JP6801301B2 - 三次元造形物の製造方法、三次元造形装置、及び、造形台用部材 - Google Patents
三次元造形物の製造方法、三次元造形装置、及び、造形台用部材 Download PDFInfo
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Description
装置の吐出ヘッドがマルチノズル(二つの組成物を吐出する吐出部)を有する場合、支持材(サポート材)としては、支持部(サポート部)が外れ易くなる専用の材料が使用される。
通常、造形台上に直接三次元造形物を形成する場合、造形物の接着性と剥離性とのバランスを取るために、接着面に造形剤とサポート剤とを一定の割合で塗り分けることが行われ、このため接着面の表面は荒れた状態になってしまう。
特許文献1には、光硬化可能な組成物の層を化学線に対して透明なバリヤの表面を介して化学線に露光することによって光硬化可能な組成物のフィルムを作製する方法であって、該透明バリヤの表面を該組成物に接触して位置させて該組成物との間に界面を形成する工程を含む方法において、前記光硬化可能な組成物内に前記界面と接触する阻害層を設け、露光工程中に該阻害層中の前記組成物の光硬化を阻害して任意の光硬化された組成物が前記バリヤに接着しないようにしたことを特徴とする方法、さらに下記の工程を有する方法:前記フィルムを前記界面に実質的に平行に移動して前記界面に隣接して光硬化可能な組成物の新しい層を形成し、前記創成工程及び露光工程を繰り返して以前に露光されたフィルムに並列の新しいフィルムを作製して光硬化された組成物の連続フィルムを作製する;、並びに、前記露光工程を選択的に行ってパターン化されたフィルムを作製すること、及び、さらに下記の工程を有する方法:前記フィルムを前記界面に対して実質的に直交する方向に前記界面から離れるように移動して前記界面に隣接して光硬化可能な組成物の新しい層を形成し、光硬化された材料の一連のパターン化されたフィルムに対応する複数の断面部分を有する一体化された3次元体を作製するために、前記創成工程、前記露光工程及び前記移動工程を繰り返す;が記載されている。
(C)35重量%〜90重量%の表面改質セラミック粒子、及び/または、表面改質ガラスセラミック粒子、を含有することにより特徴付けられる、スリップ、ならびに、該スリップを用いるラピッドプロトタイピングプロセスによるセラミック成形物の調製のためのプロセスが記載されている。
(A)ビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物 15〜99質量%、
(B)連鎖移動剤 0.1〜5質量%、
(C)光重合開始剤 0.5〜10質量%
メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を表面の少なくとも一部に有する造形台を準備する工程、前記層上に、ラジカル重合性の三次元造形材をインクジェット方式により吐出する工程、並びに、吐出した前記三次元造形材を硬化する工程、を含む三次元造形物の製造方法である。
前記メルカプト基を有する化合物が、2つ以上のメルカプト基を有する化合物である請求項1に記載の三次元造形物の製造方法である。
前記メルカプト基を有する化合物の分子量が、250以上である請求項1又は請求項2に記載の三次元造形物の製造方法である。
メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を表面の少なくとも一部に有する造形台と、ラジカル重合性の三次元造形材を収容し、前記三次元造形材をインクジェット方式により吐出する吐出部と、吐出した前記三次元造形材を硬化する光を照射する光照射部と、を備える三次元造形装置である。
前記メルカプト基を有する化合物が、2つ以上のメルカプト基を有する化合物である請求項4に記載の三次元造形装置である。
前記メルカプト基を有する化合物の分子量が、250以上である請求項4又は請求項5に記載の三次元造形装置である。
基材の表面の少なくとも一部に、メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を有する造形台用部材である。
前記メルカプト基を有する化合物が、2つ以上のメルカプト基を有する化合物である請求項7に記載の造形台用部材である。
前記メルカプト基を有する化合物の分子量が、250以上である請求項7又は請求項8に記載の造形台用部材である。
請求項2に係る発明によれば、1つのみメルカプト基を有する化合物を用いた場合に比べ、得られる三次元造形物と造形台との剥離性により優れる三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記メルカプト基を有する化合物の分子量が250未満である場合に比べ、得られる三次元造形物と造形台との剥離性により優れ、メルカプト臭が抑制される三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項5に係る発明によれば、1つのみメルカプト基を有する化合物を用いた場合に比べ、得られる三次元造形物と造形台との剥離性により優れる三次元造形装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、前記メルカプト基を有する化合物の分子量が250未満である場合に比べ、得られる三次元造形物と造形台との剥離性により優れ、メルカプト臭が抑制される三次元造形装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、1つのみメルカプト基を有する化合物を用いた場合に比べ、得られる三次元造形物と造形台との剥離性により優れる造形台用部材が提供される。
請求項9に係る発明によれば、前記メルカプト基を有する化合物の分子量が250未満である場合に比べ、得られる三次元造形物と造形台との剥離性により優れ、メルカプト臭が抑制される造形台用部材が提供される。
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層(以下、「剥離層」とも称す)を表面の少なくとも一部に有する造形台を準備する工程、前記層上に、ラジカル重合性の三次元造形材をインクジェット方式により吐出する工程、並びに、吐出した前記三次元造形材を硬化する工程、を含む。
また、造形台上に、サポート材とモデル材とを混合した剥離層を形成する場合もあるが、上記場合であっても造形台と形成した三次元造形物との剥離性が十分ではなく、表面性は著しく低下した。
また、得られる三次元造形物における前記剥離層との接触部分と非接触部分との差が小さいため、三次元造形物を作製する方向が自由に選択され、例えば、サポート材の使用を抑制した三次元造形物の作製方向を選択し、三次元造形物が作製される。
更に、具体的には例えば、半球状の三次元造形物を作製する場合、球の断面側を造形台側として、半球状の三次元造形物を作製することにより、サポート材を用いなくとも半球状の三次元造形物が得られるため、インクの消費が抑制される。
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法では、メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を表面の少なくとも一部に有する造形台を準備する工程(準備工程)を含む。
前記剥離層は、造形台の三次元造形物を形成する面の少なくとも一部に設けられていることが好ましく、形成する三次元造形物と造形台との間に少なくとも存在するように設けられていることがより好ましい。
中でも、得られる三次元造形物における前記剥離層を有する造形台との接触部分の表面性の観点から、メルカプト基を有する化合物、バインダーポリマー、及び、溶媒を含む組成物を塗布し乾燥する方法が好ましく挙げられる。前記溶媒としては、メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを溶解する溶媒であれば特に制限はなく、公知の溶媒が用いられる。
前記造形台の形状は、特に制限はなく、公知の形状の造形台が用いられる。
また、本実施形態に係る三次元造形物の製造方法における前記剥離層は、造形台の表面に直接形成されていてもよいし、後述する造形台用部材を造形台上に設置することで設けてもよい。
前記剥離層は、メルカプト基を有する化合物を含む。
メルカプト基を有する化合物としては、単官能メルカプト化合物(1つのみメルカプト基を有する化合物)であっても、多官能メルカプト化合物(2つ以上のメルカプト基を有する化合物)であってもよいが、得られる三次元造形物と造形台との剥離性、及び、前記剥離層を繰り返し使用する観点から、多官能メルカプト化合物であることが好ましい。
また、多官能メルカプト化合物におけるメルカプト基の数は、得られる三次元造形物と造形台との剥離性、及び、前記剥離層を繰り返し使用する観点から、2以上8以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましく、4であることが特に好ましい。
更に、メルカプト基を有する化合物は、得られる三次元造形物と造形台との剥離性の観点から、脂肪族メルカプト化合物であることが好ましい。
メルカプト基を有する化合物の分子量は、得られる三次元造形物と造形台との剥離性、及び、メルカプト臭の抑制の観点から、200以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましく、350以上1,000以下であることが特に好ましい。
前記剥離層中におけるメルカプト基を有する化合物の含有量は、得られる三次元造形物と造形台との剥離性の観点から、前記剥離層の全質量に対し、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
前記剥離層は、バインダーポリマーを含む。
バインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和基を有しないポリマーであることが好ましい。
バインダーポリマーとして具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及び、スチレン樹脂などが挙げられる。
前記剥離層中におけるバインダーポリマーの含有量は、得られる三次元造形物と造形台との剥離性の観点から、前記剥離層の全質量に対し、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上98質量%以下であることがより好ましく、85質量%以上95質量%以下であることが特に好ましい。
前記剥離層は、前記メルカプト基を有する化合物及び前記バインダーポリマー以外の他の添加剤を含有していてもよいが、他の添加剤の総含有量は、前記剥離層の全質量に対し、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
他の添加剤としては、公知の添加剤が用いられる。
具体的には、例えば、溶剤、界面活性剤、着色剤、及び、香料等が挙げられる。
他の添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、前記剥離層上に、ラジカル重合性の三次元造形材をインクジェット方式により吐出する工程(吐出工程)を含む。
本実施形態に用いられるラジカル重合性の三次元造形材については、後述する。
前記吐出工程に用いられるインクジェットヘッドは、特に制限はなく、公知のインクジェットヘッドが用いられる。例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドが挙げられる。
前記三次元造形剤の吐出温度は、特に制限はなく、使用する三次元造形剤に応じて調製することができる。
前記吐出工程における吐出量についても、特に制限はなく、目的とする厚さとなる量を吐出すればよい。また、必要に応じて、前記吐出は、複数回行ってもよい。
前記吐出工程における前記三次元造形材の吐出形状は、形成する三次元造形物の形状に応じて、適宜設定すればよい。
前記サポート材は、前記剥離層上に吐出しても、前記造形台に直接吐出してもよいが、剥離性及び前記三次元造形材との厚さ調整の容易性の観点から、前記剥離層上に吐出することが好ましい。
本実施形態に用いられるサポート材については、後述する。
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、吐出した前記三次元造形材を硬化する工程(硬化工程)を含む。
前記硬化工程における硬化、すなわち、ラジカル重合は、前記三次元造形材の組成に応じ、光(例えば紫外線、電子線)により行っても、熱により行ってもよいが、光により行うことが好ましい。
なお、本実施形態における「光」は、特に断りのない限り、可視光線だけでなく、紫外線、電子線、及び、赤外線等も含むものとする。
前記硬化工程における硬化は、紫外線又は電子線の照射により行うことが好ましく、紫外線の照射により行うことがより好ましい。
また、前記硬化工程においては、必要に応じ、吐出した前記サポート材を硬化してもよい。前記硬化工程において、前記三次元造形材と前記サポート材は、一度に硬化してもよいし、別々に硬化してもよい。
紫外線(UV)照射装置としては、特に制限はないが、発光ダイオード(UV−LED)、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、及び、メタルハライドランプ等が挙げられる。
また、電子線(EB)照射装置としては、特に制限はないが、走査型、カーテン型又はプラズマ放電型等の電子照射装置が挙げられる。
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、前記硬化工程の後、硬化した前記三次元造形材及び硬化した前記サポート材よりなる群から選ばれた硬化物上に、ラジカル重合性の三次元造形材、及び、必要に応じて、サポート材をインクジェット方式により吐出する工程、並びに、吐出した前記三次元造形材、及び、必要に応じて、吐出した前記サポート材を硬化する工程を、三次元造形物を形成するために必要な回数繰り返して行うことが好ましい。
平板状の三次元造形物を作製する場合は、前記吐出工程及び前記硬化工程のみで三次元造形物が作製されることもあるが、ある程度の高さを有する三次元造形物を作製する場合は、前記吐出工程及び前記硬化工程の後、前記2つの工程を繰り返して三次元造形物を作製することが好ましい。
前記繰り返しの回数は、特に制限はなく、作製する三次元造形物の形状に応じて、適宜設定すればよい。
サポート材の除去方法は、特に制限はなく、使用したサポート材に応じて、粉砕やウォータージェット等の機械的除去を行ってもよいし、水溶等の化学的除去を行ってもよいし、これらを組み合わせてもよい。
更に、本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、その他、公知の工程を含んでいてもよい。
なお、本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、球の断面側とは反対側を造形台側とし、サポート材を使用して、半球状の三次元造形物を作製してもよいことは言うまでもない。
本実施形態に係る三次元造形装置は、メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を表面の少なくとも一部に有する造形台と、ラジカル重合性の三次元造形材を収容し、前記三次元造形材をインクジェット方式により吐出する吐出部と、吐出した前記三次元造形材を硬化する光を照射する光照射部と、を備える。
本実施形態に係る三次元造形装置は、本実施形態に係る三次元造形物の製造方法に好適に用いられる。
また、インクジェットヘッドの数や、インクジェットヘッドにおけるノズル数は、特に制限はなく、適宜設定すればよい。
また、本実施形態に係る三次元造形装置は、サポート材を収容し、サポート材をインクジェット方式により吐出するサポート材吐出部を備えることが好ましい。
ラジカル重合性の三次元造形材、及び、サポート材については、後述する。
紫外線照射装置及び電子線照射装置としては、前述したものが好ましく挙げられる。
前記光照射部は、1つのみ有していても、2つ以上有していてもよい。
また、本実施形態に係る三次元造形装置は、吐出した前記サポート材を硬化する光を照射する光照射部を有していることが好ましい。
なお、前記三次元造形材を硬化する光照射部と、前記サポート材を硬化する光照射部とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
更に、本実施形態に係る三次元造形装置は、その他、公知の装置や部材を備えていてもよい。
図1は、本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す概略構成図である。
サポート材吐出ヘッド14は、例えば、サポート材カートリッジ32と不図示の供給管を通じて連結されている。そして、サポート材カートリッジ32により、サポート材吐出ヘッド14へサポート材が供給される。
なお、モデル材吐出ヘッド12及びサポート材吐出ヘッド14は、各々、例えば、有効な吐出領域(モデル材及びサポート材を吐出するノズルの配置領域)が、層22を表面に有する造形台20上の造形領域幅(造形ユニット10の移動方向(主走査方向)と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とした長尺状のヘッドとしてもよい。この場合、造形ユニット10は、主走査方向のみに移動する方式とする。
紫外線照射装置及び電子線照射装置としては、前述したものが挙げられる。
このようにして、造形物の一部となる層と、必要に応じて、サポート部の一部となる層とからなる第1層LAY1を形成する(図2A参照)。ここで、図2A中、MD1は、第1層LAY1における造形物の一部となる層を示し、SP1は、第1層LAY1におけるサポート部の一部となる層を示す。
なお、得られた造形物は、研磨処理等の後処理を施してもよい。
本実施形態に係る造形台用部材は、基材の表面の少なくとも一部に、メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を有する。
また、本実施形態に係る造形台用部材は、三次元造形装置における造形台用部材として好適に用いられる。
更に、本実施形態に係る造形台用部材は、三次元造形装置における造形台上に設置して使用してもよいし、造形台自体として使用してもよい。
本実施形態に係る造形台用部材におけるメルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層は、基材表面に有すること以外は、前述した本実施形態に係る三次元造形物の製造方法におけるメルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層と同義であり、好ましい態様も同様である。
樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂が用いられる。
また、前記基材の形状としては、使用する造形台及び三次元造形装置に応じ、適宜選択すればよいが、板状、又は、シート状が好ましく挙げられ、板状がより好ましく挙げられる。なお、本実施形態において、板状とシート状との差は、板状基材は、基材端部を固定した場合、基材の自重により変形しない基材であり、シート状基材は、基材端部を固定した場合、基材の自重により変形する基材である。
前記基材の厚さとしては、10μm以上10cm以下であることが好ましく、本実施形態に係る造形台用部材を造形台上に設置する場合は、10μm以上1cm以下であることがより好ましく、10μm以上1,000μm以下であることが更に好ましい。また、本実施形態に係る造形台用部材を造形台自体とする場合は、0.5cm以上10cm以下であることがより好ましく、1cm以上10cm以下であることが更に好ましい。
保護フィルムとしては、特に制限はなく、公知の保護フィルムが用いられるが、樹脂フィルムであることが好ましい。
保護フィルムの厚さとしては、特に制限はないが、5μm以上500μm以下であることが好ましい。
留め具及び治具としては、特に制限はなく、公知のものが用いられる。
三次元造形装置において、本実施形態に係る造形台用部材を交換することにより、造形台との剥離性に優れる三次元造形物が繰り返し作製される。
本実施形態に用いられる三次元造形材は、ラジカル重合性のものであれば、特に制限はないが、エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、エチレン性不飽和化合物、及び、光重合開始剤を含むことがより好ましい。
また、本実施形態に用いられる三次元造形材は、重合禁止剤、界面活性剤等のその他添加剤を含んでもよい。
エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物であれば、特に制限はなく、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
中でも、本実施形態に用いられる三次元造形材は、エチレン性不飽和化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタン構造と2個以上の(メタ)アクリロイル基を一分子内に有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートは、モノマーであってもよし、オリゴマーであってもよいが、オリゴマーであることがよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの双方を意味する。また、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の双方を意味する。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、鎖状飽和炭化水素イソシアネート、環状飽和炭化水素イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。これら中でも、ポリイソシアネート化合物は、近紫外領域に光吸収帯を持たない鎖状飽和炭化水素イソシアネート、近紫外領域に光吸収帯を持たない環状飽和炭化水素イソシアネートが好ましい。
鎖状飽和炭化水素イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
環状飽和炭化水素イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、ジオール、多価アルコール等が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等)等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ヒドロキシル基を3個以上含有するアルキレン多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニトール等)が挙げられる。
ここで、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ここで、多価アルコールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールの説明で例示した多価アルコールが挙げられる。
二塩基酸としては、例えば、カルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、カルボン酸の無水物等が挙げられる。
環状エステル化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ここで、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。ジアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチルジフェニルカーボネート、2−トリル−4−トリルカーボネート、4,4’−ジエチルジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピルジフェニルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等が挙げられる。
水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル基含有化合物(例えばアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等)と(メタ)アクリル酸との付加物も挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量としては、500以上5,000以下が好ましく、1,000以上3,000以下がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
他のエチレン性不飽和化合物としては、N−ビニル基、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリロイル基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールのブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
複素環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及び
N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物の含有量は、三次元造形材全体に対して、90質量%以上99質量%以下が好ましく、93質量%以上97質量%以下が好ましい。
特に、エチレン性不飽和化合物は、ウレタン(メタ)アクリレートと前記他のエチレン性不飽和化合物とを併用することが好ましい。この場合、ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、三次元造形材全体に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上50質量%以下がより好ましい。一方、前記他のエチレン性不飽和化合物の含有量は、三次元造形材全体に対して、40質量%以上75質量%以下が好ましく、50質量%以上65質量%以下がより好ましい。
なお、エチレン性不飽和化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、例えば、三次元造形材に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上5質量%以下がより好ましい。
なお、光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、フェノール系重合禁止剤(例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、ヒンダードアミン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン等の周知の重合禁止剤が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、例えば、三次元造形材に対して、0.1質量%以上1質量%以下が好ましく、0.3質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
なお、重合禁止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の周知の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、例えば、三次元造形材に対して、0.05質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.3質量%以下がより好ましい。
なお、界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記以外で、その他の添加剤としては、例えば、着色剤、溶剤、増感剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)等の周知の添加剤が挙げられる。
三次元造形材の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下の範囲が好ましく挙げられる。
なお、三次元造形材及び後述するサポート材の表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学(株)製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
ここで、三次元造形材及び後述するサポート材の粘度は、レオマット115(Contraves社製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値である。
本実施形態に用いられるサポート材は、特に制限はなく、公知のサポート材が用いられる。
また、本実施形態に用いられるサポート材は、エチレン性不飽和化合物、及び、エチレン性不飽和結合を有しないポリマーを含むことが好ましく、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、及び、エチレン性不飽和結合を有しないポリマーを含むことがより好ましい。
更に、本実施形態に用いられるサポート材は、水等の前記エチレン性不飽和結合を有しないポリマー以外の可塑剤を含んでいてもよい。
また、本実施形態に用いられるサポート材は、前記以外に、重合禁止剤、界面活性剤、着色剤等のその他添加剤を含んでもよい。
エチレン性不飽和結合を有しないポリマーとしては、特に制限はないが、水溶性のポリマーであることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有しないポリマーの水酸基価は、JIS K−0070−1992に準じて測定した値である。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価アルコールの多量体、多価アルコールとアルキレンオキサイドとの付加物、アルキレンオキサイドの開環重合体等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ひまし油ポリオールとしては、ひまし油を多価アルコールで変性した変性ひまし油、ひまし油脂肪酸(ひまし油から得られる脂肪酸)を多価アルコールで変性した変性ひまし脂肪酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールの説明で例示した多価アルコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと二塩基酸との反応生成物、環状エステル化合物の開環重合体等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールの説明で例示した多価アルコール等が挙げられる。
二塩基酸としては、例えば、カルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、カルボン酸の無水物等が挙げられる。
環状エステル化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が挙げられる。
上記各種ポリオールと併用する多価アルコールの含有量は、エチレン性不飽和結合を有しないポリマーの作製に使用する全モノマーに対して、30質量%以上60質量%以下(好ましくは35質量%以上50質量%以下)がよい。特に、ポリエステルポリオールと多価アルコールとの混合物を使用する場合、その質量比(ポリエステルポリオール/多価アルコール)は30/70以上10/90以下(好ましくは25/75以上20/80以下)がよい。
なお、多価アルコールは、ポリエーテルポリオールの説明で例示した多価アルコール等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有しないポリマーの重量平均分子量としては、サポート部の剥離性向上の点から、200以上1000以下が好ましく、250以上850以下がより好ましい。
エチレン性不飽和結合を有しないポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
エチレン性不飽和結合を有しないポリマーの含有量は、例えば、サポート材全体に対して、25質量%以上80%質量%以下がよい。特に、非光硬化性ポリマーの含有量は、サポート部の剥離性向上の点から、例えば、サポート材全体に対して、30質量%以上75質量%以下が好ましく、35質量%以上70質量%以下がより好ましく、40質量%以上65質量%以下更に好ましい。
なお、エチレン性不飽和結合を有しないポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
特に、サポート材においても、三次元造形材と同様に、エチレン性不飽和化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートと前記他のエチレン性不飽和化合物とを併用することが好ましい。この場合、ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、サポート材全体に対して、5質量%以上45質量%以下が好ましく、10質量%以上35質量%以下がより好ましい。一方、前記他のエチレン性不飽和化合物の含有量は、サポート材全体に対して、10質量%以上70質量%以下が好ましく、20質量%以上65質量%以下がより好ましい。
本実施形態に用いられるサポート材の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下の範囲が好ましく挙げられる。
本実施形態に用いられるサポート材の粘度は、30mPa・s以上50mPa・s以下の範囲が好ましく挙げられる。
・ウレタンアクリレートオリゴマー:12.70質量部
(「U−200PA」新中村化学工業(株)製)
・ウレタンアクリレートオリゴマー:16.40質量部
(「UA−4200」新中村化学工業(株)製)
・アクリレートモノマー:50.40質量部
(「VEEA」(株)日本触媒製、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート)
・アクリレートモノマー:14.60質量部
(「IBXA」大阪有機化学工業(株)製、イソボルニルアクリレート)
・重合禁止剤:0.50質量部
(MEHQ(ヒドロキノンモノメチルエーテル))
・重合開始剤:3.00質量部
(LUCIRIN TPO」BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
・重合開始剤:1.00質量部
(Irgacure 379」BASF社製、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン)
・増感剤:1.00質量部
(ITX(2−イソプロピルチオキサントン))
・シアン顔料:1.00質量部
(「KY410−4B」大成化工(株)製)
・界面活性剤:0.20質量部
(「TEGO Wet 270」エボニック社製、ポリエーテル変性シロキサンコポリマー)
上記成分を混合し、モデル材MA1を調製した。
調製したモデル材MA1に対して、非光硬化性ポリマーとして、ポリエーテルポリオール(「アデカポリエーテルPシリーズP−400」(株)ADEKA製)を、サポート材全体に対して25質量%となる量混合して、サポート材SA1を調製した。
<層形成用組成物の調製>
ドデシルメルカプタン(S−2)10部に、PCZ樹脂(ポリカーボネート樹脂、三菱瓦斯化学(株)製ユピゼータ)90部及びトルエンを添加し、固形分2%のトルエン溶液を調製した。
三次元造形装置は、インクジェットヘッドとして富士フィルムダイマティックス社製Polarisヘッド(型番:PQ512/85)を、紫外線照射光源としてINTEGRATION TECHNOLOGY LTD社製Subzero−055(100w/cmの強度)を選択し、これらを駆動部と制御部とからなる造形装置に設置し、これを試験用の造形装置とした。なお、造形装置は、インクジェットヘッドと光源とが共に往復運動する方式であり、一度の走査(スキャン)毎に厚み20μmのモデル材層及び必要に応じてサポート材層の積層、並びに、紫外線照射による硬化処理を行い、三次元造形物、及び、必要に応じてサポート材による支持部(サポート部)の形成を行う装置とした。また、造形装置では、モデル材及びサポート材は、遮光条件下、保存タンクから送液ポンプによりサンゴバン社製Tygon 2375耐薬チューブを経由し、日本ポール(株)製プロファイル・スター A050フィルター(ろ過精度5μm)を通過させ、異物を除去した後にインクジェットヘッドへ送液する仕組みとした。この試験用造形装置における造形台として使用するガラス基板上に、前記剥離層形成用組成物を2,000rpmでスピンコートした。
前記ガラス基板上には、約10μmの層が形成された。
前記剥離層を有するガラス基板上に、モデル材MA1を用いて、1cm角の立方体を形成した。
引張試験機(日本電産シンポ(株)製FGS−TV)を使用して、前記剥離層を有するガラス基板上に形成した1cm角の立方体と、前記剥離層を有するガラス基板とが剥離する剥離力を測定した。
剥離力が小さいほうが、剥離性に優れる。
評価結果を表1に示す。
AEP Technology社製段差計NanoMap−500LSを使用して、剥離性評価を行った1cm角の立方体のガラス基盤からの剥離面中央を、500μmの長さに渡りスキャンし、表面粗さRa(μm)を測定した。
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(S−9)10部に、PCZ樹脂90部及びトルエンを添加し、固形分2%のトルエン溶液を調製し、実施例1と同様に造形台として使用するガラス基板上に、前記剥離層形成用組成物を2,000rpmでスピンコートした。前記ガラス基板上には、約10μmの層が形成された。
実施例1と同様に、前記剥離層を有するガラス基板上に、モデル材MA1を用いて、1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート(S−8)10部に、PCZ樹脂90部及びトルエンを添加し、固形分2%のトルエン溶液を調製し、実施例1と同様に造形台として使用するガラス基板上に、前記剥離層形成用組成物を2,000rpmでスピンコートした。前記ガラス基板上には、約10μmの層が形成された。
実施例1と同様に、前記剥離層を有するガラス基板上に、モデル材MA1を用いて、1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(S−9)5部に、PCZ樹脂95部及びトルエンを添加し、固形分2%のトルエン溶液を調製し、実施例1と同様に造形台として使用するガラス基板上に、前記剥離層形成用組成物を2,000rpmでスピンコートした。前記ガラス基板上には、約10μmの層が形成された。
実施例1と同様に、前記剥離層を有するガラス基板上に、モデル材MA1を用いて、1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(S−9)20部に、PCZ樹脂80部及びトルエンを添加し、固形分2%のトルエン溶液を調製し、実施例1と同様に造形台として使用するガラス基板上に、前記剥離層形成用組成物を2,000rpmでスピンコートした。前記ガラス基板上には、約10μmの層が形成された。
実施例1と同様に、前記剥離層を有するガラス基板上に、モデル材MA1を用いて、1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(S−9)10部に、シクロオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製ゼオノア)90部及びテトラヒドロフランを添加し、固形分2%のテトラヒドロフラン溶液を調製し、実施例1と同様に造形台として使用するガラス基板上に、前記剥離層形成用組成物を2,000rpmでスピンコートした。前記ガラス基板上には、約10μmの層が形成された。
実施例1と同様に、前記剥離層を有するガラス基板上に、モデル材MA1を用いて、1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
1cm角の立方体を、前記剥離層のないガラス基板上に直接形成した以外は、実施例1と同様に1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
前記三次元造形装置を用いて、前記剥離層形成用組成物の代わりに、モデル材MA1及びサポート材SA1の占める面積割合が1:1になるようにランダムに吐出させ、紫外線照射により硬化を行った層(約10μm)を前記ガラス基板上に形成した以外は、実施例1と同様に1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
ドデシルメルカプタンの代わりに、ステアリルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様に1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
ドデシルメルカプタン(S−2)を使用せず、PCZ樹脂のみを用いて層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様に1cm角の立方体を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
12 モデル材吐出ヘッド
14 サポート材吐出ヘッド
16 光照射装置
20 造形台
22 メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層
30 モデル材カートリッジ
32 サポート材カートリッジ
101 三次元造形装置
Claims (6)
- メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を表面の少なくとも一部に有する造形台を準備する工程、
前記層上に、ラジカル重合性の三次元造形材をインクジェット方式により吐出する工程、並びに、
吐出した前記三次元造形材を硬化する工程、
を含む三次元造形物の製造方法。 - 前記メルカプト基を有する化合物が、2つ以上のメルカプト基を有する化合物である請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記メルカプト基を有する化合物の分子量が、250以上である請求項1又は請求項2に記載の三次元造形物の製造方法。
- メルカプト基を有する化合物、及び、バインダーポリマーを含む層を表面の少なくとも一部に有する造形台と、
ラジカル重合性の三次元造形材を収容し、前記三次元造形材をインクジェット方式により吐出する吐出部と、
吐出した前記三次元造形材を硬化する光を照射する光照射部と、
を備える三次元造形装置。 - 前記メルカプト基を有する化合物が、2つ以上のメルカプト基を有する化合物である請求項4に記載の三次元造形装置。
- 前記メルカプト基を有する化合物の分子量が、250以上である請求項4又は請求項5に記載の三次元造形装置。
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