをそれぞれ20μm以上、300μm以下の範囲とすることが好ましい。
シール層11の厚さが上記範囲に満たない場合、熱可塑性エラストマーと有機ケイ素化合物の含有量が低下するためにヒートシール性の向上が難しくなる。また、シール層11の厚さが上記範囲以上になると包装材のコストが高くなってしまうために実用的ではない。以上の点から、シール層11の最低膜厚は20μm以上であることが好ましい。
[包装材]
本実施形態の包装材10の厚さは、一般的な包装材として使用される厚さであれば特に限られるものではないが、シール層11とラミネート層12の厚さをそれぞれ20μm以上、300μm以下の範囲とすることが好ましい。
シール層11の厚さが上記範囲に満たない場合、熱可塑性エラストマーと有機ケイ素化合物の含有量が低下するためにヒートシール性の向上が難しくなる。また、シール層11の厚さが上記範囲以上になると包装材のコストが高くなってしまうために実用的ではない。以上の点から、シール層11の最低膜厚は20μm以上であることが好ましい。
また、シール層11とラミネート層12の積層比率は、シール層11の膜厚をシール層11とラミネート層12を合わせた全体の膜厚に対して50%以下にすることが好ましい。低密度樹脂からなるラミネート層12をシール層11より厚くすることで、適度な剛性と耐衝撃性を両立することができるためである。
(シール層)
シール層11は、主材料として熱可塑性樹脂を使用することが可能である。ただし、シール層11は、一般的な包装材料として使用されるために適度な柔軟性を持ち、加工性が良い必要がある。このことから、シール層11には、オレフィンをベースとしたポリエチレン、あるいはそれらの誘導体等のうち単体並びに複数を選択し適宜使用することが可能である。
シール層11は、主材料として熱可塑性樹脂を使用することが可能である。ただし、シール層11は、一般的な包装材料として使用されるために適度な柔軟性を持ち、加工性が良い必要がある。このことから、シール層11には、オレフィンをベースとしたポリエチレン、あるいはそれらの誘導体等のうち単体並びに複数を選択し適宜使用することが可能である。
<シール層の密度>
シール層11に使用する樹脂は、JISK7112:1999に記載の方法で規定された密度が0.930g/cm3以上、0.960g/cm3以下であることが好ましい。シール層11となる樹脂の密度が0.930g/cm3より低い場合、良好な滑り性が発現しない。なお、シール層11となる樹脂は、密度が0.960g/cm3より高い場合であっても良好な滑り性を発現するが、市販されている樹脂が限定されるため、上記密度内の樹脂を用いることが妥当である。
シール層11に使用する樹脂は、JISK7112:1999に記載の方法で規定された密度が0.930g/cm3以上、0.960g/cm3以下であることが好ましい。シール層11となる樹脂の密度が0.930g/cm3より低い場合、良好な滑り性が発現しない。なお、シール層11となる樹脂は、密度が0.960g/cm3より高い場合であっても良好な滑り性を発現するが、市販されている樹脂が限定されるため、上記密度内の樹脂を用いることが妥当である。
<シール層の静摩擦係数>
本実施形態の包装材10は、表面に露出する面(以下、「最表面」とも記す)のシール層11に高密度樹脂を使用しているために静摩擦係数が低く、滑り性が良好となる。ここで、滑り性をさらに高めるために、後述するアンチブロッキング剤を適宜加えることで静摩擦係数を調整することが好ましい。即ち、上述の密度範囲内において、JISP8147:2010を参考にした方法で測定した際に静摩擦係数が0.2以上、0.5以下であることが好ましい。静摩擦係数が0.5より大きくなると、成形時のハンドリング性が十分でないために製膜ライン中に皺を生じる原因となる。一方、摩擦係数が0.2より小さくなると滑り性が高くなりすぎ、加工工程においてフィルム状の包装材の巻きずれが生じる。
本実施形態の包装材10は、表面に露出する面(以下、「最表面」とも記す)のシール層11に高密度樹脂を使用しているために静摩擦係数が低く、滑り性が良好となる。ここで、滑り性をさらに高めるために、後述するアンチブロッキング剤を適宜加えることで静摩擦係数を調整することが好ましい。即ち、上述の密度範囲内において、JISP8147:2010を参考にした方法で測定した際に静摩擦係数が0.2以上、0.5以下であることが好ましい。静摩擦係数が0.5より大きくなると、成形時のハンドリング性が十分でないために製膜ライン中に皺を生じる原因となる。一方、摩擦係数が0.2より小さくなると滑り性が高くなりすぎ、加工工程においてフィルム状の包装材の巻きずれが生じる。
<シール層の添加材:熱可塑性エラストマー>
本実施形態は、包装材10に低温ヒートシール性を持たせるために、シール層11に熱可塑性エラストマー性を持つ材料を添加している。熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリカプロラクタム系ポリウレタン、ポリシロキサンを主体とするシリコーンゴム、フッ素系樹脂を含むフッ素ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(HSBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)等のようなスチレンブロックを含有するゴム質ブロック共重合体;エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−ブテン−1共重合体(EB)、エチレン−オクテン共重合体(EO)、プロピレン−ブタジエン共重合体(PB)等が挙げられる。これらをシール層11に加えることにより、包装体10に低温での易ヒートシール性が発現する。
本実施形態は、包装材10に低温ヒートシール性を持たせるために、シール層11に熱可塑性エラストマー性を持つ材料を添加している。熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリカプロラクタム系ポリウレタン、ポリシロキサンを主体とするシリコーンゴム、フッ素系樹脂を含むフッ素ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(HSBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)等のようなスチレンブロックを含有するゴム質ブロック共重合体;エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−ブテン−1共重合体(EB)、エチレン−オクテン共重合体(EO)、プロピレン−ブタジエン共重合体(PB)等が挙げられる。これらをシール層11に加えることにより、包装体10に低温での易ヒートシール性が発現する。
特に、シール層11では、主材料である熱可塑性オレフィン系樹脂の成型可能温度範囲でオレフィンとの相溶性の良い材料を選択する必要がある。このような性質を特に満たすものとして、スチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が好ましい。
<熱可塑性エラストマーの混合比率>
シール層11の主材料であるオレフィン系材料に対する熱可塑性エラストマーの混合比率は、重量比として3%以上、25%以下の範囲が好ましく、5%以上、10%以下の範囲がより好ましい。オレフィン系材料に対する熱可塑性エラストマーの混合比率が3%未満の場合、低温ヒートシール性や引裂き性の向上が小さくなる。また、包装材10は、熱可塑性エラストマーの混合比率が25%より多いと包装材料として使用する際に十分なシール強度を得ることが難しくなる。さらに、オレフィン樹脂は、一般的に成型加工性が良いとされるが、熱可塑性エラストマーの添加量が増加すると押出成型機のうち特にTダイ製膜でのネックインが大きくなる事や、溶融時テンションが低下するため、均一な包装材10を得ることが難しくなる。
シール層11の主材料であるオレフィン系材料に対する熱可塑性エラストマーの混合比率は、重量比として3%以上、25%以下の範囲が好ましく、5%以上、10%以下の範囲がより好ましい。オレフィン系材料に対する熱可塑性エラストマーの混合比率が3%未満の場合、低温ヒートシール性や引裂き性の向上が小さくなる。また、包装材10は、熱可塑性エラストマーの混合比率が25%より多いと包装材料として使用する際に十分なシール強度を得ることが難しくなる。さらに、オレフィン樹脂は、一般的に成型加工性が良いとされるが、熱可塑性エラストマーの添加量が増加すると押出成型機のうち特にTダイ製膜でのネックインが大きくなる事や、溶融時テンションが低下するため、均一な包装材10を得ることが難しくなる。
<シール層の添加材:有機ケイ素化合物>
また、本実施形態は、アンチブロッキング剤との親和性を持たせるために、シール層11の分子中に有機官能基と加水分解性基の両者を併せもつ有機ケイ素系の材料、すなわち有機ケイ素化合物を添加している。有機ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、シランモノマー系、ビニルシラン系、メタクリルシラン系、エポキシシラン系、メルカプトおよびサルファーシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、イソシアネートシラン系の材料等が挙げられる。これらをシール層11に加えることで滑り特性の制御が可能になる。
また、本実施形態は、アンチブロッキング剤との親和性を持たせるために、シール層11の分子中に有機官能基と加水分解性基の両者を併せもつ有機ケイ素系の材料、すなわち有機ケイ素化合物を添加している。有機ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、シランモノマー系、ビニルシラン系、メタクリルシラン系、エポキシシラン系、メルカプトおよびサルファーシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、イソシアネートシラン系の材料等が挙げられる。これらをシール層11に加えることで滑り特性の制御が可能になる。
特に、シール層11では、主材料である熱可塑性オレフィン系樹脂の成型可能温度範囲でオレフィンとの相溶性の良く、シール層11に含まれる熱可塑性エラストマーとの相溶性も良い材料を選択する必要がある。このような性質を特に満たすものとしては、アミノシラン系の3―(N―フェニル)アミノプロピルトリメトキシシランや、エポキシシラン系の2―(3、4―エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
<有機ケイ素化合物の混合量>
シール層11の主材料であるオレフィン系材料に対する有機ケイ素化合物の混合量は、重量として1%以上、10%以下の範囲が好ましく、3%以上、5%以下の範囲でより好ましい。有機ケイ素化合物のオレフィン系材料に対する混合量は、1%未満とするとアンチブロッキング剤との親和性が小さくなる。また、包装材10は、有機ケイ素化合物のオレフィン系材料に対する混合量が10%より多いと親和性が過剰になってフィルム内へアンチブロッキング剤が取り込まれてしまうために良好な滑り性を担保することが難しくなる。
(ラミネート層)
ラミネート層12の構成材料については、シール層11と同様に、オレフィン系樹脂であるポリエチレンやその誘導体のうちから少なくとも1種類以上を組み合わせて使用することが可能である。
シール層11の主材料であるオレフィン系材料に対する有機ケイ素化合物の混合量は、重量として1%以上、10%以下の範囲が好ましく、3%以上、5%以下の範囲でより好ましい。有機ケイ素化合物のオレフィン系材料に対する混合量は、1%未満とするとアンチブロッキング剤との親和性が小さくなる。また、包装材10は、有機ケイ素化合物のオレフィン系材料に対する混合量が10%より多いと親和性が過剰になってフィルム内へアンチブロッキング剤が取り込まれてしまうために良好な滑り性を担保することが難しくなる。
(ラミネート層)
ラミネート層12の構成材料については、シール層11と同様に、オレフィン系樹脂であるポリエチレンやその誘導体のうちから少なくとも1種類以上を組み合わせて使用することが可能である。
<ラミネート層の密度>
ラミネート層12に使用する樹脂としては、シール層11の層構成材料の密度よりも密度が低いものが選択される。より具体的には、ラミネート層12の樹脂は、JISK7112:1999で規定された密度が0.918g/cm3以上、0.924g/cm3以下の範囲であることがより好ましい。ラミネート層12の樹脂の密度が0.924g/cm3より大きいと、シール層11との密度差が小さくなるため十分なヒートシール性が担保できなくなる上、シール層11以外の積層基材との密着性を十分に担保できなくなる。なお、ラミネート層12の密度は0.918g/cm3未満であっても良好な効果を奏するが、市販されている樹脂が限定されるため、このような密度の範囲の樹脂を用いることが妥当である。
ラミネート層12に使用する樹脂としては、シール層11の層構成材料の密度よりも密度が低いものが選択される。より具体的には、ラミネート層12の樹脂は、JISK7112:1999で規定された密度が0.918g/cm3以上、0.924g/cm3以下の範囲であることがより好ましい。ラミネート層12の樹脂の密度が0.924g/cm3より大きいと、シール層11との密度差が小さくなるため十分なヒートシール性が担保できなくなる上、シール層11以外の積層基材との密着性を十分に担保できなくなる。なお、ラミネート層12の密度は0.918g/cm3未満であっても良好な効果を奏するが、市販されている樹脂が限定されるため、このような密度の範囲の樹脂を用いることが妥当である。
<ラミネート層の添加材:有機ケイ素化合物>
また、本実施形態では、ラミネート層12がシール層11と同様に有機ケイ素化合物を含んでいる。ラミネート層12に含まれる有機ケイ素化合物の種類や混合量は、シール層11に添加される有機ケイ素化合物の種類や混合量と同様である。
また、本実施形態では、ラミネート層12がシール層11と同様に有機ケイ素化合物を含んでいる。ラミネート層12に含まれる有機ケイ素化合物の種類や混合量は、シール層11に添加される有機ケイ素化合物の種類や混合量と同様である。
(その他の添加材)
また、本実施形態では、シール層11及びラミネート層12に、フィルム成型時の加工適性や、フィルムを使用する際の適性向上のため、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、シリカやフィラー等のアンチブロッキング剤や、滑り性を向上させるためのスリップ剤等を適宜添加することが可能である。
このとき、添加量は、それぞれ各層に使用する樹脂の質量に対して1000ppm以上、50000ppm以下であることが好ましい。スリップ剤を50000ppmより多く入れると、スリップ剤の材料費が増加する他、表面凹凸が過剰になって滑り性が向上しすぎることや脱落することが多くなるために好ましくない。
一方、スリップ剤の添加量が樹脂の質量に対して1000ppmより少ないと、アンチブロッキング剤の添加による滑り性向上の改善効果がわずかとなり、材料費の増加に対する滑り性向上の効果が小さくなる。
また、本実施形態では、シール層11及びラミネート層12に、フィルム成型時の加工適性や、フィルムを使用する際の適性向上のため、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、シリカやフィラー等のアンチブロッキング剤や、滑り性を向上させるためのスリップ剤等を適宜添加することが可能である。
このとき、添加量は、それぞれ各層に使用する樹脂の質量に対して1000ppm以上、50000ppm以下であることが好ましい。スリップ剤を50000ppmより多く入れると、スリップ剤の材料費が増加する他、表面凹凸が過剰になって滑り性が向上しすぎることや脱落することが多くなるために好ましくない。
一方、スリップ剤の添加量が樹脂の質量に対して1000ppmより少ないと、アンチブロッキング剤の添加による滑り性向上の改善効果がわずかとなり、材料費の増加に対する滑り性向上の効果が小さくなる。
アンチブロッキング剤としては、例えば、天然シリカ粒子、合成シリカ粒子、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライト等の粘土化合物粒子、ガラス粒子等を適宜使用することができる。
滑り性向上のためのスリップ剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等の炭化水素系、ステアリルアルコール等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド等を好適に使用できる。
なお、本実施形態の包装材は、以上説明した構成に限定されるものではない。例えば、本実施形態の包装材は、シール層11とラミネート層12とのみによって構成されるものに限定されず、シール層11とラミネート層12の間、もしくはラミネート層12のシール層11とは接しない面に蒸着層や印刷層といった図示しない機能層を形成しても良い。
このような機能層のうち、蒸着層は、包装材にバリア性を持たせるために形成される層である。蒸着層は、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入された内容物等から包装材を保護するためのバリア性を高める機能を有する。バリア層には、アルミ、シリカのような一般的な金属蒸着、あるいはアルミナのように透明な蒸着層が使用される。さらに、バリア層には、EVOH(エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂)層等を適宜使用することができる。包装材10には、蒸着層や印刷層のほか、その他の機能を付与する層を適宜設けてもかまわない。
このような機能層のうち、蒸着層は、包装材にバリア性を持たせるために形成される層である。蒸着層は、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入された内容物等から包装材を保護するためのバリア性を高める機能を有する。バリア層には、アルミ、シリカのような一般的な金属蒸着、あるいはアルミナのように透明な蒸着層が使用される。さらに、バリア層には、EVOH(エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂)層等を適宜使用することができる。包装材10には、蒸着層や印刷層のほか、その他の機能を付与する層を適宜設けてもかまわない。
さらに、本実施形態は、シール層11とラミネート層12を図1のように一層ずつ積層する構成に限定されるものではなく、シール層と、シール層と隣接するラミネート層をそれぞれ複数含むものであってもよい。
図2は、このような包装材100を示した断面図である。包装材100は、4層のシール層11a、11b、11c、11dと、4層のラミネート層12a、12b、12c、12dが交互に積層されて構成されている。この結果、ラミネート層12a、12b、12c、12dは、いずれもシール層11a、11b、11c、11dのいずれかに隣接している。
本実施形態は、高密度であるシール層11aからシール層11dと、低密度であるラミネート層12aからラミネート層12dとを繰り返し積層することで、上述した各種物性を向上することができる。
図2は、このような包装材100を示した断面図である。包装材100は、4層のシール層11a、11b、11c、11dと、4層のラミネート層12a、12b、12c、12dが交互に積層されて構成されている。この結果、ラミネート層12a、12b、12c、12dは、いずれもシール層11a、11b、11c、11dのいずれかに隣接している。
本実施形態は、高密度であるシール層11aからシール層11dと、低密度であるラミネート層12aからラミネート層12dとを繰り返し積層することで、上述した各種物性を向上することができる。
図2に示した包装材100は、シール層11aからシール層11dとラミネート層12aからラミネート層12dとをそれぞれ4回繰り返して積層し、合計8つの層を積層した例である。積層回数は特に制限されるものではないが、積層したシール層11aからシール層11dの合計の厚さ(図2に示した例ではシール層11aの厚さ+シール層11bの厚さ+シール層11cの厚さ+シール層11dの厚さ)が20μm以上となることが好ましい。また、シール層11aからシール層11dの合計の厚さの比率は、2層構成の場合と同様に、シール層11aからシール層11dと、ラミネート層12aからラミネート層12dとを合わせた全体の厚みに対して50%以下に設定することが好ましい。
(包装体)
図3は、本発明の一実施形態の包装体30を例示した概略図である。包装体30は、製袋前のスタンディングパウチである。冷却ロールの幅方向に対して包装材10から包装体30を2丁取りし、シール層11側の表裏を折り曲げて端部であるシール部31をヒートシールすることで製袋を行うことができる。包装材10を包装体30に使用することで、包装体30の封入口の滑り性が向上し、口開き性が向上する。また、高剛性による自立性の向上や引裂き性向上による開封容易性も向上する。
また、このような包装体30としては、スタンディングパウチの他、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられ、この他にも様々な用途に使用できる。
図3は、本発明の一実施形態の包装体30を例示した概略図である。包装体30は、製袋前のスタンディングパウチである。冷却ロールの幅方向に対して包装材10から包装体30を2丁取りし、シール層11側の表裏を折り曲げて端部であるシール部31をヒートシールすることで製袋を行うことができる。包装材10を包装体30に使用することで、包装体30の封入口の滑り性が向上し、口開き性が向上する。また、高剛性による自立性の向上や引裂き性向上による開封容易性も向上する。
また、このような包装体30としては、スタンディングパウチの他、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられ、この他にも様々な用途に使用できる。
(包装体の製造方法)
以上説明した本実施形態の包装材10は、製造方法が特に制限されるものではなく、公知の方法を使用して製造することが可能である。包装材10のシール層11の製造において、主成分であるオレフィン系材料と熱可塑性エラストマーとの混合は、例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解または分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等によって行われる。
以上説明した本実施形態の包装材10は、製造方法が特に制限されるものではなく、公知の方法を使用して製造することが可能である。包装材10のシール層11の製造において、主成分であるオレフィン系材料と熱可塑性エラストマーとの混合は、例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解または分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等によって行われる。
このような方法のうち、作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用することが好ましい。単軸押出機を用いる場合には混練性が高いミキシングエレメントを持つスクリューを用いる方が好ましい。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機のいずれを使用しても良い。さらに、2軸混練装置のスクリューも特に限定されるものではなく、フルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプのいずれを使ってもよい。
また、包装材10のラミネート層12は、シール層11と同様の方法によって製造することができる。
また、包装材10のラミネート層12は、シール層11と同様の方法によって製造することができる。
さらに、本実施形態は、シール層11とラミネート層12の積層方法に関しても特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることが可能である。例えば、包装材10は、製膜後のシール層11及びラミネート層12にそれぞれの融点以上の熱を加え、加圧する事によりラミネートする手法によって製造できる。また、包装材10は、シール層11とラミネート層12をそれぞれ異なる押出機で加熱、溶融した状態で積層しフィルムを得る方法等によっても製造できる。
ただし、作業性を考慮した場合、シール層11及びラミネート層12を溶融状態で積層する共押出機を用いた積層方法が好ましい。共押出法としては、各層となる熱可塑性樹脂を押出機で溶融した後、フィードブロックで溶融樹脂を積層し、Tダイから積層フィルムを得るフィードブロック法がある。また、共押出法としては、各層となるプラスチックを押出機で溶融後、マニホールドを通った後に積層してTダイから積層フィルムを得るマルチマニホールド法や多層インフレーション成型法を用いることが可能である。
さらに、本実施形態は、シール層11aからシール層11d及びラミネート層12aからラミネート層12dを交互に積層した包装材100の製造方法についても特に制限されるものではない。シール層11aからシール層11d及びラミネート層12aからラミネート層12dを交互に積層する方法としては、必要層分の押出機を用いてそれぞれ溶融した樹脂を積層する方法や、シール層とラミネート層を積層したフィルム同士をそれぞれ融点以上に熱した後に積層する方法がある。さらに、包装材100の製造方法としては、シール層とラミネート層とを押出機で溶融した後、フィルム流路を分割、積層する多層フィードブロックを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、シール層11に高密度樹脂を使用し、且つ熱可塑性エラストマーと有機ケイ素化合物を添加していることで、低温ヒートシール性及び各層間の強度を十分に保つことができる。さらに、アンチブロッキング剤と樹脂との親和性を向上させることで滑り特性を制御した包装材料用フィルムを簡易な工程で製造することが可能となる。
また、以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包装材としての用途を考慮し、要求されるその他の物性を向上する目的で、他の層を任意に形成できることはいうまでもない。
また、以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包装材としての用途を考慮し、要求されるその他の物性を向上する目的で、他の層を任意に形成できることはいうまでもない。
本発明の発明者は、上記した実施形態の包装材及び包装体の効果を確認するために実験を行った。この結果を実施例として以下に説明する。ただし、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を超えない限り何ら制限はされない。
[実施例1]
実施例1では、シール層の主樹脂として密度が0.950g/cm3のHDPE(プライムポリマー社製のハイゼックス(登録商標)HZ3300)を使用した。そして、主樹脂に対し、SIS系熱可塑性エラストマーであるSIS(クレイトンポリマー社製D1113)を重量比が5%となるように混合した。さらに、実施例では、有機ケイ素化合物である3―(N―フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン(モンティブ社製)を重量比が3%となるように、さらにアンチブロッキング剤として合成シリカ粒子(東ソー・シリカ社製AZ−200)が全体の5000ppmとなるようにドライブレンドにてそれぞれ混合した。
また、実施例1では、ドライブレンドにより混合したシール層の原料を押出機に投入して230℃に加熱、溶融した。さらに、実施例1では、ラミネート層として密度が0.918g/cm3のLDPE(日本ポリエチレン社製のノバテック(登録商標)LC600A)を単軸押出機に投入し、230℃に加熱、溶融し、フィードブロックTダイを用いてシール層11とラミネート層12の厚みがそれぞれ50μm、積層後の厚さが100μmとなるように積層した。
実施例1では、シール層の主樹脂として密度が0.950g/cm3のHDPE(プライムポリマー社製のハイゼックス(登録商標)HZ3300)を使用した。そして、主樹脂に対し、SIS系熱可塑性エラストマーであるSIS(クレイトンポリマー社製D1113)を重量比が5%となるように混合した。さらに、実施例では、有機ケイ素化合物である3―(N―フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン(モンティブ社製)を重量比が3%となるように、さらにアンチブロッキング剤として合成シリカ粒子(東ソー・シリカ社製AZ−200)が全体の5000ppmとなるようにドライブレンドにてそれぞれ混合した。
また、実施例1では、ドライブレンドにより混合したシール層の原料を押出機に投入して230℃に加熱、溶融した。さらに、実施例1では、ラミネート層として密度が0.918g/cm3のLDPE(日本ポリエチレン社製のノバテック(登録商標)LC600A)を単軸押出機に投入し、230℃に加熱、溶融し、フィードブロックTダイを用いてシール層11とラミネート層12の厚みがそれぞれ50μm、積層後の厚さが100μmとなるように積層した。
[実施例2]
実施例2では、シール層に合成シリカ粒子を50000ppmになるようにドライブレンドにて混合した。実施例2の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例2では、シール層に合成シリカ粒子を50000ppmになるようにドライブレンドにて混合した。実施例2の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例3]
実施例3では、シール層に合成シリカ粒子を1000ppmになるようにドライブレンドにて混合した。実施例3の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例3では、シール層に合成シリカ粒子を1000ppmになるようにドライブレンドにて混合した。実施例3の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例4]
実施例4では、シール層の厚さを20μm、ラミネート層の厚さを80μmとした。実施例4の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例4では、シール層の厚さを20μm、ラミネート層の厚さを80μmとした。実施例4の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例5]
実施例5では、シール層にSISの材料を重量比で全体の3%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例5の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例5では、シール層にSISの材料を重量比で全体の3%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例5の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例6]
実施例6では、シール層にSISの材料を重量比で全体の10%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例6の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例6では、シール層にSISの材料を重量比で全体の10%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例6の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例7]
実施例7では、シール層にSISの材料を重量比で全体の25%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例7の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例7では、シール層にSISの材料を重量比で全体の25%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例7の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例8]
実施例8では、シール層に有機ケイ素化合物の材料を重量比で全体の1%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例8の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例8では、シール層に有機ケイ素化合物の材料を重量比で全体の1%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例8の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例9]
実施例9では、シール層に有機ケイ素化合物の材料を重量比で全体の8%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例9の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例9では、シール層に有機ケイ素化合物の材料を重量比で全体の8%になるようにドライブレンドにて混合した。実施例9の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例10]
実施例10では、シール層の主樹脂を密度0.930g/cm3のLDPE(日本ポリエチレン社製のノバテック(登録商標)LC600A)とした。実施例10の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例10では、シール層の主樹脂を密度0.930g/cm3のLDPE(日本ポリエチレン社製のノバテック(登録商標)LC600A)とした。実施例10の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[実施例11]
実施例11では、シール層とラミネート層の膜厚をそれぞれ10μmとして5層ずつ交互に積層し、計10層総膜厚100μmの包装材を作製した。実施例11の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
実施例11では、シール層とラミネート層の膜厚をそれぞれ10μmとして5層ずつ交互に積層し、計10層総膜厚100μmの包装材を作製した。実施例11の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[比較例1]
比較例1では、シール層にSISを混合せずに積層して包装材を作製した。比較例1の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
比較例1では、シール層にSISを混合せずに積層して包装材を作製した。比較例1の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[比較例2]
比較例2では、シール層に合成シリカ粒子を100ppm混合して積層して包装材を作製した。比較例2の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
比較例2では、シール層に合成シリカ粒子を100ppm混合して積層して包装材を作製した。比較例2の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[比較例3]
比較例3では、シール層に合成シリカ粒子を800000ppm混合して積層して包装材を作製した。比較例3の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
比較例3では、シール層に合成シリカ粒子を800000ppm混合して積層して包装材を作製した。比較例3の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[比較例4]
比較例4では、シール層に有機ケイ素化合物を混合せずに積層して包装材を作製した。比較例4の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
比較例4では、シール層に有機ケイ素化合物を混合せずに積層して包装材を作製した。比較例4の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[比較例5]
比較例5では、シール層の主樹脂を密度0.918g/cm3のLDPE(日本ポリエチレン社製のノバテック(登録商標)LC600A)として包装材を作製した。比較例5の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
比較例5では、シール層の主樹脂を密度0.918g/cm3のLDPE(日本ポリエチレン社製のノバテック(登録商標)LC600A)として包装材を作製した。比較例5の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[比較例6]
比較例6では、ラミネート層12のみを製膜して包装材を作製した。比較例6の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
比較例6では、ラミネート層12のみを製膜して包装材を作製した。比較例6の包装材のその他の作製条件は、実施例1と同様である。
[評価実験]
本発明の発明者は、実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材について、評価実験を行った。以下、各評価実験の条件について説明する。
(静摩擦係数評価実験)
本発明の発明者は、滑り性を評価するために静摩擦係数評価実験を行った。静摩擦係数評価実験における静摩擦係数の測定は、JISP8147:2010に記載の傾斜法を参考に実施した。
測定装置としては、東洋精機社製のJISP8147:2010傾斜法を満たす静摩擦係数測定装置を使用した。評価実験の試料は、実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材を100mm幅×240mm長さに切りだしたもの、及び30mm幅×80mm長さに切出したものである。
本発明の発明者は、実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材について、評価実験を行った。以下、各評価実験の条件について説明する。
(静摩擦係数評価実験)
本発明の発明者は、滑り性を評価するために静摩擦係数評価実験を行った。静摩擦係数評価実験における静摩擦係数の測定は、JISP8147:2010に記載の傾斜法を参考に実施した。
測定装置としては、東洋精機社製のJISP8147:2010傾斜法を満たす静摩擦係数測定装置を使用した。評価実験の試料は、実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材を100mm幅×240mm長さに切りだしたもの、及び30mm幅×80mm長さに切出したものである。
本発明の発明者は、100mm幅×240mm長さの試料を、JISP8147:2010傾斜法を満たす静摩擦係数測定装置に撓みがないように固定して静止摩擦係数を5回測定した。また、本発明の発明者は、30mm幅×80mmの試料を、30mm幅×40mm長さ×30mm高さ、重量197gの錘に対し、測定面を全て被覆するように固定して静止摩擦係数を5回測定した。発明者は、5回の測定値の平均値を小数点2桁まで算出し、算出された各試料の静止摩擦係数を比較した。そして、静摩擦係数が0.20以上、0.50以下の試料の滑り性を○、それ以外を×として評価した。
(ヒートシール強度評価実験)
ヒートシール強度の測定では、テスター産業製のヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間1秒、シール幅10mm、シール温度130℃、150℃の条件で包装材のシール層同士をシールした。シールされた包装材を15mm幅×80mmに切出し、チャック間距離を20mm、引張り速度を300mm/minの条件で島津製作所社製引張試験機(型番AGS−500NX)を使ってT字剥離法で5回ヒートシール強度を測定した。低温ヒートシール性評価として、10N/15mm以上の条件で剥離された試料のヒートシール強度を○、8N/15mm以上の条件で剥離された試料のヒートシール強度を△、それ以外を×として評価した。
ヒートシール強度の測定では、テスター産業製のヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間1秒、シール幅10mm、シール温度130℃、150℃の条件で包装材のシール層同士をシールした。シールされた包装材を15mm幅×80mmに切出し、チャック間距離を20mm、引張り速度を300mm/minの条件で島津製作所社製引張試験機(型番AGS−500NX)を使ってT字剥離法で5回ヒートシール強度を測定した。低温ヒートシール性評価として、10N/15mm以上の条件で剥離された試料のヒートシール強度を○、8N/15mm以上の条件で剥離された試料のヒートシール強度を△、それ以外を×として評価した。
(耐衝撃性評価試験)
耐衝撃性の測定では、テスター産業株式会社製のダートインパクトテスター(型番IM−302)を用いてJISK7124−1自由落下のダート法、第1部ステアケース法のA法による衝撃試験方法を実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材に対して実施した。このとき、50%破壊重量が350g以上の包装材の耐衝撃性を○、250g以上の耐衝撃性を△、それ以外を×として評価した。
耐衝撃性の測定では、テスター産業株式会社製のダートインパクトテスター(型番IM−302)を用いてJISK7124−1自由落下のダート法、第1部ステアケース法のA法による衝撃試験方法を実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材に対して実施した。このとき、50%破壊重量が350g以上の包装材の耐衝撃性を○、250g以上の耐衝撃性を△、それ以外を×として評価した。
(引裂き性評価試験)
引裂き性の評価は、JISK7128−2に記載されているエルメンドルフによる引裂法を用いた測定によって行った。このとき、各包装材に対してMD(Machine Direction)方向に力を加え、引裂き性をそれぞれ5回測定した。引裂き性は、5N以下で引裂かれた包装材の引裂き性を○、10N以下で引裂かれた包装材の引裂き性を△、それ以外を×として評価された。
引裂き性の評価は、JISK7128−2に記載されているエルメンドルフによる引裂法を用いた測定によって行った。このとき、各包装材に対してMD(Machine Direction)方向に力を加え、引裂き性をそれぞれ5回測定した。引裂き性は、5N以下で引裂かれた包装材の引裂き性を○、10N以下で引裂かれた包装材の引裂き性を△、それ以外を×として評価された。
(アンチブロッキング剤脱落評価)
アンチブロッキング剤脱落評価では、実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材を、シール層と厚み25μmのPETフィルム(帝人製G2C)とを接触させ、0.3MPaでブロッキングテスターにより加圧した。そして、加圧された包装材を40℃環境下で1週間保管して試料とした。本発明の発明者は、このような試料をキーエンス社製レーザー顕微鏡(VK−X200/VK−X210)を使用して観察し、PETフィルム面へのアンチブロッキング剤の移行、すなわち試料表面からのアンチブロッキング剤の脱落を観察した。アンチブロッキング剤脱落は、1.0mm×1.4mmの面積範囲で観察された脱落が3つ以下である場合に○、5つ以下である場合に△、6つ以上である場合に×と評価された。
アンチブロッキング剤脱落評価では、実施例1から実施例11の包装材及び比較例1から比較例6の包装材を、シール層と厚み25μmのPETフィルム(帝人製G2C)とを接触させ、0.3MPaでブロッキングテスターにより加圧した。そして、加圧された包装材を40℃環境下で1週間保管して試料とした。本発明の発明者は、このような試料をキーエンス社製レーザー顕微鏡(VK−X200/VK−X210)を使用して観察し、PETフィルム面へのアンチブロッキング剤の移行、すなわち試料表面からのアンチブロッキング剤の脱落を観察した。アンチブロッキング剤脱落は、1.0mm×1.4mmの面積範囲で観察された脱落が3つ以下である場合に○、5つ以下である場合に△、6つ以上である場合に×と評価された。
(外観評価)
外観の評価は、目視で傷を確認することによって行った。このとき、20cm×20cmの範囲において傷が1つ以下である包装材の外観を○、3つ以下である包装材の外観を△、5つ以下である包装材の外観を×と評価した。
外観の評価は、目視で傷を確認することによって行った。このとき、20cm×20cmの範囲において傷が1つ以下である包装材の外観を○、3つ以下である包装材の外観を△、5つ以下である包装材の外観を×と評価した。
(材料コスト評価)
材料コストは、実施例1の包装材の材料コストに対する材料コストの上昇率によって評価された。つまり、包装材の作製にかかる材料コストの実施例1の材料コストに対する上昇率が10%未満である包装材を○と評価し、上昇率が10%以上20%未満の包装材を△と評価し、上昇率が20%以上の包装材を×と評価した。
材料コストは、実施例1の包装材の材料コストに対する材料コストの上昇率によって評価された。つまり、包装材の作製にかかる材料コストの実施例1の材料コストに対する上昇率が10%未満である包装材を○と評価し、上昇率が10%以上20%未満の包装材を△と評価し、上昇率が20%以上の包装材を×と評価した。
(総合評価)
総合評価では、上記評価実験の結果が全て良好な包装材を○、問題点はないが使用した際に○に劣る包装材を△、使用上問題があるものを×として評価した。
総合評価では、上記評価実験の結果が全て良好な包装材を○、問題点はないが使用した際に○に劣る包装材を△、使用上問題があるものを×として評価した。
表1は、上記評価実験の結果と総合評価の結果とを示した表である。表1の結果から、本発明の範囲内にある実施例1から実施例11の包装材は、一定の滑り特性を保持し、易低温ヒートシールや引裂き性等の諸物性が向上し、一定の表面粗さも保たれていることがわかる。
一方、比較例1の包装材は、熱可塑性エラストマーを添加していないために低温でヒートシールができない。比較例2、比較例3の包装材は、アンチブロッキング剤を100ppm以下あるいは80000以上添加しているため、滑り特性が制御できず、さらには外観不良も起こっていることが確認できる。
比較例4の包装材は、有機ケイ素化合物を添加していないためにアンチブロッキング剤の脱落が生じて滑り性が安定せず、外観不良も確認される。比較例5の包装材は、シール層に使用した樹脂密度が低いため、静摩擦係数の測定時にレンジオーバーとなり、滑り性が著しく低い結果となった。比較例6の包装材は、樹脂密度の低いラミネート層のみで構成されるため、比較例5と同様に滑り性に問題があることが確認された。
比較例4の包装材は、有機ケイ素化合物を添加していないためにアンチブロッキング剤の脱落が生じて滑り性が安定せず、外観不良も確認される。比較例5の包装材は、シール層に使用した樹脂密度が低いため、静摩擦係数の測定時にレンジオーバーとなり、滑り性が著しく低い結果となった。比較例6の包装材は、樹脂密度の低いラミネート層のみで構成されるため、比較例5と同様に滑り性に問題があることが確認された。
10,100 包装材
11,11a,11b,11c,11d シール層
12,12a,12b,12c,12d ラミネート層
30 包装体
31 シール部
11,11a,11b,11c,11d シール層
12,12a,12b,12c,12d ラミネート層
30 包装体
31 シール部
Claims (10)
- 有機ケイ素化合物を含むラミネート層と、
前記ラミネート層の一方の面の側に積層され、前記ラミネート層よりも密度が高く、かつ熱可塑性エラストマー及び有機ケイ素化合物を含むシール層と、
を備えることを特徴とする包装材。 - 前記シール層の密度が、0.930g/cm3以上、0.960g/cm3以下であることを特徴とする請求項1に記載の包装材。
- 前記ラミネート層の密度が0.918g/cm3以上、0.924g/cm3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材。
- 前記シール層及び前記ラミネート層は、オレフィン系樹脂を主樹脂とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに1項に記載の包装材。
- 前記熱可塑性エラストマーは、少なくとも、スチレン―イソプレン―スチレン共重合体及びスチレン―エチレン―ブタジエン―スチレンブロック共重合体のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の包装材。
- 前記有機ケイ素化合物は、少なくとも、アミノシラン系の3―(N―フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、エポキシシラン系の2―(3、4―エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシランのいずれかを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装材。
- 前記シール層の静摩擦係数は、0.2以上、0.5以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに1項に記載の包装材。
- 前記シール層及び前記ラミネート層の膜厚がそれぞれ20μm以上、300μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに1項に記載の包装材。
- 複数の前記シール層と複数の前記ラミネート層とが、それぞれ交互に積層されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の包装材。
- 請求項1から請求項9のいずれかに1項に記載の包装材の端部をシールして製袋する工程を含むことを特徴とする包装体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016076808A JP2017186049A (ja) | 2016-04-06 | 2016-04-06 | 包装材及び包装体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2017186049A true JP2017186049A (ja) | 2017-10-12 |
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ID=60046134
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JP2016076808A Pending JP2017186049A (ja) | 2016-04-06 | 2016-04-06 | 包装材及び包装体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017186049A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019198809A1 (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-17 | 株式会社W | 鮮度保持用袋体およびその製造方法 |
JP2020172281A (ja) * | 2019-04-10 | 2020-10-22 | 株式会社W | 鮮度保持用袋体およびその製造方法 |
-
2016
- 2016-04-06 JP JP2016076808A patent/JP2017186049A/ja active Pending
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